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*イースSEVEN 【いーすせぶん】 |ジャンル|>|アクションRPG|CENTER:&amazon(B001YQGR1U)&amazon(B00322PG34)&amazon(B004KNYDFQ)| |対応機種|>|プレイステーション・ポータブル&br;Steam|~| |メディア|>|UMD 1枚|~| |発売・開発元|>|日本ファルコム/XSEED(Steam)|~| |発売日|通常版・同梱版|2009年9月17日|~| |~|ダブルセット版|2010年3月18日|~| |~|トリプルセット版|2011年3月26日|~| |~|Steam版|2017年8月31日|~| |定価|通常版|6,090円|~| |~|同梱版|7,980円|~| |~|ダブルセット版|7,900円|~| |~|DLセット版|5,200円|~| |~|トリプルセット版|9,240円|~| |~|Steam版|2,480円|~| |レーティング|>|CERO:C(15才以上対象)|~| |廉価版|>|PSP the Best|~| |~|>|2011年7月14日/2,940円|~| |判定|>|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |ポイント|>|新たにパーティーシステムが導入|~| |>|>|>|CENTER:''[[イースシリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- ~ #center(){{ &big(){''終焉と創造の大地へ――''} }} ~ ---- **概要 日本ファルコムの長寿シリーズ、『[[イース>イースI/II]]』シリーズのナンバリング第7作。~ 同社が『空の軌跡』シリーズなどの移植で足場を作ってきたPSPでの新規作品。~ 以前から構想があった『アルタゴの五大竜』を元にしている。 本作では、新たにパーティプレイが導入された。シンプルなARPGだったこれまでのシリーズから大きく進化した一作である。~ これまでは操作キャラは1人だけで、外伝的作品を除けばアドルのみだった(一時的な同行キャラがいたことはある)。 ---- **特徴 -パーティーシステムについて --主人公のアドル(固定)+他2人の3人で編成でき、操作キャラクターはいつでもワンボタンで変更可能。~ 操作キャラ以外は追従し自動で攻撃もしてくれるAI搭載。 --パーティ内のキャラによって与ダメージ増加などの支援効果を得られる。 --味方の攻撃と敵の弱点には斬・打・射の三属性があり、敵に合わせたパーティ編成・交代が必須。 -さらに回避、ガード及びスキル等の様々なシステムを搭載。 ---- **評価点 7人の個性のあるキャラクターによるパーティプレイが面白い。 #region(使用キャラクター) 上述の通りパーティはアドル固定+他2人の3人 |キャラクター|武器|攻撃属性|得意距離|支援効果|備考| |アドル|剣|斬|近距離|攻撃命中率上昇|イースシリーズ主人公。「赤毛のアドル」&br()後半からは打・射属性の剣も手に入り、唯一の属性切替可能キャラ。&br()攻撃モーションも3種の属性で全て異なる。| |ドギ|ナックル|打|近距離|与スタン値増加|アドルの相棒。通称「壁壊しのドギ」&br()全キャラクター中で最高の攻撃力を誇る。リーチは短いが出は早く、スキルも使いやすい。| |アイシャ|弓|射|中距離|EXTRA入手量増加|アルタゴ公国のお転婆公女。ツンデレヒロイン。&br()同じタイプのマイシェラと比べて手数と足回りで優れる。| |エルク|双刃&br()※両端に刃のある剣|斬|近距離|ゴールド取得量増加|森の集落《シャヌアの里》の里長の孫。村の掟に反抗的だが腕はあるガキ。&br()盗みスキルやバリアを張るEXTRAスキルなど若干変則系。&br()全キャラクター中最高スピードを誇る。| |ムスタファ|ハンマー|打|近距離|与ダメージ増加|砂漠の集落《セグラムの里》の里長。真面目なガタイも良い兄貴。&br()同じタイプのドギと比べて補助スキルも持つ。&br()攻撃スキルが微妙性能で「使いにくい」との意見もあり、''彼自身は''敬遠されやすいか。| |マイシェラ|杖&br()※杖を使った術|射|遠距離|被ダメージ減少|高地の集落《カイロスの里》の里長。目を常時閉じているが、風を察知することができ戦闘には支障ない。&br()誘導弾など変則的なスキルが多く、アイシャに比べると若干攻撃力・命中力寄り。&br()27歳でへそ出しルックという挑戦に惹かれる人は多い。| |ガッシュ|ハルバード|斬|近距離|経験値取得量増加|『イースVI』から登場の「黒の傭兵」&br()符術のスキルやお供の妖精を呼ぶEXTRAスキルなども持つ。&br()格好つけて登場したり勿体ぶるが、結局のところそうでもない。%%パシリ%%| ※ムスタファとマイシェラの支援効果はゲーム中の表記は逆になっている #endregion -AIが意外に優秀。 --連れている仲間も攻撃し、敵に攻撃されれば体力が減るのだが、下手な人ほど交代時にHPが全く減っていないことに愕然とすることになる。それくらい頭がいい。 --仲間が障害物に引っ掛かっても2秒程で操作キャラの近くにワープしてくる為、他のNPCを使うRPGよりも快適。 --操作キャラがスキルを使用すると仲間も同時に発動してラッシュをかけてくれる形になる。なおこの時の消費スキルポイントは操作キャラの初手の使用分のみ。 //---その反面、やたらと固定したキャラクターばかり使っていると、仲間が出したスキルのLVだけが上がる欠点もあるので、どうしてもこのスキルが上げたい場合は、他のキャラクターも自己操作にしないといけない。 --副作用として、かなり段差のある場所などの敵に反応しやすく、攻撃しようとするができないままで固まることが結構ある。 -フラッシュガードの秀逸さ。 --敵の攻撃に合わせタイミングよくRボタンを押しながらLボタンを押すことで、敵の攻撃を無効化できる。ヒットストップやエフェクト・SEなどの演出により、成功時の爽快感が高い。 --ガードに成功すればSP・EXゲージを得ることができる。またガード後から一定時間、ガードに成功したキャラの攻撃が必ずクリティカルになる。 --どんな攻撃でも無効化することができ、連続でガードすることも可能である。反面、ガードに失敗すると通常より大きなダメージを受けてしまう。 ---このように、防御行動が攻撃行動に作用することから、戦略性が大いに増した。 ---フラッシュガードは全く使わずとも十二分にクリア可能。攻略に必須ではないがリスク・リターンとも大きく極めがいもある、という良要素。 -音楽は安心のファルコム印。熱い。 -戦闘ボイスは「無し」「アドルのみ無し」「全員あり」の選択が可能。 --『イースII((『イースII』はPS2のエターナルストーリーで、オープニング一回だけ喋っている。ゲームの詳細は当Wiki参照。))』・『[[イースIII>イースIII -ワンダラーズ フロム イース-]]』のオリジナル版およびオリジナル版ベースの移植版・『イースIV』・『[[イースvs.空の軌跡 オルタナティブ・サーガ]]((この作品では、台詞にボイスがついているが、ある条件では喋らないアドルの仕様もある。))』以外の喋らないアドルの配慮だと思われる。エンディングクレジットでも、アドルのみ声優名が記載が無い。 //あくまでも噂であるがイース関連のドラマCDでアドルを担当、『空の軌跡』のドラマCDの別役にかなり参加している草尾毅の可能性が高いらしいが…。 //イース4のPCエンジン版は喋るかどうか未確認なのでSFC版のみかどうかわかる人は追記してください。 //SFC版4はボイスなし。(でもセリフはあるよ) ---おそらくファルコムの開発スタッフがアドルのボイスを収録した模様。 -五大竜戦が非常に熱く、特に1、3、4、5番目のボスは非常に演出がいい。また、五大竜戦のBGMはファルコム主催のライブで生演奏が行われた。2chの人気投票((プロバイダによる重複投票が無効のため、組織投票等の心配はないため信頼性は高い。))[[09年度新曲ランキングの1位を獲得>https://www21.atwiki.jp/gamemusicbest100/pages/366.html]]した。 --但し、3番目のボスは風属性という設定に反したカエルのような風貌から、ネタボス(笑)扱いになっている。 -スタンとボスに対するRUSH。 --敵のスタン値を一定以上溜めると一時的に動かなくなり、大ダメージのチャンス。 ---またボス戦には「RUSH」というタイミングがあり、この時に強力なスキルなどで一定数値以上叩くとスタンに成功し、失敗すると大ダメージの攻撃を受ける。 -ロードの短さを中心としたプレイの快適さ。 --ディスクメディアを採用しているPSPではロードの長さが顰蹙を買うことも多いが、この作品ではまず「Now loading…」という表示を見ることがほとんどなく、数秒の暗転で済む場合が多い。10秒を超えるロードは皆無。 -他の近年のファルコム作品同様、難易度をイージーからナイトメアまでの4つから選択できる。 -致命的なバグなども見つかっていない。 ---- **賛否両論点 -斬・打・射の属性による攻撃があるが、この中で斬の性能が優遇されている。 --射属性は打属性が弱点の敵に対してはどんなに攻撃力が高くてもノーダメージ。打属性も射属性が弱点の敵にはまともにダメージを与えられない。しかし斬属性は相性が悪くてもダメージ軽減で済む。 --ただし、一番優遇されている斬属性でも、よほど攻撃力が高く無い限り相性が悪い相手には大したダメージを与えられないため、結局は各属性を1人づつパーティに組み込むのが理想となる。そのため斬属性のキャラクターが大きな優遇を受けているかと言えばそうでもなく、あえて言うなら、武器を変える事により各属性を使い分け可能な主人公のアドルが最も優遇されているキャラクターと言える。 --とはいえこれも、パーティにアドルがほぼ必ず居る・3人で属性を3つ備えておく必要性から考えると、アドルの属性を変えられないと斬属性キャラが入れないなどの必然性故である。 -ボタン操作が少し煩雑。慌てるとバトル中にスキルを使用したはずが、アイテム欄を開いてしまったりする。 --スキルを出す操作はRボタン+△□×○ボタンのいずれか。Rボタンがちゃんと押せてないと上記のような事が起きる。 -ストーリーはよくも悪くもイースらしい。テンプレ通りで重厚さに欠くとも言える。 -ストーリーの作り込みが甘い為に、2~3名ほどストーリーから逸脱したキャラクターが存在する。 //ドギ、ガッシュ+シグルーンの参戦は、「竜の戦士」から明らかに矛盾している。特にドギとガッシュは最強武器の作成は秘石無しとは矛盾しすぎ。3段階目のEXTRAスキルもとってつけた感じしかしない。 //ガッシュはともかく、イースシリーズの設定上ドギは参戦させないとおかしいと思うんだけど。シグルーンはアイシャの代理だし。それに別に「竜の戦士」に協力者がいてもいいと思う。 //その経緯がないから納得がいかない。下で英雄伝説7極秘設定画集でメーカーを庇護しまくるファンのようだ。ガッシュが何処でも出ればうれしいっていう… -ストーリーの都合上、途中一時離脱や完全離脱するキャラクターが存在する(どちらも代理キャラクターが存在している)。 --ただしそこまで不満は出ていないどころか、あるキャラに至っては歓迎される始末。%%このロリコンどm%% -ネタバレになるので深入りは避けるが、全キャラクターの育成は必須。 //-今までの作品と比べて、キャラクターの色の使い方が単色に近くなっている。 -「詰め将棋」とも言われるボス戦バランスは健在。死んで覚えるタイプのゲームが苦手な人は敬遠したほうがいいかも。 --ただし『I』や『III』のような極端なものではなく、『VI』以降と同じく適正レベルから更に鍛えれば難易度の緩和も可能な範囲。 -予約特典が、本作どころかイースシリーズと全く関係の無いゲームである「『英雄伝説7』極秘設定画集」であった。 -キャラクターデザインが『零の軌跡』や『SO4』等で知られるエナミカツミ氏に変わったが、それまでの画風とは異なるもののため、既存キャラの変貌ぶりに購入を避けているファンもいる。 -スキルが良くも悪くもイースというかアドルには違和感が若干ある。一番突っ込まれるのが最終取得になるであろう「星方陣」である。 --他に関してはまだ「剣技」っぽいが((それでも剣からオーラを出したり真空の弾を飛ばしたりする。))、件の技は地面に五芒星の陣を描くように高速で攻撃し、最後に陣から光の一撃が発生するというもの。 ---ちなみにこれに対し「あれは半キャラずらし体当たり((イース初期作における攻撃方法。真正面からぶつかると通常こちらがダメージを受けやすいが、半キャラずらして当たると一方的に攻撃できた。))を高速でやってるんだよ」と返すのがネタとなっている。 ---一応、設定上はアルタゴの武器には《竜気》という力が宿っており、それによりスキルが使えるということになっている。~ ある意味すべての武器が魔法の武器。 ---- **問題点 -『イースVI ~ナピシュテムの匣~』をプレイしていないと一部分からない場面がある。 -ボスが出てきた!→いきなり戦闘 という説明不足なイベントがある。 -クエストと合成の2つのシステムがほとんど蛇足。明らかに[[モンハン>モンスターハンターポータブル]]を意識しているのが丸わかりだが、スピーディーなこのゲームとの相性が良かったとは言えない結果となってしまった。 --特に最強武器、最強防具とパラメーター強化アイテムの素材のめんどくささはトップクラス。 --一応PSPソフトの売上で圧倒的トップだったモンハンシリーズの要素を取り入れたゲームは他にもあり、ゲームとの相性やユーザーの評価はさておき、当時のトレンドではあったというフォローが出来なくはない。 //時間待ちで素材が出現するので、周回する必要性は無い -クリア後のおまけがない。 //過去にはクリア後のおまけにタイムアタックがあったので --いままであったボス戦のタイムアタックすら無い。 //--「ラスボスより強い敵」というのも存在しない。ゲーム中一番強い敵がラスボスである。 //裏ボス最強が恒例でもないのにラスボスが一番強くて何が問題なのかが意味不明なので透明化 -データがコンプリート出来ないという不可解仕様も存在する((一応コンプリートは可能だが、ラスボス戦中にモンスターデーターのコマンドでしか見られない。))。 --ボス戦でしか登場しない雑魚敵も存在する。 --チュートリアルを飛ばすと会えない雑魚敵も。当然以降で埋まるチャンスは無い。 ---- **総評 もともとはPCゲームメーカーであるファルコム。PSPでの続編には否定的なファンも少なくない。~ だが、ゲームとしての出来は良く、この作品のためにPSPを買う価値は十分あった。~ ''2010年RPGFan E3 2010アワードにおいてベストRPGを獲得した。''これはメーカー初の快挙である。 しかし、過去の構想((『イース』シリーズは7作目までの構想が公になっている。初代『イース』の説明書にアドルの日誌の抜粋として7つの冒険があげられているのが由来。その文章を書いた当時の開発スタッフはもっとたくさん書いておいてあげればよかったと冗談めかして語っている。))を使い切っていることもあり、次回の新作が正念場となった((ご存知の通り、イースⅧは概ね高評価の大作となっている。))。~ もっとも、本来『イース』という作品は2作で終わるはずだった((容量が許せば1作にまとまっていたとも。詳しくは『イースI・II』『ワンダラーズ フロム イース ~イースIII~』参照。))代物ではある。 中国では2012年春にWin版がリリース((ただし、ファルコム公式サイトのニュースリリースやライセンスアウトの一覧に記載が無く、非公式という恐れもある。))。2017年8月にSteam版が配信され、国内PC環境でもプレイ可能となった。 ---- **余談 -週刊ファミ通No.1092の『桜井政博のゲームについておもうこと』において、桜井氏がこのゲームを非常に褒めまくっていた。 -このゲームシステムを使った『[[イースvs.空の軌跡 オルタナティブ・サーガ]]』が発売。が、こちらは対戦アクションとしては飽き易い凡ゲーになってしまった。 --本作の一部の楽曲やOPムービーが収録されている。『イースSEVEN』で没になった曲が、この作品で採用となっている。 --『イースSEVEN』でネタキャラになっているとあるキャラクターがこのゲームの本編、ドラマCD込みで更にネタキャラになっている。 -ファルコムのWindowsゲーム『ZWEI II』の未使用データに本作に関連のある物がいくつか含まれていた。 -本作のレーティングはCOLOR(blue){''CERO:C''}(15歳以上対象)であり、『イース』シリーズでは最もCERO判定が高いものになっている。 --他作品は流血や恋愛を示唆する要素のせいだが、本作では''拷問シーン''が追加されているからである。 ---逆に、本作では前述の流血や恋愛シーンがほとんど見られない。 -ファルコム純正『イース』では''唯一副題が存在しない。'' --一応冒険日誌によれば「アルタゴの五大竜」にあたるため、仮につけるとしたらこれが無難か。 -ファルコムによる最後のPSP作品となった『那由多の軌跡』は、本作のエンジンを流用している。 --ジャンルも『イース』と同じアクションRPGであるため、よく比較される。 ---- **Steam版について -2017年8月31日にSteamにて配信開始。発売元はXSEED((移植は国内の某制作会社が行っているが。同社の開発実績では非公開な為、割愛。))。基本的な点は変わりがないが、以下のような変更点がある。 --PCに合わせた解像度やフレームレートの設定が可能になり、高画質で楽しめるようになった。 --キーボード・PCコントローラーに合わせて、エクストラスキル発動のボタンが独立化された。また、キャラ変更も逆順に変更することも可能になった。 --基本的にベタ移植なので、移植にあたって追加された要素などは存在しない。 ---ただ、高フレームレート化によるタイミングの微妙なズレや一部挙動が異なる部分があり。PSP版で放置採集が可能な場所でダメージを食らう場合も稀にある。 ---また、キャラクターボイスは英語のみで。違和感がある場合は、原作同様ボイスを消すことができる。 --Steam実績の対応。一通りやれば大半の実績が解除できる程度の難易度だが、全解除には難易度ナイトメアでのクリアが必須となる。
*イースSEVEN 【いーすせぶん】 |ジャンル|>|アクションRPG|CENTER:&amazon(B001YQGR1U)&amazon(B00322PG34)&amazon(B004KNYDFQ)| |対応機種|>|プレイステーション・ポータブル&br;Windows (Steam/GOG.com)|~| |メディア|>|UMD 1枚|~| |発売・開発元|>|日本ファルコム/XSEED(Win)|~| |発売日|通常版・同梱版|2009年9月17日|~| |~|ダブルセット版|2010年3月18日|~| |~|トリプルセット版|2011年3月26日|~| |~|Win版|2017年8月31日|~| |定価|通常版|6,090円|~| |~|同梱版|7,980円|~| |~|ダブルセット版|7,900円|~| |~|DLセット版|5,200円|~| |~|トリプルセット版|9,240円|~| |~|Steam版|2,480円|~| |~|GOG版|$24.99|~| |レーティング|>|CERO:C(15才以上対象)|~| |廉価版|>|PSP the Best|~| |~|>|2011年7月14日/2,940円|~| |判定|>|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |ポイント|>|新たにパーティーシステムが導入|~| |>|>|>|CENTER:''[[イースシリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- ~ #center(){{ &big(){''終焉と創造の大地へ――''} }} ~ ---- **概要 日本ファルコムの長寿シリーズ、『[[イース>イースI/II]]』シリーズのナンバリング第7作。~ 同社が『空の軌跡』シリーズなどの移植で足場を作ってきたPSPでの新規作品。~ 以前から構想があった『アルタゴの五大竜』を元にしている。 本作では、新たにパーティプレイが導入された。シンプルなARPGだったこれまでのシリーズから大きく進化した一作である。~ これまでは操作キャラは1人だけで、外伝的作品を除けばアドルのみだった(一時的な同行キャラがいたことはある)。 ---- **特徴 -パーティーシステムについて --主人公のアドル(固定)+他2人の3人で編成でき、操作キャラクターはいつでもワンボタンで変更可能。~ 操作キャラ以外は追従し自動で攻撃もしてくれるAI搭載。 --パーティ内のキャラによって与ダメージ増加などの支援効果を得られる。 --味方の攻撃と敵の弱点には斬・打・射の三属性があり、敵に合わせたパーティ編成・交代が必須。 -さらに回避、ガード及びスキル等の様々なシステムを搭載。 ---- **評価点 7人の個性のあるキャラクターによるパーティプレイが面白い。 #region(使用キャラクター) 上述の通りパーティはアドル固定+他2人の3人 |キャラクター|武器|攻撃属性|得意距離|支援効果|備考| |アドル|剣|斬|近距離|攻撃命中率上昇|イースシリーズ主人公。「赤毛のアドル」&br()後半からは打・射属性の剣も手に入り、唯一の属性切替可能キャラ。&br()攻撃モーションも3種の属性で全て異なる。| |ドギ|ナックル|打|近距離|与スタン値増加|アドルの相棒。通称「壁壊しのドギ」。出演作品がかなり多いが、操作できるのは1~10のうちこの作品のみ。&br()全キャラクター中で最高の攻撃力を誇る。リーチは短いが出は早く、スキルも使いやすい。| |アイシャ|弓|射|中距離|EXTRA入手量増加|アルタゴ公国のお転婆公女。ツンデレヒロイン。&br()同じタイプのマイシェラと比べて手数と足回りで優れる。| |エルク|双刃&br()※両端に刃のある剣|斬|近距離|ゴールド取得量増加|森の集落《シャヌアの里》の里長の孫。村の掟に反抗的だが腕はあるガキ。&br()盗みスキルやバリアを張るEXTRAスキルなど若干変則系。&br()全キャラクター中最高スピードを誇る。| |ムスタファ|ハンマー|打|近距離|与ダメージ増加|砂漠の集落《セグラムの里》の里長。真面目なガタイも良い兄貴。&br()同じタイプのドギと比べて補助スキルも持つ。&br()攻撃スキルが微妙性能で「使いにくい」との意見もあり、''彼自身は''敬遠されやすいか。| |マイシェラ|杖&br()※杖を使った術|射|遠距離|被ダメージ減少|高地の集落《カイロスの里》の里長。目を常時閉じているが、風を察知することができ戦闘には支障ない。&br()誘導弾など変則的なスキルが多く、アイシャに比べると若干攻撃力・命中力寄り。&br()27歳でへそ出しルックという挑戦に惹かれる人は多い。| |ガッシュ|ハルバード|斬|近距離|経験値取得量増加|『イースVI』から登場の「黒の傭兵」&br()符術のスキルやお供の妖精を呼ぶEXTRAスキルなども持つ。&br()格好つけて登場したり勿体ぶるが、結局のところそうでもない。%%パシリ%%| ※PSP日本語版においては、ムスタファとマイシェラの支援効果はゲーム中の表記は逆になっている #endregion -AIが意外に優秀。 --連れている仲間も攻撃し、敵に攻撃されれば体力が減るのだが、下手な人ほど交代時にHPが全く減っていないことに愕然とすることになる。それくらい頭がいい。 --仲間が障害物に引っ掛かっても2秒程で操作キャラの近くにワープしてくる為、他のNPCを使うRPGよりも快適。 --操作キャラがスキルを使用すると仲間も同時に発動してラッシュをかけてくれる形になる。なおこの時の消費スキルポイントは操作キャラの初手の使用分のみ。 //---その反面、やたらと固定したキャラクターばかり使っていると、仲間が出したスキルのLVだけが上がる欠点もあるので、どうしてもこのスキルが上げたい場合は、他のキャラクターも自己操作にしないといけない。 --副作用として、かなり段差のある場所などの敵に反応しやすく、攻撃しようとするができないままで固まることが結構ある。 -フラッシュガードの秀逸さ。 --敵の攻撃に合わせタイミングよくRボタンを押しながらLボタンを押すことで、敵の攻撃を無効化できる。ヒットストップやエフェクト・SEなどの演出により、成功時の爽快感が高い。 --ガードに成功すればSP・EXゲージを得ることができる。またガード後から一定時間、ガードに成功したキャラの攻撃が必ずクリティカルになる。 --どんな攻撃でも無効化することができ、連続でガードすることも可能である。反面、ガードに失敗すると通常より大きなダメージを受けてしまう。 ---このように、防御行動が攻撃行動に作用することから、戦略性が大いに増した。 ---フラッシュガードは全く使わずとも十二分にクリア可能。攻略に必須ではないがリスク・リターンとも大きく極めがいもある、という良要素。 -音楽は安心のファルコム印。熱い。 -戦闘ボイスは「無し」「アドルのみ無し」「全員あり」の選択が可能。 --『イースII((『イースII』はPS2のエターナルストーリーで、オープニング一回だけ喋っている。ゲームの詳細は当Wiki参照。))』・『[[イースIII>イースIII -ワンダラーズ フロム イース-]]』のオリジナル版およびオリジナル版ベースの移植版・『イースIV』・『[[イースvs.空の軌跡 オルタナティブ・サーガ]]((この作品では、台詞にボイスがついているが、ある条件では喋らないアドルの仕様もある。))』以外の喋らないアドルの配慮だと思われる。エンディングクレジットでも、アドルのみ声優名が記載が無い。 //あくまでも噂であるがイース関連のドラマCDでアドルを担当、『空の軌跡』のドラマCDの別役にかなり参加している草尾毅の可能性が高いらしいが…。 //イース4のPCエンジン版は喋るかどうか未確認なのでSFC版のみかどうかわかる人は追記してください。 //SFC版4はボイスなし。(でもセリフはあるよ) ---おそらくファルコムの開発スタッフがアドルのボイスを収録した模様。 -五大竜戦が非常に熱く、特に1、3、4、5番目のボスは非常に演出がいい。また、五大竜戦のBGMはファルコム主催のライブで生演奏が行われた。2chの人気投票((プロバイダによる重複投票が無効のため、組織投票等の心配はないため信頼性は高い。))[[09年度新曲ランキングの1位を獲得>https://www21.atwiki.jp/gamemusicbest100/pages/366.html]]した。 --但し、3番目のボスは風属性という設定に反したカエルのような風貌から、ネタボス(笑)扱いになっている。 -スタンとボスに対するRUSH。 --敵のスタン値を一定以上溜めると一時的に動かなくなり、大ダメージのチャンス。 ---またボス戦には「RUSH」というタイミングがあり、この時に強力なスキルなどで一定数値以上叩くとスタンに成功し、失敗すると大ダメージの攻撃を受ける。 -ロードの短さを中心としたプレイの快適さ。 --ディスクメディアを採用しているPSPではロードの長さが顰蹙を買うことも多いが、この作品ではまず「Now loading…」という表示を見ることがほとんどなく、数秒の暗転で済む場合が多い。10秒を超えるロードは皆無。 -他の近年のファルコム作品同様、難易度をイージーからナイトメアまでの4つから選択できる。 -致命的なバグなども見つかっていない。 ---- **賛否両論点 -斬・打・射の属性による攻撃があるが、この中で斬の性能が優遇されている。 --射属性は打属性が弱点の敵に対してはどんなに攻撃力が高くてもノーダメージ。打属性も射属性が弱点の敵にはまともにダメージを与えられない。しかし斬属性は相性が悪くてもダメージ軽減で済む。 --ただし、一番優遇されている斬属性でも、よほど攻撃力が高く無い限り相性が悪い相手には大したダメージを与えられないため、結局は各属性を1人づつパーティに組み込むのが理想となる。そのため斬属性のキャラクターが大きな優遇を受けているかと言えばそうでもなく、あえて言うなら、武器を変える事により各属性を使い分け可能な主人公のアドルが最も優遇されているキャラクターと言える。 --とはいえこれも、パーティにアドルがほぼ必ず居る・3人で属性を3つ備えておく必要性から考えると、アドルの属性を変えられないと斬属性キャラが入れないなどの必然性故である。 -ボタン操作が少し煩雑。慌てるとバトル中にスキルを使用したはずが、アイテム欄を開いてしまったりする。 --スキルを出す操作はRボタン+△□×○ボタンのいずれか。Rボタンがちゃんと押せてないと上記のような事が起きる。 -ストーリーはよくも悪くもイースらしい。テンプレ通りで重厚さに欠くとも言える。 -ストーリーの作り込みが甘い為に、2~3名ほどストーリーから逸脱したキャラクターが存在する。 //ドギ、ガッシュ+シグルーンの参戦は、「竜の戦士」から明らかに矛盾している。特にドギとガッシュは最強武器の作成は秘石無しとは矛盾しすぎ。3段階目のEXTRAスキルもとってつけた感じしかしない。 //ガッシュはともかく、イースシリーズの設定上ドギは参戦させないとおかしいと思うんだけど。シグルーンはアイシャの代理だし。それに別に「竜の戦士」に協力者がいてもいいと思う。 //その経緯がないから納得がいかない。下で英雄伝説7極秘設定画集でメーカーを庇護しまくるファンのようだ。ガッシュが何処でも出ればうれしいっていう… -ストーリーの都合上、途中一時離脱や完全離脱するキャラクターが存在する(どちらも代理キャラクターが存在している)。 --ただしそこまで不満は出ていないどころか、あるキャラに至っては歓迎される始末。%%このロリコンどm%% --そのうち、アイシャの代理となるシグルーンは一部能力がアイシャより劣る半面、鎧が装備できるため、アイシャにあった防御の低さを補いやすい。 -ネタバレになるので深入りは避けるが、全キャラクターの育成は必須。 //-今までの作品と比べて、キャラクターの色の使い方が単色に近くなっている。 -「詰め将棋」とも言われるボス戦バランスは健在。死んで覚えるタイプのゲームが苦手な人は敬遠したほうがいいかも。 --ただし『I』や『III』のような極端なものではなく、『VI』以降と同じく適正レベルから更に鍛えれば難易度の緩和も可能な範囲。 -予約特典が、本作どころかイースシリーズと全く関係の無いゲームである「『英雄伝説7』極秘設定画集」であった。 -キャラクターデザインが『零の軌跡』や『SO4』等で知られるエナミカツミ氏に変わったが、それまでの画風とは異なるもののため、既存キャラの変貌ぶりに購入を避けているファンもいる。 -スキルが良くも悪くもイースというかアドルには違和感が若干ある。一番突っ込まれるのが最終取得になるであろう「星方陣」である。 --他に関してはまだ「剣技」っぽいが((それでも剣からオーラを出したり真空の弾を飛ばしたりする。))、件の技は地面に五芒星の陣を描くように高速で攻撃し、最後に陣から光の一撃が発生するというもの。 ---ちなみにこれに対し「あれは半キャラずらし体当たり((イース初期作における攻撃方法。真正面からぶつかると通常こちらがダメージを受けやすいが、半キャラずらして当たると一方的に攻撃できた。))を高速でやってるんだよ」と返すのがネタとなっている。 ---一応、設定上はアルタゴの武器には《竜気》という力が宿っており、それによりスキルが使えるということになっている。~ ある意味すべての武器が魔法の武器。 ---- **問題点 -『イースVI ~ナピシュテムの匣~』をプレイしていないと一部分からない場面がある。 -ボスが出てきた!→いきなり戦闘 という説明不足なイベントがある。 -クエストと合成の2つのシステムがほとんど蛇足。明らかに[[モンハン>モンスターハンターポータブル]]を意識しているのが丸わかりだが、スピーディーなこのゲームとの相性が良かったとは言えない結果となってしまった。 --特に最強武器、最強防具とパラメーター強化アイテムの素材のめんどくささはトップクラス。 --一応、クエストや合成を取り入れたゲームは他にもあり、ゲームとの相性やユーザーの評価はさておき、当時のトレンドではあったというフォローが出来なくはない。 //--一応PSPソフトの売上で圧倒的トップだったモンハンシリーズの要素を取り入れたゲームは他にもあり、ゲームとの相性やユーザーの評価はさておき、当時のトレンドではあったというフォローが出来なくはない。 //実際に本作がモンハンを参考にしたかどうかは何とも言えんが、クエストや合成がモンハンが元祖というわけではないだろう //時間待ちで素材が出現するので、周回する必要性は無い -クリア後のおまけがない。 //過去にはクリア後のおまけにタイムアタックがあったので --いままであったボス戦のタイムアタックすら無い。 //--「ラスボスより強い敵」というのも存在しない。ゲーム中一番強い敵がラスボスである。 //裏ボス最強が恒例でもないのにラスボスが一番強くて何が問題なのかが意味不明なので透明化 -データがコンプリート出来ないという不可解仕様も存在する((一応コンプリートは可能だが、ラスボス戦中にモンスターデーターのコマンドでしか見られない。))。 --ボス戦でしか登場しない雑魚敵も存在する。 --チュートリアルを飛ばすと会えない雑魚敵も存在する。当然以降で埋まるチャンスは無い。 ---- **総評 もともとはPCゲームメーカーであるファルコム。PSPでの続編には否定的なファンも少なくない。~ だが、ゲームとしての出来は良く、この作品のためにPSPを買う価値は十分あった。~ ''2010年RPGFan E3 2010アワードにおいてベストRPGを獲得した。''これはメーカー初の快挙である。 しかし、過去の構想((『イース』シリーズは7作目までの構想が公になっている。初代『イース』の説明書にアドルの日誌の抜粋として7つの冒険があげられているのが由来。その文章を書いた当時の開発スタッフはもっとたくさん書いておいてあげればよかったと冗談めかして語っている。))を使い切っていることもあり、次回の新作が正念場となった((ご存知の通り、イースⅧは概ね高評価の大作となっている。))。~ もっとも、本来『イース』という作品は2作で終わるはずだった((容量が許せば1作にまとまっていたとも。詳しくは『イースI・II』『ワンダラーズ フロム イース ~イースIII~』参照。))代物ではある。 中国では2012年春にWin版がリリース((ただし、ファルコム公式サイトのニュースリリースやライセンスアウトの一覧に記載が無く、非公式という恐れもある。))。2017年8月にSteam版が配信され、国内PC環境でもプレイ可能となった。 ---- **余談 -当初、本作はイース7のマルチプラットフォーム展開における第1弾タイトルとして発表され、機種ごとにゲームシステムを変えるという方針を打ち出していたが((Windows版は、海外パブリッシャによるPSP版のほぼベタ移植である為、これには該当しない。))。発表以降、特に目立った動きは見られなかった。 -週刊ファミ通No.1092の『桜井政博のゲームについておもうこと』において、桜井氏がこのゲームを非常に褒めまくっていた。 -このゲームシステムを使った『[[イースvs.空の軌跡 オルタナティブ・サーガ]]』が発売。が、こちらは対戦アクションとしては飽き易い凡ゲーになってしまった。 --本作の一部の楽曲やOPムービーが収録されている。『イースSEVEN』で没になった曲が、この作品で採用となっている。 --『イースSEVEN』でネタキャラになっているとあるキャラクターがこのゲームの本編、ドラマCD込みで更にネタキャラになっている。 -ファルコムのWindowsゲーム『ZWEI II』の未使用データに本作に関連のある物がいくつか含まれていた。 -本作のレーティングはCOLOR(blue){''CERO:C''}(15歳以上対象)であり、『イース』シリーズでは最もCERO判定が高いものになっている。 --他作品は流血や恋愛を示唆する要素のせいだが、本作では''拷問シーン''が追加されているからである。 ---逆に、本作では前述の流血や恋愛シーンがほとんど見られない。 ---ただし、日本語版では表現はないものの、国外版はその拷問シーンに流血表現がある。 //-ファルコム純正『イース』では''唯一副題が存在しない。'' //--一応冒険日誌によれば「アルタゴの五大竜」にあたるため、仮につけるとしたらこれが無難か。 //1,2も副題はないためCO。 -ファルコムによる最後のPSP作品となった『那由多の軌跡』は、本作のエンジンを流用している。 --ジャンルも『イース』と同じアクションRPGであるため、よく比較される。 ---- **Win版について -2017年8月31日にSteam/GOGにて配信開始。発売元はXSEED((移植はCS向けタイトルの下請け開発を主業とする、国内の某ゲーム制作会社が行っているが。同社の開発実績では非公開な為、割愛。))。基本的な点は変わりがないが、以下のような変更点がある。 --PCに合わせた解像度やフレームレートの設定が可能になり、高画質で楽しめるようになった。 --キーボード・PCコントローラーに合わせて、エクストラスキル発動のボタンが独立化された。また、キャラ変更も逆順に変更することも可能になった。 --基本的にベタ移植なので、移植にあたって追加された要素などは存在しない。メッセージは全てPSP日本語版をそのまま使っているため、訳の違和感はない((ただし、ストーリーフラグに関わらない住民との会話の一部に文字化けしている箇所がある。))。 ---ただ、高フレームレート化によるタイミングの微妙なズレや一部挙動が異なる部分があり。PSP版で放置採集が可能な場所でダメージを食らう場合も稀にある。 ---また、キャラクターボイスは英語のみ。違和感がある場合は、原作同様ボイスを消すことができる。 --実績の対応。一通りやれば大半の実績が解除できる程度の難易度だが、全解除には難易度ナイトメアでのクリアが必須となる。

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