タスティエーラ(競走馬)

登録日:2023/05/28 (Sun) 19:15:32
更新日:2024/04/30 Tue 00:38:35
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タスティエーラとは、日本の現役競走馬である。

生誕


生誕:2020年3月22日
父:サトノクラウン
母:パルティトゥーラ
母父:マンハッタンカフェ
生産者:ノーザンファーム
馬主:(有)キャロットファーム
産地:北海道安平町

父はキタサンブラックドゥラメンテといった2015年クラシックで争い、2016年の香港ヴァーズや2017年の宝塚記念でGⅠ2勝を挙げた、日本では稀有な血統の名馬サトノクラウン。母は中央で3勝を上げており、母父は菊花賞・有馬記念・天皇賞(春)を勝った名ステイヤーにして、父サンデーサイレンス役として映画にも出演した経験を持つマンハッタンカフェと、珍しい血統を有する。

馬主は昨年2022年のジャパンカップでエイシンフラッシュ産駒としてGⅠ初勝利を飾ったヴェラアズールや、菊花賞やジャパンカップを勝ち、無敗三冠牝馬デアリングタクトの父として知られるエピファネイア、そのエピファネイア産駒で皐月賞馬のエフフォーリア、そして2021年のBCディスタフで大番狂わせを巻き起こしたマルシュロレーヌなどの優駿を有するクラブ法人キャロットファームであり、厩舎は父サトノクラウンやドゥラメンテ、GⅠ6勝を上げたモーリスなどを手掛けた堀宜行調教師に預けられる。
馬名は母の名前(イタリア語で『楽譜』の意味)から連想し、楽器のキーボードのイタリア語読みである『タスティエーラ』と名付けられた。

デビュー~皐月賞まで:調教開始

2022年11月27日、東京競馬場にて鞍上にライアン・ムーア騎手を載せて挑んだ新馬戦で勝利したタスティエーラは、最初の重賞戦として翌2023年2月12日の共同通信杯に挑む。
が、鞍上を福永祐一に変え、ダノンザタイガーに次ぐ2番人気で挑んだ彼は、前で勝負していたタッチウッドとファントムシーフを捉え切る事が出来ず、4着に敗れる。

このままではクラシックに出る事が出来ない。後がなくなった陣営は、父が勝利したレースにして、クラシックの登竜門として名高い弥生賞ディープインパクト記念に出走。鞍上は2月一杯で騎手を引退する福永騎手に替わり、デアリングタクトで無敗牝馬三冠を達成した松山弘平を迎える。
そして3月5日のレース本番、トップナイフがゴッドファーザーと競る様に逃げる中、第3コーナーから進出して外3頭目を回して直線に入ると、内を突こうとしているトップナイフをよそに先頭に立つ。そのままあちらの追撃を退けて押し切り、ゴール板を通過した。
この勝利でサトノクラウン産駒としての重賞初制覇だけでなく、弥生賞親子制覇の快挙も達成。見事クラシックに挑むに十分な実績と賞金を手に入れたのである。

そうして準備万端と言わんばかりに、4月16日の皐月賞に挑むも、その前に立ちはだかったのは、京成杯にてドゥラメンテがごときドリフトと差し切りで重賞を勝ったキタサンブラック産駒のソールオリエンス。共同通信杯にてタスティエーラに勝ったファントムシーフも参加するとあって、2歳GⅠ王者がいないにもかかわらず5番人気に落ち着いた。
レースはグラニットが逃げてタスティエーラは先行することになったが、重馬場にもかかわらず1000m通過タイムが58秒5という驚異のハイペース、このペースでは前は不利となり次々と逃げ・先行勢はつぶれていった。そんな中でもタスティエーラは踏ん張って先頭に立ちこのまま押し切るかと思われた。
だが、後方から日が昇る様に驚異的な末脚で追い込んできたソールオリエンスの末脚に屈して2着。クラシック制覇にあと一歩手が及ばなかった。とはいえ走り自体は安定しており、陣営は日本ダービーにてリベンジを誓う。

2023年日本ダービー:東京に響く勝利の旋律

そして5月28日、第90回日本ダービー。鞍上は松山騎手から、グランプリ牝馬リスグラシューや香港ヴァーズ勝ち馬ウインマリリン、そして2022年春天でタイトルホルダーともども記憶に残る走りを見せた重賞馬シルヴァーソニックで優秀な成績を残しているダミアン・レーン騎手に交替。テン乗りや前走の披露が危惧されたものの、皐月賞馬ソールオリエンスや青葉賞を勝ったばかりの同じキャロットファーム所有馬スキルヴィング、共同通信杯からのライバルであるファントムシーフに次ぐ4番人気に押される。さらにこのレースでは、2歳GⅠ王者のドゥラエレーデも参戦しており、ハイレベルな戦いが予想された。
さてレース本番。ドゥラエレーデが落馬を起こして競争中止になる中、6枠12番よりスタートしたタスティエーラは、前走と同様に先行でのレースを進める。パクスオトマニカが後続を突き放す逃げを見せるも1000m1分4秒とペースは見かけほど早いものとはならなかった。
そして最後の直線、4番手についていたタスティエーラは、周りの馬たちとほぼ同時に加速開始。後ろに位置していたソールオリエンスが無敗二冠を目指して必死に食らいつくも、ハナ差とクビ差を争う大接戦の果てに最初にゴール板を通過したのは、タスティエーラであった。
GⅠ初優勝。かつて父が敗れ、母父が出る事の出来なかったレースにて、タスティエーラは見事、サトノクラウン産駒としてGⅠ初勝利を決めたのである。
…ただキャロットファームはダービー馬誕生という嬉しい出来事の傍ら、スキルヴィングが17着入線するも騎手が降りた後崩れ落ち、心不全で急死するという悲劇をも経験してしまったのだが…。

2023年後半:菊を巡る争い、そして新旧ダービー馬対決

秋は菊花賞に直行。初騎乗となる香港競馬所属のジョアン・モレイラ騎手と共に挑む大舞台は、ソールオリエンスとの2000年以来23年ぶりの皐月賞VSダービー馬対決菊花賞が話題になったものの、結果はドゥレッツァが勝ち、自身は2着(ソールオリエンス3着)という結果に。
そして2023年最後のレースにして初古馬対決の舞台として、陣営は有馬記念を選択。
再びムーア騎手が乗るこのレースはソールオリエンスの他前年度ダービー馬ドウデュースと前々年度ダービー馬シャフルヤール、前年度の牝馬二冠馬スターズオンアースに2023年天皇賞(春)馬ジャスティンパレス、今回がラストランとなるG1三勝馬タイトルホルダーと2022年香港ヴァース馬ウインマリリン、長距離G1の常連ディープボンド等、
同期の牝馬三冠は先にタイトル・スターズ・ポンドや結果的にラストランとなったイクイノックスらとジャパンカップで競い合った疲れで回避していたが豪華な面子との戦いとなった。
だが外枠配置や前走比+18㎏という不調が祟ったのか、ドウデュースが勝利する傍らで6着という冴えない結果となってしまった。

その後2023年度JRA賞で最優秀3歳牡馬に選ばれたが、次走予定は2024年1月現在不明。一応ドバイシーマクラシックへの予備登録は実行しているが、果たして…。

2024年前半:逆境につぐ逆境

古馬になってからの初戦はドバイ遠征をキャンセルして大阪杯。松山弘平騎手を背に1番人気で挑んだレースはひとつ上の世代の秋華賞馬スタニングローズが引っ張る形でスタート、タスティエーラは好スタートから先団追走し機を伺うが、最終直線で何故か伸びず11着と大敗。勝ったのは同期のベラジオオペラだった…
次走は春の天皇賞を選択(鞍上ジョアン・モレイラ)、菊花賞以来のドゥレッツァとの対決となると思われたが、イングランディーレを彷彿とさせる逃げをうつマテンロウレオ(鞍上横山典弘)が引っ張るなか中団から攻めるも、テーオーロイヤルがG1初制覇を決める裏で7着。
しかもこの2戦、前年の有馬から-4kg、-6kgと立て続けに体重を落としており、体調面で不調を抱えていた可能性がある。




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最終更新:2024年04月30日 00:38