ふたば系ゆっくりいじめ 796 Detroit Yugyaku City 2

Detroit Yugyaku City 2 24KB


虐待-普通 パロディ 自滅 ドスまりさ 現代 ぺにまむ どろわ・メタネタあり



【はじめに】

 二行です。
 開いてくださり、ありがとうございます。

 今回も某漫画のパロディであり、『ふたば系ゆっくりいじめ 497 DYC』の続編です。
 前作を読んでなくても、あんまり問題ありません。

 元ネタが地上波放送されるので、やるなら今しかないと思った。
 今年一発目がこれかよとも思うが、意外とゆっくりしている。


【登場人物紹介】

※ユハネ・ユラウザー2世 (ボーカル・ギター)
 インディーズを席巻する、デトロイト・ユギャク・シティのフロントマン。
 白塗りの顔に、額には『虐』の字。ウレタン製の鎧をまとい、ギターを奏でる。

 中の人は愛で派である。
 しかしテンションが上がると、元ネタ同様、ゆ虐メタルのカリスマと化す。

※アミャギ (ベース)
 白面長身のベーシスト。毎回衣装が変わるようだが、いちいち描写はしない。
 火を吹くゆ虐を得意とするが、名前に反して、アマギったりはしない。

※グミュ (ドラム)
 白面短身のドラマー。前作は『ブミュ』だったが、語感が悪いので改名した。
 楽屋では、いつも誰かと携帯電話で話している。

※社長 (マネージメント全般)
 メタルとゆ虐に人生を捧げた女社長。年齢不詳。
 前作のコメント欄にて、D.O女史に目を付けられた。

※豚まりさ (パフォーマー)
 全長2m半の元ドスまりさ。お帽子なし。ゆ虐演奏に花を添える、生粋のドMゆ。
 てんこ? 何それ、おいしそう。

※デトロイト・ユギャク・シティ (DYC)
 デスメタルにゆ虐の要素を加え、全く新しいメタルパフォーマンスを確立させたバンド。
 代表曲は「GYAKUTAI」「グロデスゆ」等。アルバムも近日発売。





【本編】

「ゴー・トゥー・DYC! ゴー・トゥー・DYC!」

 ステージは、まだ薄闇に包まれている。
 にも関わらず、聴衆はその名前を呼び続けている。
 ライブハウスは、窯の中のように、熱い。

 スポットライトが、灯る。
 光の輪の中にいたのは、人間ではなく、ゆっくりの家族。
 観客は、ここぞとばかりに、ブーイングを浴びせた。

 れいむ・まりさ・子れいむのテンプレ一家が、一段高い所で、ゆっくりしていた。
 不意に闇の中から伸びた手が、おちびちゃんをつかんで、垂直に放り投げる。
 番は、それをぼんやりと見上げていた。
 愛する我が子は宙を舞い、そして、ゆっくりと落下してくる。

「おしょらを、とんじぇる」

 子れいむが言い終える前に、飛び出した炎が、その身を焼き尽くした。
 赤いリボンだけがこの世に残されて、ひらひらと舞い降りる。

 2匹の親ゆっくりは、じんわりと表情を変えて、叫んだ。

「「ゆっくりした、おちびちゃんがぁぁぁ!!」」

 それが号砲だったのだろう。
 照明、発煙筒、そしてドラムの一撃が、ほぼ同時に覚醒した。
 ステージ上、今度こそ現れたのは、DYCの3人。
 聴衆は、獣のような唸りで、それに答える。

「♪俺は地獄の鬼威惨 
  昨日れいむを犯したぜ 明日はまりさを掘ってやる」

 まばゆいステージの中央に、一際白い男が立っていた。
 彼はスタンドマイクの前でギターを掻き鳴らし、がなり、歌う。

「♪ウチに金バッチ銀バッチいねぇ それは俺が潰したから
  近所に野良ゆも飼いゆもいねぇ それは俺が潰したから」

 ボーカルの名は、ユラウザー。
 さん付けをしないとファンに怒られる、DYCのフロントマンだ。

 そしてその横でリズムを取っているのは、ベーシスト・アミャギ。
 演奏の合間に、何やらビンの中の液体を、口に含んでいるようだった。

「♪潰せ 潰せ 饅頭潰せ
  潰せ 潰せ 全てを潰せ」

 アミャギは、号泣している親れいむを、リフティングの要領で宙に浮かせた。
 瞬間、ド饅頭は、実にゆっくりした表情に変わった。

 ベーシストの口から放たれた炎は、妻れいむへと全て注がれる。
 燃え尽きていなくなるものを、夫まりさは呆然と見上げていた。

「♪GYAKUTAI GYAKUTAIせよ!
  GYAKUTAI GYAKUTAIせよ!
  思い出を黒く染めてやれ」

 夫まりさが番と同じ運命をたどっていた頃。
 反対側にいる男は、自らの演奏に余念がなかった。

 DYCが誇るドラマー、グミュ。
 彼のドラムセットは、ゆっくり仕上げの特注品であった。

「♪GYAKUTAI GYAKUTAIせよ!
  GYAKUTAI GYAKUTAIせよ!
  中身で黒く染めてやれ」

 もう何の種だったか分からないゆっくりを、生きたままドラムとして加工している。
 お飾りを取られ、口もあんよも塞がれ、ただ痛みを訴える瞳だけが機能していた。

 グミュの鬼畜的ドラムプレイが炸裂する度に、バス・サイド・タムの周りに涙の川ができる。
 その隣では、普通のシンバルが揺れていた。

「ああっ、ユラウザーさんが!」
「ついに、アレを出されるぞー!」

 熱狂するオーディエンスが、ユラウザーの挙動を目ざとくとらえる。
 マントの中から取り出したのは、子まりさである。

 小さいまりさは、顔面をギターの弦に押し付けられる。
 そうしてそのまま、上下左右に動かされるのだ。

「出たー! ユラウザーさんの、まりさ歯ギターだ!」

 刺さるような戦慄が、心地良く会場を埋めていく。
 同時に、ピックゆっくりの歯が、抜けてスッカスカになっていく。
 ゆっくりの歯は、もろい。一小節ごとに、ペキペキと折れる。
 その都度、位置を変え、方向を変え、1本残らず使い尽くす。
 そうした後。

「貴様ら、使い物にならなくなったゆっくりの運命を知っておるか・・・」

 突然、ユラウザーがMCを始めた。
 観客席は、即座に静まり返る。

「こうするのだ!」

 右手に握られた小さな饅頭。
 その臀部が勢い良く、ユラウザーの股間に打ち付けられる。

「んひょぉぉぉ! すっひりしひゃうぅぅぅ!」

「うおー! 今夜も、まりさを公開レイゆだー!」
「ユラウザーさんの辞書には、性欲しかないんだー!」

「いくぜ! 『あのゆをレイゆ!』」





『Detroit Yugyaku City Live2 "Double Love”』





「今日も、酷かった・・・」

 楽屋の片隅に、ユラウザーは腰を下ろしている。
 歯抜け子まりさの口を開け、その中へ、何かを差し込んでいる。

「ひょひーひゃん、ひょっひょ、ひゃひひゃひょ」
「何言ってるか、分からないよ、まりさ・・・」

 歯ギター用まりさは、総入れ歯だった。
 折れても、千歳飴製の差し歯を補充してやればよい。

「はい、できたよ」
「もっと、まりさをれいゆっ! してね!」

 ユラウザーだった青年は、溜め息を付く。

 この子まりさは、元々、近所の公園に住み着いている野良ゆだった。
 子まりさとはいえ、過度なワガママは言わない、善良なゆっくり。
 もしかしたら、栄養不足で小さいだけの、成体なのかもしれない。
 ともあれ、ユラウザーの中の人は、時折それを愛でては、癒されていた。

 ところがある日。
 怪しげなテンションのまま、ユラウザーはこのまりさをライブに連れ出す。
 そこでギターのピック扱いをした挙句、公開レイゆに到ったのである。

 普通、ここで永遠にゆっくりしてもおかしくはなかったのだが。
 流石、野良だけあって生命力は強かった。
 それどころか余計に懐いてしまい、今ではレイゆをおねだりする始末である。

 パフォーマンスに幅が広がったとはいえ、ユラウザーの心中は複雑であった。
 ちなみにレイゆとは、鬼威惨がゆっくりをレイプする異常性欲衝動のことである。
 ユラウザーが、勝手に命名した。

「アマギリファーック! 最高だわ、DYC!」
「社長、アザーッス!」

 ユラウザーが振り返ると、社長に頭を下げるアミャギの姿があった。
 社長は今日も、テンションが高い。

「ユラウザー、完全にまりさ歯ギターをマスターしたわね」
「はは、どうも・・・」
「しゃちょうさーん、ゆっくりー」
「おう、いい仕事したわね、メスまりさ。今夜もたっぷり、虐めてあげるわ」
「ゆゆゆぅぅん」

 元野良でピックのメスまりさは、今は社長に飼われていた。
 ゆ虐師の家で、毎晩何が行われているのか。
 ユラウザーは、できれば、知らずに過ごしたいと願っている。

「きょうは、ぺんちさんが、いいよ」
「(聞きたくない、聞きたくない)
 そういえば、あのドスまりさは、今日はどうしたんですか?」
「豚のことか? 今日は、バイトだってよ」
「バイト?」





 帰り道。
 いつもの習慣で、ついつい甘いコーヒーを2本、買ってしまっていた。
 あまあまをねだった野良まりさは、今は社長の玩具だ。
 寝取られって、こんな感じかも知れないな。
 ユラウザーは、薄く笑った。

 いや、この時間は、ユラウザーではない。
 根木井(ねきい)という、単なるゴボウ男であった。
 冴えない顔色に、ひょろっとした体躯。
 ユラウザーと同一人物とは、とても思えない。

 根木井は、コンビニ袋を揺らしながら、歩道を行く。
 この時期は、夜も道路工事をやっていて、汗を流す男達から湯気が出ていた。
 交通整理をする警棒が、赤く光っている。
 しかし、何かおかしかった。

 ライトの揺れ方は、人間のそれと変わりはない。
 しかし、その後ろにいるものは、明らかにヒトではなかった。
 壁のように広がり、顔のようなものが付いている存在。
 棒を保っているのは、手ではなく、口だ。
 大きなゆっくりが、交通整理をしている。
 しかも、それは。

「ドスまりさ・・・?」

 DYCのパフォーマーである、あの、豚まりさであったのだ。



 休憩が告げられる。
 根木井は豚まりさと共に、道の端に腰を下ろした。
 ドスの頭には、申しわけ程度に、ヘルメットが乗っている。

「驚いたよ。バイトだってのは、聞いていたけど」
「めんぼくねっす」
「いや、そんなことないよ・・・。
 しかし、交通整理なんて、やってていいの?」
「ここは時おり、暴走族が来るっすから。
 人間さんがはねられないように、私がやってるんす」
「そういうこと・・・」

 青年は同じバンドの仲間として、豚まりさに同情した。
 缶コーヒーを開けて、ドスに渡す。
 大まりさはそれをおさげで器用に受け取ると、チビチビ飲みだした。

「いつはね飛ばされるかと思うと、もう、たまんねっす」

 ドMの横にいた男は、同情を即座に取り消した。

「・・・それにしても、DYCの豚として、ちゃんと生活していけるよね?
 なんで、バイトなんかやってるの?」
「それは・・・」
「おつかれさまでーす」

 その声へ、1人と1匹は顔を向ける。
 挨拶をしたのは、こざっぱりしたありすだった。

「たおる、どーぞ」
「も、もうしわけねっす、ありすさん」
「まりささんこそ、おしごとがんばってますね」
「め、め、めんぼくねっす」

 ありすはちょっと微笑んで、どこかへと駆け去った。
 よく見れば、カチューシャの上には、タオル満載のビニール袋が乗っている。

「なに、あれ?」
「マネージャーの、ありすっす」
「マネージャー? 道路工事に? ゆっくりが?」
「つまりは、そんな会社なんす」
「・・・認めたくはないけど、納得した」

 もう1つ、根木井が分かったことがある。
 ありすが来た時の、豚まりさの挙動。そして、今、目の前の赤い表情。

「気になってるんだね、あのゆっくりのこと」
「めんぼくねっす」
「ありすに近づきたいから、このバイト、やってるんだ」
「もうしわけねっす」
「そんな理由を社長が知ったら、ただじゃすまないだろうね」
「まりさの業界では、ごほうびっす。でも、ありすは」
「心配しないでいいよ」

 青年は立ち上がり、ドスまりさの頭に手を置いた。

「力、貸してあげるよ」





 翌日。
 根木井は、事務所の入口の前まで来て、深呼吸をした。

 お人よしの愛で派である彼が思いついたのは、単純なことだった。
 ライブにあのありすを招待し、ドスまりさの勇姿を見せ付ける。
 しかも、いつもの豚としてではなく、華やかな主役として。

 色々問題はあるだろうが、その際たるものが、社長の存在だ。
 彼女は、生まれながらの虐待悪姐惨。
 まだ母親の胎内にいる頃、子宮越しにれいむを殴り飛ばした逸話の持主だ。 

 だから、余程うまく話を持っていかなければならない。
 下手をすれば、根木井自身が永遠にゆっくりしかねないのである。

 緊張で濡れた掌が、ドアノブを回した。
 青年にとって、一世一代の、交渉が始まろうとしている。

「おはようございまーす・・・」
「お帽子ファーック!!」

 扉を開けた瞬間飛んできた灰皿が、根木井に直撃した。
 幸いにもステンレス製であったので、灰を被っただけで済む。

「あん? なんだ根木井、こんな時間に?」
「あの、明日の、ライブのことなんですけど」
「そんなことより、これを見ろ」

 女社長の額に、青筋が蠢いている。明らかに不機嫌だ。
 青年は恐る恐る、差し出された紙を覗いてみた。


無餡 Name ◆RpUq62lg/Q 1 09/11/04 05:42:52 No.1257280972 del
くっくっくっ社長!
ゲスまりさ優遇は私にしか許されんことをよ~くわきまえてるようじゃねぇか!
褒美に豚饅頭よりみじめなパフォーマンスに参加させてやる!
当然服はボールギャグと双頭ディルドだけだぁ!!!

By D.O


「何ですか、これ?」
「前作のコメントだよ。
 あの露出SS書きめ、この私に、公開ファックせんげんっをしやがった!」
「(2ヶ月前のことを、何故、今更・・・)」
「今、なんつった?」
「いやいやいや、何も、一切」
「そういう分けで、今から私はD.Oをつかまえに行く。
 見つけ次第、往来に(  ※  )して、(  ※  )の挙句、あの眼帯の下を(  ※  )してやるわ・・・」
「人間虐待はまずいです! 評価が『6/48』みたいになっちゃいますよ!」
「竹やりファーック!」

 椅子から飛び上がった社長の膝が、根木井の顎を的確にとらえた。

「ど、どうして」

 崩れ落ちる青年。

「明日のライブは、任せたぞ」

 女社長は、狩りに出かけた。
 根木井は失神KOされて伸びているが、本来の目的は果たせそうであった。
 なお、(  ※  )の中身は、餡娘ちゃんに持っていかれたので、各自想像して下さい。





 湿布をした顎を撫でながら、根木井はライブハウスに向かっていた。
 シャイニング女社長ウィザードの痛みは、今も引かない。

 それでも、これで普段頑張っているドスまりさの助けになれるのだ。
 一番の障害である社長は、いない。
 彼の足取りは案外、軽かった。

 ライブハウスに近付くにつれ、いかにも、という風体が目立ってくる。
 モヒカン、皮ジャン、尖ったアクセサリー。
 最近は、『YUKKURI ALWAYS DEAD』とプリントされたものが多い。
 DYCの事務所が出している、オリジナルのものだ。

 時はまさに世紀末な一帯。
 そんなイカレた場所であるからこそ、余計に目立った。
 まるでそこだけ代官山であるかのような、オシャレな装いの女がいる。
 手には、これまたカジュアルなカバンを持って、キョロキョロしている。

 迷い込んだのだろうか。
 ならば、この腐敗と自由と暴力の真っ只中から、助け出さなくてはならない。
 正義感を秘めた根木井は、迷い女に声をかける。

「あの、お姉さん」
「はい? え、あれ、ネギー君?」
「あ、愛川さん? どうしてここへ?」

 女性は、愛川であった。
 根木井が、一方的に思いを寄せている存在である。

 彼女と青年は大学時代の同級生で、ほんの数ヶ月前に再開した。
 この辺りの描写を、もっと細かく入れるべきだろうか。
 しかし、「もうそろそろ虐待見せろ馬鹿野郎」という声を、私は無視できない。
 よって、細かいキャッキャウフフは省きます。

「これの取材に来たの」

 そう言って差し出されたのは、『マイゆマイゆ』と書かれた雑誌であった。

「これって、愛川さんが仕事してるやつだよね」
「そうよ。今度これで、デトロイト・ユギャク・シティを取り上げるの」
「え? え? でも、『マイゆ』って、ベッタベタの愛で雑誌じゃ」
「『飼いゆっくりに聞かせたくないバンドランキング』で、DYCが1位に選ばれてね。
 今日は突撃潜入取材で、ライブに来たのよ」
「へ、へ、へ、へぇー。大変だね・・・」

 根木井は額に水滴が集まりだし、結露した窓ガラスのようになる。

「大丈夫? すごい汗よ?」
「はははは、走って来たからね」
「ネギー君は、こんなところに、何しに来たの?」
「うん、あの、その、バイト! そう、会場整理のバイトだよ」
「DYCの? 中、怖い人ばっかりみたいだけど」
「そ、そうなんだよ。まいった、ね・・・」





 いつのまにか、根木井は楽屋の中にいた。
 どうやって来たのか、あまり、覚えていない。

 確かなのは、この会場に、愛川がいること。
 彼女は、純粋な愛で派であること。
 そして自分は今からユラウザーとして、ゆ虐メタルをやる、ということだ。

「どうしよう、バレたら、バレたら終わりだ」
「おい、ユラウザー。そろそろメイクしろよ」
「分かってるよ。ああ、もう・・・」

「皆さん、おはようっす。ささ、どうぞ、ありすさん」
「ゆっくり、おじゃまします」
「ユラウザー、豚がシュークリーム連れて来たぞ・・・」
「え? あ」

 鬼威惨の包囲網の中、どうやってたどり着いた。
 豚まりさが、あのありすを連れて、楽屋へと入ってきた。

「ユラウザーさん、今日は、どうもっす!
 せい一杯、がんばるっす!」
「ああ、幸せ、ゲットしてね・・・。
 皆、今日はまず、まりさのソロで行くから」
「本気か? まぁ、ユラウザーが言うんだったら、いいけどよ」
「ありがとっす! まりさ、かんぺきっにやるっす!」
「しっかりね、まりささん! わたし、しんじてる!」

 まさかの饅頭どものキャッキャウフフに、アミャギは呆れ顔であった。

「・・・信じて、いいんだよな?」
「どうしよう、どうしよう・・・」
「ユラウザー? しっかりしてくれよ。
 おい、グミュ。お前からも何とか言ってやれよ」
「ゆうかにゃん、(  ※  )(  ※  )(  ※  )」
「ダメだ、こいつら」

 ユラウザーは、混乱と焦燥の渦に飲み込まれていた。
 そんなことなど露知らず、側では饅頭どもがイチャついている。

「ぜひ、ありすさんには、ステージの側で、見ててほしいっす」
「わかりましたわ、まりささん」

 こいつら、俺の気も知らないで・・・。

 いつもより濃い目のメイクを施すユラウザーに、怪しい熱が溜まっていく。





「うおー! 腹へったー!」
「ユラウザー! 今日も餡子を降らせてくれー!」
「さんを付けろよ、新参が!」

 今日の場内は、荒れ気味であった。
 軽いつかみ合いになっている者までいる。
 そこはスタッフが機転を利かせ、適当な野良ゆを両者に渡す。

「ヒャッハー! 前祝いだー!」
「ねじれりゅぅぅぅ! ちゅぶれゅぅぅぅぅ!」

 捻り切られたれいむは、あっさりと中身をぶち撒ける。
 黒い雨の下、荒々しい男達の表情は、ほっこり笑顔に変わる。

「それにしても、今日は、遅いな」
「焦らしプレイとは、悪魔的所業だぜ」

 そんな微かな不安を見越したかのように、ステージ上に明かりが灯る。
 普段より大きめのスポットライトの下には、またしてもメンバーの姿はない。

 そこにいたのは、豚まりさ。
 だが今日は、豚ではない。
 頭には黒い帽子を被り、しかもそれは、輝くラメで『M』とデコレーションされていた。
 肌も髪の毛も、綺麗に洗ってあり、何故かサングラスまでしていた。

 客は当然、ざわつき出す。

「うわぁぁ、何だアレは?」
「虐待主義の豚じゃねぇのか?」
「違う、ヤツは虐待でも豚でもねぇ」
「言わば、ゆん主主義。ゆん主主義の英雄だー!」

「♪GYAKUTAI GYAKUTAIせよ!
  GYAKUTAI GYAKUTAIせよ!」

「うおー! 英雄が『GYAKUTAI』を歌い出したぞー!」
「なんて、自虐的なんだー!」
「英雄になっても、ヤツはドMなんだー!」

「それでは、続きまして・・・」

「なんだ? いいトコロだったのに」

「あの娘のために、思いを込めて歌うっす」

「(~~~~~♪)」

「おい、これは・・・」
「まさかとは思うが」

「(~~~~~♪)」

「いや、間違いねぇ」
「ああ、やっぱりか」

「(~~~~~♪)」

「レミオ口メンの、「コナゆキ」だ」
「意外とうめぇ・・・」
「でも、何か、違ぇ・・・」
「あれ、見ろよ」

 歌声に誘われるように、下手の方から、ありすが近づいてきた。
 それはゆっくりとドスまりさへ歩み寄り、並んだ。

「おいおいおい、2匹で歌い出したぞ」
「デュエットかよ・・・」
「そんな歌じゃないだろ」
「もう、何もかも、違ぇ・・・」

「~~~だーーけーー  こなぁぁぁぁ」

 豚まりさの後頭部に、ユラウザーのシャイニングウィザードが直撃する。

「おぉぉぉぉふ!」

 質量豊かなドスはふっ飛ぶこともなく、強く顔面を床に打ちつけ、沈黙した。
 ありすは逃げる間もなく、驚いた顔のまま、静止していた。

「貴様らの存在は、荒沢さんに対する冒涜だー!」

 ユラウザーの一言で、会場が、弾けた。

「その通りだ、ユラウザーさーん!」
「こんな公衆の面前でイチャ付きやがってー!」
「どくしんっディスってんのかー!」
「行き遅れなめんじゃねー!」

「ド饅頭ども。
 アラサーの怨念、マグマの如き怒りを、思い知るがいい・・・」

 そう告げてユラウザーは、豚まりさではなく、ありすの方を持ち上げた。

「砂塵舞うこと『荒』地の如く!!」

 怒りの化身が、手の中の饅頭を、乱暴に振り回す。
 覚醒したありすは、面白いように、泣き叫ぶ。

「ゆわぁぁぁ! やめて、よして、やめて、とめて、とかいはじゃないわぁぁぁ!」
「波寄せること『沢』の如く!!」

 続けてユラウザーは、ありすを激しく縦にシェイクした。
 一定の振動により、生シューの顔は歪み、股間はいきり立ち、鼻息が荒くなる。
 すっきりーしたい波が、ありすをれいぱーへと変えていく。

「んっほぉぉぉぉぉ!!!」
「性欲燃えること『火』の如く!!」

 精子餡でパンパンになったものが、ユラウザーの頭上に掲げられた。
 そしてそのまま勢い良く、気絶したままの豚の尻めがけて、突き刺す。

「ゆぎゃぁあああ!」
「んほっ! んほほっ!」
「オラオラオラオラオラ!」

 ユラウザーの手により、饅頭の腰と腰が、幾重にも激しく打ち合う。
 公開強制ゆっクスであった。

「ずっぎり、ずっぎりしぢゃうっす!」
「んぎょぽぽぽぽぽ!」
「得難きものは・・・」

 ぺにぺにとまむまむの距離が、一時的に、ゼロとなる。
 前方に意識が集中して、全く無防備となったありすの尻。
 それを強烈に叩いたものは、ユラウザーの股間であった。

「『山』の如しぃぃぃぃ!!!」

「「ずっぎりぃぃぃぃぃ!!!」」」

 ユラウザーの会心の腰撃が、止めとなった。
 ありすは表面が凹むほど、中身を噴出した。
 豚まりさはそれを全て受け止め、額から枝を伸ばし、無数の実を茂らせた。

「出たー! ユラウザーさんの、すっきりんぐ荒沢火山だ!」
「荒沢さんの無念が、大輪の花になったんだー!」

 ユラウザーは、手早くまりさの枝をもぎ取る。
 そしてまだ未熟ゆの実を客席へ、ちぎっては投げ、ちぎっては投げる。

「貴様らに、一足遅いお年玉であるわー!」

「うぉー、新鮮な未熟ゆが振ってくるぜー!」
「まるで上棟式の、餅まきのようだー!」

 豚まりさは、またもや失神していた。
 しかし、その表情はむしろ、満たされていた。
 ドMは、地球上で最も、しぶとい。

 ありすは、体育館に放置されたバレーボールのようだ。
 中身がすっかり減って、萎んでしまっている。

 それでもユラウザーは、それを手に取って、こう宣言した。

「次は新曲、れいぱー交響曲!」

 観客は、総立ちとなって、頭を振る。

「♪ありすの前に ひれ伏せ饅頭
  あにゃるとまむまむ 突き出しな」

 アミャギは安心した顔で、ベースを刻む。

「♪お飾り 髪の毛 あんよもいらねぇ
  おうちも ごはんも 言葉もいらねぇ」

 今回出番の少ないグミュも、淡々と、ゆっくり製のドラムをしばく。

「♪顎の下さえあればいい 顎の下さえあればいい
  顎の下さえあればいい 顎の下さえあればいい」

 豚は横たわり、ありすはまたもや激しく揺すられている。



 愛川は、蒼ざめていた。
 無理もない。愛で派にとってDYCのライブは、地獄の宴だ。
 彼女は、記者魂だけで、健気にも、耐えている。
 ライブハウスの最後部。
 それが、愛川のデッドラインであった。



 そして、ユラウザーは忘れている。
 この会場のどこかに、愛川がいることを。

 魔王とさえ呼ばれている男は、客席にダイブする。
 何故か、れいぱーと化したありすを抱えたまま。
 演奏は続き、ユラウザーも持ち前の声量で、叫ぶ。

「♪饅頭の前世は 全てオナホ
  ありすの前世は 全てぺにぺに」

 客の頭上に、ユラウザー。
 川の流れのように、どこかへ流されていく。

「♪顎の下さえあればいい 顎の下さえあればいい
  顎の下さえあればいい 顎の下さえあればいい」

 魔王のメイクの下には、根木井がいる。
 彼は、気付いてしまった。
 流れの先に、愛川がいることを。

「♪饅頭はオナホで ありすはぺにぺに
  あにゃるとまむまむ 突き出しな」

 さらに悪いことに。
 長時間のライブで、ユラウザーのカツラが蒸れ始めた。
 つまり汗で、ズレ落ちる危険性がある。
 その時は、即バレ。

「♪顎の下さえあればいい 顎の下さえあればいい
  顎の下さえあればいい 顎の下さえあればいい」

 流れは、確実に愛川の方に。
 目が合った。彼女は、脅えていた。
 もし、自分がユラウザーと知ったら、どうなるだろう。
 バレたら、終わり。終わり。終わり。
 見るな! 見るな! 見るな! 見るな!

「♪そう 顎の下さえあればいい 顎の下さえあればいい
  顎の下さえあればいい 顎の下さえあればいい」

 もう、顔と顔が重なりそうになった時。
 ユラウザーはこの日、もっとも激しくれいぱーをシェイクした。
 手の中で最硬度になったぺにぺにを、愛川に向ける。
 そして饅頭のあにゃるの中に、2本の指を突き刺した。

「これが淫乱愛で派の、顔射顔であるわー!!!」

 ぺにぺに経由でぶち撒けられたクリームが、愛川の顔を襲った。

「きゃぁぁぁあ!」 

 女の顔面は白いもので覆われ、恐らくは、視界どころの騒ぎではない。

「今宵の生贄は、この胴付きであるわー!」

「すげぇ!」
「人間虐待も、怖くないのかー!」
「餡娘ちゃんも、ユラウザーさんには勝てないんだー!」
「良い子はマネすんなー!」
「ゴー・トゥー・DYC!」
「ゴー・トゥー・DYC!」

「もう限界!」

 クリームまみれになった愛川は、ライブ会場から姿を消した。
 ユラウザーは、アマゾン川のポロロッカのように、ステージへと戻されていく。
 いつまでも、女のことを思いながら。





 根木井は、メイクを取るのももどかしかった。
 一応スタッフには、愛川へのフォローを頼んでいたが、不安が和らぐわけではなかった。

 息急きながら、ライブハウスの外に飛び出す。

「愛川さん」

 彼女は、近くの公園のベンチに座っていた。
 クリームは綺麗に拭き取られているようだが。

「ネギー君」
「・・・ライブで、何かあった?」
「ううん、何も」

 胸が、痛んだ。

「そうだ、この後、ヒマ?」
「ええ、空いてるけど」
「良かったら、スイーツでも食べに行こうよ。
 今日のバイト代で、ごちそうするからさ」
「本当?」
「うん。この近くに、おいしいシュークリームの店、知ってるんだ」
「クリーム!?」

 言ってしまったことに、根木井は、気付いた。

「ねぇ、何でクリーム? 私からクリームを連想したの?
 私、そんなに、クリーム顔?」
「いや、その、あの」

 愛川は男の肩をつかんで、激しく揺さぶった。
 問い詰められながら根木井は、彼女から甘い匂いを感じていた。





 ほぼ同時刻、YHKスタジオ。
 収録中のあるスタジオでは、DYCの「GYAKUTAI」が流れている。

 ゆ虐メタルの旋律に包まれているのは、アナウンサーと、大柄な男。
 彼は明らかに外国人であり、顔には白と黒の凶暴なメイクを施している。

「ミスター・ザック。これが、デトロイト・ユギャク・シティなんですが」
「Now, Reimu cannot be killed, either.(これじゃ、れいむも殺せないな)」
「このDYCが、日本ツアーの相手、ということでよろしいんでしょうか」
「Yeah.(ああ)」
「ザック・イル・オールとDYCの対バン、楽しみにしています」
「It strikes and crushes -- surely.(叩き潰してやる、必ずだ)」





(つづいたら、つづく)





【過去作】

ふたば系ゆっくりいじめ 675 プラネット・ゆース ~きめぇ丸~
ふたば系ゆっくりいじめ 666 チューチューラブリームニムニムラムラプリンプリンボロンあにゃるぺーろぺーろ
ふたば系ゆっくりいじめ 658 緊急特別SS ゆっくり割れる窓ガラスさんの謎
ふたば系ゆっくりいじめ 629 極上のすっきりプレイス
ふたば系ゆっくりいじめ 594 プラネット・ゆース
ふたば系ゆっくりいじめ 560 なずーりんに祝福を
ふたば系ゆっくりいじめ 497 DYC
ふたば系ゆっくりいじめ 453 空から降る100万のぷくー
ふたば系ゆっくりいじめ 428 はげの行進 
ふたば系ゆっくりいじめ 402 れいむ・マスト・ダイ(後編)
ふたば系ゆっくりいじめ 379 れいむ・マスト・ダイ(前編)


 nue022 「ゆナッフTV」
 nue009 「ブラックペーパー・チャイルド」



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  • つづかんでよし -- 2011-09-04 11:42:10
最終更新:2010年02月05日 21:09
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