ワンダーアキュート(ウマ娘 プリティーダービー)

登録日:2022/12/22 Mon 18:30:00
更新日:2024/04/18 Thu 15:05:08
所要時間:約 24 分っちゅうとこかねぇ




画像出典:【ウマ娘 プリティーダービー】CM「Become a Legend 砂塵」篇
© Cygames・JRA

そうじゃねえ……
いちばん大事なのは『諦めない』ことかねぇ



ワンダーアキュート(Wonder Acute)とは、『ウマ娘 プリティーダービー』の登場キャラクターである。
CV:須藤叶希

モチーフ元である競走馬『ワンダーアキュート』は当該項目を参照。

+ 目次

◆プロフィール

キャッチコピー:ゆったりまったり根気よく。決して諦めない気骨あるウマ娘
誕生日:3月14日
身長:159cm
体重:不安定
スリーサイズ:B75・W52・H78
靴のサイズ:左右ともに24.5cm
学年:高等部
所属寮:栗東寮
得意なこと:ビーズ細工、大根の飾り切り
苦手なこと:流行の横文字、はいてく機器
耳のこと:ゴングの音に反応してしまう
尻尾のこと:触られそうでも華麗にかわす
家族のこと:家族で1番、母親がゆったりしている
ヒミツ:1番好きなヒーローは遠山の金さん*1
自己紹介:ワンダーアキュートじゃ。のんびりしとるが、コツコツやるのは得意なんよ。よろしゅうねぇ

キャラクターソング:悠々閑々



◆概要

ダートで約6年に渡り一線級を走り続けG1級競走3勝を含む重賞7勝、平地G1競走最高齢記録となる9歳で2015年のかしわ記念を制した競走馬・ワンダーアキュートがモチーフのウマ娘
ウマ娘プロジェクト発足時点やアプリリリース時点では存在しなかったが、2022年7月27日のぱかライブTVにてホッコータルマエ・デアリングタクトと同時にウマ娘参戦が発表されている。

灰色の髪に流星を模した髪が一房流れるウマ娘。髪色がオグリキャップら芦毛の系統のように見えるが、モチーフ馬は鹿毛である。芦毛好きさんはステイ
このような色になっている理由としてはダート馬らしく「レース後にキックバックの砂を被って白っぽく見える馬体の色」ではないかという推測がある。

のんびりほわほわと穏やかで面倒見がよいためか、周囲のウマ娘からは「話しているとおばあちゃんを思い出してほっこりする」と評判で、特技はビーズ細工のほかぬか漬け作りも得意だったりと、ザ・おばあちゃんといった感じ。
そのぬか漬けも「ぽりぽりさん」なる名で持ち歩いており、隙あらば差し出してくる。
これらの設定は9歳でJpn1を制した点が取り入れられていると思われる。
公式ホームページの紹介文では「おばあちゃんっぽい」とあるのだが、サンプルボイスだと「ぽい」を通り越しておばあちゃんそのものだったことに衝撃を受けたトレーナーも多かったとか。
それ故かイマドキの流行や言葉などにはかなり疎いようで、ゲームのことを「ぴこぴこ」と言ったり、ウマスタのことを「うめすた」「まめすた」と間違えたり、多くのウマ娘がスマートフォンを使う中ガラケーを使っていたりしている*2

ほわほわと穏やかな一面を持つ彼女だが、レースになると一転してストイックに極限まで自分を追い込み、「研ぐ」と形容されるほど体を絞るトレーニングを重ねている。
体重が「不安定」なのも、輸送が苦手な影響で現役中のレース48戦のうち前走からの体重増減が10kg以上あったのが20戦あったこと、レース前になると水すら飲まなくなっていた事が元になっている。
父親が元ボクサーでボクシングジムを経営していた影響もあるのか減量や体重管理などにはかなり敏感。トレセン学園の入学試験の時は緊張のあまり体重が大きく落ちたことにも馬体重の件が反映されている。

レース前には気合いを入れるためにトレーナーに肩をビシバシを叩いてもらうルーティン、通称「闘魂肩たたき」があり、それこそ思いっきり叩くほどアキュートは高ぶっていく。ただしやり過ぎると大人2人がかりでも中々止まらなくなる
実馬も普段はおっとりしているのだが、レースになると毎度にように入れこみ癖が酷くなる気難しい馬であった。ただしこの荒さは同時に勝負根性に繋がっており、引退レースとなった2015年東京大賞典では最終直線で実に40発以上も鞭を使われ*3、最後にコパノリッキーを捕らえて3着に食い込む姿を見せた。

公式での通称・愛称は「アキュート」。一番よく絡むリッキーとタルマエ(共に中等部で年下)が「アキュートさん」と呼ぶ事もあって、ファンからもさん付けで呼ばれる事も多い。
また、ファン界隈では上記した「おばあちゃんキャラ」という唯一無二のキャラ付けから親しみを込めて「ばぁば」「おばあちゃん」などとも呼ばれる。おばあちゃん「ぽい」だけのうら若い女子に対する呼び名として適切かは微妙なところ


◆アプリ版での活躍

性能

バ場 芝:G ダート:A
距離 短距離:D マイル:A 中距離:A 長距離:E
脚質 逃げ:C 先行:A 差し:C 追込:E
2022年11月17日に☆3「Butterlfy Sting」として実装。
コパノリッキーと同様、発表が7月と比較的最近ながら育成実装が11月とこれまたスピード実装となった。

ダートのマイル・中距離、先行を得意としている。魔改造次第で芝レースも走れるようになるスマートファルコンとは異なりこちらは芝Gとダート専。まあできなくはないが

『Butterlfy Sting』

気持ちがきゅっと引き締まるわね。

画像出典:ウマ娘 プリティーダービー「[Butterfly Sting]ワンダーアキュート」勝負服
© Cygames・JRA

「ワンダー」冠名を使用する山本信行氏の勝負服「白菱山形」をベースにしたピンク基調のドレス風。背中側の裾のほうに白菱山形を取り入れた菱形模様が取り入れられている。
また着用していた薄い青と赤のメンコを反映してか縦ストライプとして組み込まれており、普段からも同配色の耳カバーを着用している。
体重がレースの度に大きく変動してしまうためか大きさには余裕を持って作られており、自分で調整できる機能までついている優れもの。

成長率は根性と賢さにそれぞれ+15%。
覚醒スキルでは「姉御肌(「負けん気」上位スキル)」と「優雅な砂浴び(「砂浴び〇」上位スキル)」を習得可能。
しかし覚醒レベル上げのためにはJBCクラシックや帝王賞などの優勝レイが要求され、かつそれらは入手経路がかなり少なめ。
そして立ちはだかるのが覚醒レベル4以上に必要となるかしわ記念の優勝レイ。2022年8月のアップデートで追加された新レースということもあり大量確保が難しいため、アキュートやファル子などを何度も育成して集めよう。
一応フレンドptでも交換可能だが交換レートはやや割高。

また2023年2月24日のアップデートにより、育成中に特定の条件を満たすことでレアスキルが更に強化される「進化スキル」では、「姉御肌」が「闘魂注入」に、「優雅な砂浴び」が「女神の砂浴び」に進化する。共に持続時間がしばらくに伸びている。



コツコツ、ゆっくり…しっかり育って…


誰にも負けん、大木になあれ。


画像出典:ウマ娘 プリティーダービー「[Butterlfy Sting]ワンダーアキュート 固有スキル発動」
© Cygames・JRA

固有スキルは「Never Say Never」。
効果は「残り300m地点で前の方にいると速度を少し上げる、ダートレースで先頭のウマ娘と近いとさらに少し前に出る」というもの。
メイン適性の先行に適した条件ではあるが、育成シナリオだとステータス差の関係で300mより前に逃げを差し置いて先頭に立つことも多く発動しにくいので注意。
シチュエーションとしては逃げるスマートファルコンを最終直線で捕まえにいくといった感じか。
なぜか実装当初は歴代最弱レベルの固有と言われていたが、検証が進んだ結果、実は強力な固有と判明した事でアキュートの評価が見直される事となった。
後固有のモーションが大木を育てる物であった為、同じ木でやってたらアキュートは御年数百歳のおばあちゃんになるのではとネタにされた

粘り勝ち~っちゅうやつじゃな。

固有二つ名は「堅忍不抜のいぶし銀」。
取得条件は「東京大賞典(クラシック級)、かしわ記念、帝王賞、JBCクラシック(シニア級)を勝利し、基礎能力[根性]が1200以上になる」。
いずれも育成目標レースであるためクライマックスシナリオでもない限り出走し忘れることはないが、東京大賞典には強めのライバル補正のかかったスマートファルコンが登場するためここが難所となる。
その後も1着が求められるかしわ記念以外は3着以内条件であったり、根性で1200以上が要求されるという微妙さもあったが、3周年アプデでやり直し可能になったり、インフレに伴いガチ育成でも根性1200が普通になったため今ではさほど問題ではないか。

主戦場がダートレースということもあり、トロフィーコンプリートや優勝レイ集めにも大いに役立ってくれる。
継承相性はアグネスデジタルコパノリッキーなどダート勢とはそこそこ良いものの、芝メインだと苦しくなる。


サポートカード

育成実装後も長らくの間SSRやSRはおろか、共通のRすらサポートカードが1枚も実装されていないという状況だったが、2023年7月21日にようやく共通RとSSR【ライフロング・ワンダー】が実装された。

SSR【ライフロング・ワンダー】

得意トレーニングはパワー。
「レコメンド」「まっしぐら」「砂浴び〇」といったダートで使えるスキルが揃っているのに加え、完凸するとヒントレベル最大でスキルを手に入れることができる。ヒント発生率もかなり高いため、ダートのウマ娘や因子周回には編成したい。
トレーニング性能もかなり高く、特に完凸するとスタミナボーナス+2になるため、パワーの練習を踏むついでにスタミナも上げることができる。
連続イベントを進めるとレアスキル「優雅な砂浴び(「砂浴び〇」上位スキル)」を入手可能。2回目の連続イベントで下を選ぶと、連続イベントが終了する代わりにLv1で獲得可能なため、あげません!される場合があれば下を選んでイベントを打ち切ってしまうのも手。
なお3回目のイベントの下選択肢は逆にレアスキルを貰わない(スキルが欲しくない時用の)選択肢で、順番を勘違いすると困ることになるので注意。

育成シナリオ


もう、ダメかもしれない……

自分はいいトレーナーになれるんじゃないかと思い込んでいた。しかし、そんな自信はみじんもなくなってしまった。
憧れのトレセン学園を見下ろしながら、大きなため息を吐く。

ほりゃまあ、おっきなため息だこと~。
な~んか嫌なことでもあったんかい? 落ち込んだ時に、独りでいちゃあよくないよお。

いつからそこにいたのだろうか、ウマ娘が話しかけてきた。そのウマ娘の名は、ワンダーアキュートと名乗った。
心配になって声をかけてくれたらしく、アキュートは大根のぬか漬けを差し出してくる。
いつもは遠慮してしまうところだったが、慰めをありがたく思い受け取ることにした。
今まで我慢していた涙のような味。

おいしいと思えるならまだ大丈夫かしらねぇ。
さ……なにがあったか話してごらん? ゆっくりでええよ。

穏やかな促しに言うつもりの無かった言葉が零れる。自分は、トレーナー失格だと。
というのも、専属契約前のウマ娘にトレーニングをつけていた時、ウマ娘の持つ能力を最大限活かすべく組んだトレーニングに不信感を抱かせてしまい、専属契約の話を解消されてしまったのである。

ありゃあ……そりゃ相性も悪かったのかねぇ?
けど、1人から断られたくらいなら――

専属契約を断られたのはこれが初めてではない。お試し期間まで行かなかった相手も含めるとその数、11人。
やはり自分はトレーナーに向いていないのではないか、とさらに落ち込む。

な~に言ってるの。こんなに落ち込むくらい仕事に本気な人が、向いてないなんてことありゃせんよお。
……そうだ。だったら1つ、試してみないかい?

連れて来られたのはグラウンド。アキュートは次の種目別競技大会に出ることになっており、その間のトレーニングをトレーナーにつけてほしいと提案してきたのである。

トレーナーさんに見てもらえたら百人力でしょう?
あたしなんか見ても、もの足りないかもしれないけど――

まさか、そんなことないよ!

トレーナーの本文を考えれば願ってもない申し出だった。しかし、彼女にまで不信感を持たせてしまったら、と考えてしまう。
そんな顔を見られたのか、アキュートは体力には自信があるし、厳しくされても平気だと笑顔で答えてくれる。
ひとまず1本走ってくる、と言うアキュートを止める。

右脚のストレッチを、もう少しやっておこう

ストレッチをしている時に気づいた。
おそらく彼女は気づいていないのだろうが、左右で柔軟性に違いのあるウマ娘は多く、自分の体に合ったストレッチをこの際覚えてもらおうという算段だった。
細かくてうるさいと思われないか、とびくびくしながら聞いてみるが、会ったばかりの自分を気遣ってくれるトレーナーに感謝しつつ、実際に右脚のほうがもつれやすいことを話してくれた。

翌朝、ぐちゃぐちゃの机で目覚めるトレーナー。
寝食を忘れるほどトレーニングメニュー作りに没頭していたのであろうが、メニューが重すぎないか、と一抹の不安を抱えながらアキュートとのトレーニングに向かう。
お互い約束の時間よりずっと早く来ていたようで、昨日伝えたストレッチを実践してくれていた。
彼女は自分に期待してくれている。競技大会までかもしれないが、その間精一杯の指導をしていこうと心に決めるのであった。

しばらくトレーニングをつけてきていた効果が出たのか、体力はかなり向上していた。

やっぱりトレーナーさんはすごいねぇ。
言うとおりにトレーニングしたら、みるみる力がつくんだもの。
細かくメニューを変えてくれるから、できることも増えてきて。 これならダート2000m、無事に走り切れそうよ。

君の粘り強さが武器になってるんだよ

徐々に負荷を上げてきたトレーニングとアキュートの粘り強さが、着実に成長させていた。
間違いなく、メイクデビューの後もいい成績を残せる。そう考えると、より鍛えてあげたい気持ちが沸き上がる。
その武器をさらに活かすべくトレーニングを提案し、アキュートもいくらでもこなしてみせる、とそれを了承。
こうして新しく組んだトレーニング片手にアキュートを探していると、ウマ娘に呼び止められる。
そこにいたのはアキュートの他に2人、ホッコータルマエとコパノリッキーだった。

うわあ、アキュートさんてば本当にトレーナーと契約したんだ!?
相生の相手と出会えるなんて、とってもラッキーでハッピーだよね☆

すでに専属契約を結んでいると勘違いされたのかアキュートが訂正をいれる。

そうなんですか? 残念ですね。 だってこの方ですよね、トレーナー学校で7科目主席で表彰された、期待の新人さんって。

おやまあ、トレーナーさんはそんなにすごい人じゃったのかね?

座学がよかっただけで、実績はないから……

アキュートは知らなかったようだが、これで種目別競技大会でいい勝負ができそう、と期待をかけてくれている。
しかし。

いい勝負……ですか。 だけど、相手が少し悪すぎるような……。

懸念を示したのはホッコータルマエ。
話を聞いてみると、アキュートの出る種目別競技大会、ダート2000mには……

うおっしゃしゃ~い! ファル子、全速前進、いっくよ~~~☆
デュワッ!!!

爆発的な加速力、後半で更に伸びる脚。相手はスマートファルコンだったのである。
現状のダートではほぼ敵無し、誰であろうと勝つのは至難の業とタルマエは語り、風水的にもファル子はアキュートの天敵であるとリッキーも話してくれた。

アキュートの実力は伸びてきているが、それ以上にファル子の走りが脳裏に焼き付いて離れない。
どうしたものかと思案するトレーナー。

ねぇトレーナーさん、遠慮せんでええのよ?
今のままじゃ届かないのはわかってるもの。 ファル子さんと勝負できるように、もっと厳しいメニューを作ってちょうだい。

無理をさせたいわけではない、現に、体力の向上に合わせて段階的に負荷を上げ続けたトレーニングであり、これ以上の負荷は現実的ではない。

じゃけど、まだできることがあるんじゃないかしら。
例えば、レース用に体を研ぐ――だとか。

体を、研ぐ……?

あたしがトレセン学園を受験した時のことだけどねぇ。 緊張のせいか、試験当日にずいぶん体重が落ちてしまって。
じゃけど不思議とその日は調子がよかったのよ。 脚がよお動いて、どこまでも走っていける気がして――

あの時みたいに体が研げれば勝てる――そんな気がするの。

最大パフォーマンスを出すために体重を落とすのは定石である。
しかしそこではない。彼女は微塵たりとも闘志を失っていないのである。相手が格上だろうと怯むことなく、真摯にできることを探している。

スマートファルコンに……勝ちたい?

……少し違うかねぇ。 相手は誰かは関係ないもの。 そうじゃなくて――
今度のレースに、どうしても勝ちたい理由があるの。 どうしてもあたしが、勝ってみせなきゃいけない理由が。

だからね、トレーナーさん。 どんなに辛くったっていいの。 あなたを信じて、あたしはついて行くから――

勝ちたい理由は何なのかわからない。しかし、ウマ娘が勝利を求めるなら、それを叶えるのがトレーナーの役目。アキュートの求めに応じ、減量用のメニューを用意することにした。

体を絞るメニューに変えてから数日、アキュートの走りはどんどん鋭さを増し、実践的なスキルも習得、メイクデビュー後のウマ娘と比べても遜色ない領域に達している。
しかしアキュートは更に走りこもうとするが、これ以上は無理の範疇になってしまう。それにアキュートのストイックさも相まって、減量が想像以上に進んでいる状態にまで達してしまってもいた。
食事メニューも最低量と、このままでは減量が逆効果になってしまう。そう危惧し食事量を元に戻すよう声をかけようとした。

ねぇねぇアキュートさん、ちょっとだけお話していいかな☆

先に声をかけてきたのはスマートファルコン。

余計なお節介だったらごめんなさいなんだけど……
アキュートさん、もしかしてダイエットしてたりする?
お昼ごはん、とっても少なかったから気になっちゃって。 寮でのお夕飯も、最近あんまり食べてないでしょ?

ファル子も気づいていた。本格化する前から無理するのは良くない、と心配するファル子に、レースに向けた体作りだと説明する。

それでも、1着になるには必要なことでしょう?
どうしてもねぇ、勝つところを見せたい人がいるんです。 だから、勝つためにできることは全部やっておきたくって。

その後食事量を元に戻す気はないかと聞いてみるが、やはり戻す気はないらしい。
勝つために必要なこと、と譲らない。

だってねぇ、証明してあげたいのよ。
自分は『トレーナー失格』なんて言う、誰かさんに。

あの日、あなたがひどく落ち込んで見えて放っておけなかった。 だけどね、トレーニングを見てもらうようになって思ったのよ。

いったいどのくらいいるかしらって。 担当でもないウマ娘のために、徹夜でトレーニングメニューを考えてくれる人。
成長に合わせて、何度でも細やかにメニューを組み替えてくれる人。
あたしたちのために、いつだって自分の時間をめいっぱい使って――

そんな人が、トレーナーさん失格なはずがないでしょう?
稽古つけてもらって、こんなに成長できたあたしがその証拠。
だから、証明したいのよ。 今度のレースで結果を出して、あなたが素晴らしいトレーナーさんだって、あなた自身に――

アキュートがどうしても勝ちたい理由。それは自分のためであった。おそらく、彼女はそれを最初から考えていたのだろう。会ったばかりの自分になぜ、と聞いてみる。
アキュートの父は新人王を獲ったボクサーだったのだが、その後長らく低迷。
満足な結果が出ないまま引退し、酷く荒れてしまったところをアキュートの母親に支えられたことで立ち直ったという。
独りじゃ挫けそうな時も心に添え木があれば立っていける*4、とボクシングジムを始め、今では人生を立て直したい人が集まる場所になっているという。
それを側で見続けたからなのか、落ち込んだ人を放っておけない、折れかけた心があるならその添え木になりたい、と思うようになっていたのである。

あたしの走りで救われる人がいるなら、精いっぱい走りたいのよ。 がんばる理由なんて、それで充分でしょう?

そしてさらに、自分はまだまだ研ぎ澄ませる、もっと強くなれると言う。
この予感も、トレーナーを信じてついてきたから得られたもの、トレーナーがくれたものだと。

だから、トレーナーさんもあたしを信じてちょうだいな。
あなたはすごい人って、あたしがきっと証明してみせるから――!

迎えた種目別競技大会当日。ファル子からの宣戦布告も受けて立つと宣言。
しかし緊張はしているのか筋肉が少し硬い。ほぐすために優しく肩を叩くと、もっと強く、気合いが入るようにビシバシとやってほしいと頼まれる。
ならば、ひと叩きひと叩きに思いと力を込めて。

ひゃあー! これじゃこれ! 気合い充分じゃ、勝ちに行くよお!

レーススタート。想定通りファル子が逃げ、他は誰も追いつけない――たった一人、ワンダーアキュートを除いて。

(負けない……挫けない姿を……あたしは、ここで……っ)

デビュー前にもかかわらずついていく。どう見たって無謀そのものだと観客も心配するが……。

(いける……トレーナーさんが、そうしてくれた! 丁寧に、真摯に……その成果を、今……っ)

(あなたは決して、ウマ娘をひとくくりで見たりしない。 あたし自身と、真っすぐ向き合ってくれた……)
(そしてあたしも気づいていなかった、あたしの強みを教えてくれた。 武器にしていこうって、一緒に伸ばしてくれた)

(あなたは……本当にすごい人……っ、あなたがそれに気づけていないなら、あたしが……っ)

最終直線、徐々に差が広がっていくが、振り絞るように再加速。差を縮めて、ついに並んだところでゴールイン。
勝者――スマートファルコン。

ついに勝つことはできなかったが、その走りに励まされた観客もいたことを伝える。
他人のために自分をどこまでも追い込める――追い込んでしまえる彼女が折れてしまわないよう、隣で支える者が必要だとしたら……。

今度は、君を支えさせてくれないか?

君さえよければ、とトレーナー契約を打診。

あれまあ、そんなのあたしのほうからお願いしたいくらいなのに。 トレーナーさんは謙虚な人だねぇ。
そうしたら、明日からもまたお願いしようかねぇ。 体力には自信があるから、厳しくされたってへっちゃらよ?

地道な積み重ねの先でしか得られないものを、アキュートとなら掴めると確信したのであった。



アキュートが走る目標の達成物語にして、6年にも及ぶ現役時代を3年に詰め込むシナリオ展開や、鞍上和田竜二の要素もふんだんに取り込んだシナリオとなっている。

育成シナリオではファン集めからジャパンダートダービー、シリウスSを挟んで東京大賞典と、ジュニア・クラシック期は余裕のあるローテーションだが、シニア級になると川崎記念からかしわ記念、帝王賞ののちJBCクラシック、チャンピオンズCから再び東京大賞典とG1を連戦し続け、特にシニア級後半からはかなり過密。
特に友情トレーニングの回数が物を言うグランドライブシナリオでは行動可能なターンが実質シニア級10月後半までになるため上手く立ち回りたいところ。

またスマートファルコンに3勝(先着ではない)するとイベントが発生し、根性大幅アップにスキルptが多めに入手できる。
しかし育成目標レースでは2戦しかできず、シニア級の川崎記念以降は目標外レースにすら登場しなくなるため、JBCクラシックに出走しておく必要がある。
ファン数稼ぎが難しいダートメインのウマ娘ということもあり、出て損はないため可能ならば出走しておきたい。

◆関連キャラクター

コミカルでどこまでもナルシストな歌劇王にして"世紀末覇王"。しかしアキュートトレーナーに対しては他シナリオでは中々見られない激情を見せることが多い。
また、どちらかというとアキュート本人よりトレーナーの方に強く注目してくるという点でも、他シナリオとは異なる態度を見せる。
育成イベントにも登場するほか、育成シナリオにおける最大級のキーパーソン。
トレーナーとしての自信を喪失していたアキュートのトレーナーに対し、覇王的言い回しで的確な助言と叱咤激励で自信を取り戻させてくれる。

時代が離れているため実馬の接点は皆無だが、主戦騎手が和田竜二であり、オペラオー以来11年遠ざかっていたG1級競走制覇をワンダーアキュートで成し遂げている。

「砂のサイレンススズカ」の異名を持つウマドル。その強さはアキュート曰く「赤鬼」と形容されるレベルであり、オペラオーからも「紛れもなく王のひとりである」とその名を轟かせている。
「アキュート先輩」と呼んでいるためアキュートのほうが先輩と思われるが、デビュー自体はファル子の方が先。
育成シナリオではダート最強格のウマ娘として東京大賞典、川崎記念で対決することになる。

史実ではスマートファルコンの方が生まれが1年早くかなり近い世代だが対戦経験は2010年東京大賞典、2011年東京大賞典の2回のみ。特に2011年東京大賞典では写真判定までもつれ込んだ大激戦の末にハナ差でファルコンが制している。
2012年川崎記念は結果的にスマートファルコン日本最後となるレースであり、メタ的にここで決着をつけるしかないという点がシナリオに反映されている。

ホッキ貝大好き、苫小牧のロコドル。
アキュートの後輩にあたるウマ娘で、シニア級後半のJBCクラシックから実力をつけてきたウマ娘として対決することになる。

史実では何度となく対戦しているが3世代離れているため本格的に戦うのは現役後半からだが、シナリオではシニア前半までの展開もあって前倒し気味になる(JBCクラシックでは2013年が初対決)。
ちなみにもうひとつ下のコパノリッキーは台頭がさらに1年後になるためか、ストーリー上では仲良しトリオではあるがレースには登場しない。

クリスマスイベントに登場。
父のボクシングジム生とともにバーベキューをしていたところを通りかかり、バーベキューを楽しむ一方でトレーニングに勤しむミット打ちの音を"風流"と捉えていた。
一見関わりが無さそうに見える2人だが、史実では2003年に産まれたアキュートの半姉がグラスワンダー産駒という繋がりがある。
その名もワンダーグラス。ややこしい。*5

  • ウマ娘Fウマ娘Eウマ娘T
育成グッドエンディングにおいて、乙名史記者がアキュートのインタビューをする対象の中に登場するモブウマ娘。
アキュートと争った感想や(F)、同世代のファル子を交えたり(E)、同じ世代の仲間として(T)その評価を語る。

元ネタはどう見ても、ワンダーアキュート現役前半頃を代表するダート馬であるフリオーソ、エスポワールシチー、トランセンド
何も知らないといきなり「F」から出てきたと思ったら「E」に戻って突如「T」にすっ飛んでいくという自由ぶりである。
元からセットで語られやすい面々であるため違和感のないネタだったが、1年以上後のアプリ3周年のタイミングでバッチリこの3頭がセットでウマ娘化されることに。
この時の台詞回しは完全にプレーンな口調で、実際のキャラはさすがに反映されていない。

  • トランセンド
そんなわけで現れた同期の彼女はアキュートの同室であることが判明。
サブカルオタクの彼女との絡みは、さながら現代っ子の孫と実家のおばあちゃんである。
トランは現在でも思い出がフラッシュバックするほどおばあちゃん想いなところがあり、レースだと闘争心が削がれてやりにくいという一幕も。

オペラオーのキャラ付けがワダソウル和田竜二の影響が強いと散々言われてきたが、アキュートシナリオではそれ以上のものが、主にトレーナーに盛り込まれた。


こんなシナリオだった結果因果が廻ったのか、和田竜二の公式youtubeチャンネル「和田竜二の引退競走馬を追う‼︎」が2022年11月17日に開設。
アキュートの育成実装日に和田が追いかけてきたというネタまで発生してしまった。

  • 桐生院葵
お馴染みプレイヤーとなるトレーナーの同期でありハッピーミークのトレーナー。
本人のサポカが無くても育成キャラのイベント内で複数のイベントに顔を出し、トレーナーとやり取りがあるという珍しい形での出番を貰っている。
これは和田竜二の競馬学校の同期(第12期)に中央競馬初の女性騎手が3人(細江純子・田村真来・牧原由貴子)いたことを表しているものと思われ、他シナリオとは違う意味が込められている。
下ネタを言わないのでずん子ソウルはないなという声もちらほら。

継続こそ力なり…地道に追記・修正していこうねぇ。

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  • Wonder Acute
  • ※学生です
  • ジュニア期ファン稼ぎ勢
  • 闘魂注入
  • 女神の砂浴び
  • 右ストレートのキューちゃん
  • 悠々閑々
  • 高校生
  • ボクサー
  • 栗東寮
  • おばあちゃん←ではない

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最終更新:2024年04月18日 15:05

*1 幼名が「トオヤマノキンサン」だった

*2 ガラケーユーザーは彼女以外だと漫画『ウマ娘 シンデレラグレイ』のフジマサマーチがいる。

*3 ただし全て叩いていたわけではない。鞭を連打したりすると制裁対象となるため、先端を見せることで意思を伝える「見せ鞭」も織り込まれている。

*4 ワンダーアキュート号の父カリズマティックは米国三冠を懸けた最終戦ベルモントステークスで3着入線。異変を察知した鞍上のクリス・アントレー騎手が即座に下馬し、故障した左前脚を支え続けた。実際カリズマティックは左前脚の管骨と種子骨を骨折しており、予後不良ものの大怪我であったにもかかわらずこのおかげか大事に至らず、無事に引退し種牡馬となっている。添え木や支えるといった要素はここから取られたものと思われる

*5 冠名+父名でこうなるわけだが、グラスワンダーはグラスが冠名なので元を辿ると冠名+冠名でもある。

*6 通称「花の12期生」。同期には天才・福永洋一の息子である福永祐一や、JRA史上初の女性騎手の1人でありウマ娘でもおなじみ細江純子が在籍。

*7 デビューした年の12月に開催されたステイヤーズステークス。

*8 カッコまで含めJRA公式用語。

*9 実際制裁が出なかった