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*マリオ&ルイージRPG2 【まりおあんどるいーじあーるぴーじーつー】 |ジャンル|ブラザーアクションRPG|CENTER:&amazon(B000BNBB2M)| |対応機種|ニンテンドーDS|~| |発売元|任天堂|~| |開発元|アルファドリーム|~| |発売日|2005年12月29日|~| |定価|4,571円(税別)|~| |プレイ人数|1人|~| |セーブデータ|2個|~| |レーティング|CERO:全年齢(全年齢対象)|~| |配信|バーチャルコンソール&br;【WiiU】2015年6月10日/950円(税8%込)|~| |備考|DS振動カートリッジ対応|~| |判定|なし|~| |ポイント|タッチ操作を殆ど使用しないDS作品&brやりこみ要素の乏しさ&br''ストレスがたまるシナリオ運び''&brルイージの受難|~| |>|>|CENTER:''[[マリオシリーズ・関連作品リンク>マリオシリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 『[[マリオ&ルイージRPG]]』の続編。~ 前作はGBA作品だったため2ボタンを駆使する形をとっていたのに対し、今作はDSで発売されたことにより、X・Yボタンを加えた4ボタン中心の進行や2画面構成の利用など、ゲーム性がより拡張されている。 今作での敵は、キノコ王国を征服するためにやってきた謎の宇宙人「ゲドンコ星人」。~ 過去と現在を行き来し、ゲドンコ星人の侵攻を阻止するというSF色の強い設定になる ---- **ストーリー //読みづらいのでちゃんと改行いれてください >ある日、キノコ王国で、天才発明家 オヤ・マー博士がタイムマシンを発明しました。~ その原動力は「コバルトスター」!!~ よろこんだピーチ姫は、さっそく過去のキノコ王国へと旅立ち、それを見たキノじいは心配のあまり倒れこんでしまいました。~ そこへ現れたのが、ボロボロになったタイムマシンとナゾの宇宙人。~ しかも、ピーチ姫の姿はどこにもありません。博士によると、姫はまだ過去の世界にいるようです。~ 城の中には、過去へつながっているという タイムホールも発見されました。 > >そこで、マリオとルイージの出番です!~ タイムホールへ飛び込んで、新たな冒険の始まり始まり!!~ 過去の世界で出会う子どもの頃の自分たち~ ベビィマリオやベビィルイージと共に力を合わせて~ さあ、ピーチ姫を救い出しましょう! > >([[公式サイトより>https://www.nintendo.co.jp/ds/armj/prologue/index.html]]) ---- **特徴 -「ブラザーアクションを使いながらフィールドを探索し、バトルはアクションコマンドを入力していく」という基本的なスタンスは前作と変わっていない。 -メニュー画面は前作同様、スーツケースになっている。 --マリオたちのアイコンはキーホルダーとして表示される。 -今作の最大の特徴はマリオとルイージに加え、ベビィマリオとベビィルイージが冒険に参加することである。ベビィたちは普段はマリオたちにおんぶされた状態で行動する。 --冒険メンバーが4人となり、DSの4つのボタン(A、B、X、Y)がそれぞれに割り振られている。 --アクションも種類が増え、単体で行う「ソロアクション」、ベビィをおんぶ中に行う「おんぶアクション」、兄弟の協力技である「ブラザーアクション」(大人とベビィで技が異なる)に分類された。また、大人のブラザーアクションを利用することでベビィたちにさらなるアクションが発生する(例:「スピンジャンプ」にベビィが巻き込まれることで「ベビィスピン」が使える)。 -ブラザーアタックを使用する際に必要だった「BP(ブラザーポイント)」の概念が無くなり、「攻撃アイテム」を消費して発動させるようになった。 -- -DSの二画面を利用したギミックが追加された。 --フィールドでは、上画面に簡易マップが表示されるようになった。 --また、大人とベビィで別行動をしているときには上画面にベビィチーム、下画面に大人チームが表示されるようになっている。 --バトル内でも、上画面を利用した攻撃が登場するようになった。 ---- **評価点 -4人のプレイキャラ(4つのボタン)による操作・二画面を利用した演出から、前作よりもアクション性が向上した。 --4つのボタンを駆使するバトルは慣れないうちは戸惑うものの、慣れてくると非常に楽しいものになっている。 ---ブラザーアタックにも4ボタンと二画面は利用されているため、前作以上にアクション性が高くなった。特に「スーパージャンプだい」や「ミックスフラワー」は4ボタンと二画面を最大限に利用しており、非常に賑やかでハチャメチャな技となっている。 --ただ敵の攻撃合図が上画面に出ることもあるため、前作よりも合図の見極めが難しくなったというデメリットもある。 -謎解きも、ブラザーアクションの増加や大人とベビィでチームを分ける作りから、前作よりもバリエーションが増え、深みが増している。 -上画面に簡易マップが表示され探索がしやすくなった。 -ブラザーアタックは、選択の際に上画面に操作の説明とお手本が表示されるようになり、どのような技なのかがある程度理解しやすくなった。 -前作同様、グラフィックがよく出来ており、評価が高い。 --マリオやルイージは当然ながら、ベビィたちも愛らしく表現されている。リアクションも大人と違っているため、見ていて面白い。 --DSのRPGは制作費や製作時間の軽減から3Dでキャラグラフィックを作ることが多いが、本作は2Dなので前者より美しく見える。 -BGMの評価が高い(担当は前作と同じく下村陽子氏)。 --特にラスボス戦のBGMは雰囲気がガラリと変わり、引き込まれたプレイヤーも多い。 -『[[ヨッシーアイランド>スーパーマリオ ヨッシーアイランド]]』で初登場して以降、あまりピックアップされることがなかったベビィたちに焦点を当てたこと。 --ベビィマリオやベビィルイージ以外に、ベビィピーチ、ベビィクッパも登場する。いずれもかわいらしく描かれている。 //---余談だが、ベビィピーチはゲームでは本作が初登場だが、本山一城氏の「スーパーマリオ」のヨッシーアイランド編で本作より先駆けて登場していた。 **賛否両論点 -''外道染みたゲドンコ星人達の悪行。'' --侵略を企む宇宙人という異質な設定や恐怖感を表現したいのだろうが、マリオシリーズらしかぬハードすぎる描写が多い点は賛否が分かれる。 ---ゲーム序盤の村破壊など序の口。その次のダンジョンでは''連れ去られたキノピオ達が森の木に取り込まれ、その先の工場で兵器群のエネルギー補充のために生命力を吸い取られ続ける''という、''かの有名な[[バイオベース>大貝獣物語]]''を彷彿とさせる展開が待ち受けている。 //---なお、本作には協力していないものの、その大貝獣物語を発売したハドソンは、マリオパーティシリーズも手がけている為、''パロディでイベントを作った可能性が高い。'' ---以降も巨大怪物の体内でヨッシー達を怪物に変化させようとしたり、ゲドンコ達の大集会では親玉のゲドンコ姫がピーチ姫をボスパックンに食べさせるという''公開処刑''までやってのけている。 -シナリオも謎の言語を話す宇宙人「ゲドンコ星人」との追いかけっこばかりで、マリオシリーズらしいライトな演出にはなっているもののコメディ要素は比較的少ない。 --主な舞台がゲドンコ星人の侵略を受けた過去の世界であるため世界が比較的殺伐としており、村人などとまともに会話する機会にも乏しい。 --「ゲドンコ星人」は宇宙人と言うだけあって独自の言葉を話し、内容が何を話しているかはプレイヤーにはさっぱりわからないようになっているので、登場している場面は退屈と思う人も多い。 ---黒幕に関しては台詞の下に翻訳が表示されるようになっており、更にとある場面ではハッキリと翻訳無しで普通に喋る。 --これらゲドンコ星人との対決をシナリオの中心にしているわりには、撃退方法は伏線皆無の唐突なものであり、超展開と言わざるを得ない。 **問題点 -進行が一本道で、やり込み要素は皆無。前作もそこまで自由度が高かったわけではないが、今作はさらに顕著。 --寄り道的なものは隠しショップが一件あるのみ。ただし、品揃えがかなり微妙で来なくても殆ど問題はない。 --前作で好評だったミニゲームも、クオリティが見劣りする。 ---前作と比べると数が少なく(前作:6 → 今作:2)、景品も同じ。 -ストーリーの構成が微妙でダレやすい。 --「ダンジョン→現代に戻る→ダンジョン→ダンジョン→現代に戻る→……」などという繰り返しになることから、ダンジョン続きで進行がダレやすい。 -黒幕にとある秘密があるのだが、そのことを知っている人物達が勿体ぶってなかなか話してくれず非常にイライラする。 --対象層の関係もあってかそれなりに分かりやすい伏線が張られており、プレイヤーの大半が割と早い段階で大まかな真実に気づくのでイラつきに拍車がかかる。 ---「○○するのは賛成できません」と、何をもったいぶってるのかサッパリなピーチ。ハッキリ「○○するな」と言えばいいだろうに。''結局、ゲーム中で真相が判明するのは黒幕を倒した直後。遅すぎる。'' --これら真相は、登場キャラの一人が残した記事という形で過去から現代に伝わっているはずだが、城の隅でキノピオが一人情報を伏せてるだけで全くストーリーに関わらない。 ---いくら真相がいきなり明らかになったら話が破綻するとはいえ、世界の危機でそれはどうなのか。 -過去にタイムスリップするというストーリーだが、舞台の歴史やキャラの過去といった設定はほとんど活かされていない。 --タイムスリップ物にはお馴染みの歴史改変や、現代と過去の情報を比較する、謎の多い幼少時代が明らかになるといった展開はほぼ皆無である。 -現代側のマップがキノコ城のみしかない。 --キノコ城がいやにだだっ広く、最初は「このゲーム実はものすごいボリュームなのでは?」と勘違いしそうになるが、現代では''キノコ城が世界のすべて''であり、他の場所は一切登場しない(めちゃくちゃ広いのはそのせいである)。過去と現在のマップに繋がりを持たせることもできそうだが、実際はキノコ城だけでしか行われていない。 --一箇所だけコメディ全開の土地がある。 -ルイージの扱いが''酷すぎる''。 --「マリオと比べてルイージの扱いが悪い」というネタはマリオシリーズおなじみと言っていいものではあるが、試練とは言えイジメ同然の扱いを受ける場面や、ピーチにほとんど無視と言っていい扱いを受ける場面はやり過ぎだという声も多い。 ---とりわけ議論になりやすいのがスター神殿の門エリアでのイベント。理不尽な門番がルイージイジメの最たる例と言われている。ただしイベントの際ルイージのみに聞こえるように「ヒソヒソヒソ…」と呟いている場面がある点について「ルイージを理不尽に扱ったのは試練の出題のための口実であり、それをルイージだけに初めから伝えていたのではないか?」(すなわちその後にルイージが不満を露わにしているのは彼の演技ということになる)という説もある。%%前作終盤のルイージの演技力を考えるとあり得ない話でもない。%% ---しかし仮にそうだったとすると非常にわかりにくい描写であることは否めない。 //---しかし仮にそうだったとしてそのように認識していなかったプレイヤーも非常に多く、イベント内でマリオやベビィマリオがとった行動と同じことを考えたプレイヤーは数知れない。ベビィルイージのみ一切の行動をとっていたのは何か勘付いていたのだろうか? //ここ、ルイージは分かってて演技した説あったんですね。RTA動画で確認して初めて知った。ここら辺の編集は表現が難しいな --ルイージは前作でも中々酷い目(例・金的・女装・催眠術・''サーフボードに改造''等)にあっており、「前作に比べればマイルドになった」「ギャグなんだし気にならない、面白い」と許容するファンもいるが、「ギャグだとしてもやりすぎ」という意見も存在する。~ ''スター神殿のくだりだけは前作より遥かにひどく感じるだろう。''~ いわゆる「いじり芸」に対する賛否両論を考えていただければ分かりやすいだろう。 --開発初期の段階では、意地悪でスレた性格付けとなっておりベビィルイージを助けないというキャラ付けだったが、デバッグチームのルイージファンの指摘によって修正されたことが[[開発スタッフインタビュー>https://www.nintendo.co.jp/nom/0601/22/index.html]]で明らかにされている。 -前作で扱いの酷かったクッパについて #region(ネタバレ) -物語の''中盤で初登場''し、ピーチ姫をさらおうとしたが、キノじいによってタイムホールに落ちて過去の世界に迷い込む。 --そこで過去の自分(ベビィクッパ)と出会うが、口喧嘩し始める。 --その後、2人でマリオ達を倒そうとするが、案の定失敗する。 --その直後に火山が噴火し、''再びタイムホールに落ちて退場。'' --その後、最終盤でようやく再登場。しかもラスボスに操られている(前作とは異なり自我そのものはクッパにあり、そもそもクッパが放った攻撃へのカウンターがラスボスに命中している)。 -ベビィクッパの存在があるとはいえ出番自体が少なめで、初登場も遅い。最終盤にも登場しており物語に大きく影響を及ぼす立場にはいるものの、やや間の抜けた面が目立つことに加え前作と同様にやや「かませ」的な扱いになっている感が否めない。 //((余談だが、2012年現在唯一のマリオ連載漫画である「スーパーマリオくん」においては、この大人クッパの存在''そのものがカット''されている。)) #endregion -ボスのHPが高く、攻撃回数も多く時間もかかり戦闘がいちいち長引く。 --ボスは攻撃アイテムをそれなりに使用すること前提の調整になっているようで、これをうまく使えるかどうかで難易度に大きく差が出る。 --ただし、アクションゲームが得意であればそこそこシビアな戦闘を楽しむ事が可能。 -4つのボタンを使うため、操作に慣れるまで混乱しやすい。 -前作に引き続き、赤と緑のブロック((赤は(ベビィ)マリオ、緑は(ベビィ)ルイージが叩かないと反応しないブロック))が登場しているが、今作では別行動をとるときはマリオ/ルイージではなく、ベビィ兄弟/マリオブラザーズに分かれるので、ほとんど形骸化している。 -振動のON・OFFしかない簡易なオプション((しかもDS振動カートリッジを挿入した場合しか出現せず、日本では当時DS振動カートリッジが1ヶ月後の発売な為、パッケージにも非掲載))。 ---- **総評 任天堂らしいアクションRPGとなっているので、前作同様アクション性が高く、謎解き要素もなかなかの作りとなっている。~ 4つのボタンと2つの画面というDS特有の操作・演出を取り入れつつも、操作面等には煩わしさはなく、快適な操作や賑やかなバトルの演出に成功している。~ ''シナリオとキャラの面を除いた''前作の長所を残しつつも、発展可能な部分はしっかりと進化させているため、アクションや謎解きといったゲーム部分は前作の正当進化といえるだろう。 しかし、そのシナリオとキャラの面で、人によっては看過できない問題が目立ってしまっている。~ 特にキャラの扱いについては『''アルファドリームはルイージとクッパが嫌い''』という噂が広まる原因となってしまった程。~ この点を許容できるか否かで、評価が大きく分かれる作品である。 ---- **余談 -本作はタッチ操作を必要としないのだが、後半''一度だけ''イベントでタッチペンを使わされることになる。~ そのイベントの内容は「紙の一部分に付着した汚れを払う」。これだけ。 --当時はこういうタッチ操作を強引に挟むゲームが散見されたが、通常プレイ時に苦痛を伴うようなわずらわしい操作が要求される訳では無いので、その点は安心して欲しい。 -海外での評価は非常に高い(DSゲームで20位以内に入るほど)。([[海外レビュー例>http://www.metacritic.com/games/platforms/ds/marioandluigipartnersintime]]) --任天堂産マリオシリーズで始めて宇宙人とタイムマシンなどのSF要素を扱ったからだろうか。因みに、マリオシリーズで宇宙人が攻めてくる作品は過去に[[スーパーマリオランド]]がある。 -2009年には続編『[[マリオ&ルイージRPG3!!!]]』が発売された。詳細については当該記事にて。 --ちなみに今作の悪役キャラであった、とあるキャラクターがゲスト出演している。 -売り上げは43万本と前作より落ちている。これはリメイク作を除いてシリーズの売り上げはワースト2位で低い評価だった事が分かる。 -2017年には初代のリメイク『[[マリオ&ルイージRPG1 DX>マリオ&ルイージRPG]]』、そして2018年には『マリオ&ルイージRPG&bold(){3} DX』が発売された。 --どういう訳か『初代』→『3』と、本作を飛ばした不自然な順番でのリメイクが行われており、メーカー側も本作の扱いに難儀しているのではないかと推測されていた。 ---この頃は3DSの市場も末期であったために『2』と『3』の両方をリメイクする時間的猶予は残されておらず、人気が高かった『3』を優先した可能性もある。 ---幸いにして初代と本作、及び本作と『3』はストーリー的に大きな繋がりは存在せず、また『3』では明確に初代から繋がるストーリーが描かれている為、本作を飛ばしてしまっても大筋の理解は十分可能ではある。…むしろ本作を飛ばした方が大筋を理解しやすいかもしれない。 --そして『3DX』発売後、''アルファドリームは破産手続開始''となってしまった。 ---経営状況の危うさが明るみとなった今では、「評価が著しい『2』を悠長にリメイクしている場合ではなかったのではないか」と推測する声もある。 ---またアルファドリームは「携帯機一本道で進んできた理由にSwitchの据え置き機へ移植やリメイクする技術は無い」と表明した事から本作のリメイクは、今後の実現はないであろう。
*マリオ&ルイージRPG2 【まりおあんどるいーじあーるぴーじーつー】 |ジャンル|ブラザーアクションRPG|CENTER:&amazon(B000BNBB2M)| |対応機種|ニンテンドーDS|~| |発売元|任天堂|~| |開発元|アルファドリーム|~| |発売日|2005年12月29日|~| |定価|4,571円(税別)|~| |プレイ人数|1人|~| |セーブデータ|2個|~| |レーティング|CERO:全年齢(全年齢対象)|~| |配信|バーチャルコンソール&br;【WiiU】2015年6月10日/950円(税8%込)|~| |備考|DS振動カートリッジ対応|~| |判定|なし|~| |ポイント|タッチ操作を殆ど使用しないDS作品&brやりこみ要素の無さ&br''ストレスがたまるシナリオ運び''&br前作同様、クッパとルイージの酷い扱い|~| |>|>|CENTER:''[[マリオシリーズ・関連作品リンク>マリオシリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 『[[マリオ&ルイージRPG]]』の続編。~ 前作はGBA作品だったため2ボタンを駆使する形をとっていたのに対し、今作はDSで発売されたことにより、X・Yボタンを加えた4ボタン中心の進行や2画面構成の利用など、ゲーム性がより拡張されている。 今作での敵は、キノコ王国を征服するためにやってきた謎の宇宙人「ゲドンコ星人」。~ 過去と現在を行き来し、ゲドンコ星人の侵攻を阻止するというSF色の強い設定になる。 ---- **ストーリー //読みづらいのでちゃんと改行いれてください >ある日、キノコ王国で、天才発明家 オヤ・マー博士がタイムマシンを発明しました。~ その原動力は「コバルトスター」!!~ よろこんだピーチ姫は、さっそく過去のキノコ王国へと旅立ち、それを見たキノじいは心配のあまり倒れこんでしまいました。~ そこへ現れたのが、ボロボロになったタイムマシンとナゾの宇宙人。~ しかも、ピーチ姫の姿はどこにもありません。博士によると、姫はまだ過去の世界にいるようです。~ 城の中には、過去へつながっているという タイムホールも発見されました。 > >そこで、マリオとルイージの出番です!~ タイムホールへ飛び込んで、新たな冒険の始まり始まり!!~ 過去の世界で出会う子どもの頃の自分たち~ ベビィマリオやベビィルイージと共に力を合わせて~ さあ、ピーチ姫を救い出しましょう! > >([[公式サイトより>https://www.nintendo.co.jp/ds/armj/prologue/index.html]]) ---- **特徴 -「ブラザーアクションを使いながらフィールドを探索し、バトルはアクションコマンドを入力していく」という基本的なスタンスは前作と変わっていない。 -メニュー画面は前作同様、スーツケースになっている。 --マリオたちのアイコンはキーホルダーとして表示される。 -今作の最大の特徴はマリオとルイージに加え、ベビィマリオとベビィルイージが冒険に参加することである。ベビィたちは普段はマリオたちにおんぶされた状態で行動する。 --冒険メンバーが4人となり、DSの4つのボタン(A、B、X、Y)がそれぞれに割り振られている。 --アクションも種類が増え、単体で行う「ソロアクション」、ベビィをおんぶ中に行う「おんぶアクション」、兄弟の協力技である「ブラザーアクション」(大人とベビィで技が異なる)に分類された。また、大人のブラザーアクションを利用することでベビィたちにさらなるアクションが発生する(例:「スピンジャンプ」にベビィが巻き込まれることで「ベビィスピン」が使える)。 -ブラザーアタックを使用する際に必要だった「BP(ブラザーポイント)」の概念が無くなり、「攻撃アイテム」を消費して発動させるようになった。 -- -DSの二画面を利用したギミックが追加された。 --フィールドでは、上画面に簡易マップが表示されるようになった。 --また、大人とベビィで別行動をしているときには上画面にベビィチーム、下画面に大人チームが表示されるようになっている。 --バトル内でも、上画面を利用した攻撃が登場するようになった。 ---- **好評点 -4人のプレイキャラ(4つのボタン)による操作・二画面を利用した演出から、前作よりもアクション性が向上した。 --4つのボタンを駆使するバトルは慣れないうちは戸惑うものの、慣れてくると非常に楽しいものになっている。 ---ブラザーアタックにも4ボタンと二画面は利用されているため、前作以上にアクション性が高くなった。特に「スーパージャンプだい」や「ミックスフラワー」は4ボタンと二画面を最大限に利用しており、非常に賑やかでハチャメチャな技となっている。 --ただ敵の攻撃合図が上画面に出ることもあるため、前作よりも合図の見極めが難しくなったというデメリットもある。 -謎解きも、ブラザーアクションの増加や大人とベビィでチームを分ける作りから、前作よりもバリエーションが増え、深みが増している。 -上画面に簡易マップが表示され探索がしやすくなった。 -ブラザーアタックは、選択の際に上画面に操作の説明とお手本が表示されるようになり、どのような技なのかがある程度理解しやすくなった。 -前作同様、グラフィックがよく出来ており、評価が高い。 --マリオやルイージは当然ながら、ベビィたちも愛らしく表現されている。リアクションも大人と違っているため、見ていて面白い。 --DSのRPGは制作費や製作時間の軽減から3Dでキャラグラフィックを作ることが多いが、本作は2Dなので前者より美しく見える。 -BGMの評価が高い(担当は前作と同じく下村陽子氏)。 --特にラスボス戦のBGMは雰囲気がガラリと変わり、引き込まれたプレイヤーも多い。 -『[[ヨッシーアイランド>スーパーマリオ ヨッシーアイランド]]』で初登場して以降、あまりピックアップされることがなかったベビィたちに焦点を当てたこと。 --ベビィマリオやベビィルイージ以外に、ベビィピーチ、ベビィクッパも登場する。いずれもかわいらしく描かれている。 //---余談だが、ベビィピーチはゲームでは本作が初登場だが、本山一城氏の「スーパーマリオ」のヨッシーアイランド編で本作より先駆けて登場していた。 **賛否両論点 -''外道染みたゲドンコ星人達の悪行。'' --侵略を企む宇宙人という異質な設定や恐怖感を表現したいのだろうが、マリオシリーズらしかぬハードすぎる描写が多い点は賛否が分かれる。 ---ゲーム序盤の村破壊など序の口。その次のダンジョンでは''連れ去られたキノピオ達が森の木に取り込まれ、その先の工場で兵器群のエネルギー補充のために生命力を吸い取られ続ける''という、''かの有名な[[バイオベース>大貝獣物語]]''を彷彿とさせる展開が待ち受けている。 ---以降も巨大怪物の体内でヨッシー達を怪物に変化させようとしたり、ゲドンコ達の大集会では親玉のゲドンコ姫がピーチ姫をボスパックンに食べさせるという''公開処刑''までやってのけている。 -シナリオも謎の言語を話す宇宙人「ゲドンコ星人」との追いかけっこばかりで、マリオシリーズらしいライトな演出にはなっているもののコメディ要素は比較的少ない。 --主な舞台がゲドンコ星人の侵略を受けた過去の世界であるため世界が比較的殺伐としており、村人などとまともに会話する機会にも乏しい。 --「ゲドンコ星人」は宇宙人と言うだけあって独自の言葉を話し、内容が何を話しているかはプレイヤーにはさっぱりわからないようになっているので、登場している場面は退屈と思う人も多い。 ---黒幕に関しては台詞の下に翻訳が表示されるようになっており、更にとある場面ではハッキリと翻訳無しで普通に喋る。 --これらゲドンコ星人との対決をシナリオの中心にしているわりには、撃退方法は伏線皆無の唐突なものであり、超展開と言わざるを得ない。 **問題点 -進行が一本道で、やり込み要素は皆無。前作もそこまで自由度が高かったわけではないが、今作はさらに顕著。 --寄り道的なものは隠しショップが一件あるのみ。ただし、品揃えがかなり微妙で来なくても殆ど問題はない。 --前作で好評だったミニゲームも、クオリティが見劣りする。 ---前作と比べると数が少なく(前作:6 → 今作:2)、景品も同じ。 -ストーリーの構成が悪い。 --「ダンジョン→現代に戻る→ダンジョン→ダンジョン→現代に戻る→……」などという繰り返しになることから、ダンジョン続きなので進行がダレやすい。 -黒幕にとある秘密があるのだが、そのことを知っている人物達が勿体ぶってなかなか話してくれず非常にイライラする。 --対象層の関係もあってかそれなりに分かりやすい伏線が張られており、プレイヤーの大半が割と早い段階で大まかな真実に気づくのでイラつきに拍車がかかる。 ---一部シーンでは、ピーチが「○○するのは賛成できません」と、何を勿体ぶっているのかサッパリである。ハッキリ「○○するな」と言った方が良いはずなのにだ。''結局、ゲーム中で真相が判明するのは黒幕を倒した直後。幾ら何でも遅すぎる。'' --これら真相は、登場キャラの一人が残した記事という形で過去から現代に伝わっているはずだが、城の隅でキノピオが一人情報を伏せてるだけで全くストーリーに関わらない。 ---いくら真相がいきなり明らかになれば話が破綻するとはいえ、世界の危機でそれはどうなのか? -過去にタイムスリップするというストーリーだが、舞台の歴史やキャラの過去といった設定はほとんど活かされていない。 --タイムスリップ物にはお馴染みの歴史改変や、現代と過去の情報を比較する、謎の多い幼少時代が明らかになるといった展開はほぼ皆無である。 -現代側のマップがキノコ城のみしかない。 --キノコ城がいやにだだっ広く、最初は「このゲーム実はものすごいボリュームなのでは?」と勘違いしそうになるが、現代では''キノコ城が世界のすべて''であり、他の場所は一切登場しない(めちゃくちゃ広いのはそのせいである)。過去と現在のマップに繋がりを持たせることもできそうだが、実際はキノコ城だけでしか行われていない。 --一箇所だけコメディ全開の土地がある。 -ルイージの扱いが''酷すぎる''。 --「マリオと比べてルイージの扱いが悪い」というネタはマリオシリーズおなじみと言っていいものではあるが、試練とは言えイジメ同然の扱いを受ける場面や、ピーチにほとんど無視と言っていい扱いを受ける場面はやり過ぎだという声も多い。 ---とりわけ議論になりやすいのがスター神殿の門エリアでのイベント。理不尽な門番がルイージイジメの最たる例と言われている。ただしイベントの際ルイージのみに聞こえるように「ヒソヒソヒソ…」と呟いている場面がある点について「ルイージを理不尽に扱ったのは試練の出題のための口実であり、それをルイージだけに初めから伝えていたのではないか?」(すなわちその後にルイージが不満を露わにしているのは彼の演技ということになる)という説もある。%%前作終盤のルイージの演技力を考えるとあり得ない話でもない。%% ---しかし仮にそうだったとすると非常にわかりにくい描写であることは否めない。 //---しかし仮にそうだったとしてそのように認識していなかったプレイヤーも非常に多く、イベント内でマリオやベビィマリオがとった行動と同じことを考えたプレイヤーは数知れない。ベビィルイージのみ一切の行動をとっていたのは何か勘付いていたのだろうか? //ここ、ルイージは分かってて演技した説あったんですね。RTA動画で確認して初めて知った。ここら辺の編集は表現が難しいな --ルイージは前作でも中々酷い目(例・金的・女装・催眠術・''サーフボードに改造''等)にあっており、「前作に比べればマイルドになった」「ギャグなんだし気にならない、面白い」と許容するファンもいるが、「ギャグだとしてもやりすぎ」という意見も存在する。~ ''スター神殿のくだりだけは殆どの人が前作より遥かにひどく感じるだろう。''~ いわゆる「いじり芸」に対する賛否両論を考えていただければ分かりやすいだろう。 --開発初期の段階では、意地悪でスレた性格付けとなっておりベビィルイージを助けないというキャラ付けだったが、デバッグチームのルイージファンの指摘によって修正されたことが[[開発スタッフインタビュー>https://www.nintendo.co.jp/nom/0601/22/index.html]]で明らかにされている。 -前作で扱いの酷かったクッパについて #region(ネタバレ) -物語の''中盤で初登場''し、ピーチ姫をさらおうとしたが、キノじいによってタイムホールに落ちて過去の世界に迷い込む。 --そこで過去の自分(ベビィクッパ)と出会うが、口喧嘩し始める。 --その後、2人でマリオ達を倒そうとするが、案の定失敗する。 --その直後に火山が噴火し、''再びタイムホールに落ちて退場。'' --その後、最終盤でようやく再登場。しかもラスボスに操られている(前作とは異なり自我そのものはクッパにあり、そもそもクッパが放った攻撃へのカウンターがラスボスに命中している)。 -ベビィクッパの存在があるとはいえ出番自体が少なめで、初登場も遅い。最終盤にも登場しており物語に大きく影響を及ぼす立場にはいるものの、やや間の抜けた面が目立つことに加え前作と同様にやや「かませ」的な扱いになっている感が否めない。 //((余談だが、2012年現在唯一のマリオ連載漫画である「スーパーマリオくん」においては、この大人クッパの存在''そのものがカット''されている。)) #endregion -ボスのHPが高く、攻撃回数も多く時間もかかり戦闘がいちいち長引く。 --ボスは攻撃アイテムをそれなりに使用すること前提の調整になっているようで、これをうまく使えるかどうかで難易度に大きく差が出る。 --ただし、アクションゲームが得意であればそこそこシビアな戦闘を楽しむ事が可能。 -4つのボタンを使うため、操作に慣れるまで混乱しやすい。 -前作に引き続き、赤と緑のブロック((赤は(ベビィ)マリオ、緑は(ベビィ)ルイージが叩かないと反応しないブロック))が登場しているが、今作では別行動をとるときはマリオ/ルイージではなく、ベビィ兄弟/マリオブラザーズに分かれるので、ほとんど形骸化している。 -振動のON・OFFしかない簡易なオプション((しかもDS振動カートリッジを挿入した場合しか出現せず、日本では当時DS振動カートリッジが1ヶ月後の発売な為、パッケージにも非掲載))。 ---- **総評 任天堂らしいアクションRPGとなっているので、前作同様アクション性が高く、謎解き要素もなかなかの作りとなっている。~ 4つのボタンと2つの画面というDS特有の操作・演出を取り入れつつも、操作面等には煩わしさはなく、快適な操作や賑やかなバトルの演出に成功している。~ ''シナリオとキャラの面を除いた''前作の長所を残しつつも、発展可能な部分はしっかりと進化させているため、アクションや謎解きといったゲーム部分は前作の正当進化といえるだろう。 しかし、そのシナリオとキャラの面で、人によっては看過できない問題が目立ってしまっている。~ 特にキャラの扱いについては『''アルファドリームはルイージとクッパが嫌い''』という噂が広まる原因となってしまった程。~ この点を許容できるか否かで、評価が大きく分かれる作品である。 ---- **余談 -本作はタッチ操作を必要としないのだが、後半''一度だけ''イベントでタッチペンを使わされることになる。~ そのイベントの内容は「紙の一部分に付着した汚れを払う」。これだけ。 --当時はこういうタッチ操作を強引に挟むゲームが散見されたが、通常プレイ時に苦痛を伴うようなわずらわしい操作が要求される訳では無いので、その点は安心して欲しい。 -海外での評価は非常に高い(DSゲームで20位以内に入るほど)。([[海外レビュー例>http://www.metacritic.com/games/platforms/ds/marioandluigipartnersintime]]) --任天堂産マリオシリーズで始めて宇宙人とタイムマシンなどのSF要素を扱ったからだろうか。因みに、マリオシリーズで宇宙人が攻めてくる作品は過去に[[スーパーマリオランド]]がある。 -2009年には続編『[[マリオ&ルイージRPG3!!!]]』が発売された。詳細については当該記事にて。 --ちなみに今作の悪役キャラであった、とあるキャラクターがゲスト出演している。 -売り上げは43万本と前作より落ちている。これはリメイク作を除いてシリーズの売り上げはワースト2位で低い評価だった事が分かる。 -2017年には初代のリメイク『[[マリオ&ルイージRPG1 DX>マリオ&ルイージRPG]]』、そして2018年には『マリオ&ルイージRPG&bold(){3} DX』が発売された。 --どういう訳か『初代』→『3』と、本作を飛ばした不自然な順番でのリメイクが行われており、メーカー側も本作の扱いに難儀しているのではないかと推測されていた。 ---この頃は3DSの市場も末期であったために『2』と『3』の両方をリメイクする時間的猶予は残されておらず、人気が高かった『3』を優先した可能性もある。 ---幸いにして初代と本作、及び本作と『3』はストーリー的に大きな繋がりは存在せず、また『3』では明確に初代から繋がるストーリーが描かれている為、本作を飛ばしてしまっても大筋の理解は十分可能ではある。…むしろ本作を飛ばした方が大筋を理解しやすいかもしれない。 --そして『3DX』発売後、''アルファドリームは破産手続開始''となってしまった。 ---経営状況の危うさが明るみとなった今では、「評価が著しい『2』を悠長にリメイクしている場合ではなかったのではないか」と推測する声もある。 ---またアルファドリームは「携帯機一本道で進んできた理由にSwitchの据え置き機へ移植やリメイクする技術は無い」と表明した事から本作のリメイクは、今後の実現はないであろう。

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