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セガラリーチャンピオンシップ - (2015/03/12 (木) 19:19:47) の1つ前との変更点

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*セガラリーチャンピオンシップ 【せがらりーちゃんぴおんしっぷ】 |ジャンル|レース|&image(segarally.jpg,height=140)| |対応機種|アーケード(MODEL2)|~| |発売・開発元|セガ・エンタープライゼス|~| |稼動開始日|1995年|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| **概要 -セガのAM2研が業務用として開発・販売したラリーレースゲーム。プロデューサーは水口哲也氏で、基板には「MODEL2」が使用されている。 **特徴 -本作の大きな特徴として、ラリーレースであるにも関わらず他の車と併走して順位を競うシステムになっていることが挙げられる。 --追い抜き型のレースゲーム自体は別段珍しくもなんともないのだが、ポイントはラリーレースであえてこのシステムを取り入れたということにある。 ---実際のラリーは、一般的には車を1台ずつ走行させタイムを競うという形式となっており、レースゲームで言えば「タイムアタック」に近い。自車だけが寂しくコースを走りタイムを測るという仕様になりがちなラリーゲームにおいて、あえてその基本ルールを無視し他の車と併走する形式を採用したことにより、本作におけるゲーム性を確立させることに成功した。 -本作には「プラクティス」「チャンピオンシップ」の2つのモードがある。 --「プラクティス」は、コースを1つ選び自車とCOM車1台の2台で並んだ状態からスタートし、タイムを記録するモード。 ---COM車はそこまで速くなく、事実上のタイムアタックモードである。 --「チャンピオンシップ」は、3つのコースを順番に1周ずつ走りその間にCOM車を追い抜いて高順位を目指し、またその合計タイムを記録するモード。 ---プレイヤーは最後尾の15位(初期筐体は16位)からスタートし、ゴール時の順位は次のコースに引き継がれる。 ---残り時間はチェックポイントを通過またはゴールすることで加算される。残り時間が0になるとその時点でゲームオーバーとなり、次のコースに進むことすらできない。 -車種は実在する2車種から選択する。ミッションはオートマティック・4速マニュアルミッションが選べる。 --ランチア・デルタHFインテグラーレ ---白を基調とした青いデザインのラリーカー。旋回性が高いが安定性に欠ける。 --トヨタ・セリカGT-FOUR ---赤と緑のデザインが目立つラリーカー。安定性は高いが比較的曲がりにくい。 -コースは4種類存在する。 --DESART(1コース目・プラクティス3周) ---全区間ダートで構成されているコース。急なカーブが皆無で、最終コーナー以外アクセル全開で走ることができる。ただし連続ジャンプスポットは車の姿勢を乱しやすいので侮れない。 ---ゴール直前には上空にヘリコプターが後方から出現する。かなり速いタイムで周ると音だけ聞こえて姿が見えないため、速く走れたかどうかの一つの目安になっている。 --FOREST(2コース目・プラクティス2周) ---ターマックからスタートし、途中でダートに乗り、再びターマックに戻って1周するコース。 ---微妙に波打っているカーブをいかに直線的に抜けられるかがタイム短縮のカギ。 --MOUNTAIN(3コース目・プラクティス2周) ---全区間ターマック(一部ダートエリアがある)で構成された市街地コース。高低差があり、V字型コーナーを含む大角度カーブが点在する難コース。 ---このコースを2位以下でゴールするとここでゲームが終了する。 --LAKE SIDE(''隠しコース'') ---チャンピオンシップでMOUNTAINを1位でゴールすると走行することができる。プラクティスでは選択不可。 ---最終コースにふさわしく、道幅がかなり狭くコーナーが連続する最難関コースになっている。なおこのコースはタイムスコアには影響しない。 **評価点 -MODEL2基板が実現した美麗なポリゴングラフィック。 --本作の前年に登場した『[[デイトナUSA]]』で高い基板性能を披露したMODEL2だが、本作でもその性能がいかんなく発揮されている。 ---ジャンプスポットが複数配置され、2Dレースゲームでは表現できない高低差も体感することができる。 ---ドリフト時にカウンターを当てた際の前輪の細かな動きもきっちりと表現されている。 --またフレームレートも60fpsと滑らかな動きを実現しており、スピード感溢れるドライビングが堪能できる。 -進行方向を指示するコ・ドライバー(同乗者)の存在による臨場感。 --本作独特の要素。コースマップが表示されない代わりにコ・ドライバーが次のコーナーやジャンプスポットを教えてくれる。 ---これにより実際に自分がラリードライバーとして運転しているかのような感覚にさせてくれる。 --コ・ドライバーの指示は英語だが画面上に矢印のマークが表示されるため、聞き取れなくても心配無用。 ---マークの色は青色→黄色→赤色になるにつれ、コーナーが厳しくなっていく。 --また車が壁にぶつかるとコ・ドライバーが「''ワオ!''」と叫ぶ。 ---他にも「Easy right, ''maybe''.」と、思わずツッコミたくなる指示が聞こえることも。 -過度な現実離れを防ぎつつも、適度にデフォルメされた車の挙動。 --本作はラリーを題材としているため、ダートで大きくハンドルを切るだけでも簡単にドリフトすることができる。 ---ただしドリフト中は減速するため、なるべくドリフトを使わないように走るとタイムが伸びる。さらにドリフトしすぎるとスピンするので多用は禁物。 --ドリフト中の「タイヤの側面で砂利を押し分ける」感覚も再現されており、他のレースゲームとは一線を画している。 --また壁に突き刺さると自動的に急旋回して進行方向に向き直る仕様になっており、復帰も容易。 ---ただしコース上で壁にぶつからず反対方向にスピンすると逆走になり、上記の救済措置はない。 -BGMも評価が高い。 --全体的にアップテンポのBGMはそれぞれのコースにマッチしており、ドライバーの気分を高めてくれる。 --ちなみにAC版のBGMのほとんどは光吉猛修氏作曲。 &strike{本作では歌いません。} -チャンピオンシップの隠しコース「LAKE SIDE」も制限時間内に走りきると、エンディングで自分の走りを鑑賞することができる。 --なお「LAKE SIDE」でタイムアップしてもエンディングは流れるが、画面はコースを延々と映すだけで自分の走りを見ることはできない。 **問題点・賛否両論点 -制限時間の設定が厳しめ。 --まず3レース目の「MOUNTAIN」で走りきれるかどうかが一つ目の関門になっている。迫り来るコーナーの数々に手こずっているとあっけなくタイムアップ。 ---''完璧に走っても20秒も残らない''。「完走する」ことを目標としていたプレイヤーさえいた。 ---またゴール時の残り時間が次のコースの制限時間に加算される仕組みのため、途中のタイムロスがゲームの最後まで影響する仕組みになっており、制限時間の厳しさに拍車をかけている。 --そして最大の難関が隠しコースの「LAKE SIDE」。コース自体の難しさも相まってゴールまで間に合わないプレイヤーが続出した。 --一方で誰でも完走できてしまう設定にするとモチベーションが上がらないため、「これくらい厳しい方がいい」という声もある。また本作にはコースアウトが無いのでそれを見越しての設定なのかもしれない。 -どんなに強く壁に激突してもクラッシュしない。 --この仕様を生かした壁ターンも研究され、きれいにドリフトしてクリアするよりも速く抜けることができてしまうコーナーが複数存在する。 ---特に有名なのが「FOREST」の直角右コーナー。真っ直ぐ壁に激突してそのまま右に方向転換することで、ブレーキ無しでも曲がれてしまう。現実でこんなことをするのは命に関わるほど危険。ただこのコーナーはエンディング時のリプレイポイントのひとつにもなっており、ドリフトで上手く切り抜けた方が格好良く映る。 -セガお得意の「VRボタン」が搭載されておらず、視点が2種類しかない。 --「コースだけ見える視点」と「後方視点」のみ。1種類しかないよりはマシではあるが・・・。 ---- **総評 従来のレースゲームのように他車と併走するシステムを導入し、ラリーにゲームとしての面白さを取り入れた意欲作。それまでの「ラリーゲームは売れない」というジンクスを打ち破った。~ 一方でドリフト時の挙動やコ・ドライバーの存在などラリー独特の要素はきちんと取り込まれており、ラリーレースゲームならではの世界観を良く表現しているといえる。~ 本作の人気・知名度は高く、同時期のセガレースゲーム『デイトナUSA』と共に語られることが多い。その後も『セガラリー』シリーズはアーケード・コンシューマー向けに多くの続編を生み出すこととなる。
*セガラリーチャンピオンシップ 【せがらりーちゃんぴおんしっぷ】 |ジャンル|レース|&image(segarally.jpg,height=140)| |対応機種|アーケード(MODEL2A)|~| |発売・開発元|セガ・エンタープライゼス|~| |稼動開始日|1995年|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| **概要 -セガのAM2研が業務用として開発・販売したラリーレースゲーム。プロデューサーは水口哲也氏で、基板には「MODEL2」が使用されている。 **特徴 -本作の大きな特徴として、ラリーレースであるにも関わらず他の車と併走して順位を競うシステムになっていることが挙げられる。 --追い抜き型のレースゲーム自体は別段珍しくもなんともないのだが、ポイントはラリーレースであえてこのシステムを取り入れたということにある。 ---実際のラリーは、一般的には車を1台ずつ走行させタイムを競うという形式となっており、レースゲームで言えば「タイムアタック」に近い。自車だけが寂しくコースを走りタイムを測るという仕様になりがちなラリーゲームにおいて、あえてその基本ルールを無視し他の車と併走する形式を採用したことにより、本作におけるゲーム性を確立させることに成功した。 -本作には「プラクティス」「チャンピオンシップ」の2つのモードがある。 --「プラクティス」は、コースを1つ選び自車とCOM車1台の2台で並んだ状態からスタートし、タイムを記録するモード。 ---COM車はそこまで速くなく、事実上のタイムアタックモードである。 --「チャンピオンシップ」は、3つのコースを順番に1周ずつ走りその間にCOM車を追い抜いて高順位を目指し、またその合計タイムを記録するモード。 ---プレイヤーは最後尾の15位(初期筐体は16位)からスタートし、ゴール時の順位は次のコースに引き継がれる。 ---残り時間はチェックポイントを通過またはゴールすることで加算される。残り時間が0になるとその時点でゲームオーバーとなり、次のコースに進むことすらできない。 -車種は実在する2車種から選択する。ミッションはオートマティック・4速マニュアルミッションが選べる。 --ランチア・デルタHFインテグラーレ ---白を基調とした青いデザインのラリーカー。旋回性が高いが安定性に欠ける。 --トヨタ・セリカGT-FOUR ---赤と緑のデザインが目立つラリーカー。安定性は高いが比較的曲がりにくい。 -コースは4種類存在する。 --DESART(1コース目・プラクティス3周) ---全区間ダートで構成されているコース。急なカーブが皆無で、最終コーナー以外アクセル全開で走ることができる。ただし連続ジャンプスポットは車の姿勢を乱しやすいので侮れない。 ---ゴール直前には上空にヘリコプターが後方から出現する。かなり速いタイムで周ると音だけ聞こえて姿が見えないため、速く走れたかどうかの一つの目安になっている。 --FOREST(2コース目・プラクティス2周) ---ターマックからスタートし、途中でダートに乗り、再びターマックに戻って1周するコース。 ---微妙に波打っているカーブをいかに直線的に抜けられるかがタイム短縮のカギ。 --MOUNTAIN(3コース目・プラクティス2周) ---全区間ターマック(一部ダートエリアがある)で構成された市街地コース。高低差があり、V字型コーナーを含む大角度カーブが点在する難コース。 ---このコースを2位以下でゴールするとここでゲームが終了する。 --LAKE SIDE(''隠しコース'') ---チャンピオンシップでMOUNTAINを1位でゴールすると走行することができる。プラクティスでは選択不可。 ---最終コースにふさわしく、道幅がかなり狭くコーナーが連続する最難関コースになっている。なおこのコースはタイムスコアには影響しない。 **評価点 -MODEL2基板が実現した美麗なポリゴングラフィック。 --本作の前年に登場した『[[デイトナUSA]]』で高い基板性能を披露したMODEL2だが、本作でもその性能がいかんなく発揮されている。 ---ジャンプスポットが複数配置され、2Dレースゲームでは表現できない高低差も体感することができる。 ---ドリフト時にカウンターを当てた際の前輪の細かな動きもきっちりと表現されている。 --またフレームレートも60fpsと滑らかな動きを実現しており、スピード感溢れるドライビングが堪能できる。 -進行方向を指示するコ・ドライバー(同乗者)の存在による臨場感。 --本作独特の要素。コースマップが表示されない代わりにコ・ドライバーが次のコーナーやジャンプスポットを教えてくれる。 ---これにより実際に自分がラリードライバーとして運転しているかのような感覚にさせてくれる。 --コ・ドライバーの指示は英語だが画面上に矢印のマークが表示されるため、聞き取れなくても心配無用。 ---マークの色は青色→黄色→赤色になるにつれ、コーナーが厳しくなっていく。 --また車が壁にぶつかるとコ・ドライバーが「''ワオ!''」と叫ぶ。 ---他にも「Easy right, ''maybe''.」と、思わずツッコミたくなる指示が聞こえることも。 -過度な現実離れを防ぎつつも、適度にデフォルメされた車の挙動。 --本作はラリーを題材としているため、ダートで大きくハンドルを切るだけでも簡単にドリフトすることができる。 ---ただしドリフト中は減速するため、なるべくドリフトを使わないように走るとタイムが伸びる。さらにドリフトしすぎるとスピンするので多用は禁物。 --ドリフト中の「タイヤの側面で砂利を押し分ける」感覚も再現されており、他のレースゲームとは一線を画している。 --また壁に突き刺さると自動的に急旋回して進行方向に向き直る仕様になっており、復帰も容易。 ---ただしコース上で壁にぶつからず反対方向にスピンすると逆走になり、上記の救済措置は無い。 -BGMも評価が高い。 --全体的にアップテンポのBGMはそれぞれのコースにマッチしており、ドライバーの気分を高めてくれる。 --ちなみにAC版のBGMのほとんどは光吉猛修氏が作曲。 &strike{本作では歌いません。} -チャンピオンシップの隠しコース「LAKE SIDE」も制限時間内に走りきると、エンディングで自分の走りを鑑賞することができる。 --なお「LAKE SIDE」でタイムアップしてもエンディングは流れるが、誰も走っていないコースを延々と映すだけで自分の走りを見ることはできない。 **問題点・賛否両論点 -チャンピオンシップの制限時間設定が厳しめ。 --まず3レース目の「MOUNTAIN」で走りきれるかどうかが一つ目の関門になっている。迫り来るコーナーの数々に手こずっているとあっけなくタイムアップ。 ---''完璧に走っても20秒も残らない''。「完走する」ことを目標としていたプレイヤーさえいた。 ---またゴール時の残り時間が次のコースの制限時間に加算される仕組みのため、途中のタイムロスがゲームの最後まで影響する仕組みになっており、制限時間の厳しさに拍車をかけている。 --そして最大の難関が隠しコースの「LAKE SIDE」。コース自体の難しさも相まってゴールまで間に合わないプレイヤーが続出した。 --一方で誰でも完走できてしまう設定にするとモチベーションが上がらないため、「これくらい厳しい方がいい」という声もある。また本作にはコースアウトが無いのでそれを見越しての設定なのかもしれない。 -どんなに強く壁に激突してもクラッシュしない。 --この仕様を生かした壁ターンも研究され、きれいにドリフトしてクリアするよりも速く抜けることができてしまうコーナーが複数存在する。 ---特に有名なのが「FOREST」の直角右コーナー。真っ直ぐ壁に激突してそのまま右に方向転換することで、ブレーキ無しでも曲がれてしまう。現実でこんなことをするのは命に関わるほど危険。ただこのコーナーはエンディング時のリプレイポイントのひとつにもなっており、ドリフトで上手く切り抜けた方が格好良く映る。 -セガお得意の「VRボタン」が搭載されておらず、視点が2種類しかない。 --「コースだけ見える視点」と「後方視点」のみ。1種類しかないよりはマシではあるが・・・。 ---- **総評 従来のレースゲームのように他車と併走するシステムを導入し、ラリーにゲームとしての面白さを取り入れた意欲作。それまでの「ラリーゲームは売れない」というジンクスを打ち破った。~ 一方でドリフト時の挙動やコ・ドライバーの存在などラリー独特の要素はきちんと取り込まれており、ラリーレースゲームならではの世界観を良く表現しているといえる。~ 本作の人気・知名度は高く、同時期のセガレースゲーム『デイトナUSA』と共に語られることが多い。その後も『セガラリー』シリーズはアーケード・コンシューマー向けに多くの続編を生み出すこととなる。

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