サーベラス(Mass Effect)

登録日:2021/10/21 Thu 00:46:47
更新日:2022/02/20 Sun 02:10:55
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 サーベラスは施設でも人材でもない 
 概念なのだ 
 その概念は簡単には崩れない 



【概要】

Mass Effectシリーズに登場する組織。極一部の例外を除き、構成員は全員地球人である。
人類の地位向上を第一の目的として活動しており、その分野は政治、軍事、科学など多岐にわたる。
非常に発達した技術を所有し、莫大な資金と時間を掛ければ大半の臓器や骨格を失って仮死状態の者を一切の後遺症を残さずに蘇生することもできる。

しかし、その実態は非常に過激な「地球人至上主義」という非常に偏ったものであり、地球人以外の種族への被害は度外視し、地球人の地位向上だけを追求する姿勢を採る。
人類の利益となるならば人類に対しても(●●●●●●●)過激で非人道的な行為に及び、*1人類の利益になるならば非合法の悪事に手を染めることも厭わない。

これらのことからシタデル評議会はおろか地球連合からさえ「銀河社会の安全に重大な脅威をもたらす存在」と認識され、完全にテロリスト扱いされている*2
一方で、元より非合法組織という立ち位置であるため銀河種族間の政治や法律といったしがらみに縛られることがなく、必要と認めたあらゆる活動を即座に行動に移せるという点は他の組織に無い強みと言える。
地球政府や連合軍が諸々の事情から静観を続けるような事柄であっても、人類に降りかかる災厄とみなせば積極的に解決に導こうとするなど、曲がりなりにも根底には”人類のため”という正義を持っている。



【組織】

サラリアンのSTGやアサリのコマンドー秘密偵察部隊のような組織であると自称している。
隠し持っている軍事力や組織として所有している情報の量及び情報収集能力は地球連合と同等と目されている。
ホースヘッドネビュラのアナディウス星系にある「クロノスステーション」というスペースコロニーを本拠地とし、銀河系のあらゆる星々やスペースコロニーに研究施設等の支部が点在している。

組織としての構造は地球連合軍と似たような階級制となっているが、官僚的な形式主義に凝り固まると行動が制限されるということで全ての活動方針を統一する等の規則は設けていない。

サーベラスは民間組織で、組織の資金提供者は総帥のイルーシブマンに絶対の信頼を寄せているという。
だが資金に関する実情については幹部ですら知らず、資金のやりくりは全てイルーシブマンが担っている。
資金は無限ではないが、少なくとも軍隊並みの戦力を持ちながら様々な分野の研究を不自由なく行えるほど潤沢である。

構成員は政治に手を焼いている地球連合に愛想を尽かした者や、本気で人類のためを思ってサーベラスへの入籍を志願する者が多く、サーベラスの過激なやり方に関して肯定的な者もいる。
しかしその一方で、構成員の中にはただ異星人が嫌いだからという理由で加入した者や、軍を不名誉除隊させられて行き場を無くして流れ着いた者など、人類の地位向上という理念に全く興味を持っていない無法者も少なくない*3
他にも最新の技術や優秀なスタッフが揃っており、人類の進歩に役立つ研究ならいくらでも資金を出してくれるという理由で加入した研究者なども構成員の中に見られる。



【主な構成員】

<総帥>

  • イルーシブマン
サーベラスの創設者にして総帥。目的を達成するためならばどんな犠牲も厭わない冷徹な男。本名は不明であり「イルーシブマン」という呼び名は元は連合軍がつけたコードネームを自称するようになったもの。
どれだけ人類以外の種族を犠牲にしても人類の利益を追求する民族主義者であり、その思想はサーベラスの理念となっている。
常に本拠地の玉座に座しており、サーベラスの構成員の前に直接姿を現すことは滅多に無い*4
前述したようにシタデル評議会からは銀河の平和を乱す思想を持った危険人物と捉えられている。
構成員に対して常に「倫理に縛られるな」と説き、彼らにも人の道を外れた行いを強要させている。


<幹部>

イルーシブマンの玉座への出入りが許可されている幹部。
複雑な家庭環境から逃れるためにサーベラスに入隊した過去を持ち、イルーシブマンやサーベラスに忠誠を誓っている。
シェパードを蘇生させる「ラザラス・プロジェクト」の責任者も努めた。
しかしシェパード率いるノルマンディーの部隊に配属されたことを切っ掛けにイルーシブマンとの対立を深め、最終的に脱退した。


  • オレグ・ペトロフスキー
サーベラスの主席参謀を務める幹部。
勝利のためならば手段を選ばない性格をしており、常に的確で無慈悲な作戦を展開する。
部下を率いてオメガに侵攻し、アリアからオメガを奪取した。


<戦闘員>

◇上級兵

イルーシブマンに戦闘能力を買われ、重要な任務に就く戦闘員。
実力行使の際に実働部隊の指揮官として投入されることもある。

元連合のバイオティック。堅物で真面目な男で連合に見切りをつけてサーベラスの一員となった。
サーベラスに対して強い忠誠心は無く、サーベラスやイルーシブマンが正義の側に立っている間だけは信頼するという意志を持っている。
シェパードの指揮下に入っている間にサーベラスのやり方が常軌を逸していると判断し、自らの判断で脱退、同じくサーベラスを抜けようとした科学者たちとともに隠遁することになる。


元N7という経歴を持つ忍者風の男。
刀を交えた体術とバイオティックを武器とする。
ミランダやジェイコブなどの中心人物たちが脱退した後に台頭し、幹部格のエージェントとなった。


◇一般兵

サーベラスの軍事力を担っている名も無き雑兵たち。
改造手術によって強化を施されており、恐れ知らずで情け容赦無い殺人マシンへと変貌している。
また装備の鹵獲や埋め込まれたインプラントを解析される事を防ぐために彼らのアーマーを始めとした装備品には自己破壊シーケンスが組み込まれている。

  • トルーパー
最も多く登場する普通の歩兵。武器はホーネット。
体力はHPだけで銃撃やアビリティですぐに倒せるザコ敵。
接近すると光るバトンみたいなもので殴ってくる。


  • センチュリオン
トルーパーより重装備の歩兵。武器はマトック(またはサーベラスハリアー)。
体力はHPとシールドで煙幕を張ってこちらの視界を遮ってくる。
トルーパーの指揮官機のような存在で通信機と思しきバックパックを背負っている。


  • ガーディアン
ライオットシールドを構えたゴツい歩兵。武器はタロン。
体力はHPだけだがデカいライオットシールドがなかなか厄介で、銃弾やアビリティを完全に防いでしまう。

守備範囲も180°以上あり、正面からワープなどをカーブさせて明らかに盾に覆われていない脇腹に当てても無効化されてしまう。
しかし銃弾を覗き窓に上手く当てれば正面からでもダメージを与えられ、貫通効果を付与*5した武器やデフォルトで貫通効果を持った武器*6ならばただの歩く的になる。
マルチプレイならばプルやラッシュで盾を落とさせることも可能。


  • ネメシス
黒ずくめの狙撃主。体力はHPとシールドで武器はラプター。
基本的に物陰に隠れており、その状態から赤いレーザーでこちらを索敵・狙撃してくる。
ラプターは低威力で連射が早いスナイパーライフルのはずだが、こいつが使うラプターは何故かウィドーのような単発高火力となっている。
接近すると何事も無かったかのように立ち上がって移動し始める。


  • エンジニア
丸いフルフェイスマスクをかぶっている工作兵。武器はファランクス。
どこからともなくセントリーガンを取り出し、地面に設置する。
こいつ自身は大して強くないが、こいつが設置するセントリーガンはかなり厄介。
地味に頑丈な上に強力な機銃掃射でこちらの体力をゴッソリ持っていかれてしまう。
またアトラスが近くにいるときはアトラスの修復もし始めるので見つけ次第優先的に倒した方が良い。


  • ドラグーン
某アメコミヒーローのようなシルエットの兵士。
武器はホーネットを使い、体力はアーマーのみ。
銃撃しながらこちらに接近し、バイオティックの鞭を叩きつけて攻撃してくる。
鞭の攻撃は飛び掛かりながら放つものと足を止めて振りかぶってから放つものの二種類がある。
鞭をくらうとダメージが大きいうえにほぼ確実に怯むので要注意。


  • ファントム
バイオティックとを使う暗殺兵。体力はHPとバリア。
地味なバイオティックのビームを放ちながらこちらに接近し、刀で斬りかかってくる。
ゼロ距離まで近づいてくると刀を急所に突き刺す即死攻撃を仕掛けてくる。
また体力が減ると光学迷彩を起動しつつ物陰に隠れて体力の回復をし始める嫌なやつ。


  • アトラス
サーベラス製の二足歩行ロボット。トルーパーが中に入って操縦している。
体力はアーマーとシールドでかなりの重装甲。
こちらが遠距離にいるときは右腕に組み込まれたキャノン砲とミサイルで攻撃し、近づくと左腕のアームで殴ってくる。
近づきすぎると左腕のアームで掴みかかってきて握りつぶすという即死攻撃を仕掛けてくる。
倒さないように上手くコックピットの防弾ガラスを壊して中身のトルーパーだけを始末すると、乗っ取ってシェパードが操縦できる(マルチプレイでは不可)。


<一般構成員>

◇研究員

  • ギャビン・アーチャー
ゲスを始めとする機械生命体との交信を目的とした「プロジェクト・オーバーロード」の責任者。
弟のデイヴィッドを実験台として利用し、機械生命体と交信させるユニットのように使っていた。
しかしやがてデイヴィッドが暴走し、実験用に捕獲していたゲスを操って暴動を起こしたことでプロジェクトは失敗、他の研究員は全員死亡し、彼と弟だけが生き残った。
シェパードとノルマンディーの介入で救出された後、非人道的な実験を強要するイルーシブマンに反発しサーベラスを脱退*7、その後はジェイコブやブリンなどのサーベラス脱退者たちと共に、辺境の植民地で身を隠しながら逃亡生活を送っていた。
オーバーロードをプレイした場合は再会した際に会話の内容が変化し、シェパードの選択や再会した時期によっては弟に対する行いを悔いて自決する。


  • デイヴィッド・アーチャー
「プロジェクト・オーバーロード」の被験体となった青年。ギャビンの弟。
サヴァン症候群で数学の天才であったことからプロジェクトオーバーロードの被験者として選ばれた。
ゲスの言語を理解して交信するまでに至ったが、実験の苦痛に耐えきれず*8に暴走し、ギャビンたち研究者の指示を受け付けなくなってしまった。
シェパードらの介入により、救出された場合はサーベラスを脱退してグリソムアカデミーに入学し、プロジェクトオーバーロードを続行させた場合は後に発狂して死亡する。


  • コール・ブリン
コレクター基地から回収した情報を分析して人間のインプラントに転用する研究を行っていた。
同僚の研究員が突然姿を消したことを切っ掛けに身の危険を感じ、ジェイコブに諭されたことでイルーシブマンの異常性に気づいた。
その後、研究の成果を全て破棄してジェイコブや仲間の研究員たちと共にサーベラスを脱退した。
そして脱退後の逃亡生活を送る中でジェイコブと恋仲になり、彼の子を身籠る。
女性シェパードでジェイコブとロマンスをしていた場合はちょっと修羅場になる。
旦那の元カノの名前を自分の子供に付けようとするやべーやつ


  • ドクターエヴァ
連合へのスパイとして潜入していた科学者。
正体は高度な知能を持ったアンドロイドであり、人間に擬態する能力を持っている。
火星にある連合の研究施設に勤めていたがサーベラスの侵攻に合わせて本性を現し、研究員を惨殺。
火星で発見されたプロセアン帝国の情報を奪取して逃亡を試みるがシェパード一味に阻止され、肉体はノルマンディーのAIであるEDIに乗っ取られた。


◇技術者など

  • ケネス・ドネリー
エンジニアとしてノルマンディーに配属された技術者。スケベで下ネタ好きのお調子者。
ノルマンディーのパワーシステムの整備を担当している。
ギャビーとは旧知の仲で二人とも元は地球連合に所属していた。
シタデルにおけるソヴリンとの激戦に参戦した戦艦に乗船していたこともあり、リーパーの脅威に対して無頓着な地球連合やシタデル評議会を見限ってサーベラスに加入した*9
コレクターとの戦いの後、シェパードと同様サーベラスに加担した容疑で連合に捕らえられる。
シェパードがスペクターの権限を行使して釈放すれば再びノルマンディーのエンジニアに復帰する。


  • ガブリエル(ギャビー)・ダニエル
ドネリーと同様にエンジニアとしてノルマンディーに配属された技術者。生真面目な女性でおちゃらけているドネリーの言動にツッコミを入れる。
ノルマンディーの推進エンジンの整備を担当。
ドネリーとは技術アカデミーからの腐れ縁で、彼がサーベラスに加入したことを切っ掛けに自身もサーベラスに加入した。
コレクター戦後の動向はケネスと同じ。
ちなみに彼らが機関室で話しているのを積極的に聞きに行くと仲が発展していき、地球での最終決戦の直前には…


  • ケリー・チェンバース
心理カウンセラーの技能を持つ下士官。ノルマンディーの通信係と乗組員のカウンセリングを兼任していた。
話し掛けると部隊メンバーの様子を報告してくれる。
ストーリーで大きなイベントが発生する度に話しかけていると仲が進展し、男女どちらのシェパードでもロマンスが可能
コレクターとの戦いの後はサーベラスから脱退してシタデルに流れ着いた難民のケアを手伝っている。
シタデルで再会したときに、名前や過去の経歴を消して別人に生まれ変わるようにアドバイスしておかないと、サーベラスがシタデルでクーデターを起こした際にサーベラスの反逆者として処刑されてしまう。


  • ルバート・ガードナー
炊事係兼雑用としてノルマンディーに乗船した中年男性。
クルーが死地に飛び込む前に上手い飯を食わせてやりたいと考えており、シェパードにシタデルに寄ったときに食材を仕入れてきてほしいと頼んだ。
元は整備関係の技術者で炊事の他にノルマンディーの設備の点検や掃除なども行っている。
コレクターとの戦いの後は消息を絶つ。


<その他>

地球連合の軍人だったがコレクターの襲撃に遭い消息不明となる。
紆余曲折あった後に仮死状態の肉体がサーベラスの手に渡り、人類の未来のために莫大な資金を費やして蘇生された。
一時的にサーベラスの協力関係にあったがコレクターと決着がついたところでイルーシブマンと決別し、以降は完全に敵対関係となる。


  • ジョーカー
地球連合のパイロット。ノルマンディーの操縦手として招集される。
シェパードと共に一時的にサーベラスの構成員となるがシェパードと同様にコレクターとの戦いが終わった後に脱退した。


惑星プラジアの研究所にて、最強のバイオティックと成るべく人体実験を繰り返し施された地球人の女性。
研究施設で暴動が起きた際に脱走してサーベラスから逃れたが、後にノルマンディーの部隊メンバーとして再びサーベラスの一員となる。
しかしコレクターとの戦いの後はシェパードの脱退に合わせてサーベラスを抜け出し、地球連合の一員になった。


  • アラッシュ
ジャックと同様にバイオティックの人体実験の被験者として捕らえられていた男性。
研究施設の崩壊に乗じて脱走した。


ノルマンディーの部隊メンバーとして一時的にサーベラスの傘下に加わった異星人たち。
コレクターとの戦いが終わった後にシェパードと共に脱退した。


サーベラスに雇われて一時的に協力者となった者たち。
コレクターとの戦いが終わって契約が終了した後は関係を切った。


  • フェニックス
プロジェクトフェニックスと呼ばれていた初期の人体強化生理実験の被験者たち。
強力なバイオティックを使いこなす強化人間であり、現在のドラグーンのプロトタイプとも言うべき存在。
イルーシブマンが兵士の忠誠を保持するために洗脳を施しはじめたことを切っ掛けに脱退し、現在は連合軍の一員になっている。





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最終更新:2022年02月20日 02:10

*1 作中では生まれて間もない赤ん坊を拉致して人体実験のモルモットにする、他種族を支持する人々を武力で制圧するなどの行為が見られる。

*2 構成員だけでなく彼らに加担する者も犯罪者として扱われ、少なくとも地球連合ではサーベラスに何らかの形で協力すること自体が重罪となっている

*3 このせいで世間からは「クズの集まり」との評価をされている

*4 ミランダによると幹部ですら直接接触する機会はほぼ無いらしい

*5 ペネトレーションバレットの装填や貫通効果付与のアタッチメントを装着するなど

*6 ウィドーやジャベリンなど

*7 プロジェクトオーバーロードを中止させるか続行させるか、どちらを選択しても最終的に脱退する

*8 プラットフォームとの簡単な交信ならば問題は無かったが、ゲスのサーバーと交信を試みた際に膨大な情報を処理しきれずに精神崩壊した。

*9 シェパードが消息不明になっている間にリーパー関係で上層部に抗議をした姿がイルーシブマンの目に留まったらしい