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キン肉マン マッスルタッグマッチ」を以下のとおり復元します。
*キン肉マン マッスルタッグマッチ
【きんにくまんまっするたっぐまっち】
|ジャンル|アクション|&amazon(B000068GVZ)|
|対応機種|ファミリーコンピュータ|~|
|発売元|バンダイ|~|
|開発元|トーセ|~|
|発売日|1985年11月8日|~|
|定価|4,900円|~|
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#contents(fromhere)
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**概要
-週刊少年ジャンプで1979年から1987年まで連載され、2011年からは直接の続編シリーズが連載中である、ゆでたまごの漫画『キン肉マン』。地球の平和を守るダメ超人・キン肉マンが、仲間の正義超人たちと共に強大な敵と戦っていくこの作品は、仲間との熱い友情やプロレスをモチーフにした迫力とケレン味に溢れたバトルシーンによって大人気を獲得し、アニメ化はもちろん数々の続編・スピンオフ作品、『キン消し』を始めとする多くの関連商品を生み出して一大ブームを巻き起こした名作である。~
本作はそのキン肉マンを題材とした初のゲームである。当時はまだ対戦型格闘ゲームの概念すらない時代であったが、本作は2人対戦をコンセプトとしている。~
また、バンダイが初めて発売したファミリーコンピュータ用ソフトでもある。
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**システム
-8人の超人の中から任意の2名を選択してタッグチームを作り、同様に2名の超人で構成された敵タッグチームと対戦する。~
十字キーで移動し、Aボタンがパンチ、Bボタンがジャンプ。他にコマンド入力や敵との位置関係等でキックやバックドロップ、ラリアートなどの技が出せる。~
自分サイドのコーナー付近でAボタンを押すとパートナーとタッチして交代。交代したキャラは体力が最大値の8割でスタートする。タッチ後10秒間は再タッチできない。~
リング内に体力が一定以下に減ったキャラがいる場合には時折マスコットキャラの『ミート君』がリングサイドに現れ、『命の玉』というアイテムをリング内に投げ込む。これを取ると体力が回復し、一定時間能力値がアップ。またキャラクター毎に設定された『必殺技』が使用可能になる。~
その他特徴的な仕様として、「ジャンプするだけで体力を僅かに消費する」「相手に与えたダメージ分、自分の体力が回復する」などがある。~
体力が0になった超人は倒れ、そのまま3カウントを取られてKO(他のプロレスゲーでは普通に存在するピンフォールやギブアップはない)。片方の相手に3回戦中2回勝利すれば1ステージクリア。~
バトルステージとなるリングは通常の『ノーマルリング』、滑りやすい『氷リング』、ロープに電流が流れていて触れるとダメージを受ける『電気リング』の3種類がある。
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**登場キャラクター
-''キン肉マン''
--必殺技:『キン肉ドライバー』(相手の背後でAボタンを押す)
--言わずと知れた主人公。最初はダメ超人と馬鹿にされながらも、持ち前の、窮地に陥るほど不屈の底力を発揮する「火事場のクソ力」によって強大な敵との戦いを乗り越え、また仲間との熱い友情の支えもあって最終的には正義超人の大将格へと成長していく。
--原作における「ラスト5秒の逆転ファイター」ぶりを再現したのか、本作では非常に移動速度が遅く、その他の能力も低めである一方、必殺技の威力は全キャラクター中トップクラスというアンバランスな設定になっている。だがその肝心の必殺技が、足の遅さが災いしてなかなか背後を突けないため使いにくい。特に対人戦闘では警戒されてまず決まらない。「主人公なら強キャラか使いやすいバランス型だろう」と思い込んで安易に選んだ初心者の多くに地獄を見せ、最終的には全てのプレイヤーから見向きもされなくなるという、主人公にあるまじき立ち位置にいるキャラである。
-''テリーマン''
--必殺技:『ブルドッキングヘッドロック』(Aボタンを押す)
--正統派レスリングも荒々しいラフファイトもこなす「テキサスの荒馬(テキサス・ブロンコ)」。連載初期からのキン肉マンの親友で、タッグチーム『マシンガンズ』のパートナー。
--キン肉マン同様足が遅く、その他の性能もキン肉マンとどっこいどっこい。しかし必殺技の性能が非常に優れており、使いやすさでは圧倒的に上。だが「スピニング・トゥーホールド」や「カーフ・ブランディング」「テキサス・クローバー・ホールド」といった代表的な必殺技を差し置いて、何故この原作で一度も使用されていない技((ブルドッキングヘッドロックとフォームが良く似た技をカーフ・ブランディングの呼び名で使用したことはある。))がチョイスされたのかは謎。
-''ラーメンマン''
--必殺技:『空手殺法』(ジャンプ中にAボタンを押す)
--中国拳法をベースにした多彩な技で戦う残虐超人出身の正義超人。スピンオフ作品『闘将!!拉麵男(たたかえ!!ラーメンマン)』で主役を務めるほか、様々なゆでたまご作品に同じ顔のキャラが登場する。
--キックの性能が優れており、必殺技も射程距離の長くなったキックである。だが原作中に「レッグ・ラリアート」や「百戦百勝脚」など使えそうな必殺技がある中で、何故オリジナルの、しかも日本の格闘技である「空手」を使用した技名にしたのかは不明。
-''ロビンマスク''
--必殺技:『タワーブリッジ』(相手の背後でAボタンを押す)
--キン肉マンにとっては最初の強敵であったベテラン超人。正義超人チーム内では副将・参謀格で、終盤はキン肉マンとタッグを組むことも多かった。
--全体的にバランスがとれており使いやすい。ただし必殺技がキン肉マン同様決めにくい上に、決めた後遠くに放り投げるため相手との距離が開き、しかも硬直時間が長いため連続して決めるのは非常に難しい。
-''バッファローマン''
--必殺技:『ハリケーンミキサー』(Bボタンを押す)
--側頭部から伸びた角「ロングホーン」が目を引く巨漢。『7人の悪魔超人編』における大ボス格のキャラであったが、キン肉マンとのファイトで改心し正義超人に転身する。転身直後のスキンヘッド(?)は黒歴史なので触れないように((「過ちを悔いるため頭を丸めた」という説が有力。二世で悪魔超人化したときは髪が蠢いていた。))。
--原作では超人強度((超人のパワーを数値化したもの。キン肉マンは95万パワー。))1000万パワーを誇る重量級のキャラだが、本作ではスピードもそこそこある。必殺技は突進技で威力もキン肉ドライバーと同等に高いが、実は出始めと出終わりには攻撃判定がない。そのため接近されるとロープ際でなければ当たらない。
-''ウォーズマン''
--必殺技:『ベアークロー』(Bボタンを押す)
--冷徹な氷の精神と熱い友情パワーを併せ持つロボ超人。ロビンマスクとは師弟関係にある。人気・実力とも高いのだが、原作中では色々と不遇な扱いを受けていた。
--若干攻撃力が控えめだが、全キャラ中最速の移動速度を誇る。必殺技はハリケーンミキサー同様突進技だが、攻撃範囲はより広くなっている。
-''ブロッケンJr.''(日本版のみ登場)
--必殺技:『ナチスガス殺法』(Aボタンを押す)
--正義超人チームにおける若手のホープ的存在。父ブロッケンマンを惨殺したラーメンマンを仇と狙っていたが、彼との戦闘後は師弟のような信頼関係で結ばれている。
--致命的な足の遅さを始め、能力値は極めて低い。だが必殺技は射程無限・効果範囲も広めの飛び道具という、ゲームシステム上反則と言っていいほどの超性能。命の玉を取ることができればほぼ勝てる。なお元になる技は父親のブロッケンマンがラーメンマンとの戦いで使用した技であり、ブロッケンJr.は原作中では一度も使用していない((続編の『キン肉マンII世』においては「殺超人ミスト」の名前で使用している。))。そのためこのキャラをブロッケンJr.ではなくブロッケンマンだと勘違いしているプレイヤーも多く存在したらしい。
-''アシュラマン''
--必殺技:『阿修羅バスター』(相手の背後でAボタンを押す)
--「魔界のプリンス」の異名を持つ三面六臂の悪魔超人。最も正義超人との戦闘回数が多いライバルキャラ的存在であり、彼らとの戦いの中で徐々に友情の尊さに目覚めてゆく。
--スピードに優れ、他の性能もバランスよく高い。だが彼のスピードをもってしても必殺技はキン肉マン同様決めにくい。
-''ジェロニモ''(海外版のみ登場)
--必殺技:『トマホーク投げ』(Aボタンを押す)
--元々は超人に憧れるただの人間だったが、後に超人の神に認められて超人へと転生する。人間の頃には悪魔超人でも実力派のサンシャインを満身創痍になりながらも倒すという金星を挙げるが、超人になった後は目立った活躍を見せていない((一応設定では本筋とは別の所でチャンピオンになったらしいが…。))ため「人間のままの方が強かったのでは?」と言われることも…。
--海外版である『M.U.S.C.L.E.』において、諸事情(後述)で出せないブロッケンJr.と入れ替えという形で登場するキャラ。性能はブロッケンJr.と同じで、必殺技がチート級な飛び道具なのも同じ。だが「アパッチのおたけび((大声を上げて衝撃波でダメージを与える技。))」というおあつらえ向きの技がありながら、何故凶器攻撃((『キン肉マン』の世界観では「ダイヤモンドの硬度を持つ超人がガラスの破片を使った」場合でも非難されるなど極めて卑劣な行動と見做されており、悪逆な敵キャラでもまず使わない。ベアークローなどの体・コスチュームの一部とみなされるものは凶器扱いされていない。))が採用されたのかは謎。命の玉を受け取れるため、設定上は超人になった後と思われる。
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**評価点
***対戦格闘・キャラクターゲームの元祖
-対戦ゲームといえば「2人協力プレイ」の変則プレイが主流だった時代((マリオブラザーズ・アイスクライマー等))にはっきりと対戦格闘・キャラゲーの概念を打ち出したのは特筆すべきである。
-簡易的ではあるがプロレスを模したコマンド入力や現在で言う超必殺技の元祖ともいえる概念も革新的である。
-キャラクター選出も、原作における人気・出番から考えればおおむね妥当。「何故この超人を出さずにあの超人を出したのか?」という批判とはほぼ無縁であろう。
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**問題点
***キャラクター間のバランスの悪さ
-特にブロッケンJr.の必殺技が強すぎる。一度発動すると、ゲームシステム上ほぼハメの状態にすることも容易であるため、ローカルルールで「ブロッケンJr.禁止」とされたという報告が多々寄せられた。
--現在では「やりこんでいない初心者が誤解しているだけ」と判明しているが、当時はインターネットで情報が広がるわけでもなく、全国的に対戦攻略がなされるわけでもなかった。そのため、初見の印象だけが強く一人歩きしてしまっていた。
---実は、ブロッケンJr.は基本性能が致命的に低いため、命の玉を取らせないように戦えばいい。~
「命の玉を取ったキャラがタッチすると、交代したキャラにもその効果が持続する」というシステムのため、命の玉回収用に足の速い超人で戦っておいて命の玉を取ったら交代……という手を使えばブロッケンJr.にも出番が回ってくるが、足の速いウォーズマンやアシュラマンが命の玉を取った場合には、わざわざコーナーまで退却してブロッケンJr.に交代せずにそのまま戦った方が良い場合も多い。特にウォーズマンのベアークローは使いやすく優秀。
--一人プレイの対コンピュータ戦では勝ち進んでいくと敵の足が速くなるため''足が速いブロッケンJr.''という最強の敵が出現する。同キャラ対戦は無いので、これを防ぐためだけに一人用ではブロッケンJr.を選択しておき、もう一人の本命の超人で戦うという手もある。
-ブロッケン以外にもお手軽で攻撃範囲が広いウォーズマン・テリーマンの必殺技もやや反則気味。
***グラフィックがファミコンでもワーストレベルの汚さ
-発売年代的には仕方ないか?と言えなくもない。キャラの特徴はよくとらえてある。
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**移植・リメイク
-『キン肉マンII世 ドリームタッグマッチ』(2002年3月2日発売、バンダイ、WSC)
--『キン肉マンII世』を題材にして「マッスルタッグマッチ」をリメイクした作品である。
--オリジナルの「マッスルタッグマッチ」が遊べるモードも入っている。
-『キン肉マン マッスルグランプリ2 特盛』(2008年9月25日発売、バンダイナムコゲームス、PS2)
--スペシャル特典として「マッスルタッグマッチ」及び『キン肉マン キン肉星王位争奪戦』(1987年5月1日発売、バンダイ、FDS)が遊べるモードがある。
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**余談
-本作には通常版の他、プレミアバージョンとして集英社児童図書版のカートリッジが緑色の物と、公式ゲーム大会で成績優秀者8名に景品用として用意されたゴールドカートリッジ版が存在する。後者は贈られる者のリクエストで好きな超人が1名追加(実際は既存のキャラと同等の性能のキャラと入れ替えという形)される特別仕様となっており、それぞれ世界に1本しか存在しない超レアソフトとなっている。オークションに出品された際には100万円オーバーというとんでもないプレミアが付いたこともある。なお現在までにモンゴルマンバージョン(ラーメンマンと入れ替え)、ペンタゴンバージョン(アシュラマンと入れ替え)、ブラックホールバージョン(テリーマンと入れ替え)、ザ・ニンジャバージョン(ブロッケンJr.と入れ替え)の4本が確認されている。
-海外版では「ブロッケンJr.」がナチス軍を連想するためか、代わりに「ジェロニモ」に差し替えられた。
--まあジェロニモにしてもアニメが海外に輸出された際に、ネイティブアメリカンへの差別表現だと叩かれた超人ではあるが。余談だが「ジェロニモ」は、アメリカンスラングでは「野蛮人」という意味になってしまう。元は英雄の名前だけれど。
-「体力が一定以下に減った超人がいるとミート君が命の玉を投げ込む」というシステムは、プロデューサーである仲田隆司氏がテストプレイの際、なかなか勝てないため一発逆転の要素として取り入れたものである。ただし本作では体力が低下すると移動スピードも下がる((残り体力が2つから下がり始め、1つになると目に見えて遅くなる上、ジャンプすらできなくなる。))仕様であるため、せっかく命の玉を出しても体力が多く残っているキャラに奪われてしまう事が多い。一発逆転どころか有利な方がさらに相手を圧倒するシステムになっており、目論見が完全に裏目に出ている。
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**総評
-純粋にゲームとして見た場合、当時の基準から判断しても、ゲームシステム・グラフィック共に低レベルであるが、原作のネームバリューの高さ、そして平易な操作方法でとっつきやすい為にミリオンセラーの大ヒットを記録している。初の『キン肉マン』の名を冠したゲームという事で知名度も高く、キン肉マンのゲームと言えば本作を真っ先に上げるものも多い人気作品となっている。

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