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//記事移転議論スレ@したらば経由で、バカゲー判定より移転。 *ウォーシップガンナー2 鋼鉄の咆哮 【うぉーしっぷがんなー つー くろがねのほうこう】 *ウォーシップガンナー2 ポータブル 【うぉーしっぷがんなー つー ぽーたぶる】 |ジャンル|アクション|&amazon(B000K72LYG)|&amazon(B002MZYU5W)| |対応機種|プレイステーション2&br()プレイステーション・ポータブル|~|~| |発売元|コーエー|~|~| |開発元|コーエー|~|~| |発売日|【PS2】2006年2月23日&br()【PSP】2009年11月12日|~|~| |定価|【PS2】7,140円&br()【PSP】5,040円|~|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|~| |~|BGCOLOR(MistyRose):''バカゲー''|~|~| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 マイクロキャビンが開発した『鋼鉄の咆哮』シリーズの第6作目。~ ''PS2版はコーエーが開発しており前作「鋼鉄の咆哮2 ウォーシップコマンダー」まではマイクロキャビンも関わっていたが、本作は「亡国のイージス2035」を作った開発チームと同じであるため原作表記のみとなっている。''~ そのため、''旧作と比べると別の味付けとなっており、シリーズの中でもかなり異色。'' -『鋼鉄の咆哮』シリーズは、初代『鋼鉄の咆哮』をベースにトップビュー(俯瞰視点)を用いたラジコン操作感覚で手軽に海戦アクションを楽しめる『''ウォーシップコマンダー''』と、シリーズから派生して艦の後ろや砲撃手からの視点を用いたTPS・FPS感覚で海戦アクションを楽しめる『''ウォーシップガンナー''』に分かれている。本作は、『''ウォーシップガンナー''』の2作目に位置づけられる。 鋼鉄の咆哮シリーズを大別すると3つの流れがある。 -PC版ウォーシップコマンダーシリーズ --2000年 PC『鋼鉄の咆哮 ウォーシップコマンダー』 --2002年 PC『鋼鉄の咆哮2 ウォーシップコマンダー』 ---2003年 PC『鋼鉄の咆哮2 ウォーシップコマンダー エクストラキット』(2のパワーアップキット。一応単独でもプレイ可能) --2004年 PC『鋼鉄の咆哮3 ウォーシップコマンダー』 -PS2版ウォーシップコマンダーシリーズ --2001年 PS2『鋼鉄の咆哮 ウォーシップコマンダー』(PC版1がベース) --2004年 PS2『鋼鉄の咆哮2 ウォーシップコマンダー』(PC版2とは別物) -ウォーシップガンナーシリーズ --2003年 PS2『鋼鉄の咆哮2 ウォーシップガンナー』(PS2版『鋼鉄の咆哮 ウォーシップコマンダー』が『鋼鉄の咆哮1』にあたる) --2005年 PS2『亡国のイージス2035 ウォーシップガンナー』(原作付きスピンオフ) --2006年 PS2『ウォーシップガンナー2 鋼鉄の咆哮』(本作) ---2009年 PSP『ウォーシップガンナー2 ポータブル』(本作 PSP移植版) 主人公はカムチャッカ半島あたりにある架空の国の海軍士官。WW2(第二次世界大戦)直前の時代に祖国がクーデターにあい演習中に命を狙われる。~ 辛うじて軍艦で脱出し同盟国の日本に逃げ込むが、祖国はクーデターと同時に世界各国への侵略を開始。~ 侵略する艦隊から各国を護り、最終的に独裁者を倒すのが目的である。 -プレイヤーは戦略パートにて艦船をデザインし、戦闘パートにて自作した艦で敵艦隊を撃滅していくことでストーリーが進む。 ---- **バカゲーとしての側面 -ストーリーだけ見れば平凡に見えるが、中身はまさにカオス。 --最初はWW2の兵器(大砲、魚雷、機銃など)しか使えないが、中盤になるとミサイル、CIWS((ミサイルを迎撃する機関砲。史実で登場するのは1970年代ごろ。))、速射砲などの現代兵器、ヘリコプターやジェット機などの現代航空機が使えるようになる。艦船も現代艦船であるフリゲートが登場する。 ---ヘリコプター、ジェット機は条件さえ揃えれば序盤でも使用可能。 --最終的にはレールガン、レーザーといった近未来に完成すると思われる兵器や、史実の倍以上の砲口径を誇る100cm砲((史実の艦砲は大和の46cmが最大。計画だけなら51cm砲もあった。))といった無茶苦茶な兵器、波動砲と言ったどっかのアニメやシューティングゲームで見た事がある兵器、さらにはねこビーム、カニ光線、あひる戦闘機、あひる戦艦、サメ潜水艦など…意味不明な兵器を開発することができる。 --軍艦旗も設定できるのだが、日の丸や旭日旗などの史実に沿ったものから、鯉のぼり、大漁旗、ペナントなど意味不明なものまで登場する。 ---しかも、意味不明な軍艦旗の方はいろいろな付加効果があるため、非常に有益。 --さまざまな補助効果をもたらす「補助兵装」もレーダー、ソナーといったごく普通のものからイージスシステムのような現代兵装、さらに実弾兵器のダメージを軽減する防御重力場、火災などの災害を完全防止する「お守り装置」や、さらに軍艦の性能を変動させる「謎の装置」なるものまで登場する。 -敵のボス的な存在として「超兵器」と呼ばれる軍艦や航空機などが登場するが、これもすごい。 --最初は非常に速い戦艦、二隻の戦艦を横に2つ合体させた双胴(そうどう)戦艦、単純に巨大な艦など架空戦記に出てきそうな軍艦だが、中盤になるにつれてドリル戦艦、160cm砲を搭載した列車砲、コロニーレーザーのような太い光線を放つ海上要塞、最終的には反物質兵器を放つ超兵器が登場する。 --超兵器自体はシリーズ恒例なのだが、今作では「超兵器とは何か?」という疑問に、今作独自とはいえ明確な答えを提示している。そのため超兵器の禍々しさはシリーズでも随一。 -一度クリアすると腹筋崩壊物のギャグシナリオ『特殊任務』をプレイ可能。 --古き良き時代の日本の親父を具現化したような主人公の仕官学校時代の教官はポンコツオヤヂと化し、超兵器への科学者としての興味と恐ろしさに悩む若き天才女性科学者はヤクザ映画の大ファンで妙な広島弁で話し始め、ある重大な秘密を持つ主人公の後輩(男)はオカルト趣味で電波を受信している上、主人公(男)に恋心を抱くキャラとなる。その他の人物たちも完全にぶっ壊れている。 --ここで登場する超兵器も変なヤツばかり。主人公に果たし状を出してくる「ドリル三兄弟」や、Win版恒例の「ゴキブリ」と呼ばれる目視できない戦艦。特にラスボスは爆笑モノ。 ---さらに超兵器とオペレーター嬢のやり取りもあり、これもバカバカしい。 ---- **評価点 -旧作とは比べものにならないストーリー。 --前作までは申し訳程度のストーリーであったが、WSG2では個性豊かなキャラクターが多く、内容にも力が入っている。 --3つのシナリオルート分岐が用意されており、長く楽しめる。 -丁寧なチュートリアルの追加。 --旧作でもチュートリアルはあったが、本作では今までよりかなり丁寧に解説してくれる。 --そもそもマニアックなゲームなためミリタリーに関して知識がないと訳が分からないことが多いが、丁寧に解説してくれるため取りつきやすい良い仕様である。 -『鋼鉄の咆哮』シリーズの象徴ともいえる、艦船を自由に設計する「HLGシステム」 --自分が操る軍艦を設計することが可能であり。大和、長門、アイオワなどといった現実の名軍艦を造ることもできるし、90ktの超高速艦や、双胴戦艦、航空戦艦など現実では造れない・未完成や不首尾に終わった船を造ることもできる。 --どこに何を置くか、重量制限をどうしのぐか、有効な兵装は何か、速度と攻撃・防御とのバランスをどう保つかといったことを試行錯誤しながら設計する楽しみがある。また、有効性を確かめるための「試験航海」もできるため、数値だけでは分かりにくい、実際の運用面も事前にチェックできる。 --PS2版では初となる「潜水艦」も設計可能となった。 --また空母にもVLSが搭載可能になった((Win版ではEKから登場する特殊空母のみ搭載可能だった。))。 -生産タイプの廃止。 --前作まではゲーム開始時に日本/アメリカ/イギリス/ドイツの4種の中から兵器タイプを選ぶ必要があり、決めてしまうと変更不可能だったが、本作では廃止され様々な国のパーツが混ぜて使えるようになった。 ---ただしシナリオによってある程度の制約が残る((例えば日本ルートでは酸素魚雷を開発できるが、独ルートでは代わりに誘導魚雷となる。))。 -VTOL機、ヘリコプターの追加 --従来のPS2版の作品では、戦艦と巡洋艦は水上機しか搭載できなかったため、中盤あたりですでに戦力外であったが、これにより終盤でも補助程度の活躍が見込める。 --特に自動でアイテムを回収する「救助ヘリ」が非常に便利。中には、救助ヘリがないととれないアイテムもある。 -軍艦の種類ごとのバランスが修正された。 --従来のシリーズでは火力、耐久に優れた単純に性能の高い戦艦が有利だったが、艦の性能を大きく変える「補助兵装」の搭載数が艦種によって変わったため変動。 --駆逐艦は補助兵装を9つ搭載できるようになり、終盤では砲弾・防御力不足を大幅に補うことができるようになった。従来の作品では序盤ではHPが低く、兵装も乏しい駆逐艦でのクリアはゲームクリアでもしない限り厳しかったが、今作では駆逐艦で全てのステージをクリアすることも割と容易になった。 --戦艦は補助兵装が6つしか装備できなくなっため、場合によっては思わぬ被害を受けるリスクが増大している。 ---こうした要素のため、戦艦でごり押しするという作戦は従来の作品に比べても取りにくく、ミッションごとに有効な艦を選ぶ必要がある。 -アクション面も改良されている。 --弾切れした兵装があるときに敵艦を撃沈すると高確率で弾薬が出てくる。このため、弾切れに悩まされにくい。弾幕シューティングよろしく砲撃を行うこともできるため、爽快感も大きい。 --耐久度を任意で完全回復できる。これまでのシリーズでは耐久度の回復手段が限られていたため、かなりプレイしやすくなっている。 ---しかし、耐久度を完全回復させる「完全修理」中は機関・兵装停止する上、「完全修理」中の被ダメージは2倍になるというリスクもある。そのため、大ダメージを回復させるタイミングをしっかり見極める必要がある。 -FPS視点のため、飛び交う砲弾・レーザー、迫りくる敵艦、超巨大な超兵器などの迫力は物凄い。 -2周目からは敵が強くなるため、簡単には三国無双シリーズのようにいかない。 -ボスの部位破壊。 --ボスである超兵器の特定部位を破壊することが可能となった、それに応じて変化もある。 ---艦橋が破壊されドリルが止まるドリル戦艦。艦尾が破壊され潜航できなくなる潜水艦など。 ---特定部位を先に破壊して弱体化を狙うという今までとは違った戦い方が可能。 ---- **賛否両論点 -旧作から登場する超兵器の扱いが酷い。 --例えば鋼鉄の咆哮シリーズ初代から毎回登場する「超巨大航空戦艦ムスペルヘイム」という「プラズマ兵器」を主に使う強敵ボスがいるのだが、本作では光学兵器すら装備していない上に中盤のボスとして登場する。 ---艦載機と強力な兵器で旧作では猛威を振るっていたボスだが、見る影もない。一応だが、驚くくらいにはロケット兵器を大量に撃ってくるが……。 --歴代でラスボスを務めたヴォルケンクラッツァー級がついに変更された。 ---相変わらず波動砲を装備しているが、前作まで共通で装備していた「δレーザー」や「レールガン」などが外されてしまった。 ---一応高難易度では「砲塔型レールガン」を装備する。 --ただし「またヴォルケンクラッツァーか」という声も多かったため、変更に関しては評価の声も多い。 --レーザー戦艦なのに実弾砲がメインのボス、登場ムービーでレールガンを展開するのに戦闘中となると格納状態になっており撃たないボスなど、今までのボスキャラクターの特徴が活かされていない意味不明な点が多い。 -敵兵装の仕様変更。 --敵が最初から全兵装を使用する。 ---最大7種の兵器を装備しており、前作までは「最初は1番から4番目の兵器まで使い、中破すると4番から7番までが解放、全兵器を使用する」というシステムがあった。 ---ボスである超兵器を追いつめると強くなり戦闘が熱くなる、というのも鋼鉄の咆哮シリーズの面白さだった。 ---ただし今作でも戦闘中に一定条件を満たすと強くなるボスもいる。 -超兵器戦で敵の名前を言わなくなった。 --これまでの超兵器戦では、接近すると警報が鳴り、副官が「超高速巡洋戦艦ヴィルベルヴィント接近!」などと言って臨場感を盛り上げていたが、今作ではイベントが発生するにとどまっている。 --初見である敵艦の名前は分からないのだから当然と言えば当然だが、少し寂しい。 ---『鋼鉄の咆哮3』の場合は「ステージ開始前に諜報員が情報をキャッチしているため名前が判明済」という設定がある……が、一部の超兵器は前情報無しに叫ぶ。 -空母への兵装の搭載仕様が変更。 --旧作までは砲などは右舷側に寄せて配置され、甲板は航空機の離着陸の邪魔にならないよう設置不可能であったが、今作では堂々と甲板のど真ん中に置ける。 --見た目は劣悪だが、兵装が多く載せられるため性能に関しては格段に上がっている。 ---- **問題点 -これまで見てきたように、架空戦記のノリなので、史実重視派にはまったく向かない。 --現実の船も造れることは先に述べたが、実際に造ってもあまり実戦では使いものにならない。 ---理由は中盤以降になると40kt以上の超高速艦でないと敵の攻撃を回避できないため。現実の戦艦や駆逐艦では、常時これだけの速力を出せる艦はあまり存在しない。 ---後半になると超兵器はおろか雑魚ですら固くなるので、史実で最大の46cm三連装砲でも威力不足。そのため、SF風味の武装でなければ歯が立たない。 ---装備が強力になるにつれて艦型や上部構造物も現代艦風味のものになるので、WW2風の艦で遊びたい人間には少々酷。 --前作(WSG)にあったWW2モードは削除された。 -ボスの耐久力。 --最大難易度では、ボスである超兵器の耐久力が非常に高い。 --これはPS2版の第一作目であるウォーシップガンナーでも問題だったが、2作目のコマンダーで改善されたはずなのだがまた戻ってしまった。 ---前記した通り、開発チームに変更があったのも影響していると思われる。 --敵の射程外から長時間一方的に攻撃をするということになり作業感が強い。 --PSP版では敵が硬くなっているためさらにタフになっているが、逆に敵の射程も伸びているため回避しながらの戦闘など、作業感は若干薄れた。 -空母でのプレイが非常に厳しい。 --本作では航空機が弱いため、艦載機任せでのミッションクリアは非常に難しい。 --艦載機の火力が低いため、敵が全く撃破できない。 ---ただしPSP版だと航空機がかなり改善され、逆に非常に強い。 --救助ヘリのアルゴリズムがいまいち。 ---複数のヘリを出撃させても、すべての機が一番近い漂流物に向かってしまうので無駄が多く、漂流物が時間切れで消滅してしまうこともしばしば。 -潜水艦は、原子力潜水艦でなくともいつまでも潜行していられる。 --鋼鉄の咆哮3では、バッテリーが切れると浮上して充電する必要があったため、そのため攻撃を受けにくい潜航状態にも弱点が持たされていた。 ---艦船そのものの操作・動きもお手軽な反面、決して本格的とは言えないので、本格的な操艦シミュレーション路線を期待しているとがっかりするだろう。 -潜水艦の使用できるステージが決まっている。 --主に超兵器戦では出撃不可能。 ---旧作で唯一潜水艦の使えた鋼鉄の咆哮3では、一部の超兵器に対して一方的に攻撃が可能という強力な艦種だった、それを防ぐためであると思われる。 ---PSP版では設定ミスなのか、ストーリーモード中のアラハバキ戦だけは潜水艦で出撃できる((潜水中ならドリルも無効、対潜兵器による反撃も無し。))。 -兵器開発のコンプリートが廃人仕様。 --特定の艦船を一定数撃沈するたびに特典がもらえるのだが、その中で「航空戦艦999隻撃沈」というのが非常に厳しい。 ---航空戦艦はたった1面でしか登場せず、そこで撃沈できるのは最大4隻。つまりそのステージを250回以上プレイしなければならない。 ---4隻しか登場しないのはPS2版の話で、PSP版では1周目で16隻、2周目で24隻出現する。 --しかもこの特典がないと開発できないものがある。このため、全ての兵器を開発しようとしたらとんでもない時間がかかる。 ---一応、クリア済みのミッションを任意でプレイできる「演習」でいつでも挑戦できるもののきついことには変わりない。 --PSP版では難易度UltraHardで、2周目以降設定にて全ステージSランクを取る、もしくはストーリを10周すると全装備が開発可能になる。 ---しかしUltraHardの難易度は、チート級の補助装備「謎の装置η」(全兵装スロット自動化)と「無限装填装置」(弾薬無制限)の2種が通信対戦同様つかえず。その上敵が滅茶苦茶強い。おとなしく普通の条件を満たしたほうが早い。 -一部兵器の産廃化。 --パルスレーザー ---対空迎撃に有効な対空パルスレーザーが弱体化。高速移動する航空機にまったく攻撃が当たらない。バグと思われるがベスト版、PSP版でも直っていない。 --噴進砲 ---駆逐艦の専用兵器、旧作では「射程は短いが威力が非常に高い兵器」であったのだが、今作では威力が死んでいるため使い物にならない。 ---PSP版では強化されたが、その影響で噴進砲を主兵装とするボス「デュアルクレイター」がとんでもない強さにパワーアップするという副作用も生じてる。 --大口径ガトリング砲 ---AGSに速射機能が内蔵されている上、連装数、砲門数を増やすことで同時発射数も増える為、相対的に使えなくなった。 --ミサイル系統 ---砲より威力が高いわけでもなく、射程が長いわけでもないので死んでいるものが多い。 ---ただし高威力&広範囲の特殊弾頭ミサイル、敵を痺れさせる電子攪乱ミサイルなどは強い。 ---PSP版では一応改善されたが、RAMのように存在意義が怪しい兵器も相変わらず残っている。 -敵のモデルの扱いが雑。 --旧作「鋼鉄の咆哮2 ウォーシップガンナー」から引き続き「提督の決断4」のモデリングを流用したものとなっている。 ---元のモデリングは史実に存在した艦だが、本シリーズはレーザーまで登場する世界なので、外見と全く合わない装備を放つ敵が出てくるため非常に違和感がある。 --超兵器の武装が崩れる ---元のモデルを無理矢理動かしているのか、ポリゴンが崩壊、砲の旋回基点がずれて空中に浮いているなど粗い作りが目立つ。 -バグ。 --AGS((誘導性を持つ速射砲。))の着弾点がややずれる。相手が大型艦ならあまり問題はないのだが、終盤登場する小型レーザー艦艇の掃討に一苦労する。 ---特にAGSは駆逐艦・フリゲートにとって強力な砲であるため、両者を生かす上でこのバグは少しつらい。 --PSP版では「AGS砲弾が着水しても消えない」というバグがあり、この影響で敵の弾を回避しても水中を突き進んで一周して戻ってくるという2次災害が起きている。 --電子撹乱ミサイルの不可解なバグ。使用したり、場合によっては装備しているだけでフリーズする。PSP版では修正された。 -余談であるが、プレイヤーに有利になるバグもあるにはある。 --本来ロックオン出来ない対象を無理やりロックできる。例えば水上艦を対艦ミサイルでロックし、ロックしたまま対空ミサイルに切り替えると、対空ミサイルで艦艇を攻撃できる。 ---対潜誘導魚雷を水上艦艇に使用すれば、通常魚雷よりも大ダメージを与えられる((しかも対潜誘導魚雷は酸素魚雷や誘導魚雷よりも先開発できる。))。 ---AGSでひみつ基地を攻撃出来る。爆雷を忘れた時のあがきとして。 ---対艦兵装である電子撹乱ミサイルで航空機を直接攻撃できる。電子装置を使用不能にするという設定の為か、いかなる航空機であっても一撃で撃墜出来る。超兵器も例外ではないので… -タイトルが前作と紛らわしい。 --同機種内の鋼鉄の咆哮シリーズに絞ると、『鋼鉄の咆哮2 ウォーシップガンナー』(2003)→『鋼鉄の咆哮2 ウォーシップコマンダー』(2004)→『ウォーシップガンナー2 鋼鉄の咆哮』(2006)。%%全部同じじゃないですか!?%% ---- **PSP版の問題点 改善点も多いが、問題点も増えている。特にゲームバランスの調整が極端になっており、[[無双シリーズ]]の影響が窺える。 -ボスの耐久値。 --さらに硬くなっており、非常に長期戦となる。 -超兵器の兵装が超強化 --一部の超兵器の兵装が大幅に強化され、80cm砲や100cm砲に換装されている。戦艦でも2発も喰らえば沈む威力を持つ上に射程も非常に長い。 ---このため「レーザー戦艦」や「波動砲装備の戦艦」の超兵器なのに、副砲?の100cm砲が最大脅威となってしまっており何かおかしい。 ---ではレーザーやビームの類が弱いかというとそんなこともない。威力こそ100cm砲に比べれば控えめだが、回避が困難な上途切れること無く乱射してきてガリガリ耐久力を削ってくる。 --対抗策が無いわけではないのだが…ゲームバランスのおかしさが余計引き立つ。 ---どうせ当たれば終わりなら、ということで回避に優れ魚雷も使える駆逐艦プレイが推奨される場合も。 ---''チャフグレネード''が最重要兵装と言われるほど重要になっている。チャフグレネードにはミサイルを引きつける他に、非誘導兵器の照準を外す効果もあるため、これが有るのと無いのでは被弾率が目に見えて違ってくる。 ---PSP版では航空機が強化されているため、艦載機に任せるという手もある。砲撃の届かない場所で距離を取って待ってれば、そのうち艦載機が倒してくれるが…。 ---VERYEASYで挑めば砲撃を受ける前に倒せる程耐久力が下がる。1周目などストーリーがどうしても進められない時の最終手段で。 -防御装置の仕様変更。 --光学兵器の威力を軽減する「電磁防壁」と、実弾兵器の威力を軽減する「防御重力場」が弱くなった。 ---PS2版までは高性能のものを装備していればまず負けないが。今作では最高ランクのものを装備した戦艦でも100cm砲など5発前後で沈む。 ---光学兵器も侮れなくなっている。超兵器のそれは当然として、数で押してくるザコのレーザーもなにげに痛い。 -産廃兵器の増加 --ハウニブーシリーズ ---シリーズ通じて最高のレベルの能力を持っていたハウニブーシリーズだが、PS2版でも独特の飛び方ゆえの攻撃頻度の少なさだったが、他航空機強化の煽りを受けてさらに価値が失われた。 ---普通の飛び方をするあひる航空機シリーズもあるし… --波動砲 ---前作までは連続ヒットしていた様で、超兵器でも一撃で轟沈できるほどの威力が有ったが、今作では1ヒットしかしないので威力が大幅に激減((プレイヤー艦の耐久力なら一発で沈む威力は有るのだが。))。 --一方で、追加された160cm砲はチート級の破壊力がある。超兵器すら数発で、しかもアウトレンジで一方的にタコ殴りできる。入手難易度もそこまで高くない。 --ほかにもにゃんこビームも強力な面制圧能力のある兵器であり、産廃と優秀兵器とのギャップがいささか大きい。 ---- **総評 従来のシリーズとは大きく仕様変更された部分がある特異な作品となっているが、良く仕上がっている。~ シナリオ本編は一応シリアスなのに、戦闘時は敵味方共に無茶苦茶かつバカバカしい兵器で暴れまわるバカゲーであるのだが、アクション面は非常に良好である。~ 史実艦への強いこだわりがないのならば、プレイして損はない。 ---- **移植版 -PSP版は、武器が追加され、バグの修正や一部アイテムの取得条件の緩和、PS2版では使い物にならなかった航空機の強化など、おおむね改善されている。 --また、超兵器が大幅に強化されているため、アクションゲームが苦手な人にはややハードルが高くなっている。~
//記事移転議論スレ@したらば経由で、バカゲー判定より移転。 #contents(fromhere) ---- *ウォーシップガンナー2 鋼鉄の咆哮 【うぉーしっぷがんなー つー くろがねのほうこう】 |ジャンル|アクション|&amazon(B000K72LYG)| |対応機種|プレイステーション2|~| |発売元|コーエー|~| |開発元|コーエー|~| |発売日|2006年2月23日|~| |定価|7,140円|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |~|BGCOLOR(MistyRose):''バカゲー''|~| ---- **概要 マイクロキャビンが開発した『鋼鉄の咆哮』シリーズの第6作目。~ ''PS2版はコーエーが開発しており前作「鋼鉄の咆哮2 ウォーシップコマンダー」まではマイクロキャビンも関わっていたが、本作は「亡国のイージス2035」を作った開発チームと同じであるため原作表記のみとなっている。''~ そのため、''旧作と比べると別の味付けとなっており、シリーズの中でもかなり異色。'' -『鋼鉄の咆哮』シリーズは、初代『鋼鉄の咆哮』をベースにトップビュー(俯瞰視点)を用いたラジコン操作感覚で手軽に海戦アクションを楽しめる『''ウォーシップコマンダー''』と、シリーズから派生して艦の後ろや砲撃手からの視点を用いたTPS・FPS感覚で海戦アクションを楽しめる『''ウォーシップガンナー''』に分かれている。本作は、『''ウォーシップガンナー''』の2作目に位置づけられる。 鋼鉄の咆哮シリーズを大別すると3つの流れがある。 -PC版ウォーシップコマンダーシリーズ --2000年 PC『鋼鉄の咆哮 ウォーシップコマンダー』 --2002年 PC『鋼鉄の咆哮2 ウォーシップコマンダー』 ---2003年 PC『鋼鉄の咆哮2 ウォーシップコマンダー エクストラキット』(2のパワーアップキット。一応単独でもプレイ可能) --2004年 PC『鋼鉄の咆哮3 ウォーシップコマンダー』 -PS2版ウォーシップコマンダーシリーズ --2001年 PS2『鋼鉄の咆哮 ウォーシップコマンダー』(PC版1がベース) --2004年 PS2『鋼鉄の咆哮2 ウォーシップコマンダー』(PC版2とは別物) -ウォーシップガンナーシリーズ --2003年 PS2『鋼鉄の咆哮2 ウォーシップガンナー』(PS2版『鋼鉄の咆哮 ウォーシップコマンダー』が『鋼鉄の咆哮1』にあたる) --2005年 PS2『亡国のイージス2035 ウォーシップガンナー』(原作付きスピンオフ) --2006年 PS2『ウォーシップガンナー2 鋼鉄の咆哮』(本作) ---2009年 PSP『ウォーシップガンナー2 ポータブル』(本作 PSP移植版) ---- **あらすじ 主人公はカムチャッカ半島あたりにある架空の国の海軍士官。WW2(第二次世界大戦)直前の時代に祖国がクーデターに遭い演習中に命を狙われる。~ 辛うじて軍艦で脱出し同盟国の日本に逃げ込むが、祖国はクーデターと同時に世界各国への侵略を開始。~ 侵略する艦隊から各国を護り、最終的に独裁者を倒すのが目的である。 プレイヤーは戦略パートにて艦船をデザインし、戦闘パートにて自作した艦で敵艦隊を撃滅していくことでストーリーが進む。 ---- **バカゲーとしての側面 -ストーリーだけ見れば平凡に見えるが、中身はまさにカオス。 --序盤はWW2時の兵器(大砲、魚雷、機銃など)を使って戦うが、中盤になるとミサイル、CIWS((ミサイルを迎撃する機関砲。史実で登場するのは1970年代ごろ。))、速射砲などの現代兵器、ヘリコプターやジェット機などの現代航空機が使えるようになる。艦船も現代艦船であるフリゲートが登場する。 ---ヘリコプター、ジェット機は条件さえ揃えれば序盤でも使用可能。 --最終的にはレールガン、レーザー、超音速魚雷といった近未来に完成すると思われる兵器や、史実の倍以上の砲口径を誇る100cm砲((史実の艦砲は大和の46cmが最大。計画だけなら51cm砲もあった。))といった無茶苦茶な兵器、波動砲((なお波動砲の発射時は一時的にすべてのエネルギーを消費する(という設定)のため一時停止する。「対ショック、対閃光防御。」))、荷電粒子砲、ドリル戦艦と言ったどっかのアニメやシューティングゲームで見た事がある兵器、さらにはUFO、ねこビーム、カニ光線、あひる戦闘機、あひる戦艦、サメ潜水艦などのおかしな兵器を開発することができる。 --軍艦旗も設定できるのだが、旭日旗や海兵隊旗、ホワイトエンスンといった史実に沿ったもの((ドイツ帝国旗もあるがデザインは変更されている。))から、優勝旗、ペナント、若葉マーク、果ては可愛らしいアヒルが描かれた旗など「それは軍艦旗なのか?」というようなものまで登場する。解説も滑稽で面白い。 ---しかも、そうした軍艦旗の一部はいろいろな付加効果があるため、非常に有益。 --艦体にさまざまな補助効果をもたらす「補助兵装」も活用できる。レーダー、ソナーといったごく普通のものからイージスシステムのような現代兵装、敵兵装のダメージを軽減する「電磁防壁」「防御重力場」といったSFチックなもの、火災・浸水などの災害を完全防止する「お守り装置」のようなゲーム性重視の強力な兵装、さらには速力、耐久力、旋回性能といった軍艦の基礎性能の底上げや全兵装自動化など特殊な機能を付与できる「謎の装置」なるものまで登場する。 -敵のボス的な存在として「超兵器」と呼ばれる軍艦や航空機などが登場するが、これもすごい。 --前半では80ktで走り回る超高速戦艦、二隻の船体を横に連結させた双胴(そうどう)戦艦や双胴揚陸艦、超大型爆撃機など架空戦記に出てきそうな兵器を相手にするが、中盤になるにつれて艦首に巨大なドリルを装備したドリル戦艦、160cm砲を搭載した列車砲、コロニーレーザーのような太い光線を放つ航空機や海上要塞などだんだんとぶっ飛んでいき、最終的には反物質兵器を放つ超兵器が登場する。 --超兵器自体はシリーズ恒例なのだが、今作では「超兵器とは何か?」という疑問に、今作独自とはいえ明確な答えを提示している。そのため超兵器の禍々しさはシリーズでも随一。 -一度クリアすると腹筋崩壊物のギャグシナリオ『特殊任務』をプレイ可能。 --古き良き時代の日本の親父を具現化したような主人公の士官学校時代の教官はポンコツオヤヂと化し、超兵器への科学者としての興味と恐ろしさに悩む若き天才女性科学者はヤクザ映画の大ファンで妙な広島弁で話し始め、ある重大な秘密を持つ主人公の後輩(男)はオカルト趣味で電波を受信している上、主人公(男)に恋心を抱くキャラとなる。その他の人物たちも完全にぶっ壊れている。 --ここで登場する超兵器も変なヤツばかり。主人公に果たし状を出してくる「ドリル三兄弟」や、Win版恒例の「ゴキブリ」と呼ばれる目視できない戦艦。特にラスボスは爆笑モノ。超兵器とオペレーター嬢のやり取りも面白い。 ---- **評価点 -旧作を上回る、濃厚なストーリー。 --前作までは申し訳程度のストーリーであったが、WSG2では3つのシナリオルート分岐が用意されており、ルートごとに変わる物語のテーマなど内容にも力が入っている。 --個性豊かなキャラクターが多く、声優陣も豪華((筑波役:郷里大輔氏、ブラウン役:鈴木麻里子女史、ヴェルナー役:私市淳氏 etc...))。「敵艦撃沈!」「敵増援出現!」など戦闘中のボイスもシナリオルートによって対応する副官のボイスに変化する。 -丁寧なチュートリアルの追加。 --旧作でもチュートリアルはあったが、本作では今までよりかなり丁寧に解説してくれる。海軍用語や軍艦建造及びスペックに関わる専門用語も取扱説明書やゲーム内に解説が記載されている。 --そもそもマニアックなゲームなためミリタリーに関して知識がないと訳が分からないことが多いが、丁寧に解説してくれるため取りつきやすい良い仕様である。 -&bold(){自分が操る艦船を自由に設計できる「HLGシステム」。} --鋼鉄の咆哮シリーズの象徴ともいえるこのシステムは、兵器スロットを入れ替えるだけのものではなく、艦首、艦尾のごく一部を除く甲板上であればどこでもパーツを配置できるという、さながらパズルやブロックを組み上げるようなシステムとなっている。~ このため大和、アイオワ、ネルソン、ビスマルクなど現実の名軍艦を再現することも魔改造することもできるし、90ktの超高速艦や、双胴戦艦、航空戦艦など現実では造れない・未完成や不首尾に終わった設計を成立させることもできる。果ては大砲を所狭しと並べたりレーザー兵器のみを積み込んだりといったトンデモ艦船を造れるなど、設計の自由度は本当に高い。設計画面において史実の軍艦をワンタッチで再現可能な「特殊設計図」(いわゆるプリセット)もある((プリセットは100種近くあり、大和や島風、アイオワなどはもちろん架空艦やエウロパといったマイナーな計画艦や、"どこか"で見た日本の護衛艦まで存在))。 --どこに何を置くか、制限重量((船体に兵装等を積み込める上限値のこと。ゲーム中の表記に準拠。))をどうやり繰りするか、有効な兵装は何か、速度と攻撃・防御のバランスをどう保つか、あるいは造形美を追及するのか…といったことを試行錯誤しながら設計する楽しみがある。また、有効性を確かめるための「試験航海」もできるため、数値だけでは分かりにくい、実際の運用面も事前にチェックできる。 ---機関の配置を「シフト配置((エンジン(主缶+主機)を前後で区切ることで、片方のエンジンが破損してももう片方のエンジンで動き続けることができるようにする配置方式。エンジンからスクリューまでの動力伝達配置が複雑化するため重量が増える。))」にすること(実際に性能が変化する)や集中防御と完全防御を選択することもできる(これらはパーツの配置に応じて自動的に変化する)。 --空母にもVLSが搭載可能になった((Win版ではEKから登場する特殊空母のみ搭載可能だった。))。 --PS2版では初となる「潜水艦」も設計可能となった。また本作で「フリゲート」が初登場した。 ---本作のフリゲートは駆逐艦並の小規模船体ながら排水量が大きく、10個もの補助兵装を搭載可能、かつ少数だが航空機運用能力も有する、駆逐艦の強化版というべき艦種。プレイヤーからは戦艦に並ぶ強力な艦とされ、高難易度攻略のカギともなる。 -国籍別兵器生産タイプの廃止。 --前作まではゲーム開始時に日本/アメリカ/イギリス/ドイツの4種の中から兵器生産タイプを選ぶ必要があり、決めてしまうと変更不可能でパーツも共有できなかったが、本作では生産タイプ自体が廃止され様々な国のパーツが混ぜて使えるようになり、艦設計の自由度が大幅に向上した。 ---開発についてはシナリオによって若干の制約がある(例えば日本ルートでは酸素魚雷を開発できるが、ドイツルートでは代わりに誘導魚雷となる等)。また日本は戦艦や駆逐艦が強力、アメリカは空母、航空機が優秀といった国籍ごとの特徴もある程度残っている。 -VTOL機((垂直離着陸機。代表機種はハリアーやF-35B。))、ヘリコプターおよびヘリポートの追加 --従来のPS2版の作品では、戦艦と巡洋艦は射出機と水上機(序盤から生産、使用可能な代わりに性能は航空機の中でも最低)しか搭載できなかったため、中盤あたりで水上機が戦力外になると艦載性能は宝の持ち腐れと化してしまっていたが、ある程度性能が向上したこれらの装備が追加されたことで終盤でも補助程度の活躍が見込めるようになった。~ ハリアーやシーリンクスなどお馴染みの海軍機の他、トリープフリューゲルやXFY-1ポゴ((いずれも開発段階で中止されたテイルシッター型VTOL機))といったマニアックなものまで、参戦機体も様々。 ---ヘリポートは駆逐艦にも搭載可能となっているため、実質的に潜水艦以外の全艦種で艦載機を運用できる。~ なお新艦種のフリゲートはヘリポートを搭載しなくてもヘリ、VTOL機を運用可能。 --敵艦が落とした弾薬補給や設計パーツなどのコンテナを自動で回収してくれる「救助ヘリ」が非常に便利。中には、救助ヘリがないと取れないアイテムもある。 --前作までは空母でしか運用できなかったUFO(「ハウニブー」シリーズ)もヘリポートから発艦できるようになった。 -艦種ごとのバランスが修正された。 --具体的には艦の性能を大きく変える「補助兵装」の搭載数が艦種によって変わっている。旧作では全艦一律で7つまでだったため単純に基礎性能の高い戦艦が有利だったが… --今作では駆逐艦は補助兵装を9つ搭載できるようになり、終盤での砲弾・防御力不足を補えるほか長所である機動性をさらに強化できるようにもなった。従来の作品だとHPが低く、兵装も乏しい駆逐艦での攻略はゲームクリアでもしない限り厳しかったが、今作では駆逐艦で全てのステージをクリアすることも容易になった。 --逆に戦艦は耐久力に優れ、大型かつ強力な兵器や多数の兵装・弾薬を搭載できるが、補助兵装が6つ(PSP版では7つ)しか装備できず速力や耐久力の底上げが困難なため、場合によっては思わぬ被害を受けるリスクが増大している。 //↑以前の版の書き方では「このゲームの戦艦は使い物にならない」と受け取られる恐れがあったため差し戻しました。 ---こうした要素のため、戦艦でごり押しするという作戦は従来の作品に比べても取りにくく、ミッションごとに有効な艦を選ぶ必要がある。 -アクション面も改良されている。 --TPS視点のため、飛び交う砲弾・レーザー、迫りくる敵艦、超巨大な超兵器などの迫力は物凄い。 --弾切れした兵装があるときに敵艦を撃沈すると高確率で弾薬が出てくる。このため、弾切れに悩まされにくい。弾幕シューティングよろしく砲撃を行うこともできるため、爽快感も大きい。 --耐久度を任意で完全回復できる。これまでのシリーズでは耐久度の回復手段が限られていたため、かなりプレイしやすくなっている。 ---しかし、耐久度を完全回復させる「完全修理」中は機関・兵装停止する上、「完全修理」中の被ダメージは2倍になるというリスクもある。そのため、大ダメージを回復させるタイミングをしっかり見極める必要がある。 --超兵器の特定部位を破壊することが可能となった、それに応じて変化もある。 ---艦橋を破壊されドリルが止まるドリル戦艦。艦尾を破壊され潜航できなくなる潜水艦など。また破壊時には副官の台詞も聞ける。 ---特定部位を集中攻撃、破壊して弱体化を狙うという、さながら『モンスターハンター』のような躍動感ある戦い方が楽しめる。 --2周目からは各ステージに2周目開始時にはやや強すぎるくらいの強敵が配置されるので、退屈することもない。 ---- **賛否両論点 -超兵器戦における過去作での「お約束」が削られた。 --これまでの超兵器戦では、接近すると警報が鳴り、副官がフルボイスで「超高速巡洋戦艦ヴィルベルヴィント接近!」などと言って臨場感を盛り上げていたが、今作ではボイスで超兵器名が読み上げられることは無くなりイベントが発生するにとどまっている。初見である超兵器の名前は分からないのだから当然と言えば当然だが、少し寂しい。 ---『鋼鉄の咆哮3』の場合は「ステージ開始前に諜報員が情報をキャッチしているため名前が判明済」という設定がある(一部の超兵器は前情報無しに叫んでいるが…)。 ---一応、今作でもブリーフィング前のイベントシーンで名乗りを挙げる超兵器はいる。 --超兵器が搭載する兵装について、前作までは「最初は1番から4番の兵器まで使い、中破すると4番から7番までが解放、全兵器を使用する」というシステムがあったが、今作では全ての兵装を最初から行使してくるようになった。 ---「損傷しているはずなのに強化されるとはどういうことなのか?」と思われるかもしれないが、超兵器を追いつめるごとに強くなり戦闘が熱くなる、というのも鋼鉄の咆哮シリーズの面白さであったし、「超兵器」を名乗る以上単なる損傷で弱体化してしまうのでは面目丸つぶれと言っても過言ではないという意見もあるだろう。 ---絶望的な能力を持つ敵を弱体化させて渡り合うという、旧作とは方向性の異なるカタルシスを求めた結果という可能性も考えられるが。 ---ただし今作でも戦闘中に一定条件を満たすと強化される超兵器もいる。 -空母への兵装の搭載仕様が変更。 --旧作までは兵装は右舷側に寄せて配置され、甲板は航空機の離着陸の邪魔にならないよう設置不可能であった。今作では砲兵器やミサイル発射機は旧作通りの配置なのだが速射砲や光学兵器等の一部の兵装は堂々と甲板のど真ん中に置けてしまう。 ---「レーザーポインター」という航空機に攻撃目標を指示できる空母専用装備があるのだが、装置が非常に大型な上に飛行甲板上に直置きしなければならないため、大抵の場合航空機が装置を貫通して発着艦することになってしまう。 --見た目は極めて劣悪だが、兵装が多く載せられるため艦自体の性能に関しては格段に上がっている。 ---というより肝心の航空機が問題点に記述されているような有様なので、こうでもしなければ空母は活躍できない。 -バグが多め(主に兵装関連)。ただしプレイヤーに有利になるバグもある。 --AGS((誘導性を持つ速射砲。))の着弾点がややずれる。相手が大型艦ならあまり問題はないのだが、終盤登場する小型レーザー艦艇の掃討に一苦労する。 ---特にAGSは駆逐艦・フリゲートにとって強力な砲であるため、両者を生かす上でこのバグは少しつらい。 --PSP版では「AGS砲弾が着水しても消えない」というバグがあり、この影響で敵の弾を回避しても水中を突き進んで一周して戻ってくるという2次災害が起きている。 --電子撹乱ミサイルの使用時に(場合によっては装備しているだけで)フリーズする。PSP版では修正された。 --高角砲の砲弾が何故か地形を貫通する。射程の長さも相まって山を隔てた場所にある地上物を回り込むことなく破壊することもできるので便利。 --本来ロックオン出来ない対象を無理やりロックできる。例えば対艦ミサイルの精密射撃モード((射程内の目標に対して自動照準追尾が起動し、射撃ボタンのみで攻撃を当てられるモード。システムとして最初から使用可能。))で水上艦を狙い、そのまま対空ミサイルに切り替えて発射すると、水上艦に対空ミサイルが飛んでいく。 ---対潜誘導魚雷を水上艦艇に使用すれば、通常魚雷よりも大ダメージを与えられる。(しかも対潜誘導魚雷は酸素魚雷や誘導魚雷よりも先に開発できる) ---またこれを用いて対艦兵装である電子撹乱ミサイルで航空機を直接攻撃できる。電子装置を使用不能にするという設定の為か、いかなる航空機であっても一撃で撃墜出来る。超兵器も例外ではないので… ---他にも爆雷でしか破壊できないはずの海底の機密施設をAGSで攻撃出来たりする。爆雷を忘れた際に役立つ。 --設計画面の機関配置時に特殊な操作を行うと、機関を縦に二段配置したり、本来2基しか搭載できない駆逐タービン、潜水モーターを4基配置できたりする。これを利用して機関の配置数を増やし速力をより強化したり、ボイラーや原子炉の数を減らして制限重量を節約することが可能。 ---- **問題点 -これまで見てきたように、架空戦記のノリなので、史実重視派にはまったく向かない。 --現実の船も造れることは先に述べたが、実際に造ってもあまり実戦では使いものにならない。 ---理由は中盤以降になると40kt以上の超高速艦でないと敵の攻撃を回避できないため。現実の戦艦や駆逐艦では、常時これだけの速力を出せる艦はあまり存在しない((具体的には戦艦でせいぜい20~30kt程度、駆逐艦でも40ktに迫る艦はごく少数))。 ---そもそも艦船とは複数の味方艦と隊列(艦隊)を組んで戦うものである。しかし本作では基本的に単艦、つまり自分一人での戦いを強いられるため、例えば航空機やミサイルなどを撃ち落とすための防空兵器にしても、坊ノ岬沖海戦時の大和のように1隻に大量の対空兵装を積み上げなければ使い物にならない。そして当然、艦隊を組んで戦うことを前提に設計された史実の艦船では、多勢に無勢な敵の砲火に飲み込まれて沈むのがオチである。 ---後半になると超兵器はおろか雑魚ですら固くなるので、史実で最大の46cm三連装砲でも威力不足。そのため、SF風味の武装でなければ歯が立たない。 ---装備が強力になるにつれて艦型や上部構造物も現代艦風味のものになるので、WW2風の艦で遊びたい人間には少々酷。 --金剛型、扶桑型、長門型の副砲のような、いわゆる「ケースメイト式」の砲配置は選択できないためこれらの艦の再現度は落ちてしまう((鋼鉄の咆哮3では登場したが今作には存在しない))。また艦橋の設置が不可欠であるため空母も龍驤のようなフルフラット構造にはできない。 ---上記の艦はいずれも特殊設計図が用意されているがケースメイト砲は複数連装の砲塔として甲板上に置かれ、龍驤にはやむなく艦橋が建てられている。 --前作(WSG)にあったWW2モードは削除された。 -超兵器の特徴が活かされていない点が多い。旧作から登場する一部の超兵器は登場時期、ポジション的にも冷遇されているものもいる。 #region(長文及びネタバレ防止のため格納) --例えば鋼鉄の咆哮シリーズ初代から毎回登場する「超巨大航空戦艦ムスペルヘイム」というプラズマ兵器を主に使う強力な超兵器がいるのだが、本作では光学兵器すら装備していない上に搭載機もジェット機は少なく弱いレシプロ機がほとんど。さらには旧作のラスボス前座扱いから中盤のボスに格下げされてしまった。 ---高性能のジェット機と強力な艦載兵装で旧作では猛威を振るっていた超兵器だが、見る影もない。一応、驚くくらいにはロケット兵器を大量に撃ってくるが…。 --「超巨大レーザー戦艦グロースシュトラール」はレーザー戦艦と言いながら、過去作で搭載していた「αレーザー」、「βレーザー」、「γレーザー」があろうことか実弾砲とミサイル、ロケットに換装されてしまい、光学兵器は荷電粒子砲くらいしか撃ってこなくなった。 ---上記ギリシャ文字レーザーは今作の仕様上((一度の射撃で複数本のレーザーが放たれ、命中した本数ごとにダメージが倍加する。))、一撃必殺の威力となりゲームが詰んでしまいかねないため撤去されるのは仕方ないにしても、エレクトロンレーザーや怪力線照射装置など無難な光学兵器に載せ替えることもできたはずである。 --歴代でラスボスを務めた「超巨大戦艦ヴォルケンクラッツァー」がついにその座を明け渡した。搭載兵装も変更されている。 ---相変わらず波動砲を装備しているが、前作まで共通で装備していた「δレーザー」や「レールガン」などが外されてしまった((一応高難易度では「砲塔型レールガン」を装備する。))。それらは今作ラスボスである新登場の超兵器に載せ替えられており、これについても格下げを感じさせる。 ---ただしコマンダー、ガンナー両シリーズを通して常にラスボスの座に居座り続けていたことから((鋼鉄の咆哮3で超巨大戦艦リヴァイアサンが枢軸同盟ルートのラスボスとして初登場したが、他2つのルートでは依然ヴォルケンクラッツァーがラスボスを務めていた。))マンネリ的な声も多かったため、ラスボス交代に関しては肯定的な意見もある。また威圧的なスケールや一部で語り草になるほどの登場時演出、味方サイドの緊迫感ある台詞回しなどもあり、元ラスボスとしての威厳はさほど失われていない。 --鋼鉄の咆哮3での好評故か、同作から唯一の続投となった「超巨大航空戦艦リヴァイアサン」だが、最大の特徴であった「レールガン」が撤去されてしまった。しかも登場ムービーではレールガンを展開するのに戦闘に入ると格納状態になっているという謎の演出付き。 ---代わりに装備された「光子榴弾砲」もこれ自体は強力な兵器なのに、艦橋をわざわざ破壊してやらないと使用してこないため影が薄い。 ---ただし1周目限定で、セリフが入った後に乱射してくる巡航ミサイルは即死級の威力を持ち、迎撃が追いつかない場合大変な脅威となる。 ---こちらは上記のヴォルケンクラッツァーとは違い何故か艦体のサイズまで縮小されており、ガンナーシリーズの評価点である迫力感をも奪われてしまった。 --今作初登場となる超兵器「超巨大攻撃機フォーゲル・シュメーラ」も上記のグロースシュトラール同様、「多数の光学兵器を搭載する、レーザー戦艦の航空機版」と言われながら、本体に光学兵器は一切搭載していない(一応、怪力線のようなレーザーを放つ浮き砲台を投下してくる)。 ---加えて、「超兵器機関の作用により、周辺大気を帯電させて雷を落とす」という設定もあり、戦闘中は天候が雷雨になるのだが、落雷による攻撃などはしてこない。エフェクト的にぴったりなプラズマ兵器(とりわけ拡散プラズマ砲)もあったのだが…。 #endregion -最大難易度では、超兵器の耐久力が非常に高い。 --これはPS2版の第一作目であるウォーシップガンナーでも問題だったが、2作目のコマンダーで改善されたはずなのにまた戻ってしまった。 ---概要に記した開発チーム交代の件も影響していると思われる。 --敵の射程外から長時間一方的に攻撃をするということになり作業感が強い。 --PSP版では防御力の向上などでさらにタフになっているが、敵の搭載兵器の射程も伸びているため回避しながらの戦闘など、作業感は若干薄れた。 -空母でのプレイに不満点が多い。 --コマンダーシリーズの空母には格納庫を配置することで搭載機数を増やすことができるというシステムがあったのだが、本作を含むガンナーシリーズでは船体ごとに搭載機数が固定されており増やすことはできない。その機数も多くなく、例えば史実では80機以上運用できた翔鶴型の船体にたったの15機しか搭載できない。 --また今作では航空機の火力が致命的に低く、敵が全く撃破できない。艦載機任せでのミッションクリアはほぼ不可能で、賛否両論点にあるように母艦に兵装を積み上げて突撃しなければならず、空母の意味が無い。 --戦闘中に喪失した航空機はドック(メインメニュー)に戻るまで補充できない。 -救助ヘリの挙動がいまいち。 --複数のヘリを出撃させても、すべての機が一番近い漂流物に向かってしまうので無駄が多く、漂流物が時間切れで消滅してしまうこともしばしば。 -潜水艦は、原子力潜水艦でなくともいつまでも潜行していられる。 --鋼鉄の咆哮3では、バッテリーが切れると浮上して充電する必要があったため、攻撃を受けにくい潜航状態にも弱点が持たされていた。 --艦船そのものの操作・動きも(お手軽な反面)決して本格的とは言えないので(例として現代艦の船体であっても大戦時の潜水艦と同じく水中で速力が落ちるといった挙動、船体や装備を問わず深度300mまで潜航可能など)、本格的な操艦シミュレーション路線を期待しているとがっかりするだろう。 ---設計面でも速力の確保が困難だったり、船体や艤装のバリエーションが少ない、(ゲームシステム的に無理があり過ぎるとはいえ)日本の巡潜型、甲型のような「潜水空母」が造れないなどの点は多くのプレイヤーから不満が挙がっている。 -潜水艦を使用できるステージが制限されている。 --海上での艦隊戦ミッションなら出撃できるが、陸地のあるミッションでは使えない。 --また超兵器戦も出撃不可能となっている。 ---旧作で唯一潜水艦の使えた鋼鉄の咆哮3では、一部の超兵器に対して一方的に攻撃が可能という強力な艦種だった、それを防ぐためであると思われる。 ---PSP版では設定ミスなのか、「超巨大ドリル戦艦アラハバキ」戦だけはストーリーモード限定で潜水艦での出撃が可能(潜望鏡深度より深く潜航していればドリルは無効、対潜兵器による反撃も無し((ただし2周目では増援として対潜攻撃可能なミサイルを装備した超兵器双胴戦艦と超兵器潜水艦が出現する。)))。 --一方で潜水艦でしか出撃できないステージもあり、そのほとんどがルート、周回を問わず序盤から中盤にかけて出現する。 -兵器開発のコンプリートが廃人仕様。 --特定の艦船を一定数撃沈するたびに「累積戦果報酬」なる特典がもらえるのだが、その中で「航空戦艦999隻撃沈」というのが非常に厳しい。 ---航空戦艦はたった1面でしか登場せず、そこで撃沈できるのは最大4隻。つまりそのステージを250回以上プレイしなければならない。 --しかもこの特典がないと開発できないものがある。このため、全ての兵器を開発しようとしたらとんでもない時間がかかる。 ---一応、クリア済みのミッションを任意でプレイできる「演習」でいつでも挑戦できるもののきついことには変わりない。 -使い勝手の悪い兵器、補助兵装が多い。旧作から弱体化したものもある。 #region(先述した航空機を除く一例) --パルスレーザー ---過去作で対空兵装の決定版だった対空パルスレーザーが今作では弱体化。近距離を高速移動する航空機にまったく攻撃が当たらない。バグと思われるがベスト版、PSP版でも直っていない。 --噴進砲 ---駆逐艦の専用兵器、旧作では「射程は短いが威力が非常に高い兵器」であったのだが、今作では速射砲等と比べてパッとしないくらいに威力を落とされてしまいあまり使い物にならなくなった。 ---射程は伸びているので対地攻撃には使えないこともない。 //---PSP版では強化されたが、その影響で噴進砲を主兵装とするボス「デュアルクレイター」がとんでもない強さにパワーアップするという副作用も生じてる。 //↑PSP版でも威力は変わっていません。ただ、防御重力場が弱体化されているので痛いのは確かです。またデュアルクレイター戦はボスだけでなく雑魚艦の荷電粒子砲も超火力で脅威となっています。 --大口径ガトリング砲 ---旧作では圧倒的な連射速度でラスボスさえも易々と屠れる強力な兵器だったが、その連射速度を今作では大幅に落とされたうえに、ガトリング砲よりはるかに威力の高いAGSに連射機能が内蔵されたため完全に御株を奪われ、設置スペースと重量を無駄に食うだけの産廃と化してしまった。 --ミサイル系統 ---砲兵器より威力が高いわけでもないのに弾数が少なく、また射程も長くないので使いにくい。 ---特に多目的ミサイルは発射機・VLS共々最序盤の小口径砲程度の威力しかなく、他のミサイルと比べてあまりにも弱い。 ---ただし高威力&広範囲の特殊弾頭ミサイル、敵を行動不能にさせる電子攪乱ミサイルなどは強い。 ---PSP版では一応改善されたが、RAMのように使いにくいミサイルも相変わらず残っている。 --GPS誘導装置、INS誘導装置、GPS・INS複合誘導装置 ---本来ならイージスシステム使用時のロックオン兵装の射程を延長してくれる補助兵装なのだが、バグにより効果が無くなっており(PSP版でも修正されなかった)、数百tもの制限重量を無駄に浪費する文字通りの産廃となってしまっている。 ---仮にバグが無くきちんと効果があったとしても、そもそもの射程延長効果が重量に全く見合わない弱さなのでお蔵入りは免れなかっただろう。 --妖しいパワーの旗 ---(効果:極小という但し書きはあるものの)敵の命中率を低下させる効果がある旗らしいのだが、わざわざ特記するほどの効果が感じられない。 #endregion -敵のモデルの扱いが雑。 --旧作「鋼鉄の咆哮2 ウォーシップガンナー」から引き続き「提督の決断4」のモデリングを流用したものとなっている。 ---元のモデリングは史実に存在した艦だが、本シリーズはレーザーまで登場する世界なので、外見と全く合わない装備を放つ敵が出てくるため非常に違和感がある。 --超兵器の武装の動きもおかしい。元のモデルを無理矢理動かしているのか、ポリゴンが崩壊。砲の旋回基点がずれて空中に浮いているなど粗い作りが目立つ。 -タイトルが前作と紛らわしい。 --同機種内の鋼鉄の咆哮シリーズに絞ると、『鋼鉄の咆哮2 ウォーシップガンナー』(2003)→『鋼鉄の咆哮2 ウォーシップコマンダー』(2004)→『ウォーシップガンナー2 鋼鉄の咆哮』(2006)。%%全部同じじゃないですか!?%% ---- **総評 従来のシリーズとは大きく仕様変更された部分がある特異な作品となっているが、良く仕上がっている。~ シナリオ本編は一応シリアスなのに、戦闘時は敵味方共に無茶苦茶かつバカバカしい兵器で暴れまわるバカゲーであるのだが、アクション面は非常に良好である。~ 史実艦への強いこだわりがないのならば、プレイして損はない。 ---- *ウォーシップガンナー2 ポータブル 【うぉーしっぷがんなー つー ぽーたぶる】 |ジャンル|アクション|&amazon(B002MZYU5W)| |対応機種|プレイステーション・ポータブル|~| |発売元|コーエー|~| |開発元|コーエー|~| |発売日|UMD版:2009年11月12日&br()DL版:2011年12月15日|~| |定価|UMD版:5,040円&br()DL版:2,515円|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |~|BGCOLOR(MistyRose):''バカゲー''|~| ---- **概要(PSP) 2009年発売のPSP移植版。2011年にはダウンロード版が販売開始。PSVita、VitaTVでもプレイ可能。~ タイトルから「鋼鉄の咆哮」の文字が削除されている。 ---- **追加点(PSP) -アドホック通信を用いたマルチプレイモード --最大4人のプレイヤーが協力してミッションをこなす「協力プレイ」、プレイヤー同士が戦う「対戦プレイ」を楽しめる。また自分が造った艦船の設計図を他のプレイヤーと交換することもできる。 --マルチプレイで手に入る勲章も追加された。 ---一人でもマルチプレイのミッションに挑戦することができるうえ、対人通信が必須の勲章は存在せず功績値を貯めるだけで手に入るのでコンプリートの支障にはならない。 -新たな兵装・航空機 --超兵器専用装備だった「160cm砲」「反物質砲」がプレイヤーにも使用できるようになった。 ---これらは並の超兵器を十数発程で破壊できる火力と長大な射程を備えるうえ、精密射撃モードを使わず適当に照準を向けて発射するだけで弾が目標を自動追尾するというチート級の兵装である。 --航空機も対艦番長ことF-2を始め、タイフーン、ラファール、グリペンなどフライトシューティングゲームでも有名な機体が追加されている。 ---PS2版から外見が変更された機体もある。中でも大幅なモデルチェンジとなった本作オリジナル機体「F-15EX 蒼天」は高性能と相まって人気が高い。 -難易度「Ultra Hard」での変更点 --PSP版ではチート級の補助兵装「謎の装置η」(全兵装スロット自動化)と「無限装填装置」(弾薬無制限)の2種が通信対戦同様使えなくなり、加えて敵艦(超兵器含む)の装備、火力も凶悪なものに変貌する。 ---特に2周目配置でのUltraHard攻略は地獄のような険しさだが、全てのステージをクリアすれば後述のような特典もある。 ---- **改善・評価点(PSP) -PS2版では開発が不可能な兵装があり、それらは演習で必要な数を集めなければならなかったが、PSP版では登場する全ての兵装を開発することが可能となった。 --また難易度Ultra Hard、2周目以降設定にて全ステージSランクを取る、もしくはストーリーを10周すると全装備が開発可能になる。 ---しかしUltra Hardの難易度は追加点で述べた通りであり、10周クリアもかなりの根気が必要なため、おとなしく普通の条件を満たしたほうが早いだろう。 -既存の兵装は修正され使いやすくなっている。 --光学兵器は劣悪だった攻撃力や射程が強化。2周目の強くなった敵艦に対しても十分に通用するようになり存在感が増した。 --航空機も攻撃力が大幅に向上。艦載機のみでの敵殲滅も可能となり、空母らしいプレイができるようになった。 -出現する敵艦船の見直し --PS2版ではたった1ステージに4隻しか出てこなかった航空戦艦が、PSP版では1周目で16隻、2周目で24隻も出現する。また複数のステージで登場するようにもなったため気分転換でき、累積戦果報酬の獲得が精神衛生的にも楽になった。 ---- **賛否両論点(PSP) -ネタ兵器の最強化 --ここで言うネタ兵器とは、シリーズを通して「&bold(){生物(なまもの)兵器}」という総称で登場し続けている(いわゆる「お約束」)、バカゲーっぽい見た目の兵器のこと。PS2版では特に顧みられることもなかったが、PSP版では下記するような強化がなされたことで思わぬ脚光を浴びることとなった。 #region(恐るべき強化内容) ---「にゃんこビーム」は火力、射程、装填速度の主要な3要素がPS2版から大幅強化され、波浪も抑制されたことで稼働率も改善。謎の装置ηによる自動兵装化と無限装填装置を併用することで対潜以外の全目標を瞬時に殲滅できる、まさに「&bold(){汎用猫型決戦兵器}」とでも呼ぶべき最強兵装へと生まれ変わった。 ---「アヒル航空機((ゲーム中では「特殊機」という表記になっている))」も超強化。荷電粒子砲、対空パルスレーザー、2000lb爆弾、対潜ミサイルⅢといった最高クラスの航空兵装を装備し、機体性能も凶悪そのもの。作中最高の航空機搭載能力を持つ空母に満載して戦場の一切合切を蹂躙し尽くすこともできる。 ---「サメ潜水艦」は全艦種中最も船体のレパートリーが少ない潜水艦において、既存の船体とは一線を画す制限重量と耐久力を持ち、超音速魚雷やカニ光線などの強力だが重い兵装も難なく載せられるため、潜水艦船体の決定版となっている。 #endregion ---高難易度攻略時の強い味方として評価が高い一方で、硬派な海戦アクションの雰囲気から完全に浮いている外見には流石に難色を示す意見も多い。~ 後述する波動砲やハウニブーなど、人気の兵装が過去作から大幅な弱体化を受けた例も多い中でこの扱いであるため、「ネタ兵器が最強」「他の真っ当な兵装・航空機のほとんどを性能面で喰っている」と受け取り嫌悪感さえ覚えるプレイヤーも一定数見受けられる。 -敵艦の装備変更による火力の超強化 --一部の超兵器が80cm砲や100cm砲を搭載している。これらは過去作やPS2版から大幅に強化されており、&bold(){戦艦でも2発喰らえば沈む威力を持つ上に射程も非常に長い}。 ---あろうことかこれらは「レーザー戦艦」や「波動砲装備の戦艦」といった実弾以外の武装を売りにした超兵器にも装備されている。副砲のはずのこれら砲兵器が最大の脅威となってしまっており、PS2版で述べた”ボスの特徴が活かされていない”問題に拍車がかかる事態に。 --ではレーザーやビームの類が弱いかというとそんなこともない。威力こそ100cm砲に比べれば控えめだが、回避が困難な上途切れること無く乱射してきてガリガリ耐久力を削ってくる。また光学兵器は大量に出現するザコ艦船が装備していることも多く、中には即死級の威力を叩き出してくるものも。 ---''チャフグレネード''((金属片を散布することでミサイルを攪乱する装備))が最重要兵装と言われるほど重要になっている。チャフグレネードにはミサイルを引きつける他に、非誘導兵器の照準を外す効果もあるため、これが有るのと無いのでは被弾率が目に見えて違ってくる。 --「ゲームバランスがおかしい」と批判されることも多いが、敵の一撃必殺の猛攻を紙一重でかわしつつ立ち回る、ヒリヒリした戦闘を好意的に捉えるプレイヤーもいる。 ---以上の状況から、どうせ当たれば終わりなら、ということで防御を捨て去って回避に特化した駆逐艦プレイが推奨される場合も。駆逐艦なら強力な魚雷系兵装を使える点も大きい。~ またPSP版では航空機が強化されているため、艦載機に任せるという手もある。砲撃の届かない場所まで距離を取って待っていれば、そのうち艦載機が倒してくれる。 ---裏を返せば、一通りの艦種に活躍の機会が設けられているということでもある。特にPS2版で名前ばっかりだった空母が大きく成長した点は評価が高い。 --1周目などストーリーがどうしても進められない時の最終手段として、VERYEASYで挑めば砲撃を受ける前に倒せる程耐久力が下がる。 ---- **問題点(PSP) -一部兵器・補助兵装の弱体化 --ハウニブーシリーズ ---シリーズを通して最高レベルの性能を持っていたハウニブーシリーズだが、独特の飛び方ゆえの攻撃頻度の少なさと他航空機強化の煽りを受けて価値が失われた。 ---ただし、航空兵装は最高クラスで機体性能も圧倒的と、弱体化どころか実は強化されている。問題なのは同様の兵装、性能でなおかつ通常の航空機と同じ飛び方をするあひる航空機シリーズの方がはるかに使い勝手が良いという点である。ここでも「ネタ兵器が最強」というマイナスイメージを助長してしまっている。 --波動砲 ---前作までは多段ヒットしていた様で、超兵器でも一撃で轟沈できるほどの威力が有ったが、今作では何故か電磁防壁の影響を受けるうえ単段ヒットとなったので威力が大幅に激減した。 ---とはいえ、一部を除いたザコ艦船の群れを容易に消し去る程度の火力はある。 ---弱体化の主な要因として、新たに追加された160cm砲、反物質砲との差別化が考えられる。 --電磁防壁(光学兵器の威力を軽減)、防御重力場(実弾兵器の威力を軽減) ---ダメージ計算式が変更され、PS2版では「受けたダメージを○○%カット」という効果になっていたのが、PSP版では「受けたダメージに対する防御率を○○%アップ」となった((PSP版の最高位防御装置の防御率をPS2版の計算式で表すと、およそ50%程の効果に抑えられていることになる。))ため弱体化した。 ---PS2版までは高性能のものを装備していれば敵の攻撃をほぼ無力化できたが、PSP版では最高ランクの防御装置を装備した戦艦があっけなく沈むこともしばしば。 --自動装填装置 ---砲兵器への効果に対して上限が設けられ、PS2版のような高速連射ができなくなってしまった。またマルチプレイでは使用そのものができなくなった。 ---後述の処理落ちを軽減するための対策と思われる。 -ミサイル兵器の仕様変更 --自動兵装スロットや謎の装置ηを使って自動攻撃させた場合、PS2版では装填が完了次第即座に次弾を発射していたが、PSP版では同じ目標に対して1発以上発射されず、先に撃ったミサイルが命中または回避・迎撃によって消滅するまで次弾が発射されないようになっている。PSPの処理能力を考慮した仕様変更と思われる。 ---これにより対艦、対潜ミサイルと謎の装置ηの組み合わせによるダメージ効率が大幅に低下した。自動装填装置の弱体化と並んで爽快感を欠くような調整となってしまった。 ---一方で対空ミサイルに関しては、PS2版では無駄弾を撃ち過ぎてすぐ弾切れになっていたのがこの仕様変更で改善され使いやすくなっている。 -処理落ちが頻発する --PSP版最大の問題点。先述のように一部兵装を弱体化してまで抑えようとしたにもかかわらず、周囲に敵艦や魚雷、ミサイル、航空機が少し増えてくるだけであっけなく処理落ちを起こす。 ---酷いところではミッション開始直後から発生していることもある。 --処理落ち中は発射した砲弾が突然消滅したり、機銃や高角砲、対空パルスレーザーなどの迎撃兵装が甲板上から消失し、弾幕が薄くなってミサイルなどを迎撃できなくなってしまう。 -バグについては、電子攪乱ミサイルのフリーズなど一部が修正された一方で新たに増えたものもある。 --累積戦果報酬の条件をマルチプレイにて満たすと報酬が貰えなくなる。設計パーツであれば先述した2周目Ultra Hard全ステージSランク達成報酬もしくはストーリー10周クリア報酬の全設計パーツ開発で補えるが、特殊設計図でこのバグが発生した場合に同様のカバーが効くかは不明。 ---- **総評(PSP) マルチプレイモードや新たな兵装の追加、バグの修正、一部アイテムの取得条件の緩和、PS2版では使い物にならなかった航空機の強化など、おおむね改善されている。~ ただし、[[無双シリーズ]]の影響を思わせる極端なゲームバランスに調整されており、アクションゲームが苦手な人にはややハードルが高くなっている。

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