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*ミニ四駆GB Let's&Go! 【みによんくじーびー れっつえんどごー】 |ジャンル|レースシミュレーション|&image(http://www.jupiter.co.jp/product/game/gb/img/mini4_pkg.jpg,width=160,http://www.amazon.co.jp/dp/B000092PJN)| |対応機種|ゲームボーイ|~| |発売元|アスキー|~| |開発元|ジュピター&br()クリーチャーズ|~| |発売日|1997年5月23日|~| |分類|BGCOLOR(lightsteelblue):''ゲームバランスが不安定''|~| |ポイント|クソでは無いがかなり難しい&br()特別仕様のパーツ付き|~| ---- #contents(fromhere=true) ---- **概要 -当時ブームだったミニ四駆のGBソフト。 -プレイヤーは作中で行われるいくつものレース・トーナメントを勝ち抜きながら、春夏秋冬のカップ全てを勝ち抜き、「''グランドスラム''」の栄光を手にするのが目的。 -ポケモンシリーズを意識した、通信によるパーツ交換やレースといった機能も追加されている。 -レース形式は全て、2レーンのコースを使用した1対1のレース。数パターンあるコースを1~3個組み合わせてコースとし、コースの境目ではピットイン出来る。 **難点 -最大の難点はなんと言っても、対照年齢層が小学生だとは思えぬほどの圧倒的な難易度である。 --序盤(それも最初期)こそ無改造でも結構勝ち抜けるが、それ以降はコースや対戦相手に合わせたパーツの組み合わせ、パーツ強化、ピットインに割く時間を考えなければ勝てない相手ばかり((特にゲームクリア後の土屋博士や大神博士といった大人の人達を相手にするアダルトカップは屈指の難易度。))。今でも全クリできず、挫折したプレイヤーも数多い。 -さらにトーナメントでは一度でも負けるとまた最初の相手からやり直しになる。 --負けると付けているパーツ1つを破壊するレーサーも存在している。 -ピットイン中も容赦なく時間は経過していくため、もたもたしているとあっという間に差を縮められる(抜かれているなら広げられる)。さらにパーツを置く場所を考えておかないと、思った以上に時間がかかる。説明書でも書かれている通り、タイヤやローラーなど二対になっているパーツをツールボックスの上と下にバラバラに設置しておくと…… -''難易度を跳ね上げている「パーツ年齢」の概念'' --このゲームではパーツ一つ一つには耐久値が設定されている。店で買った時点では0だが、使い込んでいくうちにあがっていき、99になった時点で壊れてしまう。これが''全てのパーツに存在する''。 ---新しいから性能が良いとは限らない。例を挙げるとモーターは30を越えた辺りで性能が最大限引き出され、80を峠に下がっていく。 ---レース中であろうと99になった時点でパーツは壊れてしまう。パーツが壊れたミニ四駆はコースアウト必至。グランプリのように連戦を強いられる場面ではパーツ年齢の消耗が激しく、判断を誤ればすぐにパーツが破損してしまう。 ---レースをすれば一律に耐久値があがるものではない。オンロード、オフロード、コーナリング、高速といったコースの傾向の違いによってパーツそれぞれの消耗具合が変わってくる。 --ストーリー後半で開放される「鉄心のカマド」 ---鉄心のカマドにて、鉄やアルミといった素材でパーツを強化できるようになる。素材とパーツの相性によっては性能がグンと上がるものもあれば、逆に性能が下がり使い物にならなくなるものもある。パーツによって適合する素材が変わってくるため、強化自体も難しい。 ---後半のレースでは鉄心のかまどで性能を底上げしたパーツでなければ厳しい。 とはいえ、こういった難点は冷静に考えれば''オリジナルのミニ四駆レースを再現している''と言えなくもない。 **他の問題点 -どういうわけか、画面を切り替えるたびにBGMが途切れる。 -レース中は無音。さらにレース中のマシンのグラフィックはみんな一緒。 --これは処理速度の問題。実際1台のみで走るテストプレイと通常のレースでは速度がまるで違う(後者は処理落ちしている)。 -クリア後にチャレンジできるとある大会では、隠しパーツがなければ勝ち上がることはほぼ不可能。更にこのパーツの入手方法が通信でのみ獲得できるのでソロプレイでのクリアは絶望的である。 --強化を繰り返すことで市販パーツでも一応クリアは可能。ただし9連戦なので予備パーツを作るのは大変。更に後述のように強化も面倒。 -セーブは自宅に戻らないと出来ない。 -通信プレイは中盤まで進めないと出来ない。 --中には両者ともクリアしないと出現しないモードもある。 -パーツ強化は一度に1つの素材しか使用できないので、複数回強化するのが面倒。 --続編のMAXでは一度に複数個の素材を使用できるように改善されている。 **評価点 -持ち歩けるマシンは1台だけだが、主人公チーム・敵チーム問わずに好きなマシンを手に入れ、使用することができる。自分の好きなマシンを購入し、好きなように改造するだけでもなかなか楽しい。 --本作発売時点までのフルカウルマシンは全部登場。ただし下位マシンの性能は上位マシンの完全劣化である。 --アニメオリジナルの量産マシン「セイバー600」も使用可能。最弱マシンだが。 --ゲーム中には出現しないマシン「バックブレーダー」も存在するが、コロコロコミックの懸賞でしか手に入らない。 -マシンごとに直線・コーナー・坂の各種スピードが設定されており、原作の『ストレートに強いがコーナリングは苦手』や『最高速は低いがコーナーは速い』といった特徴をきちんと再現できるゲームシステムになっている。 --スピードを超えていないとコースアウトしてしまう各種安定度・ダウンフォースなどのパラメータも存在する。そのため、「スピードを上げるかパーツを取るか?」「あるいは安定度を上げるパーツを取るか?」「どちらも高くなる代わりに脆くなるパーツ強化をしてピット作業を増やすか?」といったセッティングのし甲斐があり、キャラゲーでありながらゲームとしての奥深さも十分にある。 -スーパーゲームボーイ使用時には13色対応とは思えないほど細かく色づけされている。 -原作漫画を再現したのか、中盤から『レース中にAボタンを押すと一度だけスピードが大幅に上がる』という機能が解放される(ゲーム中では「気合い」と呼ばれる)。いわゆる『マグナーム!』と叫ぶとマシンが加速するあの原作演出が可能になる。コーナー付近で使用するとマグナムトルネードも可能だが、上記のとおりオリジナルのミニ四駆レースを再現しているので当然ながらコースアウト=リタイアとなる。 **総評 -かなり難しいゲームではあるものの、クソゲーといえるほど破綻した部分は特になく、根気さえあるなら充分クリアは可能。今でもコアなファンは多い。 ---- *ミニ四駆GB Let's&Go! オールスターバトルMAX 【みによんくじーびー れっつえんどごー おーるすたーばとる まっくす】 |ジャンル|レースシミュレーション|&image(http://www.jupiter.co.jp/product/game/gb/img/mini4_max_pkg.jpg,width=160,http://www.amazon.co.jp/dp/B000092PJO)| |対応機種|ゲームボーイ|~| |発売元|アスキー|~| |開発元|ジュピター&br()クリーチャーズ|~| |発売日|1998年6月19日|~| |分類|BGCOLOR(lightsteelblue):''ゲームバランスが不安定''|~| |ポイント|大幅にボリュームアップ&br()ゲームバランスは相変わらず|~| //分類欄が背景色のみの表示だったので「ゲームバランスが不安定」の文言を追加しました。 **概要 -約一年後に発売された続編。舞台が原作のWGPに準じた「GBC(グレートバトルカップ)」になった。 --それに伴い登場マシンが大幅に増加。順次解禁と言う形ではあるが、ライバルチームのマシンも全て購入可能になる。 --主人公は引き続きオリジナルキャラの主人公。この主人公が日本チーム「TRFビクトリーズ」に6人目として加入すると言うストーリー。 --GBC公式試合以外の対戦は当然1vs1。また、1試合に5人出場するルールであるところに6人チームなので、ローテーションで毎回1人お休みになる。主人公が休みになる回も存在し、その時は主人公は別のイベントが起こる。 -「MAX」の名の通り、WGP編の続編に当たる「MAX編」の主人公である豪樹と烈矢がエンディング後にゲスト登場する。 -パーツ年齢システムや鉄心のかまどによるパーツ強化、パーツの通信交換および通信交換でのみ入手可能な隠しパーツの存在などは前作と同じシステムを踏襲している。 **前作からの追加・変更点 -前作は全て個人戦の1vs1のみだったが、今作はGBCの公式試合は5vs5の団体戦となっている。 --と言っても10台のマシンで広いコースを一度に走るのではなく、5人対5人総当たり戦をやると言う意味であり、個々の試合は従来と同じ1vs1。 --総当りでチームが勝てば次に進めるため、プレイヤーが1戦や2戦落としても負けとはならない。 ---序盤で当たるチームはチームメイトが多く勝つので、負け気味でも先に進みやすいが、終盤ではチームメイトの勝ち数が減るので主人公が多く勝たないと勝てない。全勝しないとチームが勝てない試合もある。 -コースのバリエーション追加。 --前作ではオンロードのみのコースとオフロードのみのコースしか存在せず、それらが複数組み合わされた構成のコースでも、コース間のピットインでオン専用とオフ専用のタイヤを付け替えればよく、両対応できるゴムタイヤの存在価値が薄かった。 --今作ではコースの一部分だけがオフロードになっているものが登場し、ゴムタイヤの利用価値が上がった。 -新パーツカテゴリ「GPチップ」の追加。 --アニメにもあったシステムで、ミニ四駆に搭載されている頭脳の役割を果たすコンピューターチップ。コースに対する経験値、そのマシンの性能を引き出す走り方の学習をするもので、一般のマシンとの性能差を決定付ける大きな要因の1つになっている。 --ゲームでは流石にそこまで再現はできないので、「ストレート」「コーナー」「スロープ」の3種のレベルが設定されており、走ったコースによってどれかのレベルが上がっていく。レベルが上がると、例えばストレートなら直線スピードに加算される。 --原作でのGPチップはあまりバリエーションが出てきておらず、少なくとも1人のマシンが違うチップを使い分けると言った事は無かったが、このゲームでは多種なチップが登場する。 ---後半で手に入るチップほど各レベルの限界値が高い。また、特定のレベルの限界値が他より高いチップなどもある。 -バトルレースの追加。 --特定の、バトルレースを仕掛けてくるレーサーとの対戦では、ピットインに入るごとに特定のパーツにダメージが与えられる。攻撃を受けたパーツはパーツ年齢が進み、99を超えれば当然壊れてパーツが消滅する。 ---モーターや電池などの走行に必要なパーツが破壊されるとマシンが停止してしまう。ローラーが破壊されるとコーナーを曲がれずにコースアウトしてしまう、など。 ---バトルレースを仕掛けてくるレーサーは対戦前にそういうことをするキャラだと分かるようになっているので、そういったレーサーとの対戦前には通常の磨耗用よりもさらに多めの予備パーツを持ち込む必要がある((レース中に破壊されても必ずピットインなので、そこで新しいパーツを補充してやればレースを続行できる。))。 ---バトルレースに対抗するための防御用パーツも存在する。ただし万能ではないので、予備パーツでカバーするのとどちらが良いのかは考える必要がある。 --エンディングを迎えるまでは主人公からバトルレースを仕掛けることはできない。敵から仕掛けられる攻撃をかいくぐって正当なレースを頑張るのみ。 **評価点 -登場マシンの豊富さ。 --TRFビクトリーズメンバーのマシンはマグナムセイバーやスピンアックスからビートマグナム・バスターソニック等まで全て網羅。 --ライバルチームのマシンも当然網羅。ベルクカイザーのL・Rだけに留まらず、ベルクマッセやクーロンなどの非主要キャラのマシンも登場、購入可能。劇場版のガンブラスターXTOもある。 --フラワーアックスやブラックセイバーなどのGPレーサーですらないキャラのマシンも購入できる。もちろんGPチップを乗せて出走可能。WGP編に登場するマシンは根こそぎ網羅されていると考えて間違いない。 --クリア後要素としてマックスブレイカーやシャドウブレイカーも登場。 --データ上はファイヤースティンガー・シャイニングスコーピオンXも存在している。配布専用だったのかのかは不明だが・・・。 -GPマシン(グランプリマシン)の気分を味わえるシステム。 --パーツの強化改造ではない手段で成長するパーツ「GPチップ」の追加により、前作とは違う「マシンを育てる」感覚が味わえる。 --先述のように「マシン独自の必殺走行を学習させる」なんて事はシステム上無理があるのでできないが、エンディングを迎えるまではGPチップ自体の性能限界とは別にレベルの上昇上限が設けられており、全レベルを限界まで上げることができないようになっている((3種のレベルの合計値が、ストーリー進行度に応じて設定される値を超えられないようになっている。))。そのためストレート重視で育てたチップを使うかコーナー重視で育てたチップを使うか・・・と言う選択が生まれる。 --チップだけで劇的なほどに変化がある訳ではないが、後述のようにシビアなセッティング調整が要求されるレースが多数あるので、やり込むならばGPチップの育成バランスにも気を使う必要がある。 -前作同様の大人カップ以外にもやり込み要素の増加。 --ゲーム中に達成した要素によって「トロフィー」が与えられる。 --本編のGBC公式試合で戦う相手チーム5人のうち、リーダーは他のメンバーとは一線を画する強さになっており、その時点の順当なセッティングでは歯が立たない強さになっている。 ---試合に勝ってストーリーを進めるだけならば、一部を除いてリーダーには勝たなくても良いようになっている。 ---予選最終戦のvsロッソストラーダ戦はリーダーを含めて5戦全勝しないとチームは勝てない。ただし元々予選で全勝しなくても決勝にはいけるので、普通にストーリーを進めるとここは黒星がつくのが普通。もちろん頑張れば勝って全勝で決勝進出できる。 ---決勝戦のvsアイゼンヴォルフ戦もリーダーを含めた5勝が必要で、かつ勝たないと話が進まない。ただ、リーダーのミハエルは他メンバーより早く、汎用なセッティングでは歯が立たない強さではあるものの、他のチームと戦ったときのリーダーのように理不尽な強さではないので、多少の工夫で勝てる。 ---それ以外のリーダーも、勝つことが不可能な訳ではない。かまどによる強化、パーツ年齢に対する性能推移が特殊な形になる特殊パーツなどを駆使すればきちんと勝てるバランス。 ---決勝戦以外の各試合で5勝を挙げると、賞品として特殊なパーツが貰える。また、本編レースであるGBC(と本編中のサブイベントによるレース)を無敗でエンディングを迎えた場合に貰えるトロフィーは、この強敵リーダーに勝つことも含まれている。 --クリア後に解禁されるマシン・パーツの追加。 ---特にバトルレースに手を染めると言う選択肢が生まれる。主人公側がバトルレースを仕掛けられるミニ四駆ゲームは希少。 **難点 -相変わらずの全体的な難易度の高さ。 --パーツ年齢と言う複雑なシステムの管理ができて初めてスタートラインという点は前作と全く同じであり、初見プレイヤーにはあまり優しくない。 --しかもそれらのシステムをフル活用しないと勝てないレースが複数ある。と言っても大多数は勝たなくても話が進むやり込みプレイヤー向けのレースなのだが、決勝戦の最終戦だけは勝たないといけない。代わりに難易度は他の難レースよりも低いが、店で買えるパーツを選んでセットするだけのレベルではまずクリア不可能。 -バトルレースを仕掛ける事による難易度の下落。 --エンディングを迎えた後ならば特定のショップにてバトルレース用のパーツを購入することができ、相手のマシンを実際に攻撃できる。 --主人公がバトルレースに手を染める事に対しての仲間からの批判やルール上のペナルティと言ったものは一切無く、原作ではバトルレースをハッキリ否定する性格だったキャラクターのマシンをボコボコにして走行不能にしても、通常のリタイアと同様に扱われてこちらの勝利となる。もちろんレース後は正々堂々と戦って勝ったのと同じように話が進む。 --そのため、クリア後に登場する、まともにレースするととてつもなく速い強敵相手でも、''マシンを破壊してリタイアさせて勝つと簡単に勝てる''((NPCはこちらがピットイン入りして何かパーツを交換した場合にしかパーツを交換しない思考ルーチンになっているので、こちらがピットインせずに連続で走るようにすると、パーツを破壊されてもそのままマシンをコースに出してしまう。))。 --しかも、原作やアニメのように走行中にマシンを追いつかせて直接接触させる必要が無く、必ずマシンが一時停止して追いつくピットインの付近で攻撃するので、''周回遅れによる失格にならずに必要な回数だけピットインにたどりつける程度の速さがあれば、相手より圧倒的に遅くても勝てる''と言う邪道極まりないセッティングがまかり通る。 --その中でもローラーに攻撃するパーツ「カッター」が特に使いやすく、ローラー攻撃用のパーツだけをフル搭載して走ると2~3コース目までに相手のローラーのどれか1つを新品から破壊にまで追い込める。ローラーを1つでも欠けさせればほぼ間違いなくコースアウト。((モーター狙いだと相手によっては対応する防御パーツで防がれてしまうことがあるが、ローラーを狙うとほぼ誰相手にでも通じる。ただし、モーターを破壊するとピットインを出た直後にレースが終了するので、防御が甘い相手ならばローラーを狙うよりはいい場合がある。)) --ただ、バトルレースを仕掛けない場合の難易度はクリア後に相応しい難易度でまとまっているので、原作でも悪であるという風潮で書かれていたバトルレースに手を染める事を自重しさえすれば、十分にやり応えを感じられる。 -GPチップ育成システムの単調さ。 --先述にある通り、「GBC本編の間は」GPチップのレベル上昇に制限がかかっており、限られたリソースをどう配分するかの楽しみがあるのだが、エンディングを迎えるとこれが全て撤廃され、「一番強いチップのレベルを全部最大まで上げればOK」で全て片付いてしまうようになる((パーツを装備しなければ封印できるバトルレースと違って、GPチップを装備してレースをする限り勝手にレベルが上がってしまうので、自重のしようが無い。))。 --ただこれは、クリア後にのみ許されるはっちゃけ要素と捉える事も出来るので、難点と言うより賛否両論点とも言える。 **総評 -前作同様、やや人を選ぶ難易度の高いゲームではあるが破綻した部分は特に無く、経験者や根気のあるプレイヤーなら前作を大幅に超えたボリュームを楽しめる。
*ミニ四駆GB Let's&Go!! 【みによんくじーびー れっつえんどごー】 |ジャンル|レースシミュレーション|&amazon(B000092PJN,image=https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/k/katwoooooooon/20150918/20150918144407.jpg,height=160)| |対応機種|ゲームボーイ|~| |発売元|アスキー|~| |開発元|ジュピター&br()クリーチャーズ|~| |発売日|1997年5月23日|~| |定価|4,900円(税抜)|~| |判定|BGCOLOR(khaki):''ゲームバランスが不安定''|~| |ポイント|クソではないが難易度がかなり高い&br()特別仕様のパーツ付き|~| |>|>|CENTER:''[[ミニ四駆シリーズ]]''| ---- #contents(fromhere=true) ---- **概要 当時第2次ブームだったミニ四駆のGBソフト。本作は漫画・アニメ『爆走兄弟レッツ&ゴー!!』(以下、原作)を題材としている。~ 作中で行われるいくつものレース・トーナメントを勝ち抜きながら、春夏秋冬のカップ全てを勝ち抜き、「''グランドスラム''」の栄光を手にするのが目的。~ 豊富なパーツ群を用いたセッティング・フライングと隣合わせのスタートなどの基本を押さえつつ、レース中のピットインなど原作を踏襲した要素もある。~ [[ポケモンシリーズ>ポケットモンスターシリーズ]]を意識した、通信によるパーツ交換や通信対戦レースといった機能も追加されている。 ---- **特徴・評価点 -ゲーム中に登場する好きなマシンを手に入れ、使用することができる。自分の好きなマシンを購入し、好きなように改造するだけでもなかなか楽しい。 --アニメオリジナルの量産マシン「セイバー600」も使用可能。最弱マシンだがそれでもセッティング次第で速くなる。 --データ上は「バックブレーダー」も存在するが、入手方法がコロコロコミックの懸賞のみで現在は入手不可となっている。 -とにかくセッティングに関するパラメーターが豊富であり、セッティングをする楽しさは素晴らしい。 --スピードだけでも直線・コーナー・坂道の3種類がある。これにより『ストレートに強いがコーナリングは苦手』や『最高速は低いがコーナーは速い』といった特徴をきちんと再現できるゲームシステムになっている。 --コースアウトを抑える安定度・ダウンフォースなどのパラメータも存在し、またパーツには耐久度もある。そのため、「スピードを上げるかパーツを取るか?」「あるいは安定度を上げるパーツを取るか?」「どちらも高くなる代わりに脆くなるパーツ強化をしてピット作業を増やすか?」といったセッティングのし甲斐があり、キャラゲーでありながらゲームとしての奥深さも十分にある。 -レース形式は全て、2レーンのコースを使用した1対1のレース。数パターンあるコースを1~3個組み合わせてコースとし、コースの境目ではピットイン出来る。 --次のコースに合わせてセッティングを変えるなどの判断も大事。どんなコースでも走れるバランス重視のマシンで対応するということもできる。 -スタートではAボタンで発進となるが、合図より前に押すとフライングとしてやり直し。3回フライングすると強制敗北となる。 --CPUも2回まではフライングをすることがあるが、3回目(=こちらの不戦勝となること)は絶対にない。 -所持金が一定以下の状態で帰宅するとお父さんから必ずお小遣いを貰える為、パーツが買えなくなり詰むという事態は起こらない。 --お小遣いをもらう→即刻外出してパーツに散在→帰宅、と数分で帰ってきても何度でも貰える。%%1日に何回もボーナスが出るとは、お父さんはどんな仕事をしているんだ%% -スーパーゲームボーイ使用時には13色対応とは思えないほど細かく色づけされている。 -原作漫画を再現したのか、中盤から『レース中にAボタンを押すと一度だけスピードが大幅に上がる』という機能が解放される(ゲーム中では「気合い」と呼ばれる)。いわゆる『マグナーム!』と叫ぶとマシンが加速するあの演出が可能になる。 --コーナー付近で使用するとマグナムトルネードも可能だが、上記のとおりオリジナルのミニ四駆レースを再現しているので当然ながらコースアウト=リタイアとなる。 ---- **難点 -最大の難点はなんと言っても、対象年齢層が小学生だとは思えぬほどの圧倒的な難易度。とにかく難しい要素が多い。 --序盤(それも最初期)こそ無改造でも結構勝ち抜けるが、それ以降はコースや対戦相手に合わせたパーツの組み合わせを考えなければ勝てない相手ばかり。今でも全クリできず、挫折したプレイヤーも数多い。 --終盤ともなるとパーツ強化、ピットインに割く時間(後述)を考えなければまず勝てない。特にゲームクリア後の、土屋博士や大神博士といった大人の人達を相手にするアダルトカップは屈指の難易度。 --トーナメント戦による連戦が多いのだが、途中でセーブは勿論パーツの買い足しなどが出来ず、一度でも負けるとまた最初の相手からやり直しになる。これが後述の仕様と噛みあいとんでもない難易度を生み出す。 --こういった難点は好意的に見れば''オリジナルのミニ四駆レースを再現している''と言えなくもないが…… -''難易度を跳ね上げている「パーツ年齢」の概念'' --店で買った時点では0だが使い込んでいくうちにあがっていき、99を超えた時点で壊れてしまう。要はパーツの耐久度なのだがこれが''ボディを除く全てのパーツに存在する''。 --特に厄介なのがモーター。新品時点では性能がほとんど発揮されず、年齢が30を越えた辺りでピークを迎える。そして80を峠に下がっていく。 ---名前にグングンやワンダーと付いたパーツなどもある程度パーツ年齢を上げないと真の力を発揮しないが、代わりに性能は非常に高い。ただしパーツ年齢の上昇が異常に速い(=すぐに壊れる)ので使い勝手は悪い。 --レース中であろうと99を超えた時点でパーツは壊れてしまう。モーターや電池が壊れれば即停止=リタイアだし、ローラー系統が壊れればコースアウト必至。連戦を強いられやすい本作ではパーツ年齢の消耗が激しく、判断を誤ればすぐにパーツが破損してしまう。 --しかも一律に消耗するという単純なものではない。オンロード、オフロード、コーナリング、高速といったコースの傾向の違いによってパーツそれぞれの消耗具合が変わってくる。 ---「コーナーの貴公子」より「かっとび重視」の方がパーツに優しいので、ほぼ直線でマシンへの負担が少ない「コース1」を選ぶプレイヤーは多かっただろう。 ---特に大会のレースでは3コース走ることになるのだが、自分で選べるのはそのうちの1コースのみ。設定上では残り1コースを相手が選び、最後の1コースはランダムとされている…のだが、実際のランダム枠では''必ず相手が選んだコースと同じコースが選ばれる''。そのため、消耗を抑えるためにコース1を選んでも残り2コースがオフロードのコース6といったことも頻発する。 --じゃあ山ほどのパーツを持ちこめば良い…とはいかず、持ち歩けるパーツ数には限りがあるのがまた難易度を上げている。 --いかにパーツを限界まで使うか、パーツ数を減らしつつ複数のコースに対応するかといった点も求められる。これ本当に小学生向けか? --ちなみにこちらを攻撃してくるバトルレーサー達もきっちり再現。&bold(){負けると}付けているパーツ1つを破壊されてしまう。これがレース中で無くて良かった…… -ピットイン中も容赦なく時間は経過していきタイムに加算されるので、''ピットイン作業の速さ''という妙にリアルな操作も求められる。ここで言う速さとは、''プレイヤーが十字キーでページをめくったりするゲーム操作のスピード''である。 --ご丁寧にローラーは前後左右が別々で、タイヤは前後で別パーツ扱い。これらを交換するには複数回の操作が必要となる。しかもタイヤはオンロード・オフロードの切り替えによる交換も頻発するため交換回数がうなぎ登り。 --タイヤを変える時はタイヤだけリストアップされる…なんていう便利な機能がある時代ではない。無関係のパーツまで含めた手持ちパーツリストの中から探し出して選ぶ必要がある(一応無関係なパーツは文字が薄くなり目的のパーツを見つけやすくはなっている)。~ パーツの並び順まで吟味してある場合とそうでない場合で、馬鹿にできない程のタイム差が生じてしまう。 --このため''ツールボックス(所持アイテム)の何番目の欄に何のパーツを置いておくか''という全く新しい概念まで要求される。 -ストーリー中盤から開放される「鉄心のカマド」 --鉄心のカマドにて、鉄やアルミといった素材でパーツを強化できるようになる。素材とパーツの相性によっては性能がグンと上がるものもあれば、逆に性能が下がり使い物にならなくなるものもある。パーツによって適合する素材が変わってくるため、強化自体も難しい。 --とはいえ後半のレースでは鉄心のかまどで性能を底上げしたパーツでなければ厳しいため必然的に使わざるを得ない。 **他の問題点 -どういうわけか、画面を切り替えるたびにBGMが途切れる。 -レース中は無音。さらにレース中のマシンのグラフィックはみんな一緒。 --これは処理速度の問題。実際、1台のみで走るテストプレイと通常のレースでは速度がまるで違う(後者は処理落ちしている)。 -クリア後にチャレンジできるとある大会では、隠しパーツがなければ勝ち上がることはほぼ不可能。更にこのパーツの入手方法が通信でのみ獲得できるのでソロプレイでのクリアは絶望的である。 --強化を繰り返すことで市販パーツでも一応クリアは可能。ただし9連戦なので予備パーツを作るのは大変。更に後述のように強化も面倒。 -セーブは自宅に戻らないと出来ない。 -通信プレイは中盤まで進めないと出来ない。 --中には両者ともクリアしないと出現しないモードもある。 -パーツ強化は一度に1つの素材しか使用できないので、複数回強化するのが面倒。 --続編の『MAX』では一度に複数個の素材を使用できるように改善されている。 ---- **総評 明らかに対象年齢層を逸脱した複雑多様なセッティングシステムと、それへのハイレベルな対応を要求する対戦仕様により、当時多くの子供たちに辛酸をなめさせた作品。~ とはいえそのシステムは言葉・数値など使ってゲーム内できちんと明示されており、いわゆるクソゲーにありがちな説明不足や運要素による理不尽な難しさはまったくなく、純粋な高難易度によるもの。~ 刻一刻と変化するパーツ耐久度とそれにより増減するスピード・安定度のコースごとの調整、ピットインのためパーツ群の的確な配置、正確迅速なピットイン作業…それらをうまくこなし強敵達との連戦に打ち勝った時の達成感は言葉では言い表せられないものがあり、今でもコアなファンは多い。 ---- **余談 -本作のパッケージは紙箱ではなく特製の''金属缶''を使用。ソフトの他に、実際のミニ四駆で使用できる特別仕様の軽量超速ギヤーセットが付属されていた。 -主人公の友人として登場するゲーム独自の人物であるしょうた・まもる・たくや・ケンタ・あや・テツのうち、ケンタだけは原作の番外編に登場している。 -翌年、本作のシステムを踏襲し世界グランプリやMAX編のキャラを登場させた続編『[[ミニ四駆GB Let's&Go!! オールスターバトルMAX]]』が発売された。 ----

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