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スーパーストリートファイターII - (2017/09/17 (日) 14:47:41) の最新版との変更点

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//同じ名前の小見出しが複数あるとコンテンツが正常に働かんからタイトルも付けとけ 本項目では「スーパーストリートファイターII」(判定なし)および「スーパーストリートファイターIIX」(''良作'')、「ハイパーストリートファイターII」(''良作'')の紹介をしています。 -無印は[[ストリートファイターII]]、「ダッシュ」「ターボ」は[[ストリートファイターIIダッシュ]]の項目を参照。 ---- #contents(fromhere) ---- *スーパーストリートファイターII 【すーぱーすとりーとふぁいたーつー】 |ジャンル|対戦格闘アクション| |対応機種|アーケード(CPシステム2)| |販売・開発元|カプコン| |稼働開始日|1993年9月| |レーティング|CERO:B(12歳以上対象)| |判定|なし| |ポイント|音源、グラフィックの大幅進化&br()しかし、ゲーム性が…&br()イマイチな新キャラクター| |>|CENTER:''[[ストリートファイターシリーズリンク>ストリートファイターシリーズ]]''| **概要 カプコンのCPSの後継基板である、CPS2を使用したストIIのニューバージョン。~ 開発自体は[[ターボ>ストリートファイターIIダッシュ]]と並行して行われた。SFC版ストIIが発売された1992年から始まり、1年以上の開発期間が取られた。~ 個性豊かな12人に新たに使えるようになった4人のキャラクターから1人を選択し、四天王以外から8人と四天王4人を倒す事が目的。 **システム -基本的なシステムは[[ストリートファイターII]]の頁を参照。 -TURBO発売前に作っていた関係上ゲームスピードがダッシュ以前に戻った。 --ターボの速さで慣れた分、非常にモッサリに感じた人が多い。 -4人の新規キャラクターが追加された。 -最初の一撃・連続攻撃・リバーサル((起き上がりやガード中などの「操作不能な状態」から動けるようになった瞬間に必殺技を出すこと。ただし「スーパー」では空中やられの着地時のみリバーサルは出ない(ケンのみ特殊な操作で可能)。))・気絶から攻撃を受けずに復帰できた時にボーナス点が入る様になった。 --また、各ボーナス取得時は画面外からメッセージが流れて来てアナウンスされる。 --ちなみにファイナルラウンドでもこれらのボーナス点だけは入る。 --現在格ゲーではごく普通に使われる「コンボ」という表現は元々海外でのものだったのが、この連続攻撃ボーナスで「◯ HIT COMBO!」というメッセージが流れたことにより国内でも一般的になった。 -ガードが解けた瞬間の投げ返し不可能時間がなくなった。 --これにより、当て投げが問題視されなくなった。 -気絶状態の種類が4種類に増えた(天使・星・ヒヨコ・死神)。 --また、ダメージを受けて吹っ飛んだ時から気絶したことがわかるようになった。 -これまでの作品では全キャラクターとの総当たり戦で行われていたCPU戦は、キャラクター増加につきランダムに選択された8人+四天王という形式に変更。 -専用基板4枚を接続して利用したトーナメント対戦が導入された。スイスドロー方式なので全員が3試合を行い、また1ラウンド設定の試合がその中に含まれているため、最大で5ラウンドとなる。 **キャラクター 全般的に、ターボでのファンサービス要素の強かった新必殺技が削除ないし変更され、四天王には通常技が大幅に追加された。 #region(12人のプレイヤーキャラクターたちの変更点+4人の追加キャラクターたち) ''リュウ'' -空中竜巻旋風脚の軌道が変わった。竜巻旋風脚の下降中の無敵時間が削除され、上昇中の無敵時間も短くなった。 --これまでお遊び要素で超低確率で出現していた「赤い波動拳」が新技「ファイアー波動拳」として独自の性能で採用された。強を近くで当てると相手が倒れるので重宝する。 --ターボで得た最強の座は譲ることになったものの、それに準じる地位をキープしている。 ''ケン'' -空中竜巻旋風脚の軌道が変わった。 --強昇龍は当たると敵が燃え、最大で三段にまでなるものの、あまり斜めに跳ばなくなった。 --連続技で昇龍拳が入り辛くなった為、意表を付いた奇襲で事故勝ちということはまず望めなくなった。ゲームスピードが落ちたのも災いし、対戦では中位にランクダウン。 ''エドモンド本田'' -スーパー百貫落としが一段目で倒れる様になり、下段ガードが不可能になった他はあまり変更点は無い。 --高性能な飛び道具を有する春麗やDJが新たな天敵になったこともあり、対戦ランクは落ちることになった。 ''春麗'' -気功拳の操作がタメ系になり、隙は軽減、弱中強で飛ぶ距離が変わり、連続技にも組み込める有用な飛び道具になった。これにより本田戦やバイソン戦の相性が一変。 --通常技の判定も強くなり、投げ間合いもリュウ・ケンの投げ間合いの外から投げられる程広くなった。 --スーパーで大幅に強化されたキャラクターであり、対戦でも初代以来久々の上位キャラになった。 ''ブランカ'' -「バックステップローリング」が使えるようになったが、イマイチ使いづらく用途は不明。 --ローリングのスキが大きくなり、多くのキャラクター相手にガードされると反撃確定、一部キャラにはヒットしても反撃される。加えて、バーチカルの下りに攻撃判定がなくなる等弱体化が著しい。 --ザンギエフと最弱を争うまでに落ち込んだ。当然お子様プレイヤーは完全死亡することになり、使用人口は激減した。 ''ザンギエフ'' -各種投げ、つかみ技のボタンが変わり、コマンドは同じだが相手の位置によって技の内容が変化する「フライングパワーボム」「アトミックスープレックス」が使えるようになった。他に空中投げができるようになり、投げのスペシャリストとしての地位を確立。 --従来のより1回転だけ少ない「クイックダブルラリアット」が使えるようになり、ハイスピードダブルラリアットは削除された。従来のダブルラリアットも弱体化し起き攻め対策に使いづらくなった。 --スクリュー系の技に失敗すると、つかみ損ねポーズで硬直してしまう様になった。 --従来とは異なる技などで華麗な変身を遂げたように見えるが、総合的に見るとかなりの弱体化であり、再び最弱の定位置に逆戻りしてしまった。ただしバイソンに対しては突進技を安定して返せるため有利が付いている。 ''ガイル'' -ソニックブーム、サマーソルトキックの隙がダッシュに近いぐらいに戻され、ソニックの硬直は手を交差させた形になった。 --他にはマイナーチェンジしかないものの、今回弱体化した旧キャラが多い中、相対的にターボで落ちた対戦ランクを戻している。 ''ダルシム'' -弱ヨガファイアで相手が倒れなくなり、連続技に組み込める様になったのが最も大きな変更点であり強化点。 -スピードダウンも追い風になり、サガットに次ぐ強キャラに躍進した。サガットとの直接対決でも相性が良く、かなり有利を付けることが出来る。 ''M・バイソン'' -ターンパンチの無敵時間が削除され、代わりに無敵技「バッファローヘッドバット」が使えるようになった。 --弱ダッシュストレート・アッパーがヒットすると相手が倒れる様になった。 --が、ジャンプ強パンチが昇りでしゃがんでいる相手に当たらなくなったり、ダッシュアッパーの溜め時間が長くなったため気絶~気絶の連続技ができなくなったりと弱体化した部分も多く、あまり地位は向上していない。 --ダッシュストレート・ダッシュアッパーの時に叫び声をあげるようになりそれが印象的だったため、バルログの「ヒョー」・サガットの「アイグー」と共にバイソンの「オアー」が親しまれるようになった。 ''バルログ'' -金網が落ちて来る演出があるスペインステージでも、バルセロナが金網に行かずに三角跳びになるように。 --新技「スカイハイクロー」と「ショートバックスラッシュ」が使える様になったのに加えて、バルセロナが当たると倒れる様になり、壁を蹴るまでのジャンプが低く速くなり飛距離も伸び、さらにイズナの有効範囲も拡大。所謂ヒョーバルが非常に強くなり、嫌われ役としての地位を確立。 --新たに追加された通常技も使い勝手が良いものが多く、相対的な機動力はダッシュの水準に戻されており、対戦ではトップグループに入るまでに返り咲いた。 ''サガット'' -タイガークラッシュの名称が「タイガーニークラッシュ」に変更。タイガーショットの硬直がダッシュ並みに戻り、下タイガーが立ちガード出来なくなった。 --対戦では独り勝ちであり、ダッシュやターボの頃もそう言われながら実現しなかった「サガット最強伝説」がついに現実のものとなった。 ''ベガ'' -ヘッドプレスの擬似技として「デビルリバース」が使えるようになった。 --通常技も新モーションの技が増え、キャンセルが掛かる技も少し増えた。 --ダブルニーで相手が倒れる様になったりする一方、「サイコテイル」は出来なくなった。対戦ではターボよりは僅かに改善したものの、相変わらず弱い。 --余談だがベガのみ、勝利した際の台詞が全て新しいものに変更された。『ターボ』以前より現在のイメージに近い悪人らしい台詞が増え((以前は「俺より強い奴はもう居ないのか…」など武人らしさと哀愁を感じさせるものがあった。))、女性(春麗・キャミィ)相手のものもある。 ''本作からの追記キャラクター(4人)''~ ''T(サンダー)・ホーク'' -ネイティブアメリカンの戦士。開発時はアメリカ出身だったが、ケンにガイルにバイソンとアメリカ代表者が多いためメキシコ出身と言う設定になった。身長はサガットより高く、体重はザンギエフを上回り、両腕を水平に構える独特のファイティングポーズを取る。「ベガに一族を滅ぼされた」という主要キャラクターっぽい設定があるが、この点が注目される事は少ない。 --相手を掴んで振り回して叩きつける、レバー1回転投げの「メキシカンタイフーン」と対空技の「トマホークバスター」、空中から奇襲できる「コンドルダイブ」を持ち、「昇龍拳を使えるザンギエフ」と評されている。 --反面、全体を俯瞰すると通常技性能は低め。但し本作では屈弱Pの連打がバリアになること、近・遠立強Kの判定が大きい上にしゃがんだ相手にも当たる等、一部強力な技が存在する。 ''キャミィ'' -ベガの組織「シャドルー」の元構成員だった、記憶喪失の少女。金髪で頬に傷があり、赤いベレー帽を被り、ハイレグタイプのレオタードを着ている。春麗とはまた違った魅力がある…と言えるかも知れない。 --地面スレスレを回転突進する「スパイラルアロー」と飛び道具抜けに使えそうで使えない「アクセルスピンナックル」、対空の蹴り技「キャノンスパイク」を持つ。 --小柄な身体は当り判定が小さく、その割にはリーチに優れ、移動も早いものの密着時以外の攻撃力に欠ける。めくられ易く、ジャンプのスピードが遅めで迎撃されやすく、跳んで攻めるのも苦手でサガットやガイルが天敵になっている。 ''フェイロン'' -香港のスーパースター。顔、性格、風貌、掛け声等どれをとっても明らかにどこかの映画俳優を意識しているが決して突っ込んではいけない。ついでに[[他社の中国拳法家>ワールドヒーローズ]]にも似てる点にも突っ込むのは禁止。 --繰り返し入力する事で追加発動できる移動兼攻撃技の「烈火拳」と、対空技の「熾炎脚」を持つ。 --高い攻撃力と機動力を持つがリーチが短めで、ジャンプも低くゆったり。一瞬の隙をついて懐に潜り込み、威力の高い連続技を叩き込んで相手をねじ伏せるスピードタイプ。 ''ディージェイ'' -ジャマイカのカリスマキックボクサーにして人気ミュージシャン。 --ガイルと同じく全ての技がタメ技で、飛び道具「エアスラッシャー」と回転蹴りの「ダブルローリングソバット」、特徴的な連打技「マシンガンアッパー」を持ち、通常技の性能にも優れている。 --ガイルに比べると通常技のリーチが短い反面、ジャンプスピードがガイルより早かったり、マシンガンは連続技にも組み込めて全段ヒットするため、めくりからのコンボが強烈と独自の長所があり、「守りのガイル、攻めのディージェイ」とも。反面、飛び道具を持っていながら隙が若干大き目なため、鳥篭に弱い。 --言動や勝利メッセージが派手な割に、印象は地味で顔も濃い不人気キャラであるが、密かに新キャラの中では一番上位だったりする。 --余談だが、彼のズボンには「MAXIMUM」と書かれており、左右の向きを変えてもそのままで俗にいう「左右反転の矛盾」((本シリーズであればバルログが向きを変えると爪の持ち手が変わるという矛盾がある。(反転させずに正しく作画する手間の省略の他、正しく作画することで却って戦闘動作の描写に不都合が生じるためあえてそうなっている。)上述の「MAXIMUM」が左右のどちらでも反転しないのは、文字自体がが左右対称で構成されているからである)))が起きないようになっている。 //別に利点ではないので修正。 #endregion ---- **評価点 ''音楽'' -PCM音源に生まれ変わり全曲アレンジ。全体として非常にクリアで良く聴こえる様になった。 --新BGMは別の作曲者によるものだが、キャミィステージは従来のものに負けない屈指の名曲として評価が高い。 --従来のBGMについても、キーを変えるなどしてアレンジが図られている。特にケンステージやガイルステージのBGMは非常に格好良くアレンジされた。 --またラウンド1ではBGMが早くならず、終了時も途切れずにラウンド2の決着直前まで通しで演奏されるようになった。 -キャラクターの声も声優が当てるようになった。 --リュウやダルシムなどは旧作の意匠を残したまま若干甲高くしただけである一方、春麗、ガイル、バルログなどは完全に別物になっている。 --その他もリュウとダルシムの一部が共有している以外は各キャラ毎に固有のボイスが割り当てられた。デザインに合わせてか、リュウとケンの声も初めて区別された((具体的に言うと、リュウが「ハドォ~ケン!!」と伸ばして発音するのに対し、ケンは「ハドウケンッ」と爽やかな印象のボイスになっている。))。 --バイソンの「オアー!」を筆頭として、投げなどで無言だったキャラクターの多くの動作にボイスが設けられた。 --ちなみに、誰がどのキャラクターの声を演じたのかは開発陣曰く、「記録が無くわからない」とのこと。 ''グラフィック'' -キャラクターカラーバリエーションも8色(弱~強のパンチとキック、ボタン押しっぱなしとスタートボタン)に増加した。ダッシュ色(中P)・ターボ色(強P)も残っている。 -キャラクターの一枚絵等のグラフィックはほぼ全て一新された。やたらエグかった敗北時のイラストも比較的マイルドになった。~ ステージのグラフィックは描き直されつつも元の作りを再現しているが、ケンステージの船が漁船からクルーザーに変更されたり、ベガステージで像を壊すと怒る人が、女性から老人の男性になるなど一部は変更されている。 -試合中のドット絵自体はほぼ従来のものを踏襲しているが、四天王の新通常技が大量に追加された他、春麗の気功拳のモーションや、気功拳やリュウの波動拳の弾のグラフィックが新しくなった(ケンのものはほぼそのまま)。 --二つある勝利ポーズが似通っていたガイルとバルログは、一つが新しいモーションに変更された。 -四天王のエンディングは個別のグラフィックが用意された。 --特にバイソンとサガットは本人の個性をより強調した物になっている。また、展開自体も変わっている。((例えばサガットは新キャラクターの登場によりCPU戦で必ずリュウと戦うわけではなくなったのでどちらとも取れるように表現が変更されている。)) -これまでタイトル画面は登場キャラクターとまったく関連の無い人物が描かれていたが、初めて登場キャラクターを露出させた。 **問題点 -''新作としてのインパクトの無さと悉く滑った新要素'' --ターボでの高速化やバランス調整に慣れたプレイヤーとしては、ダッシュ以前のプレイ感覚に戻ってしまい、相当な不満を残すことになった。 --対戦バランスもサガットが大差を付けて最強であり、以下リュウ、ダルシム、バルログが続き、最弱は「やはりお前か」のザンギエフであった。ターボの見事な調整がここにきて崩れてしまった。 --ザンギエフの上位互換扱いで稼動直後は上位だったホークも対策されるにつれ次第に順位を下げていった。 -新キャラの魅力の薄さ --旧キャラを使い続けるプレイヤーが圧倒的に多く、新キャラの使用は少数であった。 --人気の面で見ても、当時のゲーメスト増刊における人気投票ではキャミィ以外軒並み低く、嫌いなキャラクターに関してはディージェイを筆頭に上位4位全て新キャラが占めてしまった。 --見た目が普通に格好良く見えるが故に個性が薄く、性能的にも既存キャラクターと似通った要素が強く、総じて目新しさが無かったのが新キャラ4人の人気が伸びなかった要因と思われる。 -CPU戦の形式変更 --キャラクターの増加に伴うプレー時間の調整が目的で形式が変更されたCPU戦は、その性質上苦手なキャラクターとの戦闘を避ける事が出来る様になった反面、1クレで全キャラと戦えない事からオールクリアに対する達成感が低下したという意見も少なくは無い。 --もっとも、当時における同形式は本作と『[[ワールドヒーローズ2]]』でしか採用されていなかった為か馴染みが薄く、本作の失敗や同期に稼働した『餓狼伝説スペシャル』のヒットによって、総当たり形式を継続採用する作品が増加する事になった。 -トーナメント対戦は場所を取る上に、5ラウンドしか対戦出来ない為、ほとんどプレイされなかった。 -春麗のエンディングには選択枝が追加されたが、後半の台詞以外は「春麗の服装が変化する」と「春麗の後ろにいる男の立場が違う」しか大きな変更点が無い。 **総評 新基板であるCPシステム2の恩恵をうけて音源やグラフィックが進化したのは良かったが、ゲーム性の退化や新キャラ導入の意味合いの薄さが評価を下げてしまった。~ ---- **家庭用への移植 |ジャンル|対戦格闘アクション|CENTER:&amazon(B000068HM3)&amazon(B000148692)| |対応機種|スーパーファミコン&br()メガドライブ|~| |メディア|【SFC】32MbitROMカートリッジ&br()【MD】40MbitROMカートリッジ|~| |販売・開発元|カプコン|~| |発売日|1994年6月25日|~| |定価|10,900円(税別)|~| |レーティング|【VC】CERO:B(12歳以上対象)|~| |配信|バーチャルコンソール【SFC】&br()【Wii】2007年12月18日/800Wiiポイント&br()【WiiU】2014年6月25日/823円&br;【New3DS】2016年6月7日/823円(税8%込)&br()バーチャルコンソール【MD】&br()【Wii】2011年11月8日/600Wiiポイント|~| -[[初代>ストリートファイターII]]、[[ターボ>ストリートファイターIIダッシュ]]に続き、本作もSFCで発売された。 --また、SFC版『ターボ』のようにゲームスピードを変えることができ、チーム戦モード・専用基板のトーナメント戦を再現するモード・CPUの相手をどれだけ早く倒せるか競うモードなどの追加要素がある。 //↑「SFC版『ターボ』のようにゲームスピードを変えることができる。」とあったができなかった、ひょっとしてMD版? //↑タイトル画面でGAME STARTと表示されている時に左右に入れたら無し~★3つまで変えられます。ご確認ください --やはり容量の都合だろうが、「ROUND○ FIGHT!」のボイスが消されていたり(「YOU WIN/LOSE」の方はある)、ラウンド毎にBGMが途切れる仕様に戻っていたり((早くなるタイミングはアーケード版同様、ラウンド2以降の決着直前。))、ボイスが従来以上にこもって聞こえるなど、全体的にヘナヘナ感が漂ってしまう。~ ステージ曲のアレンジも微妙。特にガイルステージは背景こそCPSII仕様だが、楽曲のキーがCPSI時代の物になっているため不自然。 ---北米版のBGMは日本版や欧州版とは異なるアレンジがされている。 --T・ホークの中P投げ後の硬直が異常に短いなど、再現度が低い部分がある。 --SFCにXは移植されなかった為、「ストII」シリーズとしては最後の作品となった。 --SFC版と同日にメガドライブ版も発売されている他、X68kとFM TOWNSにも移植された。 ---MD版はハード性能が異なるため、SFC版よりもグラフィックとBGMが劣っているものの、SFC版では削除された一部音声が削られずに残っている。ダッシュプラス同様しゃがれ声になっている。 ---TOWNS版は背景の再現こそ残念だが全楽曲がアレンジされているのが特徴。なお、TOWNS版のアレンジ曲群は後に様々なストIIの移植作品で使用されているが移植ハードがハード故に非常にマイナーな為、殆どのプレイヤーから「3DO版初出のアレンジが多くの機種に移植されている」と勘違いされがちなのが玉に瑕。 --モデムアダプタ「XBAND」に対応しており、通信対戦で遊ぶことも出来た。ただし、メガドライブ版は海外のみの対応。 ---MD版はバーチャルコンソールでの配信にあたり、オンライン対戦機能が実装されていた。 -両国国技館での大会も本作が最後となっている。~ 前々回優勝者のダルシム使い、前回優勝者のサガット使いはいずれも同じキャラを使い、群馬テレビの記者が密着取材を行ったが、両者とも簡単に敗退してしまった。~ 「来年はリベンジを果たしたい」と意気込みを語ったが、叶うことはなかった。~ なお今回はリュウ使い((サガットやダルシムも並行して使用していた。))がバルログ使いとの同点プレーオフを制し優勝している。 ---- *スーパーストリートファイターIIX 【すーぱーすとりーとふぁいたーつーえっくす】 |ジャンル|対戦格闘アクション| |対応機種|アーケード(CPシステム2)| |販売・開発元|カプコン| |稼働開始日|1994年4月| |レーティング|CERO:B(12歳以上対象)| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''| **概要(X) -今一つ感の否めなかった『スーパー』から半年で登場したバージョンアップ版。 -個性豊かな16人のキャラクターから1人を選択し、四天王以外から8人と四天王4人を倒す事が目的。 **システム(X) -基本的なシステムは『ストリートファイターII』の頁を参照。 -ゲームスピードが変えられるようになった。 --1速固定~4速((4速は店舗側の設定でのみ可能。))固定のほか、プレイの都度1速~3速をプレイヤーが選べる仕様もある。 ---大抵の場合1速~3速可変に設定され、プレイヤーによって3速が選ばれる。 --ちなみに3速はターボと同スピード。1速が3速とダッシュ・スーパーのちょうど中間で、2速は3速と1速のちょうど中間。 --乱入対戦の場合は乱入された方が都度選択する。 -全キャラにスーパーコンボというゲージを使った超必殺技が搭載された。 --攻撃すると画面下部にあるゲージが溜まり、溜まり切ると全消費して出せる。 ---通常技はヒット/ガードさせなければゲージが上がらないが、必殺技は出すだけで上がる。~ このため距離が離れている時や相手がダウンしている時などの、手空きの時間に飛び道具や空中竜巻旋風脚を使っておくなど、空振りでも必殺技を使っておく価値が生まれた。 --スーパーコンボボーナス、コンボフィニッシュボーナスも新たに設定されている。 --またスーパーコンボでトドメをさすと画面全体が太陽のように赤と白に発光する演出も追加。俗に「あけぼのフィニッシュ」と呼ばれる。 -隠しコマンド((コマンドはキャラクター毎に違うものの、全キャラ共通で左上→右下→左上→右下→左上→右下→左上→弱Pを入力すれば良い))でスーパー版の性能のキャラクターも使える(通称で原色○○、S○○と呼ばれる。国際的にはOriginal-○○)。スーパーの時よりキャンセル出来る基本技が増えている。 --大半のキャラクターはXキャラのほうが強いが、今回露骨に弱体化されたサガットやホークの他、ケンも昇龍拳の無敵時間や足技の違い等からこちらを好む動きもある。 -投げを受け身できる。投げられても、直後に投げを入力しているとダメージが約半分に抑えられ、ダウンもしなくなる。 --上記のスーパー性能のキャラクターを使っている場合は使用できない。 --処理の関係上、投げ1発分以下の体力残量の場合、受け身の成否に関わらず投げられた瞬間に負け。 --当然だが、つかみ技は受け身出来ない。 -リュウのジャンプ中パンチなどごく一部の技のみだが、空中で吹き飛んでいる相手にも当たるという特性が付与され、空中コンボのような連続技が可能になった。 -やられグラフィックの時間が1フレーム短くなり、連続技が入りにくくなった。 -得点を獲得する時のカウントアップがなくなり、「ピロン」という一音で合計点だけが表示されるようになり、テンポアップに貢献。 -ボーナスステージがなくなった。 -隠しボスとして豪鬼が追加された。 **音楽(X) -タイトルデモとキャラクター選択時のBGMが変更。~ キャラクター選択時の曲は旧ストIIのタイトル曲のアレンジである。 -ステージBGMは豪鬼のテーマ曲が加わった。 **グラフィック(X) -弱パンチで選ぶときのキャラクターの色(基本色)が新しくなった。 --従来の基本色キャラはスーパー版のキャラクターである。 --キャラクターカラーバリエーションは8色+スーパー版の2色の計10色に増えた。 -キャラクターの名前が表示されている横に、そのキャラクターの顔が出るようになった(キャラクター選択時のアイコンをそのまま使っている)。 -体力ゲージの赤い部分が網かけになって、背景が透けて見えるようになった。 -キャラクター選択画面が一新された。 -タイトルデモのリュウが波動拳を撃つアニメーションの間に春麗とキャミィのグラフィックや、豪鬼のシルエットが挿入されるようになった。 -ダルシムのエンディングのグラフィックが書き直されて、彼の妻のサリーがゲーム上に初登場した。 **キャラクター(X) -全般的に旧キャラの通常技の配置が変わり、覚え直さなければならなくなった。 -今回は飛び道具の硬直は最後に出した通常技の弱中強に依存。家庭用カプコレ版もこれに準拠。 #region(16人のプレイヤーキャラクターたちの変更点+隠しキャラクター) ''リュウ'' -スーパーコンボは「真空波動拳」。相手の飛び道具に対しての強力な武器であり、連続技にも組み込めてかなり使い勝手のいい部類に入る。 -昇龍拳の無敵時間が出がかりの一瞬だけに弱体化した((ストII初期では「昇龍拳を出せることがステータス」だったが、この作品が生まれた頃には「もうみんな使えるでしょ?」という考えから調整したとのこと。))。 -通常技に中段技((地上技だが立ちガードしかできない。))の「鎖骨割り」・攻撃しながら前進できる「鳩尾砕き」が追加され、ジャンプ中パンチが空中の相手に当てると再度ジャンプ中パンチか真空波動拳で拾えるようになった。 -バックジャンプ等にほぼリスクのない空中竜巻旋風脚で安全にスーパーコンボゲージを上げることができる。 -対戦では上位であり、どのキャラクターにも満遍なく戦える。使用人口の最も多いキャラクターでもあり、昔からのプレイヤーにも好まれる。 ''ケン'' -スーパーコンボは「昇龍裂破」。弱→強昇龍と続く5段技。 -リュウ同様の昇龍拳の無敵時間削減はケンにとって痛手。 -通常技に横にリーチの長い「一文字蹴り」やめくりやすいジャンプ中キック、投げとして掴み技「膝地獄」や空中投げが追加、必殺技も鎌払い蹴り、鉈落とし蹴り、大外回し蹴り、稲妻かかと割りが追加されるなど、リュウとは大きく異なる技を複数持つようになり差別化が明確になった。 -殆ど3速での対戦になるおかげもあり、それなりの地位を保っている。リュウ同様距離が離れている際の空中竜巻旋風脚でゲージを上げやすい。 ''エドモンド本田'' -スーパーコンボは「鬼無双」。2連続のスーパー頭突きで4段技。 -新必殺技「大銀杏投げ」は必殺投げであり、気絶値の高さが強み。 -通常技が大きく変更されたが、主要対空兵器だったごっつぁんチョップ(立ち強パンチ)が出しにくくなるなどの弱体化が目立ち、新技の追加や百裂張り手が出した瞬間にのみ移動する様になるなどの変更から、従来の待ち気味のスタイルから攻めていくスタイルへと大きく転換することになった。 -飛び道具の無いキャラクターに滅法強く、有るキャラにとことん弱いのは相変わらず。飛び道具対策として垂直ジャンプして強パンチを出している間は空中で横に動ける様になった。 ''春麗'' -スーパーコンボは「千裂脚」。前進していく百裂脚であり、飛び道具を抜けられる上(バグで)歩きながらでも出せる強力技。 -対空技として「天昇脚」も追加された。 -対戦では上位であり、ダルシムやバイソン等の強キャラにも五分以上に渡り合えるオールラウンダーである。 -追加された天昇脚が縦タメのため、スピニングバードキックは横タメに変更。空中前ジャンプからの発動は困難になった。 ''ブランカ'' -スーパーコンボは「グランドシェイブローリング」。飛び上がる時間が災いして対空か削り殺しにしか使えない。 -ハメ抜け等の用途に前方(後方)への鋭いステップである「サプライズフォワード/バック」、ソニック、エアスラ等を潜れるスライディングである「アマゾンリバーラン」も加わった。 -通常技ではJ弱Kが下方向に強くなり、めくり起き攻めで多用される。 ''ザンギエフ'' -スーパーコンボはアトミックしてスクリューする「ファイナルアトミックバスター」。決まれば一気に大半の体力を奪い取れるが投げ間合いが通常投げより狭く、対戦ではまず決まらないロマン技。 -新必殺技として飛び道具を消せる「バニシングフラット」が使えるが、出した後の硬直が大きい。 -顕著な強化点としては立中・強Kの攻撃判定が広くなり、地上戦で俄然有利になった。 -対戦では依然として苦手なキャラクターは多いものの、ケンやDJ等の飛び道具キャラにも有利に戦うことが出来る。また強キャラになったバイソンにも相変わらず有利。 ''ガイル'' -スーパーコンボは「ダブルサマーソルト」。2回転するサマーで最大6段。 -他に新必殺技は無いものの、ソバットがレバー操作で前後に移動する様になり、立ち強キックがソニックを溜めながら移動できる「ヘビースタブキック」に変更され、攻めに強くなったのが目を引く。 -対戦では前作で上位に復帰した流れを引き継いでいるが、ダルシム戦が大きなネック。尚、ダッシュの頃とは逆にベガ戦よりサガット戦の方が楽になっている。 ''ダルシム'' -スーパーコンボは「ヨガインフェルノ」。5回燃やすヨガフレイム。 -斜め上へ吹くフレイム「ヨガブラスト」が新技。 -レバー操作で手足が伸びるか選べるようになったり((厳密にはレバー後ろ入れで近距離技が出るようになった。レバーニュートラルだと遠距離技。))、ドリルキックの角度を調節出来るようになった。 -対戦における近距離戦の死角が無くなったため、Xキャラではトップの座に上り詰めた(唯一、バルログには辛い)。だからといって、使い始めてすぐに強さを引き出せるキャラではない。 --対戦に影響を及ぼすバグが多いキャラクターとしても知られる。有名なものとしては「リバーサルスーパーコンボが出来ない」「リバーサルヨガテレポートの出現位置が、コマンドに関係なく直前に出したテレポートの場所に化けてしまう」など。 ''T(サンダー)・ホーク'' -スーパーコンボはメキシカンタイフーンを2連続で放つ「ダブルタイフーン」。間合いはタイフーンと同じでFABよりは広い。 -トマホークで飛び道具を抜けられなくなる、ボディプレスがめくりに使えなくなる、通常技の判定も非常に弱くなり追加技も無いなど対戦では単独の最下位に沈んでしまった。 --対戦の高速化もあり、戦い方も相手を画面端に追い込んでタイフーンでハメ殺すロマンキャラというスタイルに変更を強いられる様になった。 ''キャミィ'' -スーパーコンボはスパイラルアローとキャノンスパイクを連続で放つ「スピンドライブスマッシャー」。 -追加技は体を丸めて三種類の技に派生させる「フーリガンコンビネーション」。 -ホークやザンギエフの様な鈍重な大男には無類な強さを発揮し、ガイル、DJ、サガットの様な迎撃キャラが天敵になっているのは前作と変わらず。 ''フェイロン'' -スーパーコンボは烈火拳が5連続で入る「烈火真拳」。 -追加技は空中から飛びかかって蹴る「烈空脚」、キャラクターによっては確実な対処法が無い。 -連続技をゴスゴスと決めていくゴリ押しタイプなのは変わらないが、烈空脚のおかげで春麗戦が有利になっている。 ''ディージェイ'' -スーパーコンボは蹴りを連続で放つ「ソバットカーニバル」。 -追加技は対空蹴りの「ジャックナイフマキシマム」。 -これで必殺技も飛び道具、突進、打撃、無敵対空と使い勝手の良いものが揃い、一時は使用人口が急増した。 ''M・バイソン'' -スーパーコンボは「クレイジーバッファロー」。ダッシュストレートからターンパンチの計5段技であり、威力、相手が空中でも数段はヒットする掛かり易さ、飛び道具へのカウンターとしての高性能さ、(ザンギエフ以外には)ガードされてもノーリスクで端に追い込めるとあらゆる面で屈指の高性能技。 -更に、今作で追加された突進攻撃「ダッシュグランドストレート/アッパー」がしゃがんだ相手にも当たるなど強い上、バッファローヘッドバットを溜めたまま出せるため技の組み合わせ相性が非常に良い。 -他にもJ強Pを出すと空中で横に動ける様になったなど、細かい調整も有利に働いており、一躍ダルシム、バルログと並ぶ最強クラスに踊り出て、豪鬼相手でもかなり戦える。 -大会ではリュウと並んで最も使用者が多い。しかしザンギエフに対しては突進技を返され易く、スーパーコンボもガードされるとスクリューで吸われるため相性が悪い。 ''バルログ'' -スーパーコンボはイズナドロップを連続で決める「ローリングイズナドロップ」。この技のみゲージを消費するのが技を出した瞬間ではなく相手を掴んだ時になっている。 -新技は無敵技で3段まで空中コンボ出来る「スカーレットテラー」、これで起き上がりも安心。 -はずれた爪が画面上に残り、拾いに行ける様になった。 -対戦では前作に引き続きトップグループ。 ''サガット'' -スーパーコンボはニークラッシュからアッパーカットへの5段技「タイガージェノサイド」、普通に連続技をした方が強いので使われない。 -前作で強すぎたため、強アッパーカットが5段ヒット技になったが威力も5分割されたため総合的にかなり低下、上下タイガーショットの硬直時間延長、喰らい判定拡大と弱体化が目立つ。対戦では中位を保っているものの、ダルシム、バイソンとの相性が激悪になってしまった。 ''ベガ'' -スーパーコンボはダブルニープレスを連続で放つ「ニープレスナイトメア」、緊急脱出用にも連続技用にも使える高性能技。 -通常技にキャンセルが出来る技が増え、一度ラッシュが掛かればそのまま連続技で押し切れる様になり、必殺技もデビルリバースの性能に手が加えられ空中制御が可能になった。 -またリュウ同様、ジャンプ中パンチが空中の相手に当てると再度ジャンプ中パンチかニープレスナイトメアで拾えるようになった。 -攻めれば強いが守りに回ると弱いという調整であり、ようやく中堅グループに復帰した。 ''『スパII X』では一定の条件を満たす事で隠しボスが登場する。'' ''『拳を極めし者』(豪鬼)'' -リュウとケンの師匠である剛拳の弟で、その剛拳の師である轟鉄を殺害した人物(ちなみに豪鬼という名前も背景も初登場時には未公表)。条件を満たすと最終戦で現れ、ベガを瞬殺してからこちらに戦いを挑んでくる((この演出は後のシリーズでスーパーコンボ「瞬獄殺」として実装された。))。 --「殺意の波動」と呼ばれる謎の力のオーラを纏っている。胴着を着ているが変な髷を結っており、眼つきが悪い。 --『X』での新要素であるスーパーコンボを持たないが、あらゆる能力がリュウ・ケンよりも優れており、気絶しない(というより、気絶した瞬間に回復する。リカバリー1000点も必ず入る)。 -特殊なコマンドを入力する裏技で使うことができる((なお、一般的にはこの裏技のコマンドに失敗すると茶色のリュウになってしまうとされるが、実際はキャラクター決定前までのコマンド入力を完了させていれば、リュウ以外のキャラクターに合わせて同様に決定のコマンドを入れても出るようになっている。最後のキャラクター決定部分を「リュウにカーソルを合わせたままコマンドを入れて決定」と広まってしまったがためであろう。))。 --性能は非常に高く、豪波動拳は出が早い上に近距離ヒットで吹き飛びダウン効果、竜巻斬空脚は上昇中無敵で無敵時間中に攻撃判定が発生するうえに空中追撃まで可能、豪昇龍拳は上昇中全フレーム完全無敵という凄まじい性能。更に入力から終了まで完全無敵のワープ技の阿修羅閃空と空中から飛び道具の斬空波動拳を撃てる、極めつけは飛び道具の硬直の性質を使った「灼熱ハメ」(画面端の相手に強灼熱波動をガードさせ続ける。位置と入力を間違えなければ、これだけで死ねるキャラクターが殆ど)。あまりにバランスを崩す為、殆どの大会では使用禁止にされる。 --これでもCPU豪鬼と比べると、斬空波動拳を二発同時に出したりその直後に空中通常技を出したりすることは出来ないなど、弱体化している部分はある。 -『X』開発が完成間近になった際に、容量が余っていたため急遽作られたキャラクターで、彼の存在はスタッフにも秘密にされており、誰にも見つからない様に制作されており、彼が噂になってもカプコンの社員は誰も知らず、開発担当者もすっかり忘れていた。 -海外版では名前はAkuma(アクマ)。これは海外では「ゴウキ」という名前が発音しにくいという理由から変更されている。 #endregion ----- **評価点(X) ''ストIIシリーズの決定版であり完成形'' -スパIIという凡作のバージョンアップであり、しかも他社では『[[餓狼伝説スペシャル]]』、『[[サムライスピリッツ]]』などを擁するSNKというライバルが一気に台頭してきた時期にあったため、当初の期待度はそれ程高くはなかった。 -しかし蓋を開けて見れば、プレイヤー側で設定できるゲームスピードやスーパーコンボといった新要素が好評を得た。隠しキャラクターが判明した時にはそのインパクトで一気に盛り上がりを見せるなど、確固たる人気を獲得した。 -結果、非常に息の長いタイトルとして稼動。ハイパーストIIの登場まで10年間現役で稼動し続けていたゲームセンターも少なくなく、今尚研究されている。 --現在はXの全要素を引き継いだハイパーに主導権こそ譲っているが、過去のキャラクターが流入することをバランス崩壊ととって嫌うプレイヤー等、一部ではこちらの方が人気があり、ハイパーではなくXの大会を開催したり、Xとハイパーを併設する店舗もある。 ''絶妙になったキャラ間バランス'' -多くのキャラクターに無敵技が備わる様になったり、飛び道具回避手段が整った結果、キャラ間の標準偏差はターボと並んで最も小さい部類になった。 -投げ受け身が加わり、ハメ要素が薄れたのも大きい。 -今回調整されたキャラクターが弱いと感じるなら、スーパーのキャラクターに変更するという手もある。 **問題点(X) //「Xとハイパーどちらの画面なのか判断しにくい」など、ハイパーに起因するものはこちらではなくハイパーの項目に書いてください ''ボーナスステージの廃止'' -従来からボーナスステージはコンボ技などの練習に使われていた為残念という声がある。~ 特に今回のスーパー性能キャラはキャンセル条件が異なる点も挙げられる。 --豪鬼の出現条件の一つに得点がある為の調整ともとれる。 ''ゲームスピードの設定及び選択の可否が、ゲームを始めるまで確認できない'' -ほとんどのプレイヤー間で3速での対戦にはなるが、エミュレーター台などで2速固定というのが稀に存在していたり((収録ゲームが多すぎる為調整をしない、あるいはエミュという性質上調整できない可能性がある。))、低速で練習したいというプレイヤーもいるが、コインを投入するまでは判別できない。~ 現在ではさすがに1速固定や4速という台はほぼ見かけないが。 ''豪鬼の存在'' -やはり対戦格闘ゲームとしては一人浮いた強さを持つボスキャラがゲーセンでほぼそのままの性能で使えてしまうのは問題でもある。 --性能や調整がどうと言う以前に、必殺技の存在そのものが大問題であるキャラクターであり、豪鬼同士でなければまず対処できない。 --対戦での使用禁止はもはや暗黙の了解である。大会でもまず禁止とは言え野試合で乱入されると対処のしようがない。もちろん使う側のマナーの問題であるがトラブルの元にもなるだろう。 **総評(X) 前作の欠点を解消しただけでなく、スーパーコンボの導入と豪鬼の登場といった新要素は、本作をロングランヒットへと押し上げる原動力として申し分ないインパクトを残すこととなった。~ ---- **家庭用への移植(X) |ジャンル|対戦格闘アクション|&amazon(B00013YODK)|&amazon(B00006LJTT,image)| |対応機種|3DO&br()ドリームキャスト|~|~| |販売・開発元|カプコン|~|~| |発売日|【3DO】1994年11月13日&br()【DC】2000年12月22日|~|~| |定価|【3DO】8,800円(税別)&br()【DC】4,800円(税別)|~|~| |レーティング|【DC】全年齢(セガ審査)|~|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|~| -SFCなど、当時の人気ハードにはなかなか移植されなかった。 -当時は3DOに独占移植されることで大きな話題になり、本体の売り上げを牽引した数少ないタイトルとなった。 --ただロードが長い、処理落ちが激しい、コンボの得点計算がおかしいといった不評点も目立つ。 -PS・SSでは1997年に『ストリートファイターZERO2』のアレンジ作である『ZERO2'』とのカップリングで『スーパー』『X』がまとめて収録された『ストリートファイターコレクション』が発売されている。 --それまでは、本作に近いシステムを搭載した実写版『[[ストリートファイター リアルバトル オン フィルム]]』が本作の代替として遊ばれることもあった。 --PS版は後にゲームアーカイブスで『ストリートファイターZERO2'』名義で配信されたが、その中身は『スーパー』『X』も同時収録されたコレクション準拠の内容となっている。 -ドリームキャストでも、アナログ回線専用通信対戦システム「マッチングサービス」に対応した商品で『X』が通販のみ販売された。マッチングサービスは2003年9月1日に終了しているが、単体で遊ぶことは現在も可能。アーケード版では削除されたボーナスステージが復活している(設定で無しにすることも可能)。 -GBA初期タイトルとして『[[スーパーストリートファイターIIXリバイバル]]』も発売された。 -PS2では2006年11月14日にカップリングソフト『[[CAPCOM CLASSICS COLLECTION Vol.2>カプコン クラシックス コレクション]]』の収録タイトルとして発売されたが、海外のみの発売につき国内版の本体ではプレーが出来ないのが残念。 **対戦ダイアグラム(X) -[[T.Akiba 氏作成の初代スト2~スパ2Xのダイアグラム>http://games.t-akiba.net/sf2/diagram.html]] -[[ゲーメスト掲載の初代スト2~スパ2Xのダイアグラム>https://web.archive.org/web/20080704074143/http://xb-lim2.hp.infoseek.co.jp/sf2x/diaguramu.htm]] -[[2chハイパーストIIスレの有志による初代スト2~スパ2Xのダイアグラム>http://www15.atwiki.jp/ssf2xxx/pages/22.html]] --[[Excelファイルはこちら>http://cdn26.atwikiimg.com/gcmatome/?cmd=upload&act=open&pageid=3258&file=sf2diagram201412-2a.xls]] -[[Super Diagram Turbo Version 3>http://curryallergy.blogspot.com/2009/08/super-diagram-turbo-version-3.html]] --[[SDT Notes>http://curryallergy.blogspot.com/2008/07/sdt-notes.html]] -[[Super Turbo - New Arcadia Diagram(闘劇プレイヤーによるスパIIXダイアグラム)>http://curryallergy.blogspot.com/2008/11/super-turbo-new-arcadia-diagram.html]] **SUPER STREET FIGHTER II TURBO HD REMIX 2008年にPS3/Xbox360向けに国外限定で配信されたタイトル。~ グラフィックがHD解像度で描き直されたと同時に各キャラクターの性能にも大幅な調整が入っている。~ 戦闘中のキャラクターグラフィックはオリジナルをどうにも下手に模写したようなぞんざいな出来で、せっかくの高解像度化をいかんせん魅力に繋げられていない。~ 画風はあまりハイライトを用いないのっぺりとしたアニメ塗り。~ 高解像度化したわりにアニメパターンを増やしたりはしておらず、相対的に動きが粗く見えてしまう。~ 海外限定配信から9年後の2017年に発売されたニンテンドースイッチ向けタイトルの本家『ストリートファイターII』の新バージョン『ウルトラストリートファイターII』では、グラフィックをオリジナル版とリファイン版で選択可能だが、リファイン版はこのHD版のものを使用している。(ゲーム内容はHD版のものは反映されていない)~ ---- *ハイパーストリートファイターII 【はいぱーすとりーとふぁいたーつー】 |ジャンル|対戦格闘アクション| |対応機種|アーケード| |販売・開発元|カプコン| |稼働開始日|2004年10月| //|レーティング|CERO:B(12歳以上対象)| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''| **概要(ハイパー) -ストIIシリーズの総集編として、2004年に登場したバージョン。あくまでベースは『X』である。 -個性豊かな16人のキャラクターから1人を選択し、四天王以外から8人と四天王4人を倒す事が目的。 **システム(ハイパー) -基本的なシステムは『ストリートファイターII』の頁を参照。 -初代からXまでのキャラクター性能を選択可能。通称で初代ストIIはN、ダッシュはD、ターボはT、スーパーはS、エックスはXキャラと呼ばれる。 --顔グラフィックやボイス、モード決定音((カーソル選択音はX仕様のまま。))や技をヒットさせた時((ブランカの噛み付きやサイコクラッシャーアタック等一部を除く。))の効果音に至るまで、全て選択したバージョンのものが適用される。 --試合中の画面上部の顔アイコン及び、画面下に表示されるバージョンごとのアイコンが異なる(それぞれのロゴマークから一部を使用。Xキャラの場合はスーパーコンボゲージ)。 --Nガイルの真空投げやNダルシムのヨガキエール、Dダルシムの空中食らいといったバグは修正されている。~ ただしNガイルの「封印」(特定の条件で必殺技が出せなくなってしまうバグ)は残っている。 --X春麗とX本田で両キャラのスーパーコンボおよび本田の大銀杏投げのボタン受付時間が永続になる、Xバルログのスカーレットテラーが溜め完了後レバー横でも溜め持続が可能なバグも修正されているが、この3キャラは無修正版Xを使うことも可能。 --「Xで隠しコマンドを入れると使用できるSキャラ」(スパIIXの項目参照。今回は通常のSとの差別化のためにXS○○と呼ばれる)も使用可能。画面下のバージョンアイコンも通常のSとは異なり、スパIIXのロゴマークから採られている。 --Tキャラはコマンド入力型必殺技の入力猶予時間が長い。これはターボでゲームスピードを高速したことに合わせて入力猶予を長くしたのがハイパーでもそのままになっているためとされている。 --投げ受け身は双方がXキャラである場合のみ可能。相手がXSの場合受け身をとれなくなった為注意が必要。 --当然ながらスーパーコンボはXキャラの専売特許。こちらは相手がどの仕様でも繰り出せる。 -性能的にはDとXのキャラが強く((最後期で精錬されておりスーパーコンボまで持ち合わせたX勢が最も人気であり、動画等でもほとんどがX同士。続いてちらほらと、弱体化前ということで強キャラに成り上がっているD勢が上位に来ている。))、D3X5(Dガイル、Dサガット、Dベガ、Xリュウ、X春麗、Xダルシム、Xバイソン、Xバルログ)と呼ばれるDとXの上位キャラがそのまま強豪になっている。使用人口はXリュウが最も多い。 --Nは技数が乏しくリバーサルが出ない。TとSは攻撃力が低い理由で割を喰っている。 -とはいっても、Dサガットに対してはDガイルよりもXガイルの方が有利に戦えたりする様に、意外な組み合わせもある。 -BGMが早くなるタイミングが「あと1ラウンド取られたら負けになる側がピンチの時」のみとなった。 --そこからビハインド側が逆転勝利した場合は、BGMが元に戻り最初から演奏される。 -リュウステージの風林火山の立て札が復活、ベガステージで像を壊しても老人が怒らなくなった等、若干のオブジェクトの修正がある。~ スペインステージの金網もD・Tのバルログが使用できる為、再び意味を成すようになった。 -乱入するとステージがランダムに変わり、挑戦者が勝つとステージ1から再開。 -筐体設定で対戦数のラウンド数を1ラウンド先取~3ラウンド先取まで変えられる、対戦中は連勝数を表示するなどの現在の格ゲーなら必ず搭載されている要素がストIIでは初めて備わっている。 --対戦開始時、どちらが挑戦者でどちらが勝ち残り側かが表示され、勝ち数も出る。 -獲得得点表示での「ピロン」という音がなくなった。~ 試合画面で本作とXを見分ける要素の一つでもある。 -右上に表示する「INSERT COIN」の代わりにする表示に「求む!対戦プレイ!」のバリエーションも追加された。 --「負ける要素なし」「頑張りましたね」といった現在プロゲーマーとして活躍している梅原大吾氏のネタも搭載されている。 -豪鬼の乱入条件が「サガット戦勝利まで1ラウンドも落とさない」に、やられボイスはバイソンと同じものに変更(『X』ではリュウとダルシムのものだった)。 -CPUの攻撃判定とレベルが過去作に比べ大幅に引き上げられており、1人目から容赦なく殺しにかかってくるため、初心者には辛い。 --絶え間なく波動拳を連射し、ジャンプした瞬間昇龍拳で落とす上、攻めに回られるとジャンプ強キック+しゃがみ強キックの連続で一方的に体力を削ってくるリュウ。 --竜巻旋風脚でめくった直後に昇龍拳を叩き込んでくる他、こちらからは何を出しても問答無用で強昇龍拳で潰してくる上に、一度飛び込まれると体力の約7割を奪う即死コンボを決めてくるケン。 --無敵対空技を鷹爪脚で踏んでくる春麗。 --レバーやボタンの入力時間を無視して必殺技を出してくる事など日常茶飯事で、特に中距離の敵をしゃがみ強キックで追い払い、近づけば強力な投げ技を決めてくるため、画面端に追い込まれるとあっさり詰むザンギエフ。 --ソニックブームを連射し、飛び込んだ瞬間即サマーで落とすという全く隙のない待ち戦法に徹するガイル。 --エアスラッシャー+しゃがみ強キックで簡単に鳥籠が成り立つばかりか、マシンガンアッパーだけで体力の半分を奪う火力を備える上、とにかく隙が小さいディージェイ。 --サイコクラッシャーやスーパー頭突きにイズナドロップを決めるバルログ。 --ホークは初心者キラーの筆頭。喰らい投げ、立ちタイフーンなど当たり前で、ジャンプレバー入力を認識しての先読みトマホークや、梅原大吾氏が言ったとされた(実際には言っていない((梅原氏自身も「無理」と発言している。)))「小足見てから昇龍余裕でした」を平気でかましてくる。 --絞め技の判定も全体的に強く、特に速度3でE.本田やザンギエフ、ブランカなどは一度掴まれると体力の3分の1以上が無くなることもざら。 -隠しボスの豪鬼相手に負けると再挑戦できなくなった。コンティニューするとベガとの対戦になる。 -''2014年''10月9日に[[NESiCA>http://nesica.net/]]対応となった。~ 対応作品中最古というわけではない([[KOF'98>THE KING OF FIGHTERS '98 DREAM MATCH NEVER ENDS]]などもある)が、このゲームの人気・息の長さがうかがえる。 ---- **音楽(ハイパー) -タイトルBGMやキャラクター選択時の曲は『スーパー』のものに戻った。 **評価点(ハイパー) ''異作品間対戦'' -各作品のキャラクターは性能ばかりでなく特性も違ってくるため、同じキャラクターとの対戦でも色々なバリエーションが出てくる。 --これが、懐かしさを感じさせつつも単なるストIIのコレクションに留まらない魅力であった。 --ガイルなどのボイスに違和感を覚えていた人も、N・D・Tを使用することで懐かしのキャラクターそのものでプレイができる。 **賛否両論点(ハイパー) ''ラウンド数設定'' -シリーズで初めてラウンド数設定ができるようになったが、現在(NESiCA配信台含め)全国ほとんどの筐体が3ラウンド先取設定になっている。 --ストIIシリーズではこれまで2ラウンド設定を通してきたこともあり、「3ラウンドだと冗長すぎる」「疲れる」「ストIIなら2ラウンドでないと」「Xは2ラウンドなのに残念((上述の通り、Xまではラウンド数設定という概念がなかった為一律2ラウンド設定。また一部ではハイパーよりもXの方が人気があることも踏まえる。))」という声も多い。~ 一方、「1クレジットで長くプレイさせるため(の苦肉の策)」などという擁護的意見も一部では見られる。 --特に豪鬼と戦うのがかなり困難になってしまった。2ラウンド先取より11ラウンドも多く、無敗で切り抜けなければならない。 --ZEROシリーズ以降と違い((ZERO以降は、あらかじめ勝利したら埋まる空白を表す欄が「-」や「○」で表されており、その数で判断できる。))、実際にプレイする、あるいはプレイする様子を見るまでラウンド数設定を確認する術が全くないのも問題(ゲームスピードを確認できないのもXと同じ)。店員に聞くのが早いと思われるが、店員が理解していないこともあるかも知れない。 **問題点(ハイパー) ''Nキャラ同士では同キャラ対戦不可'' -たしかに初代『ストII』の仕様そのままではあるが、移植作品では可能なものも多い。本作では修正しなかったのは謎である。 --大会などでも使用キャラクターが被った際、進行に支障をきたす点が指摘されている。そのため、メインキャラクターにNキャラを置くのはおすすめできない。 ''CPU戦'' -あくまでスパIIXがベースであるためか、CPUにはXのキャラクターしか登場しない。ランダムで過去のシリーズの相手が出てきても良かったという意見は多い。 -上記の通りCPUが強すぎるため、対戦相手が見つからない店舗などで一人で遊ぶのは辛い。 --プレイヤーには見えない筐体設定において難易度を1~8まで選択できるが、たとえ難易度が1であろうと全く容赦ない。 --ただDガイルなど、CPU戦でも安定して戦えるキャラクターもいる。 ''ボーナスステージの不採用'' -上記のCPU戦同様あくまでスパIIXがベースであるためか、ボーナスステージは復活していない。車壊しや樽壊し、ドラム缶壊しの復活を望んだファンも少なからずいたようである。 ''弱体化調整'' -Dベガはサイコクラッシャーアタック、S以降のサガットはタイガーショットにおいて共に隙が多くなる弱体化を受けているため、本来の性能を引き出せていない((タイガーショットはバグだったのかカプコレ版及びNESiCA版では修正された。))。 --スパIIXでは有名だったXサガット使いも、ハイパーではXサガットを使用していないという逸話もある。このため対戦で見られるサガットはほぼDのみである。 --Dベガの場合はわずかで済んでいたため、相変わらず全バージョンで見ても最強クラスで、大会でも使用プレイヤーが多くみられる。また、PS2版でも修正は一切されていないため、意図的に性能を落としている可能性もある。 -また、各バージョンを再現しているため仕方の無い事ではあるが、一切使う意味のないバージョンのキャラクター(他バージョンの完全下位互換)も存在する。 **総評(ハイパー) 『ストII』の集大成。~ 長きに渡り愛されたシリーズは、別バージョン同士のドリームマッチという形で一つの完結を迎える事ができた。 これまで弱く使い辛かったキャラクターも、バージョン選択により活躍の場が見出せる。それを前に再びキャラクターの研究や再考が進む。~ 格闘ゲームブームを築いた名作は、これからもその輝きが失われる事はないだろう。 ---- **家庭用への移植(ハイパー) |ジャンル|対戦格闘アクション|&amazon(B0000E5SEO)| |対応機種|プレイステーション2|~| |販売・開発元|カプコン|~| |発売日|2003年12月18日|~| |定価|3,800円|~| |レーティング|CERO:C(15歳以上対象)|~| |廉価版|カプコレ&br()2007年1月25日/2,079円|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| -PS2に移植…では無く厳密にはアーケード稼働より前に発売されている。つまりアーケード版は逆移植に当たる。 --そのためアーケード版では修正されている各キャラクター性能のミス、バグが存在する。アーケード版より後発のカプコレ版ではアーケード版のものを含めて殆どが修正済み。 -アーケード版にない要素としてはBGM音源をCPSI(初代~ターボ)・CPSII(スーパー以降)・ARRANGE(FM TOWNS版『スーパー』3DO版『X』で使われていたアレンジ音源。その他の家庭用作品でも使われている)から選択することができる他、アーケードでは店舗側しかできないゲームスピードの固定・可変(もちろん4速も可能)の調節やラウンド数の変更も可能。 --ちなみにCPSIでも『スーパー』以降に追加された5人のステージBGMにも対応しており、''前世代の音源で逆アレンジ''という大変珍しい現象が起こっている。 --オプションで各音源・各曲のサウンドテストや、各作品のタイトルデモの視聴が可能。本作で唯一使われていない『X』のキャラクター選択BGMも聴ける。 -TURBOごとの速さがアーケード版と異なる。デフォルトの2速がアーケード版の3速に相当。 -D~Tキャラの試合中の顔アイコンがNキャラのもの(服の色が違う春麗で顕著)など若干の違いもみられる。 -近年の家庭用作品で多く使われている「PPP」「KKK」(弱中強同時押し)の割り振りができるため、豪鬼も簡単に出すことができる。 --惜しむらくはメモリーカード非対応であるため、起動する度に上記オプションの設定を行わなければならない。~ 初期のボタン配置がSFC版などと違うのが玉にキズ。 -CPUがXキャラしか出ないのはアーケード版と同じ。 --トレーニングモードがあるが、相手のタイプを「CPU操作」にすると強制的にXキャラを選択させられる。 -おまけとして劇場版アニメ『ストリートファイターII MOVIE』が丸ごと収録されており、視聴することができる。 --ただし、春麗のシャワーシーン等、レーティングに引っかかる箇所が一部カット・修正されている。 -XBOX版は『ストリートファイターアニバーサリーコレクション』のタイトルで、『[[ストリートファイターIII 3rd STRIKE]]』とのカップリングでリリース。通信対戦対応。『ハイパー』に関してはPS2版とほぼ変わらないが、MOVIEの動画はない。
-無印は[[ストリートファイターII]]、「ダッシュ」「TURBO」は[[ストリートファイターII']]の項目を参照。 *スーパーストリートファイターII 【すーぱーすとりーとふぁいたーつー】 |ジャンル|対戦格闘アクション| |対応機種|アーケード(CPシステムII)| |販売・開発元|カプコン| |稼働開始日|1993年9月| |判定|なし| |ポイント|音源、グラフィックの大幅進化&br()しかし、ゲーム性が…| //新キャラクターがどうなのかはポイントに挙げるほどのことでもない。 |>|CENTER:''[[ストリートファイターシリーズリンク>ストリートファイターシリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 ストIIのニューバージョンかつ、カプコンのCPシステムの後継基板である「CPシステムII」のデビュー作。~ 開発はSFC版ストIIが発売された1992年から始まり、[[TURBO>ストリートファイターII']]と並行して行われ、1年以上の開発期間が取られた。~ 前作の12人に4人の新キャラクターを加えた16人から1人を選択し、四天王以外から8人と四天王4人を倒す事が目的。 **システム -基本的なシステムは[[ストリートファイターII]]の頁を参照。 -TURBO発売前に作っていた関係上ゲームスピードがダッシュ以前に戻った。 --TURBOの速さで慣れた分、非常にモッサリに感じた人が多い。 -4人の新規キャラクターが追加された。 -最初の一撃・連続攻撃(コンボ)・リバーサル((起き上がりやガード中などの「操作不能な状態」から動けるようになった瞬間に必殺技を出すこと。ただし「スーパー」では空中やられの着地時のみリバーサルは出ない(ケンのみ特殊な操作で可能)。))・気絶から攻撃を受けずに復帰できた時にスコアボーナスが入る様になった。 --さらに各ボーナス対象の行動時に画面外からメッセージが流れて来てアナウンスされる。 --ちなみにファイナルラウンドではこれらのボーナス点だけが入る。 --現在格ゲーではごく普通に使われる「コンボ」という表現は元々海外でのものだったのが、この連続攻撃ボーナスで「◯ HIT COMBO!」というメッセージが表示されることにより国内でも一般的になった。 -ガードが解けた瞬間の投げ返し不可能時間がなくなった。 --これにより、当て投げが問題視されなくなった。 -気絶状態の種類が4種類に増えた(天使・星・ヒヨコ・死神)。回復にかかる時間は天使が一番短く、死神が一番長い。 --また、ダメージを受けて吹っ飛んだ時から気絶したことがわかるようになった。 -全キャラクターとの総当たり戦で行われていたCPU戦は、キャラクター増加につきランダムに選択された8人(同キャラ対戦含む)+四天王の計12名という形式に変更。 -専用基板4枚を接続してプレイ可能なトーナメント対戦モードが導入された。 --全員が1回戦・準決勝(敗者同士のものを含む)・決勝戦及びそれぞれの順位決定戦の計3試合を行うスイスドロー方式。また1ラウンド設定の試合がその中に含まれているため、最大で5ラウンドとなる。 --試合ごとに各プレイヤーが指定された席に移動する。 **キャラクター 全般的に、TURBOでのファンサービス要素の強かった新必殺技が削除ないし変更され、四天王には通常技が大幅に追加された。 #region(12人のプレイヤーキャラクターたちの変更点+4人の追加キャラクターたち) ''リュウ'' -空中竜巻旋風脚の軌道が変わり、キャンセルをかけないと通常技の後に出せなくなった。 -地上版竜巻旋風脚の下降中の無敵時間が削除され、上昇中の無敵時間も短くなった。 -これまでお遊び要素で超低確率で出現していた「赤い波動拳」が、ヨガフレイムコマンドで出せる新技「ファイヤー波動拳」として独自の性能で採用された。近くで当てると相手が倒れるので重宝する。 -波動拳のグラフィックが変更され、強さに従って攻撃判定が横に伸びるようになった。 -TURBOで得た最強の座は譲ることになったものの、それに準じる地位をキープしている。 ''ケン'' -空中竜巻旋風脚の軌道が変わり、キャンセルをかけないと通常技の後に出せなくなった。 -強昇龍は拳が炎に包まれ、当たると敵が燃え、最大で三段にまでなるものの、あまり斜めに跳ばなくなった。 -連続技で昇龍拳が入り辛くなった為、意表を突いた奇襲で事故勝ちということはまず望めなくなった。ゲームスピードが落ちたのも災いし、対戦では中位にランクダウン。 ''エドモンド本田'' -スーパー百貫落としが一段目で倒れる様になり、下段ガードが不可能になった。また、コマンドの最後が真上から上要素に変更され、後ろ溜めを維持しながら出せるようになった。 -フライングスモウプレスは特殊技に変更。 -高性能な飛び道具を有する春麗やディージェイが新たな天敵になったこともあり、対戦ランクは落ちることになった。 ''春麗'' -気功拳がタメ系になり射程に制限がついたが、隙が軽減し、連続技にも組み込める有用な飛び道具になった。これにより本田戦やバイソン戦の相性が一変。またポーズなどのグラフィックスが変更された。 -通常技の判定が強くなり、投げ間合いもリュウ・ケンの投げ間合いの外から投げられる程広くなった。 -スピニングバードキックの出掛かりを当てると相手が倒れるようになった。 -スーパーで大幅に強化されたキャラクターであり、対戦でも初代以来久々の上位キャラになった。 ''ブランカ'' -後方に下がってからローリングアタックを出す新必殺技「バックステップローリング」が使えるようになったが、イマイチ使いづらく用途は不明。一応、至近距離で当たれば3HITし更に別の技が繋がるが状況があまりにも限定的。 -ローリングのスキが大きくなり、多くのキャラクター相手にガードされると反撃確定、一部キャラにはヒットしても反撃される。 -バーチカルは下りに攻撃判定がなくなったが、強版が高速化したため相手が技を出す前に当てやすくなった。 -ザンギエフと最弱を争うまでに落ち込んだ。ローリングを連打するお手軽戦術は成立しなくなり、使用人口は激減。 ''ザンギエフ'' -各種投げ、つかみ技のボタンが変わり、コマンドは同じだが相手の位置によって技の内容が変化する「フライングパワーボム」「アトミックスープレックス」が使えるようになった。他に空中投げができるようになり、投げのスペシャリストとしての地位を確立。 -従来のより1回転だけ少ない「クイックダブルラリアット」が使えるようになり、ハイスピードダブルラリアットは削除された。ハイスピードとは違い足元の無敵判定がなくなり、従来のダブルラリアットも弱体化し起き攻め対策に使いづらくなった。 -スクリュー系の技に失敗すると、つかみ損ねポーズで硬直してしまう様になった。 -従来とは異なる技などで華麗な変身を遂げたように見えるが、総合的に見るとかなりの弱体化であり、再び最弱の定位置に逆戻りしてしまった。ただしバイソンに対しては突進技を安定して返せるため有利が付いている。 ''ガイル'' -ソニックブーム、サマーソルトキックの隙がダッシュに近いぐらいに戻され、ソニックの硬直は手を交差させた形になった。 -サマーソルトキックは若干後方にも攻撃判定が付き、強版が単発ヒットになった。 -他にはマイナーチェンジしかないものの、今回弱体化した旧キャラが多い中、相対的にTURBOで落ちた対戦ランクを戻している。 ''ダルシム'' -弱ヨガファイヤーで相手が倒れなくなり、連続技に組み込める様になったのが最も大きな変更点であり強化点。 -スピードダウンも追い風になり、サガットに次ぐ強キャラに躍進した。サガットとの直接対決でも相性が良く、かなり有利を付けることが出来る。 ''M・バイソン'' -ターンパンチの無敵時間が削除され、代わりにジャンプ頭突きで上を攻撃する無敵技「バッファローヘッドバット」が使えるようになった。 -弱ダッシュストレートがヒットすると相手が倒れる様になった。 -が、ジャンプ強パンチが昇りでしゃがんでいる相手に当たらなくなったり、ダッシュアッパーの溜め時間が長くなったため気絶~気絶の連続技ができなくなったりと弱体化した部分も多く、あまり地位は向上していない。 -ダッシュストレート・ダッシュアッパーの時に叫び声をあげるようになりそれが印象的だったため、バルログの「ヒョー」・サガットの「アイガー((「タイガー」の空耳。当時のドラマCDでタイガーショットを撃つ場面で本当に「アイガー」と叫ぶほど有名だった。))」と共にバイソンの「オアー」が親しまれるようになった。 ''バルログ'' -金網が落ちて来る演出があるスペインステージでも、バルセロナが金網に行かずに三角跳びになるように。 -壁から水平に飛ぶ新技「スカイハイクロー」が使える様になったのに加え、壁を蹴るまでのジャンプが低く速くなり、バルセロナが当たると倒れる様になった。いわゆるヒョーバルが非常に強くなり、嫌われ役としての地位を確立。 -もう一つの新技「ショートバックスラッシュ」はバックスラッシュの後半部分を省略したような技で、動作が短いぶん隙も少ない。 -新たに追加された通常技も使い勝手が良いものが多く、相対的な機動力はダッシュの水準に戻されており、対戦ではトップグループに入るまでに返り咲いた。 --特に立ち状態の通常技が追加された点はリーチの点でも有利になった。 ''サガット'' -タイガーショットの硬直がダッシュ並みに戻り、下タイガーが立ちガード出来なくなった。 -タイガークラッシュの名称が「タイガーニークラッシュ」に変更。1段目が屈んでいる相手に当たるようになり、ヒット時に相手を立ち状態にする効果が付いた。 -タイガーアッパーカットのリバーサル時のガード不能が修正された。 -立ち中・強キックの1段目にキャンセルが掛かるようになり、連続技の威力が向上した。 -対戦では独り勝ちであり、ダッシュやTURBOの頃もそう言われながら実現しなかった「サガット最強伝説」がついに現実のものとなった。 ''ベガ'' -ヘッドプレスの擬似技としてパンチを出す「デビルリバース」が使えるようになった。 -通常技も膝蹴りなど新モーションの技が増え、キャンセルが掛かる技も少し増えた。 -ダブルニーの2段目で相手が倒れる様になり、ヘッドプレスやスカルダイバーで削れるようになった一方、サイコの足部分から攻撃判定が消えて「サイコテイル」が出来なくなった。 -対戦ではTURBOよりは僅かに改善したものの、相変わらず弱い。 -余談だがベガのみ、勝利した際の台詞が全て新しいものに変更された。『TURBO』以前より現在のイメージに近い悪人らしい台詞が増え((以前は「俺より強い奴はもう居ないのか…」など武人らしさと哀愁を感じさせるものがあった。))、女性(春麗・キャミィ)相手のものもある((なぜかT.ホーク相手にも言ってしまうというバグがあり、当時「ホーク女性説」が流れた。))。 ''本作からの追加キャラクター''~ ''T(サンダー)・ホーク'' -ネイティブアメリカンの戦士。開発時はアメリカ出身だったが、ケンにガイルにバイソンとアメリカ代表者が多いためメキシコ出身と言う設定になった。身長はサガットより高く、体重はザンギエフを上回り、両腕を水平に構える独特のファイティングポーズを取る。「ベガに一族を滅ぼされた」という主要キャラクターっぽい設定があるが、この点が注目される事は少ない。 -相手を掴んで振り回して叩きつける、レバー1回転投げの「メキシカンタイフーン」と対空技の「トマホークバスター」、空中から奇襲できる「コンドルダイブ」を持ち、「昇龍拳を使えるザンギエフ」と評されている。 --右から反時計回りに右下までレバーを回転させて1回転と623を同時に入力する事で、投げが成立するならメキシカンタイフーンに、成立しなかったらトマホークバスターが出る「タイフーンバスター」という戦術が非常に強い。 -反面、全体を俯瞰すると通常技性能は低め。但し本作では屈弱Pの連打がバリアになること、近・遠立強Kの判定が大きい上にしゃがんだ相手にも当たる等、一部強力な技が存在する。 ''キャミィ'' -英国の特殊部隊「デルタレッド」隊員の少女で、過去の記憶を失っている。金髪で頬に傷があり、赤いベレー帽を被り、ハイレグタイプのレオタードを着ている。エンディングでは実はシャドルーの一員だったことが判明する。春麗とはまた違った魅力で人気を得た。 -地面スレスレを回転突進する「スパイラルアロー」と裏拳を繰り出す飛び道具抜けに使えそうで使えない「アクセルスピンナックル」、対空の蹴り技「キャノンスパイク」を持つ。 -小柄で当たり判定が小さい割にリーチに優れ、前後の移動も速いものの、密着時以外の攻撃力に欠け、めくられ易く、ジャンプのスピードが遅めで迎撃されやすく、跳んで攻めるのも苦手と欠点も多く、サガットやガイルが天敵になっている。 ''フェイロン'' -香港のスーパースター。顔、性格、風貌、掛け声等どれをとっても明らかにどこかの映画俳優を意識しているが決して突っ込んではいけない。ついでに[[他社の中国拳法家>ワールドヒーローズ]]にも似てる点にも突っ込むのは禁止。 -コマンドを繰り返し入力する事で2回追加発動できる移動兼攻撃技の「烈火拳」と、当たると相手を燃やす対空技の「熾炎脚」を持つ。 -高い攻撃力と機動力を持つがリーチが短めで、ジャンプも低くゆったり。一瞬の隙をついて懐に潜り込み、威力の高い連続技を叩き込んで相手をねじ伏せるスピードタイプ。 ''ディージェイ'' -ジャマイカのカリスマキックボクサーにして人気ミュージシャン。勝利ポーズではマラカスを振ることもある。 -ガイルと同じく全ての技がタメ技で、飛び道具「エアスラッシャー」と回転蹴りの「ダブルローリングソバット」、特徴的な連打技「マシンガンアッパー」を持ち、通常技の性能にも優れている。 -ガイルに比べると通常技のリーチが短い反面、ジャンプスピードがガイルより速かったり、マシンガンアッパーは連続技にも組み込めて全段ヒットするため、めくりからのコンボが強烈と独自の長所があり、「守りのガイル、攻めのディージェイ」とも。反面、飛び道具を持っていながら隙が若干大き目なため、鳥篭に弱い。 -言動や勝利メッセージが派手な割に、印象は地味で顔も濃い不人気キャラであるが、密かに新キャラの中では一番強かったりする。 -余談だが、彼のズボンには「MAXIMUM」と書かれており、左右の向きを変えてもそのままで俗にいう「左右反転の矛盾」((本シリーズであれば向きが変わるとバルログの爪の持ち手やサガットの眼帯が変わるという矛盾がある。(反転させずに正しく作画する手間の省略の他、正しく作画することで却って戦闘動作の描写に不都合が生じるためあえてそうなっている。)上述の「MAXIMUM」が左右のどちらでも反転しないのは、文字自体が左右対称で構成されているからである)。))が起きないようになっている。 #endregion ---- **特徴・評価点 ''音楽・効果音'' -全面的にPCM音源((CPシステムではFM音源(YM2151)8ch+MSM6295の4chADPCM音源のハイブリット音源だったが、CPシステム2では今で言うバーチャルサラウンド技術の1つである「QSound」を搭載したDSPで最大16ch同時発声可能。「QSound」に代表されるようにPCM音源は開発した会社によって呼称が違うが、これは各社が開発したチップセットや、サンプルの圧縮方法、ひいてはサンプルされた元の音の違い、フィルターの有無等を明示する為の商業用の商標ともいうべきものである。))に生まれ変わり全曲アレンジ。全体として非常にクリアで良く聴こえる様になった。 --新BGMは別の作曲者によるものだが、キャミィステージは従来のものに負けない屈指の名曲として評価が高い。 --従来のBGMについても、キーを変えるなどしてアレンジが図られている。特にケンステージやガイルステージのBGMは非常に格好良くアレンジされた。 --またラウンド1ではBGMが早くならず、終了時も途切れずにラウンド2の決着直前まで通しで演奏されるようになった。 -効果音やアナウンスが全面的に変更された。また、いくつかの必殺技には新たに効果音が追加された。 //各飛び道具の発射音やヨガテレポートの効果音が追加。サガットの必殺技(アッパーカットを除く)には咆哮のようなSEが付けられた。 -キャラクターの声も声優が当てるようになった。 --リュウやダルシムなどは旧作の意匠を残したまま若干甲高くしただけである一方、春麗、ガイル、バルログなどは完全に別物になっている。 --その他もリュウとダルシムの一部が共有している以外は各キャラ毎に固有のボイスが割り当てられた。デザインに合わせてか、リュウとケンの声も初めて区別された((具体的に言うと、リュウが「ハドォ~ケン!!」と伸ばして発音するのに対し、ケンは「ハドウケンッ」と爽やかな印象のボイスになっている。))。 --バイソンの「オアー!」を筆頭として、投げなどで無言だったキャラクターの多くの動作にボイスが設けられた。 --ちなみに、誰がどのキャラクターの声を演じたのかは開発陣曰く、「記録が無くわからない」とのこと。 ''グラフィック'' -キャラクターのカラーバリエーションが8色(弱~強のパンチとキック、ボタン押しっぱなし、スタートボタン)に増加した。ダッシュ色(中P)・ターボ色(強P)も残っている。 --トーナメントモードでのカラーの重複を防ぐための措置だが、これを切っ掛けとしてキャラクターカラーが3色以上用意された格闘ゲームが作られるようになった。 --のちの格ゲーシーンでは、プレイヤーの個性としてプレイスタイルのほかに「使用カラー」が注目されていくことになる。 -キャラクターの一枚絵等のグラフィックはほぼ全て一新された。やたらエグかった敗北時のイラストも比較的マイルドになった。 --基本的にはどのキャラも美麗になっているが、異様にイケメンになったブランカやサガットや(肖像権の影響で)脳筋に見えるようになったバイソンなど、それまでのイメージとの乖離が激しいキャラもいる。 -ステージのグラフィックは描き直されつつも元の作りを再現しているが、ケンステージの船が漁船からクルーザーに変更されたり、ベガステージで像を壊すと怒る人が女性から老齢の男性になるなど、一部は変更されている。 -試合中のドット絵自体はほぼ従来のものを踏襲しているが、四天王の新通常技が大量に追加されたほか、既存のグラフィックにも描き直された箇所が多い。 //--春麗は頭部のグラフィックや気功拳のモーションが描き直された。 //--ガイルは全体的に描き直されている。 //--リュウの波動拳や気功拳の弾のグラフィックが一新された。 //--二つある勝利ポーズが似通っていたガイルとバルログは、一つが新しいモーションに変更された。 //--リーチの長い技を出した時に顕著だった影のずれが修正された。 //細かすぎて特筆性に欠けるように思う -四天王のエンディングは個別のグラフィックが用意された。 --特にバイソンとサガットは本人の個性をより強調した物になり、展開自体も変わっている。例えばサガットは新キャラクターの登場によりCPU戦で必ずリュウと戦うわけではなくなったので、どちらとも取れるように表現が変更されている。 --また、春麗のエンディングには選択肢が追加された。選択次第で後半の台詞以外は「春麗の服装」と「春麗の後ろにいる男の立場」が変化する。 -これまでタイトル画面は登場キャラクターと全く関連の無い人物が描かれていたが、初めて登場キャラクターを露出させた。 **問題点 新基板を投入したにもかかわらず本作が凡作として見られてしまった原因としては、主に以下の2点が挙げられる。 -''ゲーム性の退化'' --TURBOでの高速化やバランス調整に慣れたプレイヤーとしては、ダッシュ以前のプレイ感覚に戻ってしまい、相当な不満を残すことになった。 --対戦バランスもサガットが大差を付けて最強であり、以下リュウ、ダルシム、バルログが続き、最弱は「やはりお前か」のザンギエフであった。TURBOの見事な調整がここにきて崩れてしまった。 ---ただしプレイヤーの腕によるリカバリーが全くできない訳ではなく、例として札幌で行われた全国大会予選では、''ザンギエフとバイソンによる決勝戦が行われ、1勝1敗で第3ラウンドまで決着が持ち越された果てに僅差でバイソンが勝利した''という記録が残っている((両者共に最弱争いをしていたキャラであったことと、対戦ダイヤグラム的にはバイソンが圧倒的不利であった。当然ながら会場は大喝采が起きたという。))。 --ザンギエフの上位互換扱いで稼動直後は上位だったホークも対策されるにつれ次第に順位を下げていった。 --また、本作はTURBOと比べて全体的に性能が弱体化したキャラが多い。これは必然的に今まで使えていた技や戦術が減るということでもあり、前述のスピード低下と相まって純粋に爽快感の減少に繋がってしまった。 -''微妙な新キャラ要素'' --旧キャラを使い続けるプレイヤーが圧倒的に多く、新キャラの使用は少数であった。 --人気の面で見ても、当時のゲーメスト増刊における人気投票ではキャミィ以外軒並み低く、嫌いなキャラクターに関してはディージェイを筆頭に上位4位全て新キャラが占めてしまった。 --見た目が普通に格好良く見えるが故に個性が薄く、性能的にも既存キャラクターと似通った要素が強く、総じて目新しさが無かったのが新キャラ4人の人気が伸びなかった要因と思われる。 ***その他の問題点 -CPU戦の形式変更 --キャラクターの増加に伴うプレー時間の調整が目的で形式が変更されたCPU戦は、その性質上苦手なキャラクターとの戦闘を避ける事が出来る様になった反面、1クレで全キャラと戦えない事からオールクリアに対する達成感が低下したという意見も少なくは無い。 --もっとも、当時における同形式は本作と『[[ワールドヒーローズ2]]』でしか採用されていなかった為か馴染みが薄く、本作の失敗や同期に稼働した『[[餓狼伝説スペシャル]]』のヒットによって、総当たり形式を継続採用する作品が増加する事になった。 -トーナメント対戦は場所を取る上に、5ラウンドしか対戦出来ない為、ほとんどプレイされなかった。 **賛否両論点 -新キャラクターの紅一点「キャミィ」 --ハイレグレオタードというキャラデザインから、春麗とは違った魅力で人気を得たが、その一方で「ウケを狙ったキャラデザイン」と否定意見を持つ人もいた。 //--しかもイギリス代表という設定なのに『I』に登場した「バーディー」や「イーグル」とは無関係かつ立場も用心棒でなく軍人なのでガイルの二番煎じとなってしまった((春麗は通常技の大キックが『I』の「元」と関係ある描写のある中国拳法家なので『I』を知ってるシリーズのファンからも受け入れられた。))。 //設定についての意味のない個人的な言い掛かりをCO。国籍や立場に賛否要素も何もない。 -従来からのキャラ性能の変化 --初代ストIIからダッシュを経てターボまでにあったキャラそのものの調整及びバグ修正が行われたことも人気減少の一因としてあった。 例としてリュウ、ケンに存在した小足アッパーといったバグ技の削除、ザンギエフのスクリューパイルドライバーに失敗(スカリ)モーションがつくといったプレイヤーが前バージョンまでに当たり前としていた概念が覆されたことが当時のプレイヤー達の中ではかなり不評であった。 勿論ゲームバランスを整えるという意味では必要なことであるが、プレイヤー自身の爽快感を奪いかねないといった意見も見受けられる。 -ラウンド2以降のBGMの変化について --前述のとおり、今作ではラウンド2の決着直前になるとBGMが変化するのだが、前作のように十分な音質が確保できなかった時代では遊び要素として好評を博したが、音質の向上した今作においてもこのようなギミックを採用することに対し、ラウンド1から2まで通しで演奏されるようになったのだから最後までそれを貫徹して欲しい、という声もあった。これについてはX以降も変化することはなかった。 **総評 新基板であるCPシステムIIの恩恵をうけて音源やグラフィックが進化したのは良かったが、ゲーム性の退化や新キャラ導入の意味合いの薄さが評価を下げてしまった。 ---- **家庭用への移植 |ジャンル|対戦格闘アクション|CENTER:&amazon(B000068HM3)| |対応機種|スーパーファミコン&br()メガドライブ|~| |メディア|【SFC】32MbitROMカートリッジ&br()【MD】40MbitROMカートリッジ|~| |販売・開発元|カプコン|~| |発売日|1994年6月25日|~| |定価|10,900円(税別)|~| |レーティング|【VC】CERO:B(12歳以上対象)|~| |配信|バーチャルコンソール【SFC】&br()【Wii】2007年12月18日/800Wiiポイント&br()【WiiU】2014年6月25日/823円&br;【New3DS】2016年6月7日/823円(税8%込)&br()バーチャルコンソール【MD】&br()【Wii】2011年11月8日/600Wiiポイント|~| |判定|なし|~| //&amazon(B000148692) **概要(SFC/MD) -SFC版はゲームスピードを4段階から選択可能で、チーム戦モード・専用基板のトーナメント戦を再現するモード・CPUの相手をどれだけ早く倒せるか競うモードなどの追加要素がある。 --やはり容量の都合だろうが、「ROUND○ FIGHT!」のボイスが消され(「YOU WIN/LOSE」の方はある)、ラウンド毎にBGMが途切れる仕様に戻り((早くなるタイミングはアーケード版同様、ラウンド2以降の決着直前。))、ボイスが従来以上にこもって聞こえる。~ ステージ曲のアレンジもされているが、今までの移植版と同様にキーや音色が変わっているものもあり、好みが分かれる。 ---北米SNES版のBGMは日本版や欧州SNES版とは異なるアレンジになっている。 --T・ホークの中P投げ後の硬直が短くなった(後述のMD版も同様)、一部のコンボが繋がらなくなった((フェイロンが近立強Pキャンセル強熾炎脚と繋げた場合、キャラによっては熾炎脚の2段目が入らなくなった。))など、ゲーム性がアーケード版と異なる部分がある。 --ケンステージは何故か「緑色の海と青緑色の空」と認識するほど緑成分が強くなっており不自然である(後述のMD版ではさらに緑成分が強い)。また、本田ステージも緑がかっている。 --春麗の頭部など、アーケード版でのドット絵の変更点が反映されておらず『TURBO』以前のものになっている部分がある。 -MD版はSFC版の要素に加えて、ゲームスピードが5段階になり、新たにスコアを競うモードと独自オプションのスーパーモードが追加されている。 --スーパーモードをエキスパートに設定した場合、CPU戦のボーナスゲームが省略され16人全員と戦う、ラウンド毎にBGMが途切れないなど様々な違いがある。 --ハード性能が異なるため、SFC版よりもBGMや色数が劣り、効果音が減ったりダッシュプラス同様しゃがれ声だったりするが、一方でSFC版で削除された一部の音声やグラフィックが残っている部分もある。 -モデムアダプタ「XBAND」に対応しており、通信対戦で遊ぶことも出来た。ただし、MD版は海外のみの対応。 --MD版はバーチャルコンソールでの配信にあたり、オンライン対戦機能が実装されていた。 -両国国技館での大会も本作が最後となっている。~ 前々回優勝者のダルシム使い、前回優勝者のサガット使いはいずれも同じキャラを使い、群馬テレビの記者が密着取材を行ったが、両者とも簡単に敗退してしまった。~ 「来年はリベンジを果たしたい」と意気込みを語ったが、叶うことはなかった。~ なお今回はリュウ使い((サガットやダルシムも並行して使用していた。))がバルログ使いとの同点プレーオフを制し優勝している。 -2022年『ストリートファイター』シリーズ35周年を記念して、SFC版とMD版の音源をカップリングした[[2枚組サウンドトラックが発売された。>https://www.amazon.co.jp/dp/B0B3MWQNVX/]] **その他の移植 -X68kとFM TOWNSにも移植された。 --TOWNS版は背景の再現こそ残念だが全楽曲がアレンジされているのが特徴。なお、TOWNS版のアレンジ曲群は後に様々なストIIの移植作品で使用されているのだが、移植ハードがハード故に非常にマイナーな為、殆どのプレイヤーから「3DO版初出のアレンジが多くの機種に移植されている」と大きく勘違いされがちなのが玉に瑕。 --X68000版は当時は唯一であったAC版の「トーナメントモード」も移植されており、X68030以降の上位機種ではソフト起動時に多重PCMドライバが別途読み込まれる。但し、音源の違いからかQサウンド特有の音声効果要素は削除されている((多重PCMドライバについてはX68000版「ストⅡ’」でも同じ仕様となっている。))。 -SS・PSの『ストリートファイターコレクション』に収録されている。 -2018年発売の『[[ストリートファイター 30th アニバーサリーコレクション インターナショナル]]』では、Switch版限定特典として幻のトーナメントモードが収録される事になった。 --実機と同様本体を4台で繋がり、プレイヤーの立場を交代する仕組みになっている。 --これまでのトーナメントモードも含んだアーケード準拠の移植はX68000版しか無く高価格に跳ね上がった為、2018年になってようやく手軽に遊べるようになった。 **その後の展開 -本作でリニューアルされたグラフィックと登場キャラクターをベースに、さらにグレードアップした作品として以下が登場している。 --[[スーパーストリートファイターIIX]] --[[ハイパーストリートファイターII]] ---初代から『X』までの5つのキャラクター性能が選択可能。当初は家庭用のみだったが、後にアーケード版も稼働した。 --[[ウルトラストリートファイターII]] ---この作品のみアーケード版は稼働していない。

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