呪眼(遊戯王OCG)

登録日:2023/06/23 Fri 10:05:00
更新日:2023/12/30 Sat 16:35:43
所要時間:約 15 分で読めます




我が(パレイドリア)を汚す者よ、呪眼(セレン)の前に沈め!



遊戯王OCGに登場するカテゴリの1つ。
初出は「デッキビルドパック インフィニティ・チェイサーズ」で、同期は「ウィッチクラフト」と「無限起動」。



概要

強大な力を得られるが、相応の代償も必要とする謎の物体「呪眼」を駆使して戦うカテゴリ。
属するモンスターは全て悪魔族闇属性で統一されており、メインデッキのモンスターは禍々しい装飾に身を包む人間のような姿をした「呪眼の死徒」と、彼らに従属する「呪眼の眷属」の2種類に大別される。
最大の特徴は、殆どのカードが装備魔法《セレンの呪眼》に関する効果を持っていることであり、使う側も使われる側も常に《セレンの呪眼》を意識しながらデュエルを進めなければならない。
その《セレンの呪眼》のカードテキストは以下の通り。

セレンの呪眼
装備魔法
「呪眼」モンスターにのみ装備可能。
このカード名の(3)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):装備モンスターは戦闘及び相手の効果では破壊されず、相手の効果の対象にならない。
(2):自分が装備モンスターの効果またはこのカード以外の「呪眼」魔法・罠カードを発動する度に発動する。
装備モンスターの攻撃力は500アップし、自分は500LPを失う。
(3):1000LPを払い、自分の墓地から「セレンの呪眼」以外の「呪眼」魔法・罠カード1枚を除外して発動できる。
墓地のこのカードを自分フィールドにセットする。

1枚の装備魔法としては破格の性能であり、このカードを装備するだけで戦闘・相手の効果で破壊されず、相手の効果の対象にならず、呪眼カードを発動する度に攻撃力を上げていくという強力モンスターが誕生する。
さらに「呪眼の眷属」以外の呪眼モンスターは《セレンの呪眼》を装備しているとフリーチェーンの妨害効果を発動できるようになり、大半の魔法・罠カードも《セレンの呪眼》が場に存在することで通常使用時より効果がパワーアップする。
これらの恩恵の代償として、(2)の効果の適用時にはライフポイントを500失ってしまう。
1回あたりの数値は小さくとも、デュエルが長引くにつれてリスクは大きくなり、最悪自分の《セレンの呪眼》の効果でライフが0になり敗北…ということもあり得る。
また、《セレンの呪眼》自体には何の耐性も無いため、《ハーピィの羽根帚》等の魔法・罠除去は天敵となる。
《セレンの呪眼》が破壊されても(2)の効果で上がったモンスターの攻撃力は下がらないし、(3)の自己サルベージ効果で回収もできるのだが、ライフコストが嵩むうえ、耐性が消えた隙を突かれてモンスターを除去されてしまっては元も子もない。

このようにハイリスクハイリターンなカードである《セレンの呪眼》をなんとしてでも守りながら、呪眼モンスターや魔法・罠で相手を追い詰めていくデッキが【呪眼】である。

カード一覧

モンスター

現在のところメインデッキのモンスターはレベル4の「死徒」が2種類とレベル3の「眷属」が3種類の計5種類のみで、上級・最上級モンスターは存在しない。
また、EXデッキのモンスターもリンクモンスターが2種類しかおらず、全体的にモンスターが少ないカテゴリである。

「呪」というだけあり、各モンスターは「邪視」「邪眼」を持つとされる怪物・幻獣に由来している。


呪眼の死徒 サリエル
効果モンスター
星4/闇属性/悪魔族/攻1600/守1400
このカード名の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードが召喚に成功した時に発動できる。
デッキから「呪眼の死徒 サリエル」以外の「呪眼」カード1枚を手札に加える。
(2):このカードが「セレンの呪眼」を装備している場合、相手フィールドの特殊召喚されたモンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターを破壊する。
この効果は相手ターンでも発動できる。
(3):このカードの(2)の効果を発動した場合、次のスタンバイフェイズに発動する。
自分フィールドのカード1枚を選んで破壊する。
中性的な顔立ちをした青年で、《セレンの呪眼》と並ぶこのデッキの要。
(1)のサーチ効果は言うまでもなく有用で、《セレンの呪眼》が初手に無い場合でも自身でサーチして装備すれば(2)の効果に繋げられる。
(2)は《セレンの呪眼》を装備している場合のみ発動でき、フリーチェーンのモンスター破壊という使いやすい妨害効果である。
ただし対象は特殊召喚されたモンスターでなければならず、通常召喚された初動モンスターを除去という動きはできない点に留意が必要。
また(2)の効果を使用した場合、次のスタンバイフェイズに自分フィールドのカードを破壊しなければならないデメリット効果が付随している。
墓地効果を持つカードを破壊するなどして少しでもディスアドバンテージを軽減したい。

《セレンの呪眼》を装備した彼は前述の耐性付与と攻撃力増強も相まって、下級モンスターながら下手な大型モンスターより高い制圧力を誇る。
とにかく【呪眼】は彼を場に出さなければ始まらないと言っても過言ではなく、3積み必須のカードと言える。

呪眼の死徒 メドゥサ
効果モンスター
星4/闇属性/悪魔族/攻1400/守1600
このカード名の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードが召喚に成功した時、「呪眼の死徒 メドゥサ」以外の自分の墓地の「呪眼」カード1枚を対象として発動できる。
そのカードを手札に加える。
(2):このカードが「セレンの呪眼」を装備している場合、相手の墓地のモンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターを除外する。
この効果は相手ターンでも発動できる。
(3):このカードの(2)の効果を発動した場合、次のスタンバイフェイズに発動する。
自分の墓地のカード1枚を選んで除外する。
呪眼を巡ってサリエルと鎬を削るもう一人の死徒。
(1)は呪眼カードのサルベージ、(2)はモンスター限定の《D.D.クロウ》と言える効果。
2つとも決して悪い効果ではないのだが、《呪眼の死徒 サリエル》と違って相手の盤面に触れることができず、やや使い勝手で劣る感は否めない。
その分(3)のデメリット効果も《呪眼の死徒 サリエル》より軽めではあるのだが、基本的にはあちらが優先されて彼女にはあまりお呼びがかからないのが現状である。

魔法・罠のイラストでもサリエルに眷属のバジリウスを殺された挙句敵として復活させられたり、力を増すサリエルを呆然とした表情で見つめていたりと、彼との力の差を感じさせる描写が目立つ。


呪眼の眷属 カトブレパス
効果モンスター
星3/闇属性/悪魔族/攻 600/守1900
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分フィールドの「呪眼」魔法・罠カード1枚を対象として発動できる。
次のターンの終了時まで、そのカードは1度だけ相手の効果では破壊されない。
(2):このカードが墓地に存在し、自分フィールドに「呪眼の眷属 カトブレパス」以外の「呪眼」モンスターが存在する場合に発動できる。
このカードを特殊召喚する。
この効果で特殊召喚したこのカードは、フィールドから離れた場合に除外される。
サリエルが使役する眷属。首の長い闘牛のような姿をしている。
自分フィールドに同名以外の呪眼モンスターがいれば(2)の効果で墓地から自己再生でき、さらに(1)の効果で呪眼魔法・罠に一時的ではあるが破壊耐性を付与できる。
一応永続魔法や罠にも対応しているが、専ら《セレンの呪眼》に耐性を付与することになるだろう。
効果を使用した後は各種素材として処理すれば無駄がない。特にエクシーズ素材にした場合は除外デメリットも踏み倒せる。

呪眼の眷属 バジリウス
効果モンスター
星3/闇属性/悪魔族/攻 400/守2000
このカード名の、(1)の方法による特殊召喚は1ターンに1度しかできず、(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分フィールドに「呪眼」モンスターが存在する場合、このカードは手札から特殊召喚できる。
(2):自分メインフェイズに発動できる。
デッキから「呪眼」魔法・罠カード1枚を墓地へ送る。
メドゥサが使役する眷属。蛇のような姿をしている。
自分フィールドに呪眼モンスターがいれば(1)の効果で手札から特殊召喚でき、さらに(2)の効果でデッキから呪眼魔法・罠を墓地へ送れる。
自己サルベージ効果を持つ《セレンの呪眼》を落としての擬似サーチや、後述の《ゴルゴネイオの呪眼》の墓地効果で任意の呪眼魔法・罠をサーチといった動きが可能だが、どちらも追加でコストが必要な点には注意。
効果を使用した後は各種素材として(ry
なぜか「守れ!しゅごまる」でピックアップされた。「あんまり慰めには適してない」という散々な言われようだったが。

呪眼の眷属 バジリコック
効果モンスター
星3/闇属性/悪魔族/攻1000/守2000
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分・相手ターンに、このカードが手札・墓地に存在し、自分フィールドに「呪眼」モンスターが存在する場合に発動できる。
このカードを特殊召喚する。
この効果で特殊召喚したこのカードは、フィールドから離れた場合に除外される。
(2):相手ターンに発動できる。
自分フィールドのモンスターをリンク素材として「呪眼」リンクモンスター1体をリンク召喚する。
その際、自分フィールドの「呪眼」装備魔法カードを「呪眼」モンスターとしてリンク素材にできる。
「PHOTON HYPERNOVA」で登場した新たな眷属。カトブレパスとバジリウスが融合したような姿をしているが融合モンスターではない
(1)は2体の眷属の良いところ取りをしたような自己特殊召喚効果で、しかもフリーチェーンなので使い勝手が良い。
(2)は相手ターンに呪眼リンクモンスターのリンク召喚を行う効果だが、なんと装備魔法をリンク素材にできるという前代未聞の効果を持つ*1
つまりフィールドに呪眼モンスターと《セレンの呪眼》、墓地にこのカードが存在すれば後述の《呪眼の王 ザラキエル》リンク召喚の準備が整う。
ただし、相手ターンに呪眼リンクモンスターを出しても《セレンの呪眼》を装備させなければ妨害にはならないため、後述の《災誕の呪眼》の墓地効果によるフォローは必須である。

リンクモンスター

呪眼の王 ザラキエル
リンク・効果モンスター
◀   ▶
リンク3/闇属性/悪魔族/攻2600
「呪眼」モンスター2体以上
このカード名の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):攻撃力2600以上のモンスターを素材としてリンク召喚したこのカードは1度のバトルフェイズ中に2回攻撃できる。
(2):このカードが「セレンの呪眼」を装備している場合、相手フィールドのカード1枚を対象として発動できる。
そのカードを破壊する。
この効果は相手ターンでも発動できる。
(3):このカードの(2)の効果を発動した場合、次のスタンバイフェイズに発動する。
このカードのリンク先の効果モンスター1体を選び、その効果を無効にする。
サリエルが呪眼の力を暴走させ変貌した姿で、【呪眼】の切り札とも言えるリンクモンスター。
まず(1)は攻撃力2600以上のモンスターを素材にした場合に2回攻撃が可能となる効果。
素で攻撃力2600以上の呪眼モンスターはこの《呪眼の王 ザラキエル》しか存在しないが、《呪眼の死徒 サリエル》であれば《セレンの呪眼》の(2)の効果を2回誘発させれば2600に届く。
そして(2)は《セレンの呪眼》装備時にカード種類を問わないフリーチェーンの除去を行える効果。
《呪眼の死徒 サリエル》と違って通常召喚されたモンスターや魔法・罠も破壊できるため、状況に応じて柔軟な対応が可能。
(3)の効果も完全なデメリットにはなっておらず、リンク先に相手モンスターがいればそのモンスターの効果を無効にできる。
尤も、相手がこのモンスターのリンク先にわざわざモンスターを出すとは考え辛いため、どちらかと言えば相手のモンスターゾーンを1つ実質的に使えなくする効果と考えた方が良いか。
また、自分のモンスターの効果を無効にしてしまわないように、モンスターを出す位置には注意が必要である。

強力なモンスターではあるが、登場当初の【呪眼】は現在以上に展開力が乏しく、「無理にザラキエル召喚を狙いに行くよりセレンを装備したサリエルでそのまま戦った方が強い」という評価を受けがちであった。
しかし後述の《災誕の呪眼》も含めた「PHOTON HYPERNOVA」の新規カードによってこのモンスターもかなり出しやすくなり、エースとしての面目躍如を果たしたと言えるだろう。

呪眼の女王 ゴルゴーネ
リンク・効果モンスター
◀   ▶
リンク2/闇属性/悪魔族/攻1900
「呪眼」モンスターを含むモンスター2体
このカード名の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードの攻撃力は、自分の墓地の「呪眼」カードの種類×100アップする。
(2):このカードが「セレンの呪眼」を装備している場合、相手フィールドの効果モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターの効果をターン終了時まで無効にする。
この効果は相手ターンでも発動できる。
(3):このカードの(2)の効果を発動した場合、次のスタンバイフェイズに発動する。
このカードのリンク先のモンスター1体を選んで破壊する。
「CHAOS IMPACT」で登場した2体目の呪眼リンクモンスター。
同弾で登場した《ゴルゴネイオの呪眼》の力を使い進化したメドゥサの新たなる姿である。
リンク2としてはそれなりの攻撃力を持ち、(1)の自己強化も数値は小さいがあって困るものではない。
(2)と(3)の効果は《呪眼の王 ザラキエル》のそれに似ており、あちらの「破壊」と「無効」を入れ替えてモンスター限定にしたような効果となっている。
【呪眼】ではモンスター効果の無効は貴重であり、状況によっては《呪眼の王 ザラキエル》より彼女を優先して出す必要もあるだろう。

魔法

《セレンの呪眼》については記事冒頭で記したため、ここでは省略する。
喚忌の呪眼
通常魔法
このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。
(1):自分の手札・墓地から「呪眼」モンスター1体を選んで特殊召喚する。
自分の魔法&罠ゾーンに「セレンの呪眼」が存在する場合、代わりにデッキから「呪眼」モンスター1体を特殊召喚する事もできる。
手札・墓地から呪眼モンスターを特殊召喚できる魔法。
《セレンの呪眼》が存在する場合はリクルートも可能だが、《呪眼の死徒 サリエル》や《呪眼の死徒 メドゥサ》の(1)の効果は通常召喚時限定なので、主に眷属を出して補助に使うことになるだろう。
《呪眼の死徒 サリエル》を除去された場合のリカバリーにもなるので、1枚は入れておきたい。
墓地の呪眼リンクモンスターも正規召喚されたものであれば蘇生できるため、詰めの一手にも。

眷現の呪眼
通常魔法
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分フィールドに「呪眼の眷属トークン」(悪魔族・闇・星1・攻/守400)1体を特殊召喚する。
自分の魔法&罠ゾーンに「セレンの呪眼」が存在する場合、この効果で特殊召喚する数を2体にできる。
このカードの発動後、ターン終了時まで自分は悪魔族モンスターしか特殊召喚できない。
(2):墓地のこのカードを除外して発動できる。
このターン、自分フィールドの「呪眼」魔法・罠カードは相手の効果の対象にならない。
「ETERNITY CODE」で登場した魔法。
トークンを生成できるがステータスは貧弱なため、主にリンク素材としての利用になる。
フィールドに呪眼モンスターと《セレンの呪眼》が存在すれば、そのモンスターとトークン2体で即座に《呪眼の王 ザラキエル》をリンク召喚できる。
発動後は悪魔族しか特殊召喚できない制約が付くため、悪魔族以外の汎用モンスターを採用している場合はやや使い辛いか。
墓地効果で呪眼魔法・罠に対象耐性を付与することもできるが、除去は相手ターンに飛んでくることの方が圧倒的に多いため、こちらの効果はほぼオマケと考えた方が良いだろう。

災誕の呪眼
通常魔法
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):デッキから「呪眼」モンスター1体と「呪眼」魔法・罠カード1枚を墓地へ送って発動できる。
デッキから「呪眼」装備魔法カード1枚を手札に加える。
このターン、自分が「呪眼」カード以外のカードの効果を発動する度に自分は500LPを失う。
(2):自分が「呪眼」リンクモンスターのリンク召喚に成功した場合、墓地のこのカードを除外して発動できる。
自分の墓地から「呪眼」装備魔法カード1枚を選び、自分フィールドの「呪眼」リンクモンスター1体に装備する。
「PHOTON HYPERNOVA」で登場した魔法。
テキストをよく読むと分かるが、(1)でデッキから墓地へ送る2枚は効果ではなくコストであるため、《灰流うらら》等でも止められないという《斬機サーキュラー》もびっくりの魔法カード。
コストで《呪眼の眷属 バジリコック》と後述の《ゴルゴネイオの呪眼》を墓地へ送ることで、初動と展開を同時に確保できる。
無論、本命のサーチもデッキの核となる《セレンの呪眼》をサーチできる極めて有用な効果である。
ただし発動後にはライフロスデメリットがあるので、汎用カードを多く採用している場合は発動順に気をつけたい。
(2)の墓地効果は、《呪眼の眷属 バジリコック》の(2)の効果で相手ターンにリンク召喚した《呪眼の王 ザラキエル》や《呪眼の女王 ゴルゴーネ》に《セレンの呪眼》を装備させることで即座に耐性付与と妨害効果の発動が可能。
総じて【呪眼】のデッキパワーと安定性を大幅に引き上げた11期終盤らしい非常に強力なカードと言える。

余談だが、イラストに描かれているサリエルの表情がなんともムカつく意地の悪そうなニヤケ顔で、時折ネタにされる。

惨禍の呪眼
速攻魔法
このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。
(1):自分フィールドに「呪眼」モンスターが存在する場合、相手フィールドの魔法・罠カード1枚を対象として発動できる。
そのカードを破壊する。
自分の魔法&罠ゾーンに「セレンの呪眼」が存在する場合、この効果で破壊したカードは墓地へは行かず除外される。
相手フィールドの魔法・罠を破壊できる速攻魔法。
言ってしまえば発動条件が付き、自分フィールドのカードを対象にできなくなった《サイクロン》である。
しかし《セレンの呪眼》が存在する場合は破壊したカードを除外する効果がある。
昨今は墓地効果持ちの魔法・罠カードもありふれているため、それらを封じられるのは有用と言える。

静冠の呪眼
永続魔法
このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。
(1):このカードは自分の墓地から「呪眼」カード1枚を除外して発動する事もできる。
その場合、自分はデッキから1枚ドローする。
(2):1ターンに1度、「セレンの呪眼」を装備した自分の「呪眼」モンスターが相手モンスターを攻撃したダメージ計算後に発動できる。
その相手モンスターを除外する。
(3):魔法&罠ゾーンのこのカードが効果で破壊された場合、除外されている自分の「呪眼」カードを3枚まで対象として発動できる。
そのカードを墓地に戻す。
3つの効果を持つ永続魔法。
(1)は墓地の呪眼カードをコストにドローができる堅実な効果。
メインとなるのが(2)の効果で、戦闘を介する必要はあるものの、ダメージステップに発動する対象を取らない除外という強力なモンスター除去である。
この効果を発動できるということは、大抵の場合《セレンの呪眼》で戦闘破壊耐性が付いているということでもあるので、攻撃力の高いモンスターが相手でも安心。ただしライフロスには注意が必要。
また、破壊されると(3)の効果で除外状態の呪眼カードを墓地に戻せるため、後述の《呪眼領閾-パレイドリア-》と並んで《呪眼の死徒 サリエル》の(3)の効果で破壊するカードの筆頭候補。

呪眼領閾-パレイドリア-
フィールド魔法
このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。
(1):このカードの発動時の効果処理として、デッキから「呪眼」モンスター1体を手札に加える事ができる。
(2):1ターンに1度、自分の魔法&罠ゾーンに「セレンの呪眼」が存在し、自分の「呪眼」モンスターが攻撃されたダメージ計算時に発動できる。
その戦闘で発生する自分への戦闘ダメージは相手も受ける。
(3):フィールドゾーンのこのカードが効果で破壊された場合、自分の墓地の「呪眼」モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターを手札に加える。
妖しい満月の光に照らされた静謐なる城。カレードリアとか言うな
(1)の発動時効果で呪眼モンスターをサーチできるため、《呪眼の死徒 サリエル》を手札に加えられる初動カードとして3積みが基本である。
一方で(2)の効果は使い道に乏しく、攻撃の牽制としても弱いためこの効果を目当てに発動されることはほぼ無い。
それどころか大抵は(3)のサルベージ効果を使うために《呪眼の死徒 サリエル》の(3)の効果で真っ先に破壊される運命にある。デメリット効果とはいえ自分の居城を破壊するサリエル…

ゴルゴネイオの呪眼
装備魔法
「呪眼」モンスターにのみ装備可能。
このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できず、このカード名の(3)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードは魔法&罠ゾーンに存在する限り、カード名を「セレンの呪眼」として扱う。
(2):自分のLPが相手より少ない場合、装備モンスターの攻撃力はLPの差の数値分アップする。
(3):墓地のこのカードを除外し、手札から「呪眼」カード1枚を捨てて発動できる。
デッキから「ゴルゴネイオの呪眼」以外の「呪眼」魔法・罠カード1枚を手札に加える。
「CHAOS IMPACT」で登場したもう一つの呪眼。
(1)の効果で自身の名称を《セレンの呪眼》として扱うため、《呪眼の死徒 サリエル》や《呪眼の死徒 メドゥサ》に装備すれば彼らの(2)の効果が発動可能になる他、魔法・罠カードの効果もアップする。
《セレンの呪眼》と違って耐性は付与できないが、代わりにライフロスの心配も無い。
(2)は状況次第で爆発的な強化を得られるものの、この効果が大きければ大きいほど逆説的に自分のピンチでもあるので、ライフが尽きる前に素早く勝負を決めてしまいたい。
また効果の都合上、相手にダメージを与えると強化値が下がってしまう点にも注意。
(3)の墓地効果により呪眼魔法・罠のサーチも可能で、上述の《災誕の呪眼》でデッキから墓地に落として《呪眼領閾-パレイドリア-》をサーチすれば実質的な初動にもなる。

妬絶の呪眼
通常罠
このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。
(1):自分フィールドに「呪眼」モンスターが存在する場合、フィールドのモンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターを持ち主の手札に戻す。
自分の魔法&罠ゾーンに「セレンの呪眼」が存在する場合、この効果の対象を2体にできる。
フィールドのモンスターをバウンスできる通常罠。
単体では発動条件が付いただけの《強制脱出装置》だが、《セレンの呪眼》が存在していれば1:2交換が可能になる。
破壊耐性持ちのモンスターにはこれや《静冠の呪眼》で対応したい。

断罪の呪眼
カウンター罠
このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。
(1):自分フィールドに「呪眼」モンスターが存在し、魔法・罠カードが発動した時に発動できる。
その発動を無効にし破壊する。
自分の魔法&罠ゾーンに「セレンの呪眼」が存在する場合、このカードの発動と効果は無効化されない。
魔法・罠を無効化できるカウンター罠。
このデッキの天敵である《ハーピィの羽根帚》や《ライトニング・ストーム》等の対策になるため、先行で伏せておきたいカード。
《セレンの呪眼》が存在すれば無効化もされなくなり、さらに信頼度が増す。

死配の呪眼
永続罠
このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。
(1):相手がモンスターを攻撃表示で特殊召喚した時、
そのモンスターより高い攻撃力を持つ「呪眼」モンスターが自分フィールドに存在する場合にその相手モンスター1体を対象としてこのカードを発動できる。
そのモンスターのコントロールを得る。
そのモンスターは自分の魔法&罠ゾーンに「セレンの呪眼」が存在する限り、「呪眼」モンスターとしても扱う。
そのモンスターがフィールドから離れた時にこのカードは破壊される。
相手モンスターのコントロールを奪える永続罠。
だが発動条件が厳しく、自分フィールドの呪眼モンスターより攻撃力が下かつ攻撃表示で特殊召喚されている必要がある。
《セレンの呪眼》が存在すればそのモンスターは呪眼モンスターとして扱われ、《呪眼の王 ザラキエル》や《呪眼の女王 ゴルゴーネ》のリンク素材として利用できる…が、登場当初ならいざ知らず、現在の【呪眼】ではこのカードに頼らずとも彼らのリンク召喚は容易い。
ぶっちゃけ《大捕り物》で良い。
一応効果を無効にせず、攻撃も可能な点で差別化できるか。

相性の良いカード


・《ジュラゲド》
バトルステップに手札から特殊召喚してライフを回復する効果と、自身をリリースしてモンスターの攻撃力を上げる効果を持つ悪魔族・闇属性モンスター。
どちらの効果も【呪眼】と相性が良く、種族と属性まで一致している。
公式も相性の良さは認識していたようで、「インフィニティ・チェイサーズ」にはこのカードが再録されている。

・《儚無みずき
ライフ回復版増G
ライフロスの多いこのデッキにおいてライフアドバンテージは重要で、大量のライフを得られれば《セレンの呪眼》で自滅する心配もほぼ無くなる。
ただし《ゴルゴネイオの呪眼》の(2)の効果との噛み合いは悪いため、長期戦を見据えた場合の採用となるか。

アーティファクト
モンスターながら魔法扱いでセットでき、相手ターンに破壊されると効果を発揮するカード群。
《呪眼の死徒 サリエル》の(3)の効果を逆手に取り、相手スタンバイフェイズに破壊することで能動的に効果を使用可能。
特に《アーティファクト-デスサイズ》は強烈な制圧効果を持ち、相手のデッキタイプにもよるが大幅に動きを制限できる。

・《DDD磐石王ダリウス》
・《DDD赦俿王デス・マキナ》
DDのエクシーズモンスター。
レベル3の眷属2体で《DDD磐石王ダリウス》をエクシーズ召喚し、その上に《DDD赦俿王デス・マキナ》を重ねることで妨害数を増やせる。
効果を使い切った後は《天霆號アーゼウス》にでもしてしまうといいだろう。
他のランク3では《No.3 地獄蝉王ローカスト・キング》でモンスター効果無効を構えるのも良い。

・《命削りの宝札
・《強欲で謙虚な壺
特殊召喚を行えない制約が付くドローソースだが、《呪眼の死徒 サリエル》と《セレンの呪眼》だけでも十分に戦えるため投入しやすい。
リンクモンスターも《呪眼の眷属 バジリコック》の効果で相手ターンに出す前提なら問題は無い。

・《カイザーコロシアム》
・《群雄割拠
・《御前試合》
・《サモンリミッター
モンスターをあまり展開しないため、これらのロックカードとの相性は抜群。
他にも永続カードを多数採用し、【メタビート】軸にするのも良いだろう。


追記・修正はライフを500失いながらお願いします。

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最終更新:2023年12月30日 16:35

*1 装備魔法に限らなければ《天気予報》が同じような効果を持ってはいたが