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*F-ZERO CLIMAX 【えふぜろ くらいまっくす】 |ジャンル|近未来SFレース|#amazon(B0003H2R8S)| |対応機種|ゲームボーイアドバンス|~| |メディア|128MbitROMカートリッジ|~| |発売元|任天堂|~| |開発元|朱雀|~| |発売日|2004年10月21日|~| |定価|4,800円(税5%込)|~| |配信|バーチャルコンソール&br;【WiiU】2015年12月16日/702円|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |備考|2D版F-ZEROの集大成&br;アニメ版準拠の世界観は賛否が分かれる|~| |>|>|CENTER:''[[F-ZEROシリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 圧倒的なスピードでコースを駆け巡る近未来型レースゲーム『F-ZERO』シリーズの第6作目。 世界観は前作『[[ファルコン伝説>F-ZERO ファルコン伝説]]』と同じくアニメ路線を踏襲。~ ちなみに「CLIMAX」の意味は「最後の」ではなく''「究極の、最高潮の」''という意味で使われている((その割には今作の続編の話を全然聞かない…とネタにされている。))。 ---- **特徴 -SFC版の2DベースながらN64の『[[F-ZERO X]]』に近い操作性を再現している。加えて、『ファルコン伝説』及び[[GBA第1作>F-ZERO FOR GAMEBOY ADVANCE]]のテクニックである合力走法も可能になった。 -登場マシンは39台。本作で新たに登場したマシンは前作で登場したマシンの改良版や量産型となっている。 -グランプリでは自機を含めて24台でレースする。 -市販された作品として、初めてコースエディット機能が実装された(64DDにもあったがあちらは非売品)。 -前作に続いてゼロテスト実装。いわゆるフリーランのようなモードで、苦手なコースを練習する事が出来る。 -新要素「サバイバルモード」実装。 --グランプリとは違う特殊なルールでレースをするというもので、勝てばアニメ版での名シーンの断片を取得したり出来る。 --特定のマシンを使ってクリアすればそれに応じて新たなアクションが追加される。これらはタイムアタックで有用なものが多い。 -レース中1周する毎にリアクターマイトを入手可能。更に1周した後は「ブーストファイア」が解禁される。ブースト中にさらにブーストボタンを入力するとリアクターマイトを消費してさらに加速する「スーパーブースター」が使える(1個につきブーストC相当の加速力が重ねがけされる)。 --SFC版の「S-JET」に近いシステムで、3周制のレース中リアクターマイトは計2個まで入手できる。S-JETとの違いは、一度のブーストで複数分を一気に使用できること。 --ちなみに「リアクターマイト」はアニメ版で登場した高エネルギー体で、「ドラゴンバード」等の一部のマシンに搭載されていた。本作ゲーム中ではどのマシンも同様に使用可能である。 -前作ではカードe+でなければ入手出来なかったマシン「ソニックファントム」「ナイトサンダー」「エレガンスリバティ」「ムーンシャドー」の4台が、本作では通常プレイで入手可能に。 -キーコンフィグが可能。自分の好きな操作性で遊ぶ事も出来るし、初代のような操作性にすることもできる。 --キーコンフィグは「キーアクション」という名称であり、ボタン数の割に項目が豊富なため実質的にマシンのカスタマイズも兼ねている(後述)。 ---- **評価点 -グランプリモードやタイムアタックの面白さは歴代最高とも評される。 --スピードを追い求める楽しさはGBAでも健在。しかも1レース上で24人も一斉に走ることになっているのに処理落ちが発生することもない((本作ではCPU同士のレースを観戦することが可能だが、きちんと24台で走っていることがわかる))。 ---本作はマシンのアニメーションが非常に細かくなっており、ドリフトターンが可能となっている。そのため最高速度を維持したまま滑らかにカーブを曲がりきることもでき、この時の爽快感と達成感はまさに「CLIMAX」と言わんばかりに高まる。 ---ライバルを追い抜く、ブーストを使用するなど、何らかの行動を取るたびに、英語ボイスで一言実況が入り、レースを盛り上げてくれる。 ---マシンの速度も前作より速くなっており、普通に走っているだけでも1000㎞を超える。挙動の細かさも相まって、据え置き機タイトルである『F-ZERO GX』の雰囲気に近付いた --アクションの数が大幅に増量。前作以上にド派手なアクションの数々により、今作でアクション性の高いレースゲームとしてひとつの頂点に達したといえる。 ---その一つとして、スピンアタックをしている間にブーストを使うと''マシンが回転しながら加速する''「スピンブースト」になる。これは通常のブーストよりもエネルギー消費が多いが最高速が通常よりも高くコーナリングもしやすくなるアクションであり、アニメ版の主人公リュウ・スザクが使っていた大技の忠実な再現である。 -各コースのグラフィックも非常に凝っている。 --アニメ版準拠で二層構造になっているのが見て取れるミュートシティ、過去作から一転して自然豊かな景色となったサイレンス、『BS F-ZERO GRAND PRIX』のサンドストーム2のように砂嵐が吹き荒れるサンドオーシャンなど個性豊か。 --また、路面には所々スリットのような細かいディテールが描き込まれており臨場感が増している。 -初代のコースを収録したプラチナカップも前作から続投。 --今回は最初の4コースはアレンジが施されており、「ミュートシティ2」の分岐と「3」のスラロームの要素を含んだ「マルチプライ」、「ポートタウン2」と左右反転した「1」を合体させたような設計の「グレートウイングス」など、アレンジの仕方も面白い。後半4コースはレッドキャニオンが「1」から「2」に変わったこと以外はほぼ前作そのまま。 --BGMは前作のプラチナカップと同じものだが、レッドキャニオンとホワイトランドのみ前作のブロンズ・ゴールドカップのものが使われている。((本作の通常コースでは、初代から存在する惑星のBGMはサイレンスを除き初代のアレンジが用いられている。そのため前作から流用可能な範囲で差別化を図ったと思われる。)) --SFC版で存在していた旧テクニックや今作までに登場してきた新テクニックが上手い具合に共存している。これによりタイムアタックの自由度と熱中度も大幅に高まった。 -カスタマイズも兼ねたキーコンフィグ「キーアクション」 --前述のようにアクションはキーコンフィグで自由に割り当てられるので、プレイスタイルやゲームモードに合わせてアクションをカスタマイズする楽しみもある。デフォルトTYPE1ではAがアクセル・Bはブーストを割り当てた''ノーブレーキ仕様''だが、ここから任意のボタンにブレーキなど操作を入れ替えることが出来る。 --この「キーアクション」には条件を満たす事で追加されていくものもある。それらが加わってくると、単なるキーコンフィグではなくマシン自体のカスタマイズに近いものへと変貌を遂げていく。 ---たとえば「アクセル」だが、これはゲームが進むと最高速が落ちるかわりに必ずロケットスタートになる「ロケスタアクセル」、逆にロケットスタートのタイミングがシビアになるかわりに最高速が上がる「ブーストアクセル」が追加されていく。 ---コーナリング性能は「ナローターン」「ワイドターン」((通常設定でも、上下と合わせた斜め入力で、ターンの入れ具合を3段階に調節できる。))、スライドの効果は「ナロースライド」「ワイドスライド」、ブレーキの感度は「ライトブレーキ」「ハードブレーキ」をそれぞれ割り当てる事で、各操作の感度をさらに調整することもできるようになる。 --ブーストも持続時間が伸びるかわりに加速時の最高速度が若干落ちる「ロングブースト」、逆に持続時間が短いが最高速度の高い「ブーストファイヤ」が隠されている。 -GBAのゲームとは思えないほどボリュームが凄まじい。 --最初は6台しか選べないが、様々な条件をクリアするとどんどん増えていく。それと同時に遊べるコースも増えていく。 --また上記のアクションやアニメ版の断片集めなどコレクション要素ややりこみ要素も多数。 -そして、これだけ大量のマシンがあるのに変に性能の格差がないということは素晴らしい。一見低性能に見えるマシンも、表記されない細かな性能で優れている等バランスが考えられており、スタッフがいかに丁寧にテストプレイをしたかが窺える。 --全てのマシンには何らかの個性があり、何の躊躇いもなく自分にあったマシンを選べる。 --ただし、慣れないうちは使いづらいマシンも存在する。勿論慣れればそのマシンにも他のマシンにはない個性が実感できるようになっている。 -「キャラクタープロフィール」「ストーリーライン」というモードも存在する。 --「プロフィール」では各パイロットとマシンのプロフィールを閲覧できる。 ---プロフィールの内容は基本アニメ版を基準としている。大半はゲーム版準拠でもあるが。 --「ストーリーライン」ではアニメ版の全話のあらすじを閲覧できる。 ---かなり事細かいストーリーが掲載されているうえに、アニメの一部のシーンも画像で掲載されている。 ---- **賛否両論点 -過去作BGMはかなり大胆なアレンジが施されている。原曲の疾走感や熱さを損ねないアレンジであり好評の声は多いものの、従来の曲が好きなファンからは残念がる声も。 --GBA音源でアレンジされた曲はどうしても貧相に聞こえてしまうのが通例だが、今作は数少ない例外の一つ。非常にかっこいいアレンジがなされている。 -集大成的作品であるのに、世界観がアニメ版準拠 --ゲームそのものの完成度は高いだけに、アニメ未視聴のファンは置いてけぼりを食らいやすい((今作で追加されたマシンはアニメ版のものが多い他、キャラクターのプロフィールも本家シリーズと一部異なる。))。 --一応本作にはアニメ全話のあらすじを閲覧するモードがあるので、「全く何のことやら分からない」という状況にはならないのが救いか。 -キーコンフィグのデメリットを帳消し --前述のキーコンフィグの操作はそれぞれ別のボタンに割り当てることができるのだが、「ロケスタアクセル」や「ブーストアクセル」などの操作も別操作扱いとして各ボタンへ振り分けることができる。そのためこれらの操作のデメリットを実質無視できてしまう。 ---- **問題点 -ハードルが高い。 --今作は最初から難易度が結構高いが、初心者へのフォローがあまり用意されていない。せいぜいゼロテストぐらいである。 --そのため、今作が初めてという人はあまり面白くないと感じてしまうことも多いかも。逆に言えば、慣れさえすれば一気に中毒性が高まるともいえる。 --タイトル画面で放置するかRボタンを押すと「バート先生のF-ZERO教室」というデモが始まり、基本操作や高度な操作を教えてくれる。初心者の人はゲームを本格的に始める前に、一度落ち着いてこれを見ておくといいだろう。 ---これもアニメ版の終わりに行っていたF-ZEROに関する解説コーナーを模したものであり、人形のバート先生が登場する。 --また、本作の文字は一部を除いて殆どが英語表記で構成されている。そのため英語に詳しくないプレイヤーは何が書いてあるのか判断し辛い。 -LとRを同時押しする操作を行った後も押しっぱなしにしていると、Rボタンに設定した動作をし続ける。 --スライドを割り当てることが多いと思われるため、右への寄りすぎに注意。 -「CLIMAX」と題してはいるが、その割にはGBA第1作や『[[F-ZERO AX>F-ZERO GX]]』で初登場したキャラクターがハブられていたりする(厳密にはドン ジーニーとデスボーンは登場しているが、設定が異なる)。 --そもそも『ファルコン伝説』および本作は年代設定が他作品と異なり(ただし『X』までの30キャラは独自の設定が追加されたうえで登場)、『for GBA』はその中でもさらに25年後という設定で世代交代を示唆する設定が存在するためいたし方ない。 -レース中のマシン数が30台から24台に減った --アニメ版では24台でレースを行なっているためそちらに合わせたと思われる。 -前作に引き続き、一部のマシンがアニメ版とデザインが異なっている。 --今回初登場のレッドブルも、推進器が5つあったアニメ版と違い4つしかない。 -マシン選択が面倒 --今作のマシン選択画面は縦スクロール方式であり、目当てのマシンを探すのが少々面倒。 ---- **総評 F-ZEROシリーズとして1つの頂点に上り詰めた集大成的作品。その完成度の高さはまさに「CLIMAX」と呼ぶに相応しい物となっている。~ また、アニメ版のファンに対するサービスも相当なものであり、アニメ版を観ていない人にも楽しめる。~ まだやった事のないF-ZEROファン、歯ごたえのあるレースゲームをやりたいという人はここからでもぜひやってみてはどうだろうか。
*F-ZERO CLIMAX 【えふぜろ くらいまっくす】 |ジャンル|近未来SFレース|#amazon(B0003H2R8S)| |対応機種|ゲームボーイアドバンス|~| |メディア|128MbitROMカートリッジ|~| |発売元|任天堂|~| |開発元|朱雀|~| |発売日|2004年10月21日|~| |定価|4,800円(税5%込)|~| |配信|バーチャルコンソール&br;【WiiU】2015年12月16日/702円|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |備考|2D版F-ZEROの集大成&br;アニメ版準拠の世界観は賛否が分かれる|~| |>|>|CENTER:''[[F-ZEROシリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 圧倒的なスピードでコースを駆け巡る近未来型レースゲーム『F-ZERO』シリーズの第6作目。 世界観は前作『[[ファルコン伝説>F-ZERO ファルコン伝説]]』と同じくアニメ路線を踏襲。~ ちなみに「CLIMAX」の意味は「最後の」ではなく''「究極の、最高潮の」''という意味で使われている((その割には今作の続編の話を全然聞かない…とネタにされている。))。 ---- **特徴 -SFC版の2DベースながらN64の『[[F-ZERO X]]』に近い操作性を再現している。加えて、『ファルコン伝説』及び[[GBA第1作>F-ZERO FOR GAMEBOY ADVANCE]]のテクニックである合力走法も可能になった。 -登場マシンは39台。本作で新たに登場したマシンは前作で登場したマシンの改良版や量産型となっている。 -グランプリでは自機を含めて24台でレースする。 -市販された作品として、初めてコースエディット機能が実装された(64DDにもあったがあちらは非売品)。 -前作に続いてゼロテスト実装。いわゆるフリーランのようなモードで、苦手なコースを練習する事が出来る。 -新要素「サバイバルモード」実装。 --グランプリとは違う特殊なルールでレースをするというもので、勝てばアニメ版での名シーンの断片を取得したり出来る。 --特定のマシンを使ってクリアすればそれに応じて新たなアクションが追加される。これらはタイムアタックで有用なものが多い。 -レース中1周する毎にリアクターマイトを入手可能。更に1周した後は「ブーストファイア」が解禁される。ブースト中にさらにブーストボタンを入力するとリアクターマイトを消費してさらに加速する「スーパーブースター」が使える(1個につきブーストC相当の加速力が重ねがけされる)。 --SFC版の「S-JET」に近いシステムで、3周制のレース中リアクターマイトは計2個まで入手できる。S-JETとの違いは、一度のブーストで複数分を一気に使用できること。 --ちなみに「リアクターマイト」はアニメ版で登場した高エネルギー体で、「ドラゴンバード」等の一部のマシンに搭載されていた。本作ゲーム中ではどのマシンも同様に使用可能である。 -前作ではカードe+でなければ入手出来なかったマシン「ソニックファントム」「ナイトサンダー」「エレガンスリバティ」「ムーンシャドー」の4台が、本作では通常プレイで入手可能に。 -キーコンフィグが可能。自分の好きな操作性で遊ぶ事も出来るし、初代のような操作性にすることもできる。 --キーコンフィグは「キーアクション」という名称であり、ボタン数の割に項目が豊富なため実質的にマシンのカスタマイズも兼ねている(後述)。 ---- **評価点 -グランプリモードやタイムアタックの面白さは歴代最高とも評される。 --スピードを追い求める楽しさはGBAでも健在。しかも1レース上で24人も一斉に走ることになっているのに処理落ちが発生することもない((本作ではCPU同士のレースを観戦することが可能だが、きちんと24台で走っていることがわかる))。 ---本作はマシンのアニメーションが非常に細かくなっており、ドリフトターンが可能となっている。そのため最高速度を維持したまま滑らかにカーブを曲がりきることもでき、この時の爽快感と達成感はまさに「CLIMAX」と言わんばかりに高まる。 ---ライバルを追い抜く、ブーストを使用するなど、何らかの行動を取るたびに、英語ボイスで一言実況が入り、レースを盛り上げてくれる。 ---マシンの速度も前作より速くなっており、普通に走っているだけでも1000㎞を超える。挙動の細かさも相まって、据え置き機タイトルである『F-ZERO GX』の雰囲気に近付いた --アクションの数が大幅に増量。前作以上にド派手なアクションの数々により、今作でアクション性の高いレースゲームとしてひとつの頂点に達したといえる。 ---その一つとして、スピンアタックをしている間にブーストを使うと''マシンが回転しながら加速する''「スピンブースト」になる。これは通常のブーストよりもエネルギー消費が多いが最高速が通常よりも高くコーナリングもしやすくなるアクションであり、アニメ版の主人公リュウ・スザクが使っていた大技の忠実な再現である。 -各コースのグラフィックも非常に凝っている。 --アニメ版準拠で二層構造になっているのが見て取れるミュートシティ、過去作から一転して自然豊かな景色となったサイレンス、『BS F-ZERO GRAND PRIX』のサンドストーム2のように砂嵐が吹き荒れるサンドオーシャンなど個性豊か。 --また、路面には所々スリットのような細かいディテールが描き込まれており臨場感が増している。 -初代のコースを収録したプラチナカップも前作から続投。 --今回は最初の4コースはアレンジが施されており、「ミュートシティ2」の分岐と「3」のスラロームの要素を含んだ「マルチプライ」、「ポートタウン2」と左右反転した「1」を合体させたような設計の「グレートウイングス」など、アレンジの仕方も面白い。後半4コースはレッドキャニオンが「1」から「2」に変わったこと以外はほぼ前作そのまま。 --BGMは前作のプラチナカップと同じものだが、レッドキャニオンとホワイトランドのみ前作のブロンズ・ゴールドカップのものが使われている。((本作の通常コースでは、初代から存在する惑星のBGMはサイレンスを除き初代のアレンジが用いられている。そのため前作から流用可能な範囲で差別化を図ったと思われる。)) --SFC版で存在していた旧テクニックや今作までに登場してきた新テクニックが上手い具合に共存している。これによりタイムアタックの自由度と熱中度も大幅に高まった。 -カスタマイズも兼ねたキーコンフィグ「キーアクション」 --前述のようにアクションはキーコンフィグで自由に割り当てられるので、プレイスタイルやゲームモードに合わせてアクションをカスタマイズする楽しみもある。デフォルトTYPE1ではAがアクセル・Bはブーストを割り当てた''ノーブレーキ仕様''だが、ここから任意のボタンにブレーキなど操作を入れ替えることが出来る。 --この「キーアクション」には条件を満たす事で追加されていくものもある。それらが加わってくると、単なるキーコンフィグではなくマシン自体のカスタマイズに近いものへと変貌を遂げていく。 ---たとえば「アクセル」だが、これはゲームが進むと最高速が落ちるかわりに必ずロケットスタートになる「ロケスタアクセル」、逆にロケットスタートのタイミングがシビアになるかわりに最高速が上がる「ブーストアクセル」が追加されていく。 ---コーナリング性能は「ナローターン」「ワイドターン」((通常設定でも、上下と合わせた斜め入力で、ターンの入れ具合を3段階に調節できる。))、スライドの効果は「ナロースライド」「ワイドスライド」、ブレーキの感度は「ライトブレーキ」「ハードブレーキ」をそれぞれ割り当てる事で、各操作の感度をさらに調整することもできるようになる。 --ブーストも持続時間が伸びるかわりに加速時の最高速度が若干落ちる「ロングブースト」、逆に持続時間が短いが最高速度の高い「ブーストファイヤ」が隠されている。 -GBAのゲームとは思えないほどボリュームが凄まじい。 --最初は6台しか選べないが、様々な条件をクリアするとどんどん増えていく。それと同時に遊べるコースも増えていく。 --また上記のアクションやアニメ版の断片集めなどコレクション要素ややりこみ要素も多数。 -そして、これだけ大量のマシンがあるのに変に性能の格差がないということは素晴らしい。一見低性能に見えるマシンも、表記されない細かな性能で優れている等バランスが考えられており、スタッフがいかに丁寧にテストプレイをしたかが窺える。 --全てのマシンには何らかの個性があり、何の躊躇いもなく自分にあったマシンを選べる。 --ただし、慣れないうちは使いづらいマシンも存在する。勿論慣れればそのマシンにも他のマシンにはない個性が実感できるようになっている。 -「キャラクタープロフィール」「ストーリーライン」というモードも存在する。 --「プロフィール」では各パイロットとマシンのプロフィールを閲覧できる。 ---プロフィールの内容は基本アニメ版を基準としている。大半はゲーム版準拠でもあるが。 --「ストーリーライン」ではアニメ版の全話のあらすじを閲覧できる。 ---かなり事細かいストーリーが掲載されているうえに、アニメの一部のシーンも画像で掲載されている。 ---- **賛否両論点 -過去作BGMはかなり大胆なアレンジが施されている。原曲の疾走感や熱さを損ねないアレンジであり好評の声は多いものの、従来の曲が好きなファンからは残念がる声も。 --GBA音源でアレンジされた曲はどうしても貧相に聞こえてしまうのが通例だが、今作は数少ない例外の一つ。非常にかっこいいアレンジがなされている。 -集大成的作品であるのに、世界観がアニメ版準拠 --ゲームそのものの完成度は高いだけに、アニメ未視聴のファンは置いてけぼりを食らいやすい((今作で追加されたマシンはアニメ版のものが多い他、キャラクターのプロフィールも本家シリーズと一部異なる。))。 --一応本作にはアニメ全話のあらすじを閲覧するモードがあるので、「全く何のことやら分からない」という状況にはならないのが救いか。 -キーコンフィグのデメリットを帳消し --前述のキーコンフィグの操作はそれぞれ別のボタンに割り当てることができるのだが、「ロケスタアクセル」や「ブーストアクセル」などの操作も別操作扱いとして各ボタンへ振り分けることができる。そのためこれらの操作のデメリットを実質無視できてしまう。 --GBAで使用できるボタン数はたかが知れているため、全部を詰め込む訳にはいかないという形で一応の制約になってはいる。 ---- **問題点 -ハードルが高い。 --今作は最初から難易度が結構高いが、初心者へのフォローがあまり用意されていない。せいぜいゼロテストぐらいである。 --そのため、今作が初めてという人はあまり面白くないと感じてしまうことも多いかも。逆に言えば、慣れさえすれば一気に中毒性が高まるともいえる。 --タイトル画面で放置するかRボタンを押すと「バート先生のF-ZERO教室」というデモが始まり、基本操作や高度な操作を教えてくれる。初心者の人はゲームを本格的に始める前に、一度落ち着いてこれを見ておくといいだろう。 ---これもアニメ版の終わりに行っていたF-ZEROに関する解説コーナーを模したものであり、人形のバート先生が登場する。 --また、本作の文字は一部を除いて殆どが英語表記で構成されている。そのため英語に詳しくないプレイヤーは何が書いてあるのか判断し辛い。 -LとRを同時押しする操作を行った後も押しっぱなしにしていると、Rボタンに設定した動作をし続ける。 --スライドを割り当てることが多いと思われるため、右への寄りすぎに注意。 -「CLIMAX」と題してはいるが、その割にはGBA第1作や『[[F-ZERO AX>F-ZERO GX]]』で初登場したキャラクターがハブられていたりする(厳密にはドン ジーニーとデスボーンは登場しているが、設定が異なる)。 --そもそも『ファルコン伝説』および本作は年代設定が他作品と異なり(ただし『X』までの30キャラは独自の設定が追加されたうえで登場)、『for GBA』はその中でもさらに25年後という設定で世代交代を示唆する設定が存在するためいたし方ない。 -レース中のマシン数が30台から24台に減った --アニメ版では24台でレースを行なっているためそちらに合わせたと思われる。 -前作に引き続き、一部のマシンがアニメ版とデザインが異なっている。 --今回初登場のレッドブルも、推進器が5つあったアニメ版と違い4つしかない。 -マシン選択が面倒 --今作のマシン選択画面は縦スクロール方式であり、目当てのマシンを探すのが少々面倒。 ---- **総評 F-ZEROシリーズとして1つの頂点に上り詰めた集大成的作品。その完成度の高さはまさに「CLIMAX」と呼ぶに相応しい物となっている。~ また、アニメ版のファンに対するサービスも相当なものであり、アニメ版を観ていない人にも楽しめる。~ まだやった事のないF-ZEROファン、歯ごたえのあるレースゲームをやりたいという人はここからでもぜひやってみてはどうだろうか。

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