呂天(ケンガンオメガ)

登録日:2021/02/15 (月曜日) 00:13:00
更新日:2023/11/07 Tue 00:36:38
所要時間:約 5 分で読めます






……後悔するのは貴様の方だ。


小さい島国の王に、「世界」を教えてやろう。



(ルゥー) (ティエン)とは『ケンガンオメガ』の登場人物。

●目次

【プロフィール】

異名:「三鬼拳(さんきけん) 百足(むかで)
所属:煉獄 /
身長:203cm
体重:130㎏
年齢:おそらく40歳前後
誕生日:不明
好物:ラーメン(こってり豚骨が至高)
苦手:甘い梅干し

【概要】

中国・香港出身の煉獄A級闘士で、煉獄に所属する中国拳法使いのトップ3三鬼拳(さんきけん)の一人。
地元香港では知らぬ者がいないほどの中国拳法家で現在の三鬼拳の中では一番の新参ではあるが、随一の実力者と言われている。

その正体は煉獄陣営2人目の蟲の構成員で、蟲に所属している「もう一人の十鬼蛇二虎」が送り込んでいた上級戦闘員。
そして『滅堂の牙』加納アギトと同様かつて「もう一人の十鬼蛇ニ虎」が人間を対象に行っていた「蠱毒房」の生き残り
自らを「十鬼蛇ニ虎の正式な弟子」と豪語しているように蟲の中では二虎一派に属しており、タトゥーの位置は舌。


風貌はシンプルなスーツとロングコートを着た紳士的な風体で、髪の毛をオールバックにした屈強な巨漢。
西洋人じみた彫りの深い顔立ちと仏頂面が特徴だが、本性を露にすると目を見開き狂気的な笑みを浮かべるようになる。

内心彼を敵視・危険視していた極東本部長の夏忌は彼の参戦を一切知らされておらず「(頭領の糞ボケがッッ!!)」と内心毒づき、呂の参戦を知らされずブチ切れたエドワードに必死に釈明する羽目になった。


【人物】

ナイダン・ムンフバト同様彼もまた「なりすまし」ではなくまぎれもない呂天本人であり、煉獄の闘士として溶け込んでいたのも只の演技によるものに過ぎない。

本性は露悪的な言動が特徴的な傲岸不遜な性格。
二虎流そのものを「過去の遺物」と蔑んでいるが、特に加納アギトの存在は「試作品」と蔑んで露骨に見下している。
後述の無形を極めたが故に自身を「十鬼蛇ニ虎の正統後継者」と自負する高いプライドの持ち主。

口は悪いが武人としての気概はしっかりとあり、苛烈を極めた蠱毒房の経験を何より誇りに感じている。
蠱毒房を口八丁で逃げた夏忌に対しては「蟲に不要な屑」と侮蔑混じりの怒りを抱え、彼から自分達の側に就くよう強要された際はブチ切れて彼が連れていた配下を全員蹴散らし夏自身すら半殺しにしすらしている。
その為夏からは内心恨み半分怯え半分の恐怖感情を向けられており、「危険人物」と評されている。
なお夏を完全に見下し切っていた呂自身も夏が勝つためなら手段を選ばない人物だと分かるや「少しお前を見直した」「嫌いではない」とそれなりに評価を上げていた。


しかし異常に相手を煽り立てるような言動をしている一方で、
  • 「自分は成り代わりではないのでバレずに本気で友情を育んだり酒を一緒に飲んだりもした」といった旨を堂々と発言。
  • 蟲毒房で誰にも助けてもらえず1人で突破しきったことを自慢げに語る。
など、なんだか非道で小物臭い外道のような口調の割に、言ってる内容は任務とは別に煉獄の仲間にバリバリで情を持っていた宣言だし可哀相な過去の開陳でしかないという少し変わったテンションの人。
ひょっとしたら構成員としての役職や経歴上、多少人格が不安定になっているのかもしれない。
そしてアギト自身も彼の存在を「あの男の傀儡に過ぎん」と哀れみ見做していた。
実際後になって本命ともいうべき「虎の器」が姿を見せているため、二虎にとっては彼もただの実験台でしかなかったのだろう。


【戦闘能力】

表向きの流儀は「五王拳」だが、真の流儀は「十鬼蛇二虎から全てを受け継いだ」と豪語する「無形」
蠱毒房の途中で滅堂に助けられて出奔したアギトと異なり、蠱毒房を完遂しニ虎から正式に伝授されて研鑽を積んでいるため無形の質と完成度はアギトを完全に上回る。
技術のリソースの全てを無形に注ぎ込んだ、アギトが『ケンガンアシュラ』時代に苦手としていた特化型の達人である。
作者によれば二虎の弟子の中でも無形部門最強に位置するという。

才能や身体能力面でも師である二虎から天才と称される逸材。
呉雷庵の奇襲の突きの一撃を見切った上で何なく受けて平然としており、更にはエドワード・呉から半ば不可能扱いされていた呉一族が操る「外し」の習得まで実現してみせた。
なお度々「先の先」使用者のように攻撃がすり抜けるような描写も見られたが、先の先を習得しているかどうかは未だ不明。


このようにスペックも実力も間違いなく劇中でもトップレベルの強者で単行本のプロフィール紹介では作者からも「作中トップクラスの強さ」と明言されている
アギトが誇る『無形』と『武』も、単体だけで渡り合った場合は呂が圧倒していた以上、トーナメント敗北後の2年間の修行で人格統合による無形と武のタイムラグの克服に成功していなければ、アギトであっても勝ち目は無かったと考えられる。
……しかし本性の言動と顔芸が割と小物臭いためかそこまで強そうに見えないという意見もチラホラある悲しい悪役。

唯一の欠点といえるのは無形を習得した者が抱えやすい「獣心」の影響から闘争心と破壊衝動が先鋭化し易く、無形を使い出すと凶暴性が増し冷静沈着な思考を失いやすい事。
無形に特化している分その傾向は初期のアギトよりも顕著。


流派

五王拳

呂が表向きに使用している拳法。蟲とは無関係を装うためのもの。
一撃必殺の殺人拳だが、その強烈無比な一撃を放つには「溜め」が必要なため、急戦で攻め立てる相手とは相性が悪い。

無形(むけい)


これが「武の極致」?ヌルいな。


二虎流を捨てた「もう一人の十鬼蛇二虎」が考案した独自の戦闘術。
「型に囚われない予測不可能な動き」「いかなる戦法に対応する柔軟性」を併せ持つ、特定の型を一切持たない変幻自在のファイトスタイル。
システマのような型のない異様な動きを取るが、システマに似ているようで実際は全くの別物。

ずば抜けた自在性と対応力の高さが最大の特色で、呂の場合は無形の修練と研鑽にのみ特化した第二世代。
それ故に自らを「完全なる無形の体現者」と自負し無形という土俵では終始アギトを圧倒。序盤の時点でもアギトが一手を読み間違えていればそのまま呂に敗北していたと王馬が断言するほどの力を有している。
更にアギトの第二の武器である『武』すらも「ヌルい」と断じ、一瞬で自身の手玉に取ってしまう技量を有していた。

ただし『ケンガンアシュラ』でも言及されていたように技の選択肢が多すぎるが故に有効な攻撃方法を取捨選択する過程で僅かながら動きに遅れが生じてしまう欠点は相変わらず。
とはいえ無形に特化した第二世代らしく、反応速度はアギトの無形よりも格段に速い。
本人曰く「『技の深度』が違う」
高度な無形を修めたその動きは最早人間ではなくスライムを彷彿とさせる異様に柔軟かつ滑らかな動きを可能とした。


技術

  • 脱力
加納アギトも用いる無形での防御技の1つ。
『水天ノ型』のように相手の打撃が命中する瞬間、軟体生物やスライムを思わせる異様な動きと脱力によって衝撃を散らしダメージを無効化する。

  • 鬼魂(グイフン)
別名「外し」
脳のリミッターを意図的に外すことで潜在能力を解放し、パワーとスピードを飛躍的に向上させる呉氏固有の能力。
呂の奥の手であり、彼の場合肉体の損傷を度外視すれば最大96%まで開放可能。
96%時のスペックはユリウスに匹敵する怪力を発揮できるが、欠点として獣心に完全に飲み込まれ破壊衝動のまま暴れるバーサーカー同然となってしまう。
無理矢理再現したためか雷庵からは「不細工な外し」と嫌悪混じりで酷評された。


【劇中での活躍】

かなり初期の段階で煉獄代表として対抗戦への出場が内定しており、光我の煉獄見学時にも弓ヶ浜ヒカルニコラ・レ・バンナと共にその姿を現していた。


――別人を演じ続ければいずれ無理が生じる。私は違う

戦友と語らい――諍い――

喜怒哀楽愛憎善悪全て本当の私。故に、今日まで誰も私の正体に気が付かなかった

加納アギト。貴様は「同じ地獄」を生き抜いたいわば同志。俺の手で地獄へ送り返してやる


拳願会との対抗戦本番では第6試合に出場。
加納アギトに対して蠱毒房に入れられた際に着けられた腕輪を見せて彼を挑発し、試合に引きずり出した。
当初は五王拳主体で戦っていたが速攻でアギトに演技を見破られ本性を露にすると無形を解禁。
互いに「無形」を駆使する中5分間の攻防の末にアギトを上回り、「武」をも解放したアギトすら追い詰めたかに見えたが、


どうした加納アギト!!? もうおしまいか!!?

―――ああ。貴様は、もう終わりだ


試合後半では人格統合に成功し、「2つの型の切り替え時のタイムラグの克服」という新たな境地に至ったアギトの前に苦戦し追い詰められるが、奥の手である「外し」によるパワーアップで身体能力上で再び優位に立ちかける。

それでも獣心を克服したアギトに対し形勢逆転には至らず、おまけに肉体の品種改良と脳内麻薬によって体にかかる負荷に耐えつつ平静な判断力を保ててこそ真価を発揮する「鬼魂」を使いこなせているとは言い難く、体は急速に蝕まれていた。
パワーとスピードこそ上がれども精彩を欠いて隙が増したからか、最後は振り下ろした攻撃の隙を突いてアギトに距離を詰められ、最強の技「龍弾」を顎にまともに喰らい一撃でダウン。読者の予想通り敗北した。

その後の所在は不明だったが対抗戦後から2年後の時点で生存が確認。
東京地下の蟲のアジトで点滴を受けながら潜伏するという落ちぶれた姿を晒し、二虎を見返そうという気概を持っていたが刹那、龍鬼、清秋の連合軍の奇襲を受け交戦。
龍鬼を頭上からナイフによる奇襲で仕留めようと目論んだが清秋のインターセプトを受け失敗し、そのまま無形と鬼魂で清秋を仕留めようとした。
…が、後遺症の影響かアギトをも圧倒した対抗戦時の猛攻は見せられず、苦戦の末に最後は強ルーメンのライトによる目潰しを受け怯んだ隙にライトを突き刺されたことで頭を砕かれ呆気なく死亡した。


【余談】

アギトとの戦いでは試合が始まってからも明らかな三下発言を続け負けフラグを着々と積み上げていた上、ニヤッとした時の顔がヒカル君の顔の雰囲気と似ていることから、「人気のない中途半端なヒカル君のような存在になってしまうのではないか」と読者に心配されていた。
また顔を豹変さえさせなければ強者オーラの漂う威厳ある顔立ちだったため、「豹変しない方が強そう」という意見も多々見られた。



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最終更新:2023年11月07日 00:36