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U.S.NAVY - (2018/09/06 (木) 17:13:35) の1つ前との変更点

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*U.S.NAVY 【ゆーえすねいびー】 |ジャンル|シューティング|#image(usnavy.png,width=220,height=170)| |対応機種|アーケード|~| |発売・開発元|カプコン|~| |稼動開始日|1990年|~| //アーケードゲームはテンプレにあるように「稼動開始日」に変えてください |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| **概要 『トップガン』等で知られる、本作のタイトルにもなっているアメリカ海軍(U.S.NAVY)の戦闘機部隊を題材にカプコンが世に放ったアーケードゲーム。~ 同社の『[[エリア88]]』(AC版)のシステムをほぼそのまま踏襲しており、事実上の続編に当たる。~ 本作は当初『エリア88』の続編として開発が進められていたが版権取得ができず、結果オリジナル作品として作り変える事となった([[wikipedia>https://ja.wikipedia.org/wiki/U.S.NAVY]]より)という経緯がある。 // //アメリカ空軍。アメリカ合衆国における軍事組織の航空部門である。~ //戦闘機が疾風のごとく華麗に大空を舞うさまは、アメリカ国内外問わず多くの人間を魅了しており、これまで『トップガン』や『サンドストーム』等多くの映画の題材となった。~ //本作は、そんなアメリカ空軍を題材にカプコンが世に放ったアーケードゲームである。 **特徴 -アメリカ海軍の戦闘機を操作する、二人同時プレイの可能な横シューティング。 --操作はレバーのほかにショットとウェポンを用いる。 --残機なしのライフ制、全10ステージの1周エンド構成。 -ゲームの流れ --まず始めに以下の戦闘機から自分の用いるタイプを選ぶ。かっこ内はパイロットの名前である。~ 『エリア88』ではオート連射の速度やショットの幅、下方向ショットの有無等で自機性能を差別化されていたが、本作では主に得意なショットの種類(ショット選択については後述)で差別化されており、前作と比べて各機体間の性能差は小さめになっている。 ---''F-14 TOMCAT''(リック・フォード)…空中戦闘を得意とするタイプ。ワイドショットの性能が特に優れている。他の2種類のショットは性能が劣っているため、他の2機と比べてクリアは難しい上級者向けの機体である。 ---''F/A-18 HORNET''(ジェームス・ロイ)…空中戦闘と地上攻撃の双方に対応できるタイプ。性能は平均的だが汎用性が高く、ラパイドガンの性能が特に優れている。後述のショット性能の関係で初心者向きの機体となっている。 ---''A-6 INTRUDER''(マーク・オルソン)…プレジションガンと、地上攻撃向きのウェポンの性能に優れるタイプ。空中戦中心の1~2面は苦手だがそれ以降で真価を発揮するため、中級者向け。 --戦闘機を選んだら、今度はあらかじめ用意されている資金でウェポンを購入して装備する。購入できるウェポンの種類や弾数はステージによって違い、機体によっても異なる。 ---ウェポンとは別に補助アイテムとして、ライフゲージの最大値が増える「FUELタンク」や一定回数ダメージを無効にする「シールド」もショップで購入可能。 --装備が終わったらゲーム開始となり、ショットやウェポンをうまく用いてステージをクリアする。 --ステージをクリアすると、使い残したウェポンは売却され、また戦績に応じて資金がたまる。その資金で次ステージ用のウェポンを購入→出撃…を繰り返していく。 -ライフ制で、ライフがなくなるとゲームオーバー。ライフは各ステージ開始時に全快する。 --システム面で『エリア88』から唯一大きな変更がされた点。『エリア88』では自機の「残り装甲値」であったが、本作のライフは「燃料」であるため、何もしなくても時間経過で減っていく。~ 敵弾に被弾したり、体当たりを喰らったり、地形にぶつかったりした場合は大きく減少する。 ---時間経過によるライフ減少が要因でゲームオーバーになることはないので、そこは安心。 --赤い敵を倒すと回復アイテムが現れるので、それを欠かさず回収していく必要がある。 ---回復アイテムの出現頻度は多めでボス戦中でも出現するため、余程のダメージを受けまくったり、中ボスやボス戦でわざと粘ったりしない限りは燃料切れ寸前に陥ることはない。 ---カプコンの過去作で例えると『[[1943>1943 ミッドウェイ海戦]]』に近いシステムである。 -ショットとウェポンについて --ショットは3種類あり、ショット幅の広さ(弾の多さ)と一発の威力がおおよそ反比例している。敵の落とすアイテムで切り替え可能で、種類に関係なく一定の個数を回収するとショットのレベルが上昇する。 ---''ワイドショット''…アイテムが赤色の時に取得するとこのショットを装備する。弾の横幅が広いが連射性能が低いため硬い敵との交戦は不利。しかし敵にギリギリまで接近して手連射すると欠点をカバーできる。 ---''プレジションガン''…青いアイテムで装備。ザコ敵を貫通するショット。横幅は最も狭く、連射性能は中程度。 ---''ラパイドガン''…緑色のアイテムで装備。連射性能が高いショット。横幅は中程度で、硬い敵への時間あたりの攻撃力は最強。 --ウェポンは回数制で、ミサイルや爆弾などがある。ステージ、機体ごとに販売品目が違い、また先述の通りステージクリア後に売却されるので次ステージには持ち込めない。 **評価点 -まず第一に、ビジュアルが格好良い。 --それはゲームを開始した時点ですでに格好よく、オープニングはノリのいい音楽に合わせて戦闘機が空母から飛び出すというもの。いやおうなしにワクワクさせられる。 ---タイトル画面のまま放置すると現れるデモ画面も無駄に設定が細かく、映画の予告編を見ているような気分になる。 --ステージクリアの画面も、無線の指示とともに着陸したり、あるいは空中で燃料補給したりとシチュエーションが多種多様。 --また戦闘機や戦車、爆風などのグラフィックも細かく、臨場感が得られることうけあい。 -音楽はカプコンならではの耳に残る曲調で、プレイを盛り上げるのはもちろんのこと、ふとした時に口ずさみたくなる。 -ゲームシステムが緻密。 --3種類の戦闘機と3種類のショットが用意されており、組み合わせによって異なるプレイ感覚を味わえる。 ---二人プレイの場合だとそれが顕著で、仲間が思わぬ行動をすることにより良くも悪くも戦局が覆ったりもするためドキドキさせられる。 ---また戦闘機によって適したウェポンも異なるため、ウェポンとの相性による戦略性も生まれた。 --さらに、本作は何もしなくてもライフが減るので、常に何らかの大ダメージで死ぬかもしれない緊張感がゲーム性を高めている。 ---ライフ残量が一定値を下回ると鳴り出すライフ切れの警告音の存在が更なる緊迫感を煽る。また、この「時間経過でライフが減る」仕様により補助アイテムの「FUELタンク」と「シールド」の存在が重要となっている。 --爆発のエフェクトも多くの種類があり、敵のヘリコプターや戦車を破壊するのはなかなか爽快。 --難易度も前半は簡単だが後半はかなり難しく、丁度いいバランスなのでやりがいがある。 //---しかも本作は日本版でも海外版でも一部の筐体ではコンティニューが不可能で、ライフがなくなるとゲームオーバー。故に負けても熱い興奮が冷めないうちに終わることになるので、プレイしたあともしばらくのあいだ楽しい余韻に浸れる。 --プレイヤーが能動的に難易度を調整できるので、難しすぎて詰まるということがない。 ---難しいと感じるステージでも、ウェポンを購入することで突破できるようになる。しかし買いまくって乱用していると先の面で金欠になりウェポンが買えなくなるというバランスである。~ 初心者のうちはウェポンを活用したプレイで先に進み、全面クリアやハイスコア狙いが視野に入るくらい上達したらウェポンを買わないプレイスタイルに移行することになる。したがって難所で詰まって諦めるということが少なく、反復練習の効果を実感しやすい。 ---自機とメインショットをそれぞれ3種類から選択できるので、プレイにマンネリ感をおぼえたら別の組み合わせにしてみると、また違ったプレイ感覚を味わえる。 **問題点と賛否両論点 -ステージ3がそれまでのステージと比べて長丁場で、大抵のプレイヤーはここで撃沈する。その次のステージ4も敵の攻撃が激化するだけでなく、破壊すると被弾判定のある炎を噴き出すガスタンクが所々に配置されており、これによる予期せぬ被弾が起きやすく難易度が高い。 --これは「適度の時間でゲームオーバーにさせて、インカムを稼ぐ」必要があるアーケードゲームの仕組みの関係上、どうしても避けられない点である。~ また、当時のカプコンは「ベルトスクロール作品のステージ2ボス」のように序盤から少し経った地点で山場を設ける難易度調整を行う作品が多く、その流れを汲んだものといえる。 -有利不利だけで考えるなら、機体やショットに選択の余地がない。 --3種類あるショットのうち、ラパイドガンが明らかに他の2つよりも強く、終始これだけで事足りてしまう。またショットをこれしか使わないことを前提に考えると機体選択もF/A-18の一択である。せっかく多彩な組み合わせがあるのに、一長一短の絶妙なバランスとは言いがたい。 --もっともアーケードゲームとしては難易度が低めなので、F/A-18+ラパイドガンで楽にクリアできるようになったら、不利を承知で他の組み合わせでプレイすると、先述したように新鮮な感覚で楽しめるだろう。 -バグ --日本版の初期生産分には、ラスボス戦のさなかに突然フリーズするという深刻なバグがある。 --後期生産分ではバグが治っているが、初期版・後期版を見分けることは不可能。 ---海外版(後述)では確実にバグが修正されているので、中古基板を購入する際には海外版を選ぶのが賢明。 **総評 格好良いビジュアルをこれでもかと詰め込んだ、近年の「避ける」シューティングとは一線を画す、カプコンならではの「撃つ」ミリタリーシューティングゲーム。~ プレイヤーの興奮をどこまでも追い求めた良作といえよう。~ 実質前作である『エリア88』よりも難易度が上昇しており、これをどう取るかで評価が分かれる面もある。『エリア88』は簡単すぎたので本作くらいがちょうど良いという肯定的意見もある。 **余談 -海外版のタイトルは『Carrier Air Wing』。意味は「空母航空団」である。 --『エリア88』(海外名:『U.N.SQUADRON』)の時では行われた高難易度化調整はされていない。 -SFCに移植された『エリア88』とは異なり、現時点で家庭用ハードへの移植は実現されていない。 -作中、日本が舞台と思わしきステージが存在する。国内版のストーリー等では「J国」という表現になっているが、海外版では現地語で「日本」と書かれている。 -本作の敵である「X国」と死の商人組織「ラブー」の兵器は現実のソ連軍の兵器をモチーフにしたものが大半だが、一部の兵器はアメリカ軍のものを利用している。 --ちなみに「X国」とソ連は別の国家という設定である。((アトラクトデモのストーリー解説の中で「このX国の軍事行動により、米ソ間の軍事力バランスが崩れた」という記述がある。)) -各ステージ開始前に司令官から作戦内容や攻撃目標を伝えられる演出があるが、その司令官がショーン・コネリーにそっくりな見た目をしている。 --流石にヤバかったのか、海外版では若干だがデザインの変更がなされているが、それでも氏にそっくりな見た目のままであまり変化が無い。 -現実のアメリカ海軍は「正規の軍隊」なのだが、本作では任務で使う武器は「配られる」のではなく、「出撃前に司令官が武器を売りつけ、それを自腹で買う」という傭兵式となっており、かなり奇妙な事になっている。~ 武器を購入するための資金は、当然ながら「任務中に自力で稼ぐ」必要がある。 --このようなおかしな設定が出てしまったのは、上述の通りゲームシステムを『エリア88』のものをほぼそのまま踏襲してしまった事が原因。『エリア88』では傭兵という設定だったので、自力で資金を溜めて武器を買う傭兵式のシステムは自然なものであった。~ 元々『エリア88』の続編として開発されていた頃の名残といえる。 //ゲーム内容の問題点や賛否両論点になるものではないので、こちらへ移動。 -ステージ開始時にある事をすると所持金を減らさずに装備を購入(?)できるバグ技(通称「万引き技」)がある。 --なお、本作はステージクリア時に所持している装備やゲームクリア時の所持金に応じてスコアボーナスが加算されるシステムになっている為、「万引き」はスコアラーにとっての必須テクニックと化している。 -エンディングの内容は全ステージクリア時のコンティニューの有無で大きく変化する。スタッフロールが流れるのはノーコンティニューの方のみ。 --更にノーコンティニューでクリアした上でスコアが200万点以上だとある演出が追加される。演出としてはかなり細かいものだが、ノーコンティニュークリアが安定するようになったら狙ってみるのもいいだろう。 -「ラパイドガン」という聞き慣れない武器名は、どうやら「Rapid gun」の誤読らしい([[wikipedia>https://ja.wikipedia.org/wiki/U.S.NAVY]]より)。
*U.S.NAVY 【ゆーえすねいびー】 |ジャンル|シューティング|#image(usnavy.png,width=220,height=170)| |対応機種|アーケード|~| |発売・開発元|カプコン|~| |稼動開始日|1990年|~| //アーケードゲームはテンプレにあるように「稼動開始日」に変えてください |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| **概要 『トップガン』等で知られる、本作のタイトルにもなっているアメリカ海軍(U.S.NAVY)の戦闘機部隊を題材にカプコンが世に放ったアーケードゲーム。~ 同社の『[[エリア88]]』(AC版)のシステムをほぼそのまま踏襲しており、事実上の続編に当たる。~ 本作は当初『エリア88』の続編として開発が進められていたが版権取得ができず、結果オリジナル作品として作り変える事となった([[wikipedia>https://ja.wikipedia.org/wiki/U.S.NAVY]]より)という経緯がある。 // //アメリカ空軍。アメリカ合衆国における軍事組織の航空部門である。~ //戦闘機が疾風のごとく華麗に大空を舞うさまは、アメリカ国内外問わず多くの人間を魅了しており、これまで『トップガン』や『サンドストーム』等多くの映画の題材となった。~ //本作は、そんなアメリカ空軍を題材にカプコンが世に放ったアーケードゲームである。 **特徴 -アメリカ海軍の戦闘機を操作する、二人同時プレイの可能な横シューティング。 --操作はレバーのほかにショットとウェポンを用いる。 --残機なしのライフ制、全10ステージの1周エンド構成。 -ゲームの流れ --まず始めに以下の戦闘機から自分の用いるタイプを選ぶ。かっこ内はパイロットの名前である。~ 『エリア88』ではオート連射の速度やショットの幅、下方向ショットの有無等で自機性能を差別化されていたが、本作では主に得意なショットの種類(ショット選択については後述)で差別化されており、前作と比べて各機体間の性能差は小さめになっている。 ---''F-14 TOMCAT''(リック・フォード)…空中戦闘を得意とするタイプ。ワイドショットの性能が特に優れている。他の2種類のショットは性能が劣っているため、他の2機と比べてクリアは難しい上級者向けの機体である。 ---''F/A-18 HORNET''(ジェームス・ロイ)…空中戦闘と地上攻撃の双方に対応できるタイプ。性能は平均的だが汎用性が高く、ラパイドガンの性能が特に優れている。後述のショット性能の関係で初心者向きの機体となっている。 ---''A-6 INTRUDER''(マーク・オルソン)…プレジションガンと、地上攻撃向きのウェポンの性能に優れるタイプ。空中戦中心の1~2面は苦手だがそれ以降で真価を発揮するため、中級者向け。 --戦闘機を選んだら、今度はあらかじめ用意されている資金でウェポンを購入して装備する。購入できるウェポンの種類や弾数はステージによって違い、機体によっても異なる。 ---ウェポンとは別に補助アイテムとして、ライフゲージの最大値が増える「FUELタンク」や一定回数ダメージを無効にする「シールド」もショップで購入可能。 --装備が終わったらゲーム開始となり、ショットやウェポンをうまく用いてステージをクリアする。 --ステージをクリアすると、使い残したウェポンは売却され、また戦績に応じて資金がたまる。その資金で次ステージ用のウェポンを購入→出撃…を繰り返していく。 -ライフ制で、ライフがなくなるとゲームオーバー。ライフは各ステージ開始時に全快する。 --システム面で『エリア88』から唯一大きな変更がされた点。『エリア88』では自機の「残り装甲値」であったが、本作のライフは「燃料」であるため、何もしなくても時間経過で減っていく。~ 敵弾に被弾したり、体当たりを喰らったり、地形にぶつかったりした場合は大きく減少する。 ---時間経過によるライフ減少が要因でゲームオーバーになることはないので、そこは安心。 --赤い敵を倒すと回復アイテムが現れるので、それを欠かさず回収していく必要がある。 ---回復アイテムの出現頻度は多めでボス戦中でも出現するため、余程のダメージを受けまくったり、中ボスやボス戦でわざと粘ったりしない限りは燃料切れ寸前に陥ることはない。 ---カプコンの過去作で例えると『[[1943>1943 ミッドウェイ海戦]]』に近いシステムである。 -ショットとウェポンについて --ショットは3種類あり、ショット幅の広さ(弾の多さ)と一発の威力がおおよそ反比例している。敵の落とすアイテムで切り替え可能で、種類に関係なく一定の個数を回収するとショットのレベルが上昇する。 ---''ワイドショット''…アイテムが赤色の時に取得するとこのショットを装備する。弾の横幅が広いが連射性能が低いため硬い敵との交戦は不利。しかし敵にギリギリまで接近して手連射すると欠点をカバーできる。 ---''プレジションガン''…青いアイテムで装備。ザコ敵を貫通するショット。横幅は最も狭く、連射性能は中程度。 ---''ラパイドガン''…緑色のアイテムで装備。連射性能が高いショット。横幅は中程度で、硬い敵への時間あたりの攻撃力は最強。 --ウェポンは回数制で、ミサイルや爆弾などがある。ステージ、機体ごとに販売品目が違い、また先述の通りステージクリア後に売却されるので次ステージには持ち込めない。 **評価点 -まず第一に、ビジュアルが格好良い。 --それはゲームを開始した時点ですでに格好よく、オープニングはノリのいい音楽に合わせて戦闘機が空母から飛び出すというもの。いやおうなしにワクワクさせられる。 ---タイトル画面のまま放置すると現れるデモ画面も無駄に設定が細かく、映画の予告編を見ているような気分になる。 --ステージクリアの画面も、無線の指示とともに着陸したり、あるいは空中で燃料補給したりとシチュエーションが多種多様。 --また戦闘機や戦車、爆風などのグラフィックも細かく、臨場感が得られることうけあい。 -音楽はカプコンならではの耳に残る曲調で、プレイを盛り上げるのはもちろんのこと、ふとした時に口ずさみたくなる。 --楽曲は『エリア88』に引き続き、松前真奈美氏が担当している。 -ゲームシステムが緻密。 --3種類の戦闘機と3種類のショットが用意されており、組み合わせによって異なるプレイ感覚を味わえる。 ---二人プレイの場合だとそれが顕著で、仲間が思わぬ行動をすることにより良くも悪くも戦局が覆ったりもするためドキドキさせられる。 ---また戦闘機によって適したウェポンも異なるため、ウェポンとの相性による戦略性も生まれた。 --さらに、本作は何もしなくてもライフが減るので、常に何らかの大ダメージで死ぬかもしれない緊張感がゲーム性を高めている。 ---ライフ残量が一定値を下回ると鳴り出すライフ切れの警告音の存在が更なる緊迫感を煽る。また、この「時間経過でライフが減る」仕様により補助アイテムの「FUELタンク」と「シールド」の存在が重要となっている。 --爆発のエフェクトも多くの種類があり、敵のヘリコプターや戦車を破壊するのはなかなか爽快。 --難易度も前半は簡単だが後半はかなり難しく、丁度いいバランスなのでやりがいがある。 //---しかも本作は日本版でも海外版でも一部の筐体ではコンティニューが不可能で、ライフがなくなるとゲームオーバー。故に負けても熱い興奮が冷めないうちに終わることになるので、プレイしたあともしばらくのあいだ楽しい余韻に浸れる。 --プレイヤーが能動的に難易度を調整できるので、難しすぎて詰まるということがない。 ---難しいと感じるステージでも、ウェポンを購入することで突破できるようになる。しかし買いまくって乱用していると先の面で金欠になりウェポンが買えなくなるというバランスである。~ 初心者のうちはウェポンを活用したプレイで先に進み、全面クリアやハイスコア狙いが視野に入るくらい上達したらウェポンを買わないプレイスタイルに移行することになる。したがって難所で詰まって諦めるということが少なく、反復練習の効果を実感しやすい。 ---自機とメインショットをそれぞれ3種類から選択できるので、プレイにマンネリ感をおぼえたら別の組み合わせにしてみると、また違ったプレイ感覚を味わえる。 **問題点と賛否両論点 -ステージ3がそれまでのステージと比べて長丁場で、大抵のプレイヤーはここで撃沈する。その次のステージ4も敵の攻撃が激化するだけでなく、破壊すると被弾判定のある炎を噴き出すガスタンクが所々に配置されており、これによる予期せぬ被弾が起きやすく難易度が高い。 --これは「適度の時間でゲームオーバーにさせて、インカムを稼ぐ」必要があるアーケードゲームの仕組みの関係上、どうしても避けられない点である。~ また、当時のカプコンは「ベルトスクロール作品のステージ2ボス」のように序盤から少し経った地点で山場を設ける難易度調整を行う作品が多く、その流れを汲んだものといえる。 -有利不利だけで考えるなら、機体やショットに選択の余地がない。 --3種類あるショットのうち、ラパイドガンが明らかに他の2つよりも強く、終始これだけで事足りてしまう。またショットをこれしか使わないことを前提に考えると機体選択もF/A-18の一択である。せっかく多彩な組み合わせがあるのに、一長一短の絶妙なバランスとは言いがたい。 --もっともアーケードゲームとしては難易度が低めなので、F/A-18+ラパイドガンで楽にクリアできるようになったら、不利を承知で他の組み合わせでプレイすると、先述したように新鮮な感覚で楽しめるだろう。 -バグ --日本版の初期生産分には、ラスボス戦のさなかに突然フリーズするという深刻なバグがある。 --後期生産分ではバグが治っているが、初期版・後期版を見分けることは不可能。 ---海外版(後述)では確実にバグが修正されているので、中古基板を購入する際には海外版を選ぶのが賢明。 **総評 格好良いビジュアルをこれでもかと詰め込んだ、近年の「避ける」シューティングとは一線を画す、カプコンならではの「撃つ」ミリタリーシューティングゲーム。~ プレイヤーの興奮をどこまでも追い求めた良作といえよう。~ 実質前作である『エリア88』よりも難易度が上昇しており、これをどう取るかで評価が分かれる面もある。『エリア88』は簡単すぎたので本作くらいがちょうど良いという肯定的意見もある。 **余談 -海外版のタイトルは『Carrier Air Wing』。意味は「空母航空団」である。 --『エリア88』(海外名:『U.N.SQUADRON』)の時では行われた高難易度化調整はされていない。 -SFCに移植された『エリア88』とは異なり、現時点で家庭用ハードへの移植は実現されていない。 -作中、日本が舞台と思わしきステージが存在する。国内版のストーリー等では「J国」という表現になっているが、海外版では現地語で「日本」と書かれている。 -本作の敵である「X国」と死の商人組織「ラブー」の兵器は現実のソ連軍の兵器をモチーフにしたものが大半だが、一部の兵器はアメリカ軍のものを利用している。 --ちなみに「X国」とソ連は別の国家という設定である。((アトラクトデモのストーリー解説の中で「このX国の軍事行動により、米ソ間の軍事力バランスが崩れた」という記述がある。)) -各ステージ開始前に司令官から作戦内容や攻撃目標を伝えられる演出があるが、その司令官がショーン・コネリーにそっくりな見た目をしている。 --流石にヤバかったのか、海外版では若干だがデザインの変更がなされているが、それでも氏にそっくりな見た目のままであまり変化が無い。 -現実のアメリカ海軍は「正規の軍隊」なのだが、本作では任務で使う武器は「配られる」のではなく、「出撃前に司令官が武器を売りつけ、それを自腹で買う」という傭兵式となっており、かなり奇妙な事になっている。~ 武器を購入するための資金は、当然ながら「任務中に自力で稼ぐ」必要がある。 --このようなおかしな設定が出てしまったのは、上述の通りゲームシステムを『エリア88』のものをほぼそのまま踏襲してしまった事が原因。『エリア88』では傭兵という設定だったので、自力で資金を溜めて武器を買う傭兵式のシステムは自然なものであった。~ 元々『エリア88』の続編として開発されていた頃の名残といえる。 //ゲーム内容の問題点や賛否両論点になるものではないので、こちらへ移動。 -ステージ開始時にある事をすると所持金を減らさずに装備を購入(?)できるバグ技(通称「万引き技」)がある。 --なお、本作はステージクリア時に所持している装備やゲームクリア時の所持金に応じてスコアボーナスが加算されるシステムになっている為、「万引き」はスコアラーにとっての必須テクニックと化している。 -エンディングの内容は全ステージクリア時のコンティニューの有無で大きく変化する。スタッフロールが流れるのはノーコンティニューの方のみ。 --更にノーコンティニューでクリアした上でスコアが200万点以上だとある演出が追加される。演出としてはかなり細かいものだが、ノーコンティニュークリアが安定するようになったら狙ってみるのもいいだろう。 -「ラパイドガン」という聞き慣れない武器名は、どうやら「Rapid gun」の誤読らしい([[wikipedia>https://ja.wikipedia.org/wiki/U.S.NAVY]]より)。

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