タイトルホルダー(競走馬)

登録日:2022/10/21 Fri 17:06:12
更新日:2024/04/21 Sun 04:13:21
所要時間:約 41 分で読めます






その名は、タイトルホルダー

その名を背負う覚悟。
重圧をはねのけた彼らに、
もう怖いものなどない。

JRA ヒーロー列伝 No.93


タイトルホルダーとは、日本の競走馬
なお、1995年生まれのタイトスポット産駒、2007年生まれのスペシャルウィーク産駒(1993年生まれのばん馬)が同名馬として存在するが、この項目では2018年生まれの3代目を扱う。

目次

データ

父:ドゥラメンテ
母:メーヴェ
母の父:Motivator*1
生年月日:2018年2月10日
調教師:栗田徹 (美浦)
主戦騎手:横山武史(2021年菊花賞まで)→横山和生(2021年有馬記念以降)*2
馬主:山田弘
生産者:岡田スタッド
産地:新ひだか町
セリ取引価格:2,160万円
生涯獲得賞金:10億6826万5000円
通算成績:19戦7勝(海外戦は1戦0勝)
主な勝ち鞍:'21 弥生賞ディープインパクト記念(GII)、'21 菊花賞(GI)、'22・23 日経賞(GII)、'22 天皇賞・春(G1)、'22 宝塚記念(G1)
主な表彰歴:'22JRA賞最優秀4歳以上牡馬
特記事項:'21 皐月賞(GI)2着

5世代血統

ドゥラメンテ キングカメハメハ Kingmambo Mr. Prospector Raise a Native
Gold Digger
Miesque Nureyev
Pasadoble
マンファス ラストタイクーン トライマイベスト
Mill Princess
Pilot Bird Blakeney
The Dancer
アドマイヤグルーヴ サンデーサイレンス Halo Hail to Reason
Cosmah
Wishing Well Understanding
Mountain Flower
エアグルーヴ トニービン カンパラ
Severn Bridge
ダイナカール ノーザンテースト
シャダイフェザー
メーヴェ Motivator Montjeu Sadler's Wells Northern Dancer
Fairy Bridge
Floripedes Top Ville
Toute Cy
Out West Gone West Mr. Prospector
Secrettame
Chellingoua Sharpen Up
Uncommitted
Top Table Shirley Heights Mill Reef Never Bend
Milan Mill
Hardiemma ハーディカヌート
Grand Cross
Lora's Guest Be My Guest Northern Dancer
What a Treat
Lora Lorenzaccio
Courtessa

誕生

父は社台グループ*3が生んだ日本競馬の結晶体ともいえる超名血馬にして、2015年のクラシック二冠馬であるドゥラメンテ。その偉大な功績は該当項目を参照。
本馬はそのドゥラメンテに初の重賞、GI、クラシック制覇を届けた代表産駒その1にして2022年現在の筆頭産駒である。

母は本馬の生産者・岡田スタッド代表の岡田牧雄*4がイギリスの一歳セールで購入した牝馬。
5代母にTessa Gillianという良血馬を構えており、このTessa Gillianの全兄がRoyal Chargerである。Royal Charger自体に聞き覚えはあまり無いかもしれないが、この馬のサイアーラインを2代下ろしたところにいるのがHail to Reason、つまりサンデーサイレンス系やロベルト系といった現代の日本で主流となっている血統の祖である。そんなわけで彼女自体はゴリゴリの欧州血統である一方、何気に日本とも親和性のある血統の持ち主でもある。
他には4代母Loraのラインがフランケルの後継種牡馬の一頭で、2023年の凱旋門賞を制したエースインパクトの父でもあるクラックスマンを排出するなどしている。
日本に輸入された後、本馬の馬主でもある山田弘氏へも購入が打診されたが「この血統じゃ日本で走らないよ」と断られてしまい、最終的に牧雄氏が自己所有した。
美浦の栗田博憲厩舎に預託された彼女は中山のダート1200m未勝利戦で勝ち上がると最終的に札幌芝2600mのオープン戦、丹頂ステークスを優勝するという優秀な成績を収めた。
繁殖牝馬としても牧雄氏からは大いに期待されていた彼女であったが、これが中々の問題児であり、初年度にいきなり不受胎をかますと翌年オルフェーヴルとの間に牝馬を産んだが、見たこともないほど小さい馬であった(彼女が後のメロディーレーンである)。更にその翌年はディープインパクトとの間の子を死産してしまい、三年間で生産できたのは競走馬になれるかも怪しい牝馬一頭。挙句せっかく生まれた長女と後に生まれる長男をあまり可愛がらなかった事が馬主の牧雄氏から後にカミングアウトされた。牧場によっては用途変更すら検討されかねない繁殖成績であった。

それでも牧雄氏のメーヴェへの期待は消えることなく、不受胎1回を挟んで2017年には当時新種牡馬であったドゥラメンテと配合され無事受胎。その受胎した子こそがタイトルホルダーである。
なおメーヴェはそこからまた不受胎による空胎を繰り返しており、ようやく第三子*5が誕生した2023年にはタイトルホルダーは5歳となっていたのだから、誕生からして中々ミラクルな馬である。

馬名は英語で「選手権保持者」の意で、父・母父・母母父*6がいずれもダービー馬だったことに因む*7
Sadler's WellsやMill Reefと行った重厚な牝系の身体能力とドゥラメンテの苛烈な闘争心が融合した結果、まさかの逃げ切りを得意とするステイヤーという、どちらかというとドゥラメンテじゃなくて同期のキタサンブラックの方に似ている馬に仕上がった。なんなら黒みの強い被毛も共通している。1つ下のキタサン産駒で初GⅠホースとなったイクイノックス父と違う切れ味型であることも相まって稀にガチで勘違いする人もいるんだとか。なお小さすぎる半姉メロディーレーンも明らかなステイヤーだったり。
実際他のドゥラメンテ産駒と比較しても色々と違う点が多く、どちらかというと母の血を姉弟揃って濃く引いているようにも見える。*8


競走馬として


育成時代~この馬は菊花賞を獲る~


2018年、当歳セールで売り出された彼を山田弘(不動産業オーナー)が2160万円で一発落札。自身のオーナーも決まり、デビューに向けての育成が始まると、早くもその非凡な才能を関係者たちへ見せ始めた。
岡田スタッドが北海道襟裳岬に保有するえりも分場で昼夜放牧に出された彼は、鹿や熊という野生動物も出没し強い風も吹く事から少なくない馬が心折れて脱落するこの厳しい環境にさらされてなおケロリとした表情を見せていた。牧雄氏は当時を振り返って「この時点で普通の馬ではなかった」と回顧する。2022年の天皇賞の特集でそのエピソードを取り上げた東スポの記事に「タイトルホルダー 熊で鍛えた」という見出しと共に躍動感ある熊の写真とそれに立ち向かうような構図のタイトルホルダーの写真が掲載され、ファンから大いにネタにされた

本格的に乗り運動が始まり、坂路調教へ出るとほとんどの馬が一発では登り切れない坂路を難なく踏破しそのまま頂上の先まで行く心肺能力を発揮。自身の育成場でそこまでの能力を見せつけたのはマツリダゴッホとスマートファルコンといったGI馬のみであった。

タイトルホルダーの才能に目を付けた牧雄氏はまたある日、自身の兄である岡田繁幸氏の馬との合同模擬レースにタイトルホルダーを連れて行った。結果は最下位だったものの、二歳戦から活躍させるよう馬を鍛える方針の兄に対して、古馬になっても活躍できるよう緩やかに育成をする方針の自身の馬が喰らいついた事自体を高く評価した。

これらの育成時代で見せた能力から牧雄氏は「この馬で菊花賞を獲る」と公言、2歳時のPOG関連書籍等でも「今年のドゥラメンテ産駒にマツリダゴッホ以上の馬がいる」とその存在を宣伝していた。


2歳~まだその名は重く~


デビューを迎えた彼であったが、いわゆる非社台系の馬であった事から最初から存在感のある馬というわけではなかった。
先にデビューし、その異例すぎる馬体かつ牝馬ながら菊花賞5着という好成績を収めてアイドルホースとして名を馳せているメロディーレーンの弟、という程度には話題になったがそれもこの年大いに活躍が期待されていた他の同世代の素質馬の話題をかき消すようなものではない。
そんな中、2020年10月に戸崎圭太騎手を鞍上に迎えて新馬戦でデビュー。1番人気に推されこの時から好スタートを決めハナ奪い2着馬に1馬身1/4差をつけて勝利する。
続いて初重賞挑戦となった東京スポーツ杯2歳ステークスでは他のドゥラメンテ産駒に人気を取られ5番人気となる。抜群のスタートを決めてハナをとるものの、外からまくったレインフロムヘブンに先頭を譲ると自身はその5,6馬身後ろの馬群の先頭で競馬を進めた。直線でダノンザキッドと競り合いながらレインフロムヘブンを競り落とし、最後まで足を伸ばし続けるも最終的には競り負け2着で入線。人気以上の好走を見せた。

ホープフルSでは更に人気を落とし7番人気となる。ややかかる形で2~4番手でレース。直線では大逸走をブチかましたランドオブリバティを尻目に4頭並ぶ形で競馬を進めるがキレ負けしてしまい、再びダノンザキッドに敗れ4着で入線。
このように重賞連対経験を持つ活躍を見せるも、2歳王者のダノンザキッドの影に隠れた馬であった。


3歳春~乗り越えた壁、新しい壁~


3歳初戦は皐月賞トライアル・弥生賞ディープインパクト記念(GⅡ)を選択。
弥生賞では戸崎圭太騎手から、近年注目されている関東の若きエース・横山武史騎手に乗り替わり、持ち前のスタートを生かしハナを奪っての逃げを選択。
湿った馬場とスローな流れを生かして直線に入ると、自身をマークするような形で追走してくるシュネルマイスター、後ろから豪脚で追い込んでくるダノンザキッドを振り切って勝利。

「今度こそ!今度こそタイトルホルダー勝った!!」

初めて2歳王者を降し、ドゥラメンテ産駒初の重賞を手にした。
余談だが本レースで2着となったシュネルマイスターは次走のNHKマイルカップでGI制覇を成し遂げた為、本レースは1~3着馬全員が後のも含めたGI馬という非常に豪華なレースとなった。

元々本レースの後は皐月賞を使う想定ではなかったのだが、弥生賞を勝利して優先出走権を獲得した事もあってクラシック戦線に乗り込む事となる。

皐月賞・ダービーでは武史騎手がエフフォーリア*9を選択したため田辺裕信騎手に変更。

皐月賞では弥生賞馬でありながら前走がスローな展開と重い馬場、そして明らかに叩きと見られたダノンザキッドとの状態差で勝ったいわばフロックとみなされてしまい、ライバルのダノンザキッドが1番人気で注目される一方で本馬は8番人気となる。
レースではワールドリバイバルの2番手でレースを進め直線では一時先頭に立つも、前を差すために一瞬膨らんだその内側をエフフォーリアに突かれて先頭を譲ってしまう。
それでも垂れることなく粘ったものの、前でリードを広げていくエフフォーリアァァァ!には3馬身離されて2着入線。
ただ、エフフォーリアとは差があったもの一気に襲い掛かってきた他の後続はしっかり押さえきっており奮闘と言える結果ではあった。
なお、ここまで彼の壁として幾度も立ちはだかったダノンザキッドはもともと懸念されていた気性の悪さをよりにもよってこの舞台で爆発させてしまい、アサマノイタズラと大喧嘩しながら15着と轟沈。加えてレース後に骨折まで発覚したため春を棒に振り、復帰後も気性を鑑みてマイル路線へと舵を切った為両者の道はここで別れる事となった。

皐月賞2着ということで、次走として日本ダービーに出走。皐月賞2着馬としていよいよ本命サイドとして参戦…とはならなかった
というのも前走でエフフォーリアとの格付けは完了したとみなされ、皐月賞組がそもそもエフフォーリア以外評価されなかった結果、可能性があるとすれば別路線組と考えられたのだ。
別路線からは毎日杯をレコードで勝利したシャフリヤール、そのシャフリヤールと好勝負を見せたグレートマジシャン、阪神JFと桜花賞こそ僅差でソダシに敗れたものの中距離こそ本番とみなされた牝馬サトノレイナス、青葉賞馬ワンダフルタウンが参戦。加えて皐月賞組にもディープインパクトの血統が高評価されたのか皐月賞で下したはずのヨーホーレイク、ディープモンスターまでもが上位人気に入り、タイトルホルダーはまたも8番人気。

レースは皐月賞同様2番手で競馬を進めるが、決して速いとは言えない流れで完全にキレ味勝負になるという本馬にとって厳しい流れとなった結果、初の掲示板を逃す6着入選。それでもその中でも粘り切るスタミナと根性は高く評価され、秋以降はようやく実績馬としてファンからの期待も背負うような馬となった。


3歳秋~大敗と大輪~


夏の間は放牧地で過ごし、秋は菊花賞トライアル・セントライト記念から参戦。
エフフォーリアが天皇賞(秋)を選択したために再び武史騎手が鞍上に復帰し、また人気面でも新馬戦以来となる1番人気という順風満帆なスタートを切った。…はずだった
レース本番ではいつものようにロケットスタートを決めるも鞍上判断ですぐに控えさせ、中段前側といった位置でやや掛かりながらレースを進める。ややかかるタイトルホルダーを抑え込むという折り合いの悪さを見せながら追走していたが、直線抜け出そうとしたところヨレたグラティアスに進路を奪われる形となり、更にそこから抜け出す道を失ってしまう。タイトルホルダー、前が壁!
そのまま前後左右に道を出せないまま、後退していく馬群に押し出される形でまさかの13着大敗。初の2桁着順で少なくない数のファンの失望も買う結果となった。

しかし陣営はこの大敗については後述のようにあまり気にしておらず、むしろその敗北を人馬共に糧になると期待していた。

そして迎えた菊花賞。彼がデビューする前から最大の目標として掲げられていたクラシック最後の一冠戦。単勝人気は前哨戦の大敗が響いてか4番人気に。

レースはスタートからハナを奪うとかつて鞍上の父・横山典弘騎手が23年前の菊花賞で見せたセイウンスカイを彷彿とさせる幻惑の逃げをもって他馬を完封。


「しかしリードはまだ四馬身くらいある!」

「タイトルホルダー逃げる逃げる!」


「さぁ二番手、オーソクレース、ステラヴェローチェ、ディヴァインラヴが争うしかし!」


「これは一頭桁が違ったタイトルホルダー!!!」


同年8月にこの世を去った父が挑めず、姉が敗れたレースでクラシックホースに輝き、亡き父に産駒初のG1を捧げた。
レースの詳細は該当項目を参照。

人馬共に親子の縁というキーワードを軸にしたドラマチックなこの勝利はこれまでのどちらかと言えば目立たない存在であったタイトルホルダーの存在感を大きく強め、一躍アイドルホースへと押し上げた。

菊花賞後は休養を予定していたがファン投票3位に選ばれたことで有馬記念に出走。
再び武史騎手がエフフォーリアを選択した為、陣営は今後は長く同じ騎手に任せることで一致し、新たな鞍上として武史騎手の実兄である横山和生騎手を迎える。

有馬記念には二度苦杯を味わわされたエフフォーリア、グランプリ四連覇を賭ける名牝クロノジェネシスが出走。お姉ちゃんのメロディーレーンとも初対決。

本馬はGI馬として事実上の実績3番手だったのだが、なんと枠順が大外8枠16番に。過去馬券内率0%、掲示板にすらロクに残った馬がいない死の枠*10に入ったこともあり、最終的には4番人気での出走となった。

本番では前走破滅的な大逃げで勝利をあげたパンサラッサ*11を数馬身前に置く2番手でレース。自身は1000m60秒程度の理想的なラップを刻んでパンサラッサを追いかけるが、さすがに大外の8枠16番のロスはいかんともしがたい。直線ではパンサラッサを競り落とすが楽に競り落とす想定がかなり粘られてしまい、そこに並びかけてきたディープボンドに並ばれてしまう。更にディープボンドと競り合ってるのを尻目にエフフォーリアが二頭まとめて抜き去ってしまい、ディープボンドにも競り負け、またクロノジェネシスとステラヴェローチェにも差された結果5着と敗北。和生騎手がテン乗りだった事も響いただろう。
しかし前述のように掲示板入りすら困難な大外で入着という結果をむしろ評価し、4歳以降に期待する声も少なくなかった。

レース後に和生騎手は「一瞬夢を見ました」とコメント。見た夢を現実に変える為、この若きコンビは翌年新たな戦いへ望んでいく事となる。


4歳春~菊花賞の再現、そして長距離王者誕生~


当初は天皇賞・春を大目標に、初戦として阪神大賞典を予定。...していたのだが馬房内で驚いた拍子に足に不調をきたしてしまう。右足を地面に付けられないほど痛がる様子を見せ、肉眼や精密検査でも異状は見られなかったのだが大事を取って休養入りとなる。*12

一時は春の予定が全白紙となったが、外厩「ブルーステーブル」*13で治療を任せたところ、調教師も驚く謎の回復力で復帰*14。結局二週間程度で痛みも治まり乗り運動も再開できるようになっていった。

ということで再び天皇賞・春を目標に、叩きや輸送面も考慮して初戦を日経賞に変更して始動。レースには重賞戦線で安定した成績を収める善戦マンのボッケリーニ、ヒートオンビート、JRA史上初の白毛の重賞馬でありダートから芝へ出戻ってきたハヤヤッコ、ステイヤーズステークスを制したディバインフォース等が参戦。メンバー内唯一のGI馬である彼はトップ斤量を背負うこととなるも単勝1.6倍の抜けた1番人気に。

日経賞本番では流石に前述の右トモ不安の問題もあって仕上げがかなり緩いものとなってしまい、タイトルホルダーもレースへの実感がないのか調教中手前を変えずに走るなど、レース前に調教師がオーナーサイドに謝罪する程の明らかな不完全仕上げに。
しかも、レース本番は先頭を奪うと菊花賞のような離しての逃げではなく、むしろ自身が苦手とする日本ダービー時のような最後の決め手が勝敗を分ける展開を作ってしまう。それではさすがにどうしようもなく外から迫るヒートオンビート、更には内を突いて現れたボッケリーニに並びかけられ彼は馬群へと沈んで…。

行かなかった

ボッケリーニに並びかけられ、今にも差されるその直前に二枚腰で再びクビ差分突き放すと、最後まで2着のボッケリーニと同じ脚色のまま1着入線。着差こそクビ差と小さなものだったが、完全に力の差を見せつけるような内容で、有馬からの鞍上横山和生とのコンビで初勝利を決めた。*15

これに自信をつけ徐々にクラシックホースの貫禄を纏い挑むは春の古馬戦最大のビッグレース。天皇賞・春。
世代の代表である菊花賞馬として本レースで勝利するのはこの年の彼の至上命題でもあった。

レースでは前年の天皇賞・春で2着から着実に成長し続け阪神大賞典も連覇したディープボンドが大本命に。
ディープボンドとの二強…という触れ込みだったが、彼の枠が逃げ馬としては致命的な8枠16番の大外枠だった事や阪神大賞典でディープボンドが強い競馬を見せて連覇を達成した事、日経賞が見た目には評価が難しいレースであった事、そして何より前走の有馬記念ではディープボンドの方が2着で先着していた事で最終オッズではディープボンドが2.1倍、タイトルホルダーは4.9倍2番人気と差がついた。
菊花賞は戦術勝ちの面があるし、本来の実力はどうなのか?」という見方があったのは確かであろう。

ディープボンド以外には、同世代で条件戦から連勝でダイヤモンドステークスを勝ち、また菊花賞当時は2勝クラスだったので抽選漏れの憂き目にあっていた『幻の菊花賞馬』テーオーロイヤル、ステイヤーズステークスと阪神大賞典でそれぞれ2,3着を連続で確保したアイアンバローズ、シルヴァーソニック辺りが主なライバルとなった。お姉ちゃんのメロディーレーンとも二度目のry

レースではスタート直後に隣の17番シルヴァーソニックが落馬。アクシデントに見舞われるもそれも気にせず大外からハナを奪いに行き強気に逃げると、スタート開始直後100mほどのコース合流点で先頭を確保。
レース予想では有力候補もこれに追従するとみられていたが、3200mの長丁場でスタミナ温存もあってかタイトルホルダーを追う馬はいなかった。

そのままリードを5,6馬身と広げながら一周目のオープンストレッチに姿を見せたタイトルホルダー。あまりにも見覚えのある光景がそこにはあった
しかし、ここから彼は去年から大きくアップデートした姿を見せる。

レースも後半戦に入り、向こう正面まで進むと、勝手に走り続けていたカラ馬のシルヴァーソニックがタイトルホルダーの2番手に付き、後方からタイトルホルダーを突くというアクシデントが発生。結果前日の雨で菊花賞より重い馬場であったにもかかわらず、後半からの彼は菊花賞よりも遥かに速いラップを刻み、そのうえでなお余裕の表情を見せ続けていた。
そして、彼のラップが高速化した結果、後続はタイトルホルダーに追いついてきたそこから息を付く暇もなく加速することを要求される。3200mで
ほとんどの馬は3コーナーを迎えることなく力尽き追走ができなくなり、4コーナーを回る頃には勝負圏内には既にタイトルホルダーとテーオーロイヤル、ディープボンドしかいないという有様であった。カラ馬のシルヴァーソニックもいたけど

直線ではテーオーロイヤルが勝負を仕掛けようとするも、余力の差は絶大。一完歩事にその差はみるみる広がっていき、もはや彼の背中を追えるものは誰もいなくなっていた。カラ馬のシルヴァーソニック以外


「ディープボンドは三番手、ディープボンドは三番手!」


「タイトルホルダーが止まらない残り200は既に切っている!」


「菊花賞の再現だ!!」


鞍上は変わっても再び菊花賞さながらのペースで逃げ、ホームストレッチでは更に着差を広げて1着でゴール。ゴール100m程手前ではあまりにも広いリードとそれでなお他馬と脚色の違いがあった事から実況を担当していた川島壮雄アナウンサーが思わず「タイトルホルダー圧勝!!」と言い切ってしまった。

カラ馬を意図せず味方につける展開*16になったとはいえ、大本命候補のディープボンドから7馬身の差を付けて優勝。更に彼が本レースで刻んだ上がり3F36.4というラップは2位との差0.6秒で最速。ずっと先頭にいた馬が1番速い末脚を使ったのだから当然追いつけるはずもない。この逃げて最速の上がりで勝つ、というのはJRAGIでは史上4例目*17
かくして彼はセイウンスカイも成し遂げられなかった日本史上初となる全長距離GI逃げ切りを達成した。
現役最強ステイヤーの座を確かなものとすると同時に、父の怪物性を改めて証明してみせた。

なお和生騎手は父の印象に残ったレースで家を出る前に「くるっと回ってくるわ」と発言してイングランディーレが勝利した天皇賞・春を挙げている。*18
この時10番人気低評価でノーマークだったことで果敢に逃げを選択、一時は20馬身も後続を突き放し最終的には2着馬に7馬身差とタイトルホルダーと全く同じ着差で勝利している。*19
そんな天皇賞で初G1を手にした和生騎手はゴール直後にはテレビに音が拾われるほどの大きな歓声を上げていた。兄の偉業達成をかつてのタイトルホルダーの鞍上でもある弟は東京競馬場で見届け大喜びしていたとかなんとか


4歳春~競馬界のエースは俺だ~


4歳春の総括として宝塚記念に参戦。ファン投票では僅差で2位のエフフォーリアと共にオグリキャップの持つ最多得票数レコードを約30年ぶりに更新する19万1394票で1位を獲得むしろネット投票も開始して久しいのに今まで更新させなかったオグリって一体……。

本レースには春の総決算にふさわしい豪華メンバーが集った。タイトルホルダーに何度も土をつけ昨年は年度代表馬にもなったエフフォーリア、史上初の無敗牝馬三冠を達成したものの靭帯炎を発症しそれでも治療の上ターフへ戻ってきたデアリングタクト、そのクラシック時代のライバルウインマリリン、ドバイターフ史上初の同着勝利で初GI勝利を達成し「令和のツインターボ」の異名を超えた天敵パンサラッサ、サウジアラビアとドバイの長距離重賞を連勝したステイフーリッシュ、昨年の香港カップでラヴズオンリーユーの僅差二着であったヒシイグアス。お姉ちゃんのメロディーレーンとも三度ry

その中でも人気投票では1番人気だった彼だが、前走大阪杯では大敗を喫しその雪辱に燃えるエフフォーリアがオッズ上では1番人気で2番人気になっていた。天皇賞・春がカラ馬のハプニングで評価しづらかったこともあり、なんなら一時はディープボンドの下の3番人気に落とすこともあった。勝っても勝ってもなかなか実力への疑いが晴れないところもキタサンブラックっぽいんだよなぁ
これはタイトルホルダーがここまで逃げれば全勝だったものの逆に逃げられなかったときは全敗であること、そして今回は九分九厘ハナを譲らないであろうパンサラッサがいることから、「先頭でペースを握れなくてもこれまで通りの力を出せるのか?」という視点があった。また、天皇賞・春の勝ち馬が過去16年もの間宝塚記念で敗れているというジンクスも含め、長距離で実績を残している彼に対して2200mという距離がマイナスに見られるのはやむを得ないことだろう。

レースでは直前まで姉がいる方へよそ見していたくせにロケットスタートを決めると、パンサラッサが出遅れたこともあって先頭に立ってハナを主張。
坂を上る頃にようやくダッシュがついて外から捲ってきたパンサラッサに外から煽られる形となったタイトルホルダーは、これにまさかの応戦。それでも先頭が欲しいパンサラッサは強引にハナを奪うためにペースを上げていくのだが、これを確認したタイトルホルダーはスッと下げ、さっきまで応戦していたのは何だったのかといわんばかりのペースチェンジでまんまと2番手を確保した。
タイトルホルダーの前に行く為にスタコラサッサとペースを上げてしまったパンサラッサは今更減速もできず、結果先頭が1000m57.6秒*20という異常ペースに。

見事にパンサラッサをやり過ごし成長を見せたタイトルホルダーだが、パンサラッサへの追撃はまだ終わらない。せめてセーフティリードが欲しいパンサラッサを、一息入れた彼は今度は数馬身後方で追走し始めた。この時点でパンサラッサに勝ちの目はほとんどなくなってしまう。

とはいえこうも前がやり合ってハイペース戦となってしまうと、後ろが一気に有利になるのが競馬の常識。パンサラッサをつぶした一方でタイトルホルダーも終わったと多くのファンは思っていた。しかし、後ろも後ろで異常事態が発生していた
超高速で前を行く二頭は共にそれぞれハイペースで逃げてGIを獲った実績馬。しかもタイトルホルダーと彼を半ば決め打ち気味に追走した*21ディープボンドの二頭はスタミナに定評のあるステイヤーで、崩れることを期待するリスクは大きい。その三頭を放置して前に行かせたら何されるかわかったものではない後続勢は当然これを追わざるを得なかったのだ。結果、最後方を走っていたアリーヴォですら60秒フラット程度という例年だったら逃げ馬が刻むようなラップに。こうなれば前崩れの後ろ有利という常識は通用しない、前後総崩れの消耗戦が始まった

こんなペースに経験などあるはずがない各馬は少なくない数が向正面から鞭を打つほど追走に苦労する中、タイトルホルダーはパンサラッサから3馬身ほど後ろのそれほど離れない位置を馬なりで追走しながらその差を徐々に詰め、4角であっさりパンサラッサを競り落として先頭に躍り出る。そのまま一切後続を寄せ付けさせないどころか突き放しながらゴールへと向かっていく。
そんな激流の中でも足を溜めることができたヒシイグアスが馬群を裂いて前へと迫り残り200m地点で2馬身差まで迫る。…が、追いつけたのはそこまで。


「ヒシイグアスが!前に迫ってくる!前に迫ってくる!」」


「しかし差が詰まらない!!!」


「タイトルホルダー三連勝だ!!」


「競馬界のエースは俺だ!!!タイトルホルダー!!!」


後続に2馬身以上差をつけてレコード*22を0.4秒縮めて勝利。ファン投票数と走破タイムという宝塚記念の2つのレコードを塗り替えた。
異常なハイペースですら彼にとってはどうやらマイペースに過ぎなかったようだ。怪物の子はやはり怪物である。
なお2着には先述したヒシイグアスが、3着にはデアリングタクトがディープボンドを外からハナ差でかわして入り、三冠牝馬としての底力を見せることとなった。

この勝利で父の忘れ物を再び回収すると共に、2022年上半期における現役最強馬(※JRA公認)となった。不安要素を次々と覆し、常識の埒外から他馬をちぎり捨てて勝利する姿に、レーススタイルは別物とはいえ怪我をしなかった世界線のドゥラメンテの姿を垣間見たファンも少なくないだろう。

世界的にもこの勝利は高く評価され、IFHA(国際競馬統括機関連盟)*23が発表した「ロンジン・ワールド・ベスト・レースホース・ランキング(LWBRR)」*24で獲得したレートは124。あのディープインパクトの宝塚記念に比肩すると評価された。

そのあまりにも前例のない逃げ馬としての強さから、逃げ馬もしくはステイヤーというカテゴリ内であれば日本史上最強候補の一角と推す声もこの頃から聞こえ始めるようになる。

また、本レース勝利直後、秋には凱旋門賞を目指すプラン事が陣営からも明言されついに父の最後の忘れ物を回収しに向かう事も確定的となった。


4歳秋~世界の壁は高く、それでも登り続ける、だが…~


休養の後、世界最高峰のレースに挑むべく、タイトルホルダーはフランス・パリのロンシャン競馬場へと飛んだ。
凱旋門賞ではレース直前に降り出した大雨の中、欧州の地でも好スタートを決めハナを奪っていく。
馬場状態を考えれば異常、といえるペースだったがキーファーズの半所有馬でもあるブルームに後ろから迫られ息を入れるタイミングを失ってしまう。

それでも抜群の手応えを残しながらフォルスストレートを抜け、直線では一瞬後続を突き放した彼であったが、求められた瞬発力の違いかすぐに失速。最後はスタミナを切らして後退して上がってくる後続に呑み込まれる形となり、アルピニスタの11着に敗れた。
2桁着順はセントライト記念以来。同レースに出走した日本馬内では最先着であったものの*25、完敗に変わりはない。

しっかり手応えが残りキレを見せながらもすぐ馬場へと速度を吸われ落ちていった姿から、向いていない戦いであったと言わざるを得ず、レース後には牧雄氏も「タイトルホルダーに申し訳なかった」とコメントを残した。

レース前には落ち着かない様子を見せ、それを宥めるために和生騎手がルール違反を犯した結果5日間の騎乗停止を受けるなどのハプニングもあり、総じて苦い経験になったものの、出なければ出なかったで燻ぶっていたであろうことを思えば意義のある挑戦だったと思いたい。

レース後は食事もいつも通りで大きな異常は見られず、帰国後も馬体に異常が見られなかったため陣営は有馬記念を次走に選択。
有馬記念には復活を期すエフフォーリアの他、エフフォーリア同様3歳で天皇賞(秋)を制したイクイノックス(父キタサンブラック)、当初は脚部不安に悩まされダートからの現役スタートとなったものの芝に転向してから連勝し、好成績でジャパンカップを制したヴェラアズール(父エイシンフラッシュ)。
同期でエリザベス女王杯を制し初G1を手にしたジェンティルドンナの娘ジェラルディーナ、前年のエリ女覇者で復権を狙うアカイイト。
大混戦の大阪杯を制したポタジェなどと言ったG1馬が出走し総決算として相応しい有馬記念となった。
抽選の結果7枠13番と去年よりはマシだったものの外枠となったこと、更には対抗馬筆頭のイクイノックスが5枠9番に入ったこともあり人気投票は1位ながら宝塚同様オッズでは2番人気となった。

レースではいつも通り外枠からハナを奪ったが道中平均ペースで進め、あまり後続との差を広げることが出来ず最後は馬群に沈み、馬なりのまま一まくりして押し切り勝ちしたイクイノックスの影で9着入線。
鞍上の和生騎手も「いつものようにゲート出て行かず出足が鈍かった、最後は耐えきれなかった」とファンへの謝罪と共に感想を口にした。
レース前の馬体では遠征疲労はないと判断されたが、同様に凱旋門から有馬に出走したディープボンドも8枠16番という大外不利な条件ではあったものの8着と共に沈んでいる。
この敗北を受けてイクイノックスに年度代表馬争いで敗れたものの、2022年度JRA賞において最優秀4歳以上牡馬に選出された。

凱旋門賞制覇の夢は叶わなかったが彼の父の忘れ物はあと一つある。2着に終わったドバイシーマクラシックだ。
そのためか、当初来年についてドバイ遠征や香港遠征、更には秋にアメリカのブリーダーズカップ・ターフへの遠征も考慮に入れるとしていた。
しかし一方で山田氏や牧雄代表は「国内で引き続き走ってほしい」というファンの声も考慮し 「今年は厩舎のお願いを聞いて凱旋門行ったから、来年はうちらの我儘聞いてね?(要約)」と国内戦に専念、大阪杯からの始動も視野に入っているとコメントしている。

そして12月30日、タイトルホルダーを管理する栗田調教師は年明けを目途にタイトルホルダーを放牧に出すこと、今後は体調面も見てレースを決めるが春は国内に専念してドバイ遠征は(現状)考えないことを発表し、ひとまずドバイ遠征はお預けとなった。
ただこの時点では秋について触れられておらず(もっとも半年以上先の来年秋の予定を年末に発表するというのもなかなか酷な話でもあるが)、引き続き再度の海外遠征の可能性も残っている。

2023年の上半期はまず天皇賞・春の連覇を狙い、その前哨戦として日経賞に出走する予定。当初は始動戦として大阪杯も考慮に入れていたが、輸送に加えて間隔の短さがネックとなり、結局連覇を目指して日経賞で始動する運びとなった。
当初同じ和生騎手が主戦を務めるウシュバテソーロがダート戦線を連勝中で次走にドバイワールドカップを選択、日程が被ったことでどちらを取るかが注目されたが、
ウシュバテソーロは他にもドバイで騎乗予定があり親交のあった川田将雅騎手へとスイッチ、タイトルホルダーとの日経賞を選択した。*26
同レースには2022年の菊花賞馬・アスクビクターモアも始動戦として出走予定であり、早くも新旧菊花賞馬対決が実現する運びとなっている。
一方で京都競馬場の改修工事終了に伴い、天皇賞・春は仁川から再び淀の地に戻って開催される。阪神では強いタイトルホルダーだが、京都競馬場はデビュー以来走ったことがないため、そこが連覇に向けての不安要素になるかもしれない。

いずれにせよ、父が勝ちをつかめなかった舞台、そしてその先にまだ続く彼自身の夢がどこまで繋がっていくのか期待が集まる。


5歳春~再起への道~


前述の通り日経賞から復帰。斤量ルールの見直しもあり、出走馬で唯一59kgという重斤量。更には当日の中山は朝から強く降った雨の影響で公式発表「不良」の極悪馬場
それでも昨年の王者としてオッズはアスクビクターモアとの人気を完全に二分し、他馬はそれ以外、という一騎打ちムードとなった。
しかしオッズは絶好調だった春から一転秋は不調、過去10年以内に前年9月以降にJRA・GⅡ以上で掲示板内に入れなかった馬は勝っていないというジンクス。
更に有馬記念で走法が変わっていたことで矯正できているのか、という疑問もあり最終的には2番人気に甘んじた。*27

2枠2番という好枠にも恵まれた彼はぬかるんだ芝に脚を取られて大出遅れをかましたアスクビクターモアを尻目にいつもの好スタートで難なく先頭へ。
同様に好スタートを決め追走するディアスティマに競られながらスローではあるものの、勝利した昨年よりはやや速い程度のペースを淡々と刻みながら、残り800m過ぎてからは徐々にペースを上げるといういつもの自身のペースに後続を巻き込み、道中特に大きなアクションを見せる馬もいないまま直線勝負へ移行した。
横山和生騎手から軽く促され2回ステッキを入れられた彼は猛加速。一完歩事に後ろを突き放し、ターフヴィジョンで勝利を確信した鞍上から抑えられながらゴール。
2着との着差は8馬身、上がりタイムは36.8と単独最速での圧勝で緒戦を飾り、昨年春の王者の実力を見せ付けた。
かつて牧雄氏は「重馬場の長距離なら大差を広げて勝てる」と豪語していたが日本の不良馬場にてようやくその真価が発揮された。
更に陣営からは「凱旋門賞の時のような不良馬場に比べたらこの馬にとっては全然走りやすい馬場でした」と改めて日本馬にとって凱旋門賞の特異性が浮き彫りとなった。

しかも1986年以降JRA・GⅡ以上で2度1秒以上差勝利はナリタブライアン以来2頭目、馬番2番での優勝はダンケンジ以来44年ぶり。
日経賞を連覇した馬では、日本経済賞時代を含めても同じ逃げで活躍した「白い逃亡者」ホワイトフォンテン以来47年ぶりの快挙。
当然現名称及びグレード制導入後では初連覇という快挙尽くしの復活劇となった。さらに2020年から横山家による日経賞4連覇も達成した
出遅れたなりの競馬で9着に沈んだアスクビクターモアとの本当の対決を天皇賞・春に持ち越しとなったものの、ひとまず強い姿を取り戻した事にファンの胸も撫で下ろされることとなった。
なおこの圧勝でGⅡにもかかわらずJRAレーティング124と去年宝塚記念を勝利した時と同じ数値がついている。
日本馬でGⅡ以下でこれだけの高数値を出したのはクロフネのGⅢ武蔵野S、海外を入れてもオルフェーヴルのGⅡフォワ賞の125など殆ど例がない。*28
そして日経賞からしばらく経った4月13日、IFHAがLWBRRを公表し、ここでもレーティング124が与えられた。なおこの数値はこの時点での世界第3位・日本馬では第2位である*29

ちなみに同日のドバイワールドカップでは川田騎手が駆るウシュバテソーロが最後方から追い込んで1着入線。
日本馬として史上2頭目*30・ダート転換後では初*31となるドバイワールドカップ制覇*32を成し遂げ、遠く日本の相棒に吉報を告げた。


5歳春~連覇を前に~

天皇賞・春を前に前走の圧勝から反動が心配されるも、追い切りでは自己ベストのタイムを叩きだし益々好調をアピール。
連覇は確実視されたかオッズは1.7倍での単独一番人気となり、これに去年菊花賞で好走した4歳馬3頭が挑むといった構図となった。
レースはいつもよりは遅いスタートではあったものの、テンの速さを活かして楽々ハナへ。
しかしその大外からアフリカンゴールドが更に前へと行き、タイトルホルダーは2番手での競馬を進める事となった。

そのアフリカンゴールドは向正面で後退すると競走中止、再びハナを切ったタイトルホルダーだったが今度はアイアンバローズに先手を譲り、更にドンドンと後退していく。
まさか、と心配の眼差しを向けるファンだったが、不安は的中し4コーナー出口で和生騎手が下馬、競走中止となった
連覇がかかった天皇賞・春は前日まで降った雨も止み爽やかな春風が新緑を映えさせる中、新淀の坂の出口であまりにもほろ苦い結末を迎えた。

レース後は歩様に問題はなく、馬運車に乗って退場。幸い診断は右前脚跛行と命に別状は無い事が発表されたが、裏を返せば骨、腱、関節、筋肉、神経等に異常が発生しているということでもあり、詳しい内容は精密検査を行わなければ判明しないだろう。
後述するように種牡馬としてもその地位が確立されているため、ファンからは引退して種牡馬入りするのではという不安も出ており、今後の進退については陣営の判断が待たれるところとなった。

ちなみにこの天皇賞・春を勝ったのはディープインパクト産駒で前哨戦の阪神大賞典勝ち馬・ジャスティンパレス(クリストフ・ルメール騎手騎乗)だったが、一方で
  • アフリカンゴールド(国分恭介騎手*33騎乗、2周目向正面で心房細動発症のため競走中止)
  • タイトルホルダー(横山和生騎手騎乗、2周目4コーナー出口で右前肢跛行のため競走中止)
  • トーセンカンビーナ(岩田望来騎手*34騎乗、大差で最下位入線後望来騎手が下馬→後に左前浅屈腱不全断裂と診断)
  • ヒュミドール(武豊騎手騎乗、10着入線でレース後左前肢に軽度の骨折が判明、全治3ヵ月)
と4頭もの故障馬が発生しており、新生・京都競馬場最初のGⅠレースは色々と後味が悪い結果に終わることとなった。
なお、ディープボンドは3年連続で天皇賞(春)2着となり、前年の天皇賞(春)をスタート直後落馬で失格となりカラ馬のまま2位入線したシルヴァーソニックは今度は鞍上を落とさず3着になった。

なお、レース前から安藤勝己氏*35は「丹念に馬をほぐしているところが気になる」、細江純子氏*36もパドックの様子に違和感を覚えるなど、中継に出演していた元騎手の解説者たちは不安を感じていたがそれが的中した。
その後精密検査を行った結果、幸いにもレントゲン検査・エコー検査共に異常なしと判断されたが大事を取って春全休が発表、秋の巻き返しに向けてひとまずは放牧に出されることになった。
宝塚ファン投票では春全休で参戦しないことが告知されていたにもかかわらず165,067票で2位に選ばれるなどその人気は衰えることはなかった。

そして牧雄代表からはオールカマー・ジャパンカップ・有馬記念のローテーションを予定していることが発表された。
これが実現すれば府中はダービー以来、そしてイクイノックス*37とは有馬以来の再戦が実現することになる。
また、同時にドゥラメンテの後継種牡馬とする為に本年での引退を検討している事、ジャパンカップを勝利したら引退する事を発表。ファンとの、ターフとの、相棒との別れの時が近付き始めていた。

後に和生騎手の口からこの時競争中止した理由をnumberのインタビューで語られたが要約すると
「状態で言えば宝塚の時並みに良かった、だが道中大敗した凱旋門賞や有馬記念のような苦しい競馬をしても手前を変えたことはなかったのに天皇賞では頻繁に変えていた。」
「人気を背負ってはいたが万が一のことを考えて競争をやめる決断をした。」ことが語られている。*38


5歳秋〜最終章への序章〜

キャリア最終章となる秋の初戦は予定通りオールカマーを選択。
ここは昨年の一昨年同レースの覇者であり、昨年は香港ヴァーズも勝ったウインマリリン、昨年の覇者でありエリザベス女王杯でも勝利、以降もGI戦線で好走を続けるジェラルディーナも参戦し、前哨戦ながらGI馬3頭が揃うこととなった。
GI馬以外にも昨年セントライト記念を制したガイアフォースをはじめ、重賞馬が11頭も出走するという豪華な顔ぶれに。
タイトルホルダーは天皇賞・春の競走中止からの立て直しという事や最終調整で多くの注文が付いたという事、次走を見据えて仕上げてこないと判断され、事実最終追い切りでもポジティヴな発言をしていなかった点
更に鞍上も落馬負傷により約1カ月ぶりの戦線復帰2戦目*39で人馬共に故障明けという不安要素を抱えつつも、実績と2枠2番という好枠もあり最終的には単勝2.5倍の抜けた1番人気となった。

レースはスタートで久々の好ダッシュを見せハナを叩き、ノースブリッジに寄せられて動いてしまう厳しいテンとなるも、なんとかこれをしのいでマイペースに進行。
登り坂をやや早足に駆け上がってしまうものの、5F通過タイム61.1秒の平均タイムにまで落とす事に成功する。
だが、坂の下りから一気に動いたハヤヤッコを初めとして、ガイアフォースマリアエレーナのやたら体が白い三人衆、更には内からノースブリッジと代わる代わるに詰め寄られるもこれらを凌いだまま先頭で直線に入った。
直線でもこれらの馬にしぶとく競られ続けるも耐えてみせ、むしろ次々競り落としていくが、それらの争いを他所に脚を溜め、横目に外の伸びる馬場を抜けきったローシャムパークに差されて2着入線。

敗れる結果にはなったもののこの馬らしいしぶとい粘着力を見せ、厳しい展開の中2着を確保した事で、秋への上積みを大きく残した好スタートをまずは切る事に成功した。
陣営も出走前に抱えていた不安は大きかったようでレース前の消極的な発言とは一転、2着に悔しさを滲ませつつも馬の持つ底力を見れたこと、この結果に胸を撫で下ろす事となった。
なお直前のインタビューで和生騎手から「ジャパンカップ・有馬記念を予定」と答えており、ジャパンカップの勝敗に関わらず有馬記念も出走する見通し。
また春天で競争中止を予見した安藤勝己氏は今回のレースを「余裕残しであの粘りやから立派。歩様も問題なかった。G1でもうひとつ良くなるわ」と高評価で次走にも期待がかかった。

5歳秋〜頂上決戦の中章〜

ジャパンカップでは世界最強馬として君臨するイクイノックスを筆頭に、同じドゥラメンテ産駒の三冠牝馬リバティアイランド・二冠牝馬のスターズオンアース
チャンピオンズカップとの両睨みでジャパンカップを選択した同じ逃げ馬のパンサラッサなどG1馬が8頭という頂上決戦もあってゲート割れも噂された。
だが中央有力馬の回避によって条件馬や地方馬にもチャンスが巡ってきた結果、世界最強馬・三冠牝馬・G1馬・海外G1馬・条件馬・地方馬とバラエティ豊かなジャパンカップになった。
人気では府中未勝利ながら優勝候補2強が1枠に入りタイトルホルダーはそれに次ぐ2枠3番に収まったこと、対抗馬スターズオンアースが大外になったことで4番人気に支持された。

レースではゲート内で暴れた影響か出遅れはしなかったもののオールカマーのような好スタートを見せず、逃げる宣言をしたパンサラッサの番手でレースを進めた。
道中ハイペースで逃げる彼に追走せず、イクイノックスと共に番手でレースを進め最終直線で捕えに行った。
だがイクイノックスがタイトルホルダーやパンサラッサを捉え、失速したパンサラッサを抜きはしたものの後続の差し馬たちに差され徐々に順位を落とす。
結果5着入線となったが、差し切ったのは何れも府中G1で勝利した馬ばかりで番手で最後まで粘って後続有利な府中で掲示板を確保した。*40
この結果にレース前は「もう一つ弾けて欲しい」と辛口評価だった鞍上も「返し馬から調子が出てきて、道中もいいリズムで運べていい雰囲気に戻ってきている」と好感触を口にした。

5歳秋〜夢を見せた最終章〜


そして迎えた有馬記念。陣営からはこれをラストランとして引退し、その後はレックススタッドで種牡馬入りすることが告知された。
人気投票では2023年はG1未勝利ながらも、数々の2023年にG1勝利した馬を上回る4番人気に支持されるなど高い人気を見せた。
有馬記念は3年連続出走になったが、かつて彼やエフフォーリアが3歳で挑んだように23世代の皐月賞・ダービー馬。
ジャパンカップで先着したドウデュース・スターズオンアース、競争中止となった春天覇者となって秋天を好走したジャスティンパレス
更には香港の規定で香港ヴァーズに出走叶わなかった同期のダービー馬シャフリヤールなどG1馬が8頭もおり一筋縄ではいかない有馬記念になった*41*42
ちなみに、ディープボンドはこのレースにも出走しており、これをもってタイトルホルダーが出走した古馬GIレース全てでディープボンドと対決する珍事ことになった。国内はともかく凱旋門にもいたのはあまりにも数奇な巡り合わせというべきか。

一昨年は人気投票で支持されてからドタバタ出走のうえ大外枠、前年は馬体に異常は見られず入厩も早かったがテンションが下がらず調教が難航し調教が予定通り進まずまた外枠だった
過去2年とは違い調教は順調タイムは良好であったが、陣営やファンからも「宝塚の時ほどのレースは出来ない」と前評判は可もなく不可もなくといった感じであった。
だが公開抽選で2枠4番という念願の内枠を手に入れたこと、更に他の有力候補が外枠になったことで有力候補の一角となった。*43
公開抽選後のオッズは混迷を極めて、1番人気ジャスティンパレス・2番人気ドウデュース以外の7番人気までの馬は7倍台前後でレース直前までオッズが変動しており、8番人気のシャフリヤールが44.6倍もつくという大混戦状態で最終的には6番人気になった。

スタートでは積極的にハナを奪いに行き、大外からスターズオンアースも出足良く先行策に出たが、ハナを奪いにくるとされたアイアンバローズが出遅れたことでハナを奪うことに成功。
鞍上が終始12秒前後を維持する絶妙なラップ*44でレースを進め、向こう正面では7馬身近い差を広げるが3コーナーから徐々に後続も距離を詰めてきた。

「16頭がギュッと固まる!いや15頭だ!1頭は前を走っている タイトルホルダー!」

しかしそれでもただ1頭4コーナーを先に抜けホームストレッチに入ってきて逃げ切りの体制に入った。
後続の馬群から末脚を伸ばして進出したドウデュ―ス・スターズオンアースらに迫られながらも残り200mを過ぎても先頭を走り続け、このまま逃げ切るか!
…と思われたが坂を上り切った後続2頭に交わされ、さらにジャスティンパレス・シャフリヤールらも迫ってきた。だがここで粘りを見せ、ジャスティンパレスらの先着は許さず3着入線。
結果前走JCで掲示板に残った3頭が有馬記念の馬券内、8着までが全てG1馬というハイレベルなレース決着となった。

ラストランを勝利で飾ることはできなかったものの、積極的に逃げて苦しくなっても勝負根性を見せるなど最後にタイトルホルダーらしいレースを見せてラストランを無事終えた。
和生騎手も「あそこまで行ったら勝ちたかった。」と悔しさを滲ませつつも「タイトルらしい競馬であわやの場面を作って格好よかったです。」と、最後まで自分の走りを貫き、レースで全力を尽くしたした相棒を労った。

現役生活への別れと新たな門出

JRAから有馬記念開催日に引退式開催が告知され、急に冷え込んだ寒空の元で5万6000人が有馬記念に熱狂した後も約2万人のファンに見届けられながら開催された。
式には馬主の山田氏・栗田調教師・横山兄弟・三浦調教助手・岩田厩務員・岡田壮史氏*45など「チーム・タイトルホルダー」が勢ぞろいとなった。
ちなみに皐月賞・ダービーで鞍上を務めた田辺騎手も、中の建物でモニター越しに引退式の様子を見ていたとか。
あと最後の最後にこれから活躍する息子をレース場で披露、用を足すところを横山兄弟に見られている姿をファンに激写されている

各々の言葉を要約すると
山田氏「ラストランを無事に走り終えて競走馬としては最後の寂しさもあるが、最後に頑張ってくれたことに感謝している。」
栗田氏「いい景色、悪い景色、色んな景色を見させてもらったが、1歩進めと次に進むことを強い走りから教えられた。」
武史騎手「菊花賞は走り切れないだろうという見解を払拭する強い馬で恐れ入った。」
三浦助手「素直に言うことを聞いてくれなく悪戦苦闘したが、素質はあると思っていたがいい意味で裏切ってくれた。」
岩田厩務員「厩務員相手であろうとも主導権を獲りたがり『部活のライバル』のように対等に接してきた。」
壮史氏「ドゥラメンテが獲れなかったタイトルを取ったように、今度はタイトルホルダーが獲れなかったタイトルを獲りに行く。」
和生騎手「勝ちたかった!っていうのがもう本音です。すいません!」*46「諦めない・ひと踏ん張りが出来る根性がいいところ」「すごいかっこよかった、彼らしい走りを最後まで見せられて乗れたことが幸せだった。」
と各々の胸中を語り種牡馬としての活躍、次世代への期待感を口にした。

そして最後は「早く馬が厩舎に帰りたがってる」としつつ、横山兄弟に対し「(タイトルホルダーの産駒に)乗るよね?」と笑いを誘いながらも山田氏の次の言葉で式は締めくくられた。

「いつまでもいつまでも、この馬の名前を忘れないでください。その名は、タイトルホルダー! 長い間応援、ありがとうございました!」


種牡馬として


セカンドライフの始まり

かくしてターフを去ったタイトルホルダーだったが、間を置かず彼には次の仕事が待っている。ドゥラメンテの後継、その筆頭候補として彼の、そして自らの血を次世代へと繋いでいく種牡馬としての仕事である。
引退後はレックススタッドで繋養されることになった彼だが、提示された初年度種付け料は350万円と、その期待の高さがうかがえる金額となった*47
それでも故ドゥラメンテ産駒が日本各地で暴れ回り、2023年にはロードカナロアも抑えてリーディングサイアーを獲得したという事もあり、その現状唯一の後継種牡馬である彼に対する生産界の興味は高い模様で、2022年の香港ヴァーズを制したウインマリリンが早速初年度配合相手として手を挙げるなど既に牝馬を集めつつある模様。また、スタッドイン当日に余勢株含めて満口となっている事が報道された。

順当ならば2027年に初年度産駒達がデビューする予定。彼の子供達が再びターフを駆ける時、果たしてどんなタイトルを掴み取るのかはまだ誰も分からない。


評価

気性が安定している馬で若い頃からその操縦性については定評があった。
人間の言う事に素直に従うなど、一見すると父の気性は受け継がれていないように見えるが、一方馬にはかなりキツい前述のように騎手どころか厩務員にもキツめだった事が後に判明し、気性難とまでは言わずともかなり我の強い馬だった模様
ボスとして君臨しようとするきらいがあり、それ故に自身の前に馬がいる事を許せないタチ。これらの性格を牧雄氏は「競走馬として理想的」として高く評価しており、事実こういった前進気勢の強い気性と人間には素直に従う気性が彼の強力な逃げを戦術レベルで成立させている。一方でその気性故に前に馬がいると掛かりがちで、番手での競馬が苦手だった。この欠点は調教を重ねることでその後改善され、2022年宝塚記念では番手での競馬をしている。
勝ち負けも理解しているようで勝ったレースでは人に甘える姿を何度も撮られており、逆に負けた凱旋門賞などでは不貞腐れて和生騎手に宥められている姿も撮られている。

また、現役でも最大級の心肺能力とそれを距離問わず余すことなく使っていけるスピードの持ち主であり、彼を放置して後ろで競馬すれば物理的に追いつけない、彼に真正面から挑もうとすると逆につぶされる、といった事態が多発している。

コーナリングもかなりうまいため、基本的には阪神内回りや中山などの小回りコース向きの馬。とはいえ、府中には日本ダービー以来出走していないので現時点ではそこへの適性は未知数と言わざるを得ない。
栗東所属の矢作芳人調教師*48はその適性を見て「高速馬場でコーナーが6つあるブリーダーズカップ・ターフに出走すればいい。タイトルホルダーが出走すれば間違いなくぶっちぎって圧勝する」とコメントしている。
更に加えると姉共々スタートが非常に上手い。これに逃げ戦法・テンから出せるスピード・スタミナ自慢・コーナー上手も加えると、大外からハナを奪いに行く強引な競馬をしても苦にはならず、むしろ彼の気性を考えると前に行かせるのが最適解、と逃げ馬としては理想的な要素を多く兼ね備えている。

また、血統評価も高く種牡馬入りにあたり、間違いなく現時点ではドゥラメンテ産駒の牡馬最高傑作である彼がドゥラメンテの後継種牡馬としてどのような活躍を見せるのかという意味でもファンからも生産界ならもその期待は大きい。

なお、多くのファンがそうだったようにやはりドゥラメンテ産駒のその代表格が逃げで成果を挙げたことは競馬関係者にとっても首を傾げる事象だった模様。父の主戦騎手であったミルコ・デムーロ騎手はドゥラメンテについて「早めに先頭に立つとそわそわして良くないタイプだった」としつつ、その息子であるタイトルホルダーがハイペースで大逃げして最後までスタミナを持たせる事に特に驚いたと語っている。

創作での扱い

馬なり1ハロン NEO

2021年弥生賞編から登場。ダノンザキッドの被害を受けた馬たちから、2回一緒に走ってるからとダノンザキッドに対して文句を言うように周りから迫られ、シュネルマイスターと共に怯えながらダノンザキッドに行儀よくするよう伝えていた。そしてシレッとレースに勝っていた

2021年皐月賞編では弥生賞を勝ったのに8番人気であった事を疑問に思うが、ダノンザキッドにフロックと思われているからと煽られてしまう。そして桜花賞馬ソダシ、大阪杯馬レイパパレを引き合いに出し「時代は無敗馬を求めている」「無敗じゃない馬など用無し」と絶望。ダノンザキッドはその言葉を聞いてメンタルブレイクし投げやりになってブービー負けした
その後、せめて無敗馬と手を組もうとエフフォーリアに協力を持ちかけ彼とワンツーフィニッシュを果たした。

2021年セントライト記念編と菊花賞編では突然任侠編の登場人物化。本シリーズで与えられた名前は「録」。博奕打ちになるつもりはなくカードマジシャンとして生計を立てていく事を望む一方で、カード使いとして自身の父が取れなかった菊の札をとる事を望み聖光の賭場(セントライト記念)へ身を投じていく。
荒(ドゥラメンテ)の遺児として黒(キタサンブラック)、かつて父に宝塚で勝ったお鞠(マリアライト)から目をかけられているが、セントライト記念で惨敗した時は流石に黒からも激怒され危うく指を詰められかけてしまった。
セントライト記念での博奕の傷も癒えず、自信も無くしていたがお鞠から自分の息子の石(オーソクレース)を相棒に宛てがわれ共に菊花賞をワンツーフィニッシュで制した。その後石から義兄弟の契りを提案されるが「僕はこのシリーズを背負うキャラじゃないと思う」と断り、以降は元の彼に戻った

2022年天皇賞・春と2022年宝塚記念編では姉のメロディーレーンと共演したが、当の彼女はタイトルホルダーの手のひらサイズで、最初はユーキャンスマイルの通訳なしでは会話すら出来ないという衝撃的な姿*49*50。天皇賞・春では姉から「強い馬が勝つのではなく勝った馬が強い」とアドバイスを受けて逃げ切り圧勝を遂げる。最初は2頭まとめて自分の格下と見なして聞こうとしなかったが
宝塚記念では宿敵エフフォーリアへの対策として姉が悩殺を試みるが、当のエフフォーリアはとっくにデアリングタクトとウインマリリンに悩殺されていた為、その様子をほくそ笑みながら宝塚記念優勝をかっさらっていった。


馬なり de show

馬なり1ハロンの姉妹編にあたる4コマ作品にも登場。
2021年菊花賞編では父の墓前に手を合わせた後、彼が取れなかった「菊」を捧げたが、
2022年宝塚記念編では「G1で一番人気が勝てない呪い」に抗そうとするもエフフォーリアに一番人気を取られ、その怒りで勝利している。


余談

宝塚前の裏話

実は番手競馬をやったのには理由があった。
春天後陣営側で首脳会議が開かれ、そこで凱旋門賞挑戦が視野に入ったものの
「エフフォーリアに勝たずに日本代表で行くのはいかがなものか」「番手の競馬で勝てないのなら凱旋門は厳しい」
という山田オーナーや岡田代表の指摘により凱旋門に行く条件として宝塚記念では「折り合いつつ番手の競馬で宝塚を勝つ」が提示された。*51
特に牧雄氏は後述のこともあり凱旋門遠征自体否定的で本格化も秋ごろと見ていて宝塚で勝つとは思っていなかった。
実際陣営で宝塚での勝利を信じていたのは和生騎手くらいだったようで、それが勝利どころかレコード勝ちには陣営にとっても想定外だった。


輸送難?

ステイヤーな彼だが意外にも輸送は苦手で、オーナーや関係者の取材でも度々触れられ阪神への輸送も苦労しているようである。
…が上記のように2022年8月時点で勝利したG1は何れも阪神競馬場開催のものばかりでこの声にも疑問の声があった。
凱旋門賞出走が確定し長時間輸送が確定するもいくつもの不安要素が指摘された、例を挙げると
  • 陣営が海外遠征が初めてでフランスの預託先などの確保
  • 帯同馬なし*52
  • ロシアの軍事侵攻によってロシア上空通過できないことによる飛行時間の延長
  • 輸送をクリアしても遠征先の食事が合わないことで調子を崩す
などいくつもあり「彼がどれだけガレる*53のやら…」と心配の声が挙がった。
がフランスに到着した彼は思っていたよりもガレることなく、むしろ厩舎に到着すると寝藁で元気に寝転ぶほど体調は良かった。
そして栗田厩舎のInstagramで日々彼の様子が投稿されているがそこにはフランスで生き生きとしている彼の姿があった。*54
…とファンの不安がなんだったのかと言えるほどフランスでの生活を満喫している彼にファンからは「自然豊かだし寒いから襟裳と勘違いしている」などど囁かれている。
凱旋門賞遠征で海外輸送適性があることが分かり2023年にはドバイへの遠征も視野に入っており、また一つ父の悲願を叶えるために世界で走る彼が見られるかもしれない。
なおこの凱旋門遠征では陣営も各所に協力を仰いでいたようで、凱旋門賞を2着で敗れたエルコンドルパサー・ナカヤマフェスタの調教師を務めた二ノ宮敬宇氏が協力に応じ
イギリスからフランケルの装蹄師を呼ぶなどかなり力を入れていた。


鞍上・横山和生

21年有馬記念以降、ラストランとなった23年有馬記念まで鞍上を務めたのが横山和生
彼はメジロムサシ・メジロタイヨウでG1を制した祖父横山富雄メジロライアンセイウンスカイゴールドシップなどの鞍上を務めた父・横山典弘、タイトルホルダーの同期エフフォーリアの鞍上を務めた弟・横山武史など騎手の家系に生まれた。
2011年にデビューし順調に勝ち星を挙げるものの新人優遇がなくなると徐々に成績を落とし騎乗機会も減少。
更にはレース後に馬の顔に鞭を入れるなどの不祥事によって信頼も失いつつあったが、以後は地道に努力し勝率は低くとも研究熱心になったことで徐々に信頼を回復していく。
そして、G1こそ制していなかったもののその姿勢と騎乗センスが評価され、有馬記念時に主戦を務める武史騎手がエフフォーリアを優先することになったため*55、山田オーナー・岡田代表・栗田調教師の満場一致の下、タイトルホルダーを長期間任せられる主戦騎手に任じられた。
候補は複数いたようだが、今後GI馬として息長く活躍する為に必要なタイトルホルダーを優先できる騎手でなおかつ、この馬を操るのに必要な正確な体内時計の持ち主として白羽の矢が立った模様。

彼にとってもG1馬に乗る機会を得たのは大きな転機にもなったようで、テン乗りの有馬こそ5着に敗れるも「一瞬夢を見ました」
デビュー11年目で初G1タイトル獲得にも「自分が勝ったというよりもタイトルホルダーと勝てて嬉しかった。」
宝塚の勝利時にも「この子と一緒にリズム良く走れればきっといい結果はついてくると思ったので僕が怯まないように馬を信じて一緒に走って行きました。」
凱旋門賞ではレース前には他にも気になる馬に敬意を払いつつも「タイトルホルダーのことだけを見る」
レース後自身の陣営のみならず他陣営ですら落ち込んでいた中、ただ一人世界の大舞台で愛馬とともに挑戦できたことを負けた悔しさもありつつも
「めちゃくちゃ楽しかったです、楽しくないわけがないじゃないですか。」とただ一人明るく回答する
など度々タイトルホルダーへの重い発言を繰り返している。
弟からは「この馬は真面目すぎるところが長所であり、短所でもある」と聞いていたが本人は「割れやすいガラス玉をそっと運ぶような感じ」と感じたようで、なるべく折り合い彼の気持ちいいように走らせることを心がけているようである。

彼の愛馬に対する思い入れは尋常ではなく、ウシュバテソーロのドバイWC出走ではタイトルホルダーとの日経賞が日程が重なった時は日経賞を選択。
シャーガーカップのインタビューでは自身が強いと思う馬でタイトルホルダーを挙げ、落馬負傷で戦線を離脱してもタイトルホルダーの初戦までに復帰。
ラストランの有馬記念開催日は有馬記念だけに鞍を絞るなど、前哨戦や復帰戦であっても最後まで愛馬の手綱を他人に譲ることはなかった。

そんなタイトルホルダーを尊重する姿勢と両者呼吸を合わせて勝利を掴んでいく姿は、栗田調教師からは「誰にも手出し出来ないコンビになっている」と評されており、またananのスポーツ界のバディ特集企画で紹介される等早くも名コンビとして周知されつつある。

なお父親のノリさんは「俺も空いてるんだけどな~」とアプローチをかけていた。


2度の失敗を教訓に

2021年のクラシック三冠を分けた馬の中で、タイトルホルダーの馬主は三頭の中で唯一*63個人馬主である山田弘氏であるが、山田オーナーがタイトルホルダーの馬主になるまでには2度の失敗があった。
最初の失敗は岡田スタッドからとある牝馬を紹介された時。この牝馬は欧州の血統でそれ自体はよかったのだが牝馬の系譜を遡るとあまり走っていない馬であった。
結局山田オーナーはこの牝馬の購入を見送ったのだが、これこそ記事冒頭で紹介したタイトルホルダーの母となるメーヴェの購入を見送ったエピソードであった。

2度目の失敗はメーヴェの仔馬が生まれたと聞いて岡田スタッドに赴いた時
その仔馬があまりにも馬体が小さいことから山田オーナーは「当歳じゃなくて1歳馬見せてよ」「こんな馬走らないよ」と言ってしまい、これも購入を見送った。
その馬が後のメロディーレーンだったことは言うまでもない。
これらの失敗から「自分の見る目の無さにガッカリ」と反省した山田オーナーは次のメーヴェの仔馬に期待を寄せ、売りに出された当歳セールに赴くが、父がドゥラメンテであったことで価格も8000万円や1億8000万円*64で落札されるケースもあったことから高騰すると予想していた。*65
ところがいざその仔馬のセリに入ると山田オーナー以外に競ってくる相手がおらず、結果2,160万円で落札してしまい逆に不安になってしまったという*66

いざ牧場に入ると、岡田スタッド代表の岡田牧雄氏から「この馬菊花賞獲れるよ」とその心肺機能の高さを評価された。
山田オーナーも最初は冗談だと軽く流したが、入厩後栗田調教師からも「この馬は走る」と手ごたえを感じて馬主の予想に反し早くのデビューとなった。
弥生賞を制してもその実力はまだ疑問を持っており、牧雄氏からは「菊花賞獲るからダービーでなくていい」と言われるも「皐月2着馬がダービーでないわけには…」と返答*67
セントライトでの大敗も菊花賞を見据えていたことで気にしておらず、菊花賞当日は調教師経由で「責任は一切問わないからいってください」と鞍上の横山武史騎手に促した。
だが流石にあそこまでの逃げは予想外だったようで、山田氏は「そこまでやれとは言ってないだろ」と腰が浮いてしまったが結果は前述のとおりとなった。

山田オーナーは所有馬によるG1制覇経験こそあるもののサウンドトゥルーで東京大賞典・チャンピオンズカップ・JBCクラシックと何れもダートでの勝利だった。
そしてタイトルホルダーで初の芝G1、それもクラシック初勝利は「同じG1でもレースの重みがこんなに違うとは思わなかった」とその勝利を噛み締めていた。
ゴール直後はあまりの衝撃に5秒ほどフリーズしてしまい、人に促されるまでウィナーズサークルにも行く気が起きなかったと回想している。
翌年には所有馬初出走・初勝利を果たした天皇賞・春も「格別の勝利でうれしい」と満面の笑み。
宝塚の勝利も「文句のない内容でした、凱旋門賞について様子を見て前向きに考えたいですね。」と意欲を示していた。

凱旋門遠征に懐疑的だった山田オーナーも宝塚での勝利には和生に対して
「もう、夢のようです。和生は“タイトルホルダーと仲良く走ってきます”って。」
「それはいい。タイトルホルダーは、和生のことが大好きなんだから”」
と返すほど、タイトルホルダーと和生騎手のコンビには絶大な信頼を寄せている。
なお山田オーナーは凱旋門賞前に牧雄氏などを連れて凱旋門制覇をしていた

その後ドゥラメンテ産駒が活躍する中タイトルホルダーほど活躍している牡馬はなかなか出ていないことから種牡馬入りも考慮しているようだが、「中途半端な成績では引退させたくない」とのことなのでまずは2023年の成績次第であった、残念ながら有終の美こそ飾れなかったが最後の最後に彼らしい走りを見せ、無事走り終えたことに満足していた。


母子を知る調教師

タイトルホルダーを管理している栗田徹調教師はヤマニンゼファーやイスラボニータなどの調教師と知られた栗田博憲調教師(2019年引退)の娘婿。
騎手から調教師に転向したタイプではなく、日本獣医生命科学大学*68を卒業後にノーザンファームへ就職した後、競馬学校に入学して厩務員へと転身し、2003年から後の義父の調教助手として栗田家とかかわりを持つようになった。
その間メーヴェの調教にも携わっており、牧雄氏はどの馬も「いいよ」ということはあっても「この馬はすごい良い」と言ったのはこの時くらいだったようで彼も鮮明に覚えていた。
彼女の印象も足元が弱い部分や繊細な部分がある馬とも感じたようで、実際ダートで勝利し若い時はじっくり使って徐々に力をつけていく方針で育成していた。

2011年から独立し同年から初勝利と地方重賞勝利、2019年にはアルクトスが中央重賞・2020年、21年にはマイルチャンピオンシップ南部杯(Jpn1)を連覇するなど実績を重ねた。
タイトルホルダーのセリでは山田オーナー・牧雄氏・義父と共に参加し山田氏が彼を落とすことに意欲を示し、落とせたら管理をお願いしたいと打診された。
山田オーナーの馬を管理するのは初めてだったが、山田オーナーは懇意にしていたが定年間近だった義父と付き合いがあり、またメーヴェのこともよく知っているからと彼から託された。

セールでも姉の馬体から成長には不安があったがバランスの良さや顔つき、会場での落ち着きぶりから違う物を感じていた。
それは入厩後確信に変わり、彼を馬主も驚く速さでデビューさせる運びとなった。
また若い頃から前に行きたがるのは母もそうだったようで、それに体がついていかず調教でミスが起きることを避け全体的なベースアップを期待し放牧に出すなど基礎を大切にしていた。
その結果が実を結び、彼によってJRAGⅠ初勝利のみならず数々のタイトルを獲得するに至った。
凱旋門賞での敗戦では、悔しさを滲ませつつもやれることをやり切ったことには満足していた。
なおフランス遠征中は異国の地での日本の朝食作りや凱旋門賞に出走する競走馬の調教師や世話になっていた小林厩舎の調教師も混ざってからあげパーティーをしたり満喫していた


岡田牧雄にとって悲願の馬

実はタイトルホルダーは所有こそ山田氏の名義だが、実際は山田オーナーと牧雄氏の半持ち馬*69*70である。
岡田スタッドでは上記のように過酷な状況での調教を行っているが、それは過去のある経験が切っ掛けになっている。
それはかつて天皇賞制覇に拘って数々の名馬を輩出して繁栄を誇り、「長距離のメジロ」としてその名をとどろかせた今亡きメジロ牧場。
牧雄氏は30代の頃に兄や社台グループの照哉・勝己氏などと冬のメジロ牧場を視察に赴き、雪が積もる過酷な環境下での調教が目に焼き付き、それが現在のえりもでの昼夜放牧の原点。
その環境下で鍛えられた長距離での強さに感動し、自身の牧場から菊花賞・天皇賞(春)を勝つ馬を出すことが目標となっていた。

何故皐月・ダービーを捨ててようとしつつも菊花賞に拘ったか、2つの長距離G1を制し宝塚の勝ち方には「メジロマックイーンを彷彿とさせる」という声も聞かれたが、
氏にとってはメジロが原点になっていることを考えれば納得がいく。
巷ではドゥラメンテの後継種牡馬として2022年での引退も囁かれていたが、牧雄氏は「走ることこそが馬にとっても幸福」という考えを持っており2022年の引退は否定的だった。
勿論将来的に種牡馬入りは考えているようでそのためにも中距離での実績を欲していたが、その中距離でレコード勝ちしたことには満足している。
なお宝塚を勝利するとは微塵も思っていなかったようで「和生の時計壊れた!絶対垂れるしもうデアタクだけ見とけばいいや」と不貞腐れた模様*71
しかし同時に調教師が「中距離取れたら凱旋門挑戦してもいいですか?」というお願いには軽はずみな返答をしてしまった事には若干後悔している様子。
最も牧雄氏も欧州の血統や脚の作り的にも大丈夫ではないか思っているようで、凱旋門挑戦にはそこまで反対はしていなかった*72
凱旋門賞のレース後にもやはり日本とは違いすぎる馬場に苦言を呈しており、以後牧雄氏が管理する馬での凱旋門賞制覇どころか出走もなかなか見られない可能性も高くなっている。
ラストラン前には「凱旋門賞に行って走り方が変わってしまった、もっと国内に専念して育成すべきだった、そうすればイクイノックスに並ぶ馬になったかもしれない」と後悔を口にしていた。

引退後は日高で種牡馬入りで交配相手は色々考えているようだが、初年度は母に半妹を誕生させたベンバトルをつける予定が組まれている
三冠牝馬デアリングタクトにキンカメ3×3で若干きつめではあるものの、何れタイトルホルダーとの交配もやりたいと語っている。


情報発信

数々のG1タイトル獲得などもあり雑誌などのインタビューで情報を発信することが多いタイトルホルダー陣営だが、実は独自に
栗田厩舎のInstagram・YouTubeの岡田スタッドチャンネル・栗田氏の妻のブログと様々な情報発信を行っている。

Instagramはフランス遠征中で様々な情報を逐一提供し、山田オーナーが以前インタビューで、菊花賞を制したもののコロナ禍ということもあり祝賀会が出来ないことを惜しんでいたが
その後春天・宝塚を制し、ご時世的にも祝賀会が催せるようになったため宝塚の祝賀会は行われたことが投稿で判明した。
…だがそこにはフランス国旗カラーの法被に「宝塚トップスター」表記はまだしも背中には宝塚お決まりのポーズを決めるスーツを身に纏ったタイトルホルダー
という謎過ぎるチョイスにファンの間で騒然となった。

YouTubeのチャンネルは2022年11月時点ではタイトルホルダーに関するものはあがっていないものの、メロディーレーンの写真集に載せられなかった写真が公開されたり
妊娠中の母メーヴェの近況動画などがアップロードされていることからこちらにも期待が集まっている。

妻のブログでは普段は子供に関係するものが多いが時折、「エフフォーリアを管理している鹿戸調教師の奥さんと仲がいいからグランプリ投票でエフフォーリアに投票した」
「フランスから帰ってきたが怪我をしないどころか、牧場から元気すぎて早く入厩させてほしいと泣きつかれた」などの意外な情報も提供されることから、ファンは情報源として重宝している。

なおメディアへのサービス精神も旺盛でメロディーレーンの撮影できた人に弟とのツーショット機会*73を何度も設ける、春全休になったタイトルホルダーの様子も見せてくれる*74
復帰に向けて調整している様子*75などファンたちへの気配りも忘れず、更にはまだ現役にもかかわらず写真集発売するなどファンを大切にしている。


GⅠ3勝馬

最終的に菊花賞・天皇賞(春)・宝塚記念のGⅠ3勝で現役生活を終えたが、GⅠ勝ち鞍が全く同じ馬にはビワハヤヒデヒシミラクルが該当する。
勝ち鞍こそ同じだが開催地で見ると

ビワハヤヒデ   菊花賞(京都)・天皇賞(阪神)*76・宝塚記念(阪神)
ヒシミラクル   菊花賞(京都)・天皇賞(京都)・宝塚記念(阪神)
タイトルホルダー 菊花賞(阪神)・天皇賞(阪神)・宝塚記念(阪神)

と開催地は宝塚以外はバラバラだったりする。
またG1以外の内訳で見ても、ビワハヤヒデはデイリー杯3歳S*77・神戸新聞杯・京都記念・オールカマー*78の4勝、ヒシミラクルはG2・G3勝利は0と一致しない。
ビワハヤヒデとはクラシック3冠全出走、皐月賞2着、宝塚レコード勝利、阪神開催G1無敗とG1関係で共通点がある。*79
ヒシミラクルとは初勝利した場所も中京の3歳未勝利戦で新馬戦は小倉と*80共通点はG1勝ち鞍以外ないに等しいが、スタート早々に落馬が発生したG1を勝利したという共通点はある。*81

追記・修正は、父親の忘れ物を取りに来た方がお願いします。

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最終更新:2024年04月21日 04:13

*1 2005年のエプソムダービー(イギリスダービー)優勝馬。父は1999年の凱旋門賞でエルコンドルパサーを下して優勝し、ジャパンカップに参戦してスペシャルウィークと対決したことで知られるモンジュー。

*2 他にもデビューから20年ホープフルステークスまでの3戦は戸崎圭太が、21年皐月賞・日本ダービーの2戦は田辺裕信がそれぞれ騎乗している。

*3 日本最大の競走馬生産牧場集団。ここに書ききれない程の幾多の名馬を生産し、現代の日本競馬に絶大な影響力を誇る存在である。競走馬生産牧場では「社台ファーム」「ノーザンファーム」「白老ファーム」などが、一口馬主クラブでは「社台レースホース」「サンデーレーシング」「G1サラブレッドクラブ」がこのグループに属している。

*4 競走馬生産牧場「ビッグレッドファーム」及び一口馬主クラブ「サラブレッドクラブ・ラフィアン」の創設者で、使用冠名から『マイネル軍団の総帥』として名を馳せた故・岡田繁幸氏の実弟。氏は実家の岡田牧場は兄が継ぐと思っており病気療養を兼ねてアメリカに武者修行に行き、調教師免許を取得するなどアメリカで厩舎開業の準備を進めていたが、兄が経営方針の違いなどから独立したため、呼び戻される形で実家を継いだ。その後は岡田牧場改め岡田スタッドを発展させマツリダゴッホスマートファルコンといった名馬を輩出し、今日に至るまで競馬界に貢献し続けている。

*5 父は2018年のドバイターフなどGⅠ3勝を挙げたベンバトル。

*6 1978年エプソムダービー優勝馬のシャーリーハイツ。

*7 ちなみに父父も2004年の日本ダービー優勝馬であるキングカメハメハ。そのため、タイトルホルダーは都合4頭のダービー馬の血を引いているというなかなかの良血馬である。

*8 事実母は現役2年半あまりで22戦をこなし5勝、8719万も稼いだうえに故障もなかったため、頑丈さは故障に悩まされた父と違い間違いなく母由来の物であり、姉弟揃ってそれを受け継いでいるといえる。

*9 現役時代は2013年の菊花賞及び2014年のジャパンカップを制し、種牡馬入り後は史上初の無敗三冠牝馬・デアリングタクトを輩出して近年注目されているエピファネイア(父シンボリクリスエス)の2年目産駒の一頭。武史騎手は新馬戦から鞍上を務めており、その素質を非常に高く評価していた。

*10 中山の芝2500m戦は開始直後にコーナーがある為、大外枠は大幅に不利となる

*11 ロードカナロア産駒の一頭で、2022年ドバイターフ優勝馬。その大逃げ戦法から「令和のツインターボ」の異名で親しまれており、タイトルホルダーと同じくモンジューの血を引く馬(タイトルホルダーが母父モティヴェーター(モンジュー産駒)なのに対し、こちらは母父として直接モンジューを持つ)でもある。

*12 この時は牧雄氏も春休養どころか引退することも頭によぎったほど

*13 かつてTTGの一角として名を馳せ、菊花賞・春天・有馬を制したグリーングラスの調教助手を務めた岩渕哲雄氏が代表を務めている

*14 例えばタイトルホルダーに並ぶドゥラメンテの代表産駒であるスターズオンアース(2022年桜花賞・優駿牝馬(オークス)優勝馬)は、牝馬二冠を達成したオークス後に骨折したり、回復して直行で挑んだ秋華賞後に繋靱帯炎で休養している。その他のドゥラメンテ産駒も故障や休養が少なくない中、大きな故障をしない彼は産駒の中でもかなり異例。

*15 ちなみに日経賞は2020年は父・横山典弘のミッキースワロー、2021年は弟・横山武史のウインマリリンが勝利していたため、この勝利によって横山家で日経賞三連覇となった。

*16 とはいえ彼もそのカラ馬に望まぬペースアップを強いられた為、必ずしもタイトルホルダーだけが有利だった訳では無い

*17 前例はゴスホークケンの07年朝日杯、レシステンシアの19年阪神ジュベナイルフィリーズ、レイパパレの20年大阪杯

*18 https://number.bunshun.jp/articles/-/845395?page=3

*19 ちなみに同じ記事で武史騎手は天皇賞・秋のカンパニーを挙げているが武史騎手は取材を受けた年にエフフォーリア、和生騎手は翌年タイトルホルダーとそれぞれ印象に残った天皇賞を勝利していることは流石としか言いようがない

*20 参考までに、タイトルホルダーと同じ逃げ馬のサイレンススズカが優勝した1998年宝塚記念の1000m通過タイムが58.6秒。

*21 スタート直後から鞭を打ち、すぐにタイトルホルダーをマークする位置に入った。また、陣営は「タイトルホルダーに勝たない限り一着はない」との趣旨の内容を語っている。実際、ディープボンド自身どうにも末脚の使いようのない典型的スタミナ型ステイヤーのような脚質なので、これはこれで正しい

*22 コース、レース双方のレコード

*23 世界各国の競馬統括機関が加盟している国際組織。1961年にアメリカ・イギリス・フランス・アイルランドの4ヶ国による連絡委員会が発足したことからその歴史が始まった。日本は1973年の第7回から参加しており、現在では執行協議会の一員に名を連ねている。

*24 簡単に言うと「世界の競走馬の格付けランキング」。前身は1977年に英仏愛3か国が共同で開始し拡大されてきた「インターナショナル・クラシフィケーション」で、競馬の開催シーズンの分岐点が国・地域によって異なり世界規模の統一レーティングが出しづらいというデメリットを解消すべく、2004年よりそれを引き継いで発表が開始された。年2回(上位50頭は年5回程度)公表されており、前身のデメリットの解決が図られている。

*25 タイトルホルダーの他には3度対戦したディープボンド、この年の日本ダービー優勝馬ドウデュースハーツクライ産駒)、7歳ながら海外重賞を2連勝し、前哨戦として挑んだドーヴィル大賞典で2着となったステイフーリッシュ(ステイゴールド産駒)が出走。結果はステイフーリッシュが14着、ディープボンドが18着、ドウデュースが19着であった。

*26 和生騎手鞍上のアグリが阪急杯を制し、陣営も日経賞翌日の高松宮に出走を選んだため必然的乗り換わりをせざるを得なかった

*27 陣営は一度福島まで戻して走法の矯正を試みある程度改善されていた。この模様はYouTubeやNHKの『美の壺』の馬特集回でも放送されている。

*28 一部では高すぎるという声もあるが2着馬以降を基準にしてしまうと着差も相まって高確率で124以上になってしまい、GⅡで前年以上はまずいと判断され1着馬を基準にし前年から据え置きになった可能性が高いとされている

*29 ちなみに世界第1位(及び日本馬第1位)に輝いたのは有馬記念でタイトルホルダーを下し、そしてこの年のドバイシーマクラシックをコース・レース双方のレコードを叩き出す逃げ切り圧勝を決めたイクイノックス(レーティング129)だった。

*30 1頭目はミルコ・デムーロ騎手が駆るヴィクトワールピサ(2011年)。

*31 ヴィクトワールピサが制した2011年はオールウェザー馬場だったため。

*32 鞍上の川田騎手も日本人騎手として初となるドバイワールドカップ制覇となった。

*33 史上初の無敗三冠牝馬・デアリングタクトの主戦騎手である松山弘平騎手の同期。

*34 トップジョッキーながら良くも悪くも感情の起伏が激しい性格から賛否両論のJRA騎手・岩田康誠(主な騎乗馬はデルタブルース・ジェンティルドンナ・ロードカナロアなど)の息子。若手ながら大量の騎乗をこなして2021年には全国騎手リーディング6位にまで登り詰めるなど期待の若手騎手の一人だが、一方でデビュー以降重賞勝利に恵まれずあわや100連敗寸前で初勝利(ロータスランドによる2022年京都牝馬ステークス)という珍エピソードを持つ。

*35 笠松競馬からJRAに移籍して活躍を続け、「アンカツ」の愛称で知られた名手。主な騎乗馬はキングカメハメハダイワスカーレット、ブエナビスタなど。

*36 JRA初の女性騎手の一人。騎手としてはあまり振るわずに引退したが、引退後はパドック及びレース解説、ゲートリポーター、コラム解説と競馬評論家として幅広く活躍している。ちなみにアニオタ的には『ウマ娘』で解説の本人役(ちなみにこれが声優デビュー作だった)として出演したことで有名。

*37 陣営はドバイシーマ覇者がジャパンカップも勝利すると200万ドルの報奨金が入ることから勝利直後からジャパンカップ目標を明言していた

*38 同じ京都競馬場でかつてG1を何度も獲った得意なコースだが、騎手が馬の状態に不安を覚え、ファン投票1位に支持されていたが無理せず競争を終えるつもりだったが馬が頑張ってしまい3コーナーでバランスを崩し落馬、予後不良になってしまったライスシャワーのような事例もあり、タイトルホルダーも負けず嫌いで苦しい場面でも粘る根性もあるため、和生騎手の判断次第で現実に起きた悲鳴以上のことが起こり得た可能性は否定できない

*39 前日の中山5Rの新馬戦で復帰、復帰初戦は2番人気の馬を2着の順当な騎乗をしていた

*40 5着の時計は2:23.1でこのタイムは前年、一昨年の1着馬よりも早いタイムだったためかなりハイレベルなレースだった

*41 3世代以上のダービー馬が勝利した日本ダービーと同条件のJC以外でG1で出揃うのはこれが史上初だった。

*42 ちなみにシャフリヤールとは意外と21年ダービー以来対決しておらず、これが再びの対決及び最後の対決となった。

*43 なお日経賞2枠2番・春天2枠3番・オールカマー2枠2番・JC2枠3番と1年通して2枠を引くというミラクルを起こしている。

*44 7.0-11.3-11.9-12.0-12.0-12.2-12.5-11.9-12.2-12.0-12.0-11.7-12.2

*45 牧雄氏の息子で愛馬会法人ノルマンディーオーナーズクラブの代表を務め、タイトルホルダーの誕生にも立ち会っており牧雄氏の名代として参加

*46 これに対し観客から拍手と歓声が沸き起こった

*47 参考までにレックススタッドのタイトルホルダー以外の種牡馬の最高額はゴールドドリームの180万円である為、ほぼ倍額でのスタッドインとなる。350万でのスタッドインは日本最大の種牡馬繋養施設である社台スタリオンステーション基準でも相当な高額であり、大手とはいえ日高でのスタッドインでは異例と言える額である

*48 史上3頭目の無敗三冠馬コントレイルや、日本馬初のBC制覇を成し遂げたラヴズオンリーユー、同じく日本馬初のアメリカダートGⅠ制覇を成し遂げたマルシュロレーヌ、「九冠馬」アーモンドアイなどを完封して有馬記念を制し、牝馬初の春秋グランプリ制覇を成し遂げたリスグラシューの管理調教師。積極的に海外遠征を行うことで知られる国際派トレーナーで、その活躍ぶりから海外メディアから「帽子の男(トレードマークとして様々な帽子を着用していることから)」と呼ばれることがある人物。

*49 なお作者の作品でのこのようなサイズデフォルメ自体は前例があり、『馬なり1ハロン劇場』時代にはスカラシップ(ウイニングチケットの全妹)やアグネススペシャル(フジキセキの全弟)も(メロディーレーンよりは重かったが)軽量ゆえにミニサイズで描かれていた。

*50 ちなみにメロディーレーンは初登場した「馬なり de show」(2019年菊花賞編)ではリアルと同じ小ささだったが、馬なり1ハロン NEOの方ではその後彼女の父オルフェーヴルと共演した際ミニサイズと化していた。

*51 他にも中距離G1を勝利することで引退後の種牡馬価値を高める狙いもあった。基本的に勝ち鞍が長距離GⅠのみの場合種牡馬としては人気を集めづらいとされ、例えばライスシャワーも種牡馬価値を高める狙いで最期のレースである宝塚記念に挑んでいる。

*52 馬は群れて活動するため遠征では本命の馬に仲のいい馬を同行させることが多い

*53 体重が減り、毛づやが悪く体調が低下している状態のこと

*54 しかも寝藁が気に入ったのか度々頭に寝藁がついた状態で写真を撮られている

*55 元々武史騎手はエフフォーリアの主戦騎手を新馬戦から務めており、皐月賞・日本ダービーいずれもエフフォーリアを優先していたため致し方無い面もある。

*56 レース後馬上で武史騎手の勝利を祝福する姿が獲られている

*57 馬主の了徳寺健二HDはリエノテソーロで全日本2歳優駿を制しているため地方G1(Jpn1)は勝利していた

*58 秋も前哨戦からスプリンターズSに参戦が予定されていたが8月の落馬負傷で復帰に1カ月近くかかり典弘騎手に乗り替わった

*59 秋は富士Sで復帰しナミュールの2着に敗れるもトップハンデで好走するも、次走はマイルCSでは9着に敗れる

*60 秋以降も彼とのコンビ継続が発表されたが夏負けの影響で菊花賞や前哨戦参戦予定が白紙、幸いその後復調し古馬混合戦のチャレンジカップで復帰し同じ斤量で重賞馬ボッケリーニ相手にハナ差勝利で重賞2勝目を挙げた

*61 上村洋行調教師は開業6年目、馬主は中央登録してる競走馬では3頭目でG1を制することになった、上村厩舎は栗東で最終追い切りまで調教師が調整を進めたが『最悪ハナを奪うことも厭わないほど前目でレースをする』作戦を騎手・調教師が当日昼前に一致するなど相性抜群である

*62 該当するのは武豊・ルメール・北村友一の3名、武豊は厳密には宝塚は春古馬三冠制定以前に勝利しているが制定年以降ではキタサンブラックでリーチをかけるも宝塚で敗れその後未勝利、ルメールはG2時代に勝利したことはあるがG1になってからは未勝利、北村友一は制定後に大阪杯・宝塚を勝利するも春天だけは制定以前から未勝利

*63 皐月賞馬エフフォーリアはキャロットファーム、日本ダービー馬シャフリヤールはサンデーレーシングといずれもクラブ法人が所有している。

*64 レヴェッツァとスワーヴエルメ

*65 山田オーナーはドゥラメンテの一口馬主でもあり、なおのこと両馬の産駒には期待を寄せていた

*66 これは上記のようにメーヴェの仔だしが悪いことや、無事デビューした姉も一月前に9度目の未勝利戦をようやく勝利したところだったため評価が低かったと考えられる、なお牧雄氏は「日高産だから高くならない」と直ぐに挙手することを勧めていた

*67 なお皐月賞前も「菊花賞獲るから皐月賞でなくていい」→「弥生賞勝っといて皐月賞でないわけには…」の流れがあった模様

*68 1884年に日本初の私立獣医学校として開校して以来、140年以上の長きに渡って数多くの獣医師・獣医学者を育成した日本最古の私立獣医科大学。なおこの校名は2006年からのもので、栗田調教師が卒業した時は「日本獣医畜産大学」という校名だった。

*69 名義上は個人馬主の持ち物だが実態は購入資金を半分出した生産牧場との折半という状態のこと。もし馬主資格のない個人・法人と持った場合には競馬法で馬主資格を失うほどの重大な違反行為であるが、両者が馬主資格を有している場合は何ら問題ない。

*70 長らく明言されていなかったが山田氏が保有していたサウンドトゥルーは現在岡田スタッドの本場で功労馬として余生を送っており、そもそも山田氏が個人名義で持つようになったのは牧雄氏から一緒に馬を持つことを2000年代に勧誘されたため山田氏名義は代表との半持ちとみていい

*71 デアリングタクトは牧雄氏率いる岡田スタッドグループに属する一口馬主クラブ「ノルマンディーサラブレッドレーシング」の持ち馬。ちなみに同クラブの代表は牧雄氏の息子である岡田将一氏であり、牧雄氏も主要株主の一人として経営に携わっている。

*72 ただ牧雄氏本人はアメリカで修業した過去などもあり、ヨーロッパ競馬でなく日本と同じようにスピードの裏付けが求められるアメリカ競馬や香港競馬を重視している。そのためか、日本競馬の凱旋門賞挑戦傾向には「凱旋門狂騒曲が過熱している」と皮肉交じりに述べるなど冷ややかな姿勢を取っており、強く反対はしていないが意欲を示しているわけでもなかった。

*73 https://www.youtube.com/watch?v=oJSVkvRCQ80

*74 https://www.youtube.com/watch?v=QcSIZyzFgRo

*75 https://www.youtube.com/watch?v=7-DzsFwhmrg

*76 1994年から京都競馬場のスタンド改装によって阪神での代替開催

*77 現在のデイリー杯2歳S

*78 当時はG3

*79 ビワハヤヒデの場合は新馬戦や重賞でも阪神で負けたことはない、現在阪神で開催されている朝日杯は負けているが当時は中山開催だった

*80 更には函館・新潟で走ったこともあり他2頭はヒシミラクルが走った小倉・中京・新潟・函館でのレースは1度もなかった

*81 ヒシミラクルは菊花賞でノーリーズンが、タイトルホルダーは天皇賞(春)でシルヴァーソニックが落馬