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ファンタシースターポータブル2 インフィニティ」を以下のとおり復元します。
*ファンタシースターポータブル2 インフィニティ
【ふぁんたしーすたーぽーたぶるつー いんふぃにてぃ】
|ジャンル|RPG|&amazon(B0040V4PWY)|
|対応機種|プレイステーション・ポータブル|~|
|発売元|セガ|~|
|開発元|アルファ・システム|~|
|発売日|2011年2月24日|~|
|定価|4,800円(税抜)|~|
|レーティング|CERO:B(12才以上対象)|~|
|配信|PS Store:2011年12月17日/4,286円|~|
|判定|BGCOLOR(khaki):''ゲームバランスが不安定''|~|
|ポイント|プレイヤー間の格差拡大&br;それでも最近のファンタシースターの中ではよくまとまっている|~|
|>|>|CENTER:''[[ファンタシースターシリーズ]]''|
//移転だけでなく判定の変更も、事前に議論が必要です。
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#contents(fromhere)
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**概要
『[[ファンタシースターポータブル2]]』のアップデート版。コンセプトは「無限に遊べるRPG」。~
基本的に前作とシステムは同じだが、各種の新要素が追加されている。~
第5の種族「デューマン」、新ストーリー「Episode2」、無限に遊べる「インフィニティミッション」やビジュアルロビー、フレンドサーチ機能、スクリーンショット撮影機能…~
他にも武器・敵・衣装・ボス・ステージ・チャージショット・テクニックの追加が行われ、さらに既存武器・種族間のバランス調整、共有倉庫の拡大など、「超進化」を謳った前作からさらに進化している。

しかしながら、上記の新要素が尽く賛否両論。~
特にやりこみ要素と言える部分の大幅拡充が「難易度の上昇」としてライト層プレイヤーから批判を受けることになった。

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**特徴
:インフィニティミッション|
ミッションをクリアし、それにより手に入る合成ポイントが一定値まで溜まると、ミッション同士を組み合わせて新たなミッションを作成できるシステム。&br()インフィニティミッション自体をクリアすることで「ミッションディスク」というアイテムが手に入り、これを使用することで新たなミッションを生み出し、それをクリア……とまさに無限に新たなミッションを続けられる。&br()ミッションには「経験値増加」などの付加効果が付いていることがあり、これを組み合わせていくことで簡単で稼ぎやすいミッションを作ることも可能。
:転生|
プレイヤーのレベルを1に戻し、その際に得られるボーナスポイントで初期能力値を一定値まで強化することが出来るシステム。Lv50から可能になるシステムだが、転生時のレベルが高いほど一度に得られるボーナスは大きくなる。
:新種族「デューマン」|
本作から登場する新たな種族。防御面の能力は低く打たれ弱いが、攻撃力系統の能力が総じて高い。ブラストゲージ技はキャラクター/クラス依存の「インフィニティブラスト」。

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**評価点
-前作のセーブデータをそのまま引き継げる。

-バランスの調整
--ヒューマンの防御力・ミラージュブラスト強化、ニューマンのPP回復量上昇、ナノブラスト無敵化によるビーストの強化など、前作で指摘されていた根幹的な難点が改善された。~
このおかげで、特に前作では不遇とされていたヒューマン・ニューマンが非常に強い種族となり、それぞれ初心者・上級者向けの面が強くなった。
//前作のニューマンのPP回復量はやや抑え目だったが、その分PP量が多くなっており他種族とのバランスが取られていたため、PP面でニューマン一強という現状には批判の声もある。
//それは序盤だけの話、むしろヒューマンの方が問題な気がするが。
--新テクニック((『ファンタシースター』シリーズにおける魔法に相当するスキル。PSUシリーズではフォースクラス用のフォトンアーツ。))による法撃武器の強化・新チャージショットによる射撃武器の強化・テクニック/バレットのPP消費の減少により、打撃武器が頭一つ抜けて強かった前作までよりも武器種のバランスが調整された。
---新チャージショットは、銃弾の雨を降らせる、四方八方に弾を連射するなど、前作に比べてアグレッシブ且つ派手なものが多い。
--新アクションの追加…片手武器のテクニックがステップ移動しながらでも撃てるようになった。テクニックは前作から全ての戦闘タイプで使われる事が多かったため、全体的にアクション要素が上がった。
--前作では不遇だったソード、アックス、ロングボウ、および片手武器全般が軒並み強化された。他の強武器とされていた武器とも十分渡り合える性能になり、武器選択の幅が広がった。
--極端に差のあったPA(必殺技:フォトンアーツ)のダメージ倍率などの性能が見直され、PA選択の幅も広がった。

-最高ランクとなる∞(インフィニティ)ランクと新たな装備の追加
--特に∞ランクのみに登場する最高レベルのモンスター達から極低確率でドロップ・もしくは高難度のミッションを高評価でクリアした時のリザルト報酬で手に入る最高レア度☆16の武器は、そのどれもが最高峰の性能を持つ。
--エタニティゲイザー、煌刃パニッシュメント、エンドイフ、ダブルストロングキャノンなどは、その武器の使い手であれば垂涎物と言ってもいいほどの超性能と、それに見合った異常なまでの低いドロップ確率により、多くのプレイヤーを魅了(と同時に絶望)させた。
--☆16武器はビジュアルも非常に凝って作られており、デザイン的な人気・評価も高くこちらの収集欲を否応がなしに掻き立てる。実戦で使うことはなくても、コレクション目当てで連戦を繰り返すプレイヤーも後を絶たなかった。
--追加装備の対象は前作をとことんやりこんだ上級者だけではない。本作がシリーズ初プレイという人にも配慮してか、レア度☆6以下にも意外とユニーク武器が多めに追加されている。~
初級者や中級者、またサブ装備((武器はレア度によってC/B/A/Sと大別され、それぞれタイプエクステンドの設定によって装備できるグレード上限が変化する。装備可否の設定がしやすい得意武器種もタイプごとに分かれている。))も見た目の好みや特殊効果で選択する幅が広がったといえよう。[[最前線にいるプレイヤーに向けた要素ばかり追加していた後続の作品にも見習ってほしいものである。>ファンタシースターオンライン2]]

-新アビリティ追加
--特に、HPが減ると自動で回復アイテムを使用する「自動回復薬ハーフライン / デッドライン」、復活アイテム「スケープドール」を2個持てるようになる「エスケープマスター」の恩恵は大きい。~
特定の戦闘タイプを少し成長させるだけで解禁され、後はタイプ問わずどれほどの低レベルからでも扱えるため、アクションゲーム初心者でも大幅に遊び易くなった。

-新ストーリー
--「Episode2」が追加。新キャラクター「ナギサ」をヒロインに据えられて展開される。
---登場する新キャラクターの「ナギサ」「ワイナール」の人気はこの当時としては上々。
--主人公が傍観者ではなくストーリーに絡んでいる事が実感出来る作りも健在。
---また、生身の若い男性である事が前提であるようだった前作と異なり、今回はどんな種族・性別・年齢のキャラクターでも矛盾が起きないような内容のストーリーになっている。性別や種族に合わせて、一部の会話内容に変化があることも。

-新たなパートナーキャラ追加と調整
--本作の新キャラはもちろんのこと、旧作『PSU/PSPo1』で登場し世界観の形成に少なからず関わりつつも前作『PSPo2』では欠場していたヒューガやタイラー、~
またモブキャラ扱いだったバスク・クノーと言った面々がストーリーに登場するとともにパートナーキャラとして連れていけるようになった。
--さらに本作では''自分や他人のプレイヤーが育てたキャラクターもパートナーとしてミッションに連れて行けるようになった''。~
多少の制限はあるものの、攻撃特化・チェイン特化・回復支援特化など自分のプレイスタイルに合ったパートナー、思いのままのパーティーを作ることが可能。
--パートナーキャラの仕様自体も改善されている。ミッション中に出せる指示「フォローシフト」によってチェインを切らさないように攻撃させることが可能。~
前作ではマルチ及びインフラ時において攻撃を一段目しか出せない・ボス戦で装備武器が初期化され、著しく弱くなっていた不具合も修正された。これにより、マルチ・インフラモードでも気兼ねなく連れて行けるように。

-「共有倉庫」の容量が1000個から2000個に増加。
--前作の要望や新アイテムの追加から更に倉庫が拡張された。「それでも足りない」というプレイヤーの声は多いが…。
---倉庫から直接アイテムを売却出来るようにもなったので、倉庫整理は前作に比べるとだいぶ楽になった。

-相変わらずのキャラクタークリエイトの多彩さ
--特に今作はコラボレーション武器や衣装に力が入っている。同時期にリリースされた同社『初音ミク project DIVA』シリーズからの衣装もあり、そっくりさんを作る事も可能。

-インフラストラクチャーモードを利用したマルチプレイ
--PSPのインフラストラクチャーモードを利用してオンラインプレイが出来る。こういうものには大抵月額だったりの通信料が掛かるのが常だが、本作ではなんと無料で参加可能。正規購入者・またはコード購入者で環境さえあれば誰でも利用出来る。
--&color(red){2015年9月29日をもって、インターネットマルチモードのサービスは終了している。}

-前述のコラボレーション武器をはじめとする、充実したダウンロードアイテム。
--本作の発売によって、前作のダウンロードアイテムの価格は全て割引になった。武器や衣装は有料のものが多いが、有料DLCで得られる装備は控えめな性能なので課金者と非課金者の格差は出来ないようになっている。一方で無料DLC武器には結構強力なものもあったりする。
--配信インフィニティミッションは全て無料。

-その他、システムの改良点
--無印ではマルチプレイ限定だった「オートワード」がストーリーモードでも表示されるようになっており、「自分好みのキャラクターを作り、演じる」ことがメインストーリー上/ソロプレイでも可能になった。
--他にも「文字入力のインターフェース改善」「スクリーンショット機能の追加」などと言った細かい改良点も多数存在する。

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**賛否両論点
言うなれば、''オンラインゲーム基準((PSO・PSUもそうだが、オンラインゲームは莫大な時間をやりこみに要する事で有名。))で携帯ゲームを作ってしまった''ようなバランス調整がなされている。~
コンシューマ向けでは個人によってこの仕様の好き嫌いが激しく、賛否が分かれる。

-「転生」システム
--「高Lvプレイヤーと、低Lvプレイヤーとの接点を増やすため」のシステム((公式ブログ「リトルウィング情報課」にて、2010年9月28日の日記で言及。記事URLhttp://ameblo.jp/phantasy-star-portable2/entry-10661858552.html))なのだが、装備レベル制限・及びミッション受託下限Lvはそのままである。そのため、高レベルのミッションが一時的に受けられなくなってしまうため高性能な武器の収集がストップしてしまう。レベル制限にひっかからないように弱い装備でも収集する意味が生まれたが、最終的にはやはり装備しなくなってしまうのでメリットとしては薄い。
--レベル上げはオフラインのミッション「マガシ抹殺計画」で最も効率良くできる。そのため、高レベルの敵の落とすレアアイテムを掘りたい高Lv層のプレイヤーは結局転生後オフラインに暫くの間ひきこもってしまうことが多い。特に、何度転生を繰り返してもLvアップに必要な経験値は変化しないため、転生による強化を繰り返すことによってモンスターが目に見えて早く倒せるようになり、経験値の収集効率は加速度的に上がってゆくため、ヘビー層とライト層の格差がより開いてしまった((とある攻略本曰く、効率良くプレイして1周目はLV1→LV200にするのにおおよそ50時間ほどかかる。しかし、転生3回~5回まで来るとLV1→LV200までおよそ半分程度の時間で済んでしまう。))。
--後にマルチプレイが可能で経験値が大量にもらえるDLミッションの配信によりこれに一石が投じられた。
--敵Lvが200を超える「∞ランク」では、敵のパラメータ強化率・計算式が従来と異なるため、転生システムによるプレイヤーの強化を前提としている程度に敵のパラメーターが跳ね上がる。
---具体的に言うと敵Lv199→200間で''攻撃力だけで600も上昇''し、他の基本ステータスも''1.3倍まで上がる。''知らずにレベル差だけで判断してLv200以上のミッションに向かうと大変なことになる、ただし200LV以降のステータス上昇は前作と同じ。
---Lv200からの転生を3~4回繰り返し、火力と耐久力を高めた状態で挑むことで、敵の攻略が大幅に楽になるバランスとなっている。プレイヤーが強化されたことを実感できると好意的な声も多いが、転生前提のバランスで初心者が遊びづらいという指摘も多かった。
---なお、転生する際のステータスの強化にはそれぞれ限界があり、全ての能力を限界値まで上げる、つまりカンストさせるには最高のLv200からでも''6回''((厳密には、Lv200からの転生を5回行った後、Lv109からの転生を1回行えば全ステータスがカンストする。))、最低のLv50からではなんと''616回''もの転生を繰り返す必要がある。
---とある攻略本が検証したところ、後者が前者よりも''1.1倍ほど早く全ステータスをカンストに導くことが出来た''という結果が出た。~
というのも先述の「マガシ抹殺計画」は、一回クリアするだけでレベル1が40代後半まで一気に上がるため、1回あたりにかかる時間が大幅に抑えられるのである。ただし、このミッションは「魔石」というアイテムを4種類*各4つずつ消費しないと受注できないため、決してハードルが低いというわけではない。アイテム稼ぎも兼ね、高レベルまでじっくり上げてから転生したほうが楽なこともある。

--転生システムはヘビー層には単純なボリューム増加であるため長く遊べると受け入れられたが、ライト層は膨大な経験値稼ぎについていけなかった。~
低ランクの武器を収集するメリットが少なく、高Lvプレイヤーが一方的に譲歩しなければならない形に問題があったため、当初の目的である高Lvプレイヤーと低Lvプレイヤーとの接点の増加に貢献したとは言い難い。

-新種族「デューマン」の性能が不遇。
--総合的な防御面に優れたヒューマンと対極の性能を持ち、攻撃力・命中力・法撃力全てにおいて全種族中2位だが防御面は軒並み最低。
--それだけならまだしも、&bold(){PPの回復が最も遅い}という致命的な弱点のせいで上級者向けを通り越して選択肢の制限が激しく、有効に扱える武器が打撃系のみ=PP回復手段を持つハンター向けという評価になり、せっかくの命中力や法撃力を活かせない。
--さらにブラスト技「インフィニティブラスト」は性能がクラスレベルに依存しているうえ、他の種族のように無敵時間がないため、クラスレベルがカンストしてようやく使える性能。他種族のものに比べてハードルが高い割に大して強くない。
---他種族のブラスト技は全て効果時間中無敵になったのだが、デューマンだけは無敵時間が存在しない。しかも発動中は防具変更不可、アイテム使用不可で回復手段も限られるため、使いどころが限られる。~
タイプレベルを上げればHP吸収効果もつき威力も上がるので何とかフォローは出来るが、そこに至るまでのハードルは高い。
--'''男性デューマンだけが青年~壮年にかけてのキャラしか作れない'''、今までどの種族も若年~青年顔しか作れなかったために割り振られたものかと思われるが、不人気に拍車をかけた。

-職業のバランス
--PSUから脈々と続き、PSPo2でも余り改善されなかった打撃ほぼ一強のバランスを打開すべく射撃と法撃が大幅に強化され、レンジャーとフォースがそれぞれ単体戦と複数戦に特化した非常に強い職業となった。その一方で、ハンターがそれぞれの中間で中途半端であり立場がなくなってしまったという指摘も寄せられた。~
実際、タイムアタックなどの競技では最も命中が高い女性キャスト/レンジャーと、最も法撃とPP性能の高い女性ニューマン/フォースの組み合わせ以外はほとんど取られなかった。

--とは言え、射撃と法撃に関しては前作と比較して弱点はそのままだが&bold(){得意な部分は大幅に伸ばす調整}であり、ハンターがそれぞれの下位互換というわけではない。~
打撃職であるハンターが一切触れられなかったわけではなく、~
キャラクターが分断され単独で攻略する必要がある区間のあるコンテンツも存在し、ハンターの価値はなくなってはいない。~
どれも一長一短で武器種間のバランスは特別悪いとはいい難い。~
PSU~PSPo2までの打撃武器が単体戦も複数戦も最強でPPも気にしないでいいオールマイティーのバランスのほうがよほど問題である。~

--法撃職・射撃職が強くなったのは下記の武器・PA・テクニックの存在が大きいとされる。いずれも本作で新たに追加された要素である。

#region(以下、その詳細)
-''ツインヘブンパニッシャー''
--強豪武器種であるツインハンドガンの一つ。最大の特徴は''PSPの内蔵時計の時刻が偶数の時のみ、銃弾が天から降り注ぐレーザーになる''(通称「天罰」、マルチプレイではパーティリーダーの時間に依存)というもの。片手用のハンドガンにも同じく「ヘブンパニッシャー」として存在する。
--さらにこの武器には''1発のヒット対象数が3''という隠し追加効果がある。通常のハンドガンは敵1体1体に狙いをつけて攻撃する必要があるのに対し、天罰レーザーで最大3体の敵をまとめて焼き払える。このため雑魚殲滅や多ヒット部位を持つボス相手へのチェイン稼ぎに関してはグレネードなどを完全に食っている。
--☆15のツインハンドガンなので武器自体の単純な性能がトップクラス。時間帯が悪くても適当に連射するだけで、チャージショットで敵を瞬殺するだけのChainを十分に溜められる。~
しかもこの武器は敵やミッションからのドロップではなく、とある高難度ミッションをクリアした時に手に入るチケットと交換して入手する仕様になっているので、属性値が''最高の60%''で固定されている。
--射撃武器の扱いが得意なキャスト及びレンジャーで特に真価を発揮するが、それ以外の種族・職業でもチェイン稼ぎ用に取りあえず所持しているプレイヤーは非常に多い。ロックオンを保ちつつ移動しながらの射撃が可能なツインハンドガンの使い勝手の良さはそのままに、グレネードやソード・ダブルセイバーにも匹敵する広範囲攻撃を得る可能性も高く、雑魚敵の殲滅から大ボスの瞬殺、チェイン稼ぎからフィニッシャーまでこれ一つで可能という超性能武器となっている。
---なお、ツインハンドガンのチャージショット2は突進しながら連射後、さらに四方に射撃を行う技だが、至近距離では後方に撃つ部分も含め全段ヒットしやすく、後述するショットガンのものと同様リスクリターンが高い。

-''ショットガン・チャージショット2''
--新チャージショットの一つ。前転しながら相手の懐に入り込みつつチャージ弾を一発・その後バックステップをしながらチャージ弾を2連射する3段攻撃となっているのだが、一発で3~5つの弾(PAに応じて変動)を同時に放つショットガンという武器の特性上、敵に密着した状態でこれを放つと頭一つ抜けたダメージを叩き出す。
--ショットガンの瞬間火力を担う最大の要因ともいえるワザで、高チェインを溜めた状態で全弾ヒットさせれば、射撃耐性を持った大型モンスターすら消し炭と化す。

-''サ・ゾンデ''
--一定時間空中で放電し続ける雷を発生させるテクニック。放たれた雷はその場に滞留し続けて連続ヒットする。この''全段に打ち上げ効果が付いている''ため、複数人で投げつければ敵に何もさせずに完封できてしまう。
---テクニックとしての威力は低めだが、法撃に耐性を持つ敵が少ないこともあり、全クラスの平均で見れば十分実用的な火力となる。
--何よりチェイン&封殺性能が非常に強力で、この効果はテクニックのレベルに依存しない。よって、たとえフォースクラスを使わないつもりでもこのテクニックの取得は前提とされている。
--持続攻撃という性質上、チェインを途切れさせることなくフィニッシュ用の武器に持ち替えることも可能で、チェイン稼ぎ→チェインフィニッシュの一連が非常にスムーズに進行する。PA倍率が高い傾向にある土系テクニックと相性が良く、△にセットすることが多く見られた。
--弱点は設置型のテクニックであるがゆえに上記で述べた処理落ちやラグの発生に繋がってしまうこと。しかし本当に強力なテクニックなので、多少の無理を押してでも使用するプレイヤーは多い。
---とはいえ考えなしに使っていいわけでもない。打ち上げ効果の付いた攻撃を喰らうと確定でワープや長時間持続する攻撃を行う敵がいるためで、そういう相手を覚えておく必要もある。

#endregion
-回避率の計算の変更により、前作で通用した「自動回避」の発動条件が非常に厳しくなった。
--前作の時点で(スケープドール所有が1個のみなど)プレイヤーの総合耐久力が極端に低い点を助長しているが、前作は自動回避性能の高さ故に真正面からでも敵の攻撃を無視して攻撃できたため、アクション性の低下に繋がっているという指摘や、その恩恵を最も受けているブレイバーが強すぎる等の指摘もあったため、それを考慮した上であえて回避率を下方修正したと考えられる。
--尚、ブレイバーは回避以外にも「EXトラップ」という強みがあったが、そちらも弱体化している。新アビリティ「イグナイトアーツ」は非常に強力なアビリティではあるものの、習得に膨大な時間が掛かるうえに消費コスト枠も大きく、アビリティ選択が難しい。得意武器である片手武器が全体的に強化され、ブレイバー向けと思しきテクニックも追加されたのだが、やはり前作に比べるとかなり辛い立場にある。

-『ファミ通』とのコラボ武器「ファミ通デンドウブレード」(パスワードを入力するだけで入手可能)が全武器カテゴリ中、通常攻撃力最強のソード(大剣)となっている点。
--補足を入れておくと、この武器は2011体の敵を倒すという条件を満たすことで武器の攻撃力が永久的に上昇する仕様なので、入手したその時から最強数値というわけではない。~
隠しパラメーターとしてPA倍率110%というものもあるが、実際にチェインフィニッシュで出せる火力はより高いPA倍率を持つ高レアの打撃武器に譲る((ちなみにNPC販売されているテノラ系の打撃武器はPA倍率・PP消費量ともに110%。))。
--しかしそれに関係なくとも、殆どのソード武器を全て無価値にしてしまえるだけの性能があり、装備更新の楽しみなどが大きく損なわれる。

-NPC販売武器の一つ「ザクス・ブレッバ」という武器を最大まで強化すると、クロー(鋼爪)という武器カテゴリ中、最強の攻撃性能になってしまう点。
--最上級の鋼爪と比較すると劣っている点はPP消費量と命中力だけである、転生によるステータスの上昇により命中力の欠点も考慮する必要がなくなる。
--明らかに武器強化上昇値の設定ミスであるが、幸いなことに鋼爪は片手武器である為扱い辛く、PP管理が難しいため、脚光を浴びることは少なかった。

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**問題点
-前作から指摘されている、マルチモードにおける敵のHPの多さは変わらなかった。
--一応Aランク以下までは前作より耐久力が下がっているのだが、S~∞ランクには手が入らず2.5倍のまま。

-「インフィニティミッション」の仕様が非常に複雑かつ面倒。
--合成結果は合成元による規則性はあるが、事前に予測が表示されず経験則位しか判断材料が無い。~
エリア、モンスターなどは簡単に調整できるのだが、付加効果がすぐに変化してしまう。ここまで含めて目的のミッションを作ろうとすると相当の周回を繰り返さないといけない。
---ただしこのミッションでしか手に入らない武器はミッションの付加効果に関係なくドロップ率が一律なので、収集目的なら付加効果はあまり気にされない。

-オンラインで一部の設置型テクニックを複数発動すると処理が重くなる。その結果、発動した射撃やテクニックのエフェクトが消失する弊害が生じてしまい、オンラインではそれらがタイムラグ・武器切り替え時の読み込み遅延にも繋がってしまう。

-一部の武器性能の格差は未だ大きい。
--攻撃速度が大幅に上がったソード、通常攻撃のヒット数が上がったアックスなど大幅に強化された武器に比べ、グレネードやレーザーカノンは低性能のまま放置されている。未調整の部分と調整された部分の格差が大きい。
---左手用の射撃武器はシールドやシャドーグといった補助武器を装備できないデメリットを抱えることから一部不遇となっている。

//-新要素のひとつである「属性値の強化」がイマイチ。
//--「フュージョンコード」というアイテムを利用することにより、武器の属性値を合成、強化できるシステム。
//--上限は50%。拾えるアイテムの属性値の幅は最大60%なので結局利用価値は薄い。せめて同等であれば…
//--ちなみに武器だけでなく防具にも属性値が存在するが、そちらは合成できない。
//実用上は50%でも充分、60%は自己満足の領域。むしろ、店売り武器をかき集めて50%にして武器強化を続けていくだけで大してプレイしていないライト層でも最高ランクのミッションで大活躍できるのでぶっ壊れ要素に近い。そういう意味で問題点とする記述はアリかも。

-一部のミッションのエリア内で敵及び設置物から一切アイテムドロップが出ないというバグが存在する。
--上記のうち一部のミッションが様々なボーナス補正を付けた状態で期間限定配信されたが、その際にも修正パッチはおろか、公式アナウンスさえも最後までなかった。

-今作から追加されたエネミーがザコ、ボス共に軒並み凶悪。明らかに''今作で追加されたサ・ゾンデによるハメを前提に作られた''ような連中ばかりで、一度行動させると急速に大損害を被らせる面々が多い。

#region(特に悪名高いモンスター)

-''フィンジェR/G/B''
--サーフボードに乗り、片腕のライフルで狙撃してくるロボット型の敵。その見た目から「サーファー」と通称されている。
--高い機動力、多段ヒット・高威力ゆえにジャストガードが難しい回転突進攻撃と、とにかくこちらのチェイン稼ぎを阻害するような攻撃パターンで、多くのプレイヤーから嫌われている。
--耐久力が低い雑魚なのでサ・ゾンデだけで倒せるのが救い、ただし虹色のブーストで出現すると止める術がないため凶悪な挙動に拍車がかかることになる。

-''リリー''
--こちらも総称であり、個体によって「○○リリー」という違った名前が付いている。花のような姿をしたエネミーであり、その場からは一切動かず、花弁から火属性の弾や氷属性のレーザーを放つなどの遠距離攻撃に長けているという点はすべて共通である。
--プレイヤーからは主に「オブリリー」と「ミルリリー」の二体が槍玉に挙げられる。
---オブリリーは、プレイヤーを発見すると光属性の追尾弾を連射するのだが、この''追尾弾は回避が極めて困難''。おまけに弾のスピードも速すぎず・遅すぎないという絶妙なスピードで、一発目のジャストガードに成功しても無敵時間が切れた瞬間に後続の弾でダメージを受ける。その余りの嫌らしさから''「糞花」''という別称が付けられたほど。
---ミルリリーは闇属性のレーザーを発射するが、こちらも発射直前までプレイヤーを補足する上にその威力が異様に高い。コイツが複数体まとまって現れた際の集中砲火はまさしく悪夢で、防御力を高めたハンターですら''ハーフディフェンス((HPが最大値の1/3以上、かつダメージがHP最大値の1/2以上だった場合に、即死を防ぎ1HPを残すアビリティ))やオートメイトを貫通されて即死する''ことも珍しくない。おまけに壁すら貫通してレーザーが飛んでくることもザラである。
---これらもサ・ゾンデで転倒させると長時間行動不能になるためカカシになる。
---PSOシリーズ復活エネミーの一種であるポイゾナスリリーも氷属性+毒の広範囲攻撃で結構厄介だが、サ・ゾンデが存在しない前作の時点で作られていた為かオブリリー及びミルリリーと比べるとやや有情。加えて最終的な狩場となるマキシマムアタック∞等の人気ミッションにあまり登場しておらず、影が薄い。

-''ブリガンティア・カオスブリンガー''
--馬のような胴体に長剣の片腕を持つ魔人の上半身がくっついた、所謂ケンタウロス体形の中ボス的なエネミー。カオスブリンガーはPSOシリーズから復活。
--突進攻撃、剣による刺突、後ろ蹴りなどただでさえチェインに集中できない高速モーションのうえに、攻撃が総じて高威力・高頻度。~
「糞馬」という渾名をつけられるほどの脅威度となったが、やはりサ・ゾンデが当たれば長時間転倒しサンドバッグになる。
--最も凶悪なのがプレイヤーのPPを吸収し、剣から極太のレーザーを発射する攻撃。カオスブリンガーはレーザーの威力が極めて高く、出初めの瞬間に被弾するとよほど防御力を上げていない限り一撃死する。ブリガンティアはレーザーの威力こそカオスブリンガーに一歩劣るものの、発射し続ける時間が長く、狙いを定めたプレイヤーが出初めに当たらなかった場合は''そのまま薙ぎ払ってくる''という凶悪ぶり。
--吸収されるPPは距離と接触時間に比例し、''密着していたときに出されるとPPが1秒とも持たずに空になる。''そのため、サ・ゾンデなどのPAで発射前に叩き潰したり、ガードや回避でしのぐことすらできなくなる。
--これに加えてブリガンティアは上記のオブリリーが発射してくるものに似た追尾弾を放ち、カオスブリンガーは突進の頻度が多いため距離を離されやすい。

#endregion


-セーブデータの個数が前作と同じ「8個」のまま。
--つまり前作までできていた「各種族の男女を全員分揃える」事ができなくなったので、いずれかの種族・あるいは性別を諦めなければならない。
--このせいで男性デューマンは余計に割りを食うことになった。

-チート使用者がオンラインで多い。
--どんなプレイヤーでも気軽にオンラインが利用可能ということは、それだけ悪質プレイヤーも入り込みやすいということでもある。当然ながら違反行為なので、&bold(){オンでは絶対にチートを使わない事}((セガも問題視しているようで、チート使用者は結構な頻度でアカウント停止処分(BAN)を受けている。))。
--ちなみに一部のマルチ専用ミッションはアドホックモードでのソロプレイも可能。

-突き詰めると女尊男卑の傾向にある
--男性キャラはHPや攻撃力、防御力、回避とハンター向きのステータス、女性キャラはPPや法撃、精神、命中とそれ以外のタイプに向くステータスだが、今作は特にレンジャーやフォースといった、法撃、命中の高さもだが特にPPが重要な職が強い。つまり&bold(){性差が前作以上に響く}。
---ステータスによるが、''PPは1.1倍くらい違う''。PPはLvを問わず一定値のため、常にその差を受け続けることに……
---PPほどの格差はないが、上述したように命中、法撃とレンジャーやフォースの主力ステータスも女性の方が有利である。ハンターを使うにも、命中が低いとそもそも当たらない為女性有利気味と言えるだろう。&br;ブレイバーのみ回避が高い男性も活躍しうるが、例え回避特化でも全回避出来るわけではない。そして何より、PPや命中が重要なのは他職と同じである。
---キャラクリエイトも魅力の1つなだけに、性別差が気になるのは手痛い。
--前作でも同様のステータス差がついていたが、前作は回避の数値を活かしやすいうえにレンジャーもフォースも弱い。即死武器やトラップなど命中やPPがあまり関係ない戦闘方法が人気だった関係で、結果的に差別化は適度に出来ていた。

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**総評
コンセプトである「無限に遊べるRPG」の名に違わず、ボリュームややりこみ要素はコンシューマの中ではトップクラス。PSPの黄金期を代表するソフトのひとつに数えられる名作。~
自分の好みのキャラを作って好きな戦い方をするという、キャラクリ対応型アクションRPGとしての完成度は、現在から鑑みてもシリーズの代表を堅守するにふさわしい最終作となった。~

アップデート版なので当然といえばそうだが、前作の良い点はそのまま全て引き継がれている。~
ストーリーEpisode1など前作の要素に関しての難易度はそのままなので、プレイヤーキャラの能力値強化も相まって前半部の難易度は相対的に下がっている。~
職や種族のバランス調整や新アクションの追加なども評価でき、PSUシリーズにおけるひとつの結実は迎えられたといえよう。~

しかし本作の追加要素に関しては蛇足とする声もある。~
転生システムは人を選ぶ上、「低レベルプレイヤーと高レベルプレイヤーの接点を増やす」という目的は達成されなかった。~
インフィニティミッションや武器合成は調整不足な部分が目立ち、上記の要因も重なり「初心者お断り」な雰囲気を生み出してしまった事には批判が多い。~
さらに戦闘の大味さも相変わらずで、今回はサ・ゾンデによるチェインとハメを前提にした傾向が見られるが、~
一応打撃や射撃のクラスでもサ・ゾンデの使用自体は可能となっている他、全体的には武器・属性縛りをしても追加を含めたすべてのミッションをソロでクリア可能な程度の、ギリギリのバランスは取られている。~

惜しむらくは、以降のPSOチームが本作で好評だった本質と、改善が待望されたバランス面(&u(){サ・ゾンデによるハメ前提のため、敵の攻撃パターン自体の凶悪さが影に隠れやすかった}こと)を理解していないと言わざるを得なかったことであろう。~
本シリーズ関連の展開はPSO2への装備アイテムの輸入にとどまり、本作のゲーム性自体を引き継いだ展開は(リマスター移植も含め)完全に絶望視されているのが現実である。

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