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ストリートファイター リアルバトル オン フィルム」を以下のとおり復元します。
*ストリートファイター リアルバトル オン フィルム
【すとりーとふぁいたー りあるばとる おん ふぃるむ】

|ジャンル|対戦型格闘ゲーム|CENTER:&amazon(B000069TCJ)&br()※セガサターン版|CENTER:&amazon(B000069TCL)&br()※プレイステーション版|
|対応機種|セガサターン&br()プレイステーション|~|~|
|メディア|CD-ROM 1枚|~|~|
|発売・開発元|カプコン|~|~|
|発売日|【SS】1995年8月11日&br()【PS】1995年8月12日|~|~|
|定価|5,800円(税別)|~|~|
|プレイ人数|1~2人|~|~|
|分類|BGCOLOR(MistyRose):''バカゲー''|~|~|
|ポイント|見た目に反して格ゲーとしてはそれなりの出来&br()神秘''すぎる''&ruby(サムライ){武士}、''キャプテン・サワダ''|~|~|
|>|>|>|CENTER:[[''ストリートファイターシリーズリンク''>ストリートファイターシリーズ]]|
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#contents(fromhere)
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**概要
1994年に公開された、対戦型格闘ゲーム『[[ストリートファイターII]](以下、ストII)』を原作としたアメリカ実写映画、『ストリートファイター』(以下、映画)の映像を使用した作品。~
略称としては「RBOF(「''R''eal ''B''attle ''O''n ''F''ilm」より)」がよく用いられる。~
本作の発売前に1995年5月30日からアーケードで稼働を開始した『ストリートファイター ザ・ムービー』(以下、『ザ・ムービー』)と使用している映像素材はほとんど同じだが、ゲームとしての中身は全くの別物。~
ちなみに、『ザ・ムービー』の開発はカプコンではなく、『Time Killers』『Blood Storm』などを開発していたアメリカのインクレディブルテクノロジーズ社が担当((同社開発のこれらのゲームはミッドウェイゲームズの『モータルコンバット』の影響を強く受けている残虐要素の強い格闘ゲーム。))。

『ザ・ムービー』はもはや一般のイメージにある『ストII』などのイメージとはあまりにもかけ離れたゲーム内容となっていた。~
例えば空中コンボ叩き込み放題であったり、戦闘中に全キャラクター体力回復が図れたり、一部の必殺技のコマンドが奇怪そのものであったりなどした上に、キャラクター周りも眼帯を外して怪光線を放つサガット等々『ストII』の名残が全く見られない崩壊ぶり((当時、カプコンが「実写の俳優が画面上でキャラクターとして動く」という最先端技術を搭載した『モータルコンバット』に対し「『ストII』を喰うのではないか」と脅威を覚えて対抗しようとした結果、『ザ・ムービー』が『モータルコンバット』から残虐要素を廃し、かつキャラクターを原作のそれにすげ替えた、もはや荒唐無稽とも言うべきゲームになってしまったとも言われている。))を理由に大多数の『ストリートファイター』シリーズファンからはそっぽを向かれ早々と撤去されることとなった。

その為、本作は『ザ・ムービー』の移植ではなく、改めて日本のカプコンが『スーパーストリートファイターIIX(以下、スパIIX)』のシステムをベースにして作り直した作品となった((余談だが、RBOFの海外版のタイトルは『ザ・ムービー』と同じ『Street Fighter:The Movie(ストリートファイター ザ・ムービー)』になっているが、内容自体は『ザ・ムービー』ではなく本作のそれとなっている。))。~
動きは『ザ・ムービー』に比べるとかなりカクカクになっているが、プレイに支障が出るほどではなく、従来のシリーズファンに馴染みのシステムを搭載し、見た目に反して落ち着いたゲームとなっている。~
また、『ザ・ムービー』で散々ネタにされた俳優自身が演じた声((波動拳が「ハドゥーケン!」、昇龍拳が「ショーユケン!」、竜巻旋風脚が「タトゥマキゼミャーグ!」などと聞こえることでインパクトが強烈だったリュウはキャラクター名のコールが「リュウ」ではなく「ライユー」とされていたことも含めて特にネタにされた。ちなみに、「ライユー」のコール自体は英語圏内に「リャ」「リュ」「リョ」の発音の概念がそもそも存在していないため、「Ryu」の「Ry(ライ)」と「u(ユー)」でそれぞれ分けて読んだ結果が「ライユー」になってしまったと言われる。))に関しても日本の声優が吹き替えを行ったものになっており、勝利デモでも喋るようになった。

なお、本作は冒頭にある通り、アメリカ映画版をベースにしているために、一部キャラクターの名称が変更されている((『ストII』などの海外版でも適用されていたもので、特にマイク・バイソンに関しては実在の元ボクサー、マイク・タイソンをモデルにしていたため、肖像権に配慮して(身も蓋もない言い方をしてしまえば、本人に黙って作ったことを後々裁判沙汰にされることを嫌って)の変更とされる。一方、ベガも海外では女性の名前であるため、大柄な男性のボスキャラに相応しくないという指摘を受けて変更された。なぜ新しい名前を付けなかったかという質問に対しては、名前変更が売り込みの直前に決まったため、ゲーム内で使われるキャラ名アイコンを差し替えて対処するのがやっとだったからと言われている))。
|CENTER:『ストII』における&br()キャラクターの立ち位置|CENTER:日本版名|CENTER:本作における名前|
|CENTER:黒人のボクサー|CENTER:M(マイク)・バイソン|CENTER:バルログ|
|CENTER:スペインの闘士|CENTER:バルログ|CENTER:ベガ|
|CENTER:シャドルーの総帥|CENTER:ベガ|CENTER:M((このMが何の略かについて、カプコンからの明確な公式発表はない。作品によって「Major Bison(メイジャー(少佐の意)・バイソン)」、「Master Bison(マスター・バイソン)」、「Mighty Bison(マイティ・バイソン)」などのぶれがある。日本では「バイソン将軍」と訳される。))・バイソン|
&color(red){''本項では上記3名はゲーム同様に映画の表記に準じるものとする''}のでご容赦願いたい。
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**キャラクター一覧
大元となっている映画における設定に準拠しているが、その設定が『ストII』や『スーパーストリートファイターII(以下、スパII)』と異なる所があるために簡単に説明を入れる。~
なお、キャラクター名の横の名前は映画(および『ザ・ムービー』や本作)で演じた俳優名。少々縦長となるので、クリックしてご覧頂きたい。
#region(映画及び本作のキャラクター概要)
-ウィリアム・F・ガイル(ジャン=クロード・ヴァン・ダム)
--連合軍の大佐(『ストII』ではアメリカ空軍の少佐)で、主人公的扱いとなっている。
---『ストII』ではガイルは「名」であるが、映画の設定の場合はガイルは「姓」の扱いとなる。

-キャミィ・ホワイト(カイリー・ミノーグ)
--ゲームでは『スパII』以降に登場したキャミィ。『スパII』では英国特殊工作部隊デルタレッド所属だったが、映画ではガイル大佐の部下の扱い。階級は中尉。
---映画のストーリーを追体験出来る「ムービーバトルモード」ではガイルのサポート役としてナビゲートする。

-キャプテン・サワダ(沢田謙也((現在は「澤田拳也」に改名しているが、映画およびゲーム作品発売時の名前を記載している。余談になるが、元になる映画において澤田拳也自身が売り込みに行って、キャプテン・サワダ役を得たという逸話が残っている。)))
--映画オリジナルキャラクターで、ガイル大佐の部下。階級は大尉。映画中ではガイル大佐とは別の部隊を率いて、影から作戦を手助けしていた。
---後述するが本作で一番ぶっ壊れているキャラクターであり、「''このゲームはサワダのためにある''」とまで言うファンもいるほど。

-チュンリー・ザン(ミンナ・ウェン)
--原作の春麗で、インターポールの刑事であった『ストII』と違い、テレビ局のリポーターであり、同時にバイソンを倒すべく結成されたレジスタンスのリーダー。
---バイソンに父親を殺された過去を持ち、その復讐を果たすためにガイルたちの連合軍とは別に独自で作戦を進める。なお、「ザン(臧)」姓は映画オリジナルの設定となっている。
--余談になるが、本作のチュンリーの勝利ポーズはふたつあるが、そのうちのひとつがその場で踊るというものになっている。
---しかし、その動きがあまりにも珍妙なため、『ドラゴンクエスト』シリーズの特技になぞらえて「不思議な踊り」などと言われることがある。

-エドモンド・本田(ピーター・トゥイアソソポ)
--チュンリーのレジスタンスに与し、バイソンを追い詰める作戦に参加している。
---元力士で自身を廃業に追い込んだバイソンに対する復讐を果たすべく、テレビ局の撮影クルーとしてチュンリーに従い、計画を進めている。

-バルログ(グランド・ブッシュ)
--ボクサー。『ストII』では四天王の一角という扱いであったが、映画では本田同様にテレビ局のカメラマンとしてチュンリーに従うレジスタンスの一員。
---本田と同じく、自身をボクサー廃業に追いやったバイソンに恨みを持っている設定のため、四天王扱いではない。

-リュウ・ホシ(バイロン・マン)
--本作は「''ライユー''」ではなく、ちゃんと「リュウ」と呼んでもらえる。また、「ホシ(星)」姓は映画オリジナルの設定となっている。
---『ストII』同様に流浪の格闘家ではあるが、映画ではケンと組んで義賊として悪人相手に詐欺を働いたりなどの小さな悪事で生計を立てており、主人公扱いではなくなっている。
--余談だが、リュウといえば『ストII』のキャッチコピーとしても用いられた「''俺より強い奴に会いに行く''」の台詞が有名だが、本作の取扱説明書に書かれたリュウの台詞は「''俺より強い奴に会わせてくれ…''」と微妙に他力本願になっており、時折ネタにされることがある。

-ケン・マスターズ(ダミアン・チャパ)
--リュウと組んで悪事を働く詐欺師。
---本作では俳優の演技の関係で通常技のリーチがリュウよりも短い。

-カルロス・ブランカ(ロバート・マンモン)
--『ストII』のブランカだが、下記にあるように『ストII』のそれとは設定が異なる。『ザ・ムービー』では登場しなかったが、本作で使用可能となった。
---映画ではガイルの親友・チャーリー((『ストリートファイターZERO』シリーズなどにおけるガイルの親友であるナッシュの海外名が同じくチャーリーとなっている。ただし、映画ではチャーリーはあくまで愛称として設定されており、名前はカルロス・ブランカとなっている。))が、シャドルーのダルシム((ゲーム中には出てこないが、映画ではシャドルーの科学者という設定であり、人体実験の結果原作同様に火を吹く能力を身につけている。))の手によって改造された姿という設定になっている。

-ベガ(ジェイ・タバーレ)
--仮面と爪の人。ただし本作では仮面は着けていない。
---『ストII』では四天王の一角という扱いだが、映画のサガット配下の闇の格闘家という設定を受けて四天王扱いではなくなっている。

-ザンギエフ(アンドリュー・ブライアンスキー((本来は「アンドリュー・ブリニアースキー」が正しいのだが、本作の取扱説明書では「アンドリュー・ブライアンスキー」の名で紹介されている。ゲーム作品の紹介という性質上、この取扱説明書記載の名前で表記している。)))
--映画のシャドルーの幹部という設定を受け、本作では四天王扱いとなっている。力は強いが脳筋と言っていいほどに頭が弱く、バイソンに騙されて彼の悪事に手を貸している。
---余談だが、映画のキャスティングのほとんどに疑問符を投げかける意見が多い中でザンギエフだけは『ストII』と瓜二つと言われるほどに似ており、その事がよくネタにされる。一例として、『ザ・ムービー』が稼働開始する直前のゲーメストにおいて「ザンギコンテストでもやったのか?」と書かれた。

-ディー・ジェイ(ミゲール・ヌネズ・ジュニア)
--ザンギエフ同様、映画のシャドルーの幹部という設定を受け、本作では四天王扱いとなっている。お気楽なひょうきん者だが、身の危険を感じるとすぐに逃げる。
---『ザ・ムービー』では登場しなかったが、本作で使用可能になった。

-ヴィクター・サガット(ウエス・ステュウディ)
--『ストII』のサガットでこちらも四天王扱いだが、映画ではバイソンと手を組む闇の武器商人の首領という設定。

-バイソン将軍(ラウル・ジュリア((映画の出演が遺作という認識が一般的であるが、実際にはその後の「闇に抱かれて」が遺作になる。ただし、映画の上映前に亡くなっているので、その意味での遺作という意味では間違っていない。)))
--赤い服の軍人。テロリスト集団・シャドルーのボスであり、本作の最終ボス。
---ムービーバトルモードでは一度倒したあと、映画同様にパワーアップ(本作ではスーパーコンボゲージが常時最大)して甦る。

-豪鬼(アーニー・レイズ・シニア)
--映画には未登場。『ザ・ムービー』では海外版に準拠した「Akuma(アクマ)」という名前になっていたが、本作では日本版に準拠した「Gouki(豪鬼)」となっている。
---所謂アーケードモードに当たる「ストリートバトルモード」では特定条件を満たすと、最終ボスのバイソンと差し替えで登場((ただし、『スパIIX』などでおなじみの対戦画面まではバイソンと戦うように見せかけておきつつ、対戦画面になった側から出てくるや否やバイソンに瞬獄殺を叩き込んで一瞬で倒し、そのまま対戦に移行という演出ではなく、対戦前の時点でバイソンと差し替えで他のキャラクター同様に対戦前デモが挟まれる。))、戦う事になる他、プレイヤーの腕前を判定する「トライアルバトルモード」では最終ボスとして登場する。
---初登場の『スパIIX』ではスーパーコンボゲージがなかったが、本作ではスーパーコンボゲージがあり、他のキャラクターには1種類しかないスーパーコンボが豪鬼だけは「滅殺豪波動」と「滅殺豪昇龍」の2種類実装されているために一層凶悪になった。
---隠しコマンドによってプレイヤーも使用出来るが、無論、様々な弱体化を施されている。また、勝利デモのセリフは『スパIIX』にあった古風な言い回しではなく、残虐的なセリフも見られる。

-参考:NCによる原作映画レビュー
-&nicovideo2(http://www.nicovideo.jp/watch/sm6800404)
//原作映画における、ゲームキャラの実写再現度合いの参考として


#region(豪鬼使用コマンド)
いずれもストリートバトルモードのキャラクター選択時に入力するもので、入力の猶予はおよそ2秒程((ただし、失敗しても何度でもやり直せる。))。~
入力に成功するとキャラクターグラフィックが砂嵐の奥に人影が見えるものになるので、そのままキャラクターを決定する。
|CENTER:機種|CENTER:コマンド|
|セガサターン|上、B、下、Z、右、X、左、Yの順に素早く入力。|
|プレイステーション|上、R1、下、L2、右、L1、左、R2の順に素早く入力。|
#endregion

なお、『ザ・ムービー』に登場したブレード達シャドルー兵士団や、映画には登場していたサンダー・ホークとダルシム博士は、本作ではプレイアブルキャラクターとしては登場しない。~
ちなみにゲームはおろか、映画ですらフェイロンが削除されているのは、元はジャッキー・チェンがフェイロンとして出演するはずだったのだが、カネコがジャッキーのゲーム化権を独占していた関係で没になってしまい、その流れでフェイロン自身の出番もなくなってしまったため。~
出展元の「映画批評・底抜け超大作」では「ジャッキーが出演していれば戦闘シーンが面白くなっていたのに」とぼやいていた((ちなみにジャッキーは原作破壊のバカ映画「シティーハンター」において冴羽獠の役で、エドモンド本田と春麗のコスプレをしつつのストIIもどきの戦闘を繰り広げていた。))。
#endregion
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**評価点
''いち格ゲー作品としての評価点''
-見た目のイロモノっぷりに反してまともな格ゲーとして成立している。
--ファンの中でも評価の高い『スパIIX』をベースにしていることもあってか、見た目で敬遠されがちだが格闘ゲームとして十分にプレイに耐えうるものになっている。
---当時は『スパIIX』が3DOにしか移植されていなかったという背景もあり、本作を『スパIIX』の代替としてプレイしていたユーザーもそれなりの数であったと言われる。
---SS・PSともに『ストリートファイター』シリーズはまだ移植作品がなく、本作が最初のストリートファイターであったため注目された。これの次が『ストリートファイターZERO』であった。

-スーパー必殺技の実装。
--後に「EX必殺技」などと呼ばれるようになる強化必殺技で、スーパーコンボゲージが半分以上貯まっている時に「対応技のコマンド+ボタンふたつ同時押し(PP or KK)」でゲージを消費して出すことが出来る。

''ボーナスコンテンツ''
-主題歌のビデオクリップが収録されている。
--ゲーム内で条件を満たすと映画のエンディングテーマである、CHAGE&ASKAが歌う「SOMETHING THERE」の、映画のシーンを挟んだ特別編集版PVが1曲分まるごと鑑賞できるようになる。

''BGM''
-『ストII』らしいかと言われると困るものの、曲単独で見ると完成度が高い。
--ステージの雰囲気に合った曲が多い上に、曲そのものも質が高い。

-また、PS版もSS版も音楽CDとしても使えるため、CDプレーヤーに入れるとゲーム中のBGMを再生出来る。
--もちろん、データ部分があるため、再生するトラックを間違えると大変なことになりかねないので気をつける必要がある。
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**問題点
''スーパー必殺技のシステム''
-「スーパーコンボゲージが半分以上貯まっている時に~」と書いた通りでスーパーコンボゲージをおよそ半分消費して本来は繰り出すが、一度ゲージがMAXになると、スーパーコンボでゲージを消費しない限り、スーパー必殺技がゲージ消費無しで連発出来るようになってしまう。
--これにより、一部のキャラクターではゲージを溜めたらスーパー必殺技の飛び道具を連発するなどといった戦術が成立してしまうことになる。

''ムービーバトルモード''
-映画版をモチーフにした所謂ストーリーモードで、途中には選択肢によるルート分岐が存在し、選んだルートによって戦う敵が変わる。
--シナリオの終着点は同じだが、そこに至るためのルートは大きく枝分かれしており、ルートによってはかなりの長丁場になってしまうこともあり得るのだが、途中セーブが出来ない。
--また、やられてもゲームオーバーにはならず、勝たないと進まないイベントの場合は制限時間内であれば何度でも自動コンティニューで再戦になる。
---そのため、途中で一旦止めることが出来ず、結果としてモードを抜けるにはさっさとクリアするか制限時間の50分経過を待つか、はたまた諦めてリセットするかしかなく、不満意見に繋がっている。

-あくまで映画の追体験なので仕方ないとも言えるが、ガイルしか操作出来ない点も不満意見として挙がることがある。

''オプション設定をメモリーカードに保存出来ない''
-ハイスコアや前述のビデオクリップが閲覧出来る状態は保存出来るのだが、ゲーム難易度やボタン配置といったオプション設定はメモリーカードで保存出来ず、起動する度に変更をする必要がある。
--アーケードスティックなどでプレイをする場合、スティックのボタン配置にもよるが、大体は起動する度にまずは設定をし直すことになるだろう。
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**神秘の武士(サムライ)、キャプテン・サワダ
#region(長くなるため、クリックで展開)
本作をバカゲーたらしめている要素の大半を占めるのが、「''神秘の&ruby(サムライ){武士}''」(取説のキャッチコピー)ことキャプテン・サワダである。~
とは言え、『ザ・ムービー』および映画ではガイルの部下の日本人((ちなみに、ものによっては映画に登場する主要キャラクターの中で唯一の日本人と紹介されることがある。これは役を演じた俳優陣に引き摺られてのものと思われる。))というだけのほとんど目立たない地味なキャラクター((とは言え、『ザ・ムービー』では決勝ラウンドでタイムアップ負けを喫すると切腹するという演出があったりするので、やはりどこかぶっ飛んではいる。))であったのだが、本作では他のキャラクターが軒並み『ストII』や『スパIIX』などになぞらえた落ち着いた性能に収まったのに対し、彼だけは映画オリジナルのキャラクターということもあってか、奇妙な技を携えての登場となった。~
更に、技名や演出のネタへの走りっぷりが強烈なこともあって、他に類を見ないインパクトを与えた。

特に有名なのが戦闘中に自らの腹をかっ捌いて飛び出た血で攻撃する必殺技「''&ruby(ごくさつじばくじん){獄殺自爆陣}(通称:ハラキリ)''」と、両手を掲げてただ敵に突っ込むだけのスーパーコンボ「''カミカゼアタック(通称:カミカゼ)''」のふたつであろうが、それ以外にも印を結んでテレポートする「忍法神隠し」や連続でオーラを纏った手刀を繰り出す「&ruby(ひゃくさつ){百殺}イズナ切り」、そして、コマンド追加入力受付のタイミングがやや変則的で難易度は高いながらも決まれば大ダメージを与えられる連続入力のコマンド技「沢田スペシャル'95」など、演出やネーミングセンスなどのあらゆるところにつっこみ所が満載の技で戦う。~
取扱説明書におけるこれらの説明も負けじと凄まじく、獄殺自爆陣を「''ハラキリで血を飛び散らせる命がけ''((攻撃手段は明らかに命がけ…というよりも「何故死なない」の類だが、性能という意味では実際はローリスクの技である。))''の大技さ!当たった敵を転ばせることが可能だ!''」と書くなどノリノリで、プレイ経験がない人間が取扱説明書だけを見ればただのバカゲーorクソゲーと判断するに十分。~
凄まじい存在感で当時のゲーマーの記憶に残り、その影響で映像素材が近い『ザ・ムービー』に対しても「''サワダが(戦闘中に)ハラキリしたりカミカゼで両手掲げて突っ込んでくるゲーム''」と勘違いしている者も少なくなかったりする。

獄殺自爆陣は「ハラキリッ!」というかけ声と共に生々しい音を立てて腹をかっ捌くのだが、この際、サワダへのダメージはなぜかゼロ。飛び散った血の部分でヨガフレイムの炎のように相手の飛び道具を消す事ができる。~
血が斜め上に飛び散る(ちょうどサワダを守る盾のような形になる)ので、対空技としても意外と使える。更にはスーパー必殺技で出すと血が金色になり、相手の飛び道具も跳ね返せるようになる。~
忍法神隠しは所謂テレポート技だが、モーション自体が非常に短くスーパーコンボゲージが1/4も溜まるため、後述の強力なスーパーコンボがすぐ出せるようになり、沢田スペシャル'95は使いこなせれば「ジャンプ強キック→しゃがみ中キック→沢田スペシャル'95」というシンプルなコンボひとつで5割近い体力を奪える。~
カミカゼアタックは「カミカゼッ!」のボイスと共に上記の両手を掲げるポーズに移行してそのまま敵に突っ込むのだが、突っ込んでいる間はハイパーアーマーで攻撃を潰されることはない上に、攻撃判定は掲げた腕の掌の部分にまで及ぶのでジャンプでも回避しづらく、加えてガードされてもサワダが先に動けるため、反撃を受ける危険がほぼないという、外見のネタ度に反して極めて優秀な性能を誇る技((ただしザンギエフのファイナルアトミックバスターにはぎりぎりの間合いで捕まってしまう。))。~
更にこの技でフィニッシュを決めるとカプコンゲームではおなじみの''あけぼのフィニッシュの背景をバックに「バンザーイ!」と叫ぶ''など、文字通りの神風特攻な技となっている。

前述のハラキリとカミカゼのせいで完全なるイロモノ…もとい、「''外国人が思い描く間違った日本人''」そのものとしての地位を確立しているが、実際に使ってみると飛び道具こそ無いものの、それ以外の技をバランスよく持っており、更には「沢田スペシャル'95」の追加入力の難易度が高いという難点((なお、スーパー必殺技に対応しており、こちらで出した場合は1回の入力で本来は追加入力しないと繰り出せない部分もセットで出し切ってくれる。また、難易度が高いことは高いが、あくまで入力タイミングが変則的なだけで入力するコマンドそのものは本作に登場しないフェイロンの烈火拳とほとんど変わらず、他と比べても飛び抜けて高いかと言われると、そこまでは行かないレベルではある。))こそあれ、繰り出す攻撃そのものには特別クセがないので意外と扱いやすい初心者向けキャラクターであったりする((ゲーム難易度を最高難度に設定したCOM戦でも「忍法神隠しを敵から遠い場所へ4回繰り返す」→「カミカゼアタック」で体力を削るのをタイムオーバーまで繰り返すという戦術で豪鬼まで撃破可能など、対人だけでなく、難易度設定を上げた凶悪なCOMにも十分対応出来る。))。

また、概要に書いた通りキャラクターの声は日本の声優が当てているのだが、サワダの声を当てているのは檜山修之氏((ちなみに、檜山氏はサワダの他にケンとベガの声も担当している。なお、基本的に本作の担当声優は公式に発表されていない。しかし、サワダ・ケン・ベガの声に関しては、聞けば檜山氏が演じているのが一発で解るものになっている。ちなみに、同様の理由でキャミィは三石琴乃氏が担当していると判明している。))で、彼の熱いボイスで上のように「ハラキリッ!」やら「カミカゼッ!」など叫ぶものだから印象にも強く残り、ただでさえ技の段階でもインパクトが強かったサワダを更に強烈に印象付けてしまっている。

そんな色々な意味でネタとして突き抜けたキャラクター性故に本作自体が「''サワダのためのゲーム''」「''サワダゲー''」とも言われることもある。~
これに絡んで、ニンテンドーDS用ソフト『[[SNK VS. CAPCOM カードファイターズDS]]』においてプロデューサーのFALCOON(ファルコン)がカプコン側キャラクターのひとりとして使いたいと申し出たものの、版権等の問題でお流れになってしまったという逸話も残っている。

後に、PS3およびPSP用ソフト『まいにちいっしょ』内のコンテンツ、『トロステーション』第766回「キャプテン・サワダの護身術入門」や第886~887回「ラーメン屋さん見学にあの人登場」、および後継作品の『週刊トロ・ステーション』第16回「キャプテンの上海夜話」でも登場し、特に『トロステーション』第887回では彼がトンカチでもなかなか割れない骨を手刀で砕いているシーンが披露された。~
基本的に人間ゲストが複数回登場することがめったに無い同作において、これ程の登場回数はまさに異例と言える扱いである。
#endregion
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**総評
見た目…と言うよりはサワダのイロモノっぷりが全てをかっ攫ってしまっているゲームではあるが、実際の対戦格闘ゲームとしてもスーパー必殺技に関するシステムに難こそあれど、特別破綻してしまっている点はなく無難に遊べるゲームとなっている。

しかしながら、アーカイブス化は前述の『カードファイターズDS』ではないが版権の問題もあって難しいとする意見もよく見られ、中古として入手するにも意外と品薄なのか入手が難しかったりするが、実写化されたキャラクターにどうしようもないレベルでの拒絶反応がある、または格ゲーがそもそも苦手などでもなければ、ネタとしてプレイしてみる価値はあると言える。

だが、当時は『スパIIX』の代替としての価値もあったが、今となっては『ハイパーストリートファイターII』があるためにむしろ『ザ・ムービー』のような別ベクトルで突き抜けているゲーム性のない(=無難に纏まりすぎている)本作の評価は完全にサワダ一点になってしまっているのも事実であり、それ故に正当な評価をされない不遇な作品であるとも言えよう。
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復元してよろしいですか?