ふたば系ゆっくりいじめ 677 元銀バッジまりさの末路 下

元銀バッジまりさの末路 下 51KB


虐待-普通 制裁 観察 理不尽 自業自得 飾り 実験・改造 同族殺し 飼いゆ 野良ゆ ゲス 現代 虐待人間 愛護人間 独自設定 うんしー 下とありますがまだ終わりません。すいません。

 ・『ふたば系ゆっくりいじめ 521 元銀バッジまりさの末路 上』と『-ふたば系ゆっくりいじめ 543 元銀バッジまりさの末路 中』の続きです。
 ・俺設定あり。
 ・下と銘打っているくせにまだ完結しません。ゴメンナサイ。
 ・死なないゆっくり有り。


天然あき



「ゆひぃ…ゆひぃ…ゆっくりできなかったよ…」
「むきゅ、おねーしゃんだいじょうぶ?」
「ゆ、だいじょうぶだよぱちゅりー。
れいむはとってもじょうぶだからね」
ゆっくり出来ない突起を踏んで痛がっていた金バッジれいむに赤ぱちゅりーが心
配そうに話し掛け、それに笑顔で答える金バッジれいむ。
「それじゃあきょうもみんなでゆっくりおべんきょうしようね!!」
「わきゃっちゃよー!!」
「れいみゅぎゃんばりゅよ!!!」
赤ゆっくり十匹程が元気良く答える。
金バッジれいむの飼い主はゆっくりのブリーダーだった。
そして金バッジれいむは飼い主から教育を任されていた。
赤ゆっくりを育て、ゆっくりしたゆっくりに育たせる。
それを飼い主が監修し、ペットショップへ売り出す。
それが金バッジれいむの役割だった。
「れいむ…」
「ゆ、おにいさんどうしたの?」
唯一の妹が死んだのにそれを表面上は出さずに振る舞う金バッジれいむ。
だがれいむが生まれた時からの付き合いの飼い主にはやせ我慢だとわかる。

「これは…どうする?」
飼い主があのゲスまりさから持って行った金バッジれいむの妹とつがいだったまりさの帽子だった。
金バッジれいむも飼い主から話は聞いていた。
金バッジれいむからすれば恨みもあるが、それでも妹を大事にしてくれていた事を嬉しくも思っていた。
ゲスまりさの言い分では「のらゆっくりのくせにゆっくりしていてむかついたんだぜ!!」とかぬかしていたからゆっくり出来ていたのだろう、と金バッジれいむは考えた。
このまりさは妹をゆっくりさせてくれた…。
だから、
「いもうとのおはかにいっしょにうめてあげてね…おねがいします…」
「……わかった…」
飼い主はそうとだけ言うと部屋から出て行った。
おそらく約束通り金バッジれいむの妹の墓に一緒に埋めてくれるのだろう。
「ゆゆ!さていかなくちゃ!おちびちゃんたちがまってるよ!!」
そう言いながら金バッジれいむも跳ねて行った。



―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――



「まりざはわるぐないんだぜえ゛え゛え゛え゛!!?」
ゲスまりさが目を覚ます。
どうやら悪夢を見ていたようだ。
「ゆゆ…なんだかゆっくりできないんだぜ…」
身体にある違和感を感じ、頭を傾げるゲスまりさ。
自分の帽子が変わっている事に気付いていない。

「あたまがいたいんだぜ…ゆっくりできないんだぜ…」
頭が割れるように痛む。
その理由をまりさは理解出来ていない。
その部分の記憶がごっそり消えているのだ。

「でもあそこからでられたのはよかったんだぜ!
これであのくそれいむをせいっさいできるのぜ!!」
一回不意打ちしたにも関わらず返り討ちにされた記憶も綺麗さっぱり消えていた

「ゆゆう…でもせいっさいしたあときっとあのじじいがうるさいんだぜ…」
ゲスまりさは既に金バッジれいむを殺した後どうやって飼い主を言いくるめるかを考えていた。
金バッジれいむを殺せるかどうか疑問にすら思わない。
散々ボコボコにされてもまだ若干の不安はあったが、自分の方が強いと思っていた。
そして一度飼い主を騙す事に成功していたから内心人間は力が強いだけの馬鹿と考えていた。
だから表向きは遜る。
本当は誰が弱くて愚かなのか考えもしないで…。

「ゆぎぃ!!?」
突然ゲスまりさの頭に鋭い痛みが走る。
『……ぜいだよ…』
「ゆ…なんなんだぜ…?」
痛みと共に何かゆっくり出来ない感じがする。
ゲスまりさは辺りを見回すが誰もいない。
「ゆ…いったいなんなんだぜ…ゆぴい!!?」
再び鋭い痛みがゲスまりさに走る。
『…おとうしゃん……』
「ゆ!?なんでおちびちゃんのこえがきこえるんだぜ!!?」
ゲスまりさは何回も何回も辺りを見回す。
テーブルの上には何もない。
「いるわけないんだぜ…おちびちゃんはしんだんだぜ…きっときのせいだぜ…」
死んだ筈の…しかも自分が殺した相手の声が聞こえたのだ。
内心、いい気分ではないのだろう。
挙動不審になり始めていた。
再び頭に走る鋭い痛み。
『じね……じね…』
「ゆぎい゛い゛い゛い゛なんなんだぜえ゛え゛え゛え゛え゛え゛!!?」
自分が殺した子供の声が響く。
生きていた…ありえない。
即座に否定するが声が聞こえていたのも事実…。
「で、でてくるんだぜ!!まりさのおちびちゃんのまねするげずはまりざがぜ、ぜいざいじでやるんだぜ!!!」
声だけがし、姿が見えない声の主に対してゲスまりさは叫ぶ。
だが何も反応が返って来ない。
ただ静寂だけが場を包む。
「ゆ…や、やっぱりきのせいだったんだぜ…まったくおどかすんじゃなひゃあ!!?」
再び頭に走る鋭い痛み。
『おとうじゃんなんが…じね……』
「ゆがあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!?」
狂ったように辺りを見回すゲスまりさ。
「ででごい゛い゛い゛い゛!!?
がぐれでないでででごい゛い゛い゛い゛い゛!!!」
一向に姿を見せず、声だけが聞こえる自分の子供に恐怖する。
潰した…あのちびは絶対に潰した。
生きてる筈がない…生きてる筈がない…。
ゲスまりさは自分に言い聞かせる。
「どうじで…どうじで…」
あまり明るくない部屋に一匹しかいない孤独…。
気付けば歯はガチガチ鳴り、顔は青ざめ、小刻みに震えていた。
そしてズキンと頭に走る痛み。
『じねえええええええ!!!』
「ゆあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!?」
訳も分からず、跳ね出すゲスまりさ。
姿も見えない殺したはずのものが自身を殺そうとしている事に狂乱しているようだ。
テーブルの上でそんな事をすれば、
「ゆあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛おぞらをびゅ!!?」
テーブルから落下してしまうのも無理はない。
「ゆ゛ゆ゛う゛う゛!!?ぐらいんだぜぇ!!?」
ゲスまりさはそのまま顔からテーブルの側にあったごみ箱に落下した。
すっぽり嵌まって中々抜け出せない。ふりんふりん動くケツが気持ち悪い。
というかよくここまでやっていて帽子が外れないものだ。
円筒系の形のごみ箱はゲスまりさの尻振りで横倒しになり、ゲスまりさを入れたまま転がっていく。
そしてまたしつこい位起こるズキンとした鋭い痛み。
『おきゃあしゃんのかちゃきいいいいい!!!』
「ゆひぃ!!?ぐるなぁ!!」
声に恐怖し、より一層尻振りのスピードが上がっていく。
そうして、なんとかごみ箱から抜け出す事が出来た。
「ゆうう…やっとゆっくり…」
一息つくゲスまりさ。
しかしそれもすぐに硬直してしまう。
何故なら、
「どうじでおちびじゃんのじだいがごごにあぶのお゛お゛お゛お゛お゛!!?」
ごみ箱の中から皮のみとなった我が子の遺骸が二つあったのだから…。
中途半端に抜かれた髪や傷付いた身体、ボロボロになった元飾りがそれが我が子であると証明していた。

どうしてそんなものがここにあるのか?
答えは簡単、飼い主が持って来た。
どうして皮しか残っていないのか?
ゲスまりさが潰し中身が跳び、その残りを…飼い主がゲスまりさに詰め込んだからだ。
ゆっくりが子を生む際、親ゆっくりの記憶を継承する事がある。
だから、見た事もない加工所がゆっくり出来ないといった事を知っているのだ。
だが口から直接食った場合、それは「食糧」と思い込まれ他ゆっくりの餡子から自身の餡子へ変換される。
この場合知識は受け継がれない。
だが口以外の場所、先程のように何かが頻繁に出入りする器官でも何でもない場所を切り開いて子供であるまりさの中身の餡子を詰め込んだ。
冷蔵庫で保存してあったので鮮度には問題はなく、かつて子供の中身であった餡子は問題なくゲスまりさの餡子として補填された。
いい加減な構造のゆっくり、しかも親子だ、何の問題もない。
まぁカスタードも難無く受け入れたのは首を傾げるが…。
そして、補填された餡子は古くなり、うんうんとなって排出されるまでゲスまりさの中にあり続ける。そして、そこまで残れば死んだ記憶はゲスまりさ自身の餡子に浸透しているだろう。
まりさは生き続けるのだ。子供の記憶を持ったまま…。
「なんでぇ!!?なんでじだいがあるのにまりざのおぢびじゃんのごえがぎごえるんだぜえ゛え゛え゛え゛え゛!!?」
未だに聞こえてくるかつて自分の子供だった存在の声…死体があるのに声が聞こえてくる矛盾。
矛盾は混乱を生み、混乱は無理解を生み、無理解は恐怖を生む。
ゲスまりさは恐怖するしかない。
訳のわからない説明出来ない何かに…。
そしてゲスまりさは絶対にわかる事は無い…その声が自分の中から聞こえている事に…。
ゲスまりさは子供の餡子を自分のものとして補填した。
これによってゲスまりさは子まりさの記憶そのものを補填した事になる。
ゆっくりは刹那的な生物だ。
すぐに喜怒哀楽が変化し、前の事も余程強烈な出来事でもない限り忘れてしまう。
つまりその時の感情が全てといっていい。
そして死んだ事で餡子の感情は死ぬ瞬間の感情のみを遺した。
あのぼろまんじゅうと成り下がったまりさが最期に抱いた感情、それが親であるゲスまりさに対する憎悪と殺意だった。
ゲスまりさは自分に対する殺意までも取り入れてしまったのだ。
いわば親から子ではなく、子から親への記憶の継承であった。
人間でいう心臓移植をした人物が臓器提供者の嗜好を持ち始めるのと同じ事だった。

「もうやだあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!?」
およそ得体の知れない恐怖とは無縁だったゲスまりさには耐え難いものなのだろう…無意味に跳ね回り、挙動不審に動き回る。
だがそれは突然止まった。
「ゆ、ゆぁ゛…ゆ゛あ゛あ゛…」
ある一点を見つめるゲスまりさ…。
その先にあるのは…鏡。
ゆっくりの身嗜みに使っていたのだろうか低い位置に置かれた鏡…そこに映る自分にゲスまりさは恐怖する。
「なんで…なんでおちびちゃんがいるんだぜえ゛え゛え゛え゛!!?」
鏡に映った自分の姿を見つめてそう叫ぶゲスまりさ。
自分の姿を子供と誤認したようだ。
その理由はゲスまりさが今被っている帽子にあった。
ゲスまりさが今被っている帽子はゲスまりさの子供のものだ。
ゆっくりは帽子で他者を識別する。
普段ならば違和感に気付いただろうが今は冷静な判断など出来る訳もない。
薄暗さが尚更にわかりにくくさせていたのも原因だろう。
普通ならば飾りがなくても誰かは判別出来る程度の知能はあったのだが、気が動転して気付く由もない。
ゲスまりさは子供の残骸と鏡に映る自分の姿を何度も確認する。

「どうじべ!?どうじべおちびじゃんがふだりいるんだぜえ゛え゛え゛え゛え゛!!?」
ますます訳がわからなくなるゲスまりさ。

「ゆ、ゆ、ゆ、ゆあ゛あ゛あ゛あ゛じね゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!」
混乱が頂点に達したゲスまりさは我を見失い、全力で鏡に体当たりする。
「ゆべえ゛え゛!!?」
自分で思っている以上に疲弊していたゲスまりさは壁に立て掛けられていた鏡にぶち当たり、その反動でコロコロ転がっていく。
そしてテーブルの足にぶつかり、止まる。
「ゆぎぃ゛…なんなんだぜ…ゆひぃ!!?」
ズキリと頭に走る痛み。
まだゲスまりさの餡子と子供の中身に上手く神経の役割を担う部分が不具合が起きたせいで起こる痛みなのだが、それがゲスまりさにはわかる訳がない。
その痛みの直後に子供の声が来る事にも気付いていないのだから…。
『しね…なんでいきてるの…ばかなの?…しぬの?』
「ゆぎゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!?」
もはや何に恐怖しているのかもわからなくなる程錯乱するゲスまりさ。
壁に突っ込み、鏡に突っ込み、押し負けて転がった先で子供の残骸に触れて奇声を上げて跳びはね、頭痛の後に子供の声を聞いて恐怖し、跳びはね、壁やテーブル等にぶち当たっていくのをまりさの帽子を金バッジれいむの妹の墓に一緒に埋葬し終えた飼い主が部屋に来るまでゲスまりさはそれを延々と繰り返していた。



―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――



ゲスまりさはその日以来自分の子供の呪詛を一時の心休まる時もなく聞かされる羽目になった。
夜は金バッジれいむに無理矢理檻の中に連れてかれ、突起の痛みにのたうち、何とか慣れて眠れば悪夢。
段々と、しかし確実にゲスまりさは疲弊していった。
「ほら、飯だ」
飼い主が今日も食事をゲスまりさに渡す。
「む~しゃ…む~しゃ…」
幸せでも何でもない食事。
生ゴミを与えるような事は無いが味もへったくれもない無味無臭なゼラチン状の何か…。
栄養価だけ高い、味や風味など食事の際に大事なものを根こそぎ奪った…まさに生きる為だけのもの…それがゲスまりさの三食変わらぬ食事だ。
それに比べて、
「しあわせぇ~♪」
「よくむ~しゃむ~しゃをがまんできたね!えらいよ!」
ガラス一枚通した向こうでは幸せそうにご飯を食べる赤ゆっくり数匹と金バッジれいむがいた。
ガラスは特殊製でゲスまりさの方は向こう側を見えるが、向こう側はゲスまりさ側が見れないようになっていた。
ゲスまりさが見ているのを知っているのは飼い主を除けば金バッジれいむのみだった。
仲睦まじそうにゲスまりさからすればよだれもののご飯を食べる赤ゆっくり達。

「ゆぎぎぃ…ぞれはまりざのなのに゛ぃ…」
飼いゆっくりであるゲスまりさからすれば家にあるのは全て自分のもの。
だから赤ゆっくり達が食べているご飯も自分のもの…そう決め付けていた。
故にゲスまりさの赤ゆっくり達と金バッジれいむに対する恨みはますます募って
いくばかり…。
「みてるんだぜ…かならずせいっさいしてやるんだぜぇ……」
よくもまぁここまで心が折れないものだ、と感心してしまいそうになる。
しかし、ゲスまりさの呟きを飼い主はしっかりと聞いている事にゲスまりさは気付いていなかった…。

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「それじゃあにんげんさんといっしょにくらすことでだいじなのはわかるかな?」

「ゆうぅ…」
今のゲスまりさはひたすら退屈だった。
延々と何の意味もないクズの戯れを見せ付けられていると思っているのだから…。
眠ろうにも飼い主にコーヒーを注射され、眠気も起きない。

「くだらないんだぜ…」
身体を固定され、瞼をテープでとめられていやがおうにも金バッジれいむ達の戯れを見なければならないゲスまりさは金バッジれいむの戯れ…とゲスまりさは思い込んでいる授業を一笑に付す。
つまらない映画を延々と見せられるのも一種の拷問だが、今のゲスまりさはその状態に近かった…。
『じねぇ…』
「うるさいんだぜ…いいかげんにするんだぜ…」
子供の呪詛の呻きがこんな状態でもゲスまりさに襲い掛かる。
そんなゲスまりさと対照的に和気あいあいと授業は続いていた。


「かってくれるにんげんさんにいつもかんしゃのきもちをわすれちゃいけないんだよ」
金バッジれいむは赤ゆっくり達に言い聞かせる。
「わかってるんだじぇ!まりしゃはにんげんしゃんをゆっきゅちしゃせるんだじぇ!!」
赤ゆっくりまりさが胸(?)を張って宣言する。
「それはいいこころがけだよまりさ」
「そりぇほじょじぇもにゃいんだじぇ!!」
「ならまりさはどうやればにんげんさんがゆっくりできるとおもう?」
「ゆ…そりぇは…」
言い淀む赤まりさ。
方法が思い付かないのだろう。
「ゆ、ゆっきゅりしちぇいっちぇね!ってげんきよきゅあいさつすればきっとゆっくりできゅるんだじぇ!!まりさがそうにゃんだきゃらきっちょそうにゃんだじぇ!!!」
何とか自分の答えを見つけて言う赤まりさ。
しかし、
「……それじゃあまりさはずっとにんげんさんにゆっくりしていってね!!をいいつづけるの?
ごはんのときもねるときもいつもいつもゆっくりしていってね!!をいいつづけるの?それがゆっくりできるの?」
「ゆ…しょ、しょれは…」
思わぬ金バッジれいむの冷たい言い放ちに困惑する赤まりさ。
それに対し、
「ごめんね、すこしきつくいいすぎちゃったね。でもね、ゆっくりしていってね!!だけじゃにんげんさんはゆっくりできないんだよ」
一転、金バッジれいむは穏やかな口調になり優しく諭す。
「むきゅう、それにゃらどうすりぇばにんげんしゃんをゆっきゅちしゃしぇてあげりゃれりょの?」
赤ぱちゅりーが金バッジれいむに尋ねる。

「それじゃあぎゃくにきくよ。みんなはどんなことしたらゆっくりできるかな?」
「むきゅ、ぱちゅりーはごほんやおはなしをききゅちょゆっきゅちできりゅわ!」
「まりしゃは、ごはんしゃんをたべちゃときがゆっきゅちできるよ!」
「ありしゅはときゃいはないししゃんときゃをみたらゆっきゅりできりゅわ!!」
「ちぇんはみんなであしょぶとゆっきゅちできゅりゅんだよわきゃるよー!」
「れいみゅはみんにゃちょしゅ~りしゅ~りしゅるちょゆっきゅちできりゅよ!」
「みょんはけんのたんりぇんをしゅるちょゆっくちできりゅみょん!!」
各々が自分のゆっくりを発表していく。

「そうだね、みんながいっていることはゆっくりできることだね。でも、みんなゆっくりできることはいっしょじゃなかったよね?」
「しょうだね!ちぎゃっちぇちゃね!」
金バッジれいむの言葉に納得する一同。
「それとおなじでにんげんさんにもゆっくりできることとできないことがあるんだよ!!」
「むきゅ、にゃらぱちゅりーちゃちはどうちゅればいいにょ?」
人間をゆっくりさせてあげたくてもゆっくりのさせかたがわからなくてはどうしようもない。
だが金バッジれいむは笑みを浮かべて、
「それはね、むずかしそうにみえてかんたんなことなんだよ。わからないならきけばいいんだよ!」
「ゆ?それじゃとめいわくじゃにゃいの?わきゃらないよー」
赤ちぇんは金バッジれいむの言葉に困惑する。
「そうかもしれないね。けれどもなにもわからないでゆっくりさせようとするよりもいいんだよ!!」
「むきゅう…でもはじゅきゃしいわ…」
それはゆっくりにとって自分が無能だといってるようなものだ。
プライドが邪魔しているのだろう。
「うん、それはわかるよ。でもね、はずかしいからってじぶんでうじうじなやんでもなにもいいことないよ?
だったらがまんしていったほうがらくだよ」
「そりぇはわきゃりゅんだけど…もし、にんげんしゃんがちゃんちょきょたえちぇくれにゃきゃっちゃらどうちゅりゅの?」
少し不安げに赤れいむが尋ねる。

「そうだね、にんげんさんがれいむたちにほんとのこといってくれないこともあるね。
だかられいむがそんなときのためのとっておきのほうほうをおしえてあげるよ!」
「ゆ!?そんにゃのありゅの!?」
「おしえちぇね!おねぎゃいちまちゅ!!」
一気に金バッジれいむに詰め寄る赤ゆっくり達。

「それはね…」と一拍おいた後に金バッジれいむは告げた。

「そばにいてあげることだよ」

「ゆ?しょれだけ?」
「うん、それだけだよ。とってもかんたんで、だからこそだいじなことだよ」
金バッジれいむは言う。
「みんなだってひとりでかなしんでるときにとなりにだれかいてくれるだけでゆっくりできるでしょ?」
「むきゅ、しょうね。ぱちぇがたいちょうをきゅじゅしちゃちょきもまりしゃがしょばにいちぇくりぇちゃちょきうれちきゃっちゃわ!」
「そうだよ!まさにそのことなんだよ!」
金バッジれいむは断言する。
「そばにいること…ひとりじゃないってことはそれだけでゆっくりできるんだよ!まぁやりすぎるとゆっくりできないからきをつけないといけないけどね…」
金バッジれいむは宣言した。
「かんたんだけどとってもだいじなことだよ!!ちゃんとおぼえてね!!」
「「「「ゆっきゅちりきゃいちちゃよ!!!」」」」
「うん、いいへんじだよ!!それじゃきょうのじゅぎょうはここまで!
ごはんさんのじかんだよ!」
「ゆわああああい!!」
「おなきゃぺきょぺきょだよ!」
金バッジれいむの授業終了の通達と同時に赤ゆっくり達が勉強部屋から出て行く。

一方、その一部始終を見させれていたゲスまりさは、退屈なのに眠れないという地味な拷問を受けていた。
「つまらないんだぜ…つまらないんだぜ…」
もはやそれしか言う事はない。
そんなゲスまりさを飼い主は観察していた。


「どうやら効果はなさそうだな…」
飼い主はゲスまりさの様子を見てそう判断する。

飼い主は様々なやり方を思索してみていた。

この飼い主はゆっくりブリーダーにしてゆっくりの研究者でもあった。
むしろ研究者の方が本業である。
男はゆっくりのゲスは直せるのかどうかを試してみていた。
まあ試しにやってみた程度なのであまり効果に期待はしていなかった。

まず小手調べに飼い主はゲスまりさがやってきた事をゲスまりさ自身に味合わせてみる事にした。
圧倒的実力で無理矢理自分の意見を我が儘に捩伏せられる屈辱を味合わせてみた。
その為に金バッジれいむに「ゲラゲラ」なんて普段絶対やらない笑い方をさせたり、見下した態度のゲスを演じさせたのだ。
しかし途中から金バッジれいむが冷静でいられなくなって演技抜きでゲスまりさを殺そうとした。
それは飼い主の知る限り普段は忠実な金バッジれいむがあそこまで怒りをあらわにするのは珍しい事だったので正直想定外だった。
それを考慮し、今までやってきた行いをそっくりそのまま返される屈辱を味合わすのは金バッジれいむにとっても拷問になるので中止した。
次に飼い主が試したのは金バッジれいむの飼いゆっくり教育を無理矢理見せる事だった。
これは有り得ないと予測していたが万に一つの可能性として授業を受ける事で何か変化があるかもしれないと期待したのだが、結果は一番つまらないものだった。
赤ゆっくり達を恨むでもなく、授業の内容を聞いて自分の行いを後悔する事もなくただつまらないと一蹴するという飼い主にとって最も予測の簡単な面白みのない結果だった。

「そろそろいいか…」
飼い主はゲスまりさを見て判断する。
今回の教育風景を無理矢理見せるのはゲスまりさをある程度回復させる意味合いもあったからだ。
これから先ゲスまりさにはゆっくりとは程遠い目に遭ってもらう事になる…。
金バッジれいむ程ではないが、飼い主にも怒りはある。
自分の許から去り、庇護が無くなったのだから殺されても文句は言わない…言うつもりはなかった…。
だが目の前のゲスまりさは飼い主の今まで見た中でも一、二を争うゲスだ。
そして、れいむの妹の死に様は飼い主の予想を超えて吐き気を催すものだった。
エゴであり、自己満足である事等百も承知だ。
その上でこのゲスまりさをゆっくりさせなくする事を誓ったのだった…。



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「ゆぎゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!?」
ゲスまりさは跳び起きる。
ゲスまりさが見る夢は悪夢しかない。
子供の死に際の憎悪がゲスまりさに少しでも安寧を与える事は許さなかった。

「ゆひぃ…ゆひぃ…なんでまりざがごんなべに…」
ゆっくり出来ない突起のせいでなかなか寝付けない中でやっと眠れたとしても確
実に悪夢。
それは飼い主が予測したものではないがゲスまりさの肉体ではなく精神を日に日
に苛んでいく。
だが単純なもの程意外と丈夫であるように単純なゆっくりはノイローゼにはなり
にくい。
基本的に死にやすい分、そういう点には無駄に強いのだ。
それに自分が何をしても絶対に正当化するゲスまりさがそんな程度で死ぬ訳がな
い。
そもそも飼い主が死なせない。

「ゆぎぎ…あのじじい…」
自分の今の状況に対してゲスまりさは恨みを募らせる事で何とか自己を保っていた。

『じねぇ…じねぇ…』
最初は痛みと共に聞こえた声も今は当たり前のようにすぐ側に聞こえてくる。
まるで隣にいるかのように…。

「うるざいんだぜ…しんだやつはだまってしんでるんだぜぇ…」
慣れてしまったのかゲスまりさはいもしない幻聴に憎まれ口を叩く。
騒いでも誰も来ない。
金バッジれいむはれいむ自身の願いで別室に行っている。
やはり無理に演技させたのと妹の仇の隣にいながら殺意を抑えさせるのは結構な
負担のようだった。
飼い主とてこいつに二匹も殺させてやるつもりはない。
だから代わりを用意した。
「ゆぴ~すぴ~…」
適当に飼い主が連れて来た野良れいむが高鼾をかいている。
こいつに金バッジれいむのリボンの模造品を付けさせてある。
あの日からあの部屋は見せないようにし、このれいむと二人っきりで過ごさせている。
飼い主はゆっくりの飾りの認識する特徴を見極め、その特徴を誤認させる事で同じ個体が二体いるように錯覚させる事に成功していた。
そもそも目の前で取れば飾りが無くなっても個体を認識出来、傷や破損が付いただけでゆっくり出来ないと認識されるという事は言い換えれば目の前で変化すれば大丈夫という事であり、尚且つその特徴があまりに大きいと間違えてもおかしくないという事でもある。
だから飼い主は敢えて金バッジれいむの金バッジをリボンに目立つように付けさせたりして強いイメージを抱かせる事にした。
その結果ゲスまりさも疲弊した状態もあり、入れ代わりに気付く事はなかった。
最初の頃はマジで金バッジれいむ自身がやっていたから疑いもしない。

「ゆぎぎ…あのふかふかざんはまりざのぼのなのにぃ…」
ゲスまりさはれいむに対しても憎悪を深めていた。
虎視眈々と目の前で惰眠ぶっこいているれいむを殺すチャンスを待っていた。
そのれいむが金バッジれいむとは別のゆっくりである事にも気付かずに…。



――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――



「うめぇ!!これめっちゃうめ!!」
偽金バッジれいむはゲスまりさの目の前で美味そうに汚らしく御飯を貪っていた。
「む~しゃ…む~しゃ…ふしあわせ~…」
それを見ながら味もへったくれもないゆっくりフードを食べるゲスまりさ。
飼いゆっくりになったというのに生活はまるで良くならない。
そればかりか金バッジれいむに邪魔をされ、ゆっくりする事も出来ない。

『いずれじじいもあのれいむもころしてあのあかゆっくりどもをどれいにしてまりさのゆっくりプレイスにしてやるんだぜ…』
雲をも掴む話を妄想しながらゲスまりさは食事をする。
食わなければ勝てるものも勝てない。
まずいのを我慢して食事を続ける。

「こんなんじゃたりないよ!!はやくあまあまをもってきてね!ぐずはきらいだよ!!」
偽金バッジれいむは我が儘放題を言う。
「はいはい」
飼い主は文句を言いながら食事を渡す。
ゲスまりさの食事を…。
「ゆ!?ちょっとまつんだぜ!!
それはまりさの…!!」
「…黙れ」
ゲスまりさが文句を言おうとするが飼い主は一言だけ告げてゲスまりさの餌を偽金バッジれいむに渡す。
「おそいよくそどれい!!ごはんおいたらさっさとでていってね!!」
「……………」
飼い主は偽金バッジれいむに一言も答えず、目の前にまりさの食事を置いて出ていく。
このれいむはペットでも何でもないただの道具だ。
一々道具と話すつもりは飼い主にはなかった。

「まったくむのうはこれだからいやだよ!!」
偽金バッジれいむは悪態を付きながらゲスまりさの食事を口に含む。
そして、
「ゆううう!!?」
吐き出した。
甘味もへったくれもないまさに生きる為だけの食事。
さっきまでの食事も実は残飯であったのだがゲスまりさの食事よりは味があって
美味しかっただろう。あからさまに不快そうな顔をする。
「ぺっぺッ!!こんなまずいのたべられないよ!!じじいはなにかんがえてるの!?ばかなの!?しぬの!?」
ゲスまりさの食事を勝手に食っておいて好き放題叫ぶ偽金バッジれいむ。
「こんなんじゃゆっくりできないよ!!
まずいごはんはれいむがせいっさいするよ!!」
「ま…まって…」
ゲスまりさが止めようとする。
しかし、
「しーしーするよ!!かわいいれいむがしーしーするよ!!!
すっきりーー!!」
恍惚した表情でゲスまりさの食事にしーしーを撒き散らす偽金バッジれいむ。

「ゆあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!?」
ゲスまりさが悲痛な叫びを上げる。
今いる部屋から出る事も出来ないゲスまりさからすれば唯一の食糧。
それが勝手に奪われたどころか汚物塗れにされたのだ。
ショックを受けてもおかしくない。

「うんうんするよ!!かわいいれいむがうんうんするよ!!」
それだけでなく偽金バッジれいむは容赦なくうんうんまで振り掛ける。
これでもうゆっくりからすればゲスまりさの食事は残飯以下のものに成り果てた。

「まだ食ってないのか?」


飼い主が無表情な顔で呟く。
「ゆ!?こんなのたべられないよ!!
じじいはさっさとべつのあまあまもってきてね!!」
偽金バッジれいむは飼い主を罵倒する。

好き放題だが、あまりにも度が過ぎたらゲスまりさに別のゆっくりだとバレるか
わからない。
ここらで灸を据える事にした。
「食える食えないじゃない、食え」
「ばかなじじいはなにいってるの!?あんなゆっくりしてないのたべられるわけ…」
飼い主は偽金バッジれいむと会話をする事はしない。
道具と話す必要性などないからだ。
だから言葉の代わりに偽金バッジれいむに届けられたのは飼い主の蹴りだった。
「ぷげぇ!!?」
偽金バッジれいむは飼い主の蹴りをまともに受け転がる。
「いぢゃいよ゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛!!?」
顔面に爪先がめり込む蹴りを喰らったのだ、痛くない訳がない。

「二度は言わない」
「ゆ゛…がわいいでいぶにごんなごどじで…ぐびゅ!!?」
飼い主は容赦なく偽金バッジれいむを踏み付ける。
「ゆぎぃ!!」とか声をあげて偽金バッジれいむは飼い主の踏み付ける足から逃
れようとするが大柄の部類に入る飼い主の重量を跳ね退ける力なんて偽金バッジ
れいむにありはしない。
「わかったか?」
「でいぶをふぶなぐぞじぎゅう゛う゛う゛う゛!!?」
偽金バッジれいむの口から少量の餡子が出る位まで踏み付ける。

「これはもう一度言うぞ。わかったか?」
「わぎゃ、わぎゃりまびだぁ…」
偽金バッジれいむがへこみながら答える。

「ぷっくくくく…いいきみなんだぜ…」
それを見てゲスまりさは笑う。
偽金バッジれいむが痛い目を見て、久し振りにゆっくり出来たようだ。
違うゆっくりだとは気付いていないようだ。
性格と態度が違うのに気付かないのはつくづくゆっくりの思い込みの強さがよくわかる。

「……なにがおかしいの?」
「ゆゆ!!?」
すると、ゲスまりさに向けて怒りを露にする偽金バッジれいむ。
怒りの矛先がゲスまりさへと向けられる。
飼い主に痛め付けられたとはいえでっぷりと太った健康なれいむと殆どゆっくり出来ず疲弊しているゲスまりさでは相手にもならない。

「ぐずなまりさのくせになにれいむをわらってるの?ばかなの?しぬの?」
偽金バッジれいむは飼い主に攻撃された鬱憤をゲスまりさで晴らす事にしたようだ。
「ゆ、ゆぐぐ…」
一度の敗北はゲスまりさに思いの外深いトラウマを植え付けていた。
何をしても何の効果も与えられずただ一方的に蹂躙されたあの出来事。
中途半端に賢しいゲスまりさはなまじ理解してしまったのだ。
あのれいむには勝てないと…。
プライドでは否定しているが本能ではそう思っている。
実際目の前にいるのは別のれいむだったがゲスまりさが同じだと思い込んでしまえば同じだった。

「ぐずがれいむをわらう゛なぁッ!!!」
「ゆぎぃ!!?」
偽金バッジれいむの体当たりがゲスまりさに当たる。
「ゆぎぃ…」
疲弊したゲスまりさでは偽金バッジれいむの体当たりを耐えたり回避したり出来る訳無く、不様に転がっていく。
「ゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラ!!!ぐずにはおにあいなすがただね!!ゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラ!!!」
「ゆぐぅ…」
自身も知らぬ虎の威を借りた偽金バッジれいむの嘲笑に涙するゲスまりさ。
だが完璧と思っていた技が全て効かなかったショックは思いの外大きく、偽とはいえ金バッジれいむに対しての恐怖はとてつもないものだった。

「ゆぎぎぎ…ゆるさないんだぜ…」
しかし、同時にゲスまりさのプライドもそれに負けず劣らずとてつもないものであった。
「ゆ?くずがなにかいった?」
偽金バッジれいむがゲスまりさの言葉に反応する。
偽金バッジれいむは散々痛め付けるつもりだ。
それはサンドバッグとしか思っていない。

「ゆぐぐぐ…」
ゲスまりさ自身ではどうしようもない相手にゲスまりさは悔しげに呻く。
何か秘策がある訳でもない。
だがこのまま何もしないのはゲスまりさのプライドが許さない。
その結果、
「ゆっくりしていってね!!」
自棄になったゲスまりさは効きもしない手段を用いた。
本来なら何の意味も為さず一笑に伏させれる手段。
しかし、
「ゆっくりしていってね!!」
偽金バッジれいむはゲスまりさの望んだ反応をした。

「ゆ?」
ゲスまりさは困惑した。
かつて何度も試したのに起こらなかった事…それが駄目元で試した今功を奏したのだ。
まさか目の前にいるのがゲスまりさをボコボコにした金バッジれいむとは別の本来なら銀もとれない駄ゆっくりだと気付いてもいないゲスまりさは自分の戦法は正しかったと確信した。

だが、
「ゆっくりしないでじねぇ!!!」
「ゆんぴぃ!!?」
元々の状態が勝負にならないので全く意味が無かった…。

「ゆぴぃ゛…」
偽金バッジれいむに痛め付けられたゲスまりさ。
「やすんでいいなんてだれがいったの?」
「ゆ…ぎぃ…」
ゲスまりさの髪の毛を偽金バッジれいむは引っ張る。
そして、
「さっさとたべるんだよ!」
ゲスまりさを餌のある容器へ体当たりして顔面から突っ込ませた。
「ぶぎゅう゛う゛!!?」
ゲスまりさは顔面が餌まみれになる。
この餌はさっきまでゲスまりさが食べていたもの。
そして…偽金バッジれいむのしーしーとうんうんが入れられたものでもある。
「ゆあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ばっぢい゛んだぜえ゛え゛え゛え゛!!!?」
ゆっくりだって他者の排泄物等食いたくもない。
だが、
「さっさとたべないとゆっくりできなくするよ!!!」
偽金バッジれいむがそれを許さない。
「ゆぶぶぶう゛う゛う゛う゛!!?」
偽金バッジれいむにのしかかられ、ゆっくりにとっての汚物まみれの餌に顔面から埋まってそれを食う事を強制されるゲスまりさ。
かつて仲のよい姉妹の遺品を生き残った方の姉妹ゆっくりに喰わせた時のようにゲスまりさは強制される。
最もこちらの方がその姿は遥かに醜悪だったが。
「れいむのうんうんはとってもゆっくりしてるんだよ!!
だからばっちいなんていうまりさはせいっさいするよ!!」
「ぶぎゅう゛!!?」
偽金バッジれいむはゲスまりさを何度も踏み付ける。
「ぐずがれいむのうんうんをたべられるなんてかんしゃするのがとうぜんなんだよ!!」
「ぴぎぶぅ!!?」
「それなのにばっちいだなんていうばかなまりさはゆっくりくるしんでね!!」
「ゆぎゃひぃッ!!?」
「れいむのし~し~さんはおほしさまよりもきれいなんだよ!!
れいむのうんうんはほうせきよりもかちがあるんだよ!!
それなのにそれをばっちいなんていうゲスなまりさはからだでおしえてあげるよ!!!」
「ゆぎい゛い゛い゛!!?」
何度も何度も踏み付けられ、れいむのうんうんとし~し~で味付けされたゲスまりさの餌に新たに自分の中身の餡子が仲間入りする。

「ゆっくりしないでさっさとそのゴミをたべるんだよ!!ぐずぐずしてるとせいっさいするからね!!」
偽金バッジれいむはそうゲスまりさだかゴミだかわからないものに唾を吐き捨て見向きもせずにふかふかの自分用のベッドです~やす~やし始める。お絵かき途中で飽きたのか色鉛筆が散乱し、くしゃくしゃになった紙がそこら中に散らばり、積み木やぬいぐるみといったおもちゃも乱している。
偽金バッジれいむがここに住み始めて三日も経過していないのによくここまで荒れ果てさせられたものだと感心できる。

「ゆぎぎぎい゛……ぜったいにごろじでやぶう゛う゛う゛…!!」
一方ゲスまりさは怒りの形相を浮かべる。
しかしそれとは裏腹にゲスまりさの思考は冷静だった。
屈辱を受けてどうしようもない怒りが身を包む。
しかし、同時にその屈辱を晴らそうとする為の計画を練るという冷静さもあった。

『あのれいむはまりさの“ゆっくりしていってね!!”にひっかかったんだぜ!やっぱりまえはズルしてまりさをだましてたんだぜ!!』
ゲスまりさの伝家の宝刀“ゆっくりしていってね!!による強制不意打ち”が効果を為せば俄然勝率は高くなる。
それが効果があるとわかれば金バッジれいむに対する恐怖は半減する。
偽金バッジれいむが今の状況にあるのはゲスまりさの中で金バッジれいむが勝てない存在だと思い込ませる事が必須だった。
それが無くなった事を偽金バッジれいむは気付いていなかった。
ゲスまりさは我慢して、比較的綺麗な部分のみを食べて体力を回復させて反撃の作戦を練り始めた……。


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――



「なんでたべてないの!!?ばかなの!?じぬの!?」
昼寝が終わって目を覚ますとうんうんまみれの食事が少しも減っていない。
飼い主はそれを見て食い終わるまで食事を与えないと告げたのだ。
当然偽金バッジれいむは文句を言ったが飼い主がとりあう事なく肉体言語(主に足)で黙らさせられた。
当然その鬱憤はうんうんまみれの食事を食わなかったゲスまりさに向けられる。

「………………」
「いいがらざっざとそれをぐえ!!
じゃないどでいぶがゆっぐりでぎなくさぜるよ!!!」
いつものように怒鳴り散らす偽金バッジれいむ。
しかし、
「………………」
ゲスまりさは何も言わない。
ただ餌の中に埋もれたままでいる。
まるで偽金バッジれいむ等いないかのように…。
それが偽金バッジれいむに許せなかった。
「でいぶをぶじずる゛なあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!べんじじろ゛お゛お゛お゛お゛お゛!!!」
聞こえていない筈ないのに何の反応もしないゲスまりさ。

むしする!?
だれよりもゆっくりしたれいむを!!?
みただけでにんげんもゆっくりもいぬもねこもれみりゃもふらんもみんなみんなよろこんでどれいになるくらいのゆっくりっぷりのれいむを!!?
れいむいがいのすべてのいきものはれいむのどれいになるためにうまれるのにこのれいむをむしするなんてゆるぜない!!!

妄想の中でどんどん増長していく偽金バッジれいむ。
一週間前は公園でごみ箱漁るような惨めな生活だったのも既に記憶にない。
そんな増長度合いが半端ない偽金バッジれいむの判断基準はもう暴君みたいなものだ。
神=偽金バッジれいむという図式が頭の中で確定している偽金バッジれいむには自身を無視するの即刻死刑にも等しいのだ。
飼い主はあのまりさを殺すなと偽金バッジれいむは言われていたが知った事ではない。
もし自身に文句を言うのならば殺せばいいだけだ。
ついさっき散々痛め付けられたのも忘れて偽金バッジれいむはゲスまりさに近付く。
しかし、

「ゆっくりしていってね!!」
ゲスまりさの一声に偽金バッジれいむは硬直した。
そして、
「ゆっくりしていってね!!」
偽金バッジれいむは反射的に答えた。
次の瞬間、ゲスまりさは餌の中に隠していた色鉛筆を口にくわえて偽金バッジれいむの左目に突き刺した。
「ゆんぎゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ッ!!!?」
まさか見下していたゲスまりさにこんな事されるとは思わなかった偽金バッジれいむはみっともなく悲鳴を上げる。
「まだまだだぜぇ!!!」
ゲスまりさは色鉛筆を引き抜き、再び突き刺す。
右目を狙ったが先程のように隙だらけではなかったので、眉間の辺りに突き刺さる。
「ゆびい゛い゛い゛い゛い゛!!?」
結局突き刺さった事は変わらない。
痛みに喘ぎ、コロンと仰向けになる偽金バッジれいむ。
そのせいでゲスまりさは色鉛筆を手放してしまう。
だがここまでダメージを与えれば暫く行動不能になるとゲスまりさは考えた。
しかしこの偽金バッジれいむもゲスまりさに負けず劣らずのゲス。
「どれいがでいぶにでいごうずぶな゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!」
眉間に鉛筆が刺さったままゲスまりさに襲い掛かる偽金バッジれいむ。
元々の地力は偽金バッジれいむの方があるのだ。
まともに戦えば偽金バッジれいむは勝てる。
その慢心をゲスまりさは逃さなかった。
「ゆっくりしていってね!!」
再び「ゆっくりしていってね!!」と叫ぶゲスまりさ。
偽金バッジれいむの身体が強張る。
ぷるぷると震え、必死に言わぬように我慢する。
しかし、本能には逆らえない。
簡単に逆らえるならば世の銀バッジは殆ど金バッジになっている。

「ゆっくりしていってね!!」
結局偽金バッジれいむは逆らえず挨拶を返す。
その隙をゲスまりさは逃さない。
偽金バッジれいむに突き刺さった色鉛筆を抜き取り、今度こそ右目に突き刺した。
「ゆぎゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!?でいぶのつぶらなおぶがあ゛あ゛あ゛あ゛!!?」
両目を潰されてはもうどうしようもない。
じっくりとゲスまりさに嬲り殺されるだけだ。
しかし偽金バッジれいむは諦めが悪かった。
「ゆう゛う゛う゛う゛う゛!!!おがえじだよ゛!!!ゆっく…」
“ゆっくりしていってね!!”を言ってゲスまりさを止めようとする偽金バッジれいむ。

しかし、
「りし「ゆあ゛ッ!!!」ね!!」
偽金バッジれいむの言葉に大声で割り込むゲスまりさ。
その結果「ゆっくりしていってね!!」の言葉自体がゲスまりさには伝わらず、意味を為さなかった。
その方法を多用するものがそれの対処法を持っていても何の不思議でもない。
ゲスまりさはゲスで尚且つ狡猾だ。
おそらくあのゲスホイホイの男に会わなければ好き放題出来ていただろう。
だが出会った。それが全てだ。

「ゆっくりじねぇッ!!!」
視力を失い、隙だらけになった偽金バッジれいむにゲスまりさは体当たりする。
「ゆぶぇ!!?」
色鉛筆が右目に突き刺さったまま弾き飛ばされる偽金バッジれいむ。
ここまでされて偽金バッジれいむに勝ち目等ない。

「い゛ぢゃい゛よ゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛!!?」
「うるさいんだぜ!!!」
「ゆんや゛あ゛!!?」
偽金バッジれいむにボディプレスするゲスまりさ。
口から餡子をポンプみたいに吐き出す偽金バッジれいむ。
「どんなきぶんなんだぜ?ゲスでクズにこんなめにされるなんて。きっととってもいいきぶんなんだとおもうぜ!
だってまりさはいまきぶんがとってもいいんだぜ!ひさしぶりにとってもゆっくりしてるんだぜ!!」
邪悪な笑みを浮かべて偽金バッジれいむを見下ろすゲスまりさ。その顔は明らかに狂人の相だった。
「だまれ゛ぇ!!!ぐぶがでいぶにざばるな゛ぁッ!!!ごろじべやぶう゛う゛!!!ぜっばいにごぼぢでやぶう゛う゛う゛う゛!!!」
「それはこっちのせりふなんだぜっと…!」
ゲスまりさは偽金バッジれいむの右目に突き刺さった色鉛筆を抜き取る。
先が尖っていた分そこら辺の枝よりも刺しやすかった。

「ゆんぎひい゛い゛い゛い゛い゛い゛!!?」
偽金バッジれいむは醜い悲鳴を上げる。
それを聞く度にゲスまりさは爽快な気分になっていく。
だがまだ終わらせない。

「しょくじのじかんなんだぜ!」
「ゆぶう!?」
偽金バッジれいむはゲスまりさに体当たりされ、顔面からうんうんとし~し~まみれの食事に顔面から突っ込む。
「ゆあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!?ぎだばい゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛!!?」
自分のうんうんとし~し~を顔面に浴びた偽金バッジれいむ。
「うるさいんだぜ!!」
「ぶぎゅるばあ゛ぁ!!?」
そんな偽金バッジれいむにのしかかるゲスまりさ。
数時間前とは真逆の光景だ。

「おかしいんだぜ?れいむのうんうんはとってもゆっくりしてるんじゃなかったんだぜ!?
れいむのうんうんをたべられるなんてかんしゃするのがとうぜんなんじゃなかったんだぜ?
れいむのし~し~さんはおほしさまよりもきれいなんじゃなかったんだぜ!?
れいむのうんうんはほうせきよりもかちがあるんだっていったんだぜ!!
だからきたないなんてしつれいなんだぜ!!そんなこというれいむはゆっくりくるしむんだぜ!!!」
「ゆぶえ!?ゆびぃ!!ごべら!!?」
何度も、何度も、今までの復讐とばかりに偽金バッジれいむを踏み付けるゲスまりさ。

「やべで!?ぐば!?ざい゛い゛い゛い゛い゛!!?」
顔面を残飯以下に成り果てたもので汚し、口から餡子を吐き出しながら偽金バッジれいむは謝罪する。
ゲスまりさとてすぐに殺すつもりはなく、踏み付けを止めた。
「ごべ…なざ…」
目を潰され、汚物塗れになりながら惨めに謝罪するその姿はまさに醜悪と言って差し支えない。
それを見ながら優越感に浸るゲスまりさ。
散々痛め付けられた恨みつらみが偽金バッジれいむにぶつけられていく。
「ゆっふ~。だいぶすっきりしたんだぜ。けどまだまだたりないんだぜ!」
そう言うとゲスまりさはブスリと偽金バッジれいむの身体に色鉛筆を突き刺す。
「ゆぴいいいいいいいい!!?」
「いいこえなんだぜ。ぶたみたいなんだぜ」
下卑た笑みを浮かべるゲスまりさ。
「いぢゃいよ゛お゛お゛お゛!!?
もうやばあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!?」
泣き叫ぶ偽金バッジれいむ。
まさか偽金バッジれいむ自身もこんな事になるとは夢にも思わなかったのだろう。
泣き叫ぶ偽金バッジれいむにゲスまりさは問い掛ける。
「たすけてほしいかだぜ?」
「ゆゆう!?ゆっくりしないではやぐたすげでね!!ぐずはぎぎゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!?」
傲慢な態度を取ろうとした偽金バッジれいむにゲスまりさは色鉛筆を突き刺す。
「ずがたかいんだぜ。このままゆっくりできなくしてやってもいいんだぜ?」
そう言いながらゲスまりさは色鉛筆の先を偽金バッジれいむの皮になぞらせる。
「ゆひいいい!!?」と奇声を上げる偽金バッジれいむ。

「まりさはかいぬしのじじいとちがってやさしいからもういちどいうんだぜ。たすけてほしいかだぜ?
ちゃんとていねいにこたえるんだぜ」
そう言いながらゲスまりさは何度も何度も色鉛筆の先で偽金バッジれいむを突き弄ぶ。

「ゆひぃ!?お、おねがいじはぶう゛う゛…だぶべでぶばはいいぃ…」
もはやプライドもへったくれもない。
卑しく命乞いするしか偽金バッジれいむには出来ない。
『ごろじでやぶう゛う゛う゛う゛…!!
どれいがきだらおばえなんがずぐにゆっぐりでびなぶじでやぶんだばらあ゛あ゛あ゛…。
だばらざっざどごいぐぞどれい゛い゛い゛い゛い゛!!!だれのおがげでゆっぐびでぎでぶとおぼっでんだあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!』
内心では見下したまま…。
それに少なくとも偽金バッジれいむのおかげでゆっくりできたものは人間、ゆっくり問わず誰もいない。

「そうかだぜ。ならじょうけんがあるんだぜ」
そうゲスまりさは言い、クルンと色鉛筆の尖っていない方の先を向けて偽金バッジれいむに押し付けた。
「ぷぎゅ!?」
その結果偽金バッジれいむは再び顔面から深く元食糧に突っ込む。

「それをぜんぶきれいにむ~しゃむ~しゃしたらたすけてやってもいいんだぜ!!」
「ゆゆう!!?ぞんなごど…」
「できなかったらゆっくりできなくなるだけなんだぜ」
「ゆひいいいいいいいい!!?」
流石に両目を奪われれば冗談ではない事位はわかる。
だがじぶんのうんうんやし~し~がまざったものをはい、わかりましたと食える訳がない。
「まりさはきがあまりながくないんだぜ!!
みっつかぞえるまでにやらなかったらせいさいするんだぜ!!」
ゲスまりさはそう言って数え出す。
「さ~んだぜ~、に~いだぜ~♪」
ゲスまりさは偽金バッジれいむにわざと考える時間を与えるように数えていく。
「い~ちだぜ~♪」
「ゆ…ゆぎぎぎ…」
偽金バッジれいむはこれ以上ない位強く歯を食いしばる。

「ゆあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!」
偽金バッジれいむには助かる手段は一つしかなかった。
潰れた目から餡子色の涙を流しながら自分のうんうんとし~し~がまみれたものを食う偽金バッジれいむ。

「ゲラゲラゲラゲラゲラゲラ!!!
ゆっくりあじわうんだぜ!!
これはまりさからのさーびすなんだぜ!!」
その様子を見て下品な笑いをしながらまりさはしーしーを偽金バッジれいむにかける。
「ゆぎゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!?
ぎぢゃない゛い゛い゛い゛い゛!!?」
偽金バッジれいむはゲスまりさのしーしーを全身で浴びる。
「きたないなんてしつれいなこというんじゃないんだぜ!!!
まりさのしーしーをあびてかんしゃしてほしいくらいなんだぜ!!」
そう言いながらゲスまりさは色鉛筆で偽金バッジれいむを突き刺す。
「ゆぎゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!?」
「ごちゃごちゃうるさいんだぜ!!
しゃべってるひまがあったらさっさとたべるんだぜ!!」
「ゆびい゛い゛い゛い゛だぶべでえ゛え゛え゛え゛え゛え゛!!?
ゆぎゅう゛あ゛あ゛あ゜あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!?」
黙らない偽金バッジれいむに黙るまで色鉛筆を突き刺しを繰り返す。

「ゆぎ…ひぃ…」
死なない程度に穴だらけにされた偽金バッジれいむが一言も話さず死んだように食事を続ける。
「はやくたべおわらないとこんどはえいえんにゆっくりさせるんだぜ!!」
チクチクと色鉛筆で軽く突く。
「ゆひいいいいいいい!!?」
それに恐怖して叫べば、
「やかましいんだぜ!!」
色鉛筆で刺される。
致命傷には至らない絶妙な加減だ。
飼いゆっくりの時点から野良ゆっくりを暇潰しに殺していたゲスまりさは下手な虐待お兄さん並の技量を持ち合わせていたのだ。
「ゆぎ!?…ぎ…ぎひぃ…」
痛みで叫び声をあげればまた刺さられる。
必死に痛みに耐えてゴミを食わなければならない。
その屈辱をゲスまりさは楽しみながら色鉛筆で軽くつついたり、なぞったりする。
ゲスまりさは楽しかった。愉しかった。
かつてやられた屈辱を全てぶつけられたのだ。
人間にならばまだしも同じゆっくりに完膚なきままに叩きのめされたのは我慢ならなかった。
ゆっくりの中では最強と自負していたゲスまりさは金バッジれいむ(本物の方)に負ける事実だけは認める訳にはいかなかった。
それが間違いだったとわかった今、ゲスまりさはすっきりした気分を味わっていた。


「げ、げぶぅ…た、たべおばでぃまじだ…」
そうして、遂に偽金バッジれいむはゴミを完食した。
『ゆぎぎ…どうじでじじいがごないのおおお…!?』
偽金バッジれいむはいつまでも来る気配のない飼い主に苛立っていた。
偽金バッジれいむは気付いていない。
飼い主は偽金バッジれいむをこの部屋に住まわせてから三食の食事を持って来る時にしか偽金バッジれいむ達の前に現れないと言う事に…。
食べ切ってなかったせいで飯抜きになってからまだ二時間も経過していないのに来る訳がない。
それをゲスまりさは理解していたが偽金バッジれいむは理解していない。
まぁゲスまりさも飼い主に邪魔されずれいむを弄ぶ位のものとしか思っていないが。
飼い主にとって大事であろうれいむ(本物の方)を殺されたと知った時のショックであろう飼い主の顔を想像するだけでゲスまりさは悦に浸れる。
その後自分がどうなるか考えてないところはやっぱり餡子脳だが。
脱出出来ぬようにされた部屋ではゲスまりさにはどうしようもない。
それとも、ゲスに有りがちな人間に勝てるという夢想を抱いているのかもしれない。
ゲスまりさはその短い天下に酔いしれていた。
ゲスまりさは偽金バッジれいむが本当に食べ終わったのを見届け、
「それじゃ、おわりにしてやるんだぜ!!」
「ゆ?なびを…」
偽金バッジれいむがゲスまりさの言葉に不穏な何かを感じて尋ねようとした時、ゲスまりさのくわえた色鉛筆が偽金バッジれいむのど真ん中を貫通した。

「ゆぎょあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!?」
今までとは違った断末魔を意味するような絶叫。
ゲスまりさの色鉛筆が綺麗に偽金バッジれいむの中枢餡を貫いた。

「こひゅ…」
口から大量の吐餡をする偽金バッジれいむ。
明らかに致命傷だ…。

「ごくろうだったんだぜ。おれいにえいえんにゆっくりさせてやるんだぜ!かんしゃするんだぜ!!
ゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラ!!!」
ゲスまりさは最大級の嘲笑を偽金バッジれいむに向ける。
もし偽金バッジれいむの目が見えていたらそれだけで憤死しそうな位の嘲笑だった。
「ゆぎ…じ…ねぇ…」
今はもう何処にいるかもわからないゲスまりさに偽金バッジれいむは精一杯の恨み言をぶつける。
だがそんなもの何の意味もないのをゲスまりさは知っている。
そっと偽金バッジれいむに近付き、囁くように告げた。
「し・ぬ・の・は・おまえなんだぜ!!!ゲラゲラゲラゲラゲラ!!!ゲーラゲラゲラゲラゲラゲラ!!!」
ゲスまりさは高笑いする。
目が潰され、ゲスまりさがどんな表情をしているのかわからない。
しかし、偽金バッジれいむを見下しているのは確実だろう。
「やじゃ…やじゃあ゛ぁ…」
こんなところで死にたくない。
まだまだゆっくりしたりない。
こんなクズにゆっくり出来なくされるなんて嫌だ。
どうして何にも悪い事してないれいむがこんな目に…。

偽金バッジれいむは自身の不幸を嘆く。
幸福なゆん生が約束された筈のあまりにも悲劇的な運命の悪戯に…。

『じびだぶない…ぼっど…ぼっどゆっぐびじだいよ゛ぉ……』
意識が薄れていく…。
中枢餡を綺麗に貫かれた偽金バッジれいむに助かる術はない。
ゆっくりをいたぶり殺すのに関してはゲスまりさは高い力量を持っていた…。
「ゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラ!!!」
「やじゃ…」
偽金バッジれいむはゲスまりさの侮蔑の高笑い子守唄に永遠の眠りについたのだった…。


「やったんだぜ!!
あのむかつくれいむをころしてやったんだぜ!!!」
気分爽快、喜色満面。
これ以上ない位すっきりした笑みを浮かべてゲスまりさは言う。
「ばかなれいむがこうなるのはとうぜんなんだぜ!!!
まりさにさからったむくいをうけるんだぜ!!」
そう叫んでゲスまりさは何度も、何度も色鉛筆で貫き、踏み付け、原型がわからなくまで偽金バッジれいむの遺骸を攻撃する。

「ゆふぅ…ゆふぅ…これがちからのさなんだぜぇ…」
もはや誰もゆっくりだと思わない…むしろ饅頭だとも気付けない程酷い有様となった時点でようやくゲスまりさは偽金バッジれいむへの攻撃をやめる。
「まったく…まりさにさからうからこうなるんだぜ…」
やれやれ、と出来の悪い子供に呆れるようにゲスまりさは呟き、
「すこしつかれたからねむるんだぜ!」
と誰に言うでもなく宣言し、跳ねていく。
ゆっくり用の偽金バッジれいむが眠るのに使っていたベッドに…。
「やっととりかえしたんだぜ!このべっどはこうきゅうなまりさいがいにはふさわしくないんだぜ!!」
散々好き勝手のたまいながらもベッドに入れば疲れが出て来てあっさり眠ってしまった…。
「す~やす~や…」
それがゲスまりさにとっては短い天下の終わりの幸せである事も知らずに…。



――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――



「さっさとどいてね!!」
「ぶぎゅ!!?」
寝ていたゲスまりさの目覚めは痛烈な体当たりだった…。

「ゆ?なにごとだ…ぜええええええええええええッ!!?」
ベッドから落とされたゲスまりさは不満そうに目を開く。
するとその先には、
「ここはれいむのべっどだよ!!ばかなまりさがつかっていいものじゃないよ!!!」
殺した筈のれいむがそこにいた。
「ど、どどどうしていきてるんだぜ!!?まりさはちゃんところしたんだぜ!!」
「ゆ?なにいってるの?まりさなんかにれいむがころされるわけないよ!ばかなの?しぬの?」
混乱するゲスまりさに憮然とした態度のれいむ。

「れいむはおなかすいたよ!さっさとごはんもってきてね!!ぐずはきらいだよ!!」
れいむがゲスまりさに体当たりする。
混乱しているゲスまりさはそれに反応出来なかった。
「ゆぴゅう゛あ゛ッ!!!?」
コロコロと転がっていくゲスまりさ。

「いいざまだね!れいむがせいぜいこきつかってあげるからかんしゃしてね!!」
「ゆ、ゆひぃ…どうじべぇ…」
ゲスまりさは訳が分からない。
殺した筈のれいむが生きているからだ。
確実に原型を留められなくなるまで破壊したのに今目の前に無傷でいるのだ。
「なにじろじろれいむをみてるの!?どれいごときがみていいそんざいじゃないんだよ!!」
「ゆぶう゛!!?」
だがその疑問を考えている暇はゲスまりさには無かった。
体当たりで無理矢理黙らせられる。

「ゆぎう゛ぅ…」
こうしてゲスまりさは訳の分からないまま、考える暇なく死んだ筈のれいむとまた過ごす羽目になった…。


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――



「ゆひぃ…ゆひぃ…ざまぁみろだぜ…」
ゲスまりさはにんまりと笑う。
そしてその近くにかつてれいむであった残骸が転がっていく。
ゲスまりさは「ゆっくりしていってね!!」を使って再びれいむを殺害したのだ。
ゆっくりを殺す手際自体はここに来る以前から高いレベルであったゲスまりさには何等難しい事ではなかった。
「…でもまだあんしんするにははやいんだぜ…。
こままじゃれいむはまたふっかつするんだぜ…」
ゲスまりさはそう言いながられいむの残骸に近付き、
「いただきますなんだぜ!」
む~しゃむ~しゃとれいむを食べ始めた。
食って影も形も無くしてしまおうという魂胆のようだ。
「む~しゃむ~しゃそれなり~。やっぱりたべるならあかゆっくりがいちばんなのぜ」
不満そうに言いながらもゲスまりさは自分と大差ないサイズのれいむを完食した。
そこに残ったのは金バッジとリボンのみ。
「ねんのためにたべておくんだぜ…」
ゲスまりさは念には念をおしてれいむのリボンを食べることにした。
「ゆげえええ…まじゅいんだぜぇ…こんなのくえないんだぜぇ…」
しかし、リボンと金色のバッジの方を食う事は出来なかった。
「ゆぐう゛う゛う゛…たべずぎだんだぜえ…」
ゲスまりさはしょうがなく金バッジをそのままにして再びゆっくり用ベッドで眠り出した。
「す~やす~や…」
すると、音を立てぬように飼い主が部屋の中に現れた。
そうして手元に持っていた眠りこけているれいむに金バッジを取り付ける。
最初からリボンは寝ている間に取り替えてある。
ゆっくりのリボンは本来ゆっくりからは食べる事は可能なのだがこれは別の素材
なので食えないのだ。
飼い主はリボンだけを回収して部屋を出て行った。
これがれいむ復活の真相。
ゲスまりさはたったこれだけの事でれいむが復活したと勘違いしたのだ。
だが実際は生き返ってはいない。
今いるれいむとゲスまりさが殺したれいむは別ゆっくりだ。
ゲスまりさは知る由もないが、この部屋は隠しカメラによって逐一監視されていた。
ゲスまりさが殺したれいむはゲスまりさが眠ってからラムネの粉末をゲスまりさにかけて起きないようにして、こっそり回収してある。
あそこまで潰していたら処分は結構楽に終わったが掃除は面倒だった。
飼い主はそのまま死んだ偽金バッジれいむと同じようにリボンに細工してからゲスまりさを奴隷と説明して部屋に解放したのだ。
でいぶであれば最初から当然のようにゲスまりさを奴隷として扱うだろう。
最初の対面が上手くいけば後は勝手に思い込んでくれるので問題はない。
これが真実である。
だが、ゲスまりさにそれを知る術はない。
ゲスまりさはれいむが入れ代わった事にも気付かず、不死身のれいむという虚像と共に過ごす羽目となったのだった。



――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――



それからの日々はゲスまりさにとって存分にゆっくり出来ないものとなった。
自分に攻撃して来るれいむに対して何をしても状況を打開出来ないのだ。
いくら殺しても起きた頃には復活する。
それならばと寝ずに見続けていても飽きて結局寝てしまう。
それならばとあんよのみを潰して行動不能にして奴隷とする手法をとったが寝て覚めたら既に完治したれいむにまた痛め付けられた。
「なんで…なんでじなないんだぜぇ…」
戸愚呂兄みたいな事をゲスまりさは呟く。
ゲスまりさは恐怖していた。
殺せないゆっくりに…。
理解できないものに対して人は不快感と恐怖心を抱く。
それはゆっくりも同じだった…。

『じねぇ…』
「やだ…もうやなんだぜぇ…」
ゲスまりさの心労はピークであった。
寝れば悪夢。起きても時折来る我が子の呪詛…。
そして容赦なくゲスまりさを痛め付ける不死身のれいむ。
ここまでお膳立てされればゲスまりさも無事ではいられない。

「もうやじゃ…まりざづがれだんだぜ…」
今十度目の偽金バッジれいむ抹殺を果たしたゲスまりさは疲れ果てる。
しかし眠っても100%悪夢を見てしまう。
ゲスまりさに安息の場所なんて無かった…。



―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――



「そろそろ…仕上げるか…」
ゲスまりさが寝付いたのを確認し、飼い主は呟く。
大分ゲスまりさは金バッジれいむに恐怖心を抱いて衰弱している。
そろそろ飼い主も八つ当たりを終わりにしようと決めた。

「おにいさん…」
そんな飼い主の隣には本当の金バッジれいむがいた。

「どうした、れいむ?」
飼い主は話しかけれて返事する。

「おにいさん、れいむもういちどあのまりさとはなしがしたいよ!!」
金バッジれいむが意を決して告げる。
子ゆっくり達の面倒を見ることで気を紛らわせていたが心の何処かでけじめをつけなければならないとれいむは思っていた。

「れいむ…なら今度は殺そうとしないと約束してくれるな?」
「うん、だいじょうぶだよ。
れいむはこんどはしっかりやくそくまもるよ!!」
飼い主の言葉に金バッジれいむは真面目な顔で答えたのだった…。


『元銀バッジまりさの末路 終』に続く。



あとがき
下と書いているくせにまだ終わらないという詐欺。本気ですいません。
書きたい事がどんどん増えてきて終わらない。
時間が増える事で更に書きたい事が生まれる悪循環…。
年内最後の投稿がこのように中途半端となってしまい申し訳ございませんでした。
それでは、今回このSSを読んで頂き誠にありがとうございました。



過去に作ったSS

ふたば系ゆっくりいじめ 293 おかざりがないとゆっくりできないよ!
ふたば系ゆっくりいじめ 311 きゃわいきゅっちぇぎょめんにぇ!!
ふたば系ゆっくりいじめ 347 れいむはしんぐるまざーでかわいそうなんだよ!!
ふたば系ゆっくりいじめ 397 大好きだよ
ふたば系ゆっくりいじめ 447 おきゃあしゃんのおうちゃはゆっきゅちできりゅね!
ふたば系ゆっくりいじめ 521 元銀バッジまりさの末路 上
ふたば系ゆっくりいじめ 543 元銀バッジまりさの末路 中
ふたば系ゆっくりいじめ 630 かいゆっくりじゃなくてごめんね!! 上
ふたば系ゆっくりいじめ 631 かいゆっくりじゃなくてごめんね!! 下
ふたば系ゆっくりいじめ 669 おうちのなかでかわれなくてごめんね!!



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  • ゲスもキモくて殺したいけど他の
    登場人物もキモくて殺したい

    そしてなにより作者がキモい -- 2013-04-02 02:12:48
最終更新:2010年01月08日 18:56
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