希望のジョー星

登録日:2021/08/22 Sun 17:51:34
更新日:2024/03/26 Tue 02:44:08
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今でも、そしていつまでも自由への希望にあふれた星。

絶望の間違いだろ



希望(きぼう)のジョー(スター)》とは、『デュエル・マスターズ』に登場するカードである。


概要

このカードが登場したのは十王篇、DMEX-12 「最強戦略!! ドラリンパック」
スプラッシュ・クイーンドリームメイトファンキー・ナイトメアといった旧種族の強化、
ドラゴ大王》《ニコル・ボーラス》《ヴィルヘルム》といった超強力ドラゴンの再録といった内容で注目されたこのパックには、新規収録となるD2フィールドがいくつか存在していた。
このカードは、それらのD2フィールドの1つにして史上初となる無色D2フィールド。

しかしてその実態は、その前代未聞の能力をもって数多くのデッキに絶望をもたらし、その後の環境に決して少なくない影響を与えたカード。
そして、2023年3月20日をもってプレミアム殿堂に指定されたカードでもある。

このカードの能力は前例がないうえ、影響を受けるカードがあまりにも広範囲にわたり、その全てを理解しようとするのは非常に面倒臭い
プレミアム殿堂となった今ではそうそう目にすることはないが、殿堂ゼロなどで相対した際に能力の解釈間違いによるトラブル防止を防止するためにも、自分・相手のカードが《ジョー星》によってどのような影響を与えるのかをしっかりと把握しておくべきだろう。

まずはこのカードに深く関係するゼロ文明について、当該項目に目を通すなどしてルールを一通り把握しておくことを推奨する。

また、「ジョー星」と名がつくカードは他にもう1枚存在するが、本項目で《ジョー星》とは特に断りがない限りこの《希望のジョー星》を指すものとする。


能力

希望のジョー星 R 無色 (3)
D2フィールド:ジョーカーズ
このゲームで使うカード、そのコスト、そのテキスト内のコストはすべて文明を失う。(無色となる)
(他のD2フィールドがバトルゾーンに出た時、このD2フィールドを自分の墓地に置く)

まずざっくり説明すると、このカードはお互いのカードを全て無色(ゼロ文明)に変えるというカードである。
しかしこれを一回見ただけでは《ジョー星》の特性全てはまず理解できない。
なのでまずは、このカードの能力を文節ごとに区切って細かく説明していこうと思う。

「このゲームで使うカード」とは

一般的にデュエマのテキスト内における「使う」とはカードのプレイのこと。クリーチャーであれば召喚、呪文であれば唱える行為がこれにあたる。
そのため、一見「プレイされたカードのみが無色化され、デッキ、墓地などのカードは無色化されない」と誤解する人もいるかもしれない。
しかしこのカードにのみ限りテキスト内の「このゲームで使うカード」文字通りの意味
お互いのゲーム上のありとあらゆる領域、すなわちバトルゾーンやマナゾーン、超次元ゾーンはおろか、裏向きの手札、デッキ超GRゾーンのカードもこのカードの影響を受ける。

あるいは、こう言い換えてもいい。
「このカードの能力による無色化からはそのカードが如何なる領域に置かれていようと逃れることはできない」と。

「そのコスト」とは

これは「そのカードをコストを払ってプレイする際、支払うマナの数と要求される文明」を指す。
エピソード1以降のカード、所謂「新枠」には左上に「その文明の色で塗られた円の中にマナの数が書かれている」という形でコストが記載されているが、そのうちの「色」が影響を受けると言っていい。

「そのテキスト内のコスト」とは

こんなカードがある。
勝熱英雄 モモキング KGM 火/自然文明 (8)
クリーチャー:ヒーロー・ドラゴン/ジョーカーズ/チーム切札 12000
<キリフダッシュ>[火/自然(6)](自分のクリーチャーの攻撃の終わりに、そのクリーチャーがその攻撃中にシールドをブレイクしていれば、このクリーチャーを[火/自然(6)]支払って召喚してもよい)
(以下省略)

このテキスト中の[火/自然(6)]は本wikiおよび引用元であるデュエル・マスターズwikiではこのような表記*1になっているが、実際のカードには左上のコスト同様の円の形で支払うコストが表記されている。
この円こそが、「テキスト内のコスト」である。
ちなみにこの表記自体は十王篇以前にも存在しており、ドラゴン・サーガで登場した「リサイクル」能力や、「謎のブラックボックスパック」で登場した名前が違うだけでリサイクルと全く同じ能力の「リサイタル」能力でもこの表記がなされている。

「文明を失う」とは

文字通り文明を失う、すなわち文明を持たないゼロ文明のカードになること。
実際のカード中に存在する奪われ、無色カードと同じ白く色抜けたかのように扱われる、と考えてもらえれば、後の説明が分かりやすくなる。

例外

しかしながら、カード内で文明を失わない部分も存在する。
それは、「カードのテキスト内に文字として書かれている文明」である。
例えば《螺神兵ボロック》の「このクリーチャーのパワーは、バトルゾーンにある光または水のクリーチャー1体につき-1000される。」という能力の中の「または」が「無色または無色」と読み替えられるなんてことは起こらない。
《希望のジョー星》はカードの「色」だけを奪うという考え方に基づけば納得していただけるだろうか。

そしてこの例外こそが、《希望のジョー星》を強力なメタカードたらしめている要因なのだ。


実際にどのようなことが起こるのか

このカードの能力で実際にカードが無色化したとして、それで実際に何が起こるのか、それを見ていこう。

  • 色事故・多色事故が無くなる。
先ほども説明した通り、カードの使用コストは無色化され、マナコストに文明を必要としなくなる。
そのため、本来マナゾーンに同じ文明のカードが1枚もない場合でも、そのカードを使うことが可能となる。
天災 デドダム》が文明関係なく適当なマナ3つで召喚できると言えば分かりやすいか。
最も、そのマナゾーンも《ジョー星》の影響下では全て無色になるため文明もなにも無くなるのだが。

また、多色カードに関してはその文明が無くなることで、多色カードとして扱われなくなる。
そのため、「多色カードをマナに置くときはタップして置く」というルール*2が適用されなくなり、マナゾーンに置く際にアンタップして置かれるようになる。

  • 全てのカードが無色サポートの対象になる。
全てのカードが無色扱いになるので、その全てが無色サポートカードの対象になる。
例えば、どの文明のクリーチャーでも《ゼロの裏技 ニヤリー・ゲット》のG・ゼロ条件を満たせる上にめくった3枚が確定で手札に加わる、どのクリーチャーの攻撃でも《破界秘伝ナッシング・ゼロ》をアタック・チャンスで唱えることができ、確定で3ブレイク追加できるといったことが起こる。


  • 特定の文明に関係する能力が受けられなくなる
これが《ジョー星》の最も厄介な点。

ヘブンズ・ゲート》を例にとろう。
このカードはのブロッカーを2体踏み倒す、今なお使われるカードである。
しかしジョー星の影響下では、本来踏み倒されるべきのブロッカーが手札にあったとしても、それらは全て無色になってしまっている。
それでいてテキスト上、《ヘブンズ・ゲート》で踏み倒すのは「光」のブロッカーでなければならないことに変わりはなく、無色化したブロッカーを踏み倒すことは不可能となる。
つまり、《希望のジョー星》がある限り、《ヘブンズ・ゲート》は唱えようと何の意味も無いカードに成り下がるのだ。

このように、《希望のジョー星》は文明を指定する能力を阻害する、言わば文明メタと言える存在と言える。
この文明メタに引っかかるカードが多いからこそ、《ジョー星》はメタカードとして成立するのだ。

実際に被害を受ける能力の例


大概の進化クリーチャーは、進化元に「火のクリーチャー」「闇のコスト5以上のクリーチャー」などといった指定がついている。
これらのクリーチャーは、《ジョー星》の下では進化─バトルゾーンに出すという宣言自体ができなくなる。
ただし元からバトルゾーンにあった進化クリーチャーは影響を受けない。
また、進化元が種族指定のクリーチャーは同様である。

種族指定であったために扱いづらかった初期の進化クリーチャーの反省を踏まえ、後続は条件を緩和したのだが、皮肉なことに《ジョー星》によってそれが逆転しまった。

より正確に言うならば「コマンドの登場によって封印を外す行為」
無色化したことで全てのクリーチャーが文明を持たなくなってしまい、封印されている「そのコマンドと同じ文明を持つカード」は存在しないことになるため、封印を外すことができなくなってしまう。
ドキンダムX》はカード指定除去を使わない限り禁断解放できなくなる他、カード能力で封印されたクリーチャーもほぼ再利用不可能になる。《ドルマゲドンX》に至っては自分の場全体に「召喚以外の方法で封印を剥がせない」という制限がかかるため禁断爆発はおろか自分の場の封印を剥がすこと自体が不可能になってしまう。

  • マナ武装・マナドライブ
マナゾーンにある文明に関連する能力。
《ジョー星》の存在下ではマナゾーン全て無色になるので、ほとんどが不発となる。
多色マナ武装も不発になるため、5Cデッキ御用達の《獅子王の遺跡》が単なる4マナの《フェアリー・ライフ》に成り下がるという採用するデッキにとって致命的な事態も起こりうる。

ただしマナドライブに関しては例外があり、ジョーカーズという「種族」を指定するマナドライブ(J)は《ジョー星》の能力に関係なく使うことが可能。

  • 侵略、革命チェンジ
言わずと知れた、今でなお環境の一線を駆け抜け続ける能力。
これらを持つクリーチャーは侵略、チェンジ元となるクリーチャーに特定の文明を持つことを指定している場合がほとんどである。
そのため、《ジョー星》の存在下ではそれらの侵略、革命チェンジを行うことが不可能となる。
攻撃しているのは無色のクリーチャーなのに、どうして団長を革命チェンジできると思ったんだい?ということ。
そのためこのギミックを中核としたデッキ、例えば【ドギラゴン閃】【デッドダムド】といったデッキはこのカードが出るだけで機能停止する可能性がある。

こちらも例外があり、条件に特定の種族、コストのみを指定している侵略、革命チェンジは《ジョー星》の影響を受けない。
侵略であれば《デュエにゃん皇帝》(ファンキー・ナイトメア)や《革命類侵略目 パラスキング》(コスト5以上)など、
革命チェンジは《希望のジョー星》と同じパックに新規収録された《ジョギラゴン&ジョニー 〜Jの旅路〜》(コスト5以上のジョーカーズ)、《凰翔竜機ワルキューレ・ルピア》(ドラゴンorファイアー・バード)、《森夢のイザナイ メイ様》(ドリームメイト)や、《ジョー星》プレミアム殿堂後のARev期に登場したオレら種族の革命チェンジが該当する。

超次元ゾーンに置かれているカード。
これらを場に出す場合、特にサイキックであれば6コスト以上、ドラグハートであれば4コスト以上のものを呼び出すための超次元呪文およびドラグナーの能力はその文明を指定している場合がほとんどであるため、《ジョー星》の能力で出せなくなることがある。
のサイキックを出す能力で無色化した生姜を出すことはできないし、のドラグハートを出す能力で無色化した《ガイハート》を出すことはできないということである。
マナゾーンから文明がなくなるので、最終龍覇達でもいかなるドラグハート・ウエポンも装備できなくなる。

サイキックに関してはいくつか例外が存在し、ドラグハートに関しても《ジョー星》の殿堂入り後に文明指定のないものが出始めている。

影響を受けない能力の例

  • 十王篇の十種族のメインギミック
このカードが登場する十王篇に登場する5つのチームと5つの王国が持つ固有の能力のうち、マナの支払いが関係する能力(キリフダッシュギャラクシールドバズレンダフシギバースビビッドロームゲンクライム)は、全て支払うコストがテキスト内に円の形で記されている。
そのため、《ジョー星》の影響下であっても問題なく使うことが可能である。
その他のチーム、王国の能力も条件に文明が関係しないものなので、十王篇のメインギミックは《ジョー星》の影響を全く受けないと言っていい。

属している種族だけあって、こちらも影響を受けにくい。
キリフダッシュは言わずもがな。その他ジョーカーズが持つ代表的な能力も、マナゾーン・バトルゾーンのジョーカーズの数を参照する能力や、チェンジ先の種族とコストのみを指定するもの等、文明が関係しないものばかり。
ただし、ジョーカーズ全てが文明に関係ない能力を持つかと言うとそうではなく、一部に例外は存在する。


弱点

このように、その能力によって様々な影響を及ぼすカードだが、もちろんその弱点が全くないというわけではない。

  • カード指定除去
ドラゴン・サーガからかれこれ8年くらい、《ジョー星》を退かすことのできるカード指定除去カードも色々増えた。
2021年8月現在、相手バトルゾーン上のクリーチャーでないカードをコスト関係なく除去できるカードは(ツインパクト含め)2マナのもので5枚*3存在する。
その他、S・トリガー持ちで4コスト以下のカードを除去できる《闇鎧亜ジャック・アルカディアス》など、汎用的なトリガー持ちのカード指定除去も採用されることがある。

  • D2フィールド
バトルゾーンに他のD2フィールドが置かれれば、ルールによって《ジョー星》は墓地に送られる。
そのため、《ジョー星》の能力が刺さるデッキがその対策のために《Dの博才 サイバーダイス・ベガス》などのような汎用的なD2フィールドを採用しておいて、返しのターンに張り替えることで被害を最小限にするという対策ができる。
さらにその次のターンに2枚目の《ジョー星》を張られたら目も当てられないが。

  • 無色化を逆に利用される
相手が無色サポートカードを採用している場合、《ジョー星》を逆に利用される場合がある。
例えば、《ジョー星》によって万策尽きた状態でも逆転できるよう無色がないデッキに《ナッシング・ゼロ》をピン投する、普通に使えば5枚目以降の《フェアリー・ライフ》だが、《ジョー星》の影響下では万能マナ回収のオマケもついてくる《ピクシー・ライフ》を初動として投入するなど、環境における《ジョー星》のシェア率によっては相手がそれを使われることを想定したデッキ構築をしてくる可能性がある。

  • 《ジョー星》を展開する前に勝負を決められる
普通に考えて、《ジョー星》を展開できるのは3ターン目以降
その前に勝負が決まる、あるいは積みに近い状況に追い込まれた場合、《ジョー星》の展開が間に合わない。
先攻3ターン目にバイクやら団長やら守護神やらが突っ込んでくるのがその代表例。
さらに、本来致命的に相性の悪いはずのドラグナーデッキでも2ターン目にフィニッシャーが着地するという事態もかつて起こり得たため、例え先攻をとったとしても《ジョー星》の展開が間に合わないこともあった。

  • 《ジョー星》が全く刺さらないデッキも存在する
言うまでもないことだが、デュエマは文明が全てというわけではない
上に挙げたもの以外で、《ジョー星》に動きを阻害されず、なおかつ環境の一線に食らいつけるだけのポテンシャルを持つデッキは数多く存在し、そのようなデッキには《ジョー星》の展開が全くの無駄になる。

中でも2020年末~2021年初頭までの環境トップである【オカルトアンダケイン】はハンデス・ランデスで相手の行動を完全に封じる、最速3ターン目で場を離れないワールド・ブレイカーで殴りこむといったデッキギミックに《ジョー星》の影響を受けるカードが全く入っておらず、メタカードとしての役目を果たせないことも環境トップに君臨していた要因の一つとなっていた。

王来篇に入ると、《ジョー星》によってメタるどころか逆に強化されてしまう《連結王 ドルファディロム》の登場によりメタカードとしての《ジョー星》の立場はさらに悪くなってしまう。

脱色?染色?

さて、ここまで語ってきた「文明を失わせる」《ジョー星》に対して、デュエマには古来から「文明を追加する」能力(以下、染色と表記)を持つカード達も存在する。
薫風妖精コートニー R 自然 (2)
クリーチャー:スノーフェアリー
自分のマナゾーンにあるカードを、すべての文明のカードとして扱う。

革命類侵略目 パラスキング SR 自然 (8)
進化クリーチャー:ジュラシック・コマンド・ドラゴン/革命軍/侵略者 14000
進化:自分のクリーチャー1体の上に置く。
侵略:コスト5以上のクリーチャー
T・ブレイカー
バトルゾーンにある自分のカードを、すべての文明のカードとして扱う。
革命2:自分のシールドが2つ以下なら、自分のクリーチャーの召喚コストを5少なくしてもよい。ただし、コストは0以下にならない。

これらのカード達と《ジョー星》が同時に存在した場合、バトルゾーンやマナゾーンはどうなるのか?

誰もが気になるであろうその答えは、「後から出したカードの効果が優先される」

例えば「《ジョー星》→《コートニー》→《パラスキング》の順番で出した場合、マナゾーンとバトルゾーンはすべての文明を得て、それ以外のゾーンは無色化する。
「《コートニー》→《ジョー星》→《パラスキング》の場合であれば、「マナゾーン染色→全ゾーン無色→バトルゾーン染色」となり、バトルゾーンはすべての文明を得る、それ以外のゾーンは無色化する、という具合になる。
《ジョー星》の影響化でも文明を追加するカードであればこのように被害を軽減することは可能だが、カードを出された順番をちゃんと覚えておかなければならないので注意しよう。

なぜこんな挙動になるのかというと、この3枚の効果が「特性固定効果*4」と呼ばれる物であり、そして「特性固定効果は特性固定効果で上書き出来る」というルールがあるから。
感覚的に分かりづらいと思ったら、5色の絵の具(《コ-トニー》《パラスキング》)と無色の絵の具(《ジョー星》)がお互いを上塗りするというイメージで覚えればわかりやすいかもしれない。
覚えにくいし《ジョー星》剥がした方が早い?その通りでございます。


一方でこんなカードもある。
虹速 ザ・ヴェルデ P 自然文明 (4)
クリーチャー:ソニック・コマンド/侵略者 4000
このクリーチャーをマナゾーンから召喚してもよい。
マッハファイター(このクリーチャーは、バトルゾーンに出たターンの間、タップまたはアンタップしているクリーチャーを攻撃できる)
このクリーチャーは、バトルゾーンまたは自分の墓地にある間、すべての文明を持つ。

自身の能力により、バトルゾーンと墓地にある間は5色レインボーとして扱える《虹速 ザ・ヴェルデ》。
このカードと《ジョー星》がかち合った場合どうなるのか?

正解は「常に《ジョー星》の効果が優先され、無色として扱う」
詳細はデュエル・マスターズWikiに詳しいが、《ヴェルデ》の効果は「特性定義能力」と呼ばれ、特性固定効果とは全く別種の能力なのだ。
そして「特性定義能力では特性固定効果を上書き出来ない」というルールの為、《ジョー星》下での《ヴェルデ》はいかなる状況であっても無色化するのである。
前述の絵の具の例でいうなら、《ヴェルデ》の能力は「絵の具を塗るキャンパスそのものを5色にする」というイメージが近いかもしれない。……やっぱ分かりにくくない?


関連カード

DG-パルテノン 〜龍の創り出される地〜 R 無色 (2)
DGフィールド
このDGフィールドをバトルゾーンに出した時、カードを1枚引く。
すべてのプレイヤーは、各ターン、クリーチャーを3体までしかバトルゾーンに出せない。
すべてのプレイヤーは、各ターン、呪文を3枚までしか唱えられない。

「ドラリンパック」に収録された、もう1枚の無色フィールド。
文明をメタる《ジョー星》は違い、このカードはクリーチャーの大量展開や呪文の大量詠唱、およびそれを用いた無限ループを抑制するカード。
軽量かつキャントリップ付き、D2フィールドではなくDGフィールドで複数枚発動可能なため、余ったマナで手札交換代わりに使うことも可能。

このカードを使うデッキは、相性の悪い速攻やループデッキを抑制でき、自身は《パルテノン》の影響を受けにくいコントロール系のものが多い。
…はずだったのだが2021年2月、このカードと召喚に関する裁定を悪用してループする【ゾンビパルテノンループ】というデッキが考案されてしまい、しかも環境入りするという事態が起こってしまった*5
公式でも流石に想定外だったためか早い段階でルール改訂がなされ現在は裁定変更によりループが不可能になった。
詳しいことは割愛するが、召喚とは何ぞやと思うこと間違いなし。

夢のジョー星 UC 無色[ジョーカーズ] (5)
呪文:ジョーカーズ
コストを支払うかわりに、自分のジョーカーズを4体タップして、この呪文を唱えてもよい。
自分の山札の上から4枚を見る。その中から1枚ずつ、自分の手札、山札の一番下、マナゾーンに置き、もう1枚を山札の一番上に戻す。

新章期に収録されたカードで、もう1つの「ジョー星」。イラストの構図もほぼ《希望のジョー星》と同じ…と言うより登場順的にそっちの構図が《夢のジョー星》を基にしているというのが正しい。
能力は同時期に各文明にあった「マナコストの代わりに特定文明のクリーチャー4枚をタップして唱える呪文」のジョーカーズ版で、手札補充、マナブースト、トップ操作がこれ1枚で可能となる。
超天篇における「核戦争(ミッツァイル・マスターズ)」のはしりとなったデッキタイプである【ジョーカーズミッツァイル】などで悪用されたこともあり活躍の場がなかったわけではないが、いかんせん《希望のジョー星》と比べると地味。

弩闘!桃天守閣 R 火/自然文明 (5)
D2フィールド:ジョーカーズ/チーム切札
<キリフダッシュ>[火/自然(2)](自分のクリーチャーの攻撃の終わりに、そのクリーチャーがその攻撃中にシールドをブレイクしていれば、このD2フィールドを[火/自然(2)]支払って展開してもよい)
自分のクリーチャーがブロックされた時、そのクリーチャーは相手のシールドを1つブレイクする。
相手の呪文の能力またはクリーチャーの能力によって、自分のクリーチャーはタップされない。
自分のクリーチャーがタップしてバトルゾーンに出る時、かわりにアンタップして出る。(他のD2フィールドがバトルゾーンに出た時、このD2フィールドを自分の墓地に置く)

後に登場した2枚目のジョーカーズD2フィールド。
D2フィールドなので《ジョー星》のメタとしても機能する。

そのこれでもかと言わんばかりに盛り込まれた能力が侵略、革命チェンジとの組み合わせでトンデモ現象を引き起こすことが明らかとなり話題となったが、この項目の本筋には関係ないことなので割愛する。

環境において

《ジョー星》をデッキに投入する場合、仮想敵のデッキには《ジョー星》による無色化が刺さり、かつ無色化が自身のデッキギミックに干渉しない、または致命的には干渉しないデッキに投入されることが多かった。
《ジョー星》と相性が悪いはずの【レッドゾーン】が当時の仮想敵だった【ドラグナー】をメタるために侵略ギミックをかなぐり捨てる覚悟で採用を決行し、あまつさえそれが公認大会で優勝してしまうという珍事は当時の《ジョー星》の影響力を語るうえで欠かせないだろう。

【青白ギャラクシールド】や【ドロマーオーラ】などに投入され【ドラグナー】や【デッドダムド】、【赤白ヴァイカー】などに立ち向かい、そして相手はその対策としてカード指定除去札をデッキに投入するなど、《ジョー星》の存在は環境にとってある程度警戒せざるを得ないカードであったことは間違いない。
しかし十王篇後期から王来篇の初期に、先述した【オカルトアンダケイン】など文明に頼らないデッキの台頭、そして《ドルファディロム》の登場によってメタカードとしての《ジョー星》は環境から姿を消した。

…「メタカードとしての」だが。

実は環境において《ジョー星》は「コンボパーツとしての」役目も持っていた。
そのコンボの1つの核がコレ
ゼロ・ルピア C 火文明 (3)
クリーチャー:ファイアー・バード/アンノイズ 1000
自分の無色クリーチャーの召喚コストを2少なくしてもよい。

エピソード2で登場した無色クリーチャーを対象とした《コッコ・ルピア》と言っていい存在であり、恐らく《ジョー星》の登場によって最も注目されたと言っていいカード

このカードが注目された理由は、《ジョー星》の能力で全てのクリーチャーをコスト軽減できるようになる点だけでなく、軽減されるコストに《コッコ・ルピア》のような下限がないという点もあった。
つまり、《ジョー星》が展開していれば《ゼロ・ルピア》1体でコスト2以下、2体でコスト4以下のクリーチャーが実質G・ゼロで出せるのだ。

このコンボが発見された当初は《ヘームル・エンジオン》を2体使って出したり引っ込めたりを繰り返して0マナで無限にGR召喚するコンボが考案されたが環境に入るまでには至らなかった。
しかしムゲンクライムと併せてクリーチャーを2体タップするだけで召喚でき、《ゼロ・ルピア》をはじめとする低コス獣を蘇生できる《罪無 ジョイダム垓》が登場。同時に登場した《無量大龍 トゥリナーツァッチ》をフィニッシャーに据えた、最速4ターン目で2~4コス以下のクリーチャーをぶん回して何やかんやして勝つ【ゼロ・ルピアループ】がデッキタイプとして確立され、2021年から始まったオリジナルフォーマットの環境入りを果たす。
その後フィニッシャーやデッキ構成を変えつつも2021年8月時点で環境の最前線に居座っている。
特にアドバンス環境では【5cコントロール】や【赤単我我我】、【モモキングRX閃】らと熾烈なトップ争いを繰り広げており、現在の環境では如何にしてこのカードをメタれるかが鍵となっている節がある。その脅威性は依然として衰えていない。
反面オリジナル環境ではクロニクルデッキの強化によってトップメタに食い込んだ【ボルシャック】に不利が付くためかなり母数を減らしてきている。*6

プレイヤーの間では《ジョー星》自身のメタ性能に加え、やってることが《ベイB ジャック》の再来と謳われるほどのソリティアであることからすごいヘイトを買われている。
ちなみに察しの良い方はお気づきかもしれないが、ミラーマッチだと下手に《ジョー星》を展開すると相手に利用されてしまうため凄まじい泥試合が始まる。

本来はコストが重く多くが召喚時限定効果を持つゼニスやアンノウンをサポートするためのカードだったはずが、《ジョー星》の登場によってあらゆるクリーチャーを0マナで投げるクソカードへと変貌するとは開発も想定していなかったことだろう。

あまりもの影響力の高さに、古の軽量メタカードである焼き鳥城こと《ローズ・キャッスル》採用が大真面目に検討される程の存在感であった。

環境トップを争うソリティアデッキということもあって公式が見逃すはずもなく、2022年1月1日に殿堂入りに指定されることになる。

殿堂入り後は【ゼロ・ルピアループ】は完全消滅、ループすることなくなったものの、代わりに【5cコントロール】などに組み込まれ、フィニッシャーとして大活躍。
自身の立場を追いやったはずの《ドルファディロム》と組んで驚異的な巻き返し&ロック性能を見せるなどした。

ソリティアでこそないものの、文明指定能力を持つカードは何もできなくなるという根本の性質は変わっていないので、一部のデッキはこのカード1枚出されるだけで詰みとなる状況が続いた。

単色全否定ならぬ、有色全否定となる状況はあまりに不健全すぎると思われたのか、2023年3月20日をもってプレミアム殿堂へと昇格した。

殿堂入り後に指摘されたのが、1枚しか採用できない殿堂カードなのに勝敗に与える影響が大きすぎるという問題。
プレミアム殿堂直前の環境では《ジョー星》の影響を受ける【4C邪王門】や【青魔導具】が猛威を奮っており、《ジョー星》はメタカードとして活躍。
無色カードな為デッキカラーを選ばずに採用でき、その採用率はデッキの邪魔にならなければとりあえず採用するどころか、キーカードである《卍 新世壊 卍》が影響を受ける筈の【青魔導具】ですら採用する*7ほど。もはや汎用カード
そして《ジョー星》は刺さる相手には出せば勝ちといった性質上、「《ジョー星》を引いたから勝った」といったクソ試合になりやすい。
《ジョー星》が4枚積まれているなら対策カードの採用を検討できるが、1枚しかない《ジョー星》のために対策カードを積むのは非効率的で精神的にもストレス。カードとしての厄介さは殿堂入り後の方が上という声も。

余談

  • イラストには《モモキング》と3体のモモダチの他に、《ヤッタレマン》《パーリ騎士》《洗脳センノー》など新章から今までジョーカーズを支えてきたクリーチャー達からそうでない者までが並び立っている。
    無色から始まり、友情を結んだ文明を取り入れながら進化していったジョーカーズだが、無色化という能力はそのジョーカーズの原点に立ち返るということを意味しているのかもしれない。

  • 他方、「文明という個性を奪い、戦う力を奪うことでもたらされる平和」というこのカードのもたらす所業は、エピソード2&3におけるゼニスオラクルの理想に通ずるものがある。
    新時代の主役であるジョーカーズのカードが、かつての敵が終ぞ果たせなかった理想の世界を実現できてしまうのは、なんという皮肉だろうか。

  • 開発陣によるとMTGの《天界の曙光》等が元ネタらしい。
    デュエマでは光文明に相当する白のカードであり、白の「平等」の理念を如実に表したカードである。ただしこちらは影響を与えるのは自分のみ。
    近年では《ジョー星》のように元から無色のカードがよく似た効果を持っていることが多い。

  • 背景ストーリーではジョーカーズの住処だったが、王来MAXにてジャオウガによって崩壊、メディアでも鬼札アバクによって木っ端微塵になった。本来悲しむべき場面ではあるが、このカードによって絶望してきたプレイヤーは間違いなくスカッとしたことだろう。
アバク&鬼の槍、GJ。



追記・修正は、文明を失っても希望を捨てずに戦える人にお願いします。

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最終更新:2024年03月26日 02:44

*1 タカラトミー公式サイトでは[fn06]と表記されている

*2 2018年末から、多色カードがマナゾーンにタップして置かれるのはカードの能力ではなくルールによるものとなった

*3 《ハエタタ・チュリス》《墓標の封じ 遥典/六奇怪の三 ~意志を持つ水~》《暴走 グロール/カルド・コバーン》《メッチャ映えタタキ》《勝舞の機神装甲ヴァルボーグ/火炎ヴァルバスター》

*4 この名称自体は非公式のモノなので注意

*5 実際には緊急事態宣言下でCSが行われていなかったため知名度とは裏腹にそこまで結果は残していない。

*6 ボルシャックがあまり色依存していない上に、《ボルシャック・スーパーヒーロー/超英雄タイム》が《ジョー星》を簡単に除去できてしまった為

*7 メタカードとしての用が済んだらカード指定除去である《堕呪 エアヴォ》で《ジョー星》を除去して《卍 新世壊 卍》を起動する、あるいは《卍 新世壊 卍》起動後に《ジョー星》を設置するといった使い方