スケアクロー(遊戯王OCG)

登録日:2022/03/20 (日曜日) 00:00:37
更新日:2024/03/20 Wed 13:06:15
所要時間:約 5 分で読めます




スケアクローとは、遊戯王OCGのテーマの一つである。
初登場は11期のパック「DIMENSION FORCE」。

+ 目次



概要

イラストから連続したストーリーを推測できるカード群の一つ。
魔獣の蔓延る《肆世壊=ライフォビア》に流星と共に突如現れた謎の男《ヴィサス=スタフロスト》。
「DIMENSION FORCE」では魔獣達を従え肆世壊に君臨する《スケアクロー・ライヒハート》と彼の戦いを描いたものが中心になっている。
彼らは互いに「宇宙のような異界となった右腕」を持ち、似た要素を持つ者同士の戦いは《ヴィサス=スタフロスト》の勝利で幕を下ろす。
そしてマスコットめいた姿に変わった《スケアクロー・ライヒハート》を仲間にした彼は、肆世壊を後にし次なる世壊へと向かう…というストーリー。

しかしその後《ヴィサス=スタフロスト》らがいなくなった肆世壊に、突如として巨大な移動要塞《クシャトリラ・シャングリラ》が襲来。
中より現れた謎の集団「クシャトリラ」によって謎の装置を設置され、肆世壊は強制的に彼らの陣地へと改造されつつあった。
危機を察知し帰還した《ヴィサス=スタフロスト》達は、肆世壊を守るために謎多き侵略者と刃を交える事となる。

11期の遊戯王は続き物のストーリーテーマとして《アルバスの落胤》を主人公とした、通称「烙印世界」の物語が紡がれている。
だが、そんな最中に新たに現れたストーリーテーマの第一弾がこれ。インパクト強すぎである
一人の男が「世壊」を巡り、自分と同じ「片腕に宇宙の様な異界を持つ男達」を倒して行くというあらすじのストーリーだと思われる。
果たしてその結末や如何に…。


「スケアクロー」の由来は「案山子」を意味する「スケアクロウ」+「爪」を意味する「クロー」を掛けたものと思われる。
ちなみにその「スケアクロウ(scarecrow)」の語源は、「恐怖」を意味する「スケアー(scare)」と「カラス」を表す「クロウ(crow)」をくっつけたもの。
要するに「カラスを怖がらせるもの」という意味。

また、これを含む「世壊」を持つテーマは全て感情に由来する単語をもじったテーマ名となっている。
上述の由来より「スケアクロー」の担当は『恐れ』。
現状判明している分のテーマ名から、モチーフには中国医学における「七情」やヒンドゥー教にて舞踊の感情表現を意味する「ラサ」も含まれているか。
また、巡る「世壊」のモチーフや振られた番号はインド神話の神であるヴィシュヌの10の化身と合致する。
「肆(4)」に該当する化身は「獅子の神ナラシンハ」。


テーマとして

「DIMENSION FORCE」で登場した「スケアクロー」モンスターは以下の共通効果を持つ。

このカード名の(1)の方法による特殊召喚は1ターンに1度しかできない。
(1):このカードは自分フィールドの「スケアクロー」モンスターの隣
または同じ縦列の自分のメインモンスターゾーンに手札から特殊召喚できる。
つまり1体がフィールドに存在すれば、そこから数珠繋ぎに「スケアクロー」モンスターを並べることが可能。
手札からの展開能力が非常に高いデッキとなる。
その一方で展開ギミックの大部分をこの効果に頼っているため、手札消費が荒い・立て直しが困難などジリ貧を招く部分も多い。

またこれとは別に、守備表示に関する効果も持ち合わせている。
詳しくは個々の解説部分に譲るが、守備表示の展開に誘導し一網打尽にするのがコンセプト。


カード一覧

効果モンスター

レベル3

現在のところ、獣族で統一されている。
前述の共通効果と、EXモンスターゾーンの「スケアクロー」モンスターに能力を与える効果を持つ。

全員が身体に拘束具をつけられたデザインをしているのが特徴的。
名前は様々な恐怖症の英名から取られている。

スケアクロー・ベロネア
効果モンスター
星3/地属性/獣族/攻 0/守1700
このカード名の(1)の方法による特殊召喚は1ターンに1度しかできない。
(1):共通効果
(2):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、EXモンスターゾーンの自分の「スケアクロー」モンスターが守備表示モンスターを攻撃した場合、
その守備力を攻撃力が超えた分だけ相手に戦闘ダメージを与える。
口を封じられた四つ足のめいた獣。固有効果は貫通効果の付与。

リンクモンスターの《スケアクロー・トライヒハート》の効果でフィールドには守備表示モンスターが多くなるが、その状態でも安心して戦闘ダメージを与えられるようになる。
というより、このカードがいないと真面目に戦闘ダメージを与えられなくなる。

名前の由来は先端恐怖症「ベロネフォビ(belonephobia)」。


スケアクロー・アクロア
効果モンスター
星3/地属性/獣族/攻 0/守2000
このカード名の(1)の方法による特殊召喚は1ターンに1度しかできない。
(1):共通効果
(2):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、EXモンスターゾーンの自分の「スケアクロー」モンスターの攻撃力は、
自分フィールドの守備表示モンスターの数×300アップする。
翼の稼働を封じられた二足歩行のコウモリめいた獣。固有効果は守備表示モンスターの数に応じたパンプアップ。

こちらも《スケアクロー・トライヒハート》の影響で守備表示モンスターが増えるので、有効に働きやすい。

名前の由来は高所恐怖症「アクロフォビ(acrophobia)」。


スケアクロー・アストラ
効果モンスター
星3/地属性/獣族/攻 0/守1300
このカード名の(1)の方法による特殊召喚は1ターンに1度しかできない。
(1):共通効果
(2):自分フィールドに守備表示の「スケアクロー」モンスターが存在する限り、その種類の数まで、EXモンスターゾーンの自分の「スケアクロー」モンスターは1度のバトルフェイズ中に攻撃できる。
背中と尾に電気の球のようなものを封じられたサーベルタイガーめいた獣。固有効果は守備表示モンスターの種類数分の攻撃回数の増加。

【スケアクロー】では《スケアクロー・トライヒハート》以外は戦闘に参加し辛いため、ダメージソースの心配を解消してくれる。

名前の由来は雷恐怖症「アストラフォビア(astraphobia)」。


レベル4

こちらは戦士族モンスター1体のみが該当。

スケアクロー・ライヒハート
効果モンスター
星4/闇属性/戦士族/攻1500/守2100
このカード名の、(1)の方法による特殊召喚は1ターンに1度しかできず、(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):共通効果
(2):このカードが召喚・特殊召喚に成功した場合に発動できる。
デッキから「スケアクロー」魔法・罠カード1枚を手札に加える。
フィールドに守備表示モンスターが3体以上存在する場合、さらに自分はデッキから1枚ドローできる。
恐らくこの「世壊」の支配者と思われる人物。大剣を片手に不敵に笑う、狂戦士といった感じの男。
固有効果は「スケアクロー」魔法・罠のサーチと、条件を満たした時の1ドロー。

手札を補強できる効果なので、手札消費が荒い【スケアクロー】にとって重要度が高い。
サーチ先は蘇生効果を持つ《肆世壊の新星》か、万能カウンター効果を持つ《肆世壊の牙掌突》になるだろう。


《ヴィサス=スタフロスト》に似た顔つきをしており、同じ様に右腕の一部が宇宙のような異界に変化している。
VBEX3にて明かされたその正体は、ヴィサスの分身にして『恐怖』をつかさどる存在。
ライフォビアを支配し、時折やってくる赤き尖兵を返り討ちにしながら獣たちを戦わせていた。

「ライヒ」とはドイツ語で大きな領域を指す言葉であり、「帝国」などと訳される単語である。
3体の獣を引き連れているという要素から、裏モチーフは恐らくディズニー映画の『ライオン・キング』の悪役「スカー」か。


レベル7

こちらはサイキック族モンスター1体のみが該当。

スケアクロー・クシャトリラ
効果モンスター
星7/地属性/サイキック族/攻 0/守2600
このカード名の(1)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分・相手のメインフェイズに発動できる。
このカードを手札から特殊召喚し、自分の手札・墓地から「クシャトリラ」カードまたは「スケアクロー」カード1枚を選んで除外する。
(2):このカードは表側守備表示のままで攻撃できる。
その場合、このカードは守備力を攻撃力として扱いダメージ計算を行う。
(3):自分の「クシャトリラ」モンスターまたは「スケアクロー」モンスターが、相手モンスターと戦闘を行う場合、ターン終了時までその相手モンスターの効果は無効化される。
「PHOTON HYPERNOVA」で登場した、後述の《スケアクロー・トライヒハート》の下半身にあたる三つ首の獣に良く似たメカメカしい獣。
自分・相手メインフェイズに自身を特殊召喚する効果と守備表示のまま攻撃できる効果、
自分の「クシャトリラ」または「スケアクロー」モンスターと戦闘する相手モンスターの効果をターン終了時まで無効にする効果を持つ。

特殊召喚効果には手札・墓地の「クシャトリラ」か「スケアクロー」カードを除外する必要がある。
コストこそかかるが場の状況に左右されず特殊召喚できるので、戦線を立て直しやすいのが強み。

(2)の効果で守備力を攻撃力扱いにして守備表示のまま攻撃出来るため、《スケアクロー・トライヒハート》の影響下でも攻撃可能。数値も2600と高め。
トライヒハート以外の打点の低さに困っていた【スケアクロー】では優秀なダメージソースとして機能する。

(3)による戦闘する相手モンスターの効果無効化も、《スケアクロー・トライヒハート》で対応できない永続効果での破壊耐性などを突破出来る様になる。

総じて、コスト捻出さえどうにかなれば【スケアクロー】において非常に役立つありがたいモンスターである。


リンクモンスター

現在は獣戦士族モンスターで統一されている。

スケアクロー・トライヒハート
リンク・効果モンスター
◤ ▲ ◥
◀   ▶
リンク3/闇属性/獣戦士族/攻3000
【リンクマーカー:左下/下/右下】
効果モンスター3体
このカードはリンク召喚でしか特殊召喚できない。
(1):フィールドの表側表示モンスターは守備表示になる。
(2):フィールドのこのカードは守備表示モンスターが発動した効果を受けない。
(3):1ターンに1度、このカードがEXモンスターゾーンに存在する場合、自分の墓地のレベル3の「スケアクロー」モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターを特殊召喚し、デッキから「スケアクロー」モンスター1体を手札に加える。
この効果を発動したターン、自分は「スケアクロー」モンスターしか特殊召喚できない。
三ツ首の獣と合体した《スケアクロー・ライヒハート》。

目玉は2枚ものアドバンテージを稼ぐ(3)の効果。
サーチした「スケアクロー」達も自力で特殊召喚できるので、《スケアクロー・トライヒハート》の強化も大きなものになる。
この効果の発動後は「スケアクロー」しか特殊召喚できなくなるので、他のモンスターを使う場合はこれより前に用意する必要がある。

他にも(1)でリンクモンスターと「効果を受けない」モンスター以外を全て守備表示にするため、攻撃による突破を抑制できる。
そして(2)の耐性により(1)を受けたモンスターの効果を受けない。
ただし「発動する効果」のみなので永続効果には無力。とはいえそうでなければレベル3「スケアクロー」達の補助も受けられないのだが。

【スケアクロー】のエースであり、いかにしてこのカードを召喚・維持するかが重要になってくる。
リンク召喚以外では特殊召喚ができないので、「トライブリゲード」に頼らず特殊召喚をしなければならない。
リンク素材は「効果モンスター」であれば何でもよいので、展開力の高い他デッキのギミックを流用してもよい。


「三」ツ首の獣と合体したから「トライ」ヒハート…というだけではなく、おそらく名前の由来は集合体恐怖症「トライポフォビア(trypophobia)」。
召喚条件もきっちり三体が集合することで成り立っている。

獣と合体したためか種族がライヒハートとも下級達とも異なる獣戦士族となっている。
この法則は後出の「ティアラメンツ」や「クシャトリラ」の「ハート」達とも共通している。


スケアクロー・ライトハート
リンク・効果モンスター
◤ ▲ ◥
  ▶
◣ ▼ ◢
リンク1/闇属性/獣戦士族/攻 500
【リンクマーカー:左】
「スケアクロー」モンスターまたは「ヴィサス=スタフロスト」1体
このカードをリンク召喚する場合、自分のメインモンスターゾーンのモンスターしかリンク素材にできない。
このカード名の(2)の効果はデュエル中に1度しか使用できない。
(1):このカードがEXモンスターゾーンにリンク召喚された場合に発動できる。
デッキから「肆世壊=ライフォビア」1枚を手札に加える。
(2):自分フィールドに「ヴィサス=スタフロスト」が存在する場合に発動できる。
このカードを墓地から特殊召喚する。
POWER OF THE ELEMENTS」で登場した、まさかのSDキャラ化したライヒハート
よく見るとイラストの端にヴィサスのものと思われる髪が映り込んでいる。

VBEX3で明かされたその正体は、《ヴィサス=スタフロスト》にとりこまれた後、未だ彼の自我が不完全だったためか現れたライヒハートの残滓のような存在。
この姿になってからは《ヴィサス=スタフロスト》の旅に同行しているようで、彼を補助する役回りとなっている。ペルレイノでの戦いや、アライズハートとの決戦では彼の助言が打開策となった。そのビジュアルと活躍っぷりからティアラメンツを差し置いて一部界隈では真のヒロイン扱いされている

条件や制約はあるものの、リンク召喚時に「スケアクロー」モンスターのサーチ効果を持つ《肆世壊=ライフォビア》をサーチ出来るリンク1。
つまり
  1. 適当な「スケアクロー」モンスターか《ヴィサス=スタフロスト》1体を場に出してリンク召喚し《肆世壊=ライフォビア》をサーチ。
  2. 《肆世壊=ライフォビア》を発動して《スケアクロー・ライヒハート》をサーチ
  3. サーチした《スケアクロー・ライヒハート》を《スケアクロー・ライトハート》の下に特殊召喚し、《肆世壊の新星》をサーチ。
  4. 《肆世壊の新星》で《スケアクロー・ライトハート》の素材にしたモンスターを蘇生させて3体で《スケアクロー・トライヒハート》をリンク召喚。
と、メインデッキに入る「スケアクロー」モンスターが全て1枚初動になる【スケアクロー】最重要カード。
蘇生したのが《ヴィサス=スタフロスト》ならレベル10シンクロが可能手間、場と墓地で《ヴィサス=スタフロスト》扱いになる《ヴィサス=サンサーラ》ならレベル4チューナーである事を活かしてレベル8シンクロやランク4エクシーズにも繋げられる。

更に《ヴィサス=スタフロスト》が居ればデュエル中一度に限り自己再生も可能。
《肆世壊=ライフォビア》は《ヴィサス=スタフロスト》もサーチ出来るため、あちらの特殊召喚とこちらの自己再生で即座に2体のモンスターが並ぶ。

また、地味に初の獣戦士族リンク1モンスターでもある。
トライブリゲード】では効果は一切役立たないものの、墓地リソース1枚で出せるリンクモンスターなので素材水増し要員として注目されている。

関連モンスター

ヴィサス=スタフロスト
チューナー・効果モンスター
星6/光属性/戦士族/攻2100/守1500
このカード名の(1)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードが手札に存在する場合、
このカードとは種族と属性が異なる自分フィールドのモンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターを破壊し、このカードを特殊召喚する。
(2):このカードが戦闘で相手モンスターを破壊した時に発動できる。
そのモンスターの元々の攻撃力と元々の守備力の内、
高い方の数値の半分だけこのカードの攻撃力はアップする。
流星と共に肆世壊に現れた謎の男。

「スケアクロー」の名を持たないが、後述するようにサポートカードを共有できる特殊なカード。
【スケアクロー】においては属性が合わず効果のシナジーも無く、Sモンスターも不在なのだが
前述の《スケアクロー・ライトハート》の効果トリガーになることから重要度は高い。
またレベル6チューナーであるため、適当なスケアクロ―カードから《スケアクロー・ライトハート》を経由してこのカードに繋げ《スケアクロー・ライヒハート》と共に《フルール・ド・バロネス》をシンクロ召喚するという芸当も可能。

汎用カードとしてみると、「光属性・戦士族」以外の自分モンスターを能動的に破壊できる効果が注目点。
どこその種族テーマのような、破壊をトリガーにしたコンボを補助できる。
シンクロ召喚と破壊ギミックをサポートする役目として、《肆世壊=ライフォビア》と共に出張採用も検討できる。
詳細は個別項目を参照。

右腕全体がまるで宇宙の様な異界へと変化しており、この腕を用いて強力なパンチや武器の召喚を行う事が出来る。
理由は不明だが彼は「世壊」を巡る旅をしており、そこで自分と似た顔の男達と戦う事になる。
イケメンな風貌と「ティアラメンツ」関連のイラストにちょくちょく面白い顔で登場している事などから人気は高い。
ファンからの愛称は「ヴィ様」
VBEX3の解説では、何者かによって記憶を奪われ、いくつかの感情を分割されてしまった存在。本名はカード名と同じく『ヴィサス』であることが判明した。

名前の意味は恐らくリトアニア語で「全て」を意味する「ヴィサス」に、「スター(星)」+「フロスト(霜)」で「スタフロスト」。
直訳すれば「幾星霜」といった意味合いになる。
また、巡る「世壊」に自分のそっくりさんが必ず一人はいる事、関連するカードのネーミングが仏教やインド神話を元にしている事。
以上からモチーフの一つは、幾多もの化身を持つインド神話の英雄神「ヴィシュヌ」ではないかと言われている。


魔法・罠カード

イラストから推測される時系列順に掲載する。
肆世壊(しせかい)=ライフォビア
フィールド魔法
このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できず、このカード名の(3)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードの発動時の効果処理として、デッキから「スケアクロー」モンスターまたは「ヴィサス=スタフロスト」1体を手札に加える事ができる。
(2):相手フィールドのモンスターの攻撃力・守備力は、フィールドの守備表示モンスターの数×100ダウンする。
(3):フィールドに守備表示モンスターが3体以上存在する場合、相手フィールドのカード1枚を対象として発動できる。
そのカードを破壊する。
ライヒハートが支配する獣に満ちた緑の「世壊」。

現代フィールド魔法ではおなじみの発動時のサーチ効果を持っており、手札の補強が狙える。

(2)の全体弱体化は倍率こそ低めなものの、デッキの性質上守備表示モンスターを揃えやすいので勝手はいい。

(3)は破壊効果。フィールドに3体以上の守備表示モンスターが居るときに使用できる。
対象を取る起動効果なので防がれやすいが、オマケとしては上々。

《ヴィサス=スタフロスト》もサーチできるため、そちらを使うデッキにも併せて採用できる。

ルビを見れば分かる通り、このカードは「スケアクロー」カテゴリに属していない
そのため《スケアクロー・ライヒハート》ではサーチできない事に注意。
当初は《テラ・フォーミング》などの汎用フィールドサーチに頼っていたが、リンク1の《スケアクロー・ライトハート》の登場で容易になった。

名の由来は恐らく《スケアクロー・ライヒハート》の「ライヒ」+「フォビア(恐怖症)」。


恐怖を束ねる王「ライヒハート」は、恐怖が形を成した獣「スケアクロー」を進化させるべく互いに争わせて、その様子を一段高い所にある玉座から眺めていた。
そんなある時、空から水色の光球が落ちてきた……。


肆世壊の新星(スケアクロー・ノヴァ)
通常魔法
このカード名の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分の墓地の、「スケアクロー」モンスターまたは「ヴィサス=スタフロスト」1体を対象として発動できる。
そのモンスターを守備表示で特殊召喚する。
(2):自分フィールドの「スケアクロー」リンクモンスターが戦闘・効果で破壊される場合、代わりに墓地のこのカードを除外できる。
謎の男とライヒハートの邂逅。

(1)は「スケアクロー」モンスターの蘇生。
単純で使い勝手も良く、《スケアクロー・ライヒハート》でサーチできるので安定して使用できる。
リンク素材にした「スケアクロー」を復活させる事で、《スケアクロー・トライヒハート》に更なる力を与えることも可能。

(2)は破壊の身代わりになる《復活の福音》系列の効果。
【スケアクロー】における《スケアクロー・トライヒハート》の性能と依存度合はかなりのものなので、それを守れるのは頼もしい。


落ちてきた光球から現れたのは、目に光が無く、自我があるかも定かではない、星の輝きを宿す異形の右腕を持つ男。
王「ライヒハート」は、本能的に狙いが自分にある、と察する。そして、度々現れる赤い尖兵とは格が違う存在だということも。
王は恐怖の集合体「トライヒハート」となり、男に戦いを挑む。


肆世壊の牙掌突(スケアクロー・スクラッシュ)
永続罠
このカード名の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):1ターンに1度、自分フィールドの、「スケアクロー」モンスターまたは「ヴィサス=スタフロスト」1体を対象として発動できる。
このターン、そのモンスターは表側守備表示のままで攻撃できる。
その場合、攻撃力と守備力の内、高い方の数値を適用してダメージ計算を行う。
(2):EXモンスターゾーンに自分の「スケアクロー」モンスターが存在し、相手が効果を発動した時、魔法&罠ゾーンの表側表示のこのカードを墓地へ送って発動できる。
その効果を無効にする。
謎の男とライヒハートの戦いの決着。

(1)は「スケアクロー」もしくは《ヴィサス=スタフロスト》を、守備表示のまま攻撃させる「超重武者」系列の効果。
《スケアクロー・トライヒハート》以外の戦闘参加は悪い話ではなく、守備表示に手間取る相手に一方的に殴られる痛みを思い知らせることは可能。
ただし自分のターンしか発動できず、耐性の無いこのカードがそこまで無事に残る保証はない。
この効果はあまりアテにしない方がいい。

(2)は万能カウンター効果。
《スケアクロー・トライヒハート》の耐性の穴を埋めて盤石にし、絶対攻勢に拍車をかけてくれる。


激しい戦いに決着が付く。「ライヒハート」を己の右腕に輝く星の1つにしたことで、男はかすかに自分のことを思い出す。


肆世壊の継承(スケアクロー・オルタネイティブ)
通常罠
このカード名の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分フィールドの「スケアクロー」モンスター3体をリリースして発動できる。
このターン、相手は守備表示でしかモンスターを特殊召喚できない。
(2):自分ターンに、墓地のこのカードを除外して発動できる。
フィールドの守備表示モンスターの数×100ダメージを相手に与える。
ライヒハートの力を吸収した謎の男…《ヴィサス=スタフロスト》。真顔で浮いているイラストがシュール。一部では浮遊バグと呼ばれる

(1)の展開干渉はリリースコストが非常に重い上に、モンスターを並べる事そのものは止めていないので全く割りに合っていない。
守備表示を強要するなら《スケアクロー・トライヒハート》や《つまづき》で十分。
欲をかくにも《No.41 泥睡魔獣バグースカ》の方が相手の行動も妨害できて一石二鳥である。

(2)のバーンダメージも倍率が低く、高威力は望めない。

総じて【スケアクロー】においても採用する理由が薄いカード。
相手が【コード・トーカー】などのリンクデッキと分かった後に、サイドからピン差ししてギリギリ仕事ができるくらいか。


「ライヒハート」を取り込んだことで感情と自身の名前を思い出した「ヴィサス」。
本当の自分を取り戻すべく、獣たちに見送られるなか、新たな旅路に出る。


肆世壊からの天跨(スケアクロー・ストラグル)
速攻魔法
このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。
(1):以下の効果から1つを選択して発動できる。
●自分フィールドの、「スケアクロー」モンスターまたは「ヴィサス=スタフロスト」1体と、相手フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる。
その相手モンスターの攻撃力と守備力の内、高い方の数値分だけその自分のモンスターの攻撃力・守備力をアップする。
●自分フィールドの、「スケアクロー」モンスターまたは「ヴィサス=スタフロスト」を対象とする効果が発動した時に発動できる。
その効果を無効にする。
POWER OF THE ELEMENTS」で登場した「スケアクロー」の物語の続き。
相手モンスターの高い方のステータス吸収かスケアクローor《ヴィサス=スタフロスト》を対象にする効果の無効化を選べる速攻魔法。

前者は貫通や連続攻撃を付与した《スケアクロー・トライヒハート》のキル性能を高め、後者は《スケアクロー・トライヒハート》の維持に役立つ。
非常に強力なカードであるものの1ターンに1枚しか発動できず、どちらか片方の効果しか使えないためタイミングの見極めには注意したい。


イラストは流星となって宇宙を飛ぶ《ヴィサス=スタフロスト》を案内する《スケアクロー・ライトハート》。でもSD化は想定外だったようだ
彼らが向かう次なる「世壊」は、『悲しみ』の名を持つ人魚と圧制者の異界


械貶する肆世壊(ディクライン・スケアクロー)
通常魔法
このカード名の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分のフィールド・墓地の「肆世壊=ライフォビア」1枚を対象として発動できる。
そのカードを持ち主の手札に戻す。
自分フィールドに「ヴィサス=スタフロスト」が存在する場合、さらに相手フィールドの表側表示モンスター1体を選んで裏側守備表示にできる。
(2):フィールドに守備表示モンスターが3体以上存在する場合、墓地のこのカードを除外して発動できる。
自分の墓地から「スケアクロー」カード1枚を選んで手札に加える。
「DARKWING BLAST」で登場した新たな肆世壊での一場面。
場か墓地の《肆世壊=ライフォビア》を回収し、《ヴィサス=スタフロスト》がいれば《月の書》効果も発揮する通常魔法。
守備表示モンスターが3体以上居る時に墓地から除外して「スケアクロー」カードをサルベージする効果も持つ。

《肆世壊=ライフォビア》の回収効果は発動時サーチを繰り返し使えるので、手札消費の荒い【スケアクロー】にはありがたい。
また自分の場に《ヴィサス=スタフロスト》がいるなら相手の表側モンスターを裏守備に出来る追加効果も持つ。
《スケアクロー・トライヒハート》に通用する永続効果持ちを黙らせる事ができる。

(2)は条件こそあるがモンスターだけでなく「スケアクロー」魔法・罠も回収できるので、展開だけでなく相手ターンへの備えにも使える。


イラストでは《肆世壊=ライフォビア》へ侵攻してきた『怒り』の名を持つ侵略者達の攻撃から身を守る《ヴィサス=スタフロスト》が描かれている。


肆世壊の双牙(スケアクロー・ツインソー)
通常罠
このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。
(1):自分フィールドの「スケアクロー」モンスター1体をリリースし、相手フィールドのカード2枚を対象として発動できる。
そのカードを破壊する。
自分フィールドに「ヴィサス=スタフロスト」が存在する場合、この効果で破壊したカードは墓地へは行かず除外される。
(2):フィールドにリンク3以上のモンスターが存在する場合、墓地のこのカードを除外して発動できる。
このターン、フィールドのリンクモンスターは効果を発動できない。
「DARKWING BLAST」で登場した「スケアクロー」の攻勢。

「スケアクロー」版《ゴッドバードアタック》な通常罠。
自分の場に《ヴィサス=スタフロスト》が居れば破壊したカードをゲームから除外出来るため、再利用や墓地肥やしを封じられる様になる。

また、リンク3以上のモンスターがいる時に墓地から除外してそのターン中リンクモンスターの効果発動を封じる墓地効果も持つ。
こちらは《スケアクロー・トライヒハート》と相性が非常に良い。
リンク3なので発動条件を満たし、守備表示強制&守備表示モンスターの発動効果への耐性はどちらも永続効果なので影響を受けない。
そしてトライヒハートの効果を受けない相手のリンクモンスターの効果発動はこの効果で妨害できる…と絶妙に噛み合っている。


イラストでは《ヴィサス=スタフロスト》が《クシャトリラ・オーガ》を倒している。侵攻してきたところを返り討ちにした場面だろうか。
ちなみにイラストをよく見ると《クシャトリラ・オーガ》の力をちゃっかり吸収している。


界放せし肆世壊(スケアクロー・ディファング)
永続魔法
このカード名の(3)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分フィールドの、「スケアクロー」リンクモンスター及び「ヴィサス=スタフロスト」は相手の効果の対象にならず、相手の効果では破壊されない。
(2):自分の、「スケアクロー」リンクモンスターまたは「ヴィサス=スタフロスト」が戦闘で破壊したモンスターは墓地へは行かず除外される。
(3):自分のフィールド・墓地から「スケアクロー」リンクモンスター1体を除外し、相手フィールドのカード1枚を対象として発動できる。
そのカードを破壊する。
「PHOTON HYPERNOVA」で登場した新たな肆世壊でのピンチ。
自分の「スケアクロー」リンクモンスターと《ヴィサス=スタフロスト》に対象耐性と効果破壊耐性を付与し、彼らが戦闘破壊したモンスターを除外する永続魔法。
また1ターンに1度、場・墓地から「スケアクロー」リンクモンスターを除外して相手のカードを破壊する効果も持つ。

付与する耐性は《ブルーアイズ・カオス・MAX・ドラゴン》と同じもの。《スケアクロー・トライヒハート》の耐性を更に盤石にできる。
それだけでなく《スケアクロー・ライトハート》のサーチも妨害されにくくできるため、初動を安定させやすくなるのもポイント。

(3)の破壊効果も「スケアクロー」リンクモンスターをコストにする必要があるが、モンスターだけでなく魔法・罠も破壊できるのが魅力。
展開途中で墓地に行った《スケアクロー・ライトハート》を利用するなりして消費を抑えたい所。

総じて強力なカードだが、2枚目以降が手札で腐ってしまうため地味に採用枚数に悩むカード。
隙を見つけて《スケアクロー・ライヒハート》でサーチしたい。


イラストでは《スケアクロー・ライトハート》が《ヴィサス=スタフロスト》の剣ごと《クシャトリラ・アライズハート》に吸収されている。
実はイラストでライトハートとヴィサスの持つ剣に関連性がある事が示されたのはこのカードが初めて。
とはいえ今までも「なんとなくこの剣がライトハートなんだろうな」とは感づけるようになっていたが。



デッキ概要

戦略としては単純、「何とかして《スケアクロー・トライヒハート》をリンク召喚し、メインデッキのスケアクロー達で場を整える」。ただそれだけ。
後は《スケアクロー・トライヒハート》の爆発力と制圧力にものを言わせ、一気に相手のLPを刈り取り勝利を狙う。


相性のいいカード

獣族カード関連

獣族の「スケアクロー」2体をデッキから特殊召喚でき、リンク素材を手っ取り早く調達できる。
とにかく《スケアクロー・トライヒハート》に全てを捧げているデッキなので優先度は高い。

手札から飛び出してバウンスしてはまた出てくる獣の王。
メインデッキの獣族「スケアクロー」は攻撃力が0なので、アルファの特殊召喚条件を阻害しない。

その他

  • 召喚僧サモンプリースト
自力で守備表示になりつつ、《スケアクロー・ライヒハート》をデッキから特殊召喚できる。
《スケアクロー・ライヒハート》の追加効果も狙いやすい。

  • 増援
デッキのキーカードたる戦士族の《スケアクロー・ライヒハート》をサーチできる。

例によってフィールド魔法がサーチになるテーマなので、安定性をアップしてくれる。

《ヴィシャス=アストラウド》の登場で《ヴィサス=スタフロスト》の名前をコピー出来る様になったため、《スケアクロー・ライトハート》へのアクセスが可能に。
《スケアクロー・ライトハート》でサーチした《肆世壊=ライフォビア》で《スケアクロー・ライヒハート》をサーチし展開すれば墓地に素材を揃えて《ヴィシャス=アストラウド》の特殊召喚も狙える。

スケアクロ―ではライヒハートを除いて通常召喚した際の誓約が引っかからない為、勇者トークン及びそのカード名が記されたカードを出張採用することで展開の途中の誘発への弾除けや妨害が可能。特に《流離のグリフォンライダー》はOCGでは禁止カードに指定されているが、マスターデュエルでは無制限なので採用することで展開の安定性を大きく上げることができる。

カードの世界観では敵対関係ではあるものの、スケアクローにおいては《スケアクロー・クシャトリラ》の存在や場にモンスターを水増しできることが大きな強みとなる。そのため上級モンスターと《六世壊=パライゾス》を出張させる形になる。特にマスターデュエルでは《クシャトリラ・フェンリル》が準制限カードなので《スケアクロー・クシャトリラ》をサーチしやすくできるのは非常に大きい。

  • コードブレイカー
アニメVRAINSで草薙翔一が使用するカテゴリ。
上振れ札の域を出ないが、場にトライヒハート+モンスターが2体以上いる場合《コードブレイカー・ウイルスソードマン》をトライヒハートと相互リンクになるようにリンク召喚し、そこから《コードブレイカー・ゼロデイ》を特殊召喚、更に《コードブレイカー・ウイルスバーサーカー》をリンク召喚すれば《召命の神弓-アポロウーサ》や《トロイメア・グリフォン》を呼び出してさらなる展開と制圧を狙うことができる。
採用枚数がメインデッキにゼロデイ1枚、EXデッキにコードブレイカーリンクモンスター2種類を1枚ずつと少ない枚数で済むのも嬉しいところ。


弱点

手札消費が荒い

手札からの展開能力は高いが、その手札の消耗が激しく回復する手立てが少ない。
初期の【サイバース族】と同様の弱点を抱えている。

立て直し・逆転が困難

手札アドを確保する《スケアクロー・ライヒハート》、制圧力も突破力も高い《スケアクロー・トライヒハート》は確かに優秀なモンスターである。
ただこれは言い換えるとマストカウンターがバレバレということなので、妨害を喰らいやすいという欠点にも繋がる。
《スケアクロー・トライヒハート》の耐性は強固ではあるが、リンクモンスターや魔法・罠カードの効果、「壊獣」など抜け穴も多い。
一度《スケアクロー・トライヒハート》を潰されると、手札の消耗もあって立て直しが困難になる。




追記・修正は流星と共に現れた謎の男に挑みかかってからお願いします。

この項目が面白かったなら……\ポチッと/

+ タグ編集
  • タグ:
  • 守備表示
  • 恐怖症
  • 遊戯王
  • 遊戯王OCG
  • 遊戯王OCGデッキテーマ項目
  • 肆世壊
  • スケアクロー
  • ヴィサス=スタフロスト
  • 世壊
  • 恐れ
  • リンク召喚
  • DIMENSION FORCE

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2024年03月20日 13:06