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*テイルズ オブ ヴェスペリア 【ているず おぶ う゛ぇすぺりあ】 |ジャンル|ロールプレイングゲーム&br()(シリーズ内ジャンル名:「正義」を貫き通すRPG)|&amazon(B0015PUSQ0)|~| |対応機種|Xbox360|~|~| |メディア|DVD-ROM 1枚|~|~| |発売元|バンダイナムコゲームス|~|~| |開発元|ナムコ・テイルズスタジオ|~|~| |発売日|2008年8月7日|~|~| |定価|7,800円|~|~| |プレイ人数|1人(戦闘のみ1~4人)|~|~| |レーティング|CERO:B(12歳以上対象)|~|~| |コンテンツアイコン|セクシャル、暴力、犯罪、言葉・その他|~|~| |通信機能|Xbox LIVE対応(ダウンロードコンテンツ配信)|~|~| |廉価版|プラチナコレクション:2010年6月3日/3,990円|~|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|~| |>|>|>|CENTER:''[[テイルズオブシリーズ関連作品リンク>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/260.html]]''| ---- #contents ---- //PS3版の記述が随所に混在しており、混乱を招く部分が多々見受けられるため、支障が無いと思われるものは移動。 **概要 テイルズ オブシリーズのマザーシップタイトル第10弾。略称は『TOV』『ヴェスペリア』。キャラクターデザインは藤島康介氏。~ 360版が発売された当初、大作RPGシリーズが360で販売されるということで、大きく注目を浴びることになった。~ その約1年後にゲストキャラだったフレン・シーフォ((主人公ユーリ・ローウェルの幼馴染))のパーティキャラ昇格、新仲間「パティ・フルール」参加などの追加要素を加えてPS3で移植版が発売されている(後述)。~ また、その2週間後に劇場版アニメが公開されたため、売上を大きく伸ばした。 **特徴・新要素 ''戦闘システム「EFR-LMBS(エヴォルドフレックスレンジ・リニアモーションバトルシステム)」 '' -フェイタルストライク --敵の術式への耐久値を0まで減らすと攻撃ヒット時に魔法陣が出る。その時にボタンを押すと雑魚敵には即死、ボス敵には大ダメージを与えることができる。 -オーバーリミッツ --画面左にオーバーリミッツゲージがあり、通常攻撃・術技を無制限に連携できる、魔術の詠唱時間が0になる、通常技より強力なバーストアーツを使用できるといった効果がある。 --レベル4までレベルが設定されており、秘奥義を使用するにはレベル3必要。 -シークレットミッション --ボス戦において、特定条件下で特定の術技を使用する、特定のアイテムを使用する等といったシークレットミッションが用意されており、それらの条件を満たすことでレアアイテムの入手や戦闘グレード増加などのボーナスがもらえる。 ''その他'' -スキル --スキルがついている武器を装備した状態で戦い続けることにより、LP(ラーニングポイント)を溜めてスキル習得が完了するシステムになった。 -アタッチメント --シリーズ初登場。装備すると外見の一部に装着される。装備できるのは一つだけで、サイズや位置は変えられない。 ---- **評価点 -トゥーンシェードで表現されたグラフィック面は、次世代機のスペックで写実的に表現されている他のゲームと若干貧相に見えるのが、よく見ると一つ一つかなり細部まで作りこまれておりトゥーンシェードの極みといっても良い。 --特にHDで描かれたキャラクターの髪がなだらかに揺れるのは非常に美しい。その筆頭がユーリなのは少々面白いとこでもある。 --「次世代機じゃないと出来ないようなグラフィックを目指した」とスタッフが豪語するに相応しい仕上がりとなっている。そのためか、2010年以降に発売されたテイルズよりクオリティが高いと評価する者も存在する。 -戦闘システムは『アビス』のそれをベースに更に洗練されており「フリーランで回避が簡単になりがち」や「高速魔術が強い」等といった事を除けば自由度が高い。 --それでも『アビス』や『ラタトスク』に比べてフリーランが速度低下などで弱体化しているため、以前の様な万能なシステムでは無くなった。それでも十分強力ではあるが。 --FS(フェイタルストライク)やバーストアーツ、FSチェインなどの新要素は戦略性と爽快感を両立していると結構好評。秘奥義の演出も派手である。 -目立ったバグ・不具合が皆無で、ロード時間も早い。やりこみ要素も豊富な点は好評。 -シリーズファンへのファンサービスやニヤリとできる小ネタも随所にちりばめられている。『アビス』のキャラネタだったり、重要なボスが戦闘前にシリーズ作品名の単語を入れて話してくるなど。 --特にとある都市の闘技場ではシナリオが進むと''過去のテイルズ作品のキャラクター達と戦う事が出来るようになる''。 ---その中にはあの『ファンタジア』のダオスも登場する。声は引き継いだ森川氏。 ---ちなみに『デスティニー2』のバルバトスも登場。もちろんこっちがアイテムを使ったときのアレ(知っている人は知っている)も再現。 ---そして『エターニア』からまさかのシゼルが登場した。カットインも美人でありエターニアのファンからも好評である。 -プレイヤーへの配慮もかなり丁寧。 --難易度は初期設定で3段階から選べる。 ---大体のシリーズの特徴ではあるが、これによりシリーズ初心者でも気軽に高難易度のモードで挑戦する事が可能。 --サウンド1つとってもステレオ&bold(){モノラル}に加えてサラウンドも選べ、更には戦闘時のボイスやイベント時のボイスや戦闘時のBGMなども個別で設定できるようになっている。 -ストーリーそのものも、各シーンの一つ一つを見ていけば、プレイヤーを引き込めるような物となっている。 --特にシナリオをよく読み込んだ人達からは「イエガー((重要な人物であり、言葉遣いこそルー語そのものでかなり笑えるものではあるが、その経歴はまさに今作のテーマである「光と影の対比」を端的に表したかのような経歴を持つ。))のエピソードはもっと用意して欲しかった」という意見が根強い名キャラとして評価されている。~ それに応えるかのように、PS3版ではイエガー関係のエピソードが更に追加されたり、小説版では彼の一生消えない「影」の部分に当たる過去が書かれている。また戦闘時の専用曲も追加されており曲自体も好評である。 --スキットの量も多く、キャラクター達の楽しい雑談をたっぷりと聞くことが出来る。 -音楽はシリーズお馴染みの桜庭統氏と青山響氏((従来の田村信二氏。本作の360版からこの名義を使用している。))が担当しており、今作でも中々のクオリティを誇っている。 -全体的にキャラクターの人気が高く、特に主人公であるユーリは公式の人気投票において三連覇を獲得するという快挙を成し遂げている。 ---- **難点・賛否両論点 -音楽は単体で見れば高く評価されるものが多いが、音楽の使いどころを間違えている、という批判が多々見られる。 --本来ならシリアスなシーンなのにどうみても笑い所で流れるような気の抜ける音楽が流れたり、逆のパターンがあったり。 --なんと''360版では序盤から終盤までずっとラスボスのテーマが相当な回数で使いまわされている''。PS3版では全部新曲に差し替えられた。 -スキットの発生の遅さ --スキットと呼ばれるキャラクター達のちょっとした会話があるのだが、条件を満たしていても一定時間経つまで出てこない。 --また、その間隔が異様に長く設定されており、基本的に街での散策やダンジョンを歩き終わっても発生していないスキットがあるのは当たり前である。 --結果的に期間限定のサブイベントよろしく、意識していても非常に見逃しやすい。 --逆に全て見ようとすればダンジョンで敵がいるならまだしも街等では棒立ちして発生を待つ羽目にもなりうる。 -戦闘システムについて --戦闘テンポがかなり遅く、シリーズ作品の中ではモッサリとしている。 --昔ながらのTP制であり、やはり終盤では回復させても焼け石に水。RPGというよりアクションゲームとして消費するシリーズにとって現在では古臭い物となっている((TP制ならせめてTP最大値が固定な『デスティニー2』方式にしてほしいともいわれる))。 ---敵を斬るたびにTPが1回復するのだが、消費と回復のバランスが悪い。特技一回につき消費TP20以上などザラなのでそのたった1回を取り返すために20回斬るはめになり作業感が強い。後半になればオレンジグミ一個で数百と回復させられるので、斬って回復はほぼ死に要素となっている。防御されてしまうと回復しない点もそれに拍車をかけている。 --シリーズ作品によっては、プレイヤーが操作しているキャラが狙われやすいものがあるが、今作は特に酷く、隊列を一番後ろにし、NPC3人全て最前衛だったとしても開幕に敵が全てNPCを無視してプレイヤーに向かって寄ってくるのが当たり前。 ---決められたルーチンによって動いている今作のNPCに敵の動きを止めさせるのは完全に不可能であり、その結果プレイヤーがどのキャラを操作していても常に数体に追い掛け回されっぱなしで、まともに戦闘を楽しめないという状況が頻発する。 --ダウン技が非常に多いため、攻略本やサイトを駆使して全ての技の性能を熟知することを強制される。 --秘奥義が魅せ技に近い扱いになっており、従来シリーズの中では威力が低くダメージソースとしての活用は厳しい。 --スキルの習得が装備している武器に依存する。そのため、明らかに弱い武器などを装備する必要ができてしまう。また後半になり仲間が増えてくると、非常に短い時間間隔で誰かがスキルを習得し、そのたびに武器を変更しなければならず、大きな負担となる。 --秘奥義を出すと画面が明らかに一時停止している。しかし一戦闘につき、2回目以降なら一時停止しない。 --周回時、最高難易度で開始すると敵の防御力が極端に上がり与えるダメージが1になる。『[[アビス>テイルズ オブ ジ アビス]]』の問題点がそのままになっている。 --高難易度にすると敵が露骨に後衛を集中狙いする様になるが、人型ならまだしもモンスターまでもそれが徹底しており目の前のキャラクターを無視してまで狙う。 ---その為、作品内で「モンスターに知恵は無い」とキャラクターが断言するにも関わらず動きが異様に人工的になりかなり不自然になる。 --AIの性能が低く仲間との共闘感が薄い。 ---本作は敵ダウン時の挙動に難が多いため、邪魔にすら感じることがある。 ---ダウン技を全て封印しても、フリーランからの通常攻撃で転ばせる。 --OVLで敵を吹っ飛ばしてしまうため、発動タイミングによっては効果時間を大量に浪費してしまう。 --主人公が常用できる秘奥義が実質的に1つしかない。 --コンボ中に敵の横槍が入った場合、それに反応して周囲を攻撃できる技を撃つのはまず間に合わないため、攻撃を中断することになりテンポが悪い。 ---ステップが標準装備となっているPS3作品の中では特にまどろっこしく感じられる。 --術の詠唱を完了してから、実際に効果が発動するまでが長く、ユーザーの意図するタイミングで発動することが不可能となっている。 ---そのため、発動時における敵の位置は運任せとなっており著しく戦術性に欠ける。 --ファイアボールなど方向の概念がある術を、詠唱完了時ではなく、詠唱開始時の方向に向かって放つ。もちろん、詠唱開始から完了まで敵が一箇所で止まってくれているなどということは無い。そのため敵のいる場所に直接発生する術以外は使い物にならず個性が薄い。 ---このようなシステムでありながら発動保証のようなものは一切存在せず、例え詠唱が完了していたとしても発動前に潰されてしまうと術は発動しない。 --敵がひたすら距離を開けようと戦闘フィールドをウロウロと逃げ回るだけの動作に入ってしまう事が有り、これが非常に鬱陶しい。 --消費TP14で、5秒間完全無敵になる疾風犬という技がある。また、「被ダメージの割合が増加する代わりに、消費TPが1になる」という、メリットとデメリットが全く釣り合っていないブッ壊れ性能な装備品が平然と存在する。その2つを合わせて使おうものならば…想像するに難くないだろう。 --空中コンボを導入することは、本来は戦闘全体の調整にも影響することであり、たった1キャラのみに導入するなど労力に見合わない。当然ながら調整不足な出来となっている。雑魚には無敵、ボスには通用しないと両極端である。 ---飛んでいる敵も同様に地上戦をメインとしたキャラが多い今作ではそれだけで大きなアドバンテージになっており、地上の敵と違い攻撃後の移動ルーチンが無いため攻撃間隔が非常に早く特にAIがまともに対処出来ず囲まれてあっという間に倒されてしまう。 --全てのボスが「ゴリ押し」パターンしかない。その為こちらが貧弱な序盤は好き放題に蹂躙される戦闘ばかりなのに対し、こちらが強くなると逆に蹂躙するだけという戦略性も駆け引きもあったものではないバランス崩壊を起こしている。 #region(二周目の世紀末具合) -ほぼ全員のパーティキャラクターにハメ技や無限コンボが出来るようになり、同じ技を連発するだけでハメ技が出来る。 --唯一無限コンボが無いキャラがいるが、そのキャラもダウン状態に持ち込んでしまえばハメ技が出来てしまうので意味が無い。 --特に上記の疾風犬や高速魔術によって起こる通称''「タイダル祭り」''はファンの間であまりにも有名な究極のバランスブレイカーである。 ---360版に関しては、このほかにも上記の高速魔術を使った封殺技「永久ストップブロウ」や補助効果が永久になるスキルを利用した実質無敵技「永久フォースフィールド」などといったお手軽かつとんでもない組み合わせの技が大量にある。 --他にも、「空中戦が実質無敵状態((パーティキャラクターに空中戦メインのキャラがいるため尚更批判される。))」、「オーバーリミッツ(OVL)が強すぎる((一定の状況下でのOVL中は無敵になる事も可能である上、リミッツボトルというゲージを増やすアイテムがあれば裏ボスすら封殺可能。))」など、いろいろと調整不足な部分も存在する。 --逆に言えばどのキャラクターにも強すぎる技やコンボが用意されている分、強いキャラクターと弱いキャラクターの差はそこまで大きくないと言える。 ---この余りにも壊れたバランスを前提としているのか、不満点にあがっている戦闘面の問題はほぼ全てOVL一つで解決するという滅茶苦茶っぷり。 #endregion -中盤までの筋は許せる範囲で纏まってはいるのだが、最終章に入ってからは伏線もなしに唐突に「精霊」や「マナ」といった単語が登場し説明も無いまま半ば超展開となっていきユーリたちに都合よく事が進んでいく((その中でも特に目に付くのが世界を救うには4体の始祖の隷長を精霊に転生させる、要は事実上死亡させる必要があるのだが、既に死亡している1体、以前の戦いで死を免れない状態になっている1体はともかく、残りの2体が偶然が重なって死亡してしまうというものである。ここでこの偶然が無ければ手詰まりになっていた事は想像に難くない。))。 --ファンからも最終章は微妙、いらなかった等と評価される。最終章はラスボス絡みの矛盾点が生まれたため無いほうが締まっているという意見や、ラスボスと敵対する理由が分かりにくいという意見がある。 --また世界規模の窮地に立たされる事でユーリの罪が忘れ去られる(正確には特赦が出ている)など、メインテーマの「正義を貫き通す」が蔑ろにされている節もある。 --出番が多い割に人物像の描写が薄く、ただの狂人としてフェードアウトしてしまうキャラがいる。設定は存在するのだが描写されないため、初見では置いてけぼりにされる人もいる。壊れた言動などでそこそこ人気がある一方、作中で重大な事件を起こしたり何度も戦ってきたキャラに関して、一狂人のまま顛末も無く話を終わらせてしまうのを受け付けないユーザーもいるなど賛否が分かれている。 //そのキャラについてはシナリオそのものにおかしな点があるわけではないし、そういうキャラに狂人を置く事を良しとするかは好みの問題が大きいので賛否が分かれているという方向に文章を変更 -期間限定のサブイベントが多い。技の習得イベント、料理のイベントなど、システム的にも無視しがたいタイプのものも中盤から随所にちりばめられている。 --中にはその期間限定のイベントを見ないと発生しないイベントもある。このような物は大抵見る気が無いのなら見なくてもいい程度のおまけ要素ではあるが、''今作の場合は隠しダンジョンの条件もこれに含まれている''ので見逃したらセーブがない限り次の周からやり直し。 ---この点に関してはPS3版では隠しダンジョンの条件だけ改善されている。 -キャラクターについてはシリーズの近作同様賛否があり、シナリオでの描写に問題があるといえる部分が見られる。 --ユーリとエステルは行動や展開に矛盾があると指摘する声もある。また、PS3版で追加されたパティはXbox360版で存在が示唆されていた点含めて賛否両論。フレンはPS3版で出番増加したためにシナリオに弊害が生じている。 #region(ユーリに関する指摘) -ユーリ・ローウェル --元騎士団で、退団後は下町で用心棒、便利屋などの仕事を気まぐれに行なっている。シリーズ中の主人公では最年長(便宜上最年長はエミルだが)で精神的にも熟成しており、ストーリーにおける成長といった要素は少ない。それ故物語では若く未熟なパーティーメンバーの背を押し、逆に成長を促す等といった長兄役なポジションであり、従来シリーズの主人公とはだいぶ変わっている。 --少々皮肉っぽい面があり、初対面の人間には敬語を使わない、良く思わない相手に対しては少々態度が冷たい等、フレンと比べると歳不相応な面も見受けられる。 -序盤こそ、ユーリの法で裁けぬ悪党を自らの手で裁く(暗殺する)「人の正義」と、フレンの帝国を内部から是正し法秩序を築き上げる「法の正義」の対比が描かれ固有ジャンル名の「正義を貫き通す」に相応しい内容となっていたのだが、中盤以降のあるイベント辺りを境にそれらが忘れ去られ、「正義で悪を倒す」勧善懲悪なシナリオにシフトしてしまう。 -物語中盤でのユーリとフェローの会話のシーンは本ストーリーの中でも特に意見が分かれる部分となっている。 --その内容だが、フェローがエステルの存在を「世界の毒」(殺すべき対象)と判断し、そして「より大きなもの(世界)を守る為には斬り捨てることも必要だ」と発言。それに対してユーリが「その何を斬り捨てるか決められる程お前は偉いのかよ」とその発言を否定する、というものである。「加害者を裁いて被害者を救うこと」と「世界と個人を天秤にかけ斬り捨てること」は明らかに別の行為であるため会話自体がおかしいわけではないのだが、この二人の姿勢に共通点があるのも事実であり「人のこと言えるのか?」という疑念を抱く人も少なくない。ただしこれについてはその後のイベントで親友に暗殺のことを激怒されたりする他、「彼の殺人に対する心境も変わってきたのでは?」という好意的意見も存在する。そもそも、ラゴウやキュモールは個人の判断を仰ぐまでもなく、シリーズ通して見ても珍しい((テイルズは基本的に悪人と呼べるキャラが少ないというのもあるが))超がつくほどの外道なので、ユーリだから、というわけでもない部分もある(実際に手を下すのはユーリならではだが)。 -むしろ終盤にエステルが攫われた後、フレンに怒りをぶつける場面(フレンは反論をせずユーリ(+リタ)が一方的に攻める)はどう見ても八つ当たりであり、よっぽど「お前が言うな」といえる場面となっている。ただし、ユーリは一連の事件にはエステルを攫われた自分にも責任がある事を認め、フレン側からの反論を受け付けるつもりである発言をするなど一応自分なりの筋は通している。実際に反論をしなかったのはフレンの性格上の問題であり、その事までユーリの問題とは言えないだろう。 -また上記の通り暗殺については特赦が出たり、終盤までユーリを責める人物はほぼ私念によるもので「おかしい意見」扱いされたり、彼の「正義」やその所業に対する報復的な展開や、方々から非難を受けて挫折を味わう…などといったアンチ展開が非常に少なく、結果的には救われる人間ばかりで暗殺によって不利益を被る人間は暗殺された当人とその親族(この人物も同レベルの悪人のため、ユーリが良心の呵責を感じたりする展開にはならない)以外に皆無であり、挙句サブイベントで「心の中の聖騎士様」というユーリの立場とは正反対の称号が手に入ったりと、仮にも殺生を伴うアウトローな行動理念にも関わらず相対的に美化されてる傾向にあり、ダークヒーローさながらの殺伐な雰囲気や孤高さを求めたプレイヤーからは批判する声もある。 --特にこの特赦については、いわば彼が「法で裁けない罪人」になってしまったという事でもあり、本末転倒であると批判する声もある。その一方、確かにユーリは罪を犯した罪人ではあるものの、彼によって暗殺されたラゴウやキュモールの様に私欲或いは悦楽のために他者を虐げた悪人では決して無いため、その辺りの捉え方によって特赦についての賛否が分かれていると言える。ただし、どちらにせよユーリとフレンのそれぞれの正義の対比というテーマがほぼ失われてしまった事については批判的に見る向きが強い。 -なお、スタッフの発言に「ユーリ以外の仲間キャラは頼りないし、ユーリを引き立たせる役割がある」というものがあり、ユーリへの評価が荒れる一因となっている。 --相反する正義を持つフレンも「ユーリを引き立たせる為のライバル」と、本作の人間関係が彼の賛美をモットーにした構図になっているのは些か問題である。 #endregion #region(PS3版におけるフレンの参戦に関する指摘) -ユーリの親友であるフレンは言動や性格などは特に問題視されていないが、参戦のタイミングに対して問題がある。キャラ設定は下記の通り(電撃オンラインから抜粋)。 --“ユーリ”とともに帝都の下町で育ち、同じ理想を抱いて騎士団に入った青年。“ユーリ”が幻滅して辞めた後も騎士団にとどまり、着実に実績を積んで昇進する。騎士団において、貴族出身者からは成り上がりとして疎んじられ、逆に平民出身者からは希望の星と目されている。責任感が強く弱い者の味方だが、法を守る立場との板挟みになってしばしば思い悩むなど、生真面目で少々融通の利かない面がある。また、なにかと“ユーリ”に小言をしがちだが、それは狭い下町でくすぶり続ける友を案じてのこと。 -アレクセイに利用され、暗殺対象にされ、ラゴウは逆恨みで厳罰を下そうとし、キュモールには目の敵にされ…と多方面からこれでもかと圧迫されているにも関わらず、彼をフォローしてくれる人物が殆どいないなど、ユーリと対比と言いながら作中での待遇の差は歴然。尤も、これは彼の所属する帝国がいかに腐敗しているかを象徴している描写でもあり、その中において真面目なフレンが割りを食っているとも言える。 --この事からも、上記のユーリの件も相まって「もはや正義の対比ではなく、フレン(の正義)すら踏み台にしてユーリ(の正義)を一方的に持ち上げているだけ」という趣旨の見方も少なくない。 -360版では1回しかパーティに入らない上、操作したい場合でも、「ムーンセレクタ」を合成しないと操作不可能((だが、肝心の能力は技の数が乏しく、バーストアーツや秘奥義の使用・FSの発動が不可のため、使い勝手が非常に悪い。))。 --PS3版は、(フレンの「騎士団の隊長」という設定を考えると)その参戦タイミングについて問題が起こっている。また本来なら同じ場所には立てないが目標は同じ、であるはずのフレンが普通にパーティに入ってしまう事自体を批判する声もある。 ---パーティキャラの一人レイヴンはフレンに正体を悟られないようにフレンと顔をあわせないようにしているのだが、その状態でもフレンが一時加入することについては「レイヴンの行動が無駄になってる」と否定的な意見も多い。((一応スキットではフレン曰く「あまりの性格の差に同一人物とは思えなかった」と説明がされているが、ユーリ達はラピードが匂いで気づいた事もあり、声を聞いた時点で同一人物と瞬時に見抜いているため、理由として納得できるかと言われれば微妙である。))ストーリーに矛盾が出る等スタッフの「フレンが使えるのはファンサービス」という言葉が端的に現れたシーンとも言える。ただし正体判明後の二人の和解のシーンは評価が高い。 //--また360版ではフレンがいない場面で行われた殺人が、フレンがパーティにいる事により結果的にフレンはユーリの殺人((上記二人の事ではなく作中序盤からユーリを追い回し何度も戦った人物で、ユーリが最後の戦闘後に「地獄でやってろ」と斬りつけた事で穴に落下して死亡した))を黙認することになってしまった。 //システム上戦闘は終わってもシナリオ上戦闘は終わったわけじゃないのに、その上で殺しも正当防衛だろう --因みにPS3版は、ガスファロスト、バクティオン、ヘラクレス、ザウデ不落宮、ヒピオニア大陸北東でゲスト参戦した後、終盤で正式にパーティキャラになる。 #endregion #region(エステルに関する指摘) -エステリーゼ・シデス・ヒュラッセイン --エステルという略称はユーリによるもの。第一王位継承者。天然で身分相応に浮世離れしている面があり、自身の旅の目的が曖昧なままユーリと行動を共にする。~ 芯はしっかりしているのだが、「目的を探しながら旅をする」という名目上、自分の主張に矛盾が生じることも多い。 --よく突っ込まれることは「フェローに会うのが目的なのに、我儘言って寄り道する羽目になる」「''首領はカロル''なのにでしゃばっている」「大昔の宝箱を現代に持ち帰るなんて非常識」「フレンの安全がわかったのなら城へ戻れ」など。「ハルルで暮らしたい」「絵本作家になりたい」については「皇族の自覚がない」という事で非難されている。 --ただこれらも意図されたものなのか、中盤では彼女の優柔不断な言動・行動に誰かが苦言を呈するという展開が幾度か見受けられる。ジュディスが度々「貴女のわがままで振り回すの?」と本来の目的を忘れて目の前の出来事にとらわれている事を指摘する、世界の毒と蔑まれた事に対する「必要ならば死んでもいい」という発言をユーリが「二度と言うな」と注意する、サブイベントで登場する彼女の師匠が多方面で注意する、等といったもの。 -それでも性根そのものは非常に献身的な上、余計なアクの無い一生懸命な性格な彼女を評価する声も少なくない。 --とあるサブイベントで「カマトト姉ちゃん」と呼ばれる場面があるが、エステルにはそんな側面は存在しない。そのためスタッフとプレイヤーのエステル像が異なっているのではと疑われている部分がある。 -360版での彼女のAIはかなり頭が悪い事で有名だったがPS3版は改善された。((大してダメージを受けていないのに上級魔法を使って回復する、前線で戦うことが多い、こちらの指示に全く従ってくれないなど。)) --それでもそのままでやらせていると馬鹿な行動を繰り返す為已然頼りなく、術技を全て封印し、ごく一部の回復術のみだけを使用可能にしてようやく機能するレベル。 #endregion -その他の問題点 --3Dテイルズでは定番だった水着コスチュームが存在しない。(PS3版では追加された) --声付きのシーンで、ボイスがない台詞が入っている。(PS3版では追加された) --2周目以降、レコード(所持ガルドやプレイ時間などプレイデータの記録)を引き継ぐと閲覧済みのスキットが発生しなくなる。引き継げるものは全て引き継ぎたいという人は道中の会話を楽しめなくなってしまう。 ---レコード自体はさほど重要な引き継ぎ要素ではなく、スキットプレイヤーで自由に見ることは可能だが、不評が多かったのか『グレイセス』以降では改善されている。 -アニメネタなどの内輪ネタが多いのは人によっては拒否感がある。 -エステルの称号に歴代キャラの「BL」そのままの説明文がある、当然シリーズプレイヤーは腐女子だけではないため批判の方が圧倒的に多い。またエステルは腐女子キャラではないため、エステルの称号としても違和感が強い。 -エステルが初登場時に着ているドレスが、その服で戦闘があるにも関わらず手に入らない。これに関してはPS3版でも追加されなかった。 ---- **総評 本作はXbox360最大のキラータイトルとして期待され、廉価版も含めると最終的に25万本もの売り上げを記録した。これは2013年現在において日本でのXbox360ソフトの最高記録であり、現在もこの記録を破るソフトは存在していない。本作の為''だけ''に本体を購入したというファンも多数存在したという。~ 問題点は、終盤以降のシナリオの矛盾の多さと、「正義の対比」という複雑な主題を掲げているにも関わらずそれを活かしきれなかったり一方の正義側のみ露骨に持ち上げる歪な構図になってしまっている事、クリア後から大崩壊するゲームバランスなどがあげられる。~ また、後述するDLCに関する評価や移植に対する評価などにおいて、本ゲームに付随する内容への評価は大きく割れている。~ ただし、戦闘で行える要素は多く、自分の意志でバランス調整を行うことにより面白いゲームとなる。~ //今後のテイルズオブシリーズの展開を考える時の一つの指針となっており、ヴェスペリアのシステムやグラフィックを踏襲した新作やリメイクを望むプレイヤーも多い。 //編集合戦のせいで、結果的に情報の欠落を起こしてるので総評は丸ごと合戦前の状態に戻す。 ---- **DLC -レベルがDLC販売されたのは、シリーズ中でも本作が初。 --他にも合成素材やスキルセット、ゲーム内通貨などが、「本編でも手に入れられるが有料DLCでも購入できる商品」として販売された。 ---また箱版のインタビューでは「本編で入手できないものはDLCとして販売しない((この発言をした郷田努氏はPS3版ではプロデューサーを降りている。))」という発言があるがPS3版は…。 -PS3版でDL販売されたコスチューム(正確には内部的に存在する称号を解禁するためのアンロックキー)は、1つ300円の「なりきりコスチューム」が4種類×9キャラ分、1つ150円の「『TOA』生誕記念コスチューム」がユーリ・エステル・フレンに1つずつの計39種+αが販売されている。 --専用称号関連のDLCを全て買うとなると総額は&bold(){12,050円}。各種トロフィーには影響しないため、ご利用は計画的に。 -2010年5月28日に出た劇場版BD予約特典はユーリ・エステル限定でフェドロック隊コスチューム(ユーリは軽装版。前回は武装版)だが、劇場版では主役クラスだったフレンには何故か用意されなかった。 ---- *テイルズ オブ ヴェスペリア(PS3版) |対応機種|プレイステーション3|&amazon(B002OB3ST8)|~| |メディア|BD-ROM 1枚|~|~| |発売日|2009年9月17日|~|~| |通信機能|PlayStation Network対応(ダウンロードコンテンツ配信)|~|~| |廉価版|PlayStation3 the Best:2012年8月2日/3,800円|~|~| |分類|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|~| ※360版と異なる内容の項目のみ表記する。 **移植版概要 360版と比べると多くの変更点・追加要素がある。問題となった戦闘バランスは若干の改善が見られるものの調整し切れておらず、新キャラ・パティの度重なる乱入は話の腰を折り、フレン加入はテーマの消化に悪影響を及ぼしたと指摘されることも多い。~ イベントスキップやアイテム取得時のグラフィック・説明文表示といった機能は後の作品でもお馴染みとなる((イベントスキップ自体は、2008年発売の『ラタトスクの騎士』が初出だが、飛ばせるのは一部イベントだけだった。))。~ 代表的な変更・追加箇所の例を以下に示す。詳細な内容については[[こちら>http://www26.atwiki.jp/vesperia/pages/176.html]]を参照。~ -新パーティキャラクターパティ・フルール追加。 -フレンのパーティ加入時期の増加・延長、正式加入。 -「スペシャルフラッグR」(ラピードをパーティトップにすることが可能)追加。 -「アーツボール」の追加(術技セット数が2倍に) 。 -イベントのカメラワーク・演出見直し。イベントスキップ機能追加。 -新コスチューム、アタッチメント、術技追加。 -新ダンジョン、新ボスキャラクター、新ギガントモンスター追加。 -サブイベントの追加・拡張。 桜庭氏の新曲12曲追加。 -『テイルズ オブ バーサス』初回特典にPS3版『ヴェスペリア』のオリジナルスキット解放のプロダクトコードを同梱。 -メインシナリオのフルボイス化。 -ゲームバランスが調整された。360版で強すぎると言われた技で、中でも意図的な仕様でないものは修正されている。 --数々の無限コンボ・ハメ対策としてボスに鋼体を追加したりなどされたものの、新たに別の手段が発見されており、根本的な解決には至らなかった。 --究極のバランスブレイカーとされた「タイダル祭り」は意図的な仕様として、元と近い形で残された。 --同じく究極のバランスブレイカーである「疾風犬」は修正されるどころか、この技のスキル変化で被弾するまで攻撃範囲が広がる「幻鋭犬」が追加され悪化した、しかも疾風犬と兼用も可能。 -最強クラスの戦闘能力を持つ隠しボスが追加。それに伴い裏ダンジョンも新たに追加された。 -闘技場に参加していないパーティメンバーとも対戦する事ができるようになった。 ---- *余談 -「ユーリの外見が女性的である事」は公式もネタにしている。というかゲーム中に勘違いするモブがいる。 --公式のイベントにて、ユーリと担当声優・鳥海にメイド服を着せていた。こういった行動を取る公式に嫌悪感をしめすファンも多い。 ---そもそも彼は長髪であるものの身長180cmと長身で体格も引き締まっており、声も低め…と、年相応の男性らしさを持っており、美形ではあるが女性然としているかと問われれば間違いなくNOである。それを公式からして強引に女性要素と擦り合わせようとする行為そのものへの反感もある((かつて『テイルズオブマガジン』で連載していたカオス系ギャグ漫画「ているずV」では、ユーリ自身が「どこの世界に身長180センチで筋骨ばった野太い声の女がいるんだッ!!」と反論し、ユーリの女装もかなり酷評されている))。 ---やや嗜好に踏み入った話になるが、このテのネタは''ファンの間で非公式に妄想し盛り上がるからこそ''栄えるものであり、公式が目をつけて公式化しても「違う、そうじゃない」と顰蹙を買ってしまいがちである。 --一迅社の4コマ漫画ではユーリが「俺が女装すると美人過ぎて女性に失礼」と笑いながら語るネタがある。 -スタッフによるとユーリのコンセプトは「ダークヒーロー」だそうである。暗殺シーンを筆頭にダークな面があるが「孤独、日陰者」 といったイメージは無く、仲間と和気藹々と旅をしたり、町の人や主要人物に頼りにもされる王道の要素も持つ。その為「ダーク」か「王道」か、個人の見解によって分類が分かれる、ある種珍しい主人公でもある。 --しかし、上記の指摘のように「ダーク」と言うには些か優遇されている感が強く、「ダーク風味のいつものテイルズ主人公」という趣旨の評価が下されることも。 -主要キャラクターの1人フレンは『ギルティギア』のカイ=キスク、『アビス』のガイ・セシルと共通点が多く容姿も似ている。もっとも、藤島氏は「ガイとフレンは似ていない」と否定している。 --漫画家に「キャラの顔が似ている」と言うのは侮辱に等しいが、ガイとフレンは『レディアントマイソロジー3』のOPアニメで共演していたり名コンビとしての人気投票で上位だったりと公式もファンもセットにしたがっている。 --カイの場合、騎士団の団長を務めた事、服の色、主人公の知人、真面目な性格など、ガイ以上に共通点が多い。 -一作目『ファンタジア』の頃からアニメネタを隠し入れる事の多いシリーズだが((デッキブラシのアイテム解説が有名アニメ映画『魔女の宅急便』ネタ、アーチェ役のかないみか氏が『それいけ!アンパンマン』にてメロンパンナ役をやっている事からくる「メロンパン好き」発言など。))、本作にも同様のネタがあちこちに仕込まれている。 --カロルには360版でもカエルのコスチュームがあったのだが、PS3版では更に有料DLCで『[[ケロロ軍曹>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/?cmd=upload&act=open&page=%E3%83%86%E3%82%A4%E3%83%AB%E3%82%BA%20%E3%82%AA%E3%83%96%20%E3%83%B4%E3%82%A7%E3%82%B9%E3%83%9A%E3%83%AA%E3%82%A2&file=TOV107.jpg]]』(テイルズ世界とは全く関係ない吉崎観音氏作による漫画&アニメ出身のキャラ)コスチュームが販売された。これはカロルを演じている渡辺久美子氏の声優ネタ。パティを演じている斎藤千和氏もケロロ軍曹で日向夏美役として出演しているため、ケロロ軍曹の姿をしたカロルとパティをパーティに入れて戦闘に勝利するとパティが夏美のセリフを言う。 ---その後テイルズスタジオ監修の『ケロロRPG』が発売されたため、その伏線ではなかったかとも言われている。 --ジュディスのセリフ「水被って反省なさい」もネタ。これは久川綾氏が担当した水野亜美(美少女戦士セーラームーンシリーズの主要キャラ)の決め台詞である。 -ヒロインであるエステルは、開発スタッフからもいまひとつ愛されていないと思われる発言がインタビューなどで散見される。このため一部では「今後のクロスオーバー作品で冷遇されるのでは?」と危惧する声もある。今のところ目立った冷遇はないが、他のキャラと比べると外部にあまり登場していない。 --ちなみに、2012年に発売された『[[PROJECT X ZONE]]』には、テイルズオブシリーズ代表としてユーリとエステルがペアユニット、フレンはソロユニットとして参戦している。 --ただし、2015年に発売された『[[PROJECT X ZONE 2>PROJECT X ZONE 2:BRAVE NEW WORLD]]』ではヴェスぺリアが続投参戦したものの、ユーリとペアユニットを組むキャラがフレンとなり、エステルはソロユニットに変更となった。 -某まとめブログの看板に使われている(無許可)ので、外部からは妙なイメージを持たれる事も。 -PS3版の攻略本でのスタッフインタビューでは「タイダル祭り」に対して出来る限りの形で残したいと言っている辺り、意図的なバランスであることがうかがえる一方、疾風犬などのバランスブレイカーやハメ技については深く反省している様子もうかがえる。流石にスタッフもやりすぎたと思ったのだろう。 -『テイルズ オブ グレイセス』の予約特典はユーリ、リタ、パティのコスチュームが手に入るプロダクトコードだった。(PS3版では魔法カルタの景品)それぞれアスベル、シェリア、ソフィが着用するコスチュームである。 --これらを加えるとDLCで手に入るヒューバートがフレン、マリクがレイヴンと、『ヴェスペリア』だけ異様にコスチュームの数が多い。しかもヒューバートに至ってはすごく似合ってないと専らの評判である。 --他は『デスティニー』『デスティニー2』『シンフォニア』『アビス』のコスが1~3つと非常に偏っている。 -シンフォニア、アビスから続くシンプルな戦闘システムの最後の作品であり、本作をベースにして発展させたものをプレイしたいという声も一部にはある。 --以降の作品は複雑なシステムや仕様が絡むものが多くなり、良くも悪くも戦闘システムの敷居が高くなりつつある故だろう。
*テイルズ オブ ヴェスペリア 【ているず おぶ う゛ぇすぺりあ】 |ジャンル|ロールプレイングゲーム&br()(シリーズ内ジャンル名:「正義」を貫き通すRPG)|&amazon(B0015PUSQ0)|~| |対応機種|Xbox360|~|~| |メディア|DVD-ROM 1枚|~|~| |発売元|バンダイナムコゲームス|~|~| |開発元|ナムコ・テイルズスタジオ|~|~| |発売日|2008年8月7日|~|~| |定価|7,800円|~|~| |プレイ人数|1人(戦闘のみ1~4人)|~|~| |レーティング|CERO:B(12歳以上対象)|~|~| |コンテンツアイコン|セクシャル、暴力、犯罪、言葉・その他|~|~| |通信機能|Xbox LIVE対応(ダウンロードコンテンツ配信)|~|~| |廉価版|プラチナコレクション:2010年6月3日/3,990円|~|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|~| |>|>|>|CENTER:''[[テイルズオブシリーズ関連作品リンク>テイルズオブシリーズ]]''| ---- #contents ---- //PS3版の記述が随所に混在しており、混乱を招く部分が多々見受けられるため、支障が無いと思われるものは移動。 **概要 テイルズ オブシリーズのマザーシップタイトル第10弾。略称は『TOV』『ヴェスペリア』。キャラクターデザインは藤島康介氏。~ 360版が発売された当初、大作RPGシリーズが360で販売されるということで、大きく注目を浴びることになった。~ その約1年後にゲストキャラだったフレン・シーフォ((主人公ユーリ・ローウェルの幼馴染))のパーティキャラ昇格、新仲間「パティ・フルール」参加などの追加要素を加えてPS3で移植版が発売されている(後述)。~ また、その2週間後に劇場版アニメが公開されたため、売上を大きく伸ばした。 **特徴・新要素 ''戦闘システム「EFR-LMBS(エヴォルドフレックスレンジ・リニアモーションバトルシステム)」 '' -フェイタルストライク --敵の術式への耐久値を0まで減らすと攻撃ヒット時に魔法陣が出る。その時にボタンを押すと雑魚敵には即死、ボス敵には大ダメージを与えることができる。 -オーバーリミッツ --画面左にオーバーリミッツゲージがあり、通常攻撃・術技を無制限に連携できる、魔術の詠唱時間が0になる、通常技より強力なバーストアーツを使用できるといった効果がある。 --レベル4までレベルが設定されており、秘奥義を使用するにはレベル3必要。 -シークレットミッション --ボス戦において、特定条件下で特定の術技を使用する、特定のアイテムを使用する等といったシークレットミッションが用意されており、それらの条件を満たすことでレアアイテムの入手や戦闘グレード増加などのボーナスがもらえる。 ''その他'' -スキル --スキルがついている武器を装備した状態で戦い続けることにより、LP(ラーニングポイント)を溜めてスキル習得が完了するシステムになった。 -アタッチメント --シリーズ初登場。装備すると外見の一部に装着される。装備できるのは一つだけで、サイズや位置は変えられない。 ---- **評価点 -トゥーンシェードで表現されたグラフィック面は、次世代機のスペックで写実的に表現されている他のゲームと若干貧相に見えるのが、よく見ると一つ一つかなり細部まで作りこまれておりトゥーンシェードの極みといっても良い。 --特にHDで描かれたキャラクターの髪がなだらかに揺れるのは非常に美しい。その筆頭がユーリなのは少々面白いとこでもある。 --「次世代機じゃないと出来ないようなグラフィックを目指した」とスタッフが豪語するに相応しい仕上がりとなっている。そのためか、2010年以降に発売されたテイルズよりクオリティが高いと評価する者も存在する。 -戦闘システムは『アビス』のそれをベースに更に洗練されており「フリーランで回避が簡単になりがち」や「高速魔術が強い」等といった事を除けば自由度が高い。 --それでも『アビス』や『ラタトスク』に比べてフリーランが速度低下などで弱体化しているため、以前の様な万能なシステムでは無くなった。それでも十分強力ではあるが。 --FS(フェイタルストライク)やバーストアーツ、FSチェインなどの新要素は戦略性と爽快感を両立していると結構好評。秘奥義の演出も派手である。 -目立ったバグ・不具合が皆無で、ロード時間も早い。やりこみ要素も豊富な点は好評。 -シリーズファンへのファンサービスやニヤリとできる小ネタも随所にちりばめられている。『アビス』のキャラネタだったり、重要なボスが戦闘前にシリーズ作品名の単語を入れて話してくるなど。 --特にとある都市の闘技場ではシナリオが進むと''過去のテイルズ作品のキャラクター達と戦う事が出来るようになる''。 ---その中にはあの『ファンタジア』のダオスも登場する。声は引き継いだ森川氏。 ---ちなみに『デスティニー2』のバルバトスも登場。もちろんこっちがアイテムを使ったときのアレ(知っている人は知っている)も再現。 ---そして『エターニア』からまさかのシゼルが登場した。カットインも美人でありエターニアのファンからも好評である。 -プレイヤーへの配慮もかなり丁寧。 --難易度は初期設定で3段階から選べる。 ---大体のシリーズの特徴ではあるが、これによりシリーズ初心者でも気軽に高難易度のモードで挑戦する事が可能。 --サウンド1つとってもステレオ&bold(){モノラル}に加えてサラウンドも選べ、更には戦闘時のボイスやイベント時のボイスや戦闘時のBGMなども個別で設定できるようになっている。 -ストーリーそのものも、各シーンの一つ一つを見ていけば、プレイヤーを引き込めるような物となっている。 --特にシナリオをよく読み込んだ人達からは「イエガー((重要な人物であり、言葉遣いこそルー語そのものでかなり笑えるものではあるが、その経歴はまさに今作のテーマである「光と影の対比」を端的に表したかのような経歴を持つ。))のエピソードはもっと用意して欲しかった」という意見が根強い名キャラとして評価されている。~ それに応えるかのように、PS3版ではイエガー関係のエピソードが更に追加されたり、小説版では彼の一生消えない「影」の部分に当たる過去が書かれている。また戦闘時の専用曲も追加されており曲自体も好評である。 --スキットの量も多く、キャラクター達の楽しい雑談をたっぷりと聞くことが出来る。 -音楽はシリーズお馴染みの桜庭統氏と青山響氏((従来の田村信二氏。本作の360版からこの名義を使用している。))が担当しており、今作でも中々のクオリティを誇っている。 -全体的にキャラクターの人気が高く、特に主人公であるユーリは公式の人気投票において三連覇を獲得するという快挙を成し遂げている。 ---- **難点・賛否両論点 -音楽は単体で見れば高く評価されるものが多いが、音楽の使いどころを間違えている、という批判が多々見られる。 --本来ならシリアスなシーンなのにどうみても笑い所で流れるような気の抜ける音楽が流れたり、逆のパターンがあったり。 --なんと''360版では序盤から終盤までずっとラスボスのテーマが相当な回数で使いまわされている''。PS3版では全部新曲に差し替えられた。 -スキットの発生の遅さ --スキットと呼ばれるキャラクター達のちょっとした会話があるのだが、条件を満たしていても一定時間経つまで出てこない。 --また、その間隔が異様に長く設定されており、基本的に街での散策やダンジョンを歩き終わっても発生していないスキットがあるのは当たり前である。 --結果的に期間限定のサブイベントよろしく、意識していても非常に見逃しやすい。 --逆に全て見ようとすればダンジョンで敵がいるならまだしも街等では棒立ちして発生を待つ羽目にもなりうる。 -戦闘システムについて --戦闘テンポがかなり遅く、シリーズ作品の中ではモッサリとしている。 --昔ながらのTP制であり、やはり終盤では回復させても焼け石に水。RPGというよりアクションゲームとして消費するシリーズにとって現在では古臭い物となっている((TP制ならせめてTP最大値が固定な『デスティニー2』方式にしてほしいともいわれる))。 ---敵を斬るたびにTPが1回復するのだが、消費と回復のバランスが悪い。特技一回につき消費TP20以上などザラなのでそのたった1回を取り返すために20回斬るはめになり作業感が強い。後半になればオレンジグミ一個で数百と回復させられるので、斬って回復はほぼ死に要素となっている。防御されてしまうと回復しない点もそれに拍車をかけている。 --シリーズ作品によっては、プレイヤーが操作しているキャラが狙われやすいものがあるが、今作は特に酷く、隊列を一番後ろにし、NPC3人全て最前衛だったとしても開幕に敵が全てNPCを無視してプレイヤーに向かって寄ってくるのが当たり前。 ---決められたルーチンによって動いている今作のNPCに敵の動きを止めさせるのは完全に不可能であり、その結果プレイヤーがどのキャラを操作していても常に数体に追い掛け回されっぱなしで、まともに戦闘を楽しめないという状況が頻発する。 --ダウン技が非常に多いため、攻略本やサイトを駆使して全ての技の性能を熟知することを強制される。 --秘奥義が魅せ技に近い扱いになっており、従来シリーズの中では威力が低くダメージソースとしての活用は厳しい。 --スキルの習得が装備している武器に依存する。そのため、明らかに弱い武器などを装備する必要ができてしまう。また後半になり仲間が増えてくると、非常に短い時間間隔で誰かがスキルを習得し、そのたびに武器を変更しなければならず、大きな負担となる。 --秘奥義を出すと画面が明らかに一時停止している。しかし一戦闘につき、2回目以降なら一時停止しない。 --周回時、最高難易度で開始すると敵の防御力が極端に上がり与えるダメージが1になる。『[[アビス>テイルズ オブ ジ アビス]]』の問題点がそのままになっている。 --高難易度にすると敵が露骨に後衛を集中狙いする様になるが、人型ならまだしもモンスターまでもそれが徹底しており目の前のキャラクターを無視してまで狙う。 ---その為、作品内で「モンスターに知恵は無い」とキャラクターが断言するにも関わらず動きが異様に人工的になりかなり不自然になる。 --AIの性能が低く仲間との共闘感が薄い。 ---本作は敵ダウン時の挙動に難が多いため、邪魔にすら感じることがある。 ---ダウン技を全て封印しても、フリーランからの通常攻撃で転ばせる。 --OVLで敵を吹っ飛ばしてしまうため、発動タイミングによっては効果時間を大量に浪費してしまう。 --主人公が常用できる秘奥義が実質的に1つしかない。 --コンボ中に敵の横槍が入った場合、それに反応して周囲を攻撃できる技を撃つのはまず間に合わないため、攻撃を中断することになりテンポが悪い。 ---ステップが標準装備となっているPS3作品の中では特にまどろっこしく感じられる。 --術の詠唱を完了してから、実際に効果が発動するまでが長く、ユーザーの意図するタイミングで発動することが不可能となっている。 ---そのため、発動時における敵の位置は運任せとなっており著しく戦術性に欠ける。 --ファイアボールなど方向の概念がある術を、詠唱完了時ではなく、詠唱開始時の方向に向かって放つ。もちろん、詠唱開始から完了まで敵が一箇所で止まってくれているなどということは無い。そのため敵のいる場所に直接発生する術以外は使い物にならず個性が薄い。 ---このようなシステムでありながら発動保証のようなものは一切存在せず、例え詠唱が完了していたとしても発動前に潰されてしまうと術は発動しない。 --敵がひたすら距離を開けようと戦闘フィールドをウロウロと逃げ回るだけの動作に入ってしまう事が有り、これが非常に鬱陶しい。 --消費TP14で、5秒間完全無敵になる疾風犬という技がある。また、「被ダメージの割合が増加する代わりに、消費TPが1になる」という、メリットとデメリットが全く釣り合っていないブッ壊れ性能な装備品が平然と存在する。その2つを合わせて使おうものならば…想像するに難くないだろう。 --空中コンボを導入することは、本来は戦闘全体の調整にも影響することであり、たった1キャラのみに導入するなど労力に見合わない。当然ながら調整不足な出来となっている。雑魚には無敵、ボスには通用しないと両極端である。 ---飛んでいる敵も同様に地上戦をメインとしたキャラが多い今作ではそれだけで大きなアドバンテージになっており、地上の敵と違い攻撃後の移動ルーチンが無いため攻撃間隔が非常に早く特にAIがまともに対処出来ず囲まれてあっという間に倒されてしまう。 --全てのボスが「ゴリ押し」パターンしかない。その為こちらが貧弱な序盤は好き放題に蹂躙される戦闘ばかりなのに対し、こちらが強くなると逆に蹂躙するだけという戦略性も駆け引きもあったものではないバランス崩壊を起こしている。 #region(二周目の世紀末具合) -ほぼ全員のパーティキャラクターにハメ技や無限コンボが出来るようになり、同じ技を連発するだけでハメ技が出来る。 --唯一無限コンボが無いキャラがいるが、そのキャラもダウン状態に持ち込んでしまえばハメ技が出来てしまうので意味が無い。 --特に上記の疾風犬や高速魔術によって起こる通称''「タイダル祭り」''はファンの間であまりにも有名な究極のバランスブレイカーである。 ---360版に関しては、このほかにも上記の高速魔術を使った封殺技「永久ストップブロウ」や補助効果が永久になるスキルを利用した実質無敵技「永久フォースフィールド」などといったお手軽かつとんでもない組み合わせの技が大量にある。 --他にも、「空中戦が実質無敵状態((パーティキャラクターに空中戦メインのキャラがいるため尚更批判される。))」、「オーバーリミッツ(OVL)が強すぎる((一定の状況下でのOVL中は無敵になる事も可能である上、リミッツボトルというゲージを増やすアイテムがあれば裏ボスすら封殺可能。))」など、いろいろと調整不足な部分も存在する。 --逆に言えばどのキャラクターにも強すぎる技やコンボが用意されている分、強いキャラクターと弱いキャラクターの差はそこまで大きくないと言える。 ---この余りにも壊れたバランスを前提としているのか、不満点にあがっている戦闘面の問題はほぼ全てOVL一つで解決するという滅茶苦茶っぷり。 #endregion -中盤までの筋は許せる範囲で纏まってはいるのだが、最終章に入ってからは伏線もなしに唐突に「精霊」や「マナ」といった単語が登場し説明も無いまま半ば超展開となっていきユーリたちに都合よく事が進んでいく((その中でも特に目に付くのが世界を救うには4体の始祖の隷長を精霊に転生させる、要は事実上死亡させる必要があるのだが、既に死亡している1体、以前の戦いで死を免れない状態になっている1体はともかく、残りの2体が偶然が重なって死亡してしまうというものである。ここでこの偶然が無ければ手詰まりになっていた事は想像に難くない。))。 --ファンからも最終章は微妙、いらなかった等と評価される。最終章はラスボス絡みの矛盾点が生まれたため無いほうが締まっているという意見や、ラスボスと敵対する理由が分かりにくいという意見がある。 --また世界規模の窮地に立たされる事でユーリの罪が忘れ去られる(正確には特赦が出ている)など、メインテーマの「正義を貫き通す」が蔑ろにされている節もある。 --出番が多い割に人物像の描写が薄く、ただの狂人としてフェードアウトしてしまうキャラがいる。設定は存在するのだが描写されないため、初見では置いてけぼりにされる人もいる。壊れた言動などでそこそこ人気がある一方、作中で重大な事件を起こしたり何度も戦ってきたキャラに関して、一狂人のまま顛末も無く話を終わらせてしまうのを受け付けないユーザーもいるなど賛否が分かれている。 //そのキャラについてはシナリオそのものにおかしな点があるわけではないし、そういうキャラに狂人を置く事を良しとするかは好みの問題が大きいので賛否が分かれているという方向に文章を変更 -期間限定のサブイベントが多い。技の習得イベント、料理のイベントなど、システム的にも無視しがたいタイプのものも中盤から随所にちりばめられている。 --中にはその期間限定のイベントを見ないと発生しないイベントもある。このような物は大抵見る気が無いのなら見なくてもいい程度のおまけ要素ではあるが、''今作の場合は隠しダンジョンの条件もこれに含まれている''ので見逃したらセーブがない限り次の周からやり直し。 ---この点に関してはPS3版では隠しダンジョンの条件だけ改善されている。 -キャラクターについてはシリーズの近作同様賛否があり、シナリオでの描写に問題があるといえる部分が見られる。 --ユーリとエステルは行動や展開に矛盾があると指摘する声もある。また、PS3版で追加されたパティはXbox360版で存在が示唆されていた点含めて賛否両論。フレンはPS3版で出番増加したためにシナリオに弊害が生じている。 #region(ユーリに関する指摘) -ユーリ・ローウェル --元騎士団で、退団後は下町で用心棒、便利屋などの仕事を気まぐれに行なっている。シリーズ中の主人公では最年長(便宜上最年長はエミルだが)で精神的にも熟成しており、ストーリーにおける成長といった要素は少ない。それ故物語では若く未熟なパーティーメンバーの背を押し、逆に成長を促す等といった長兄役なポジションであり、従来シリーズの主人公とはだいぶ変わっている。 --少々皮肉っぽい面があり、初対面の人間には敬語を使わない、良く思わない相手に対しては少々態度が冷たい等、フレンと比べると歳不相応な面も見受けられる。 -序盤こそ、ユーリの法で裁けぬ悪党を自らの手で裁く(暗殺する)「人の正義」と、フレンの帝国を内部から是正し法秩序を築き上げる「法の正義」の対比が描かれ固有ジャンル名の「正義を貫き通す」に相応しい内容となっていたのだが、中盤以降のあるイベント辺りを境にそれらが忘れ去られ、「正義で悪を倒す」勧善懲悪なシナリオにシフトしてしまう。 -物語中盤でのユーリとフェローの会話のシーンは本ストーリーの中でも特に意見が分かれる部分となっている。 --その内容だが、フェローがエステルの存在を「世界の毒」(殺すべき対象)と判断し、そして「より大きなもの(世界)を守る為には斬り捨てることも必要だ」と発言。それに対してユーリが「その何を斬り捨てるか決められる程お前は偉いのかよ」とその発言を否定する、というものである。「加害者を裁いて被害者を救うこと」と「世界と個人を天秤にかけ斬り捨てること」は明らかに別の行為であるため会話自体がおかしいわけではないのだが、この二人の姿勢に共通点があるのも事実であり「人のこと言えるのか?」という疑念を抱く人も少なくない。ただしこれについてはその後のイベントで親友に暗殺のことを激怒されたりする他、「彼の殺人に対する心境も変わってきたのでは?」という好意的意見も存在する。そもそも、ラゴウやキュモールは個人の判断を仰ぐまでもなく、シリーズ通して見ても珍しい((テイルズは基本的に悪人と呼べるキャラが少ないというのもあるが))超がつくほどの外道なので、ユーリだから、というわけでもない部分もある(実際に手を下すのはユーリならではだが)。 -むしろ終盤にエステルが攫われた後、フレンに怒りをぶつける場面(フレンは反論をせずユーリ(+リタ)が一方的に攻める)はどう見ても八つ当たりであり、よっぽど「お前が言うな」といえる場面となっている。ただし、ユーリは一連の事件にはエステルを攫われた自分にも責任がある事を認め、フレン側からの反論を受け付けるつもりである発言をするなど一応自分なりの筋は通している。実際に反論をしなかったのはフレンの性格上の問題であり、その事までユーリの問題とは言えないだろう。 -また上記の通り暗殺については特赦が出たり、終盤までユーリを責める人物はほぼ私念によるもので「おかしい意見」扱いされたり、彼の「正義」やその所業に対する報復的な展開や、方々から非難を受けて挫折を味わう…などといったアンチ展開が非常に少なく、結果的には救われる人間ばかりで暗殺によって不利益を被る人間は暗殺された当人とその親族(この人物も同レベルの悪人のため、ユーリが良心の呵責を感じたりする展開にはならない)以外に皆無であり、挙句サブイベントで「心の中の聖騎士様」というユーリの立場とは正反対の称号が手に入ったりと、仮にも殺生を伴うアウトローな行動理念にも関わらず相対的に美化されてる傾向にあり、ダークヒーローさながらの殺伐な雰囲気や孤高さを求めたプレイヤーからは批判する声もある。 --特にこの特赦については、いわば彼が「法で裁けない罪人」になってしまったという事でもあり、本末転倒であると批判する声もある。その一方、確かにユーリは罪を犯した罪人ではあるものの、彼によって暗殺されたラゴウやキュモールの様に私欲或いは悦楽のために他者を虐げた悪人では決して無いため、その辺りの捉え方によって特赦についての賛否が分かれていると言える。ただし、どちらにせよユーリとフレンのそれぞれの正義の対比というテーマがほぼ失われてしまった事については批判的に見る向きが強い。 -なお、スタッフの発言に「ユーリ以外の仲間キャラは頼りないし、ユーリを引き立たせる役割がある」というものがあり、ユーリへの評価が荒れる一因となっている。 --相反する正義を持つフレンも「ユーリを引き立たせる為のライバル」と、本作の人間関係が彼の賛美をモットーにした構図になっているのは些か問題である。 #endregion #region(PS3版におけるフレンの参戦に関する指摘) -ユーリの親友であるフレンは言動や性格などは特に問題視されていないが、参戦のタイミングに対して問題がある。キャラ設定は下記の通り(電撃オンラインから抜粋)。 --“ユーリ”とともに帝都の下町で育ち、同じ理想を抱いて騎士団に入った青年。“ユーリ”が幻滅して辞めた後も騎士団にとどまり、着実に実績を積んで昇進する。騎士団において、貴族出身者からは成り上がりとして疎んじられ、逆に平民出身者からは希望の星と目されている。責任感が強く弱い者の味方だが、法を守る立場との板挟みになってしばしば思い悩むなど、生真面目で少々融通の利かない面がある。また、なにかと“ユーリ”に小言をしがちだが、それは狭い下町でくすぶり続ける友を案じてのこと。 -アレクセイに利用され、暗殺対象にされ、ラゴウは逆恨みで厳罰を下そうとし、キュモールには目の敵にされ…と多方面からこれでもかと圧迫されているにも関わらず、彼をフォローしてくれる人物が殆どいないなど、ユーリと対比と言いながら作中での待遇の差は歴然。尤も、これは彼の所属する帝国がいかに腐敗しているかを象徴している描写でもあり、その中において真面目なフレンが割りを食っているとも言える。 --この事からも、上記のユーリの件も相まって「もはや正義の対比ではなく、フレン(の正義)すら踏み台にしてユーリ(の正義)を一方的に持ち上げているだけ」という趣旨の見方も少なくない。 -360版では1回しかパーティに入らない上、操作したい場合でも、「ムーンセレクタ」を合成しないと操作不可能((だが、肝心の能力は技の数が乏しく、バーストアーツや秘奥義の使用・FSの発動が不可のため、使い勝手が非常に悪い。))。 --PS3版は、(フレンの「騎士団の隊長」という設定を考えると)その参戦タイミングについて問題が起こっている。また本来なら同じ場所には立てないが目標は同じ、であるはずのフレンが普通にパーティに入ってしまう事自体を批判する声もある。 ---パーティキャラの一人レイヴンはフレンに正体を悟られないようにフレンと顔をあわせないようにしているのだが、その状態でもフレンが一時加入することについては「レイヴンの行動が無駄になってる」と否定的な意見も多い。((一応スキットではフレン曰く「あまりの性格の差に同一人物とは思えなかった」と説明がされているが、ユーリ達はラピードが匂いで気づいた事もあり、声を聞いた時点で同一人物と瞬時に見抜いているため、理由として納得できるかと言われれば微妙である。))ストーリーに矛盾が出る等スタッフの「フレンが使えるのはファンサービス」という言葉が端的に現れたシーンとも言える。ただし正体判明後の二人の和解のシーンは評価が高い。 //--また360版ではフレンがいない場面で行われた殺人が、フレンがパーティにいる事により結果的にフレンはユーリの殺人((上記二人の事ではなく作中序盤からユーリを追い回し何度も戦った人物で、ユーリが最後の戦闘後に「地獄でやってろ」と斬りつけた事で穴に落下して死亡した))を黙認することになってしまった。 //システム上戦闘は終わってもシナリオ上戦闘は終わったわけじゃないのに、その上で殺しも正当防衛だろう --因みにPS3版は、ガスファロスト、バクティオン、ヘラクレス、ザウデ不落宮、ヒピオニア大陸北東でゲスト参戦した後、終盤で正式にパーティキャラになる。 #endregion #region(エステルに関する指摘) -エステリーゼ・シデス・ヒュラッセイン --エステルという略称はユーリによるもの。第一王位継承者。天然で身分相応に浮世離れしている面があり、自身の旅の目的が曖昧なままユーリと行動を共にする。~ 芯はしっかりしているのだが、「目的を探しながら旅をする」という名目上、自分の主張に矛盾が生じることも多い。 --よく突っ込まれることは「フェローに会うのが目的なのに、我儘言って寄り道する羽目になる」「''首領はカロル''なのにでしゃばっている」「大昔の宝箱を現代に持ち帰るなんて非常識」「フレンの安全がわかったのなら城へ戻れ」など。「ハルルで暮らしたい」「絵本作家になりたい」については「皇族の自覚がない」という事で非難されている。 --ただこれらも意図されたものなのか、中盤では彼女の優柔不断な言動・行動に誰かが苦言を呈するという展開が幾度か見受けられる。ジュディスが度々「貴女のわがままで振り回すの?」と本来の目的を忘れて目の前の出来事にとらわれている事を指摘する、世界の毒と蔑まれた事に対する「必要ならば死んでもいい」という発言をユーリが「二度と言うな」と注意する、サブイベントで登場する彼女の師匠が多方面で注意する、等といったもの。 -それでも性根そのものは非常に献身的な上、余計なアクの無い一生懸命な性格な彼女を評価する声も少なくない。 --とあるサブイベントで「カマトト姉ちゃん」と呼ばれる場面があるが、エステルにはそんな側面は存在しない。そのためスタッフとプレイヤーのエステル像が異なっているのではと疑われている部分がある。 -360版での彼女のAIはかなり頭が悪い事で有名だったがPS3版は改善された。((大してダメージを受けていないのに上級魔法を使って回復する、前線で戦うことが多い、こちらの指示に全く従ってくれないなど。)) --それでもそのままでやらせていると馬鹿な行動を繰り返す為已然頼りなく、術技を全て封印し、ごく一部の回復術のみだけを使用可能にしてようやく機能するレベル。 #endregion -その他の問題点 --3Dテイルズでは定番だった水着コスチュームが存在しない。(PS3版では追加された) --声付きのシーンで、ボイスがない台詞が入っている。(PS3版では追加された) --2周目以降、レコード(所持ガルドやプレイ時間などプレイデータの記録)を引き継ぐと閲覧済みのスキットが発生しなくなる。引き継げるものは全て引き継ぎたいという人は道中の会話を楽しめなくなってしまう。 ---レコード自体はさほど重要な引き継ぎ要素ではなく、スキットプレイヤーで自由に見ることは可能だが、不評が多かったのか『グレイセス』以降では改善されている。 -アニメネタなどの内輪ネタが多いのは人によっては拒否感がある。 -エステルの称号に歴代キャラの「BL」そのままの説明文がある、当然シリーズプレイヤーは腐女子だけではないため批判の方が圧倒的に多い。またエステルは腐女子キャラではないため、エステルの称号としても違和感が強い。 -エステルが初登場時に着ているドレスが、その服で戦闘があるにも関わらず手に入らない。これに関してはPS3版でも追加されなかった。 ---- **総評 本作はXbox360最大のキラータイトルとして期待され、廉価版も含めると最終的に25万本もの売り上げを記録した。これは2013年現在において日本でのXbox360ソフトの最高記録であり、現在もこの記録を破るソフトは存在していない。本作の為''だけ''に本体を購入したというファンも多数存在したという。~ 問題点は、終盤以降のシナリオの矛盾の多さと、「正義の対比」という複雑な主題を掲げているにも関わらずそれを活かしきれなかったり一方の正義側のみ露骨に持ち上げる歪な構図になってしまっている事、クリア後から大崩壊するゲームバランスなどがあげられる。~ また、後述するDLCに関する評価や移植に対する評価などにおいて、本ゲームに付随する内容への評価は大きく割れている。~ ただし、戦闘で行える要素は多く、自分の意志でバランス調整を行うことにより面白いゲームとなる。~ //今後のテイルズオブシリーズの展開を考える時の一つの指針となっており、ヴェスペリアのシステムやグラフィックを踏襲した新作やリメイクを望むプレイヤーも多い。 //編集合戦のせいで、結果的に情報の欠落を起こしてるので総評は丸ごと合戦前の状態に戻す。 ---- **DLC -レベルがDLC販売されたのは、シリーズ中でも本作が初。 --他にも合成素材やスキルセット、ゲーム内通貨などが、「本編でも手に入れられるが有料DLCでも購入できる商品」として販売された。 ---また箱版のインタビューでは「本編で入手できないものはDLCとして販売しない((この発言をした郷田努氏はPS3版ではプロデューサーを降りている。))」という発言があるがPS3版は…。 -PS3版でDL販売されたコスチューム(正確には内部的に存在する称号を解禁するためのアンロックキー)は、1つ300円の「なりきりコスチューム」が4種類×9キャラ分、1つ150円の「『TOA』生誕記念コスチューム」がユーリ・エステル・フレンに1つずつの計39種+αが販売されている。 --専用称号関連のDLCを全て買うとなると総額は&bold(){12,050円}。各種トロフィーには影響しないため、ご利用は計画的に。 -2010年5月28日に出た劇場版BD予約特典はユーリ・エステル限定でフェドロック隊コスチューム(ユーリは軽装版。前回は武装版)だが、劇場版では主役クラスだったフレンには何故か用意されなかった。 ---- *テイルズ オブ ヴェスペリア(PS3版) |対応機種|プレイステーション3|&amazon(B002OB3ST8)|~| |メディア|BD-ROM 1枚|~|~| |発売日|2009年9月17日|~|~| |通信機能|PlayStation Network対応(ダウンロードコンテンツ配信)|~|~| |廉価版|PlayStation3 the Best:2012年8月2日/3,800円|~|~| |分類|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|~| ※360版と異なる内容の項目のみ表記する。 **移植版概要 360版と比べると多くの変更点・追加要素がある。問題となった戦闘バランスは若干の改善が見られるものの調整し切れておらず、新キャラ・パティの度重なる乱入は話の腰を折り、フレン加入はテーマの消化に悪影響を及ぼしたと指摘されることも多い。~ イベントスキップやアイテム取得時のグラフィック・説明文表示といった機能は後の作品でもお馴染みとなる((イベントスキップ自体は、2008年発売の『ラタトスクの騎士』が初出だが、飛ばせるのは一部イベントだけだった。))。~ 代表的な変更・追加箇所の例を以下に示す。詳細な内容については[[こちら>http://www26.atwiki.jp/vesperia/pages/176.html]]を参照。~ -新パーティキャラクターパティ・フルール追加。 -フレンのパーティ加入時期の増加・延長、正式加入。 -「スペシャルフラッグR」(ラピードをパーティトップにすることが可能)追加。 -「アーツボール」の追加(術技セット数が2倍に) 。 -イベントのカメラワーク・演出見直し。イベントスキップ機能追加。 -新コスチューム、アタッチメント、術技追加。 -新ダンジョン、新ボスキャラクター、新ギガントモンスター追加。 -サブイベントの追加・拡張。 桜庭氏の新曲12曲追加。 -『テイルズ オブ バーサス』初回特典にPS3版『ヴェスペリア』のオリジナルスキット解放のプロダクトコードを同梱。 -メインシナリオのフルボイス化。 -ゲームバランスが調整された。360版で強すぎると言われた技で、中でも意図的な仕様でないものは修正されている。 --数々の無限コンボ・ハメ対策としてボスに鋼体を追加したりなどされたものの、新たに別の手段が発見されており、根本的な解決には至らなかった。 --究極のバランスブレイカーとされた「タイダル祭り」は意図的な仕様として、元と近い形で残された。 --同じく究極のバランスブレイカーである「疾風犬」は修正されるどころか、この技のスキル変化で被弾するまで攻撃範囲が広がる「幻鋭犬」が追加され悪化した、しかも疾風犬と兼用も可能。 -最強クラスの戦闘能力を持つ隠しボスが追加。それに伴い裏ダンジョンも新たに追加された。 -闘技場に参加していないパーティメンバーとも対戦する事ができるようになった。 ---- *余談 -「ユーリの外見が女性的である事」は公式もネタにしている。というかゲーム中に勘違いするモブがいる。 --公式のイベントにて、ユーリと担当声優・鳥海にメイド服を着せていた。こういった行動を取る公式に嫌悪感をしめすファンも多い。 ---そもそも彼は長髪であるものの身長180cmと長身で体格も引き締まっており、声も低め…と、年相応の男性らしさを持っており、美形ではあるが女性然としているかと問われれば間違いなくNOである。それを公式からして強引に女性要素と擦り合わせようとする行為そのものへの反感もある((かつて『テイルズオブマガジン』で連載していたカオス系ギャグ漫画「ているずV」では、ユーリ自身が「どこの世界に身長180センチで筋骨ばった野太い声の女がいるんだッ!!」と反論し、ユーリの女装もかなり酷評されている))。 ---やや嗜好に踏み入った話になるが、このテのネタは''ファンの間で非公式に妄想し盛り上がるからこそ''栄えるものであり、公式が目をつけて公式化しても「違う、そうじゃない」と顰蹙を買ってしまいがちである。 --一迅社の4コマ漫画ではユーリが「俺が女装すると美人過ぎて女性に失礼」と笑いながら語るネタがある。 -スタッフによるとユーリのコンセプトは「ダークヒーロー」だそうである。暗殺シーンを筆頭にダークな面があるが「孤独、日陰者」 といったイメージは無く、仲間と和気藹々と旅をしたり、町の人や主要人物に頼りにもされる王道の要素も持つ。その為「ダーク」か「王道」か、個人の見解によって分類が分かれる、ある種珍しい主人公でもある。 --しかし、上記の指摘のように「ダーク」と言うには些か優遇されている感が強く、「ダーク風味のいつものテイルズ主人公」という趣旨の評価が下されることも。 -主要キャラクターの1人フレンは『ギルティギア』のカイ=キスク、『アビス』のガイ・セシルと共通点が多く容姿も似ている。もっとも、藤島氏は「ガイとフレンは似ていない」と否定している。 --漫画家に「キャラの顔が似ている」と言うのは侮辱に等しいが、ガイとフレンは『レディアントマイソロジー3』のOPアニメで共演していたり名コンビとしての人気投票で上位だったりと公式もファンもセットにしたがっている。 --カイの場合、騎士団の団長を務めた事、服の色、主人公の知人、真面目な性格など、ガイ以上に共通点が多い。 -一作目『ファンタジア』の頃からアニメネタを隠し入れる事の多いシリーズだが((デッキブラシのアイテム解説が有名アニメ映画『魔女の宅急便』ネタ、アーチェ役のかないみか氏が『それいけ!アンパンマン』にてメロンパンナ役をやっている事からくる「メロンパン好き」発言など。))、本作にも同様のネタがあちこちに仕込まれている。 --カロルには360版でもカエルのコスチュームがあったのだが、PS3版では更に有料DLCで『[[ケロロ軍曹>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/?cmd=upload&act=open&page=%E3%83%86%E3%82%A4%E3%83%AB%E3%82%BA%20%E3%82%AA%E3%83%96%20%E3%83%B4%E3%82%A7%E3%82%B9%E3%83%9A%E3%83%AA%E3%82%A2&file=TOV107.jpg]]』(テイルズ世界とは全く関係ない吉崎観音氏作による漫画&アニメ出身のキャラ)コスチュームが販売された。これはカロルを演じている渡辺久美子氏の声優ネタ。パティを演じている斎藤千和氏もケロロ軍曹で日向夏美役として出演しているため、ケロロ軍曹の姿をしたカロルとパティをパーティに入れて戦闘に勝利するとパティが夏美のセリフを言う。 ---その後テイルズスタジオ監修の『ケロロRPG』が発売されたため、その伏線ではなかったかとも言われている。 --ジュディスのセリフ「水被って反省なさい」もネタ。これは久川綾氏が担当した水野亜美(美少女戦士セーラームーンシリーズの主要キャラ)の決め台詞である。 -ヒロインであるエステルは、開発スタッフからもいまひとつ愛されていないと思われる発言がインタビューなどで散見される。このため一部では「今後のクロスオーバー作品で冷遇されるのでは?」と危惧する声もある。今のところ目立った冷遇はないが、他のキャラと比べると外部にあまり登場していない。 --ちなみに、2012年に発売された『[[PROJECT X ZONE]]』には、テイルズオブシリーズ代表としてユーリとエステルがペアユニット、フレンはソロユニットとして参戦している。 --ただし、2015年に発売された『[[PROJECT X ZONE 2>PROJECT X ZONE 2:BRAVE NEW WORLD]]』ではヴェスぺリアが続投参戦したものの、ユーリとペアユニットを組むキャラがフレンとなり、エステルはソロユニットに変更となった。 -某まとめブログの看板に使われている(無許可)ので、外部からは妙なイメージを持たれる事も。 -PS3版の攻略本でのスタッフインタビューでは「タイダル祭り」に対して出来る限りの形で残したいと言っている辺り、意図的なバランスであることがうかがえる一方、疾風犬などのバランスブレイカーやハメ技については深く反省している様子もうかがえる。流石にスタッフもやりすぎたと思ったのだろう。 -『テイルズ オブ グレイセス』の予約特典はユーリ、リタ、パティのコスチュームが手に入るプロダクトコードだった。(PS3版では魔法カルタの景品)それぞれアスベル、シェリア、ソフィが着用するコスチュームである。 --これらを加えるとDLCで手に入るヒューバートがフレン、マリクがレイヴンと、『ヴェスペリア』だけ異様にコスチュームの数が多い。しかもヒューバートに至ってはすごく似合ってないと専らの評判である。 --他は『デスティニー』『デスティニー2』『シンフォニア』『アビス』のコスが1~3つと非常に偏っている。 -シンフォニア、アビスから続くシンプルな戦闘システムの最後の作品であり、本作をベースにして発展させたものをプレイしたいという声も一部にはある。 --以降の作品は複雑なシステムや仕様が絡むものが多くなり、良くも悪くも戦闘システムの敷居が高くなりつつある故だろう。

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