クシャトリラ(遊戯王OCG)

登録日:2022/07/26 Tue 06:39:10
更新日:2024/01/08 Mon 00:48:13
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【クシャトリラ】とは、遊戯王OCG11期のパック「DARKWING BLAST」にて登場したテーマ。
同弾の他の新規テーマは【ビーステッド】

+ 目次


概要

【スケアクロー】に端を発する《ヴィサス=スタフロスト》に関わるストーリーテーマの第三弾。
しかし前二つのテーマと異なり、《ヴィサス=スタフロスト》をサポート範囲に含めたカードが登場当初は存在しなかった。
他にもテーマ登場時点では「○世壊」の名を持つカードも「○○ハート」モンスターも未収録であった。

機械的な装備に身を包む兵士や、侵略した世界の存在を模したロボット・サイボーグと思わしきモノで構成された謎の勢力。
真紅の装備と斧が共通モチーフ。また後述の由来故か、多くのモンスターが憤怒の形相をしているのも特徴的。

《ヴィサス=スタフロスト》が【ティアラメンツ】編で《ティアラメンツ・レイノハート》を倒した…というタイミングで突如として登場。
倒された《ティアラメンツ・レイノハート》を強奪しつつ、《壱世壊=ペルレイノ》と《肆世壊=ライフォビア》を同時襲撃し侵攻し始めた。
壱世壊側は《ティアラメンツ・ルルカロス》が受け持ち、ヴィサスと《スケアクロー・ライトハート》は侵略者を倒すために肆世壊に戻ることになる。
「○世壊」フィールド魔法が当初存在しなかったのは、前二つと異なり「外部から来訪した連中」という立ち位置が理由にあるのかもしれない。
後の収録カードでもそれが示唆されている。

ちなみに今回襲撃を受けた《肆世壊=ライフォビア》の主《スケアクロー・トライヒハート》と「クシャトリラ」達の相性は悪い。
強制的に守備表示にさせられるうえに発動した効果も効かないので、初出の3体では突破手段が無い。
加えてレベル3の「スケアクロー」達の効果も発動を伴わないので、既に出せていても(3)の効果が誘発せずトライヒハートまで繋がってしまう。
それを踏まえると今回の強襲は「天敵が不在の時を見計らって決行した」ということになるだろうか。

VBEX3で明かされた設定によると、ライズハートが従える赤き武人集団とのこと。
ヴィサスが現れる以前にも《肆世壊=ライフォビア》に何度か襲撃を仕掛けていたが、返り討ちにあっていたようだ。

「クシャトリラ」の由来は、恐らく古代インドのバラモン教の王族・武人の階級の一つ「クシャトリヤ」。
そちらにラテン語で『怒り』を意味する「ira」を組み合わせたものと考えられる。
ヴィシュヌ神関連で見た場合、「六(6)」番目の化身は「戦士の神パラシュラーマ」。
この化身はを武器に戦い、クシャトリヤ階級を己の手で皆殺しにして圧政を終わらせたと言われる。



テーマとしての特徴

使用する召喚法はエクシーズ。属するモンスターはレベル7/ランク7のサイキック族を中心としている。
多くのカードが除外を扱い、裏側除外に関わる効果を持つものも多いのが特徴。

「DARKWING BLAST」に収録されたメインデッキのモンスターは以下の共通効果を持つ。
このカード名の(2)(3)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分フィールドにモンスターが存在しない場合、このカードは手札から特殊召喚できる。
(2):自分メインフェイズに発動できる。
デッキから(特定の「クシャトリラ」カード)1枚を手札に加える。
(3):このカードの攻撃宣言時、または相手がモンスターの効果を発動した場合、
(特定のカード1枚を裏側表示で除外する)。

(1)により《フォトン・スラッシャー》と同じ条件で手札から特殊召喚できる。
最上級モンスターながらフィールドに出しやすいため、フィールド上で効果を発動する(2)(3)の効果も使いやすい。
既にフィールドにモンスターがいると出せないが、テーマのカードにはその欠点を補う展開効果も豊富に揃っている。
(2)は起動効果によるサーチ、(3)は特定の条件で相手のカードを裏側表示で除外する効果。
これらについてはそれぞれで異なるので、個別の解説部分で触れていく。

エクシーズモンスターはどれもがフィールド・墓地・除外といった場所そのものに干渉する効果を持つ。
維持すれば維持するだけ相手に悪影響を与え続けることができる。

  • メインデッキのモンスターで後続のカードを呼んだり、相手のカードを裏側で除外して身動きを封じる。
  • それらを元に出したエクシーズモンスターで墓地や除外にすら干渉したり、相手のフィールドを封鎖したりする。
これらから、テーマの動きは文字通り相手の場を侵略するイメージでデザインされたと思われる。



カード一覧

効果モンスター

最上級モンスター

クシャトリラ・フェンリル
効果モンスター(禁止カード)
星7/地属性/サイキック族/攻2400/守2400
このカード名の(2)(3)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分フィールドにモンスターが存在しない場合、このカードは手札から特殊召喚できる。
(2):自分メインフェイズに発動できる。
デッキから「クシャトリラ」モンスター1体を手札に加える。
(3):このカードの攻撃宣言時、または相手がモンスターの効果を発動した場合、
相手フィールドの表側表示のカード1枚を対象として発動できる。
そのカードを裏側表示で除外する。
「DARKWING BLAST」で登場した共通特殊召喚持ちの1体。片手に地を駆ける、「魔狼」の名を持つ兵士。

(2)は「クシャトリラ」モンスターカードのサーチ。
既にフィールドに自身がいるため同じ(1)による特殊召喚は狙えず、別途場に出す手立てが必要になる。
後述の《クシャトリラ・バース》での召喚や《クシャトリラ・プリペア》などでの特殊召喚を狙う形になるか。
「PHOTON HYPERNOVA」で登場した「クシャトリラ」モンスターならば(1)に依らない特殊召喚が可能なので、同時に並べやすい。
《七星の宝刀》などで自身を除外すれば、サーチしたモンスターを(1)で出しつつ自身は《クシャトリラ・バース》などで戻ってくることもできる。

(3)はこのカードの攻撃時または相手のモンスター効果の発動をトリガーにした、相手フィールドのカードを除外する効果。
トリガーは相手に見えているものの、裏を返せばモンスター効果の使用を牽制できる。
特にこのカードは相手の盤面に直接干渉するうえに除去としては最上の裏側除外なため、与えられるプレッシャーは大きい。
ただし表側表示限定でかつ対象を取るため、意外なものが除去できなかったりする点には注意。

まとめるとデメリットやコストのないサーチと強力な除去効果を持っていながら容易に特殊召喚できるメインデッキのモンスターである。
しかも同名カードをサーチできるという多くのサーチ持ちに禁じられた手口まで平然と行えるうえ、特にテーマ縛りなどもかからない。
現代遊戯王の水準で見ても凶悪な汎用性を持つパワーカードであり、【クシャトリラ】での働き以上に出張カードとしても注目を集めている(詳細は後述)。

【ティアラメンツ】や【クシャトリラ】に限らず、その高すぎる単体性能から様々なデッキで引っ張りだこになっていた。
その結果2023年1月に制限カードとなって同名サーチの強みが失われたが、それでも収らず2023年7月についに禁止カードになった。
ちなみに2023年7月現在《メンタルマスター》に次ぐ2枚目のサイキック族禁止カードである。

クシャトリラ・ユニコーン
効果モンスター(制限カード)
星7/風属性/サイキック族/攻2500/守2100
このカード名の(2)(3)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分フィールドにモンスターが存在しない場合、このカードは手札から特殊召喚できる。
(2):自分メインフェイズに発動できる。
デッキから「クシャトリラ」魔法カード1枚を手札に加える。
(3):このカードの攻撃宣言時、または相手がモンスターの効果を発動した場合に発動できる。
相手のEXデッキを確認し、その内のモンスター1体を選んで裏側表示で除外する。
「DARKWING BLAST」で登場した共通特殊召喚持ちの1体。《ティアラメンツ・ルルカロス》と戦闘を行っていた、「一角獣」の名を持つ兵士。
名前と色と見た目のせいでクシャトリヤなのかユニコーンなのかシナンジュなのかハッキリしろと言われがち

(2)は「クシャトリラ」魔法カードのサーチ。
《クシャトリラ・バース》《六世壊他化自在天》などの展開の要となるカードをサーチできるため、自ずとこのカードの価値も上がっている。
【クシャトリラ】本家においては《クシャトリラ・フェンリル》以上に重要な初動となる。

(3)は《クシャトリラ・フェンリル》と同じトリガーで、相手のEXデッキを除外する効果。
1枚だけとはいえこちら側が選んで再利用しにくい裏側除外で削るため、相手の動きを制限できる。
既に相手がEXデッキから必要なカードを出し終えていると効果が薄くなるため、最序盤で使用するのが理想的。

猛威を奮った【クシャトリラ】の規制として2023/1/1に制限カードとなる。


「クシャトリラ」モンスターの中でもイラストでの出番が多く、
  • 《壱世壊を劈く弦声》で《ティアラメンツ・レイノハート》をさらいつつ《ティアラメンツ・キトカロス》と対峙する。
  • 《クシャトリラ・プリペア》で《ティアラメンツ・レイノハート》が入ったカプセルを持ち運んでいる
等重要な場面で登場していたりする。おそらく「クシャトリラ」内でも上位の立場であると思われる。
再構築されたと思わしき世界では《スケアクロー・アストラ》《ティアラメンツ・キトカロス》と共に《ヴィサス=アムリターラ》の帰還を待っていた。
どうやら新たな主人として彼を認めたようだ。

クシャトリラ・オーガ
効果モンスター
星7/水属性/サイキック族/攻2800/守1000
このカード名の(2)(3)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分フィールドにモンスターが存在しない場合、このカードは手札から特殊召喚できる。
(2):自分メインフェイズに発動できる。
デッキから「クシャトリラ」罠カード1枚を手札に加える。
(3):このカードの攻撃宣言時、または相手がモンスターの効果を発動した場合に発動できる。
相手のデッキの上からカードを5枚までめくり、その中から1枚を選んで裏側表示で除外する。
残りのカードを元の順番でデッキの上に戻す。
「DARKWING BLAST」で登場した共通特殊召喚持ちの1体。超巨大な斧を担ぐ、「悪鬼」の名を持つ巨躯の兵士。

(2)は「クシャトリラ」罠カードのサーチ。
《クシャトリラ・プリペア》は展開札としては罠故の遅さが目立ち《六世壊根清浄》もわざわざサーチしたいぼどではないため、サーチ先は現状イマイチ。
フィールドの「クシャトリラ」カードをかさ増しして裏側除外の数を稼ぐ方向に特化させることになるか。

(3)は《クシャトリラ・フェンリル》と同じトリガーで、相手のデッキトップのカードを除外する効果。
裏側除外できるのはデッキトップ5枚の内1枚だけであり、残りのカードはそのままの順でデッキに戻す。
相手の損失は少なく、同期の2体と違って相手の動きを制限する能力に欠けているのが難点。
ピーピングでデッキタイプを確認できたりドローするカードを知れたりするという利点もあるが、他2体と比べるとどうも地味。

全体的に今一つな部分が目立つものの、メインの「クシャトリラ」モンスターで最大の攻撃力を持っていることは確かな強み。
ちなみにその攻守ステータスのおかげで、一部の「帝王」カードの恩恵を受けることができる。
といっても【クシャトリラ】で有効に使えるのは精々《再臨の帝王》くらいなのだが。


ちなみに、これら「DARKWING BLAST」で登場した3体の(3)のトリガーについて。
これらはトリガーとなる相手の効果にチェーンして発動する効果ではなく、トリガーとなる効果の処理が終わった後に改めて発動する効果になる。
仮に3種全てがフィールドにいて相手が何らかのモンスター効果を発動した場合、全員がそのモンスター効果をトリガーに(3)を発動できる。
逆にトリガーとなるモンスター効果でフィールドから離されてしまうと、発動すらできない。
勘違いしやすいので注意。

スケアクロー・クシャトリラ
効果モンスター
星7/地属性/サイキック族/攻 0/守2600
このカード名の(1)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分・相手のメインフェイズに発動できる。
このカードを手札から特殊召喚し、自分の手札・墓地から「クシャトリラ」カードまたは「スケアクロー」カード1枚を選んで除外する。
(2):このカードは表側守備表示のままで攻撃できる。
その場合、このカードは守備力を攻撃力として扱いダメージ計算を行う。
(3):自分の「クシャトリラ」モンスターまたは「スケアクロー」モンスターが、
相手モンスターと戦闘を行う場合、ターン終了時までその相手モンスターの効果は無効化される。
「PHOTON HYPERNOVA」で登場した追加の「クシャトリラ」モンスター。「スケアクロー」にも属する。

(1)は自己特殊召喚効果。ただし「DARKWING BLAST」の3体と異なり発動を伴う。
自分フィールドにモンスターがいても出せる代わりに、特殊召喚後に「クシャトリラ」または「スケアクロー」カードを1枚除外しなくてはならない。
【スケアクロー】は除外慣れしていないデッキなので、主に初動で相手に潰されたモンスターや使い終わった魔法・罠カードを除外することになる。
一方の【クシャトリラ】では除外カードの再利用手段・除外をトリガーにした効果が豊富に存在するため、積極的な除外手段としても使える。

(2)と(3)は連動した効果であり、【スケアクロー】においては《スケアクロー・トライヒハート》の影響下でも打点要員を増やすことができる。
ステータスは2600となかなかの値で、バトル時の効果無効も備えているため「自身の効果で攻撃力を決定する」敵などに有効に働く。
逆に【クシャトリラ】だと事前に除外する方が早かったりする。あって損はしないのだが。

【スケアクロー】においてはアタッカーである事以上に召喚権を使わない初動カードとして重宝するだろう。
「一番最初の通常召喚を潰されると後続を立てられない」という欠点の解消に役立ってくれる。


「スケアクロー」の名が付く通り、その姿はライフォビアの魔獣を思わせる風貌をしている。
ただレベル3「スケアクロー」達より大きな個体なようで、《スケアクロー・トライヒハート》が乗っていた三つ首の獣にどことなく似ている。
「クシャトリラ」が開発したコピーロボなのかライフォビアの魔獣達をとっ捕まえて改造手術したのかは定かではない。


ティアラメンツ・クシャトリラ
効果モンスター(制限カード)
星7/水属性/サイキック族/攻2300/守1200
このカード名の(1)(2)(3)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分・相手のメインフェイズに発動できる。
このカードを手札から特殊召喚し、自分の手札・墓地から「クシャトリラ」カードまたは「ティアラメンツ」カード1枚を選んで除外する。
(2):このカードが召喚・特殊召喚に成功した場合に発動できる。
自分または相手のデッキの上からカードを3枚墓地へ送る。
(3):このカードが効果で墓地へ送られた場合に発動できる。
自分のデッキの上からカードを2枚墓地へ送る。
「PHOTON HYPERNOVA」で登場した追加の「クシャトリラ」モンスター。こちらは「ティアラメンツ」にも属する。

(1)は《スケアクロー・クシャトリラ》と同様の特殊召喚効果。除外するカードは「クシャトリラ」か「ティアラメンツ」になっている。
【ティアラメンツ】は墓地アドを重視するデッキなので墓地除外は重く、場合によっては手札を除外することも検討しなければならない。
「ティアラメンツ」魔法・罠の一部は墓地に落ちたとき除外された「ティアラメンツ」カードを回収できるので、そちらに頼るのも手。
一方の【クシャトリラ】では《スケアクロー・クシャトリラ》と同じく気にならず、除外目的でも使いやすい。

(2)と(3)は墓地肥やし効果。
この効果で水族「ティアラメンツ」モンスターを落とせれば、共通融合効果で融合召喚も行える。
(2)については相手デッキを墓地に送ることもできるものの、利敵行為になりかねないので基本的には自分に使うことになるだろう。
ただ消耗戦でデッキ切れ間近になったときに活きる可能性があることは憶えておくと良い。
【ティアラメンツ】にとってはどちらも嬉しい効果だが、除外してナンボの【クシャトリラ】ではそのまま使うと無用の長物。
しかし《クシャトリラ・アライズハート》を出して落とすカードが表側で除外される状態だと一気に活用の幅が広がる。
(1)の効果で出して(2)を使うだけで、相手デッキを見ながら《クシャトリラ・アライズハート》の素材を1つ増やしつつ展開することができる。
ただしその状態だと(3)が発動できなくなる点には注意。

【ティアラメンツ】では《ティアラメンツ・ハゥフニス》と同様「相手ターンでも特殊召喚でき、あわよくばそのまま融合召喚もできる」カード。
しかし融合召喚が運頼みである点は変わらず、また(1)の除外コストも重く響いてくる。
それでもやはり相手ターンに動ける可能性があるのは貴重。
特に直前の改訂で相手ターンに動ける《ティアラメンツ・ハゥフニス》が準制限となってしまったのでそのリカバリーとなり得る。
……どころか「1枚減って3枚増えた」みたいなものなので、逆にブーストがかかってたりする。規制の意味が……
更に《グローアップ・バルブ》や《レボリューション・シンクロン》といった自己再生効果を持つレベル1のチューナーと合わせることで墓地肥やしが加速。
《混沌魔龍 カオス・ルーラー》のシンクロ召喚で更なる墓地肥やしを行う動きを取り込んだ。
その結果、しぶとく環境に居座る【ティアラメンツ】への追加規制として2023/10/1に制限カードになった。


こちらは「ティアラメンツ」の名が付く通り、ヒレになった手足を持つ人魚の風貌をしている。刃物を武器にしているのも同様。
だが見た目はかなりメカメカしくなっており、可愛らしい人魚の面影はほとんどない。
また武器は刃物ではあるが、「クシャトリラ」モンスターの多くが持つ斧になっているのも相違点。
…そして何よりも墓地に送れるカード枚数が合計5枚であることや攻撃力2300で守備力1200という数値はどっからどう見てもキトカロスまんまである。
「クシャトリラ」が人魚を模して作ったサイボーグなのか、捕らえられたキトカロスが無理矢理改造手術された末路なのかは定かではない。
風使いの少女コナミさんの事ですし
禁呪使いの少女恐らく後者だと思いますよ
シスコンの兄持ち「ヒロイン死なせたり闇堕ちさせるのが手癖ですしね…
大食い聖女私もつい最近『こっち側』に来たばかりなんですよ!歓迎します!

だが、《星満ちる新世壊》では《ヴィサス=アムリターラ》を迎えるキトカロスの後ろ姿があるため、どうやら無事のようだ。その横に死闘を繰り広げた《クシャトリラ・ユニコーン》もちゃっかりと並んで跪いている。


下級モンスター

クシャトリラ・ライズハート
効果モンスター
星4/炎属性/戦士族/攻1500/守2100
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分フィールドに「クシャトリラ」モンスターが存在する場合に発動できる。
このカードを手札から特殊召喚する。
このターン、自分はXモンスターしかEXデッキから特殊召喚できない。
(2):このカードが召喚・特殊召喚に成功したターンの自分メインフェイズに、
デッキから「クシャトリラ・ライズハート」以外の「クシャトリラ」カード1枚を除外して発動できる。
相手のデッキの上からカード3枚を裏側表示で除外し、このカードのレベルは7になる。
「PHOTON HYPERNOVA」で満を持して登場した「クシャトリラ」の「ハート」モンスター。

(1)は自己特殊召喚効果。
《増援》《クシャトリラ・フェンリル》でサーチが効く上に、容易な条件で特殊召喚できるため非常に扱いやすい。
しかも(2)の効果で自身をレベル7にできるため、即座にランク7のエクシーズ召喚が狙える。

(2)は相手のデッキトップ除外と自身のレベル操作効果。コストとしてデッキの「クシャトリラ」カードを除外する。
相手デッキのキーカードを裏側除外できればデッキの回りを大きく阻害できるものの、運頼みに過ぎないので過信は禁物。
基本はレベル操作のみを当てにして使うことになるだろう。
それ以上に重要なのは、デッキの「クシャトリラ」カードを「コストで除外」する部分。
モンスターなら《クシャトリラ・バース》《クシャトリラ・プリペア》による帰還で更なる展開を狙える。
それだけでなく、除外時に効果を発動する「クシャトリラ」魔法・罠カードの補助を得ることもできる。


「ハート」モンスターの例に漏れず、《ヴィサス=スタフロスト》とよく似た風貌をしている。テーマの中心種族を無視した戦士族なのも共通。
ただし、彼のみ他の「ハート」達と違って異界化している片腕が左腕である。またポーズも《ヴィサス=スタフロスト》と反転したものになっている。
「クシャトリラ」の名前の由来が示す通り、怒りに満ちた表情をしている。
VBEX3で明かされた正体は、他の「ハート」モンスター同様ヴィサスの分身の1体。しかし、自身こそが本物の『ヴィサス』であると主張し、そのため他の世壊の「ハート」モンスターを狙っていたようだ。

遊戯王マスターデュエルでは、クシャトリラ実装の際「DABL」組だけではフェンリル出張しか能が無くなるため唯一「PHHY」から先行収録された。
実装当初は自身が除外された事をトリガーとするクシャトリラが1枚も実装されていないため、ライズハートの除外コストも《バース》や《プリペア》の帰還対象を作るためにしか見えなかったかもしれない。

強化体を含む鎧武者めいた見た目や同時収録のカード名から、六武衆の大将軍様と同じく織田信長がモチーフの一つではないかと推察されている。
ディズニー映画要素については、「怒り狂う赤い君主」「軍隊を率いている」という点から『不思議の国のアリス』の「ハートの女王」だろうか。


エクシーズモンスター

クシャトリラ・シャングリラ
エクシーズ・効果モンスター
ランク7/炎属性/サイキック族/攻 0/守3000
レベル7モンスター×2体以上
このカード名の(1)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分・相手のスタンバイフェイズに発動できる。
デッキから「クシャトリラ」モンスター1体を特殊召喚する。
(2):相手のカードが裏側表示で除外される度に、使用していないメインモンスターゾーンまたは魔法&罠ゾーンを1ヵ所指定して発動できる。
指定したゾーンはこのモンスターが表側表示で存在する間は使用できない。
(3):フィールドのこのカードが戦闘・効果で破壊される場合、代わりにこのカードのX素材を1つ取り除く事ができる。
「DARKWING BLAST」で登場した「クシャトリラ」の中核。
【クシャトリラ】を組む際には、自ずとこのカードを中心にした構成が求められる(詳細は後述)。

(1)は「クシャトリラ」モンスターのリクルート。
「1回エクシーズ召喚してしまうと後続が続きにくい」という欠点をフォローし、追加のエクシーズの足がかりにもなる。
登場初期は「クシャトリラ」モンスターの枚数を絞った運用が主だったため、意外と簡単にモンスターが枯渇していた。
現在では種類も増え特殊召喚しやすい「クシャトリラ」モンスターも出たが、それでもデッキからしか引っ張って来れない点には注意。
「クシャトリラ」関連のカードが無規制の時代では展開後に追加の妨害となるモンスターを構える強力な効果だった。
しかし、リクルート先の筆頭候補だった《クシャトリラ・フェンリル》《クシャトリラ・ユニコーン》が制限指定された後は、普通に展開した場合デッキの両者が枯れてしまい、まともな妨害ができるモンスターが枯れてしまうため大きく弱体化した。

(2)は裏側除外をトリガーにしたゾーン封殺効果。
1つ2つ潰しただけでは大した影響がないので、回数を稼ぐためにトリガーとなるカードを十分に用意する必要がある。
とは言え裏側除外が出来るカードは各種「クシャトリラ」カードを除けば現在でも極小数。
相手の《強欲で貪欲な壺》や《スモール・ワールド》などに対する牽制にはなるが、レベル7モンスターを2体立ててまでやることでもない。
やはり裏側除外を多用する【クシャトリラ】において運用するのが一番良い。
EXモンスターゾーンは封鎖できないが、上手く運べばリンク1すら出させなくすることも可能。
また、ペンデュラム召喚を行うデッキに対してPゾーンに値する両端の魔法罠ゾーンのどちらかを使用不可にすればペンデュラム召喚を行えなくなる。

(3)は破壊を素材で肩代わりする効果。他に素材を使う効果も無いので破壊での突破には素で2回まで耐えられる。
守備力の高さと相まって場持ちは良く、フィールドに維持してナンボの(1)(2)の効果を使いやすくしている。
とはいえ昨今は破壊以外の除去が蔓延しているので油断は禁物。
墓地送り・除外ならテーマのカードで容易に蘇生・帰還させられるので、一番気をつけるべきはバウンスになるだろうか。


一応モンスター…なのだがイラストは怪物と言うより要塞のそれ。非常にデカイ。
VBEX3の解説から、おそらくこのモンスターが『六世壊』そのものと思われる。


クシャトリラ・アライズハート
エクシーズ・効果モンスター
ランク7/闇属性/機械族/攻3000/守3000
レベル7モンスター×3
「クシャトリラ・アライズハート」は、「クシャトリラ・シャングリラ」が効果を発動したターンに1度、
自分の「クシャトリラ」モンスターの上に重ねてX召喚する事もできる。
(1):墓地へ送られるカードは墓地へは行かず除外される。
(2):カードが除外される度に発動する(同一チェーン上では1度まで)。
除外されているカード1枚を選んでこのカードのX素材とする。
(3):お互いのターンに1度、このカードのX素材を3つ取り除き、フィールドのカード1枚を対象として発動できる。
そのカードを裏側表示で除外する。
「PHOTON HYPERNOVA」登場した追加の「クシャトリラ」エクシーズ。《クシャトリラ・ライズハート》が強化された姿。

通常のX召喚のほかに、《クシャトリラ・シャングリラ》が効果を発動したターンに「クシャトリラ」モンスターに重ねることでのX召喚も可能。
重ねる先は《クシャトリラ・シャングリラ》に限られないのがポイント。
リクルート効果ではタイミングが遅いため、主に以下の流れで召喚を狙うことになるだろうか。

  1. 何らかの方法で「《クシャトリラ・シャングリラ》+《クシャトリラ・ライズハート》」を並立させる。
  2. 《クシャトリラ・ライズハート》の(2)を使い、相手のカードを裏側除外する。
  3. それをトリガーにして《クシャトリラ・シャングリラ》が(2)の効果を発動。
  4. 条件を満たしたので《クシャトリラ・ライズハート》に《クシャトリラ・アライズハート》を重ねてエクシーズ。
通常のエクシーズ召喚や相手ターンに《ワンダー・エクシーズ》という手もあるが、消費や手間を考えるとこれが一番手っ取り早いだろう。
この特殊召喚条件は「自分の」《クシャトリラ・シャングリラ》とは書かれていないのも注目すべきポイントとなる。
ミラーであれば迂闊に《クシャトリラ・シャングリラ》の効果を使ってしまうと、相手の盤面に《クシャトリラ・アライズハート》がいきなり登場というピンチに陥る可能性がある。

(1)は《マクロコスモス》と同様の墓地除外効果。
相手の墓地ギミックを機能停止に追い込むだけでも上々だが、自身の効果の補助にもなる。
【クシャトリラ】側は除外ギミックを複数抱えているため、影響も小さい。

(2)はX素材の補充効果。
ターン1の回数制限もないため、(1)の効果も含め除外される度に続々とX素材を装填できる。
ちなみに「X素材として補充するカード」は、必ずしもこの効果のトリガーになった「除外されたカード」である必要はない。
さらに指定も無いので裏側表示で除外されたカードも回収できる。この点が重要。
ただし、緩い条件で発動する上に強制効果なのが仇になってしまう場面がある。
相手が適当なサーチカードなどを撃って効果を誘発されると、《倶利伽羅天童》や《三戦の才》などには都合の良いカモにされてしまう。

(3)は素材を消費しての裏側除外除去効果。
対象は取るもののフリーチェーンで発動できる効果なので、除去性能は非常に高い。
必要なX素材が3つと多いため、能動的にカードを除外し(2)の効果につなげて素材を稼ぐ必要がある。
またこの効果で裏側除外した場合、それが(2)のトリガーになってX素材が補充されるため、実質的に消費する素材数は2つと見ることも可能。
こちらも名称でのターン制限は無いため、複数体立っている場合それぞれが使用できる。

このカード1枚で2つの妨害効果を保有しており、相手に対する高い影響力を持ったモンスターといえる。
ただし耐性の類いは一切なく現状の【クシャトリラ】にはカウンター効果持ちも存在しないため、やられる時はあっさりと退場することも。
維持手段の確保も同時に行いたい。

効果や裁定とは直接関係は無いのだが、非常に運用(物理)が大変なカードでもある
(2)の効果はターン制限がないうえに強制なので、何かが除外される度に一々カードを回収する必要がある。
(1)の効果もあって究極、何かしらアクションが起こる度に回収するといっても過言では無い。リアルでは処理し忘れに気をつけよう。
またこの効果は相手のカードも回収できるが、処理の回数が多いのも相まってゴッチャになりやすい。
対戦が終わったらリアルグールズしてた…なんてことにならないよう注意。


重装備に身を包みさらに鎧武者らしくなっている。テーマの種族とも戦士族とも違う種族なのは他の「ハート」達と共通。
ただし他の「ハート」達の強化体と異なり下半身は二本足のままである。
機械族なのはどこぞのシスコン兄さんのように全身の装備故だろうか。


魔法・罠カード

イラストから推測される時系列順に掲載する。

クシャトリラ・バース
永続魔法
このカード名の(1)(2)(3)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分はレベル7モンスターを召喚する場合に必要なリリースをなくす事ができる。
(2):自分メインフェイズに発動できる。
自分の墓地のモンスター及び除外されている自分のモンスターの中から、Xモンスター以外の「クシャトリラ」モンスター1体を選んで特殊召喚する。
(3):相手が魔法カードの効果を発動した場合に、自分フィールドに「クシャトリラ」モンスターが存在していれば、相手の墓地のカード3枚を対象として発動できる。
そのカードを裏側表示で除外する。
「DARKWING BLAST」で登場した「クシャトリラ」の停留地。

(1)により、レベル7モンスターをリリースなしで召喚できる。
同パック収録の「クシャトリラ」達の特殊召喚は既にモンスターがいると出来なくなるため、その穴を埋めランク7に繋げることが可能。
この効果は「クシャトリラ」に限らずレベル7モンスター全員が恩恵を受けるため、ランク7ギミックを幅広く補助してくれる。

(2)は「クシャトリラ」モンスターの蘇生・帰還効果。
これも「特殊召喚効果の欠点を補う」ものとなり、効果による制圧やエクシーズ素材としての使用まで自由に筋書きを作れる。
除外ゾーンからも特殊召喚できるため、《七星の宝刀》をはじめとする除外コストへの転用もしやすい。

(3)は相手の魔法カードの効果発動をトリガーにした墓地除外。
魔法効果を直接無効にするわけではないものの、墓地アドを危険に晒すため一定の脅迫性を持つ。
裏側除外の機会を増やすことで、《クシャトリラ・シャングリラ》をアシストできる。
ただし必ず3枚対象に取る必要がある点と、「クシャトリラ」モンスターの存在を要求する点に注意。
同パックのモンスター達と同じく魔法の効果で先に除去されると発動すらできない点にも気をつけよう。

【クシャトリラ】ひいてはランク7デッキにおける展開の生命線となり、言うまでもなく重要度の高い一枚。
ランク7を扱うデッキに《クシャトリラ・ユニコーン》共々入れて運用を安定させることも視野に入る。


イラストには《肆世壊=ライフォビア》に赤黒いオブジェクトが基地めいて展開している様子が描かれている。
よく見ると「スケアクロー」の魔獣達が追いかけ回されている。


クシャトリラ・プリペア
永続罠
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分・相手ターンに発動できる。
手札のモンスター及び除外されている自分のモンスターの中から、「クシャトリラ」モンスター1体を選んで特殊召喚する。
(2):このカードが既に魔法&罠ゾーンに存在する状態で、
相手が罠カードの効果を発動した場合に、自分フィールドに「クシャトリラ」モンスターが存在していれば発動できる。
相手の手札を確認し、その内の1枚を選んで裏側表示で除外する。
「DARKWING BLAST」で登場した「クシャトリラ」の手回し。

(1)は手札または除外ゾーンからの「クシャトリラ」モンスターの特殊召喚効果。
手札からの展開も除外からの帰還も《クシャトリラ・バース》で間に合ってるところが多く、漠然と使うと大したメリットを発揮できない。
フィールド上の「クシャトリラ」の数を増やし、《クシャトリラ・シャングリラ》に特化させる場合は候補になるだろう。
「クシャトリラ」モンスター達の高性能ぶりから、相手ターンで出しても機能する圧を持っているのは確かな利点になる。

(2)は相手の罠カードの効果発動をトリガーにした手札除外。
相手の手札をピーピングして好きなカードを裏側除外できるため、ハンデスとしての効果は一級品。
その代わり相手の罠カードの使用を待たないといけないので、やはり相手に対する牽制の意味合いが強い。
一時期と比べれば罠カードの使用機会も回復してはいるものの、モンスターや魔法と比べると圧倒的に少ないのも向かい風。
同パックのモンスターや《クシャトリラ・バース》と同じ仕様なので扱うときには注意。


イラストでは《クシャトリラ・ユニコーン》が赤黒いカプセルと共に宙に浮いている様子が描かれている。
そのカプセルには《ヴィサス=スタフロスト》から奪い取った《ティアラメンツ・レイノハート》が収められており、どこかに運び出す場面のようだ。
その奥には《クシャトリラ・ライズハート》の姿がぼんやりと見える。


クシャトリラ・オーバーラップ
速攻魔法
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):フィールドのモンスター1体を対象として発動できる。
自分の手札・墓地及び自分・相手フィールドの表側表示モンスターの中から、攻撃力1500/守備力2100のモンスター1体を選んで除外し、
対象のモンスターの攻撃力を1500アップする。
(2):このカードが除外された場合、自分フィールドに「クシャトリラ」モンスターが存在していれば、相手フィールドの効果モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターの効果をターン終了時まで無効にする。
「PHOTON HYPERNOVA」で登場した「クシャトリラ」の重ね合わせ。

(1)は攻撃カアップ効果。
「1500アップする速攻魔法」と言えば聞こえはいいが、特定のモンスターを除外するコストを有している。
相手フィールドからのコスト調達は非現実的なので基本的に自前で確保せねばならず、煩わしい手間が発生する。

(2)は相手モンスター1体の効果を無効にする効果。こちらがメイン。
《クシャトリラ・ライズハート》でデッキから、《スケアクロー・クシャトリラ》などで墓地から除外して能動的に発動でき、脅威を一つ対処できる。
とはいえ直接的にボード・アドバンテージを稼いでいないこと、何より(1)の効果が弱く素引き事故が怖いことから高い評価には繋がらない。
ピンで刺しておくに留めるのが良いか。

ちなみに(1)のコストになるカードのステータス設定は各「世壊」の「ハート」モンスターが該当するものである。
《ヴィサス=スタフロスト》は攻守の値が逆なので対象外。
外見が類似した「ハート」モンスター達が多くいる故に「オーバーラップ」…
なのだが他に指定はないので、全く関係のない《無限起動ドラグショベル》とか《発条機雷ゼンマイン》もこの括りに巻き込まれてしまっている。


イラストは《クシャトリラ・プリペア》の続きの場面で、《クシャトリラ・ライズハート》が赤いカプセルに左腕とコードを接続している。
このカプセルには《ティアラメンツ・レイノハート》が収められているはずであり、何らかのエネルギーを吸収しているものと見られる。
VBEX3で、本来はヴィサスの分身同士では不可能だった統合を機械で可能にしたことが判明した。


六世壊他化自在天(クシャトリラ・パーピヤス)
通常魔法
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分フィールドの「クシャトリラ」モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターとは属性が異なる「クシャトリラ」モンスター1体をデッキから守備表示で特殊召喚する。
このカードの発動後、ターン終了時まで自分はXモンスターしかEXデッキから特殊召喚できない。
(2):このカードが除外された場合、「六世壊他化自在天」以外の除外されている自分の「クシャトリラ」カード1枚を対象として発動できる。
そのカードを手札に加える。
「PHOTON HYPERNOVA」で登場した「クシャトリラ」…「六世壊」の始まり。

(1)は「クシャトリラ」モンスターのリクルート効果。
「クシャトリラ」モンスターが自前で持つ召喚効果は盤面上の条件やコストが付いて回るため、事故の可能性を減らしデッキ回転が良くなる。
一応発動後XモンスターしかEXデッキから特殊召喚できない誓約が付くが、ランク7Xは強力な効果持ちが多いため制圧手段には困らない。

(2)は「クシャトリラ」カードを除外から回収する効果。
積極的に除外を行うデッキなのでサルベージ先にも困らず、むしろ《クシャトリラ・ライズハート》と合わせた能動的なサーチ手段とすることも可能。


イラストはカプセルの破片から赤いエネルギーを受けている《クシャトリラ・ライズハート》。
これ以降のカードには「六世壊」という字が充てられていることから、《クシャトリラ・オーバーラップ》によって新たに「世壊」が生まれたということだろうか。

他化自在天(たけじざいてん)」とは「第六天魔王*1」別名の一つ。
《クシャトリラ・ライズハート》のモチーフの一つとされる織田信長は「第六天魔王」の称で有名である。


六世壊(むせかい)=パライゾス
フィールド魔法(制限カード)
このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できず、
このカード名の(3)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードの発動時の効果処理として、デッキから「クシャトリラ」モンスター1体を手札に加える事ができる。
(2):自分フィールドのモンスターの攻撃力・守備力は、フィールドのモンスターの属性の種類×100アップする。
(3):自分フィールドの「クシャトリラ・シャングリラ」が効果を発動した場合、フィールドのカード1枚を対象として発動できる。
そのカードを破壊する。
「PHOTON HYPERNOVA」で満を持して登場した「クシャトリラ」に対応する「世壊」フィールド魔法。
パイプの連なる五重塔めいた建物が並ぶ異様な「世壊」。

(1)は「クシャトリラ」モンスターのサーチ効果。これまでの「世壊」フィールド魔法でも証明されている便利な効果である。
「自分フィールドが空の時に展開できるモンスター」と「手札・墓地コストで展開するモンスター」を器用に使い分けられる。
特に《クシャトリラ・ユニコーン》をサーチすれば、その効果で《クシャトリラ・バース》や《六世壊他化自在天》をサーチ可能。
ここから別の「クシャトリラ」達をゾロゾロと展開することもできる。
また《クシャトリラ・フェンリル》を単体出張させているデッキでは重要なサーチ手段になる。

(2)は攻撃力アップ効果。
「クシャトリラ」モンスターは属性がバラけているため、意外と侮れない上昇値になる。
相手フィールドの属性もカウントするのがポイント。

(3)は破壊効果。条件は《クシャトリラ・シャングリラ》が効果を発動すること。
基本的にはモンスターゾーン封殺効果の方をトリガーにすることになるだろう。
相手ターンでも何らかのカードを裏側除外し、それを切っ掛けにすればこの破壊効果を相手ターンにも使用できる。

【クシャトリラ】だけでなく《ティアラメンツ・クシャトリラ》のサーチを狙う【ティアラメンツ】でも重要な初動として活躍したため、2023/1/1に制限カードとなる。
ちなみに登場から制限指定まではなんと78日レギュラーパック出身カード最速と言う不名誉な記録を打ち立てた。


名前の由来は、ポルトガル語で「天国・楽園」の意味する単語の複数形「paraisos(パライゾス)」からか。
支配者たる《クシャトリラ・ライズハート》の名の一部も含まれている。

《六世壊他化自在天》によって《肆世壊=ライフォビア》が改造され、新たに生まれた「世壊」。
そのためか漢数字「六」が大字の「陸」になっていない。
また襲撃から迎撃の流れの途中で生まれたためか、これまでの「世壊」フィールド魔法と異なり《ヴィサス=スタフロスト》の姿がガッツリ映っている。


六世壊根清浄(クシャトリラ・ビッグバン)
通常罠
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):フィールドに「クシャトリラ」Xモンスターが存在する場合に発動できる。
お互いは自身のフィールドのモンスターが1体になるように裏側表示で除外しなければならない。
(2):このカードが除外された場合、自分フィールドの「クシャトリラ」Xモンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターがX素材としている自分の「クシャトリラ」モンスター1体を手札に加える。
その後、そのモンスターを手札から特殊召喚できる。
「PHOTON HYPERNOVA」で登場した「クシャトリラ」の激突。

(1)はお互いにカードを裏側除外する効果。
プレイヤーに強要するタイプの除去なので様々な耐性を突破できるものの、「クシャトリラ」Xモンスターの存在が発動条件になっているのがネック。
十分な展開に成功したときにしか使用できないため、回転に失敗したときには邪魔なカードになる。
厄介なモンスター(=除去したいモンスター)が既に場にいるのに易々エクシーズ召喚が成功するというのも考えにくく、本命として据えるには不安定気味。
また現状の【クシャトリラ】の最終盤面は複数体のXモンスターを並べておきたいので、こちらにも被害が出るのは無視しにくい。

(2)は展開効果。こちらがメイン。
「クシャトリラ」Xモンスターの素材から手札を経由して「クシャトリラ」モンスターの数を増やすことができる。
こちらもまた《クシャトリラ・ライズハート》でデッキから、《スケアクロー・クシャトリラ》などで手札と墓地から除外できるのでガタも生じにくい。
【クシャトリラ】の最終盤面はランク7エクシーズを複数配備したいため、この効果は盤面形成に大いに役に立つ。


《トリヴィカルマ》にて《ヴィサス=スタフロスト》が《六世壊=パライゾス》…もとい、この星に存在する『恐怖』『悲しみ』『怒り』の力を吸収し武装強化した後の場面。
《ヴィサス=スタフロスト》の右腕と《クシャトリア・アライズハート》の左腕がぶつかり合っている場面になる。
お互いに宇宙化した腕同士をぶつけ合うことから「ビッグバン」というカード名になっている模様。

カード名から「世壊」を抜いた漢字部分の「六根清浄(ろっこんしょうじょう)」とは仏教用語の一つ。
五感+第六感を感じ取る感覚器をまとめた「六根」から欲や迷いを断ち切って、心身が清らかになることを指す。


クシャトリラ・アクストラ
速攻魔法
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分フィールドの表側表示の「クシャトリラ」Xモンスターが戦闘・効果で破壊された場合に発動できる。
自分の手札・デッキ・フィールドから「ヴィサス=スタフロスト」1体を選んで除外し、
EXデッキから「ヴィシャス=アストラウド」1体を召喚条件を無視して特殊召喚する。
(2):このカードが除外された場合、除外されている自分の「ヴィサス=スタフロスト」1体を対象として発動できる。
そのモンスターを手札に加える。
「CYBERSTORM ACCESS」で登場した「クシャトリラ」との決着。

(1)はEXから《ヴィシャス=アストラウド》を召喚条件を無視して特殊召喚する効果。
コストとして《ヴィサス=スタフロスト》の除外を要求するが、手札・場だけじゃなくデッキからも除外出来るため極論ピン挿しでも問題はない。《ヴィシャス=アストラウド》の除去&パンプアップ効果も特殊召喚であれば良いためこのカードで呼んだ場合でも問題なく発動する。
ただし、自分の「クシャトリラ」Xモンスターが破壊された時、と言う発動条件がネック。
《クシャトリラ・シャングリラ》もしくは《クシャトリラ・アライズハート》のX召喚に成功したと言う事はそれなりに展開が進んだ段階であり、デッキの主軸となる彼らを出せた盤面をわざわざ自分から崩してまで《ヴィシャス=アストラウド》を出したいか?と言われると閉口せざるを得ない。
破壊以外の除去には対応しておらず、相手が壊獣などで除去を狙ってくる場合は何もできない。
また、ピン差しで良いとはいえ《ヴィサス=スタフロスト》がレベル6チューナーで、場のモンスターを破壊しながら特殊召喚できるという性質が【クシャトリラ】の動きと全く嚙み合っておらずほぼ不純物となりやすい。
どちらかと言えば除去に対するカウンターとして存在をちらつかせて相手を牽制する使い方になるか。

(2)は《ヴィサス=スタフロスト》を除外ゾーンから回収する効果。
《ヴィシャス=アストラウド》の正規召喚もしくはこのカードの(1)の発動に成功すれば確実に《ヴィサス=スタフロスト》がいるため対象に困る事はない。
発動条件の除外も《スケアクロー・クシャトリラ》や《ティアラメンツ・クシャトリラ》など、【クシャトリラ】ならトリガーに困らない。
とは言え通常の【クシャトリラ】には《ヴィシャス=アストラウド》はおろか《ヴィサス=スタフロスト》も入らないため、(1)の効果含めて扱うならば専用の構築が必要になるのには注意。

イラストでは険しい顔つきをした《ヴィサス=スタフロスト》の右腕が《ヴィシャス=アストラウド》の物に変化しているシーン。
《六世壊根清浄》での激突の結果《ヴィサス=スタフロスト》の感情が不安定になったところで《クシャトリラ・アライズハート》が自ら融合されることで《ヴィシャス=アストラウド》に変貌した。
──暴走し自らも世界も滅ぼそうとする彼を、精神世界の奥底にある桃源郷からそれを止めようとする存在が……。



デッキ概要

レベル7モンスターの扱いに長けているため、ランク7モンスターを駆使して戦うのが基本戦術となる。
テーマ単位でレベル7・ランク7を使いこなすデッキは珍しく、あの強力な《No.42 スターシップ・ギャラクシー・トマホーク》もすんなりと召喚できる。
デッキ運用については、以下の2パターンが考えられる。

《クシャトリラ・シャングリラ》軸

《クシャトリラ・シャングリラ》と、それを名指しで指定するサポートを合わせることで勝利を狙う。
いわゆる普通の【クシャトリラ】。

理想的な最終盤面は《クシャトリラ・シャングリラ》+《クシャトリラ・アライズハート》+《No.89 電脳獣ディアブロシス》の並立。
これによりデッキもフィールドもズタズタに荒らしまわることができる。
先攻で上記の3体を立てられれば《クシャトリラ・シャングリラ》の効果により相手のメインモンスターゾーンを全て封鎖できるため、普通のモンスターを主体に戦うデッキは何もできなくなる。
《クシャトリラ・ユニコーン》と適当なレベル7の2枚で展開できるが、手札誘発などの妨害を受けると成立しにくくなり、リミットレギュレーションで《クシャトリラ・ユニコーン》と《六世壊=パライゾス》が制限になった後は安定度も下がったため上振れ展開ぐらいに考えておいたほうが良い。
基本的には、単体で高い妨害効果を持つ《クシャトリラ・アライズハート》の成立を目指すことになる。

《クシャトリラ・シャングリラ》は通常のデッキ相手では1つ1つのゾーン封殺は大きな影響にならないため、上記のモンスターの並立が欠かせない。
ただし【ペンデュラム召喚】相手の場合はPゾーンを封殺するだけで基本戦術が瓦解するため、1つのPゾーンを封殺できたらそれだけで詰みにできる。


《クシャトリラ・フェンリル》単騎運用

制圧手段or素材確保の目的で、《クシャトリラ・フェンリル》のみを出張させる概念。
「PHOTON HYPERNOVA」発売後はサーチのために《六世壊=パライゾス》を一緒に入れることもある。
《クシャトリラ・フェンリル》の単体性能の高さもさることながら、実は最近のカードとしては珍しく(2)のサーチ効果は同名カードもサーチできる。

制圧手段確保の場合《クシャトリラ・フェンリル》の(3)をチラつかせて相手を牽制する、つまり素材として消費せずフィールドに維持する運用になる。
素材確保の場合、レベル3チューナーを出せば簡単に《フルール・ド・バロネス》が出せる。

他には(2)のサーチ効果と(3)の除去効果で相手の妨害を誘い、《クシャトリラ・フェンリル》を囮に本命の展開ルートを動かすのも有効。
《クシャトリラ・フェンリル》は(1)のおかげで召喚権すら消費しないため、囮とする上での負担がヘリウムよりも軽い。
かつての《BF-朧影のゴウフウ》と似た役回りとなっている。

ただし、2023/1/1に《クシャトリラ・フェンリル》が《六世壊=パライゾス》共々制限カードとなったため、現状ではこの運用はほぼ不可能となっている。
ただし、出張パーツとしては高い適性があるのは相変わらずで規制後も使われることがある。
《クシャトリラ・フェンリル》で《クシャトリラ・ライズハート》をサーチすれば召喚権を使わないランク7エクシーズが可能。
《クシャトリラ・フェンリル》を蘇生できる、《クシャトリラ・バース》をサーチできる《クシャトリラ・ユニコーン》と出張することもある。
そして2023/7/1に《クシャトリラ・フェンリル》が禁止カードとなったためこの運用は消滅した。


相性の良いカード

ランク7モンスター

サイキック族のランク7、更に裏側除外に纏わる効果持ちと、要素全てが【クシャトリラ】と噛み合ったカード。
見た目の雰囲気も似ている…というか、こちらの存在から逆算してテーマが作られたんじゃないかとまで言われるほど。
《クシャトリラ・シャングリラ》の(2)のトリガー増加、高打点モンスターの確保に繋がる。
《クシャトリラ・シャングリラ》との並立に成功すれば、フィールド・デッキ・EXデッキ全てをズタズタに荒らしまわることが可能。

汎用性も対応力も自己完結性も高水準なランク7エクシーズ達。
【征竜】時代からお世話になっている人も多いだろう。もう顔も見たくないという人もいるかもしれない

  • 撃滅龍 ダーク・アームド
除去要員。
《幻獣機ドラゴサック》と比べると、効果に1ターンに1度の制限がないので2枚以上の破壊を狙えるのがウリ。

  • ダーク・アンセリオン・ドラゴン、覇王黒竜オッドアイズ・リベリオン・ドラゴン-オーバーロード
高い攻撃性能を持ったランク7エクシーズモンスター。
【クシャトリラ】は高攻撃力突破に難のあるテーマなので、アタッカーとしての価値が高い。

メインモンスターゾーンを埋め尽くす程にトークンを生み出す宇宙船。
圧倒的な物量でリンク召喚を加速させる。
大量展開に振り切らないといけない都合上、上記のランク7達と異なり自己完結性は低く「出して終わり」にならないのがネック。
また一部の「クシャトリラ」カードの使用後はXモンスターしか出せなくなる点にも注意。
レベル7を2体素材にしたランク7エクシーズに制圧力の高いモンスターがいないことから、《クシャトリラ・アライズハート》が立たなかったときに、《ジ・アライバル・サイバース@イグニスター》を出して誤魔化しをすることもできる。
ただし、エクストラの枠を大きく圧迫する。


エクシーズ・効果モンスター
ランク7/闇属性/鳥獣族/攻2500/守2000
レベル7モンスター×2
(1):1ターンに1度、このカードのX素材を1つ取り除いて発動できる。
デッキから鳥獣族・レベル4モンスター1体を特殊召喚する
(2):「RR」モンスターをX素材として持っているこのカードは、その数まで1度のバトルフェイズ中に攻撃できる。
(3):「RR」モンスターをX素材として持っているこのカードが墓地へ送られた場合に発動できる。
エクストラデッキから「RR-アーセナル・ファルコン」以外の「RR」Xモンスター1体を特殊召喚し、墓地のこのカードをそのXモンスターの下に重ねてX素材とする。

一見種族も効果も【クシャトリラ】と嚙み合っていないように見える本カード。
【クシャトリラ】で採用する際は「正規召喚し、(1)の効果で《烈風の結界像》を特殊召喚し制圧する」目的になる。
《烈風の結界像》が2023/1/1のリミットレギュレーションで禁止カードになったため、現在はこのカードを使う意味はない。
強いて使うなら《RR-トリビュート・レイニアス》と《レイダーズ・ウィング》を採用してアーセナル・ファルコンで《RR-トリビュート・レイニアス》を特殊召喚し、《RR-トリビュート・レイニアス》で《レイダーズ・ウィング》を墓地に送って《レイダーズ・ウィング》の効果で自己再生してランク4のエクシーズモンスターを立てるために使われる。
《レイダーズ・ウィング》は元々の属性が闇属性のエクシーズモンスターの素材になっていると対象耐性を付与するため、《クシャトリラ・アライズハート》のエクシーズ素材にすることで対象耐性を付与できる他、《スモールワールド》の中継ぎに出来るのも強み。

説明不要のエクシーズデッキのほぼ必須枠。
《クシャトリラ・アライズハート》が素材を貯めこみやすい効果を持っているため、座布団の様に素材をいっぱい持っている状態で出すのも難しくはない。

レベル7モンスター及び関連カード

使い易い召喚条件と上玉の除去効果を持つトリケラトプス。
レベル7モンスターなので《クシャトリラ・バース》の恩恵にあずかることができ、柔軟な運用ができる。

ちなみに《クシャトリラ・フェンリル》と出張汎用妨害兼除去札として比較した場合、攻撃宣言や相手のトリガーやを待たずに除去できるのがパンクラトプス側のメリット。
一方で【恐竜族】の特殊ギミックを使わなくても先攻で場に出し易く、対処・再利用の困難な裏側除外で除去できるのがフェンリル側のメリット。
好みで採用を考えよう。

  • 雷仙神
場の状況に全く依存せずに特殊召喚できるレベル7モンスター。
打点も2700あるので殴りに行くこともできる。

  • 七星の宝刀
この記事でも何度か名前が挙がった、レベル7を手札orフィールドから除外して2ドローするドローソース。
除外した「クシャトリラ」モンスターの帰還手段が豊富に揃っているのも既に述べた通り。

サイキック族関連

  • サイキック・ビースト
デッキのサイキック族モンスターを除外し、自身のレベルを除外したモンスターと同じにする効果モンスター。
「クシャトリラ」モンスターを除外すれば《クシャトリラ・バース》や《クシャトリラ・プリペア》で帰還させられる。
レベル変更効果も合わさりランク7エクシーズを助けてくれる一枚。

日本の伝統芸能をモチーフにしたサイキック族中心のテーマ。
要の《Uk-P.U.N.K.カープ・ライジング》を阻止されると、召喚権を消費した上でフィールドががら空きになるという致命的な欠点を持つ。
この欠点を補うという理由で、【クシャトリラ】との相性の良さが指摘されている。
先に「クシャトリラ」モンスターを立たせて(2)のサーチを使用することで、《灰流うらら》等の誘発カードのデコイにできる。
それ以降は【P.U.N.K.】の本命展開ルートを動かし、《Uk-P.U.N.K.カープ・ライジング》の効果を安全に通すという算段。

逆に《Uk-P.U.N.K.カープ・ライジング》を潰された後のケアとしても使用可能。
フィールドががら空きになるので「クシャトリラ」モンスターの(1)による特殊召喚が可能となり、サーチ効果も交えて立て直しができる。
《クシャトリラ・フェンリル》棒立ちでの威嚇も良いが、「P.U.N.K.」のレベル3チューナーと合わせて《フルール・ド・バロネス》に繋げても良い。

  • フューチャー・グロウ
墓地のサイキック族1枚を除外することで、そのモンスターのレベル×200だけ自軍全体のサイキック族モンスターの攻撃力を上げる永続魔法。
レベル7の「クシャトリラ」モンスターを除外すれば1400の全体強化となり、戦闘を強気に進めることができる。
勿論除外した「クシャトリラ」モンスターの帰還手段も完備していれば無駄がない。

  • サイキック・インパルス
自分フィールドのサイキック族をリリースし、相手の手札をすべてデッキに戻させた後に3枚ドローさせる魔法カード。
予め「クシャトリラ」モンスターの(2)を使っておけばこちらの損失は1枚で済ませることが可能。
共通の特殊召喚効果があるので召喚権を消費しないで使えるのも嬉しい。
相手の手札が4枚以上あるときのみハンデスとして機能するため、「序盤に引けたらラッキー」枠として運用することになる。

裏側除外に関するカード

  • 電網の落とし穴
相手がデッキor墓地からモンスターを特殊召喚した時に、そのモンスターを裏側除外する罠カード。
昨今のデッキであれば一度もこの条件を満たさずに展開するケースは稀なので、発動は十分に狙える。

  • 光の封殺剣
相手の手札をランダムに1枚裏側除外する罠カード。
単なるハンデスとして以上に、《No.89 電脳獣ディアブロシス》や《クシャトリラ・シャングリラ》のトリガーを「能動的に」増やすことができる。

バトルフェイズ終了時とタイミングは遅いものの、上手くいけば相手のカードを大量に裏側除外できる罠カード。
「裏側除外」を他のデッキよりも生かせるが、基本は普段通り後攻や劣勢時の捲り手段として使用することになる。

  • 金満で謙虚な壺
EXデッキのカードを裏側除外し、その枚数分デッキの上からめくって1枚を手札に加えるカード。
手札補強としても価値があるのはもちろんだが、【クシャトリラ】で重要な点は「EXデッキの任意のカードを裏側除外できる」部分。
単にキーカードを巻き込み除外しないというだけなく、任意のEXデッキのカードを《クシャトリラ・アライズハート》のX素材にできる。

◤ ▲ ◥
◀   ▶
◣ ▼

リンク・効果モンスター
リンク1/地属性/機械族/攻1000
【リンクマーカー:右下】
リンクモンスター以外の「無限起動」モンスター1体
このカード名の(1)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードがフィールドから墓地へ送られた場合、自分フィールドのXモンスター1体を対象として発動できる。
このカードをそのモンスターの下に重ねてX素材とする。
(2):このカードを素材として持っている、元々の種族が機械族のXモンスターは以下の効果を得る。
●このカードは効果では破壊されない。

これが意味を発揮するのがこのカード。
《クシャトリラ・アライズハート》が裏側除外されたカードをX素材にする際、そのカードは表側にしてX素材にする裁定が下されている。
よって裏側除外を経由することで《無限起動ゴライアス》を《クシャトリラ・アライズハート》のX素材にし、効果破壊耐性を付与できる。

その他

  • アストラル・クリボー
EXデッキの「ナンバーズ」を見せることで特殊召喚でき、自身のレベルを見せたモンスターのランクと同じ数値にする。
ランク7の「ナンバーズ」、つまり《No.89 電脳獣ディアブロシス》や《No.11 ビッグ・アイ》に重きを置いた採用となる。

ご存じ出張専門融合テーマ。
【クシャトリラ】はレベル7が中心であり、召喚権は使うとしても《クシャトリラ・ライズハート》か《クシャトリラ・バース》くらい。
それらも他に特殊召喚する手段はいくらでもあるため、《暴走魔法陣》からの《召喚師アレイスター》に召喚権が回しやすいのである。
《召喚獣メルカバー》で【クシャトリラ】が持たないカウンター効果を補えるのが一番の強み。
他にも属性がばらけているため《召喚獣ライディーン》や《召喚獣プルガトリオ》も呼び出しやすい。
《召喚獣プルガトリオ》がレベル7なのも好相性。
《召喚魔術》による素材の除外も各種「クシャトリラ」魔法・罠でカバーできる。
前述の通り一部「クシャトリラ」カードの使用後はXモンスターしか出せなくなるので使用する順番には気をつけよう。
また属性確保のために《聖魔の乙女アルテミス》などを入れようとすると、「召喚獣」融合モンスターと合わせてEXデッキを圧迫する点にも注意。

種族の異なるモンスター2体を要求するリンク2モンスター。
後述する弱点の一つ、「相手から送り付けられたモンスター」と通常召喚した適当なモンスターとでリンク召喚できる。
効果で相手のカードを巻き込みつつ自爆して場を空け、《クシャトリラ・フェンリル》や《クシャトリラ・ユニコーン》の特殊召喚に繋げる事ができる。
ただしこのカードを出すまでの消費は無視できない点と、除去を伴わないカウンターなどで自爆を封じられるとやはり動けなくなる点には注意。

地属性・獣戦士族で構成されたエクシーズ召喚を主軸にしたテーマ。OCGでは主要パーツは規制されているためマスターデュエル独自のデッキとなる。
9期と11期末テーマの出張性の高いテーマ同士の夢のコラボである。
クシャトリラでは召喚権がほぼ余るため、その分を十二獣モンスターで補うことが出来る。先行は《十二獣ドランシア》で妨害を構え、後攻なら《十二獣ワイルドボウ》からの《天霆號アーゼウス》で捲り返すことができる。
また、《十二獣モルトラット》を手札に握っていれば先行で《FNo.0 未来龍皇ホープ》《クシャトリラ・シャングリラ》、素材を3つ持つ《クシャトリラ・アライズハート》の非常に高い制圧力を誇る盤面を築ける。

烙印世界に登場する水属性テーマ。
《氷水帝エジル・ラーン》はレベル7であり、手札から水属性モンスターを捨てる事で特殊召喚を行いつつ、ついでに氷水トークンを呼び出してレベル10の水属性シンクロモンスターを呼び出す事もできる。
クシャトリラには《クシャトリラ・オーガ》及び《ティアラメンツ・クシャトリラ》がおり、《氷水のエジル》及び《氷水揺籃》でコストを用意することは容易だろう。クシャトリラモンスターを出した後に《氷水帝エジル・ラーン》を出してそのままエクシーズ召喚を行うのも良いだろう。
レベル10の水属性シンクロモンスターには《氷水啼エジル・ギュミル》《相剣大公-承影》がおり、前者は脆いクシャトリラモンスターを破壊から守り、後者は破壊耐性持ち高打点として活躍してくれる。
余りがちな召喚権も《氷水のエジル》使用し《氷水侵食》はサーチすればクシャトリラが苦手な魔法罠による除去に強く出られることも大きい上に誘発避けとしても活躍してくれる。
難点は出しても大きなメリットの無い《クシャトリラ・オーガ》を複数枚採用する必要が出てくることや、クシャトリラ・氷水供に誓約を課すカードがあるため出すモンスターの順番を誤ると機能不全に陥ってしまうことか。

ちなみにストーリー上ではある事情で【氷水】も大きな怒りを抱く点で【クシャトリラ】と似通っている。

弱点

  • 除外メタ
自他のカードを多数除外するデッキなので、除外メタを喰らうと機能停止する。
具体的には《カオスハンター》《王宮の鉄壁》《アーティファクト-ロンギヌス》が該当する。

  • 魔法・罠対策
初出の3体の「クシャトリラ」達が持つ(3)は相手に圧をかける優秀な効果だが、トリガーは自身の攻撃時か相手のモンスター効果発動後に限定されている。
つまり魔法・罠カードには対応していないので、相手によっては大した牽制につながらない恐れがある。
《クシャトリラ・バース》《クシャトリラ・プリペア》は相手の魔法・罠に反応して裏側除外を行うものの、これも効力は相手と状況によってまちまち。
効果が丸見えなのあってプレイング次第で回避できないこともないので、あっさり攻略されることもおかしな話ではない。

特に《クシャトリラ・フェンリル》出張では顕著に出てくる問題なので、魔法・罠対策は別途で用意する必要がある。

  • 相手フィールドに押しかけるモンスター
普通のデッキ相手だと、この手の押しかけ系妨害モンスターはリンク召喚などの各種素材にされてしまうのがオチ。
だが「他のモンスターに変えてもフィールドのモンスターの総数は0にできない」点が対【クシャトリラ】ではミソ。
特殊召喚に「自分フィールドにモンスターがいない」ことを条件とするサーチ持ちの「クシャトリラ」達に超刺さる。
【クシャトリラ】はレベル7が中心なので1体だけだとアドバンス召喚もままならない。

+ 押しかけ効果を持つモンスターの一例
22年前のパック「Vol.7」で登場したレベル3・地属性・戦士族モンスター。《きのこマン》の色違い。
押しかける条件はエンドフェイズにライフを500払うこと。スタンバイフェイズにコントローラーに300ダメージを与える効果も持つ。

ネタ同然に見えるが、実は有効だったことが判明したカード。
この手のモンスターの例として挙がったカードであり、かつ最も【クシャトリラ】ミラーで役立つ存在。
何故か戦士族なので《増援》に対応しており、同じ戦士族なので《クシャトリラ・ライズハート》とサポートを共有できる。
これは相手の【クシャトリラ】からすると、《空牙団の懐剣 ドナ》にできないことにも繋がる。
また地味にスタンバイフェイズのダメージ効果も重要。
強制的に発動する効果なので、「クシャトリラ」達の除外効果のトリガーになる。
特に《クシャトリラ・ユニコーン》で素材に使われかねない《崔嵬の地霊使いアウス》や先述のドナなどを先に引っこ抜いておけるのは大きい。

  • 異次元への案内人
三幻魔」が初収録されたパック「SHADOW OF INFINITY」で登場したレベル4・闇属性・戦士族モンスター。怪しいローブの人物。
押しかける条件は通常召喚されること。召喚すると勝手に相手の場に移る。
お互いのエンドフェイズに、コントローラーの墓地からカードを1枚除外する効果も持つ。

「戦士族だし《マタンゴ》よりこっちのが良くね?」と思われるかもしれないが、問題なのはレベル4というところ。
こちらだと《クシャトリラ・ライズハート》の通常召喚からランク4に繋げられてしまう。
《No.41 泥睡魔獣バグースカ》とかにされると目も当てられない。
強制発動の効果がエンドフェイズと遅めなのもちょっとマイナスポイント。

  • 夢幻崩界イヴリース
第10期中盤のパック「FLAMES OF DESTRUCTION」で登場したレベル2・闇属性・サイバース族モンスター。闇墜ちした《星杯神楽イヴ》の姿。
押しかける条件は自分フィールドから墓地に送られること。正確には墓地から相手フィールドに特殊召喚される。
召喚時のリンクモンスターの蘇生効果や、コントローラーにリンクモンスターしか特殊召喚できない制限を与える効果も持つ。

最新に近い押しかけモンスター。特殊召喚縛りなど他にも優秀な効果を持つ。
ただ条件上「リンク召喚などの素材に使う→相手フィールドに特殊召喚」の流れを踏むため《増殖するG》の効果下だと2ドローさせてしまう。
レベル2なもの昨今だと《スプライト・エルフ》や《スプライト・スプリンド》の素材にされかねない。

  • プリン隊
「クロスオーバー・ソウルズ」のノーレア枠として登場したレベル1・水属性・悪魔族モンスター。有害なプリンの隊列。
押しかける条件はエンドフェイズに自分のPゾーンのカード1枚を破壊すること。
リリースできない効果とスタンバイフェイズにコントローラーに300ダメージを与える効果も持つ。
また効果外テキストにより融合・S・X召喚の素材に使用できない。

一番《マタンゴ》に近い性質を持つモンスター。素材化制限を持つが登場時期的にリンク素材にされるのは防げない。
《マタンゴ》と比べると悪魔族故にサーチが利きにくいのが難点。
またなんでも良いとはいえ押しかけにペンデュラムモンスターを要求するのも少し重い。
リリースされないので「何かしらモンスターを横に立てられてアドバンス召喚に使われる」のを防げるのは評価点。

  • 禰須三破鳴比(ネズミハナビ)
「PHANTOM RAGE」のノーレア枠で登場したレベル4・炎属性・獣族モンスター。ネズミ花火を尾に付けたヤンキーな鼠。
押しかける条件は特になく、エンドフェイズに勝手に相手の場に移る。
代わりに場に出たときに乗せた6つのカウンターが、コントロールが移ったときにサイコロの出目分取り除かれる。
これがこの効果で0になると破壊され、その時のコントローラーに2000ダメージを与える。要するに時限爆弾な効果を持つ。
また効果外テキストにより融合・S・X・リンク召喚の素材に使用できない。

レベル4だが上記の《プリン隊》より更に強くなった素材化制限を持つモンスター。ただしリリースはされる。
押しかけにコストも要らず、いざというときにアタッカーになる攻撃力2000も優秀…
と思いきや【クシャトリラ】対策として使う場合、本来のメイン効果である時限爆弾効果が足を引っ張る。
押しかけ時にサイコロで6を出されてしまうと、2000ダメージは与えられるが自爆でいなくなるので目的の居座りに失敗してしまうのだ。
また、獣族はサポートに恵まれているとはいえ《増援》のようなサーチカードは無いのもネック。

  • サイレント・ウォビー
「PREMIUM PACK 16」で登場したレベル4・水属性・魚族モンスター。シャークさんの仲間。
押しかける条件は特になく、メインフェイズ中なら起動効果で相手の場に特殊召喚出来る。
この効果で特殊召喚すると、コントローラー…つまり相手が1枚ドローし、コントローラーから見た相手…つまり自分のライフを2000回復させる。
またコントローラーの手札枚数上限を3枚にする効果も持つ。

レベル4かつ素材化制限もないため色んな召喚素材に使われてしまう…
が、最大のメリットは押しかけ時の効果が「こちらのターン中に相手の場で相手がコントロールするモンスターの効果」として強制的に発動する点。
「クシャトリラ」達の除外効果のトリガーだけでなく、任意の通常魔法・通常罠をデッキから持って来れる通常魔法《三戦の号》の条件を満たせるのが非常に大きい。
《増援》を持って来て更に展開を伸ばすのもよし、《無限泡影》をセットしてドナや他のモンスターを止めるのもよしと柔軟な動きが出来る。
ただし相手にドローさせてしまうため、逆転の手段を引かれる可能性がある。《増殖するG》下だと更に1ドローされるため過信は禁物。
魚族なので汎用性の高いサーチカードが無いのも辛い。


どれを使うにせよ、召喚権が余っていて【クシャトリラ】をメタりたいのなら一考に値するだろう。
ただ他のデッキ相手では役に立たないカードになる点と、リンク「霊使い」などのリンク素材になって別の展開に使われかねない点には注意。

  • 除去カード
カテゴリ内のカードをよく見ると《クシャトリラ・シャングリラ》以外に耐性を持ったモンスターがいない。
更に効果を無効にするモンスターも存在しない。
ついでに言えば魔法・罠にも耐性を持たせたり、無効化する妨害を行うカードがなく妨害をモンスターに任せるのにも関わらず、ありとあらゆる除去カードをもろ喰らいしやすいと言った事になっている。
最も活躍していた全てのカードが無規制だった時期ですら【ティアラメンツ】に勝ちきれなかったのはこういった事情、特に相手の《クシャトリラ・フェンリル》が刺さると言った事が大きな要因となっていた。
《クシャトリラ・アライズハート》を除去か無力化されると、妨害が何もないと言った状況に陥りやすい。
広く相手の突破用のカードを受けられる《神の宣告》や、壊獣などの《神の宣告》で対応できない除去カードにも対応でき、《クシャトリラ・アライズハート》がいればそれをそのまま返さずに除去できる《紅蓮の指名者》などで守る必要がある。
または、手札誘発や汎用罠などを使用し除去されても他の妨害手段で粘るといった方法も考えられる。

特殊召喚とサーチを多用する典型的な展開系なので《ディメンション・アトラクター》などの墓地メタ系以外は、大抵の手札誘発が刺さる。
《増殖するG》を受けた場合は無理に《クシャトリラ・アライズハート》を目指さずに《クシャトリラ・フェンリル》や《クシャトリラ・ユニコーン》で様子見すると言った事も必要になる。
上述の弱点も合わさって弱点が多く、他のデッキのメタのついでに巻き込まれたと言った事は起こりやすい。

  • 相手ターンで効果を発動すること
本来相手ターンでも効果を発動できることは遊戯王において大きなメリットなのだが、現在は《三戦の才》《三戦の号》《俱利伽羅天童》といった、『相手モンスターが自分のターンで効果を発動した』ことでトリガーとなる捲り札も少なくない。
特に《クシャトリラ・アライズハート》の②の効果は強制効果であり、適当なカードが場や手札から除外されただけであっさりと上記3枚の発動条件を許してしまう。
そして相手が《クシャトリラ・フェンリル》を握った状態で自分の《クシャトリラ・シャングリラ》の効果を相手ターンで発動した場合、相手が《クシャトリラ・アライズハート》のエクシーズ召喚条件を満たしてしまうため、《クシャトリラ・フェンリル》から重ねて《クシャトリラ・アライズハート》をエクシーズ召喚、戦闘を行って《天霆號アーゼウス》になって盤面を更地にされる恐れも有りうる。
そのため、《クシャトリラ・シャングリラ》の効果はあえて使わず、《クシャトリラ・アライズハート》の強力な制圧効果でモノを言わせるプレイングも視野に入れる必要がある。

追記・修正は相手のデッキを半分以上裏側表示で除外してからお願いします。

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最終更新:2024年01月08日 00:48

*1 仏教にて語られる天魔であり、人を欲で乱す者とされる。アニヲタ諸兄姉にもお馴染みマーラ様の事。