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ブシドーブレード - (2022/05/06 (金) 21:06:02) の1つ前との変更点
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このページは『ブシドーブレード』と『ブシドーブレード弐』の二作品を紹介しています。 (判定は共にバカゲー)
//ジャンプの仕方が分からないのでそのままにしてます・・・。
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#contents(fromhere)
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*ブシドーブレード
【ぶしどーぶれーど】
|ジャンル|アクション|&amazon(B000069SX5)|
|対応機種|プレイステーション|~|
|発売元|スクウェア|~|
|開発元|ライトウェイト|~|
|発売日|1997年3月14日|~|
|定価|5,800円(税抜)|~|
|廉価版|レジェンダリーヒッツ:2007年1月25日/1,575円|~|
|判定|BGCOLOR(MistyRose):''バカゲー''|~|
|ポイント|果し合いの臨場感を味わえる&br()武士道に反することをすると…&br()早すぎた実験作&br()斬新すぎるシステムだらけだが一応良くまとまっている|~|
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**概要
『[[ファイナルファンタジーVII]]』の大ヒット後、スクウェアはその地位に甘んじず(もしくは甘んじて)他のゲーム会社の開発陣を吸収、または後押しして、FFに変わるヒット作品を作り出すべく様々な実験作を世に送り出していた。~
この対戦アクションゲームもそのひとつである。当時としては非常に珍しいコンビニ専売だったので、それなりに話題にはなっていたが…?
**ストーリーモードのあらすじ
時は1990年代頃の日本。&br;
「鳴鏡心当流」という剣術の道場「鳴鏡館」には、暗殺集団「陰」という裏の顔が有った。&br;
各々の理由で「陰」を裏切った主人公(プレイヤーが選択したキャラ)は、&br;
組織からの逃亡や報復を図り、追手となった元仲間達との死闘を繰り広げる。&br;
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**特徴
-身体ダメージシステム
--このゲームの最大の特徴は''「一撃死」''がいつでもありうる、急所に当たれば即死が基本という、まさに''真剣勝負''を体現したシステム。
---体力等を表すゲージ類は''一切存在しない。''
--致命傷を免れた場合、ダメージを受けた部位の機能が低下する。つまり腕を斬られると攻撃速度が、足を斬られると移動速度がどんどん落ちてゆく。
---特に深刻なのが「左腕」と「膝から下」。どちらも一回斬られただけで重大な影響が及ぶ。~
左腕を斬られると、後述の目潰しやサブウェポンの投擲が不可能になる。さらに両手持ちの武器は、片手持ちを強いられ性能が低下する。~
膝から下を斬られると、立ち上がれなくなり大ピンチに陥る。詳しくは足部負傷時の行動を参照。
---何度も攻撃を喰らうとダメージが蓄積され、それに応じて動作速度も低下していく。ただし、致命傷にならない攻撃ならば何百回斬られても決して死ぬことは無い。
--爽快なコンボ等は存在せず、立ち回りでの防御と回避、武器さばきとそこからの一瞬の攻めにゲーム性が集約される。
--一勝負が短いので友人との百本勝負なども気軽に出来る。
-360°自由に走り回れるフリーランニングシステム
--好きなだけ走り回れるのは解放感があり、更にその状態から直接攻撃を繰り出すことも出来るため、辻斬り気分を味わえる。
--ストーリーモードは幾つものマップが繋がった広大なフィールドが舞台となっており、最奥地まで走って到達することも真EDの条件の一つとなっている。
--十メートルほども高さがある陸橋から飛び降りて追っ手を巻くといった、1vs1の対戦アクションとは思わせぬ大胆なアクションまでとれる。
-介錯
--足を負傷した状態でセレクトボタンを押すと''「苦しい…はやく介錯を…」''等のセリフと共に勝負を捨て降参する。
--その後はその場に正座したまま一切の操作を受け付けなくなり、放置していても降参したプレイヤーの敗北となる。
--ちなみに相手が致命傷を与えられずに仕留め損ねた場合に限り、試合続行となる。
-ストーリーモード
--あらすじは前述した通り「暗殺集団を組織している道場から抜ける為の戦い」である。
---ストーリーの内容は非常にハードだが、敗北後のコンティニューは何回でも可能。(完全回復状態で敗北した戦闘から再開)
--ボス戦へと進む条件は2種類存在。従来の格闘ゲームのように「自キャラ以外の5人全員を倒す」か、本作ならではの「秘密の通路への到達に成功した上で戦闘中のキャラを倒す」か、いずれかを達成するとボスキャラ達との連戦に突入。最終ボスを倒すとエンディングを迎える。
---詳細は後述するが、武士道に反した行動をとって勝利してしまうと…。
-チャンバラモード
--百人の敵と一人ずつ戦っていく内容で、このモードに限り武器が打刀で固定される。途中で受けたダメージを回復する手段は一切用意されておらず、そもそも一撃死が基本のゲームシステムのため難度は非常に高い。
---こちらのモードも、敗北後のコンティニューは何回でも可能。
--敵は特定の技しか振らないザコが大半だが、強力な技を使いこなすボスキャラも多数待ち構えているので一筋縄ではいかない。
--ゲーム難易度を"難"に、転倒率を"低"にした上でノーコンティニュークリアを達成すると、対戦モード限定で隠しキャラが解禁される。
---余談だが、本モードのザコ忍者が発する「後はまかせた!」という断末魔は、ゲーム中では珍しい「うめき声・叫び声ではない断末魔」である。スタッフの間でも印象に残りやすかったのか、『弐』においては、ザコ忍者の断末魔は「後はまかせた!」に一本化された。
-鍛錬
--練習モードでは武器が木製の模造刀になり、効果音等も変化する。サブウェポンは無し。
--真剣勝負ではない事を表現しているのだが、木製だから安全といえるかは疑問。武器の形状はそのままなので、かえって生々しさが増している。((殺傷力だけなら、木刀と真剣はさほど変わらないと言われることも多い。))
-オウンビューモード
--基本的に3人称視点のカメラワークでプレイするのだが、このモードに限り操作キャラの一人称視点のカメラワークで対戦ができる。
---方向キーの操作感覚も変化し、例えば通常は左キーで後退するのがこちらでは下キーで後退するようになり、武器のコマンド技入力もそれに準じて変化する。
--さらにPSのゲーム機を2台用意してケーブルで繋げば通信対戦モードによってプレイヤー同士でオウンビューモード対戦を行うことが可能になる。
---さらにこの通信対戦に限り「武家屋敷」という迷路のような専用のステージで対戦することになる。
-シリアスかつシュール、珍妙な世界観
--主人公達は剣術道場の門下生なのだが、その道場は裏で暗殺集団を組織しており、そこから抜ける為にかつての仲間と斬り合うというストーリーが強烈。武士というより忍者に近い。
--ほとんどのキャラクターはそれぞれ相手をひるませるサブウェポン(小柄や手裏剣などの所謂''「暗器」'')を携帯しており、そのまんま忍者のようなモーションや設定のキャラもいる。(チャンバラモードではサブウェポンは使用不可)
--そして何より、時代設定が''現代の日本''((発売時期を考えれば1990年代))である。そんな珍妙な世界観とは裏腹に、舞台設定等はなかなか凝っており、環境音もリアル。~
橋の下の人気のない場所で、時々車が通過する環境音をバックに真剣で斬り結ぶ姿はなかなかシュール。
--ストーリーモードのみ現代忍者風の衣装になる。自キャラが斬られたところに包帯が巻かれるなど芸が細かい。
--キャラもまた珍妙な者が多く、武士道にハマった勘違い外国人はともかく、人斬りの快感に目覚めていく勤勉な学生や''元KGB''のくノ一など、 もはや時代錯誤を通り越して独特の世界観を作り出している。
-声優陣によるキャラクターボイス対応
--スクウェア製のゲームに声優を起用したキャラクターボイスが対応されたのが本作が初となる。
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**基本システム等
-選択できるキャラは6人+隠しキャラが1人。隠しキャラ以外は決定後に武器を選択する。
--武器はキャラごとに得手不得手があり(西洋剣が得意で日本刀が苦手など)特定の組み合わせで使用できる固有技もある。
--さらに「腕力」「身体の大きさ」「足の速さ」などもキャラ毎に設定されており、武器との組み合わせで基本ステータスが変化することもある。
-使用できる武器は全部で8種類。その内の半分は何故か''西洋剣''である。さらに''金槌''という明らかに武術の武器ではない物もある。
--ストーリー上ではその使用技術共々、古くから道場に伝来されてきたものであり、製作者や製作時期なども設定されている。
-武器には''「重さ」''の概念があり、軽い武器では重い武器の防御を崩せず、攻撃も防ぎきれない。
--防御を崩された場合、受身を取ることで隙を軽減できるが、取れる行動が限定される上に立ち直りが遅く、反撃に転じるのは難しい。
--そのため、どうしても重い武器を得意とするキャラが有利になってしまう。
-軽い武器を得意とするキャラは、側転・前転・後転などの移動技関連の固有技を活かして機動力を軸にした立ち回りで差をつける必要がある。
--相手との力の差が小さければ上段の構え(下記参照)でパワーを補える場合もあるので、相手に応じて使いこなしたいところ。
-武器の構えと基本的な攻撃手段はそれぞれ3種類用意されており、ボタンを押すことで切り替え可能。
--武器を弾かれにくい構えを取る上段、正面に武器を構えて相手と向かい合う中段、武器を低く引いた下段があり、出せる技は構えによって大きく変わる。
---上段の構えにのみ「武器重量以上の威力で攻撃が出せる」という特性がある。
--攻撃はワンボタンで気軽に行え、相手の頭を狙う上段、胴体を狙う中段、足を狙う下段と分かれている。さらに方向キーとの組み合わせで様々な技を繰り出すことができる。
---技の内容は実に様々で、基本攻撃からの切り返しによる連携やキャラクターによっては見栄えのある固有の必殺技も行える。
-構えや技のモーションなどの立ち回りの基礎となる部分は''キャラクターではなく使用武器によって決定される。''
--キャラクターはあくまで武器に追従する要素であり、武器選択こそが他のゲームのキャラクターセレクトに当たる部分と言える。
--ちなみに、キャラクターの死亡時のモーションも武器と構えごとに専用のものが用意されている。
-攻撃に対する防御もワンボタンで行えるが、それ以外にも武器による攻撃同士がぶつかり合うと鍔迫り合いになることがある。
--この状態になるとボタン連打で相手を吹き飛ばしたり逆に距離を離して仕切り直しといった行動ができ、更には相手に力負けして押されていると見せかけていきなり鍔迫り合いをやめて相手をもつれさせバランスを崩させて隙を作ったりといったフェイントも行える。
---普通に構え中の相手の武器に攻撃を当てた場合でもキャラクターのパワー差に関係なく怯ませることも可能。
---また、防御自体にも僅かだが隙があり、わざとギリギリの間合いで攻撃を空振らせて防御を誘発させ、終わり際の無防備な瞬間に連続攻撃を叩きこんで仕留めるといった芸当もできる。
--このため、パワーが無いキャラクターでも相手の間合いと攻撃を上手く見切ってタイミングを合わせれば積極的に隙を作らせることも可能で、形勢逆転のチャンスができる。
#region(登場武器の性能一覧)
-打刀(うちかたな)
--江戸時代に一般化した、一般的には刀と呼ばれる物。
--そこそこ武器重量がありリーチもそこそこ、連携技もそれなりにあるが、どちらかと言えば単発の一撃に重点が置かれており、力押しで勝つのは難しい。
--このゲームを代表する武器であり、一応は標準的な性能とされる。どのキャラもそこそこ扱えるが手練が持つと多くの派生技で差をつけることが出来る一振り。
--尖った部分が無く相手の得意を押し付けられると苦しい展開になりやすい。純粋に使い手の技量が問われる武器。
--チャンバラモードではこの武器に固定となるので、制覇を狙うなら扱いには習熟しておきたい。
-レイピア
--本来は刺突用の細剣だが、斬ることもできる。小さな剣だが刺突中心なので思っている以上に攻撃は伸びる。
--リーチとスピ-ド、豊富な連携技と突進技を兼ね備える。最小限の動きで的確に急所を狙い撃ちできるのが強み。
--反面、武器重量は皆無で相手の防御を崩せず、受け手に回ると脆い。スピードと手数を生かして華麗に攻めたい人向け。
-ナギナタ
--通常の薙刀と違い刃に枝があり、形状は十文字槍に近い。
--最長を誇る武器だが、構え方の関係でリーチはその長さほどではない。また全体的に動作が遅く、力押しにも向かない。
--相手が懐に飛び込みにくくなるため防御性能は高めだが、攻撃が遅いため近接戦闘では不利。
--構え自体の防御性能を生かしつつ、相手の間合いの外からの変則的な連携で翻弄することで真価を発揮するテクニカルな武器。
-金槌
--柄まで全て鉄でできた最重量武器。
--簡単にガードを崩すことが出来るトップクラスの破壊力と、相手のどんな攻撃にもひるまない鉄壁の防御を併せ持つ。
--両手でしっかりと握っているためリーチが短く、接近戦を強いられる武器。
--きっちりと防御を固め、頃合を見て至近距離から一気に力押しで押し切ってしまうスタイルが強力。
--扱いが苦手な辰美・蛍火は武器の重さに振り回され、特定の技で転倒して隙を晒してしまう。
-野太刀
--長大なリーチを誇る太刀。
--打刀と同様の単発の一撃に加え、初弾は遅いが出し切ってしまえば勢い任せに押し切れる連携技もあわせ持つ豪快な武器。
--リーチを生かした攻撃は強力ながら全体的な動作はかなり遅く、扱いにくさが目立つ。どちらかというと攻撃主体ではなく、間合いの見切りに自信のある人向け。
-セイヨーブレード
--ナックルガード付きの片手直剣。
--軽量の片手剣だが、リーチの短さの割に剣の振りは少々遅め。その分攻撃にそれなりの重さがある。
--この武器が得意なキャラは多いのだが、性能的に中途半端。軽い割には連携が不得手で死に技も多く、突き技は相応の強さがあるが、見切られると非常に脆い。
--真っ向勝負には弱い半面、間合いを詰めながら攻撃できたりフェイント的な技を備えている他、一番得意とする蛍火はバク転による高速後退ができたり遠距離からや相手の攻撃を回避しつつの奇襲を行える等、トリッキーな戦法も行えるので搦め手が得意な玄人向けな武器と言える。
-セイヨーツルギ
--日本刀を模した短いサーベル。
--リーチが短く武器重量も皆無だが、隙のない連携技で畳み掛けられる扱いやすい軽量武器。キャラによっては側転・高速後退などが出来る。
--打刀のスピードと手数をやや強化したような性能を持つが、間合いを離すと力負けしやすい。守りに入ると負けなので一旦接近したらそのまま押し切る必要あり。
--セイヨーブレードと名前が似ている為、選択時に間違えやすいが性能はまったく別物。
-騎士道ソード
--重さで叩き切る両手剣。
--リーチと武器重量、豊富な連携技も兼ね備えた扱い易い重量級武器。
--重さゆえの遅さ以外には弱点が少なく、適当に暴れ回るだけでも対処に困る。とはいえ隙がない訳ではないので油断は禁物。
--扱いが苦手な辰美・蛍火・御門は武器の重さに振り回され、特定の技で転倒して隙を晒してしまう。
#endregion
**地形が戦略に与える影響
-壁などに武器が当たると弾かれてしまうため、狭い場所で長得物は扱い辛い。
-竹林ステージの竹は、斬撃ではない攻撃(金槌とナギナタの先端の刃以外の部分)では斬れずに弾かれてしまう。
-地面が雪や砂などの場合、目潰しで相手をひるませる事もできる。この攻撃は武器で受けることができない。
--これらの隙はすべて受身で軽減できるため、反応さえできれば致命傷には繋がりにくい。
**足部負傷時の行動
-ダウンした後に全キャラ共通のモーションに変化。しゃがんだ状態で戦う羽目になり、ジャンプやフリーランニングはおろか、段差も上れなくなる。
--その状態でも攻撃や防御は可能。相手の足を狙って同じ土俵に引きずり込む事も出来る。
-既に重心が下がっているので、重心を下げるステップの動作を挟まなくても目潰しやサブウェポンの投擲が可能。
-移動は片足を引きずりながらになるため非常に遅いが、R2でさらに重心を下げる事により転がって移動できる。
--意外とできる事は多いが、きわめて不利な状態である事に変わりはないので、武士道らしく潔く降参してしまうのも一つの手。
---当時の攻略本では、足を負傷した対戦相手に対して、ダッシュでひたすら逃げ回ったり段差の上に陣取ったりして降参を誘うという卑劣な戦法が紹介されていた(勿論ネタとして)。
**銃との戦い
-前述した隠しキャラ「シュヴァルツ・カッツェ」は、なんと銃の使い手。ストーリーモードにおいても、中ボスとしてプレイヤーの行く手を阻む。
--防御できないうえ当たればほぼ致命傷となる銃撃で攻撃でき、どんな攻撃にも怯まずガードできる鉄壁の防御を持つ((防御モーション自体の隙は普通にあるので、連続技まで完璧に防ぎきれるわけではない。))反則キャラだが、銃撃は軸ずらしに非常に弱く、フリーランニング中の相手を捉えるのはまず不可能。装弾数は10発でリロードには時間がかかるため、実質的には''「弾切れ=死」''。
--また膝から下を負傷すると勝手に降参してしまい、その場で負け扱いになってしまう。もっとも、これくらいのハンデは当
然とも言える。
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**評価点
-リアルさを追求した真剣勝負と演出
--従来の格闘ゲームと違い、現実の真剣勝負を忠実に再現したゲーム性はかなりの緊迫感がある。「この間合いで大丈夫だろうか」「次の敵はどう出るか」「ここで攻めるべきか」というように小細工無しの駆け引きはとてもリアルで盛り上がりやすい。
--フリーラーニングシステムによってフィールドを自由に動き回って自分に有利な場所に移動してアドバンテージを握れたりするので、「真っ向勝負は苦手だけど、地の利を活かせれば……」というように戦闘そのものの自由度の高さもリアル。
--この自由度の高さを活かしてプレイヤー同士の対戦では独自に色々なルールを追加することも可能で、友人同士で多彩な遊び方が楽しめる。
--さらに通信対戦を行える環境であれば一人称視点によってよりリアルな真剣勝負を楽しむことができ、白熱した勝負でとても盛り上がる。
--ストーリーモードにおいては身体ダメージシステムによって''受けた傷そのものは以降の戦闘でも残ったまま''になっており、ダメージを受けた部位には血の滲んだ包帯が巻かれて応急処置が施されているなど外見上の生々しいリアルな演出も逸品。
---また、あるステージでは泥溜まりとなった場所が存在し、そこに突っ込んでしまうと全身が泥だらけになってしまい、その後も泥塗れのままストーリーが続行するというリアルと言えばリアルだが非常に細かい演出も存在する。
-数々の爽快な『魅せる』技
--真剣勝負以外にも武器とキャラクターの組み合わせによる様々な技は見所があり、『円月殺法』による連続技や地面に突き刺した薙刀でアクロバティックに相手の背後に回り込む、目にも止まらぬ速さで連続突きを繰り出すといった必殺技はキャラクターと武器の個性を際立たせており、とてもかっこいい。
--そういった必殺技は隙が大きかったりと実用性そのものは低かったりするものの、その分『この必殺技で相手を仕留められたらカッコイイだろうな』という欲求は沸きやすく、リスクは高いがいざ決まった時の爽快感はとても大きい。
--ご丁寧に一回の対戦が終わった直後はその勝負での決め技がカメラワークを変えてリプレイされるため、さらに満足感がある。
--対戦モードの勝利後には武器ごとに決められた勝利ポーズを取るのでより勝利の余韻に浸れる。ただし、ポーズは対戦終了時まで立っていた場所で行うため、終了直前にジャンプをしていたりポーズ途中に段差から落ちてしまうと中断してしまい、締りが悪くなってかっこ悪くなるが逆に笑える場面にもなる。
---なお、この勝利ポーズが終了した後には武器の攻撃判定が常時発生したままになっているというバグが存在しており、壁際などで武器が壁に触れる位置でポーズを決めると弾かれて中断してしまうという上記同様にかっこ悪い姿になってしまう。しかもこの当たり判定は壁だけでなく、倒した相手にも適用されており……((薙刀や騎士道ソードなど、足元に届くようなポーズを取って倒した相手に触れると血飛沫が飛び散り、死人に鞭打つ爆笑必至な珍場面となる))。
-誰でもすぐ対等な勝負が出来るお手軽さ。
--格闘ゲームは初心者お断りになりがちだが、このゲームではとりあえず基本操作を覚えるだけで初心者でも上級者に一矢報いるチャンスが出てくるため、楽しむためのハードルが低い。
---異常な設定をシリアスにやっているというバカバカしい世界観も手伝って、気の合う友達同士などでプレイすればかなり盛り上がれる。
-爽快かつシビアなチャンバラモード
--100人斬りを目指すチャンバラモードでは、1人ずつ現れる敵を椀子蕎麦のごとくテンポ良く斬り倒していく痛快さが楽しめる。
--その一方、どんなに順調に進んでいてもワンミスで倒されるという緊張感も有り、このモードは「一撃で倒せる/倒される」という本作のシステムを活かした面白さを提示している。
-良曲揃いなBGM
--BGMは和風テクノといった、重厚ながらもノリの良い曲が多く、曲自体のクオリティもさることながら独特の世界観にもマッチしている。BGMは(当時はARIKAに所属していた)細江慎治、相原隆行、佐宗綾子の3人が担当してる。((タイトル画面に「SOUND ©1997 ARIKA」と書かれているのはそのため。))
--ストーリーモードはシリアスな雰囲気を重視したためかBGMは一切流れず、風の音などの環境音のみになっている。
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**問題点
-操作の複雑さ
--出来る行動が多い分、操作系統はあまり洗練されているとは言い辛く、特にR1とR2を使った重心移動は理解しにくい。
--例えば、まずL1を押しながら方向キーでフリーラン、その状態でR2を押すと重心をさげてステップ、さらにその状態でR1で重心をあげてジャンプする。
---戦闘においてはジャンプの利用価値はあまり高くないとはいえ、ジャンプ一つにここまで手間取らせるゲームも中々ないだろう。
--サブウェポンを出す際も前とR2同時押しで屈んでから別のボタンを押して投げるという手間がかかる作りで咄嗟に使いづらい。
--よろけた時にR2で受身がとれるが、R1、R2を単体で押すと構え変更になってしまうため、武器によっては逆に大きな隙を晒してしまう危険もある。
-対戦バランスの悪さ
--これは開発者の意図であるが、キャラごとの性能差が激しい。開発者いわく''「熟練したキャラは相応に強くないとおかしい」''との事。
--他のメンバーに比べて経験不足で未熟なキャラとして描かれている男子高校生の「辰美」は唯一人サブウェポンを所持しておらず、その上セイヨーツルギ以外の武器ではまともに戦えない。((セイヨーツルギの使い手としては最強クラスである。))
--対処法が無い訳でもないが、一部の強力な技を連続して繰り出す行為も非常に厄介。格闘ゲームではよくある問題だが、このゲームの場合は特に深刻。
-選択キャラクターの制限
--上記のように操作できるキャラは6人と対戦モードでのみ使用可能な隠しキャラのカッツェだけとなっており、それ以外の中ボスは使うことができない。
---中ボスはいずれもカッツェ同様に『両刃の薙刀使い』サザンカ、『忍刀を操るくノ一』ホッキョク・ツバメと、固有の武器を装備していたり、『学ランと鉄ゲタを身に着けた番長』『鎧武者((御門のエンディングにも登場するので印象に残りやすい))』『バカ殿様』等と、個性あふれる面々ばかりでさらに専用の必殺技までも使用してくるので、見栄えも良く「こいつらを使いたかった」と惜しむ声が多い。
-立ち合いを成り立たせにくい
--いつでも構えを解いて走り回れるフリーランが原因で、立ち合いそのものが成り立たなくなってしまう事も多い。
--フリーランからの攻撃はスピードが速くそれなりに強力ではあるが、狙いがわかりやすく隙も非常に大きいので、慣れれば防御も反撃もたやすい。~
だが、走って逃げる相手には追いつけず、スタミナや時間制限などといった要素も皆無なので、結局どちらかが空気を読んで立ち止まるまで延々追いかけっこをするハメになる。
--防御タイミングが分からないとそのままダッシュ攻撃で決着がついてしまう事も多く、中途半端に操作を覚えたプレイヤー同士が対戦すると''ダッシュ攻撃だけで勝てるゲーム''と勘違いされやすい。
-ストーリーモードの罠
--ストーリーモードでは''「武士道に反する行い」''をした時点でバッドエンドが確定し、先に進めない。
---相手キャラが開幕時にセリフを言っている最中、段差をよじ登っている最中に攻撃を仕掛けるなど。((ラスボスに至っては10秒程に及ぶ前口上を言うので完全に隙だらけである。長々と喋ってる間に背後から斬られる姿は(バッドエンド確定ではあるが)多くのプレイヤーの笑いを誘った。))
---どういう訳か目潰しは卑怯な行為として認識されない。~
目潰しからのコンビネーション攻撃に''「闇夜討ち」''という名前が設定されているので、立派な剣術の技として認識されているのだろうか?
---バッドエンドの際には唐突に真っ黒な画面に縦書きで''「卑劣者 この先行かせず 鳴鏡」''など、数パターンの川柳がランダムで表示される。~
詠み人は流派の創始者である「神和斎(かんなぎさい)」。ゲーム中ではあまり触れられないが、ストーリー上では剣術の実践性を高める為に暗殺集団を組織した人物という設定。
---「暗殺という行為そのものが卑怯ではないのか?」と、当時のゲーム雑誌等でもツッコまれていた。
---余談だが、創作世界においては[[かの有名な暗殺拳>北斗の拳シリーズ]]をはじめ、真っ向勝負を仕掛けておいて暗殺と称する例はいくらでも存在する。時代劇でも「お互い合意の上での果し合いでない限り、正々堂々としていようと((正義側だと一人で名乗りを上げて相手の護衛に刀を抜かせている(そしてピンチに陥り主人公に助けられる)。悪役だと顔を隠して一人を取り囲む事も多いが(そして主人公に邪魔される)。))立派な暗殺」である(お役人が重犯罪者を切り捨てるのは例外)。
---最初の中ボスは、先述した拳銃使い「シュヴァルツ・カッツェ」であるのだが、
散々武士道精神を叩き込まれたプレイヤーが''ボス戦の開幕でいきなり射殺される''理不尽な有様は本作の風物詩といえる。(なお、ここで開幕前に攻撃をしても武士道に反するとみなされバッドエンドである)。
-真のエンディングの条件
--このゲームは(バッドエンドを除くと)各キャラ2種類ずつのエンディングが用意されており、うち片方は特殊な条件が課せられた"真のエンディング"となる。
---その条件とは''「自分で秘密の通路を見つけ出した上でノーダメージクリアすると出現する隠しボスを倒す」''というもの。もはや完全に抜け忍である。
---『各キャラの得意な武器(=走るスピードが速い)でスタートし、逃げ切った後は強力な技を連発する』というプレイで意外となんとかなる。ある程度の練習は必要だが…。
---条件を満たしていれば前述の通り、ラスボスを倒した後に隠しボスが出現。これを倒すことで真のエンディングを迎えることができる。なお、隠しボスは出現しさえすればノーダメージで倒す必要はないので、傷を負ったからといってリセットしないように。
--なお、真のエンディングのルートに入っても、特に裏ボスとの会話も無く、裏ボスの正体も不明で、結局真相は謎のまま終わるキャラも居る。
-演出重視の弊害
--演出面にこだわって作られている反面、様々な弊害も生じている。
---同キャラ対戦不可。この点に関しては当時から他の格闘ゲーム等と比較して前時代的と非難されていた点である。
---ただし、前述の通りキャラは武器に追従する要素でしかないので、他の格闘ゲームと比較するなら「同キャラ対戦対戦は出来るが、追従する同システムを選べない」という表現が正しい。
--衣装は2種類あるが、モードにより衣装が固定されている所も不便さを感じるところ。((ただし、ストーリーモード中に2Pによる乱入対戦を行うことが可能で、ストーリーモードの衣装で対戦することは可能))
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**総評
良くも悪くも「リアルさ=ゲーム的な面白さ」''では無い''事を証明した作品である。~
一対一の戦いではあるのだが、いわゆる従来の格闘ゲームとはデザインもゲーム要素も根本的に異なっている。その上に重心移動や構えなどの操作の複雑さ、武器の種類の多さも手伝って、最初はそもそもどんなゲームなのかさえ理解しづらく、ゲーム性以前の部分でつまづく人も多かったようだ。~
このゲームを理解した者同士が対戦すれば、初代『[[サムライスピリッツ]]』に近い、この上ない緊張感が味わえるゲームとなっている。~
しかしながら他にもこうした実験的・斬新なシステムが多く出てきた時代にあっては単にクソゲー扱いされることも少なくなかったのである。今だからこそこのゲームを手に取って、実際にプレイしてもらいたい。
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*ブシドーブレード弐
【ぶしどーぶれーど2】
|ジャンル|アクション|&amazon(B00005OVON)|
|対応機種|プレイステーション|~|
|発売元|スクウェア|~|
|開発元|ライトウェイト|~|
|発売日|1998年3月12日|~|
|定価|5,800円(税抜)|~|
|廉価版|レジェンダリーヒッツ:2007年1月25日/1,500円(税抜)|~|
|判定|BGCOLOR(MistyRose):''バカゲー''|~|
|ポイント|前作よりもボリュームは遥かにグレードアップ&br()良くも悪くも万人向けなゲーム性に&br()『魅せる』要素は大きく低下|~|
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**概要(弐)
一撃必殺・一撃死の真剣勝負が話題になったスクウェアの3Dチャンバラ格闘アクション『ブシドーブレード』の第2作目。
**本作の特徴(弐)
-本作では『鳴鏡館』とは別の流派である『捨陰党』という道場が登場する。ストーリーモードではこの二つの流派の抗争がメインになり、数百年に渡る因縁に決着をつけるべくそれぞれに属する人物達が死闘を繰り広げる。
--前作ではわずか6名+1名と使用できるキャラが少なかったが本作では各流派ごとに10名近くものキャラクターに分かれて所属しており、隠しキャラも含めれば20人以上と非常に多くなった。
--流派ごとに使用する武器の形状や構えも若干異なるといった部分でも差別化がなされているのも特徴。
---さらに鳴鏡館では長物の武器として『薙刀』を、捨陰党は『槍』を扱うが、この二種に至っては完全に個別の武器で、モーションや技が完全に異なり流派の違いが明確化されている。
-決戦の間
--いわゆるストーリーモードで、二つの流派のキャラを1人選んで物語が進行する。それぞれの勢力に合わせて登場する敵やストーリー展開が異なる。
--基本は1つのステージでまず4~5人程度の雑魚忍者が登場し、それらを倒すと敵流派のプレイアブルキャラが現れ、それを倒すと次のステージに進む。
---ストーリー中盤と最終ステージでは例外として雑魚忍者戦が省略され、直接ボスと対決する。中盤のボスは刀ではなく銃を使い、鳴鏡館側ではあのカッツェと対戦する。
--登場人物達は主人公以外にも決戦の舞台となる各地で戦っているという設定で、ある程度ストーリーを進めると操作キャラごとに決められた別のキャラが助っ人として現れ一時的に交代して操作することになる。
---交代した助っ人キャラのステージをノーミスでクリアすることでそのキャラがプレイアブルキャラとして解放され、以後ストーリーを含めて他のモードでも使用可能になる。
---逆にやられてしまった場合は本来のキャラと即座に交代し、残念ながらそのプレイでの助っ人キャラは死亡してしまうので使用解禁はされなくなる。
--前作と異なりストーリーは完全な一本道で、戦い方やダメージなどは一切影響しない。&bold(){たとえ武士道に反する行いをしたとしてもだ。}
---とはいえ、忍者以外は対戦前に短い会話イベントを挟んでから戦闘が開始されるので、前作のように前口上中に斬り殺すといったことは不可能だが。
---ただし、ノーミスでクリアすると最後にキャラクターが演舞を行うおまけ演出が入るのでやり込みの達成感自体はある。
---例外として捨陰党側のストーリーのみ最後の最後で分岐が存在し、無抵抗の相手を殺すか否かによってエンディングが変化する。
-勝抜の間
--プレイアブルキャラのみと連続で勝ち抜きが行える一種のボスラッシュモード。
--登場する相手はその時点で使用が解禁されているキャラのみとなる。
---カッツェといった銃を使う隠しキャラはもちろん、全キャラを解放すると最後にはバカ殿様がボスとして待ち受けている。
-精進の間
--いわゆる練習モードで、忍者かプレイアブルキャラを相手に操作を練習できる。
--忍者の行動はこちらでいつでも変更可能で、単純攻撃しかさせなかったりと色々な設定ができる。
--プレイアブルキャラは通常のCPU戦とほぼ同じだが勝っても負けても演出などが入らず即座に再戦が開始されるので、スムーズに鍛錬を行うことができる。
-対刃の間
--2P対戦モードで、決戦の間で使われた各ステージを選び文字通りの真剣勝負が行える。
--隠しキャラは基本的にこのモードでのみ使用可能。銃使いの中ボス・カッツェに加えて軍用ライフル持ちのキャラ((前作の中ボスであったホッキョク・ツバメ))も登場。なので拳銃vsライフルといった対戦もできたりする。&bold(){お前ら剣で戦え。}
-対抗の間
--こちらも対戦モードだが対刃の間とは異なり各流派に分かれ、3~5人の団体戦を行う。
--真剣勝負ではなく現実の剣道の試合とほぼ同じになっており、試合場の中で竹刀を使って勝負をする。先鋒から大将戦までと試合ごとに勝負をするキャラクターの順番も決められる。
--各キャラクターが1勝負で2本先取することで勝利した側に点数が入り、総合して点数が多い側が最終的に勝者となる。
---ただし制限時間もあるため、場合によっては引き分けになる。
--キャラクターが転倒したり、攻撃に怯んで場外に出たりすると仕切り直しになる。
---ただし、ダッシュなどで故意に場外に出たりすると反則となり、2回行うとその勝負は相手の勝ちになる。
--銃使いであるカッツェとツバメもこのモードに限り、竹刀を持って戦うことができる。しかもそれなりに強い。
-連結の間
--通信対戦モードで、前作同様オウンビュー専用の対戦モード。
---本作ではどのモードも通常視点かオウンビュー視点を選ぶことが可能だが、このモードのみ例外。
---前作同様、迷路ステージの武家屋敷の他にも様々なステージで対戦ができる。
-百斬の間
--前作と同じチャンバラモードで、打刀のみで100人の敵との連戦を行う。ゲーム開始時は解放されていない隠しモード。
---本作ではタイムアタックの要素が追加されており、速くクリアしたりノーミスでクリアすれば各流派に合わせた隠しキャラの使用が解禁される。
**新システム(弐)
-サブウェポンの種類と効果が増加
--前作のサブウェポンは相手にダメージを与えて動きを鈍くするか防御されても体勢を崩すといった効果しかなかったが、本作ではサブウェポンの種類も含めて極めて多彩な効果になった。
--手裏剣のような小型の飛び道具は連射可能になったり、防御不可能な花火玉、&bold(){急所に当たれば即死する}強力な手斧や小太刀、果ては特定キャラに特効がある&bold(){カエル}や&bold(){キャラクター自身による気合い声}((使用回数を越えると以降は咳き込んで使用不能になり、大きな隙を晒す。当然、補充も不可能))といったおかしなものまでと実に様々。
---ストーリーモードに出てくる雑魚忍者さえサブウェポンを使うようになったので油断はできない。流派によって違いもあり、鳴鏡館側は吹き矢を、捨陰党側は拳銃を使う。当然、クリーンヒットすれば即死である。
-二刀流と居合い
--キャラによっては武器の組み合わせによって特殊な構えを行うことができる。ただし、左腕を負傷しているとサブウェポン同様に使用不能になる。
---二刀流は所持しているサブウェポンを使って両手に武器を持ち、連続技に特化した攻撃が行える。
---居合いは剣を鞘に納め、非常に発生が速い一撃を繰り出せる。ただし、攻撃後に構え直すモーションが入り、隙が非常に大きいのが欠点。
--これらの特殊構えも基本的に流派によって分かれており、一部の例外を除き鳴鏡館は二刀流、捨陰党が居合いとなる。
-からみ技
--体術を利用したいわゆる投げ技で、相手に隣接してコマンドを入力すると発動。成功すると敵を一撃で倒せる。
---技の内容は様々で、例えば打刀のからみ技では相手に蹴りを入れて怯ませた所へ斬り下ろすという連続攻撃を行う。
--技を受けた側は怯み切る前に回避コマンドを行うと反撃アクションを取り、攻撃を回避することができる。
---上記の打刀のからみ技の場合、振り下ろされた攻撃を真剣白刃取りして受け止め、逆に相手を転ばせるというアクションを行う。
--どのキャラでも使えるという訳ではなく、これもまた武器とキャラ、そして構えの組み合わせによって発動できる技が決まっている。
---風閂のようなパワー型のキャラが得意とする傾向にあるが、一部のキャラが得意としている武器を使うことでも発動ができる。
---一見、関連性のないキャラと武器の組み合わせもあるので色々と試して探してみよう。中には&bold(){「お前がそんなことできるのか!?」}というような技を使うキャラもいるので驚かされることも。
-起き上がり・段差登り攻撃の追加
--倒れている状態からその場で起き上がったり、段差を登り終えた直後に攻撃ボタンを押すとその場で即座に攻撃を行えるようになった。
---スピード型のキャラは動作終了時にジャンプしながら頭上から斬りかかるというアクロバティックな動きをするものもいる。
-なお、上記モードのうち決戦・勝抜・対刃の間以外ではサブウェポンとからみ技を使うことができない。
**前作から変更されたシステム(弐)
-攻撃は○ボタンによる表攻撃、×ボタンによる裏攻撃という二種類に分かれ、△ボタンは使用されなくなった。
--表攻撃は突きや振り下ろしなど相手の軸に合わせた攻撃を、裏攻撃は切り払いなど軸に対して横側から攻撃する。
-防御コマンドが廃止され、上記の表裏攻撃に統合されている。
--相手の攻撃に合わせてタイミングよく自分も攻撃を繰り出すことで防御をするようになったが、有利防御と不利防御とさらに種類が分かれるようになっている。
---相手の表攻撃に対して裏攻撃で防御に成功すると青いエフェクトが発生しノーダメージで体勢も崩れないが、表攻撃同士で防御に成功すると緑のエフェクトの不利防御となってしまい、体勢を崩して隙を晒してしまう。
--キャラクター同士のパワー性能や武器の組み合わせによってある程度変化があり、例えばパワー型の風閂がスピード型の御門の攻撃を不利防御しても体勢が崩れにくい。
---逆に上記の御門が風閂の攻撃を不利防御してしまうと大きく吹き飛ばされ、通常よりも大きく態勢を崩してしまう。
--攻撃のタイミングさえ合えばどんな不安定な体勢からであっても防御が可能。前作では立ち止まった状態でなければ防御できなかったが、本作では場合によっては走りながらや起き上がりながらでも相手の攻撃を防げる。
---前作では防御不能だったカッツェの銃撃さえも防御できるようになったのは現実的にも凄い芸当である。
--防御ではない武器同士の接触による武器弾きが起こった場合は両プレイヤー共に軽く怯むようになっており、仕切り直しとなる。
---本作では武器弾きの最中にさらに攻撃ボタンを入力することで重ね技という追撃が行えるようになり、武器弾きが連続で起これば場合によっては途切れるまで連続攻撃も可能。
-本作ではキャラクター性能によって明確にモーションが大きく変化するようになった。
--風閂のようなパワー型のキャラはダッシュ攻撃の振り下ろし時は立ち止まるが、バランス型の辰美やスピード型の御門などは動きを止めずに振り回しながら走り続けられる。
--蛍火やトニー梅田といったスピード特化のキャラは走りやジャンプのモーションも忍者のようなものになっており、特に身構えながらのダッシュ切り払いは非常に隙が少なく立て続けに攻撃できるので強力。
-構えの操作が変更され、□ボタンで3つの構えを順番にループするようになった。
--打刀の場合、中段構え→八相の構え→上段構え→中段~といった具合に切り替わる。戦闘開始時の初期の構えはキャラごとに異なっている。
--キャラによっては通常設定されている構えと入れ替わって上記の二刀流や居合いになる者もいる。
---左手を負傷するなどした場合、その構えは使えなくなり2つの構えのみに減ってしまう。
-R2ボタン1つでその場ですぐしゃがめるようになり、サブウェポンや目潰し、ジャンプが発動がしやすくなった。
--これにより相手の打点の高い攻撃をかわす手段にも使えたり、地面に落ちているサブウェポンも拾いやすくなった。
-前作では倒れている相手をジャンプ急降下で追撃するコマンド技が相手が倒れている場合に限りR1ボタンのみで発動するようになった。
--薙刀と槍の場合は急降下ではなく倒れている相手に向けて小さくジャンプしながら武器を薙ぎ払うというものになる。
--相手が倒れていない場合にR1を押すと頭上に武器を振るう対空攻撃を行う。
---槍と薙刀の場合は対空攻撃ができず、その場でジャンプするのみ。
-前作は壁際や障害物の近く武器を振るうと武器が当たって攻撃が中断してしまったが、本作では壁際でも問題なく武器が振るえるようになった。
--なので壁際に陣取って相手の攻撃をやり過ごすという手段は使えなくなっている。
--ただし、フィールド内に設置されている木や石灯籠などに当たった場合は、前作と同じく弾かれてしまう。
-鍔迫り合いは攻撃同士のぶつかり合いだけでなく、ダッシュで相手の武器の接触判定にぶつかったりすることでも発生するようになった。
--前作と違いボタン連打で勝っていると相手の体勢を2段階まで崩させて後方へ押し込むようになった。
---これを利用して位置を調整し、相手を段差から突き落とすといった戦術も行える。
-ダメージによる負傷のペナルティが緩和された。
--左腕を斬られるとサブウェポンなどが使えなくなるのはそのままだが、本作では足を斬られても立ち上がれなくなることはなくなり、通常通りに戦い続けることができる。
---この仕様の変化により、前作では足を斬られると即降参したカッツェも降参しなくなった。
--ダメージの蓄積による動作速度の低下も前作に比べて緩やかであり、極端に動きが悪くなることはなくなっている。
-前作ではオープンワールドのようなステージ構成が多かったことから橋の上といった高所から落ちてもダメージを受けたり死ぬことはなかったが、本作ではよじ登れないほど高い場所から落ちるとそのまま墜落死してしまう。
--CPU戦では防御が固くて中々倒せない敵を上手く誘い込んで突き落とすということも可能。
--この仕様から崖ステージでの対戦はかなり熱く、逃げる対戦相手を突き落とそうとしてうっかり自分がダイブしてしまうのはお約束。
**評価点(弐)
-シンプルで分かりやすくなったゲーム性
--前作はジャンプやしゃがみ1つ行うためにも複雑な操作が必要だったが、本作ではボタン1つで発動できるようになったりとシンプルな操作性になったため、初心者でも分かりやすくなった。
---技を繰り出すコマンド入力も複雑なものが減り、すぐに技を出しやすくなっているのも初心者には優しい点。
--ストーリーモードも前作は全体像がよく分からず意味不明なところがあったが、流派対決がメインとなったこともあってシンプルで分かりやすい構成になったので内容が理解しやすくなった。
---真のエンディングの到達条件が複雑だった前作と違い、完全な一本道になった分、難しいことは考えずに遊べるようになったのは好ましいところ。
-個性豊かなキャラクター
--前作から実に3倍近くの数に増えたキャラクター達は個性的でユニーク。
---本格的な忍者や古風ヤクザのような和風キャラから片言の日本語を話すアメリカ人、果ては旧日本軍の軍服を着たおじいちゃんから&bold(){アフロダンサー}と前作以上に武士道に似合わない珍妙な連中ばかり。
--勝利モーションもキャラクター個別に用意されており、これもまたキャラの設定や雰囲気に合ったものばかり。中にはバク転やダンスを踊りながら移動するキャラもおり、これで崖から落ちて失敗して死んでしまえばそれはもう、爆笑ものである。
---さらに隠しキャラのバカ殿様に至っては非常に有名なあの人物の踊りまで行う始末。
--ストーリーモードではこれらのキャラクター達が前作以上にイベントで喋りまくり、寸劇も笑えるものが多いので必見。
---キャラクターの増加から声優の数も大幅増加。キャラのイメージに合った人選により違和感なくブシドーブレードの世界に溶け込んでいる。
-見違えるほどにパワーアップし豊富になったなボリューム
--前作はプレイアブルキャラの少なさからストーリーから対戦にかけて不足していたボリュームがとても充実し、20人近くのキャラクター達を使って戦うのは非常に楽しい。
--アーケードモードのような雰囲気で戦闘後に短い会話ぐらいしかなかった前作と違い、ストーリーモードは内容が非常に濃くなりイベントを見て楽しむ要素が増加した。
---キャラは多いがそれぞれエンディングがあり、前作ではムービーだったがこちらではイベントも含めてポリゴン寸劇になっている。悲劇的なもの、後味の悪いものからギャグっぽい内容まで様々である。
--前作ではあまり役に立たなかったサブウェポンも効果が千差万別になったことから非常に有用な攻撃手段と化したことで、頼もしい存在となったのは嬉しい点である。
--二刀流や居合いといった構えはもちろん、からみ技や各キャラクターが個別の技も前作同様に『魅せる』要素が満点。
--1人プレイでもストーリーやチャンバラモード以外でもボスラッシュモードで遊べるので飽きにくい。
--2人対戦もガチの真剣勝負から本格的な剣道試合と様々な形式で遊べる上、対戦ステージも起伏に富んだステージが多くなり、全面的な内容充実が図られているのは続編としては目覚ましいほどの進化ぶりである。
**問題点(弐)
''ストーリー面''~
-ストーリーや登場人物に関しては前作からの正統な続編というよりは『&bold(){前作をモチーフにリブートした}』という側面が強く、前作から続けてプレイしていると所々に矛盾が散見される。前作では影も形も無かった捨陰党の登場によって、前作のストーリーや設定を完全に無視している点が多い。
--前作のエンディングでは「&bold(){真の敵がどこかにいるのか?}」ということを暗示し、多くの謎を残すような終わり方が多かったが本作ではあらすじであっさりと捨陰党が黒幕で水面下で争い続けていたと何の脈絡もなく説明されており呆気なくなってしまっている。
---前作で真相を求めて旅に出たはずの御門が相変わらず鳴鏡館に留まっていたり、真の敵の存在を察した空蝉が最初から真相を知っていたどころか以前からラスボスやある人物の出生に関わっていたりと本作のストーリーを成立させるためにキャラクターの行動も大きく食い違ってしまっている。
--捨陰党に鳴鏡館と二つの流派対決がメインになったため、風閂の故郷をブラックロータスが何故滅ぼしたのかという謎も明かされないまま放置されてしまっている。
---加えて、前作で隠しボスながら一部エンディングにも登場して強い存在感を放っていた謎の鎧武者・キンダチが未登場となっており、結局何者だったのかという謎も完全にスルーされている。
--前作の空蝉の真のエンディングは本作の伏線を匂わせる内容になっているが、この時点では当然捨陰党の設定などなく前作ラスボスとの関係ありという風にも解釈できてしまう。やはり捨陰党とそれに関連するストーリー自体がとってつけたような設定になってしまっており、それによって前作と噛み合わないどころかストーリーを否定してしまっているのが問題。
---前作の時点で続編の構想はあった様子だが各キャラのエンディングはそれぞれで完結できるようなものに仕上がっているため、ストーリー全体の方向性が定まっていなかったことが見て取れる。
---もっとも、前作のストーリーはかなり説明不足で断片的だったということもあるため、本作で設定を練り直すためには仕方がなかったことも考えられるが……。
''キャラクター面''~
-前作から続役している登場人物は本作のストーリーやゲーム性に合わせてか全体的に前作とは著しく異なるキャラクター像や設定に改変されてしまっている。
--蛍火はクールビューティな女性だったが本作ではやけに冷たいオバさんっぽい雰囲気になってしまっている。
--サザンカは渋みのあるキャラ付けがされていたのが本作ではコスチュームも含めてコミカルなキャラに改変されている。ライバル視し敵対していた御門とも何故かかなり親しくなっているのも違和感が大きい。
--銃使いのカッツェも同様に暗殺者らしいキザでクールなキャラ付けがやけにコミカルな言動になっておりこちらもまた違和感が強い。
--特に顕著なのが隠しボスとしても登場した本郷。20代半ばで二枚目系なキャラ付けだったが本作では捨陰党のキャラと関連付けるためか年齢が20歳に下げられ性格も脳筋系なものに変えられてしまった。
-本作から新登場のキャラクター達の声優は違和感ない演技で馴染んでいるが、前作から続役のキャラクター達の演技は全体的に棒読み気味で前作と比べて違和感が強い。
--ストーリーモードのイベント中はそうでもないが、問題は勝負中。声優が変更された風閂や本郷、サザンカなどはともかく、蛍火や空蝉、辰美((ついでにブラックロータスも。))などは前作は攻撃の掛け声に真剣勝負らしい迫力があったが本作では本来のキャラクター像に合ってない演技になってしまっている。
---続役とは微妙に違うがチャンバラモードに出てくる雑魚忍者の印象的だった断末魔「後はまかせた!」の演技も同様に棒読み気味で迫力がない。
-各流派のラスボスは通常のキャラとは著しく仕様が異なり、それぞれが特殊能力を持っているがユーザーからは賛否両論。
--鳴鏡館側のラスボス・柊大納は&bold(){強固な鎧を装備しており正面から攻撃してもノーダメージでガードされてしまう}。このため、側面や背中から斬る必要がある。
---特に薙刀は殺傷判定のない柄の当たり判定が無駄に大きく、先端が急所に当たる前に鎧に当たって防がれてしまうのでこれで倒すのは極めて難しい。この武器しか得意武器がない御門はラスボス戦まではかなり有利に進められるが、最後に至って中々敵にトドメがさせないために苦戦する。
--捨陰党側のラスボス・榊玄鷹は&bold(){攻撃を当てると瞬間移動で回避し、移動後の隙を狙わないと倒せない。}
---この特性により一太刀では決して倒せず、連続攻撃を使う必要がある。使用するごとに移動距離が短くなるので、攻撃を繰り返していればいずれ倒せる分、鳴鏡館側のラスボスよりは対処がしやすい。
--これらの敵との戦いは真剣勝負というより作業に近く、倒すための手段が限定されており自由度が低いのが大きなマイナス点。
--当然と言うべきかこの2人は完全にCPU専用のキャラでプレイヤーは使用できない。
''システム面''~
-相変わらず同キャラ対戦はできない。流派の違いによって似通った性能のキャラはいるものの、サブウェポンや得意武器の違いはあるのでやはりどうしても性能に差が出てしまう。
--例外として隠しキャラのバカ殿様は流派ごとに2人おり、それぞれ姿形こそ微妙に違うが全く同じ性能で、この2名を使うことで疑似的な同キャラ対戦は可能。
-上記のように操作性が簡略化されシンプルになった反面、攻撃ボタンやコマンドが減ったことから必然的に使用できる技のバリエーションが大きく減少してしまった。
--使用できる技も全体的に単調なものが多く、各キャラ専用技以外は前作ほど『魅せる』ような面白さが減ってしまったのは残念な点である。
---銃使いのカッツェですら前作ではバク宙しながら射撃したりと色々なモーションで『魅せる』技を使っていたのに、今作では連射か単発速射の2種類しか技のバリエーションがない。ライフル使いのツバメに至ってはほぼノーモーションで単発射撃をするのでこれもまた面白味に欠ける。
--さらに使用できる武器の数も前作の基本8種類が6種類(打刀・ロングソード・野太刀・ブロードソード・薙刀・槍)に減り、長物は流派ごとに使用できるものが違うので実質5種類しか使えない。
---前作のセイヨーツルギ、レイピアは特定のキャラのサブウェポンとなり二刀流で使ったりするが、金槌は完全にリストラされてしまった((セイヨーブレードはロングソードに、騎士道ソードはブロードソードと分かりやすい名称に変更されている))。
--ついでに言うと、槍と薙刀以外の武器は打刀とロングソード、野太刀とブロードソードでそれぞれ構えや技のモーションが似ていたりほぼ共通しているものが多いことから尚更バリエーションが少なくなってしまっている。
---なので各流派が使える実質的な武器の数は軽量剣・重量剣・長物とたったの3種類だけとなってしまい、武器を使える人間が大勢増えたのに実質的な技を決定する真のキャラクターである武器が減ってしまったのでは本末転倒も良いである。
-防御が攻撃と統合されたことによってむしろ前作よりも複雑で扱い辛い要素になってしまっている。
--前作も1ボタンで防御は可能で防御モーション中はあらゆる攻撃を受け止めることができたが、本作の防御は各攻撃ごとにタイミングが異なるので今一判別し難い。
---なので防御をしたつもりが防御できておらず斬り殺されたり、攻撃をしたと思ったら逆に不利防御になっていたといったアクシデントも起きやすい。
---そもそも全く使用しない△ボタンが完全に浮いてしまっており、これに防御ボタンを割り当てても問題なかったと思われるが……。
--専用の防御モーションが無くなったことは防御ミスの僅かな隙を狙えなくなったということでもある。敵AIはかなり的確に防御を成功させてくるため、怯ませた所に追撃を仕掛けようとすると不利防御ながらもピンポイントで行うので非常にガードが固く中々倒せない。
--また、前作同様にパワー差があると有利防御に成功してもパワーが無いキャラが怯んでしまうが、本作では受け身を取れなくなったためにパワーのあるキャラに押されると一方的な試合になりやすくなってしまっている。
-上記のように本作では武器同士が接触するとプレイヤーが体勢を崩して仕切り直しになるが、本作では前作よりも武器弾きが発生する頻度が非常に高い。
--前作は武器に攻撃を当てて相手を怯ませ隙を作るなどの駆け引きが行えたが、本作では攻撃を仕掛けた側も何故か怯んで技が中断されてしまう。
---武器を振った後ならまだしも武器を振りかぶろうとして接触しても発生するようになったので至近距離で戦っていると武器弾きばかりが起きて乱戦になりやすい。
--前作と違い相手がどんな状態であろうと武器同士が触れれば磁石にでもなっているかのごとく弾かれるため、予期せぬアクシデントが起きやすい。
---例えばパワーキャラがスピードキャラを不利防御で大きく怯ませた所へ追撃を仕掛けた所、怯んでいる相手の武器に当たって何故かこちらが怯み、その間に体勢を整えた相手の反撃でやられてしまうという理不尽な事態も起こり得る。
--リーチが長く攻撃判定の大きい武器ほど武器弾きが発生しやすい。それは武器の個性を表わし防御が固いことを意味するが、はっきり言ってただ邪魔なだけでしかない。
---このため、せっかく派手で迫力のある連続技を発動しても相手の武器に当たって中断してしまうのでほぼ死に技と化してしまい、『魅せる』要素が激減してしまう要因と化している。
--武器弾きとは違うが鍔迫り合いも仕様の変更から発生頻度が高く意図せず鍔迫り合いに持ち込んでしまい時間をロスするなど、チャンバラモードなどでは深刻な問題である。
---さらに鍔迫り合いもボタン連打勝負のみに単純化されてしまったのも駆け引きの楽しさが減ってしまった。
-連続技がほぼ死に技と化したのと同じく、あっても使われないような死に要素が多い。
--通常時の対空攻撃はそもそも本作がジャンプ自体を積極的に行うようなゲームじゃないので、かなり持て余してしまっている。
---薙刀と槍はただその場でジャンプするだけなので、ますます使い道が薄い。ただ隙を作るだけである。
-特殊構えは個性こそあるが、逆に言えば本来使える構えの1つを潰してしまっているためその構えで有用な技が使えなくなってしまう。
--例えば辰美は打刀の中段構えが使えなくなるため、リーチの長い突きを出すことができない。
--腕を負傷して二刀流などができなくなっても通常の構えを行おうとしないため、その場合は特殊構えが使えること自体が完全なデメリットになってしまう。
-からみ技は強力ではあるが使われる側にとってはかなり初見殺しな要素が大きい。
--回避コマンドの入力受け付け時間が非常に短いため、不意に発動され咄嗟に反応しても既に間に合わなくなっている場合がほとんど。
--これらからみ技を多く使えるパワー型のキャラが結果的に有利に戦え、ストーリーモードもスムーズに進められるためからみ技が使えないキャラとの格差や難易度の差が大きい。
-捨陰党専用武器である槍が異常に強く、これにより捨陰党側のキャラの方が優遇されている傾向がある。
--槍は基本的に必ず正面に突き出すように構え、構え変更をしても高さを変えるだけなので接触判定の大きさから対戦相手のリーチ外から一方的に攻撃がしやすい。
--技も隙の少ない突きがメインでしかも発生や攻撃速度も速い。上記の死に技と化した連続技も槍に限っては例外で、接触判定の押し出しからピンポイントで相手の急所を狙うのでかなり強力。
--特にこの武器を一番得意とする寒雲はまさに鬼に金棒も同然であり、凄まじく強い。
--鳴鏡館側の薙刀は武器のリーチ自体は長いが上や後ろに構えたり攻撃モーションに薙ぎ払いが多い都合上、槍よりも使い辛く大きな性能差が出ている。
-敵AIは前作よりもかなり賢くなっており、全体的に手強くなっているがこれもまた賛否両論な出来栄え。
--本作ではあまり積極的に攻撃してこないので隙を狙って攻め辛くなった上、こちらの攻撃に合わせて軸や距離をずらしたりほぼ的確に防御したり攻撃の隙を狙ってくるようになったため、前作よりもかなり機械的で面白味が薄い。
---崖の近くに追いやられたりすると崖から急いで離れたり、相手が段差の上にいるとすぐ登らずある程度距離を離すまでその場で待つなどCPUとしては正しい動きなのだが、やはりパターン気味で面白くない。
---使用解禁のためにノーミスをしなければならない助っ人キャラ操作時は雑魚忍者でもそれなりに強いAI相手に通常以上に気が抜けない立ち回りを強いられてしまうので、気楽なプレイはし難い。
-前作は文字通りのリアルな真剣勝負をモチーフにしていたが、本作では剣道などの現実的な試合をモチーフにしたゲーム性を目指していることが見受けられる。
--足を負傷しても立ち上がれるようになったり仕切り直しになる頻度の多さもキャラクターやユーザー同士の力量差で一方的な試合展開にならないように工夫をしていることが見て取れるが、これが逆に中々勝負が決まらないストレス要素と化してしまっているのだ。
---敵は賢くなったが、それ故に中々攻撃が当たらなかったり攻撃が中断しやすいといった要素から確実に攻撃を当てられるタイミングが限定されてしまうのである。
---これら防御の固さや武器弾きの多さは本作最大の欠点とも言われ、特にタイムアタックがあるチャンバラモードではかなり邪魔になってしまい時間を大幅に浪費しやすい。
''グラフィック・演出面''~
-前作はエンディングでハイエンドモデルのCGムービーが使われていたが、本作は起動時のオープニングにしかムービーが用意されていない。
--ストーリーモードのイベントはまだしもエンディングもポリゴンの寸劇で済まされてしまうので、前作よりも今一達成感が薄い。
---本作はプレイアブルキャラが多いことからも個別のムービーを用意することができなかったことが覗える。キャラクターの大幅増加による数少ない弊害でもある。
-前作はムービーで使われるリアルな造形のモデルをベースに実際に操作するキャラのポリゴンが作られており、ローポリながらかなりリアルに作り込まれていた((筋肉や服のツヤや装飾、さらには胸毛なども))。
--本作のキャラグラフィックはマンガチックなイラストを元に作られているが全体的に前作よりも劣化気味でポリゴンが若干粗くなっている。((御門やカッツェを使ってみるとその違いがよく分かりやすい。))
-本作は全体的に演出が普通のゲームらしい簡素なものになっているものが多く、前作のリアルな雰囲気が弱くなってしまっている。
--攻撃が当たりダメージを与えた時のエフェクトはあまり斬撃らしいものではない。効果音もまた同じで「ドンッ」というものであまり斬った感じがしない。
---前作は武器ごとに武器を振る効果音や命中音さえも個別に異なっていたので違う武器を使っているという雰囲気作りに貢献していたが本作ではそれがない。
---カッツェやツバメの銃撃なども同様であり、前作はかなりリアルな銃撃音だったが本作は「パンッ」と軽い音でありリアリティに欠ける。
--前作は武器の動きにも残像のエフェクトがついており、武器の軌道が分かりやすかったり武器を振る雰囲気を演出していたが、これも無くなってしまった。
--キャラクターの移動や構えも前作は武器とキャラの組み合わせ次第で大きく姿勢を変えたり、バク転や側転をしたりと色々な動きで楽しませてくれたが、本作は通常移動同様のすり足でしか動いてくれないのでこれもまた淡泊すぎる。
---やはり本作は上記のように剣道をモチーフにしてしまっているのが原因だと思われる。
---やられた時のモーションも武器と構えで様々だったが、本作は武器に関係なく構えのみで変わり3種類だけになってしまったのも味気ない。
-対戦ステージは多く増えたが、全体的にステージ構成がダブっているものが多くあまり変わり映えがない。
--前作では強風が吹き荒れ移動に変化が起こるステージなどがあったが本作ではステージの地形や環境を演出に活かしきれているとは言えず、ビルの屋上といったステージがあっても風が吹いているような演出もなく、単なる風景の違いの楽しみくらいしかない。
---特に城の頂上ステージは移動できる範囲が前後しかないため、相手を寄せ付けない槍が極めて強く独断場になってしまう。
--前作にも登場したステージとよく似た場所も多数あるが、全体的に狭くなってしまったのであまり動き回ることができなくなっており、せっかくのフリーラーニングシステムを殺してしまっている。
-前作は武士道に反する卑怯な行為(挨拶中や段差を登っている時に攻撃するなど)をすると強制ゲームオーバーになるというペナルティがあり、賛否はあれど独自の世界観を演出するのに買っていたが本作ではそれが無くなり、完全にルール無用となった。
--段差を登ろうとする敵を斬り殺そうが、背後から斬りかかろうが、崖から突き落とそうが何をしても許される。
--本作は流派対決がメインとなり、なりふり構わなくなったということでもあるかもしれないが、それにしたってさすがに武士道を否定するような行いが果たして許されるものだろうか?
---捨陰党側の最終局面では&bold(){無抵抗の人間を殺す}という、完全に武士の道に反する究極の選択を迫られる。
---実際、ゲーム中で銃という卑怯な戦いをするカッツェがその点を突っ込まれると「&bold(){卑怯で結構!}」と開き直るし、ツバメも「&bold(){お前ごときに刀なんか使えるか}」と同様に吐き捨てている。
---そもそもラスボス自体が超能力を使ったり、完全武装しているのも正々堂々とは言えない。
-前作のBGMは和風テクノが多く使われており本格的な時代劇らしい雰囲気が強かったが、本作ではいわゆるゲームらしい派手な和風ロックがメインとなっており、あまり世界観に溶け込んでいるとは言えず真剣勝負の緊迫感を薄めている((前作とは違い、BGMはARIKAが担当していない))。
--ストーリーモードは前作同様、基本BGMは使われず環境音のみだが前作ほどリアルな雰囲気はない。
--イベントで使われるBGMも前作は神秘的な要素や謎めいた雰囲気を強く演出していたが、本作はポリゴン寸劇のみとなった影響か悲劇的なシーンで流れるBGMも演出の安っぽさもあってあまり表現しきれているとは言えない。
**総評(弐)
元々万人受けがし辛い独特のゲーム性だった前作から一転して万人受けを目指したことによりゲームの充実性が増し、多くのユーザーにも遊びやすい作品に進化した。
しかし、良くも悪くもシステマティックな作りとなったことで前作で賛否はありつつも独自の世界観やゲーム性を成立させたプリミティブな面白さは薄れてしまった印象が強く、改変されたシステムや新要素も『ブシドーブレード』という作品には今一つ噛み合わなかった。
システムや雰囲気、ストーリーも含めて『前作の流れに沿って作って欲しかった』と惜しむ声が多いことからも、万人受け狙いを重視し過ぎて『ブシドーブレード』という作品の持ち味を削いで昇華しきれず無難なゲームになってしまったのは残念な点である。
ブシドーブレードシリーズは本作で終了してしまったが、製作チームは後に剣豪シリーズを製作している。
このページは『ブシドーブレード』と『ブシドーブレード弐』の二作品を紹介しています。 (判定は共にバカゲー)
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#contents(fromhere)
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*ブシドーブレード
【ぶしどーぶれーど】
|ジャンル|アクション|&amazon(B000069SX5)|
|対応機種|プレイステーション|~|
|発売元|スクウェア|~|
|開発元|ライトウェイト|~|
|発売日|1997年3月14日|~|
|定価|5,800円(税抜)|~|
|廉価版|レジェンダリーヒッツ:2007年1月25日/1,575円|~|
|判定|BGCOLOR(MistyRose):''バカゲー''|~|
|ポイント|果し合いの臨場感を味わえる&br()武士道に反することをすると…&br()早すぎた実験作&br()斬新すぎるシステムだらけだが一応良くまとまっている|~|
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**概要
『[[ファイナルファンタジーVII]]』の大ヒット後、スクウェアはその地位に甘んじず(もしくは甘んじて)他のゲーム会社の開発陣を吸収、または後押しして、FFに変わるヒット作品を作り出すべく様々な実験作を世に送り出していた。~
この対戦アクションゲームもそのひとつである。当時としては非常に珍しいコンビニ専売だったので、それなりに話題にはなっていたが…?
**ストーリーモードのあらすじ
時は1990年代頃の日本。&br;
「鳴鏡心当流」という剣術の道場「鳴鏡館」には、暗殺集団「陰」という裏の顔が有った。&br;
各々の理由で「陰」を裏切った主人公(プレイヤーが選択したキャラ)は、&br;
組織からの逃亡や報復を図り、追手となった元仲間達との死闘を繰り広げる。&br;
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**特徴
-身体ダメージシステム
--このゲームの最大の特徴は''「一撃死」''がいつでもありうる、急所に当たれば即死が基本という、まさに''真剣勝負''を体現したシステム。
---体力等を表すゲージ類は''一切存在しない。''
--致命傷を免れた場合、ダメージを受けた部位の機能が低下する。つまり腕を斬られると攻撃速度が、足を斬られると移動速度がどんどん落ちてゆく。
---特に深刻なのが「左腕」と「膝から下」。どちらも一回斬られただけで重大な影響が及ぶ。~
左腕を斬られると、後述の目潰しやサブウェポンの投擲が不可能になる。さらに両手持ちの武器は、片手持ちを強いられ性能が低下する。~
膝から下を斬られると、立ち上がれなくなり大ピンチに陥る。詳しくは足部負傷時の行動を参照。
---何度も攻撃を喰らうとダメージが蓄積され、それに応じて動作速度も低下していく。ただし、致命傷にならない攻撃ならば何百回斬られても決して死ぬことは無い。
--爽快なコンボ等は存在せず、立ち回りでの防御と回避、武器さばきとそこからの一瞬の攻めにゲーム性が集約される。
--一勝負が短いので友人との百本勝負なども気軽に出来る。
-360°自由に走り回れるフリーランニングシステム
--好きなだけ走り回れるのは解放感があり、更にその状態から直接攻撃を繰り出すことも出来るため、辻斬り気分を味わえる。
--ストーリーモードは幾つものマップが繋がった広大なフィールドが舞台となっており、最奥地まで走って到達することも真EDの条件の一つとなっている。
--十メートルほども高さがある陸橋から飛び降りて追っ手を巻くといった、1vs1の対戦アクションとは思わせぬ大胆なアクションまでとれる。
-介錯
--足を負傷した状態でセレクトボタンを押すと''「苦しい…はやく介錯を…」''等のセリフと共に勝負を捨て降参する。
--その後はその場に正座したまま一切の操作を受け付けなくなり、放置していても降参したプレイヤーの敗北となる。
--ちなみに相手が致命傷を与えられずに仕留め損ねた場合に限り、試合続行となる。
-ストーリーモード
--あらすじは前述した通り「暗殺集団を組織している道場から抜ける為の戦い」である。
---ストーリーの内容は非常にハードだが、敗北後のコンティニューは何回でも可能。(完全回復状態で敗北した戦闘から再開)
--ボス戦へと進む条件は2種類存在。従来の格闘ゲームのように「自キャラ以外の5人全員を倒す」か、本作ならではの「秘密の通路への到達に成功した上で戦闘中のキャラを倒す」か、いずれかを達成するとボスキャラ達との連戦に突入。最終ボスを倒すとエンディングを迎える。
---詳細は後述するが、武士道に反した行動をとって勝利してしまうと…。
-チャンバラモード
--百人の敵と一人ずつ戦っていく内容で、このモードに限り武器が打刀で固定される。途中で受けたダメージを回復する手段は一切用意されておらず、そもそも一撃死が基本のゲームシステムのため難度は非常に高い。
---こちらのモードも、敗北後のコンティニューは何回でも可能。
--敵は特定の技しか振らないザコが大半だが、強力な技を使いこなすボスキャラも多数待ち構えているので一筋縄ではいかない。
--ゲーム難易度を"難"に、転倒率を"低"にした上でノーコンティニュークリアを達成すると、対戦モード限定で隠しキャラが解禁される。
---余談だが、本モードのザコ忍者が発する「後はまかせた!」という断末魔は、ゲーム中では珍しい「うめき声・叫び声ではない断末魔」である。スタッフの間でも印象に残りやすかったのか、『弐』においては、ザコ忍者の断末魔は「後はまかせた!」に一本化された。
-鍛錬
--練習モードでは武器が木製の模造刀になり、効果音等も変化する。サブウェポンは無し。
--真剣勝負ではない事を表現しているのだが、木製だから安全といえるかは疑問。武器の形状はそのままなので、かえって生々しさが増している。((殺傷力だけなら、木刀と真剣はさほど変わらないと言われることも多い。))
-オウンビューモード
--基本的に3人称視点のカメラワークでプレイするのだが、このモードに限り操作キャラの一人称視点のカメラワークで対戦ができる。
---方向キーの操作感覚も変化し、例えば通常は左キーで後退するのがこちらでは下キーで後退するようになり、武器のコマンド技入力もそれに準じて変化する。
--さらにPSのゲーム機を2台用意してケーブルで繋げば通信対戦モードによってプレイヤー同士でオウンビューモード対戦を行うことが可能になる。
---さらにこの通信対戦に限り「武家屋敷」という迷路のような専用のステージで対戦することになる。
-シリアスかつシュール、珍妙な世界観
--主人公達は剣術道場の門下生なのだが、その道場は裏で暗殺集団を組織しており、そこから抜ける為にかつての仲間と斬り合うというストーリーが強烈。武士というより忍者に近い。
--ほとんどのキャラクターはそれぞれ相手をひるませるサブウェポン(小柄や手裏剣などの所謂''「暗器」'')を携帯しており、そのまんま忍者のようなモーションや設定のキャラもいる。(チャンバラモードではサブウェポンは使用不可)
--そして何より、時代設定が''現代の日本''((発売時期を考えれば1990年代))である。そんな珍妙な世界観とは裏腹に、舞台設定等はなかなか凝っており、環境音もリアル。~
橋の下の人気のない場所で、時々車が通過する環境音をバックに真剣で斬り結ぶ姿はなかなかシュール。
--ストーリーモードのみ現代忍者風の衣装になる。自キャラが斬られたところに包帯が巻かれるなど芸が細かい。
--キャラもまた珍妙な者が多く、武士道にハマった勘違い外国人はともかく、人斬りの快感に目覚めていく勤勉な学生や''元KGB''のくノ一など、 もはや時代錯誤を通り越して独特の世界観を作り出している。
-声優陣によるキャラクターボイス対応
--スクウェア製のゲームに声優を起用したキャラクターボイスが対応されたのが本作が初となる。
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**基本システム等
-選択できるキャラは6人+隠しキャラが1人。隠しキャラ以外は決定後に武器を選択する。
--武器はキャラごとに得手不得手があり(西洋剣が得意で日本刀が苦手など)特定の組み合わせで使用できる固有技もある。
--さらに「腕力」「身体の大きさ」「足の速さ」などもキャラ毎に設定されており、武器との組み合わせで基本ステータスが変化することもある。
-使用できる武器は全部で8種類。その内の半分は何故か''西洋剣''である。さらに''金槌''という明らかに武術の武器ではない物もある。
--ストーリー上ではその使用技術共々、古くから道場に伝来されてきたものであり、製作者や製作時期なども設定されている。
-武器には''「重さ」''の概念があり、軽い武器では重い武器の防御を崩せず、攻撃も防ぎきれない。
--防御を崩された場合、受身を取ることで隙を軽減できるが、取れる行動が限定される上に立ち直りが遅く、反撃に転じるのは難しい。
--そのため、どうしても重い武器を得意とするキャラが有利になってしまう。
-軽い武器を得意とするキャラは、側転・前転・後転などの移動技関連の固有技を活かして機動力を軸にした立ち回りで差をつける必要がある。
--相手との力の差が小さければ上段の構え(下記参照)でパワーを補える場合もあるので、相手に応じて使いこなしたいところ。
-武器の構えと基本的な攻撃手段はそれぞれ3種類用意されており、ボタンを押すことで切り替え可能。
--武器を弾かれにくい構えを取る上段、正面に武器を構えて相手と向かい合う中段、武器を低く引いた下段があり、出せる技は構えによって大きく変わる。
---上段の構えにのみ「武器重量以上の威力で攻撃が出せる」という特性がある。
--攻撃はワンボタンで気軽に行え、相手の頭を狙う上段、胴体を狙う中段、足を狙う下段と分かれている。さらに方向キーとの組み合わせで様々な技を繰り出すことができる。
---技の内容は実に様々で、基本攻撃からの切り返しによる連携やキャラクターによっては見栄えのある固有の必殺技も行える。
-構えや技のモーションなどの立ち回りの基礎となる部分は''キャラクターではなく使用武器によって決定される。''
--キャラクターはあくまで武器に追従する要素であり、武器選択こそが他のゲームのキャラクターセレクトに当たる部分と言える。
--ちなみに、キャラクターの死亡時のモーションも武器と構えごとに専用のものが用意されている。
-攻撃に対する防御もワンボタンで行えるが、それ以外にも武器による攻撃同士がぶつかり合うと鍔迫り合いになることがある。
--この状態になるとボタン連打で相手を吹き飛ばしたり逆に距離を離して仕切り直しといった行動ができ、更には相手に力負けして押されていると見せかけていきなり鍔迫り合いをやめて相手をもつれさせバランスを崩させて隙を作ったりといったフェイントも行える。
---普通に構え中の相手の武器に攻撃を当てた場合でもキャラクターのパワー差に関係なく怯ませることも可能。
---また、防御自体にも僅かだが隙があり、わざとギリギリの間合いで攻撃を空振らせて防御を誘発させ、終わり際の無防備な瞬間に連続攻撃を叩きこんで仕留めるといった芸当もできる。
--このため、パワーが無いキャラクターでも相手の間合いと攻撃を上手く見切ってタイミングを合わせれば積極的に隙を作らせることも可能で、形勢逆転のチャンスができる。
#region(登場武器の性能一覧)
-打刀(うちかたな)
--江戸時代に一般化した、一般的には刀と呼ばれる物。
--そこそこ武器重量がありリーチもそこそこ、連携技もそれなりにあるが、どちらかと言えば単発の一撃に重点が置かれており、力押しで勝つのは難しい。
--このゲームを代表する武器であり、一応は標準的な性能とされる。どのキャラもそこそこ扱えるが手練が持つと多くの派生技で差をつけることが出来る一振り。
--尖った部分が無く相手の得意を押し付けられると苦しい展開になりやすい。純粋に使い手の技量が問われる武器。
--チャンバラモードではこの武器に固定となるので、制覇を狙うなら扱いには習熟しておきたい。
-レイピア
--本来は刺突用の細剣だが、斬ることもできる。小さな剣だが刺突中心なので思っている以上に攻撃は伸びる。
--リーチとスピ-ド、豊富な連携技と突進技を兼ね備える。最小限の動きで的確に急所を狙い撃ちできるのが強み。
--反面、武器重量は皆無で相手の防御を崩せず、受け手に回ると脆い。スピードと手数を生かして華麗に攻めたい人向け。
-ナギナタ
--通常の薙刀と違い刃に枝があり、形状は十文字槍に近い。
--最長を誇る武器だが、構え方の関係でリーチはその長さほどではない。また全体的に動作が遅く、力押しにも向かない。
--相手が懐に飛び込みにくくなるため防御性能は高めだが、攻撃が遅いため近接戦闘では不利。
--構え自体の防御性能を生かしつつ、相手の間合いの外からの変則的な連携で翻弄することで真価を発揮するテクニカルな武器。
-金槌
--柄まで全て鉄でできた最重量武器。
--簡単にガードを崩すことが出来るトップクラスの破壊力と、相手のどんな攻撃にもひるまない鉄壁の防御を併せ持つ。
--両手でしっかりと握っているためリーチが短く、接近戦を強いられる武器。
--きっちりと防御を固め、頃合を見て至近距離から一気に力押しで押し切ってしまうスタイルが強力。
--扱いが苦手な辰美・蛍火は武器の重さに振り回され、特定の技で転倒して隙を晒してしまう。
-野太刀
--長大なリーチを誇る太刀。
--打刀と同様の単発の一撃に加え、初弾は遅いが出し切ってしまえば勢い任せに押し切れる連携技もあわせ持つ豪快な武器。
--リーチを生かした攻撃は強力ながら全体的な動作はかなり遅く、扱いにくさが目立つ。どちらかというと攻撃主体ではなく、間合いの見切りに自信のある人向け。
-セイヨーブレード
--ナックルガード付きの片手直剣。
--軽量の片手剣だが、リーチの短さの割に剣の振りは少々遅め。その分攻撃にそれなりの重さがある。
--この武器が得意なキャラは多いのだが、性能的に中途半端。軽い割には連携が不得手で死に技も多く、突き技は相応の強さがあるが、見切られると非常に脆い。
--真っ向勝負には弱い半面、間合いを詰めながら攻撃できたりフェイント的な技を備えている他、一番得意とする蛍火はバク転による高速後退ができたり遠距離からや相手の攻撃を回避しつつの奇襲を行える等、トリッキーな戦法も行えるので搦め手が得意な玄人向けな武器と言える。
-セイヨーツルギ
--日本刀を模した短いサーベル。
--リーチが短く武器重量も皆無だが、隙のない連携技で畳み掛けられる扱いやすい軽量武器。キャラによっては側転・高速後退などが出来る。
--打刀のスピードと手数をやや強化したような性能を持つが、間合いを離すと力負けしやすい。守りに入ると負けなので一旦接近したらそのまま押し切る必要あり。
--セイヨーブレードと名前が似ている為、選択時に間違えやすいが性能はまったく別物。
-騎士道ソード
--重さで叩き切る両手剣。
--リーチと武器重量、豊富な連携技も兼ね備えた扱い易い重量級武器。
--重さゆえの遅さ以外には弱点が少なく、適当に暴れ回るだけでも対処に困る。とはいえ隙がない訳ではないので油断は禁物。
--扱いが苦手な辰美・蛍火・御門は武器の重さに振り回され、特定の技で転倒して隙を晒してしまう。
#endregion
**地形が戦略に与える影響
-壁などに武器が当たると弾かれてしまうため、狭い場所で長得物は扱い辛い。
-竹林ステージの竹は、斬撃ではない攻撃(金槌とナギナタの先端の刃以外の部分)では斬れずに弾かれてしまう。
-地面が雪や砂などの場合、目潰しで相手をひるませる事もできる。この攻撃は武器で受けることができない。
--これらの隙はすべて受身で軽減できるため、反応さえできれば致命傷には繋がりにくい。
**足部負傷時の行動
-ダウンした後に全キャラ共通のモーションに変化。しゃがんだ状態で戦う羽目になり、ジャンプやフリーランニングはおろか、段差も上れなくなる。
--その状態でも攻撃や防御は可能。相手の足を狙って同じ土俵に引きずり込む事も出来る。
-既に重心が下がっているので、重心を下げるステップの動作を挟まなくても目潰しやサブウェポンの投擲が可能。
-移動は片足を引きずりながらになるため非常に遅いが、R2でさらに重心を下げる事により転がって移動できる。
--意外とできる事は多いが、きわめて不利な状態である事に変わりはないので、武士道らしく潔く降参してしまうのも一つの手。
---当時の攻略本では、足を負傷した対戦相手に対して、ダッシュでひたすら逃げ回ったり段差の上に陣取ったりして降参を誘うという卑劣な戦法が紹介されていた(勿論ネタとして)。
**銃との戦い
-前述した隠しキャラ「シュヴァルツ・カッツェ」は、なんと銃の使い手。ストーリーモードにおいても、中ボスとしてプレイヤーの行く手を阻む。
--防御できないうえ当たればほぼ致命傷となる銃撃で攻撃でき、どんな攻撃にも怯まずガードできる鉄壁の防御を持つ((防御モーション自体の隙は普通にあるので、連続技まで完璧に防ぎきれるわけではない。))反則キャラだが、銃撃は軸ずらしに非常に弱く、フリーランニング中の相手を捉えるのはまず不可能。装弾数は10発でリロードには時間がかかるため、実質的には''「弾切れ=死」''。
--また膝から下を負傷すると勝手に降参してしまい、その場で負け扱いになってしまう。もっとも、これくらいのハンデは当
然とも言える。
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**評価点
-リアルさを追求した真剣勝負と演出
--従来の格闘ゲームと違い、現実の真剣勝負を忠実に再現したゲーム性はかなりの緊迫感がある。「この間合いで大丈夫だろうか」「次の敵はどう出るか」「ここで攻めるべきか」というように小細工無しの駆け引きはとてもリアルで盛り上がりやすい。
--フリーラーニングシステムによってフィールドを自由に動き回って自分に有利な場所に移動してアドバンテージを握れたりするので、「真っ向勝負は苦手だけど、地の利を活かせれば……」というように戦闘そのものの自由度の高さもリアル。
--この自由度の高さを活かしてプレイヤー同士の対戦では独自に色々なルールを追加することも可能で、友人同士で多彩な遊び方が楽しめる。
--さらに通信対戦を行える環境であれば一人称視点によってよりリアルな真剣勝負を楽しむことができ、白熱した勝負でとても盛り上がる。
--ストーリーモードにおいては身体ダメージシステムによって''受けた傷そのものは以降の戦闘でも残ったまま''になっており、ダメージを受けた部位には血の滲んだ包帯が巻かれて応急処置が施されているなど外見上の生々しいリアルな演出も逸品。
---また、あるステージでは泥溜まりとなった場所が存在し、そこに突っ込んでしまうと全身が泥だらけになってしまい、その後も泥塗れのままストーリーが続行するというリアルと言えばリアルだが非常に細かい演出も存在する。
-数々の爽快な『魅せる』技
--真剣勝負以外にも武器とキャラクターの組み合わせによる様々な技は見所があり、『円月殺法』による連続技や地面に突き刺した薙刀でアクロバティックに相手の背後に回り込む、目にも止まらぬ速さで連続突きを繰り出すといった必殺技はキャラクターと武器の個性を際立たせており、とてもかっこいい。
--そういった必殺技は隙が大きかったりと実用性そのものは低かったりするものの、その分『この必殺技で相手を仕留められたらカッコイイだろうな』という欲求は沸きやすく、リスクは高いがいざ決まった時の爽快感はとても大きい。
--ご丁寧に一回の対戦が終わった直後はその勝負での決め技がカメラワークを変えてリプレイされるため、さらに満足感がある。
--対戦モードの勝利後には武器ごとに決められた勝利ポーズを取るのでより勝利の余韻に浸れる。ただし、ポーズは対戦終了時まで立っていた場所で行うため、終了直前にジャンプをしていたりポーズ途中に段差から落ちてしまうと中断してしまい、締りが悪くなってかっこ悪くなるが逆に笑える場面にもなる。
---なお、この勝利ポーズが終了した後には武器の攻撃判定が常時発生したままになっているというバグが存在しており、壁際などで武器が壁に触れる位置でポーズを決めると弾かれて中断してしまうという上記同様にかっこ悪い姿になってしまう。しかもこの当たり判定は壁だけでなく、倒した相手にも適用されており……((薙刀や騎士道ソードなど、足元に届くようなポーズを取って倒した相手に触れると血飛沫が飛び散り、死人に鞭打つ爆笑必至な珍場面となる))。
-誰でもすぐ対等な勝負が出来るお手軽さ。
--格闘ゲームは初心者お断りになりがちだが、このゲームではとりあえず基本操作を覚えるだけで初心者でも上級者に一矢報いるチャンスが出てくるため、楽しむためのハードルが低い。
---異常な設定をシリアスにやっているというバカバカしい世界観も手伝って、気の合う友達同士などでプレイすればかなり盛り上がれる。
-爽快かつシビアなチャンバラモード
--100人斬りを目指すチャンバラモードでは、1人ずつ現れる敵を椀子蕎麦のごとくテンポ良く斬り倒していく痛快さが楽しめる。
--その一方、どんなに順調に進んでいてもワンミスで倒されるという緊張感も有り、このモードは「一撃で倒せる/倒される」という本作のシステムを活かした面白さを提示している。
-良曲揃いなBGM
--BGMは和風テクノといった、重厚ながらもノリの良い曲が多く、曲自体のクオリティもさることながら独特の世界観にもマッチしている。BGMは(当時はARIKAに所属していた)細江慎治、相原隆行、佐宗綾子の3人が担当してる。((タイトル画面に「SOUND ©1997 ARIKA」と書かれているのはそのため。))
--ストーリーモードはシリアスな雰囲気を重視したためかBGMは一切流れず、風の音などの環境音のみになっている。
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**問題点
-操作の複雑さ
--出来る行動が多い分、操作系統はあまり洗練されているとは言い辛く、特にR1とR2を使った重心移動は理解しにくい。
--例えば、まずL1を押しながら方向キーでフリーラン、その状態でR2を押すと重心をさげてステップ、さらにその状態でR1で重心をあげてジャンプする。
---戦闘においてはジャンプの利用価値はあまり高くないとはいえ、ジャンプ一つにここまで手間取らせるゲームも中々ないだろう。
--サブウェポンを出す際も前とR2同時押しで屈んでから別のボタンを押して投げるという手間がかかる作りで咄嗟に使いづらい。
--よろけた時にR2で受身がとれるが、R1、R2を単体で押すと構え変更になってしまうため、武器によっては逆に大きな隙を晒してしまう危険もある。
-対戦バランスの悪さ
--これは開発者の意図であるが、キャラごとの性能差が激しい。開発者いわく''「熟練したキャラは相応に強くないとおかしい」''との事。
--他のメンバーに比べて経験不足で未熟なキャラとして描かれている男子高校生の「辰美」は唯一人サブウェポンを所持しておらず、その上セイヨーツルギ以外の武器ではまともに戦えない。((セイヨーツルギの使い手としては最強クラスである。))
--対処法が無い訳でもないが、一部の強力な技を連続して繰り出す行為も非常に厄介。格闘ゲームではよくある問題だが、このゲームの場合は特に深刻。
-選択キャラクターの制限
--上記のように操作できるキャラは6人と対戦モードでのみ使用可能な隠しキャラのカッツェだけとなっており、それ以外の中ボスは使うことができない。
---中ボスはいずれもカッツェ同様に『両刃の薙刀使い』サザンカ、『忍刀を操るくノ一』ホッキョク・ツバメと、固有の武器を装備していたり、『学ランと鉄ゲタを身に着けた番長』『鎧武者((御門のエンディングにも登場するので印象に残りやすい))』『バカ殿様』等と、個性あふれる面々ばかりでさらに専用の必殺技までも使用してくるので、見栄えも良く「こいつらを使いたかった」と惜しむ声が多い。
-立ち合いを成り立たせにくい
--いつでも構えを解いて走り回れるフリーランが原因で、立ち合いそのものが成り立たなくなってしまう事も多い。
--フリーランからの攻撃はスピードが速くそれなりに強力ではあるが、狙いがわかりやすく隙も非常に大きいので、慣れれば防御も反撃もたやすい。~
だが、走って逃げる相手には追いつけず、スタミナや時間制限などといった要素も皆無なので、結局どちらかが空気を読んで立ち止まるまで延々追いかけっこをするハメになる。
--防御タイミングが分からないとそのままダッシュ攻撃で決着がついてしまう事も多く、中途半端に操作を覚えたプレイヤー同士が対戦すると''ダッシュ攻撃だけで勝てるゲーム''と勘違いされやすい。
-ストーリーモードの罠
--ストーリーモードでは''「武士道に反する行い」''をした時点でバッドエンドが確定し、先に進めない。
---相手キャラが開幕時にセリフを言っている最中、段差をよじ登っている最中に攻撃を仕掛けるなど。((ラスボスに至っては10秒程に及ぶ前口上を言うので完全に隙だらけである。長々と喋ってる間に背後から斬られる姿は(バッドエンド確定ではあるが)多くのプレイヤーの笑いを誘った。))
---どういう訳か目潰しは卑怯な行為として認識されない。~
目潰しからのコンビネーション攻撃に''「闇夜討ち」''という名前が設定されているので、立派な剣術の技として認識されているのだろうか?
---バッドエンドの際には唐突に真っ黒な画面に縦書きで''「卑劣者 この先行かせず 鳴鏡」''など、数パターンの川柳がランダムで表示される。~
詠み人は流派の創始者である「神和斎(かんなぎさい)」。ゲーム中ではあまり触れられないが、ストーリー上では剣術の実践性を高める為に暗殺集団を組織した人物という設定。
---「暗殺という行為そのものが卑怯ではないのか?」と、当時のゲーム雑誌等でもツッコまれていた。
---余談だが、創作世界においては[[かの有名な暗殺拳>北斗の拳シリーズ]]をはじめ、真っ向勝負を仕掛けておいて暗殺と称する例はいくらでも存在する。時代劇でも「お互い合意の上での果し合いでない限り、正々堂々としていようと((正義側だと一人で名乗りを上げて相手の護衛に刀を抜かせている(そしてピンチに陥り主人公に助けられる)。悪役だと顔を隠して一人を取り囲む事も多いが(そして主人公に邪魔される)。))立派な暗殺」である(お役人が重犯罪者を切り捨てるのは例外)。
---最初の中ボスは、先述した拳銃使い「シュヴァルツ・カッツェ」であるのだが、
散々武士道精神を叩き込まれたプレイヤーが''ボス戦の開幕でいきなり射殺される''理不尽な有様は本作の風物詩といえる。(なお、ここで開幕前に攻撃をしても武士道に反するとみなされバッドエンドである)。
-真のエンディングの条件
--このゲームは(バッドエンドを除くと)各キャラ2種類ずつのエンディングが用意されており、うち片方は特殊な条件が課せられた"真のエンディング"となる。
---その条件とは''「自分で秘密の通路を見つけ出した上でノーダメージクリアすると出現する隠しボスを倒す」''というもの。もはや完全に抜け忍である。
---『各キャラの得意な武器(=走るスピードが速い)でスタートし、逃げ切った後は強力な技を連発する』というプレイで意外となんとかなる。ある程度の練習は必要だが…。
---条件を満たしていれば前述の通り、ラスボスを倒した後に隠しボスが出現。これを倒すことで真のエンディングを迎えることができる。なお、隠しボスは出現しさえすればノーダメージで倒す必要はないので、傷を負ったからといってリセットしないように。
--なお、真のエンディングのルートに入っても、特に裏ボスとの会話も無く、裏ボスの正体も不明で、結局真相は謎のまま終わるキャラも居る。
-演出重視の弊害
--演出面にこだわって作られている反面、様々な弊害も生じている。
---同キャラ対戦不可。この点に関しては当時から他の格闘ゲーム等と比較して前時代的と非難されていた点である。
---ただし、前述の通りキャラは武器に追従する要素でしかないので、他の格闘ゲームと比較するなら「同キャラ対戦対戦は出来るが、追従する同システムを選べない」という表現が正しい。
--衣装は2種類あるが、モードにより衣装が固定されている所も不便さを感じるところ。((ただし、ストーリーモード中に2Pによる乱入対戦を行うことが可能で、ストーリーモードの衣装で対戦することは可能))
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**総評
良くも悪くも「リアルさ=ゲーム的な面白さ」''では無い''事を証明した作品である。~
一対一の戦いではあるのだが、いわゆる従来の格闘ゲームとはデザインもゲーム要素も根本的に異なっている。その上に重心移動や構えなどの操作の複雑さ、武器の種類の多さも手伝って、最初はそもそもどんなゲームなのかさえ理解しづらく、ゲーム性以前の部分でつまづく人も多かったようだ。~
このゲームを理解した者同士が対戦すれば、初代『[[サムライスピリッツ]]』に近い、この上ない緊張感が味わえるゲームとなっている。~
しかしながら他にもこうした実験的・斬新なシステムが多く出てきた時代にあっては単にクソゲー扱いされることも少なくなかったのである。今だからこそこのゲームを手に取って、実際にプレイしてもらいたい。
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*ブシドーブレード弐
【ぶしどーぶれーど2】
|ジャンル|アクション|&amazon(B00005OVON)|
|対応機種|プレイステーション|~|
|発売元|スクウェア|~|
|開発元|ライトウェイト|~|
|発売日|1998年3月12日|~|
|定価|5,800円(税抜)|~|
|廉価版|レジェンダリーヒッツ:2007年1月25日/1,500円(税抜)|~|
|判定|BGCOLOR(MistyRose):''バカゲー''|~|
|ポイント|前作よりもボリュームは遥かにグレードアップ&br()良くも悪くも万人向けなゲーム性に&br()『魅せる』要素は大きく低下|~|
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**概要(弐)
一撃必殺・一撃死の真剣勝負が話題になったスクウェアの3Dチャンバラ格闘アクション『ブシドーブレード』の第2作目。
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**本作の特徴(弐)
-本作では『鳴鏡館』とは別の流派である『捨陰党』という道場が登場する。ストーリーモードではこの二つの流派の抗争がメインになり、数百年に渡る因縁に決着をつけるべくそれぞれに属する人物達が死闘を繰り広げる。
--前作ではわずか6名+1名と使用できるキャラが少なかったが本作では各流派ごとに10名近くものキャラクターに分かれて所属しており、隠しキャラも含めれば20人以上と非常に多くなった。
--流派ごとに使用する武器の形状や構えも若干異なるといった部分でも差別化がなされているのも特徴。
---さらに鳴鏡館では長物の武器として『薙刀』を、捨陰党は『槍』を扱うが、この二種に至っては完全に個別の武器で、モーションや技が完全に異なり流派の違いが明確化されている。
-決戦の間
--いわゆるストーリーモードで、二つの流派のキャラを1人選んで物語が進行する。それぞれの勢力に合わせて登場する敵やストーリー展開が異なる。
--基本は1つのステージでまず4~5人程度の雑魚忍者が登場し、それらを倒すと敵流派のプレイアブルキャラが現れ、それを倒すと次のステージに進む。
---ストーリー中盤と最終ステージでは例外として雑魚忍者戦が省略され、直接ボスと対決する。中盤のボスは刀ではなく銃を使い、鳴鏡館側ではあのカッツェと対戦する。
--登場人物達は主人公以外にも決戦の舞台となる各地で戦っているという設定で、ある程度ストーリーを進めると操作キャラごとに決められた別のキャラが助っ人として現れ一時的に交代して操作することになる。
---交代した助っ人キャラのステージをノーミスでクリアすることでそのキャラがプレイアブルキャラとして解放され、以後ストーリーを含めて他のモードでも使用可能になる。
---逆にやられてしまった場合は本来のキャラと即座に交代し、残念ながらそのプレイでの助っ人キャラは死亡してしまうので使用解禁はされなくなる。
--前作と異なりストーリーは完全な一本道で、戦い方やダメージなどは一切影響しない。&bold(){たとえ武士道に反する行いをしたとしてもだ。}
---とはいえ、忍者以外は対戦前に短い会話イベントを挟んでから戦闘が開始されるので、前作のように前口上中に斬り殺すといったことは不可能だが。
---ただし、ノーミスでクリアすると最後にキャラクターが演舞を行うおまけ演出が入るのでやり込みの達成感自体はある。
---例外として捨陰党側のストーリーのみ最後の最後で分岐が存在し、無抵抗の相手を殺すか否かによってエンディングが変化する。
-勝抜の間
--プレイアブルキャラのみと連続で勝ち抜きが行える一種のボスラッシュモード。
--登場する相手はその時点で使用が解禁されているキャラのみとなる。
---カッツェといった銃を使う隠しキャラはもちろん、全キャラを解放すると最後にはバカ殿様がボスとして待ち受けている。
-精進の間
--いわゆる練習モードで、忍者かプレイアブルキャラを相手に操作を練習できる。
--忍者の行動はこちらでいつでも変更可能で、単純攻撃しかさせなかったりと色々な設定ができる。
--プレイアブルキャラは通常のCPU戦とほぼ同じだが勝っても負けても演出などが入らず即座に再戦が開始されるので、スムーズに鍛錬を行うことができる。
-対刃の間
--2P対戦モードで、決戦の間で使われた各ステージを選び文字通りの真剣勝負が行える。
--隠しキャラは基本的にこのモードでのみ使用可能。銃使いの中ボス・カッツェに加えて軍用ライフル持ちのキャラ((前作の中ボスであったホッキョク・ツバメ))も登場。なので拳銃vsライフルといった対戦もできたりする。&bold(){お前ら剣で戦え。}
-対抗の間
--こちらも対戦モードだが対刃の間とは異なり各流派に分かれ、3~5人の団体戦を行う。
--真剣勝負ではなく現実の剣道の試合とほぼ同じになっており、試合場の中で竹刀を使って勝負をする。先鋒から大将戦までと試合ごとに勝負をするキャラクターの順番も決められる。
--各キャラクターが1勝負で2本先取することで勝利した側に点数が入り、総合して点数が多い側が最終的に勝者となる。
---ただし制限時間もあるため、場合によっては引き分けになる。
--キャラクターが転倒したり、攻撃に怯んで場外に出たりすると仕切り直しになる。
---ただし、ダッシュなどで故意に場外に出たりすると反則となり、2回行うとその勝負は相手の勝ちになる。
--銃使いであるカッツェとツバメもこのモードに限り、竹刀を持って戦うことができる。しかもそれなりに強い。
-連結の間
--通信対戦モードで、前作同様オウンビュー専用の対戦モード。
---本作ではどのモードも通常視点かオウンビュー視点を選ぶことが可能だが、このモードのみ例外。
---前作同様、迷路ステージの武家屋敷の他にも様々なステージで対戦ができる。
-百斬の間
--前作と同じチャンバラモードで、打刀のみで100人の敵との連戦を行う。ゲーム開始時は解放されていない隠しモード。
---本作ではタイムアタックの要素が追加されており、速くクリアしたりノーミスでクリアすれば各流派に合わせた隠しキャラの使用が解禁される。
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**新システム(弐)
-サブウェポンの種類と効果が増加
--前作のサブウェポンは相手にダメージを与えて動きを鈍くするか防御されても体勢を崩すといった効果しかなかったが、本作ではサブウェポンの種類も含めて極めて多彩な効果になった。
--手裏剣のような小型の飛び道具は連射可能になったり、防御不可能な花火玉、&bold(){急所に当たれば即死する}強力な手斧や小太刀、果ては特定キャラに特効がある&bold(){カエル}や&bold(){キャラクター自身による気合い声}((使用回数を越えると以降は咳き込んで使用不能になり、大きな隙を晒す。当然、補充も不可能))といったおかしなものまでと実に様々。
---ストーリーモードに出てくる雑魚忍者さえサブウェポンを使うようになったので油断はできない。流派によって違いもあり、鳴鏡館側は吹き矢を、捨陰党側は拳銃を使う。当然、クリーンヒットすれば即死である。
-二刀流と居合い
--キャラによっては武器の組み合わせによって特殊な構えを行うことができる。ただし、左腕を負傷しているとサブウェポン同様に使用不能になる。
---二刀流は所持しているサブウェポンを使って両手に武器を持ち、連続技に特化した攻撃が行える。
---居合いは剣を鞘に納め、非常に発生が速い一撃を繰り出せる。ただし、攻撃後に構え直すモーションが入り、隙が非常に大きいのが欠点。
--これらの特殊構えも基本的に流派によって分かれており、一部の例外を除き鳴鏡館は二刀流、捨陰党が居合いとなる。
-からみ技
--体術を利用したいわゆる投げ技で、相手に隣接してコマンドを入力すると発動。成功すると敵を一撃で倒せる。
---技の内容は様々で、例えば打刀のからみ技では相手に蹴りを入れて怯ませた所へ斬り下ろすという連続攻撃を行う。
--技を受けた側は怯み切る前に回避コマンドを行うと反撃アクションを取り、攻撃を回避することができる。
---上記の打刀のからみ技の場合、振り下ろされた攻撃を真剣白刃取りして受け止め、逆に相手を転ばせるというアクションを行う。
--どのキャラでも使えるという訳ではなく、これもまた武器とキャラ、そして構えの組み合わせによって発動できる技が決まっている。
---風閂のようなパワー型のキャラが得意とする傾向にあるが、一部のキャラが得意としている武器を使うことでも発動ができる。
---一見、関連性のないキャラと武器の組み合わせもあるので色々と試して探してみよう。中には&bold(){「お前がそんなことできるのか!?」}というような技を使うキャラもいるので驚かされることも。
-起き上がり・段差登り攻撃の追加
--倒れている状態からその場で起き上がったり、段差を登り終えた直後に攻撃ボタンを押すとその場で即座に攻撃を行えるようになった。
---スピード型のキャラは動作終了時にジャンプしながら頭上から斬りかかるというアクロバティックな動きをするものもいる。
-なお、上記モードのうち決戦・勝抜・対刃の間以外ではサブウェポンとからみ技を使うことができない。
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**前作から変更されたシステム(弐)
-攻撃は○ボタンによる表攻撃、×ボタンによる裏攻撃という二種類に分かれ、△ボタンは使用されなくなった。
--表攻撃は突きや振り下ろしなど相手の軸に合わせた攻撃を、裏攻撃は切り払いなど軸に対して横側から攻撃する。
-防御コマンドが廃止され、上記の表裏攻撃に統合されている。
--相手の攻撃に合わせてタイミングよく自分も攻撃を繰り出すことで防御をするようになったが、有利防御と不利防御とさらに種類が分かれるようになっている。
---相手の表攻撃に対して裏攻撃で防御に成功すると青いエフェクトが発生しノーダメージで体勢も崩れないが、表攻撃同士で防御に成功すると緑のエフェクトの不利防御となってしまい、体勢を崩して隙を晒してしまう。
--キャラクター同士のパワー性能や武器の組み合わせによってある程度変化があり、例えばパワー型の風閂がスピード型の御門の攻撃を不利防御しても体勢が崩れにくい。
---逆に上記の御門が風閂の攻撃を不利防御してしまうと大きく吹き飛ばされ、通常よりも大きく態勢を崩してしまう。
--攻撃のタイミングさえ合えばどんな不安定な体勢からであっても防御が可能。前作では立ち止まった状態でなければ防御できなかったが、本作では場合によっては走りながらや起き上がりながらでも相手の攻撃を防げる。
---前作では防御不能だったカッツェの銃撃さえも防御できるようになったのは現実的にも凄い芸当である。
--防御ではない武器同士の接触による武器弾きが起こった場合は両プレイヤー共に軽く怯むようになっており、仕切り直しとなる。
---本作では武器弾きの最中にさらに攻撃ボタンを入力することで重ね技という追撃が行えるようになり、武器弾きが連続で起これば場合によっては途切れるまで連続攻撃も可能。
-本作ではキャラクター性能によって明確にモーションが大きく変化するようになった。
--風閂のようなパワー型のキャラはダッシュ攻撃の振り下ろし時は立ち止まるが、バランス型の辰美やスピード型の御門などは動きを止めずに振り回しながら走り続けられる。
--蛍火やトニー梅田といったスピード特化のキャラは走りやジャンプのモーションも忍者のようなものになっており、特に身構えながらのダッシュ切り払いは非常に隙が少なく立て続けに攻撃できるので強力。
-構えの操作が変更され、□ボタンで3つの構えを順番にループするようになった。
--打刀の場合、中段構え→八相の構え→上段構え→中段~といった具合に切り替わる。戦闘開始時の初期の構えはキャラごとに異なっている。
--キャラによっては通常設定されている構えと入れ替わって上記の二刀流や居合いになる者もいる。
---左手を負傷するなどした場合、その構えは使えなくなり2つの構えのみに減ってしまう。
-R2ボタン1つでその場ですぐしゃがめるようになり、サブウェポンや目潰し、ジャンプが発動がしやすくなった。
--これにより相手の打点の高い攻撃をかわす手段にも使えたり、地面に落ちているサブウェポンも拾いやすくなった。
-前作では倒れている相手をジャンプ急降下で追撃するコマンド技が相手が倒れている場合に限りR1ボタンのみで発動するようになった。
--薙刀と槍の場合は急降下ではなく倒れている相手に向けて小さくジャンプしながら武器を薙ぎ払うというものになる。
--相手が倒れていない場合にR1を押すと頭上に武器を振るう対空攻撃を行う。
---槍と薙刀の場合は対空攻撃ができず、その場でジャンプするのみ。
-前作は壁際や障害物の近く武器を振るうと武器が当たって攻撃が中断してしまったが、本作では壁際でも問題なく武器が振るえるようになった。
--なので壁際に陣取って相手の攻撃をやり過ごすという手段は使えなくなっている。
--ただし、フィールド内に設置されている木や石灯籠などに当たった場合は、前作と同じく弾かれてしまう。
-鍔迫り合いは攻撃同士のぶつかり合いだけでなく、ダッシュで相手の武器の接触判定にぶつかったりすることでも発生するようになった。
--前作と違いボタン連打で勝っていると相手の体勢を2段階まで崩させて後方へ押し込むようになった。
---これを利用して位置を調整し、相手を段差から突き落とすといった戦術も行える。
-ダメージによる負傷のペナルティが緩和された。
--左腕を斬られるとサブウェポンなどが使えなくなるのはそのままだが、本作では足を斬られても立ち上がれなくなることはなくなり、通常通りに戦い続けることができる。
---この仕様の変化により、前作では足を斬られると即降参したカッツェも降参しなくなった。
--ダメージの蓄積による動作速度の低下も前作に比べて緩やかであり、極端に動きが悪くなることはなくなっている。
-前作ではオープンワールドのようなステージ構成が多かったことから橋の上といった高所から落ちてもダメージを受けたり死ぬことはなかったが、本作ではよじ登れないほど高い場所から落ちるとそのまま墜落死してしまう。
--CPU戦では防御が固くて中々倒せない敵を上手く誘い込んで突き落とすということも可能。
--この仕様から崖ステージでの対戦はかなり熱く、逃げる対戦相手を突き落とそうとしてうっかり自分がダイブしてしまうのはお約束。
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**評価点(弐)
-シンプルで分かりやすくなったゲーム性
--前作はジャンプやしゃがみ1つ行うためにも複雑な操作が必要だったが、本作ではボタン1つで発動できるようになったりとシンプルな操作性になったため、初心者でも分かりやすくなった。
---技を繰り出すコマンド入力も複雑なものが減り、すぐに技を出しやすくなっているのも初心者には優しい点。
--ストーリーモードも前作は全体像がよく分からず意味不明なところがあったが、流派対決がメインとなったこともあってシンプルで分かりやすい構成になったので内容が理解しやすくなった。
---真のエンディングの到達条件が複雑だった前作と違い、完全な一本道になった分、難しいことは考えずに遊べるようになったのは好ましいところ。
-個性豊かなキャラクター
--前作から実に3倍近くの数に増えたキャラクター達は個性的でユニーク。
---本格的な忍者や古風ヤクザのような和風キャラから片言の日本語を話すアメリカ人、果ては旧日本軍の軍服を着たおじいちゃんから&bold(){アフロダンサー}と前作以上に武士道に似合わない珍妙な連中ばかり。
--勝利モーションもキャラクター個別に用意されており、これもまたキャラの設定や雰囲気に合ったものばかり。中にはバク転やダンスを踊りながら移動するキャラもおり、これで崖から落ちて失敗して死んでしまえばそれはもう、爆笑ものである。
---さらに隠しキャラのバカ殿様に至っては非常に有名なあの人物の踊りまで行う始末。
--ストーリーモードではこれらのキャラクター達が前作以上にイベントで喋りまくり、寸劇も笑えるものが多いので必見。
---キャラクターの増加から声優の数も大幅増加。キャラのイメージに合った人選により違和感なくブシドーブレードの世界に溶け込んでいる。
-見違えるほどにパワーアップし豊富になったなボリューム
--前作はプレイアブルキャラの少なさからストーリーから対戦にかけて不足していたボリュームがとても充実し、20人近くのキャラクター達を使って戦うのは非常に楽しい。
--アーケードモードのような雰囲気で戦闘後に短い会話ぐらいしかなかった前作と違い、ストーリーモードは内容が非常に濃くなりイベントを見て楽しむ要素が増加した。
---キャラは多いがそれぞれエンディングがあり、前作ではムービーだったがこちらではイベントも含めてポリゴン寸劇になっている。悲劇的なもの、後味の悪いものからギャグっぽい内容まで様々である。
--前作ではあまり役に立たなかったサブウェポンも効果が千差万別になったことから非常に有用な攻撃手段と化したことで、頼もしい存在となったのは嬉しい点である。
--二刀流や居合いといった構えはもちろん、からみ技や各キャラクターが個別の技も前作同様に『魅せる』要素が満点。
--1人プレイでもストーリーやチャンバラモード以外でもボスラッシュモードで遊べるので飽きにくい。
--2人対戦もガチの真剣勝負から本格的な剣道試合と様々な形式で遊べる上、対戦ステージも起伏に富んだステージが多くなり、全面的な内容充実が図られているのは続編としては目覚ましいほどの進化ぶりである。
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**問題点(弐)
''ストーリー面''~
-ストーリーや登場人物に関しては前作からの正統な続編というよりは『&bold(){前作をモチーフにリブートした}』という側面が強く、前作から続けてプレイしていると所々に矛盾が散見される。前作では影も形も無かった捨陰党の登場によって、前作のストーリーや設定を完全に無視している点が多い。
--前作のエンディングでは「&bold(){真の敵がどこかにいるのか?}」ということを暗示し、多くの謎を残すような終わり方が多かったが本作ではあらすじであっさりと捨陰党が黒幕で水面下で争い続けていたと何の脈絡もなく説明されており呆気なくなってしまっている。
---前作で真相を求めて旅に出たはずの御門が相変わらず鳴鏡館に留まっていたり、真の敵の存在を察した空蝉が最初から真相を知っていたどころか以前からラスボスやある人物の出生に関わっていたりと本作のストーリーを成立させるためにキャラクターの行動も大きく食い違ってしまっている。
--捨陰党に鳴鏡館と二つの流派対決がメインになったため、風閂の故郷をブラックロータスが何故滅ぼしたのかという謎も明かされないまま放置されてしまっている。
---加えて、前作で隠しボスながら一部エンディングにも登場して強い存在感を放っていた謎の鎧武者・キンダチが未登場となっており、結局何者だったのかという謎も完全にスルーされている。
--前作の空蝉の真のエンディングは本作の伏線を匂わせる内容になっているが、この時点では当然捨陰党の設定などなく前作ラスボスとの関係ありという風にも解釈できてしまう。やはり捨陰党とそれに関連するストーリー自体がとってつけたような設定になってしまっており、それによって前作と噛み合わないどころかストーリーを否定してしまっているのが問題。
---前作の時点で続編の構想はあった様子だが各キャラのエンディングはそれぞれで完結できるようなものに仕上がっているため、ストーリー全体の方向性が定まっていなかったことが見て取れる。
---もっとも、前作のストーリーはかなり説明不足で断片的だったということもあるため、本作で設定を練り直すためには仕方がなかったことも考えられるが……。
''キャラクター面''~
-前作から続役している登場人物は本作のストーリーやゲーム性に合わせてか全体的に前作とは著しく異なるキャラクター像や設定に改変されてしまっている。
--蛍火はクールビューティな女性だったが本作ではやけに冷たいオバさんっぽい雰囲気になってしまっている。
--サザンカは渋みのあるキャラ付けがされていたのが本作ではコスチュームも含めてコミカルなキャラに改変されている。ライバル視し敵対していた御門とも何故かかなり親しくなっているのも違和感が大きい。
--銃使いのカッツェも同様に暗殺者らしいキザでクールなキャラ付けがやけにコミカルな言動になっておりこちらもまた違和感が強い。
--特に顕著なのが隠しボスとしても登場した本郷。20代半ばで二枚目系なキャラ付けだったが本作では捨陰党のキャラと関連付けるためか年齢が20歳に下げられ性格も脳筋系なものに変えられてしまった。
-本作から新登場のキャラクター達の声優は違和感ない演技で馴染んでいるが、前作から続役のキャラクター達の演技は全体的に棒読み気味で前作と比べて違和感が強い。
--ストーリーモードのイベント中はそうでもないが、問題は勝負中。声優が変更された風閂や本郷、サザンカなどはともかく、蛍火や空蝉、辰美((ついでにブラックロータスも。))などは前作は攻撃の掛け声に真剣勝負らしい迫力があったが本作では本来のキャラクター像に合ってない演技になってしまっている。
---続役とは微妙に違うがチャンバラモードに出てくる雑魚忍者の印象的だった断末魔「後はまかせた!」の演技も同様に棒読み気味で迫力がない。
-各流派のラスボスは通常のキャラとは著しく仕様が異なり、それぞれが特殊能力を持っているがユーザーからは賛否両論。
--鳴鏡館側のラスボス・柊大納は&bold(){強固な鎧を装備しており正面から攻撃してもノーダメージでガードされてしまう}。このため、側面や背中から斬る必要がある。
---特に薙刀は殺傷判定のない柄の当たり判定が無駄に大きく、先端が急所に当たる前に鎧に当たって防がれてしまうのでこれで倒すのは極めて難しい。この武器しか得意武器がない御門はラスボス戦まではかなり有利に進められるが、最後に至って中々敵にトドメがさせないために苦戦する。
--捨陰党側のラスボス・榊玄鷹は&bold(){攻撃を当てると瞬間移動で回避し、移動後の隙を狙わないと倒せない。}
---この特性により一太刀では決して倒せず、連続攻撃を使う必要がある。使用するごとに移動距離が短くなるので、攻撃を繰り返していればいずれ倒せる分、鳴鏡館側のラスボスよりは対処がしやすい。
--これらの敵との戦いは真剣勝負というより作業に近く、倒すための手段が限定されており自由度が低いのが大きなマイナス点。
--当然と言うべきかこの2人は完全にCPU専用のキャラでプレイヤーは使用できない。
''システム面''~
-相変わらず同キャラ対戦はできない。流派の違いによって似通った性能のキャラはいるものの、サブウェポンや得意武器の違いはあるのでやはりどうしても性能に差が出てしまう。
--例外として隠しキャラのバカ殿様は流派ごとに2人おり、それぞれ姿形こそ微妙に違うが全く同じ性能で、この2名を使うことで疑似的な同キャラ対戦は可能。
-上記のように操作性が簡略化されシンプルになった反面、攻撃ボタンやコマンドが減ったことから必然的に使用できる技のバリエーションが大きく減少してしまった。
--使用できる技も全体的に単調なものが多く、各キャラ専用技以外は前作ほど『魅せる』ような面白さが減ってしまったのは残念な点である。
---銃使いのカッツェですら前作ではバク宙しながら射撃したりと色々なモーションで『魅せる』技を使っていたのに、今作では連射か単発速射の2種類しか技のバリエーションがない。ライフル使いのツバメに至ってはほぼノーモーションで単発射撃をするのでこれもまた面白味に欠ける。
--さらに使用できる武器の数も前作の基本8種類が6種類(打刀・ロングソード・野太刀・ブロードソード・薙刀・槍)に減り、長物は流派ごとに使用できるものが違うので実質5種類しか使えない。
---前作のセイヨーツルギ、レイピアは特定のキャラのサブウェポンとなり二刀流で使ったりするが、金槌は完全にリストラされてしまった((セイヨーブレードはロングソードに、騎士道ソードはブロードソードと分かりやすい名称に変更されている))。
--ついでに言うと、槍と薙刀以外の武器は打刀とロングソード、野太刀とブロードソードでそれぞれ構えや技のモーションが似ていたりほぼ共通しているものが多いことから尚更バリエーションが少なくなってしまっている。
---なので各流派が使える実質的な武器の数は軽量剣・重量剣・長物とたったの3種類だけとなってしまい、武器を使える人間が大勢増えたのに実質的な技を決定する真のキャラクターである武器が減ってしまったのでは本末転倒も良いである。
-防御が攻撃と統合されたことによってむしろ前作よりも複雑で扱い辛い要素になってしまっている。
--前作も1ボタンで防御は可能で防御モーション中はあらゆる攻撃を受け止めることができたが、本作の防御は各攻撃ごとにタイミングが異なるので今一判別し難い。
---なので防御をしたつもりが防御できておらず斬り殺されたり、攻撃をしたと思ったら逆に不利防御になっていたといったアクシデントも起きやすい。
---そもそも全く使用しない△ボタンが完全に浮いてしまっており、これに防御ボタンを割り当てても問題なかったと思われるが……。
--専用の防御モーションが無くなったことは防御ミスの僅かな隙を狙えなくなったということでもある。敵AIはかなり的確に防御を成功させてくるため、怯ませた所に追撃を仕掛けようとすると不利防御ながらもピンポイントで行うので非常にガードが固く中々倒せない。
--また、前作同様にパワー差があると有利防御に成功してもパワーが無いキャラが怯んでしまうが、本作では受け身を取れなくなったためにパワーのあるキャラに押されると一方的な試合になりやすくなってしまっている。
-上記のように本作では武器同士が接触するとプレイヤーが体勢を崩して仕切り直しになるが、本作では前作よりも武器弾きが発生する頻度が非常に高い。
--前作は武器に攻撃を当てて相手を怯ませ隙を作るなどの駆け引きが行えたが、本作では攻撃を仕掛けた側も何故か怯んで技が中断されてしまう。
---武器を振った後ならまだしも武器を振りかぶろうとして接触しても発生するようになったので至近距離で戦っていると武器弾きばかりが起きて乱戦になりやすい。
--前作と違い相手がどんな状態であろうと武器同士が触れれば磁石にでもなっているかのごとく弾かれるため、予期せぬアクシデントが起きやすい。
---例えばパワーキャラがスピードキャラを不利防御で大きく怯ませた所へ追撃を仕掛けた所、怯んでいる相手の武器に当たって何故かこちらが怯み、その間に体勢を整えた相手の反撃でやられてしまうという理不尽な事態も起こり得る。
--リーチが長く攻撃判定の大きい武器ほど武器弾きが発生しやすい。それは武器の個性を表わし防御が固いことを意味するが、はっきり言ってただ邪魔なだけでしかない。
---このため、せっかく派手で迫力のある連続技を発動しても相手の武器に当たって中断してしまうのでほぼ死に技と化してしまい、『魅せる』要素が激減してしまう要因と化している。
--武器弾きとは違うが鍔迫り合いも仕様の変更から発生頻度が高く意図せず鍔迫り合いに持ち込んでしまい時間をロスするなど、チャンバラモードなどでは深刻な問題である。
---さらに鍔迫り合いもボタン連打勝負のみに単純化されてしまったのも駆け引きの楽しさが減ってしまった。
-連続技がほぼ死に技と化したのと同じく、あっても使われないような死に要素が多い。
--通常時の対空攻撃はそもそも本作がジャンプ自体を積極的に行うようなゲームじゃないので、かなり持て余してしまっている。
---薙刀と槍はただその場でジャンプするだけなので、ますます使い道が薄い。ただ隙を作るだけである。
-特殊構えは個性こそあるが、逆に言えば本来使える構えの1つを潰してしまっているためその構えで有用な技が使えなくなってしまう。
--例えば辰美は打刀の中段構えが使えなくなるため、リーチの長い突きを出すことができない。
--腕を負傷して二刀流などができなくなっても通常の構えを行おうとしないため、その場合は特殊構えが使えること自体が完全なデメリットになってしまう。
-からみ技は強力ではあるが使われる側にとってはかなり初見殺しな要素が大きい。
--回避コマンドの入力受け付け時間が非常に短いため、不意に発動され咄嗟に反応しても既に間に合わなくなっている場合がほとんど。
--これらからみ技を多く使えるパワー型のキャラが結果的に有利に戦え、ストーリーモードもスムーズに進められるためからみ技が使えないキャラとの格差や難易度の差が大きい。
-捨陰党専用武器である槍が異常に強く、これにより捨陰党側のキャラの方が優遇されている傾向がある。
--槍は基本的に必ず正面に突き出すように構え、構え変更をしても高さを変えるだけなので接触判定の大きさから対戦相手のリーチ外から一方的に攻撃がしやすい。
--技も隙の少ない突きがメインでしかも発生や攻撃速度も速い。上記の死に技と化した連続技も槍に限っては例外で、接触判定の押し出しからピンポイントで相手の急所を狙うのでかなり強力。
--特にこの武器を一番得意とする寒雲はまさに鬼に金棒も同然であり、凄まじく強い。
--鳴鏡館側の薙刀は武器のリーチ自体は長いが上や後ろに構えたり攻撃モーションに薙ぎ払いが多い都合上、槍よりも使い辛く大きな性能差が出ている。
-敵AIは前作よりもかなり賢くなっており、全体的に手強くなっているがこれもまた賛否両論な出来栄え。
--本作ではあまり積極的に攻撃してこないので隙を狙って攻め辛くなった上、こちらの攻撃に合わせて軸や距離をずらしたりほぼ的確に防御したり攻撃の隙を狙ってくるようになったため、前作よりもかなり機械的で面白味が薄い。
---崖の近くに追いやられたりすると崖から急いで離れたり、相手が段差の上にいるとすぐ登らずある程度距離を離すまでその場で待つなどCPUとしては正しい動きなのだが、やはりパターン気味で面白くない。
---使用解禁のためにノーミスをしなければならない助っ人キャラ操作時は雑魚忍者でもそれなりに強いAI相手に通常以上に気が抜けない立ち回りを強いられてしまうので、気楽なプレイはし難い。
-前作は文字通りのリアルな真剣勝負をモチーフにしていたが、本作では剣道などの現実的な試合をモチーフにしたゲーム性を目指していることが見受けられる。
--足を負傷しても立ち上がれるようになったり仕切り直しになる頻度の多さもキャラクターやユーザー同士の力量差で一方的な試合展開にならないように工夫をしていることが見て取れるが、これが逆に中々勝負が決まらないストレス要素と化してしまっているのだ。
---敵は賢くなったが、それ故に中々攻撃が当たらなかったり攻撃が中断しやすいといった要素から確実に攻撃を当てられるタイミングが限定されてしまうのである。
---これら防御の固さや武器弾きの多さは本作最大の欠点とも言われ、特にタイムアタックがあるチャンバラモードではかなり邪魔になってしまい時間を大幅に浪費しやすい。
''グラフィック・演出面''~
-前作はエンディングでハイエンドモデルのCGムービーが使われていたが、本作は起動時のオープニングにしかムービーが用意されていない。
--ストーリーモードのイベントはまだしもエンディングもポリゴンの寸劇で済まされてしまうので、前作よりも今一達成感が薄い。
---本作はプレイアブルキャラが多いことからも個別のムービーを用意することができなかったことが覗える。キャラクターの大幅増加による数少ない弊害でもある。
-前作はムービーで使われるリアルな造形のモデルをベースに実際に操作するキャラのポリゴンが作られており、ローポリながらかなりリアルに作り込まれていた((筋肉や服のツヤや装飾、さらには胸毛なども))。
--本作のキャラグラフィックはマンガチックなイラストを元に作られているが全体的に前作よりも劣化気味でポリゴンが若干粗くなっている。((御門やカッツェを使ってみるとその違いがよく分かりやすい。))
-本作は全体的に演出が普通のゲームらしい簡素なものになっているものが多く、前作のリアルな雰囲気が弱くなってしまっている。
--攻撃が当たりダメージを与えた時のエフェクトはあまり斬撃らしいものではない。効果音もまた同じで「ドンッ」というものであまり斬った感じがしない。
---前作は武器ごとに武器を振る効果音や命中音さえも個別に異なっていたので違う武器を使っているという雰囲気作りに貢献していたが本作ではそれがない。
---カッツェやツバメの銃撃なども同様であり、前作はかなりリアルな銃撃音だったが本作は「パンッ」と軽い音でありリアリティに欠ける。
--前作は武器の動きにも残像のエフェクトがついており、武器の軌道が分かりやすかったり武器を振る雰囲気を演出していたが、これも無くなってしまった。
--キャラクターの移動や構えも前作は武器とキャラの組み合わせ次第で大きく姿勢を変えたり、バク転や側転をしたりと色々な動きで楽しませてくれたが、本作は通常移動同様のすり足でしか動いてくれないのでこれもまた淡泊すぎる。
---やはり本作は上記のように剣道をモチーフにしてしまっているのが原因だと思われる。
---やられた時のモーションも武器と構えで様々だったが、本作は武器に関係なく構えのみで変わり3種類だけになってしまったのも味気ない。
-対戦ステージは多く増えたが、全体的にステージ構成がダブっているものが多くあまり変わり映えがない。
--前作では強風が吹き荒れ移動に変化が起こるステージなどがあったが本作ではステージの地形や環境を演出に活かしきれているとは言えず、ビルの屋上といったステージがあっても風が吹いているような演出もなく、単なる風景の違いの楽しみくらいしかない。
---特に城の頂上ステージは移動できる範囲が前後しかないため、相手を寄せ付けない槍が極めて強く独断場になってしまう。
--前作にも登場したステージとよく似た場所も多数あるが、全体的に狭くなってしまったのであまり動き回ることができなくなっており、せっかくのフリーラーニングシステムを殺してしまっている。
-前作は武士道に反する卑怯な行為(挨拶中や段差を登っている時に攻撃するなど)をすると強制ゲームオーバーになるというペナルティがあり、賛否はあれど独自の世界観を演出するのに買っていたが本作ではそれが無くなり、完全にルール無用となった。
--段差を登ろうとする敵を斬り殺そうが、背後から斬りかかろうが、崖から突き落とそうが何をしても許される。
--本作は流派対決がメインとなり、なりふり構わなくなったということでもあるかもしれないが、それにしたってさすがに武士道を否定するような行いが果たして許されるものだろうか?
---捨陰党側の最終局面では&bold(){無抵抗の人間を殺す}という、完全に武士の道に反する究極の選択を迫られる。
---実際、ゲーム中で銃という卑怯な戦いをするカッツェがその点を突っ込まれると「&bold(){卑怯で結構!}」と開き直るし、ツバメも「&bold(){お前ごときに刀なんか使えるか}」と同様に吐き捨てている。
---そもそもラスボス自体が超能力を使ったり、完全武装しているのも正々堂々とは言えない。
-前作のBGMは和風テクノが多く使われており本格的な時代劇らしい雰囲気が強かったが、本作ではいわゆるゲームらしい派手な和風ロックがメインとなっており、あまり世界観に溶け込んでいるとは言えず真剣勝負の緊迫感を薄めている((前作とは違い、BGMはARIKAが担当していない))。
--ストーリーモードは前作同様、基本BGMは使われず環境音のみだが前作ほどリアルな雰囲気はない。
--イベントで使われるBGMも前作は神秘的な要素や謎めいた雰囲気を強く演出していたが、本作はポリゴン寸劇のみとなった影響か悲劇的なシーンで流れるBGMも演出の安っぽさもあってあまり表現しきれているとは言えない。
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**総評(弐)
元々万人受けがし辛い独特のゲーム性だった前作から一転して万人受けを目指したことによりゲームの充実性が増し、多くのユーザーにも遊びやすい作品に進化した。
しかし、良くも悪くもシステマティックな作りとなったことで前作で賛否はありつつも独自の世界観やゲーム性を成立させたプリミティブな面白さは薄れてしまった印象が強く、改変されたシステムや新要素も『ブシドーブレード』という作品には今一つ噛み合わなかった。
システムや雰囲気、ストーリーも含めて『前作の流れに沿って作って欲しかった』と惜しむ声が多いことからも、万人受け狙いを重視し過ぎて『ブシドーブレード』という作品の持ち味を削いで昇華しきれず無難なゲームになってしまったのは残念な点である。
ブシドーブレードシリーズは本作で終了してしまったが、製作チームは後に剣豪シリーズを製作している。