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//製作者本人が関わっているならパクリという表現はおかしいと思うので、そういう箇所は修正しました。 *ファミコンジャンプII 最強の7人 【ふぁみこんじゃんぷつー さいきょうのしちにん】 |ジャンル|RPG|&amazon(B000068GWS)| |対応機種|ファミリーコンピュータ|~| |メディア|4MbitROMカートリッジ|~| |発売元|バンダイ|~| |開発元|チュンソフト、アクアマリン|~| |発売日|1991年12月2日|~| |価格|8,500円(税抜)|~| |判定|なし|~| |ポイント|[[ドラクエ>ドラゴンクエストシリーズ]]のようなインターフェース&br()シナリオは悪くはないがほぼオリジナル展開&br()[[ライブ・ア・ライブ]]の先駆けみたいな戦闘&br()堀井の罠健在&br()遊びやすくはなった&br()りょうさんは つよいよ。|~| |>|>|CENTER:''[[少年ジャンプシリーズリンク>少年ジャンプシリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 『[[ファミコンジャンプ 英雄列伝]]』の続編で、舞台は同じくジャンプワールドだが繋がりは希薄。ゲームシステムも全くの別物。~ 主役キャラが16人という大所帯だった前作と異なり、今作の出場タイトルはサブタイトルの通り、悟空・タルるート・ジョジョ(承太郎)・ターちゃん・桃・太尊・両津の7人。~ この7人が精霊に導かれ、ジャンプワールドに迫る悪を倒すという筋書きで進行する。 また、アクションRPGだった前作と異なり、オーソドックスなコマンド選択型RPGとなっているのだが、制作・開発元が堀井雄二を始めとするチュンソフトのメンツだったこともあり、プレイ感覚は[[ドラゴンクエストシリーズ]]にかなり近くなっている。~ **ストーリー 反逆を企てたピッコロ大魔王たち悪役を16人のヒーローが倒して平和が戻っていたジャンプワールド。 ジャンプワールドの精霊が宿る大神殿では週刊少年ジャンプの「友情」「努力」「勝利」の源である3つの炎が燃え盛っていた。~ しかし、その炎が消えかかってしまう。再び世界に異変が起きようとしているらしい。~ 精霊は大神殿を守るために大扉を封印し、今のジャンプワールドで最も勇敢な7人のヒーローを選定した。~ 7人のヒーローが大神殿に集ったとき、大扉は開かれ新たな戦いが始まるのだ。~ #region(参戦作品一覧) |ドラゴンボール| |まじかる☆タルるートくん| |ジョジョの奇妙な冒険| |ジャングルの王者ターちゃん| |魁!!男塾| |ろくでなしBLUES| |こちら葛飾区亀有公園前派出所| #endregion **システム -チュンソフトが開発し堀井雄二氏が製作に関わっている為、移動中などは''ジャンプキャラを使用したドラクエ''にしか見えないRPGに仕上がっている。 --フィールド表示・操作性・ウィンドウ表示はドラクエシリーズのそれに酷似している。 --フィールド上でBボタンを押すだけで「しらべる」コマンドを実行することができる。翌年発売の『[[ドラクエ5>ドラゴンクエストV 天空の花嫁]]』から採用された「便利ボタン」の原型とも言えるかもしれない。 -ただし戦闘システムはかなり独特。 --ウルティマなどが採用しているタクティカルコンバット系の戦闘方式。 --エンカウントすると、ヒーローと敵がバトルフィールドに放り出された状態になりSLGのようにターン制でキャラを移動させて攻撃する。~ エンカウント地点によってバトルフィールドが変化し、その内容も狭い通路・木や岩等の障害物が多い場所等、バリエーションも豊富。 --プレイヤーはヒーローキャラを動かし、敵の目の前へいって攻撃、敵の並びを見て必殺技、一旦離れてアイテム使用…と戦略を練る必要がある。~ 貫通性能のある攻撃を使えば、障害物を無視したり、直線上の敵をまとめて攻撃する事ができる。~ 敵の向きによって与えられるダメージが変化する。 --ステータスは攻撃力・防御力・移動力の3つ。味方・敵共にハート(体力)は基本的に5つで固定。 --ハートを一つ消費する事で必殺技を使用できる。必殺技は独自のダメージ計算式になっており、武器攻撃力の影響を受けない((ヒーロー全員、必殺技には武器を使用していない。))。つまり、弱い武器でも本人のレベルが高ければ攻撃力が高くなる。 --戦闘が終われば体力・戦闘不能を含む状態異常は回復する(一部の状態異常を除く)。1回の戦闘で全員戦闘不能になると敗北、大神殿に戻される。 -フィールド・戦闘では最大3人で行動し、残りのキャラは拠点である「大神殿」で修業しながら待機している。戦闘に参加しなくても経験値が入る(参加した時よりもやや少なくなるが)ので、気軽に好きなキャラと交代できる。当時のRPGとしてはかなり親切な部類。 **評価点 -全体を通してそれなりにゲームバランスは良く、純粋にゲームとして楽しめる出来。 --ただし、7人が揃った直後等、敵の強さが急に上がる箇所も存在し、そういう箇所では少々レベル上げも必要。 -独特の戦闘システムは癖が強いが、よく練られている。 -戦闘BGMは非常に評価が高い。作曲者は『[[メタルマックス]]』の門倉聡。 --ただしボス戦でもBGMは変わらず、専用BGMがあるのはラスボス戦のみなのが残念と言えば残念。 --また、序盤の各ステージもドラゴンボールエリアは中華風、ろくでなしBLUESエリアはロックンロールと各作品のムードが良く出ている。 **賛否両論点 ''オリジナルシナリオ'' -前作は無理やりジャンプ作品のキャラやエピソードを登場させようとした結果、カオスな世界観となっていた。~ 本作ではその反省か、''ほぼ全てオリジナルの世界観・ストーリー''である。 -序盤は自分(最初に選んだキャラ)の町のイベントと、自分以外の6人が住んでいる町を巡って仲間にするイベントがあり、それぞれの町は7作品をベースとした内容でそれぞれの原作キャラがいる((例えば両津の町には派出所メンバーが、桃の町には男塾の仲間がいる。))。 --ただし世界観は日本ではない架空のもののため、それぞれの町の名前はコチカーメの町やルルトの町など本作オリジナルの名称で、通貨もドラゴンボール同様のゼニーである。 --登場順は選んだ主人公で固定されており、悟空 → タルるート → 承太郎 → ターちゃん → 桃 → 太尊 → 両津 → 悟空 …(以下ループ)のようになっている。~ 例えば悟空が主人公の時は次の仲間はタルるートでラストが両津、承太郎が主人公の時は次はターちゃん・ラストがタルるートとなる。 ---こういう進行なので、敵の強さも場所依存ではなくシナリオ進行とともに上がって行く。 -しかし、7人集合後は原作エピソードがほとんど無くなるオリジナル展開。ただしストーリーの出来自体は悪くはない。 --だが、オリジナルすぎて「''これジャンプキャラでやる必要はあったのか?''」という感覚にとらわれる。 ''システム面'' -今作でもドラゴンボールを集められる。前作は復活専用だったが、プレイヤーに有利な願いを叶えてくれるようになった((スロット形式のランダムに見えるが実際にはある程度の傾向が存在し、強力な願い事は回数を重ねないと登場しないようになっている。))。 --それ自体は問題ないが、前提条件が必要な終盤の願いの中にはゲームバランスを壊す物が存在する。 ---「戦いの時もっと動きたい(1人の移動力を∞にする)」「必殺技を無限に使いたい(必殺技使用時にハートの消費が無くなる)」などはまだ可愛いもので、「店の品物を''全部タダにして欲しい''(全アイテムの買値1ゼニー、売値0ゼニーになる)」などは何処のRPGでもありえない願いである。 ---ただし初期以降ドラゴンボールを集める必要はなく、ある種のやりこみ要素の結果である為、普通にプレイしているとあまりこれらの願いには出くわさないが。後は全キャラの最強装備を買うより、レベルカンストの方が先な値段設定である。 **問題点 ''シナリオ面'' -せっかくのジャンプオールスターズ作品なのに、7人集合後のシナリオはいずれの原作要素もほとんど無くなり、プレイヤーである主人公達以外はほぼオリジナルキャラを中心に話が進む。 --集結後のシナリオから新たに登場する原作キャラは数える程度の出番で、しかも''全てドラゴンボールのキャラ''。 --ストーリーも原作を意識したエピソードは一切登場しなくなる。作風と相まってやっぱり''ジャンプ風のドラクエをプレイしている感覚に陥る''。 ---ストーリーの重要人物も「ラニング博士」というオリジナルキャラ((一応ドラゴンボールのブルマの父「ブリーフ博士」の友人という設定ではある。))。 --敵キャラもラスボスの「ゼドー」((過去ジャンプ作品の悪の魂の集合体という設定で、ゾーマの没第2形態のようなかんじ。ラストバトルでは7作品の作者デザインな7将軍が合体した肉体に宿る。))を始め、雑魚もボスも殆どオリジナル((ただし、7作品の作者の描いた個性豊かなザコキャラは見ている分には面白い。版権料のせいか色違いもやたら多いが。))。申し訳程度にドラゴンボールの「ピラフ一味」「サイバイマン」がいるくらい。 ---ゼドー配下の「7将軍」は7作品の作者がそれぞれデザインしている。……が、本ゲームに合わせたデザインのため、各原作漫画の雰囲気とは異質なものになっている。 -ドラクエを意識したせいか、''主人公に選んだキャラクターはほとんど喋らない''。そのため原作でよく喋るキャラの場合は違和感がある。 --仲間キャラは仲間になる時のイベントでは原作通りの性格・口調で結構喋ってくれるのだが、一旦仲間になると限定状況以外では''一切喋ってくれなくなる''。 -一部のキャラ描写が原作と比べて変。 --大神殿でメンバーチェンジする際に「''どうだい○○ こんなにつよくなったぞ''」という汎用台詞を喋ってくれるのだが、''主人公7人全員のキャラに合わない''。 ---「どうだい」ではない、「どうだ」だったらまだイメージに合うキャラが多かったと思うのだが・・・。 ---あえて言うならターちゃんが一番キャラが近いかもしれない。それでも語尾が「つよくなったのだ」となっていない方に違和感があるが。 --同じく大神殿の修行シーンだが、ゲームシステムに合わせて修行をさせる為なのか、寡黙で冷静な承太郎が積極的に修行に取り組んでいたりと、少々違和感がある((原作において承太郎に修行シーン等の努力するシーンはない))。 ---承太郎については仲間になるイベントでもやや熱血気味なキャラ付けになっており、原作と比較すると多少違和感がある((一応、原作でも表向きには描写されないだけで仲間思いだったり理不尽な行為に激昂するなど熱血キャラを思わせる展開はある。))。 -登場キャラクターの名前が誤表記されているシーンがいくつか見られる。 --ヂェーンが「ジェーン」、ちあきが「ちかき」など。 --両津加入時のイベントでは、両津のセリフのはずなのに名前表示の大半が何故か「ぶちょう」になっている。 -前作同様に同名の「ジャンプワールド」が舞台で名目上は「前作の続き」という設定があるが、その設定が活かされていない。 //--それぞれのキャラのストーリー進行は原作準拠のため、悟空とジョセフの老け具合が明らかに違う、それどころか前作で過去世界にいた両津が全く変わっていない、など。 //ジャンプの世界なので、原作準拠の年齢なのは当然 --設定上は地続きといっても、ストーリーに前作のことが触れられている程度。シリーズ作としてもタイトルと、とある場所で前作の強力パスワードが手に入る程度の繋がり。 --ジャンプワールド設定の続投も、本来なら連載中のキャラが全員世界のどこかに居るべき世界観設定であり、登場作品を絞った今作にそぐわない。 ''システム面'' -キャラ別の性能は一長一短がはっきりしすぎて、射程が短く貫通攻撃できないジョジョ(承太郎)や太尊は想像以上に使いにくいキャラになっている。 --逆に貫通攻撃のできるターちゃんや必殺技の効果範囲が序盤から全体に及ぶタルるートなどは使い勝手が良かったり。 ---戦闘システムの関係上、基本的に必殺技はガンガン使うことができ、射程が長いキャラ・貫通攻撃ができるキャラが圧倒的に有利になるのである。 ---ただしボス戦に限れば必殺技攻撃力の高いジョジョ等は使い勝手が良く、タルるーと等は全くダメージが通らなかったりする。 #region(以下個別のキャラ特徴) ''りょうつ'' -通常攻撃:拳銃 必殺技:ロケットランチャー --間違いなく''本作最強キャラ''。~ 序盤から通常・必殺両方が画面端まで届くアドバンテージは計り知れない。~ 更に必殺技は最初から貫通攻撃ができる(障害物に対してのみ)という利点がある。~ ロケットランチャーは成長するとミサイルが4本になり、4列に攻撃できるようになるため集団の敵に対しても意外に強い。 --終盤は武器の攻撃力が低い上、他の仲間も全員遠距離攻撃ができるようになるため優位さは無くなるが、それでも十分最後まで使える。 --仲間にした時に住民から''「りょうさんはつよいよ」''といった台詞もあり、狙って作られた強キャラであると思われる。 ''ターちゃん'' -通常攻撃:ブーメラン 必殺技:野生のおたけび --両津と1・2を争う強キャラ。~ ブーメランは最初から貫通性能を持ち、野生のおたけびは通常攻撃より威力が低いという欠点はあるものの、序盤から縦方向の射程距離無限。~ 成長すれば横方向にも攻撃範囲が広がり、最終的には全体攻撃できるようになる。 --終盤は武器の攻撃力が低いものの、最強武器は前方・後方共に攻撃範囲が広いので、両津以上の使いやすさを誇る。 ''タルるート'' -通常攻撃:ベロ 必殺技:魔法 --かなり早い段階で通常攻撃の射程が伸び、必殺技は威力こそ低いが''最初から全体攻撃''という、序盤から中盤にかけての便利キャラ。 --ただ終盤は移動力が高いものの火力・防御力不足が気になるところ。必殺技は相変わらず便利だが。 --なぜか攻撃方法がゲームオリジナル。 ''ごくう'' -通常攻撃:棒 必殺技:かめはめ波 --タルるートとは逆に、かなりゲームを進めないと棒の射程が伸びず、かめはめ波は最後まで有効範囲が直線状のみという序盤は厳しいキャラ。 --ある程度レベルを上げると、かめはめ波が貫通性能を持つようになる。威力も相まってかなり有効な攻撃になる。 --''全キャラ中最強の攻撃力''を持つ。まあ、そうでなきゃ変だが。 --最高レベルでかめはめ波を放つ際、身体が金色に光る。超サイヤ人? ''もも'' -通常攻撃:刀 必殺技:轔扇刃 --他の仲間に比べると今ひとつ突出した点に乏しい上に、刀の射程が伸びるのは中盤以降とやや遅く、~ また轔扇刃の攻撃範囲がかなり特殊で中々扱いづらいキャラ。 --最強武器の攻撃力が7人中最高で、通常攻撃の威力が悟空に次いで高く射程も無制限だが、貫通性能が無いのが難点。 --轔扇刃は自分の周囲を攻撃する必殺技。威力は中々で貫通性能も持つものの、敵の並び方によって使い勝手が左右される。 --参戦作品で唯一、本作発売時点で連載が既に終了していた作品((1991年35号完結なのでギリギリ間に合わなかった。))。 ''ジョジョ'' -通常攻撃:靴による蹴り 必殺技:星の白金(スタープラチナ) --通常攻撃の威力が最低クラスな上に最終装備以外遠距離攻撃できず、更に移動力も低めというかなり厳しいキャラ。 --レベル1からスタープラチナが使えるが、あまり大きなアドバンテージにはならない。~ 必殺技の有効範囲が直線状のみ・貫通性能が無いという弱点を抱えている上、最後までそれが改善されない。 --前作でもジョセフが冷遇されていたが本作でも扱いは変わらず。バンダイはジョジョが嫌いなのだろうか? --主人公に選ばなかった場合、仲間にするイベントでボス戦時に乱入し、自動的にボスを倒してくれる。 ''たいそん'' -通常攻撃:グローブ 必殺技:タイソンパンチ --本作の弱キャラ(原作が7作品の中で一番リアル寄りなので仕方ないのだが)。~ グローブの射程が早い段階から伸びるものの最後まで貫通性能が無い上、必殺技が最後まで至近距離しか攻撃できないのは非常に厳しい。~ その上移動力も低め。 --必殺技は全キャラ中最も威力が高く(同じ攻撃力で比較した場合。最終的には攻撃力の伸びが良いごくうのほうが勝る)、前面攻撃無効の敵にも前面から攻撃できる隠れた利点はある。~ しかしこのリーチの無さをひっくり返せる利点では…。 //--そもそも、なぜ喧嘩が強いだけの普通の高校生に世界を救わせるのだ。 //作品世界観ではなくジャンプの世界で、1作品の主人公 #endregion -[[初代ドラクエ>ドラゴンクエスト]]のリムルダールを髣髴とさせるトラップがある町に存在している。 --そこでは町外れのシェルターを調べることで話が進むのだが、町の中にもフィールドにもそれらしき建物はなく、ではどこにあるのかというと、町を出入り口の右側ではなく上側から出ようとすると見つかる。 ---いかにもな湖とそれに沿った道が町の外れに向かって続いているので、これが多少のヒントにはなっているが、具体的にどこにあるのかといったヒントがない為、ここで詰まったプレイヤーも。 -ある場所のパスワードを知る方法が期間限定で詰んだプレイヤーがいる。 -前述したとおり、各仲間キャラの住むエリア(全員集結後はそのキャラが最初にいる町の中のみ)はBGMもそれぞれ異なる。しかし悟空と桃のエリアのBGMは露骨に短い。それ以外もターちゃんなど短さが目立つ。曲自体はそこまで悪いわけではないのだが…。 -序盤に仲間になるキャラを増殖させて無理矢理大神殿の扉を開けてしまうバグがある。 **総評 前作同様に記念作品として作られた作品。~ しかし前作に比べ遊びやすくなったものの、今度は逆にジャンプ要素が薄すぎて''ジャンプ作品でやる必要があったの?''と疑問を呈したくなる出来になってしまった。~ 独特な戦闘システムや、オリジナル色が強いとはいえシナリオもよくまとまっており、ゲーム自体の出来は結構良いだけに、原作要素をもっと上手く絡めてあれば良かったのだが・・・。 **余談 -前作と同じく本作も大きなサイズの独自形状のカートリッジを採用しており、通常のファミコンカートリッジより縦の幅が2倍ほど長く、「FAMICOM JUMP」「BANDAI」と刻印された黒いカートリッジになっている。 -6年後に『[[こちら葛飾区亀有公園前派出所 ハイテクビル侵攻阻止作戦!の巻]]』『こちら葛飾区亀有公園前派出所 中川ランド大レース!の巻』が出たとき、連載中の『こち亀』で本作に触れ、「悪乗りで続編が出た」とネタにしている。~ 「ロケットランチャーをぶっぱなすふざけたキャラ」等と言っていたが、''原作でそれ以上の事をしている''ので「お前が言うな」状態だったり。 --後に『[[JUMP ULTIMATE STARS>JUMP SUPER STARS / JUMP ULTIMATE STARS#id_945423e9]]』の前強攻撃や『[[ジェイスターズ ビクトリーバーサス]]』の必殺技では、両津がロケットランチャーを撃っている。なお後者の制作元のスパイク・チュンソフトは、その前身が本作の制作元である。 -本作発売後に原作でターちゃんがブーメランを使うシーンがある --作中でも「ファミコンジャンプIIでターちゃんの武器なのだ」と説明している。 -本作は承太郎が終始「ジョジョ」と呼ばれる珍しい作品。 --しかし本ソフトの発売時の時点で、原作ではとっくに「ジョジョ」と呼ばれなくなっている((本作発売時、原作ではDIOの館に突入したあたり。最後に「ジョジョ」と呼ばれた「黄の節制」戦最終話はその2年近く前であり、開発期間を考慮に入れても既に「ジョジョ」と呼ばれていない。))。
*ファミコンジャンプII 最強の7人 【ふぁみこんじゃんぷつー さいきょうのしちにん】 |ジャンル|RPG|&amazon(B000068GWS,image=https://img.atwikiimg.com/www26.atwiki.jp/gcmatome/attach/1920/2835/fj2.jpg,height=160)| |対応機種|ファミリーコンピュータ|~| |メディア|4MbitROMカートリッジ|~| |発売元|バンダイ|~| |開発元|チュンソフト、アクアマリン|~| |発売日|1991年12月2日|~| |価格|8,500円(税抜)|~| |判定|なし|~| |ポイント|[[ドラクエ>ドラゴンクエストシリーズ]]のようなインターフェース&br()シナリオは悪くはないがほぼオリジナル展開&br()[[ライブ・ア・ライブ]]の先駆けみたいな戦闘&br()堀井の罠健在&br()遊びやすくはなった&br()りょうさんは つよいよ。|~| |>|>|CENTER:''[[少年ジャンプシリーズリンク>少年ジャンプシリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 『[[ファミコンジャンプ 英雄列伝]]』の続編で、舞台は同じくジャンプワールドだが繋がりは希薄。ゲームシステムも全くの別物。~ 主役キャラが16人という大所帯だった前作と異なり、今作の出場タイトルはサブタイトルの通り、悟空・タルるート・ジョジョ(承太郎)・ターちゃん・桃・太尊・両津の7人。~ この7人が精霊に導かれ、ジャンプワールドに迫る悪を倒すという筋書きで進行する。 また、アクションRPGだった前作と異なり、オーソドックスなコマンド選択型RPGとなっているのだが、制作・開発元が堀井雄二を始めとするチュンソフトのメンツだったこともあり、プレイ感覚は戦闘シーン以外[[ドラゴンクエストシリーズ]]にかなり近くなっている。~ **ストーリー 反逆を企てたピッコロ大魔王たち悪役を16人のヒーローが倒して平和が戻っていたジャンプワールド。 ジャンプワールドの精霊が宿る大神殿では週刊少年ジャンプの「友情」「努力」「勝利」の源である3つの炎が燃え盛っていた。~ しかし、その炎が消えかかってしまう。再び世界に異変が起きようとしているらしい。~ 精霊は大神殿を守るために大扉を封印し、今のジャンプワールドで最も勇敢な7人のヒーローを選定した。~ 7人のヒーローが大神殿に集ったとき、大扉は開かれ新たな戦いが始まるのだ。~ #region(参戦作品一覧) |ドラゴンボール| |まじかる☆タルるートくん| |ジョジョの奇妙な冒険(第3部)| |ジャングルの王者ターちゃん| |魁!!男塾((参戦作品で唯一、本作発売時点で連載が既に終了していた作品。本作の開発時点では連載中だったが、1991年35号完結なのでギリギリ発売に間に合わなかった。))| |ろくでなしBLUES| |こちら葛飾区亀有公園前派出所| #endregion **システム -チュンソフトが開発し堀井雄二が製作に関わっている為、移動中などは''ジャンプキャラを使用したドラクエ''にしか見えないRPGに仕上がっている。 --フィールド表示・操作性・ウィンドウ表示はドラクエシリーズのそれに酷似している。 --フィールド上でBボタンを押すだけで「しらべる」コマンドを実行することができる。翌年発売の『[[ドラクエ5>ドラゴンクエストV 天空の花嫁]]』から採用された「便利ボタン」の原型とも言えるかもしれない。 -戦闘システムはかなり独特。 --ウルティマなどが採用しているタクティカルコンバット系の戦闘方式。 --エンカウントすると、ヒーローと敵がバトルフィールドに放り出された状態になりSLGのようにターン制でキャラを移動させて攻撃する。~ エンカウント地点によってバトルフィールドが変化し、その内容も狭い通路・木や岩等の障害物が多い場所等、バリエーションも豊富。 --プレイヤーはヒーローキャラを動かし、敵の目の前へ行って攻撃、敵の並びを見て必殺技、敵の前で防御して囮になる、一旦離れてアイテム使用…と戦略を練る必要がある。~ 2人並んだ敵に対して半キャラ分ずつ当たり判定が触れる位置に合わせてまとめて攻撃したり、貫通性能のある攻撃を使えば、障害物を無視したり、直線上の敵をまとめて攻撃する事ができる。~ -敵の向きによって与えられるダメージが変化する。 --前方からの攻撃がほとんど効かない敵も、後ろから攻撃すると一撃で倒せたりする。 -ステータスは攻撃力・防御力・移動力の3つ。味方・敵共にハート(体力)は基本的に5つで固定。 --ハートを一つ消費する事で必殺技を使用できる。必殺技は独自のダメージ計算式になっており、武器攻撃力の影響を受けない((桃以外のヒーローは全員、必殺技には武器を使用していない。))。つまり、弱い武器でも本人のレベルが高ければ攻撃力が高くなる。 ---必殺技が効きにくい敵もいる。また必殺技には向きの概念がなく、後ろから攻撃する場合などは通常攻撃のほうが良い場合もある。 --戦闘が終われば体力・戦闘不能を含む状態異常は回復する(一部の状態異常を除く)。1回の戦闘で全員戦闘不能になると敗北、大神殿に戻される。継続する状態異常は毒・石化。毒は1ターンにつきハートが1つ減少する。前述の仕様上影響は非常に大きい。石化は受けると即死扱いとなり、回復させない限り次回以降も戦闘に参加できない。 -フィールド・戦闘では最大3人で行動し、残りのキャラは拠点である「大神殿」で修業しながら待機している。 --待機メンバーにも参加時よりやや少なくなるが経験値が入る。 --ラスボス戦に限り全メンバーが戦闘に参加可能になっており、パーティーメンバーが戦闘不能になった際に修行中のメンバーを呼び寄せることができる。 ---ただしこの時にキャラ選択をBボタンでキャンセルすると同一キャラが増殖するバグが存在する。 -前作では「使えば使うほど心が悪に傾く」という原作無視の設定だった筋斗雲だが、本作では普通の乗り物である。しかしシステム上当然ながら両津、ターちゃん、太尊、承太郎といった原作基準では明らかに乗ることができないであろう面々でも問題なく乗れてしまう((後にフジテレビの企画で『ドラゴンボール』『ONE PIECE』『こちら葛飾区亀有公園前派出所』の三作品がコラボした際には両津だけ筋斗雲に乗れなかった。(ルフィは乗れた))) ((もっとも本来の持ち主である悟空も、その後の原作における言動から後年一部のファンにより「今のこいつは筋斗雲に乗れない」などとネタにされてしまうのだが…。))。 -ドラゴンボール集め --最初は7人の主人公集合時にイベントで使用されるが、その際に散ったドラゴンボールは集める事で願いをかなえて貰う事が可能。 ---前作は復活専用だったが、本作ではスロット形式で「強い攻撃力が欲しい」や「防御する力を高めたい」等、プレイヤーに有利な願いを選ぶ形式。スロット形式のランダムに見えるが実際にはある程度の傾向が存在し、強力な願い事は回数を重ねないと登場しないようになっている。 --原作では1度願いを叶えるとドラゴンボールは1年間石になってしまう設定が存在するが、本作ではそのようなことはなく、願いを叶えた直後すぐに集めることができる。回数を重ねるとドラゴンボールが宇宙にまで散らばるようになるが、後のアニメ作品に登場する「究極のドラゴンボール」の設定を図らずも先取りしてしまっている。 ---- **評価点 -独特の戦闘システムは癖が強いが、よく練られている。 --移動力や射程、攻撃範囲等を上手く考慮すればある程度敵を完封する事も可能だったりと、戦略も重要。 --戦闘に入る際の地形が考慮されるのでその場で戦っている雰囲気が出ている。 --後述の通り、バランスに難はあれど各キャラの攻撃方法やステータス等、原作らしい性能になっており、使っていて楽しい。 -仲間が揃うまでの各シナリオでは原作の雰囲気がそれなりに良く出ている。 --ジョジョの「スタンドはスタンドでしか倒せない」という設定、男塾に入門するための命がけの試練、たこ焼きを食べられず元気のないタルるート、普段はなまけているのにお金の事となると目の色を変える両津、などなど…。 --戦闘面では、悟空のかめはめ波や承太郎のオラオラ、太尊の成長とともに変わる必殺技など、原作の雰囲気そのままで戦っている気分になれる。 -戦闘BGMは非常に評価が高い。作曲者は『[[メタルマックス]]』の門倉聡。 --ただしボス戦でもBGMは変わらず、専用BGMがあるのはラスボス戦のみなのが残念と言えば残念。 --また、序盤の各ステージもドラゴンボールエリアは中華風、ろくでなしBLUESエリアはロックンロールと各作品のムードが良く出ている。 ---こち亀エリアは演歌風。ちなみに両さんは春日八郎の大ファンである。 -序盤7人の仲間が揃うまではそれなりにゲームバランスは良く、純粋にゲームとして楽しめる出来。 --ただし、7人が揃った直後等、敵の強さが急に上がる箇所も存在し、そういった箇所では少々レベル上げも必要。 ---逆に終盤は長めのダンジョンが多く、経験値も大量に入るようになってレベルが上がりやすくなり、かなりヌルめになってしまう。 //これは一部に難があるってだけで全体でみれば評価点かと -戦闘に参加していないメンバーの強化 --前述の通り、戦闘に参加していなくてもそれなりに経験値が入るシステムになっている為、気軽に好きなキャラと交代できる。当時のRPGとしてはかなり親切な部類。 **賛否両論点 ''オリジナル色の強いシナリオ'' -前作は無理やりジャンプ作品のキャラやエピソードを登場させようとした結果、カオスな世界観となっていた。~ 本作ではその反省か、''ほぼ全てオリジナルの世界観・ストーリー''である。 -序盤は自分(最初に選んだキャラ)の町のイベントと、自分以外の6人が住んでいる町を巡って仲間にするイベントがあり、それぞれの町は7作品をベースとした内容でそれぞれの原作キャラがいる((例えば両津の町には派出所メンバーが、桃の町には男塾の仲間がいる。))。 --ただし世界観は日本ではない架空のもののため、それぞれの町の名前はコチカーメの町やルルトの町など本作オリジナルの名称で、通貨もドラゴンボール同様のゼニーである。 --登場順は選んだ主人公で固定されており、悟空 → タルるート → 承太郎 → ターちゃん → 桃 → 太尊 → 両津 → 悟空 …(以下ループ)のようになっている。~ 例えば悟空が主人公の時は次の仲間はタルるートでラストが両津、承太郎が主人公の時は次はターちゃん・ラストがタルるートとなる。 ---こういう進行なので、敵の強さも場所依存ではなくシナリオ進行とともに上がって行く。 -しかし、7人集合後は原作エピソードがほとんど無くなるオリジナル展開。 --ストーリーの出来自体は悪くはないのだが、オリジナルすぎて「''これジャンプキャラでやる必要はあったのか?''」という感覚にとらわれる。 --西洋風の城(外観はドラクエ4のものに酷似している)を訪問する機会があり、王様から「そんな変な姿では勇者とは思えない、勇者と認めてほしければ試練をクリアしろ」と要求されるドラクエシリーズのセルフパロディのようなイベントがある。実際、参戦作品はドラクエ風の世界観とは全く相容れないものばかりである。 -原作キャラのイベントもそれぞれの町で完結しており、主人公達がパーティを組んで戦う以外は作品を超えたクロスオーバーや掛け合いといったものも無い。この辺は、まとまりが無くとっ散らかっていたもののハチャメチャなクロスオーバーを実現させていた前作とは真逆と言える。 ''システム面'' -やりこみ要素ではあるが強力すぎるドラゴンボールの願い --物語上、集める必要のないドラゴンボールを集めて叶える願いだが、ある程度願いを叶えていくと最後の方には「戦いの時もっと動きたい(1人の移動力を∞にする)」「必殺技を無限に使いたい(必殺技使用時にハートの消費が無くなる)」、「店の品物を''全部タダにして欲しい''(全アイテムの買値1ゼニー、売値0ゼニーになる)」等、完全にゲームバランスを壊す願いが出てくるようになる。 ---普通にプレイする範囲であればこれらの願いに出くわす事はまずないのでゲームへの影響は少ないものの、延々ドラゴンボール集めを繰り返したやりこみの報酬と見る人もいれば、それにしてもやりすぎと見る人もいて意見の分かれる要素である。 **問題点 ''シナリオ面'' -せっかくのジャンプオールスターズ作品なのに、7人集合後のシナリオはいずれの原作要素もほとんど無くなり、プレイヤーである主人公達以外はほぼオリジナルキャラを中心に話が進む。 --集結後のシナリオから新たに登場する原作キャラは数える程度の出番で、しかも''全てドラゴンボールのキャラ''。 --ストーリーも原作を意識したエピソードは一切登場しなくなる。作風と相まってやっぱり''ジャンプ風のドラクエをプレイしている感覚に陥る''。 ---ストーリーの重要人物も「ラニング博士」というオリジナルキャラ((一応ドラゴンボールのブルマの父「ブリーフ博士」の友人という設定ではある。))。 ---一応「ジョジョ」のキャラクターが重要な役割を果たす場面はある。 --敵キャラもラスボスの「ゼドー」((過去ジャンプ作品の悪の魂の集合体という設定で、ゾーマの没第2形態のようなかんじ。ラストバトルでは7作品の作者デザインな7将軍が合体した肉体に宿る。))を始め、雑魚もボスも殆どオリジナル((ただし、7作品の作者の描いた個性豊かなザコキャラは見ている分には面白い。版権料のせいか色違いもやたら多いが。))。申し訳程度にドラゴンボールの「ピラフ一味」「サイバイマン」がいるくらい。『[[強襲!サイヤ人>ドラゴンボールZ 強襲!サイヤ人]]』に登場した色違いの「キュウコンマン」も登場するが本作では強さが逆転しており、キュウコンマンの方が上位種である。 ---ゼドー配下の「7将軍」は7作品の作者がそれぞれデザインしている。……が、本ゲームに合わせたデザインのため、各原作漫画の雰囲気とは異質なものになっている。 ---最終的に7将軍は体の特徴的な部分をそれぞれ集めて新しい形態になる。……のだが、出来上がったのは''特徴的なデザインを全て排除したドラゴンのようなもの''。誰だお前。 -ドラクエを意識したせいか、''主人公に選んだキャラクターはほとんど喋らない''。そのため原作でよく喋るキャラの場合は違和感がある。 --仲間キャラは仲間になる時のイベントでは原作通りの性格・口調で結構喋ってくれるのだが、一旦仲間になると限定状況以外では''一切喋ってくれなくなる''。 -一部のキャラ描写が原作と比べて変。 --大神殿でメンバーチェンジする際に「''どうだい○○ こんなにつよくなったぞ''」という汎用台詞を喋ってくれるのだが、''主人公7人全員のキャラに合わない''。 ---この7人は大半がバトル物の主役なので「どうだ」だったらまだイメージに合うキャラが多かったと思うのだが……。 ---あえて言うならターちゃんが一番キャラが近いかもしれない。それでも語尾が「つよくなったのだ」となっていない方に違和感があるが。 --同じく大神殿の修行シーンだが、ゲームシステムに合わせて修行をさせる為なのか、寡黙で冷静な承太郎が積極的に修行に取り組んでいたりと、少々違和感がある((原作において承太郎に修行シーン等の努力するシーンはない))。 ---承太郎については仲間になるイベントでもやや熱血気味なキャラ付けになっており、原作と比較すると多少違和感がある((一応、原作でも表向きには描写されないだけで仲間思いだったり理不尽な行為に激昂するなど熱血キャラを思わせる展開はある。))。 --「ターちゃん」からの登場キャラは少なく、ヂェーンとエテ吉の2名のみ。原作初期からの主要キャラであるアナベベなどは存在にすら触れられない。また「こち亀」の署長は原作と同じ肩書の人物が登場するものの、名前がなく明らかにそれとわかる特徴も見られないため同一人物であるかは不明。「ろくブル」の帝拳高校校長はごく普通の老人であり、原作における「キング」とは明らかに別人である。 --「ジョジョ」の花京院典明、「こち亀」の秋本麗子など一部の原作主要キャラにモブキャラのグラフィックが使い回されている。これらの作品では他のキャラには専用グラフィックがあるため浮いてしまっている。一方で「男塾」や「ろくブル」のキャラクターはほぼ全員がモブの学生と同じものとなっているためか比較的違和感は少ない。 -登場キャラクターの名前が誤表記されているシーンがいくつか見られる。 --両津加入時のイベントでは、両津のセリフのはずなのに名前表示の大半が何故か「ぶちょう」になっている。その他、ヂェーンが「ジェーン」、ちあきが「ちかき」など、登場頻度は多くないが原作を知っていればミスが目につく点がある。 -前作同様に同名の「ジャンプワールド」が舞台で名目上は「前作の続き」という設定があるが、その設定が活かされていない。 //--それぞれのキャラのストーリー進行は原作準拠のため、悟空とジョセフの老け具合が明らかに違う、それどころか前作で過去世界にいた両津が全く変わっていない、など。 //ジャンプの世界なので、原作準拠の年齢なのは当然 --設定上は地続きといっても、ストーリーに前作のことが触れられている程度。シリーズ作としてもタイトルと、とある場所で前作の強力パスワードが手に入る程度の繋がり。 --ジャンプワールド設定の続投も、本来なら連載中のキャラが全員世界のどこかに居るべき世界観設定であり、登場作品を絞った今作にそぐわない。 ''システム面'' -キャラ別の性能は一長一短がはっきりしすぎている。 --戦闘システムの関係上、基本的に必殺技はガンガン使うことができ、雑魚戦においては射程が長いキャラ・貫通攻撃ができるキャラが圧倒的に有利。 ---その為、攻撃範囲の広いりょうつ(両津勘吉)や貫通攻撃のできるターちゃん、必殺技の効果範囲が序盤から全体に及ぶタルるートなどは非常に使い勝手が良い。 ---逆に射程が短く貫通攻撃できないジョジョ(承太郎)や太尊は雑魚戦においては非常に使いづらい。((いちおう太尊は武器によって遠距離攻撃ができるが、ジョジョは最強武器以外は射程1である。)) --逆にボス戦においては必殺技攻撃力の高さが大事な為、ジョジョ等は使い勝手が良く、タルるート等は全くダメージが通らない。 --一般的なRPG同様、ボス戦は基本的に雑魚戦を潜り抜けたダンジョンの奥となる為、ボス戦でのみ強いキャラはダンジョン道中が辛く、結局は雑魚戦で強いキャラに頼ってしまいがち。 #region(以下個別のキャラ特徴) //最終的には攻撃力低さが響いてくるキャラが持ち上げられすぎなので修正。加入順については最初の仲間集めくらいならどの順でも攻略に困るほどではないので、両津が便利な仲間集めやすい点だけ残した。 ''りょうつ''(両津勘吉) -通常攻撃:拳銃 必殺技:ロケットランチャー --序盤から中盤にかけては間違いなく最強キャラ。 ---序盤から通常・必殺両方が画面端まで届くアドバンテージが大きく、更に必殺技は最初から貫通攻撃ができる(障害物に対してのみ)という利点がある。 ---ロケットランチャーは成長するとミサイルが4本になり、4列に攻撃できるようになるため集団の敵に対しても意外に強い。 --さらに両津から始めた場合、攻撃力が高い悟空と全体攻撃のできるタルるートがすぐに仲間になり自動的にバランスの良いパーティーになるという利点も大きい。 --攻撃範囲で優れている反面、武器の攻撃力が低めになっており、ボス相手には若干火力不足を感じやすい。特に終盤は最強武器の攻撃力の低さが響いてくる。 ''ターちゃん'' -通常攻撃:ブーメラン 必殺技:野生のおたけび --両津と並んで範囲攻撃の強さが目立つキャラ。 ---ブーメランは最初から貫通性能を持ち、野生のおたけびは通常攻撃より威力が低いという欠点はあるものの、序盤から縦方向の射程無限。 ---成長すれば横方向にも攻撃範囲が広がり、最終的には全体攻撃できるようになる。 --終盤は武器の攻撃力が低いものの、最強武器は前方・後方共に攻撃範囲が広いので、雑魚戦では両津以上の使いやすさを誇る。 ''タルるート'' -通常攻撃:ベロ 必殺技:魔法 --移動力が高いうえにかなり早い段階で通常攻撃の射程が伸び、必殺技は威力こそ低いが''最初から全体攻撃''という、序盤から中盤にかけての便利キャラ。 --一方で序盤から攻撃力の低さが目立ち、特にボス戦ではその点が大きく響く。終盤でも雑魚相手には必殺技は相変わらず便利ではあるが、ゲームを進める程に攻撃力の低さが厳しくなっていく。 --なぜか攻撃方法がゲームオリジナル。原作や[[まじかる☆タルるートくん FANTASTIC WORLD!!]]で使っていた「引力ん」は消費アイテムとして登場。 ''ごくう''(孫悟空) -通常攻撃:棒 必殺技:かめはめ波 --''全キャラ中最強の攻撃力''が強みの大器晩成タイプだが、攻撃範囲の狭さに悩まされるキャラ。 ---かなりゲームを進めないと棒の射程が伸びず、かめはめ波は最後まで有効範囲が直線状のみであり序盤は厳しい。 ---ある程度レベルを上げると、かめはめ波が貫通性能を持つようになり、威力も相まってかなり有効な攻撃になる。 --最高レベルでかめはめ波を放つ際、身体が白く光る。 //超サイヤ人とも言われているが、見た目は明らかに界王拳に近い。開発期間を考慮すると界王拳の方が妥当か。 --なお原作では青年期の時点で如意棒を武器として使うことはなくなっている。また如意棒はゲーム中盤まで手に入らず(他の武器と同様店で売られている)、それまでは''木の棒''や''鉄の棒''を武器に戦うことになる。 ---そもそもこの段階ではわざわざ棒を使うよりも直接殴った方が強いレベルになっているはずだが…そこはゲーム上の理由であろう。一応武器を外せば素手で殴ることもできるが、当然攻撃力は下がる。 ''もも''(剣桃太郎) -通常攻撃:刀 必殺技:轔扇刃 --攻防の能力値は高いが、攻撃範囲が狭く、終盤まで移動力の低さに悩まされる。 ---刀の射程が伸びるのは中盤以降とやや遅く、また轔扇刃の攻撃範囲がかなり特殊で中々扱いづらいキャラ。 ---最強武器の攻撃力が7人中最高で、通常攻撃の威力が悟空に次いで高く射程も無制限だが、貫通性能が無いのが難点。 --轔扇刃は自分の周囲を攻撃する必殺技。威力は中々で貫通性能も持つものの、敵の並び方によって使い勝手が左右される。 ''ジョジョ''(空条承太郎) -通常攻撃:靴による蹴り 必殺技:星の白金(スタープラチナ) --通常攻撃の威力が最低クラスな上に最終装備以外遠距離攻撃できず、更に移動力も低めというかなり厳しいキャラ。 ---レベル1からスタープラチナが使えるが、あまり大きなアドバンテージにはならない。 ---必殺技の有効範囲が直線状のみ・貫通性能が付くのが遅いという弱点を抱えている。 //''時も止められない''。 //これは開発時期的に仕方ないのでは? --前作でもジョセフが冷遇されていたが本作でも扱いは変わらず。バンダイはジョジョが嫌いなのだろうか? --主人公に選ばなかった場合、仲間にするイベントでボス戦時に乱入し、自動的にボスを倒してくれる。 ''たいそん''(前田大尊) -通常攻撃:グローブ 必殺技:タイソンパンチ --必殺技の威力に特化した近接キャラ。グローブの射程が早い段階から伸びるものの最後まで貫通性能が無い上、必殺技が最後まで至近距離しか攻撃できない。 ---代わりに必殺技は全キャラ中最も威力が高く(同じ攻撃力で比較した場合の話で、最終的には攻撃力の伸びが良いごくうの方が勝る)、前面攻撃無効の敵にも前面から攻撃できる隠れた利点はある。その性能からボス相手には強い。 ---一方でゲームの大半である雑魚戦においては通常攻撃に貫通性能がない事と必殺技の射程の短さのせいで非常に使いづらい。 //--そもそも、なぜ喧嘩が強いだけの普通の高校生に世界を救わせるのだ。 //作品世界観ではなくジャンプの世界で、1作品の主人公 #endregion -敵とのエンカウントの頻度が不安定で、いわゆる1歩エンカ・0歩エンカも発生する。 -戦闘で瀕死のキャラ操作時はメッセージウィンドウが赤色になるため、文字が見づらくなってしまう。 -戦闘からの逃走はバトルフィールドの端に移動することで行う仕様のため、ダンジョンなどの狭いバトルフィールドでは逃走が暴発しやすい。 -敵のパラメータとして当時のドラゴンボールよろしく「戦闘力」が設定されており、アイテム「スカウター」を使うと敵や味方の戦闘力が測定できる。のだが…。 --実際の攻撃力・防御力は戦闘力と別に設定されているので、''戦闘力が高いから強いとは限らない''。要するに何の意味もない数値である。 ---例えばレベル1の味方キャラの戦闘力は700~1000程度だが、戦闘力100や200のザコ敵と殴り合いをしてなんとか勝てる程度の強さしかない。 --終盤になるほど戦闘力がインフレするので、''序盤の幹部クラスのボスよりも終盤のザコ敵のほうが戦闘力が高い''なんてことになっている。 ---とある敵は変身により戦闘力を5倍にしてきたりするが、強さはたいして変わっていなかったりする。 --味方キャラの戦闘力はレベルによって上がっていくが、''悟空だけ他のキャラの2倍ぐらい高い''などキャラ差が激しく、かなりアテにならない。 ---各キャラの性能がそもそも違うので、やはり高いから強いとは限らないのだが。 --「スカウター」自体は何度でも使えるが、数少ないアイテム欄を圧迫してしまうという問題があり、数値も上記のように何の目安にもならないため、単なるフレーバー的アイテムにしかなっていない。 --通常のスカウターで表示できる数値には上限((約150000。原作ではフリーザとの対決時にベジータの戦闘力を測定できなかった。))があり、すべてを表示するには上位アイテムの「ゴッドスカウター」が必要。そのゴッドスカウターはなぜか''ナメック星に埋まっている''。 ---その情報はなぜかナメック星に居るピッコロが教えてくれる。ロケットも使わずにどうやって来た? -持ち歩ける道具の数が少ない。 --一人につき8個、武器防具やイベントアイテムもアイテム枠を圧迫という当時よくあった仕様ではあるが、このせいで攻撃アイテムには頼りづらく、状態異常回復アイテムなどを大量に持ち歩くのも難しい。 ---道具の預り所は存在するが、預り所に送る機能がないので、持ち物が一杯になったら何か捨てなければ新しい物を手に入れることができない。 ---ただしメインの回復アイテムである「薬瓶」は戦闘中に使用可能で体力を3回復、7回まで使用可能で、使用回数も10ゼニーで補充可能、と、少ない枠でも問題ないようになっている。 //---ダンジョン内には宝箱が大量に置いてあるが、すぐにアイテムが一杯になるので''嫌がらせとしか思えない''。無視するのも手。 //毒を使う敵がいないのに毒消し持って行ったりとかしなけりゃそこまでいっぱいいっぱいで宝箱開けてられないって事はない。ダンジョンも一回で踏破するんでなく、レベル上げや回復も兼ねて何回か出直したりとかはよくあった事だし。 -[[初代ドラクエ>ドラゴンクエスト]]のリムルダールを髣髴とさせるトラップがある町に存在している。 --そこでは町外れのシェルターを調べることで話が進むのだが、町の中にもフィールドにもそれらしき建物はなく、ではどこにあるのかというと、町を出入り口の右側ではなく上側から出ようとすると見つかる。 ---いかにもな湖とそれに沿った道が町の外れに向かって続いているので、これが多少のヒントにはなっているが、具体的にどこにあるのかといったヒントがない為、ここで詰まったプレイヤーも。 ---ジャンプ編集部による攻略本(ファミコン奥義大全書)には「ヒントは公園の上の方」といった記述がある。しかし集結前の一部の町で別マップとして用意されていた「公園」はこの町には存在せず、当該箇所は一見して公園とわかるような構造にもなっていない。このため余計に混乱を招きかねない内容となっている。 -ある場所のパスワードを知る方法が期間限定で詰んだプレイヤーがいる。 --このパスワードは0~9の数字からなる3桁のため、ノーヒントでも時間さえかければ総当たりで突破することは一応可能である。 -前述したとおり、各仲間キャラの住むエリア(全員集結後はそのキャラが最初にいる町の中のみ)はBGMもそれぞれ異なる。しかし悟空と桃のエリアのBGMはループが露骨に短い。それ以外もターちゃんなど短さが目立つ。 --曲自体はそこまで悪いわけではなく、きちんとキャラクターの雰囲気に合っているため、短さが残念な点となっている。 --終盤になるとイベントの都合により、フィールドや町などのBGMが''無音になる''。筋斗雲の爽快なBGMもなくなってしまう。しかもこの状態が''ラスボスを倒すまで解除されない''。そればかりかほぼすべての人物が話しかけても無反応になってしまう。おそらくは容量の都合であろう。 -ゲームバランスを壊すバグがいくつか存在する --序盤に仲間になるキャラ((厳密には戦闘キャラではなくNPC))を増殖させて無理矢理大神殿の扉を開けてしまうバグや、ある操作を行うことで序盤から強力な消費アイテムと同じ威力の全体攻撃を無消費で連発できるバグ等。 ---ただし通常のプレイで遭遇する事はまずないので裏技扱いされていた。 ---- **総評 前作同様に記念作品として作られた作品。~ しかし前作に比べ遊びやすくなったものの、今度は逆にジャンプ要素が薄すぎて''ジャンプ作品でやる必要があったの?'' と疑問を呈したくなる出来になってしまった。~ 独特な戦闘システムや、オリジナル色が強いとはいえシナリオもよくまとまっており、ゲーム自体の出来は結構良いだけに、原作要素をもっと上手く絡めてあれば良かったのだが……。 ---- **余談 -前作と同じく本作も[[『ファミリートレーナー』シリーズ>ファミリートレーナーシリーズ]]と同じ形状のカートリッジを採用しており、通常のファミコンカートリッジより縦の幅が2倍ほど長く、「FAMICOM JUMP」「BANDAI」と刻印された黒いカートリッジになっている。 -6年後に『[[こちら葛飾区亀有公園前派出所 ハイテクビル侵攻阻止作戦!の巻]]』『こちら葛飾区亀有公園前派出所 中川ランド大レース!の巻』が出たとき、連載中の『こち亀』で本作に触れ、「悪乗りして『II』まで出た」とネタにしている。~ 加えて「その中でもわしはミサイルをぶっぱなすという変な役だった」と言っていたが、''原作でそれ以上の事をしている''ので「お前が言うな」状態だったり。 --後に『[[JUMP ULTIMATE STARS]]』の前強攻撃や『[[ジェイスターズ ビクトリーバーサス]]』の必殺技では、両津がロケットランチャーを撃っている。なお後者の制作元のスパイク・チュンソフトは、その前身が本作の制作元である。 -本作発売後に原作でターちゃんがブーメランを使うシーンがある --作中でも「ファミコンジャンプIIでターちゃんの武器なのだ」と説明している。 -本作は承太郎が終始「ジョジョ」と呼ばれる珍しい作品。 --しかし本ソフトの発売時の時点で、原作ではとっくに「ジョジョ」と呼ばれなくなっている((本作発売時、原作ではDIOの館に突入したあたり。最後に「ジョジョ」と呼ばれた「黄の節制」戦最終話はその2年近く前であり、開発期間を考慮に入れても既に「ジョジョ」と呼ばれていない。))。 --さらに、前作で「ジョジョ」と呼ばれていたジョセフからもジョジョと呼ばれるため、原作を抜きにしてもやや違和感がある。 ---また、本作ではオリジナル要素として「敵や建造物などを石化させる能力を持つスタンド使い」が登場する。王道と言える能力だが、実際に現時点(第8部)においても、石化能力に類するスタンドは存在しない((東方仗助がクレイジー・ダイヤモンドで片桐安十郎を岩の中に封じたことはあるが、これはあくまで「治す能力」の副産物である))。ただし、2部の「柱の男」や8部の「岩人間」など、自身の身体を自在に石化させられる敵はかなり多く登場している。 -別冊で出たファミコン神拳(ホーム社/集英社)よりこのゲームの裏事情が語られている。 --当時の『ファミコン神拳』のメンバーが前作について「こんなゲーム記事にしたくない!」と言ったので、「じゃあ、堀井さん2作ってよ!」とマシリトこと鳥嶋和彦が反論したら「わかりました」。鳥嶋はまさか堀井雄二と中村光一が本当にOKするとは思っていなかったらしい。 --しかし、2の規模まで参戦作品を減らしても「キャラクターが多すぎる」と言う事で、非常に難産だったとの事。~ (なお1はゲーム化に無縁な漫画作品の作者への配慮として全て参戦させることを前提として企画された) -作中で両津の給料を持ち去った犬の名前は「リバスト」だが、ドラクエ4にも同じ名前の人物が登場している。両作ともにスタッフとして参加している石川文則が由来か。 -戦闘システムの類似、少年漫画誌出版社によるクロスオーバーという共通点から、後年の『[[ライブ・ア・ライブ]]』が引き合いに出されることも多い。

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