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*エネミー・ゼロ
【えねみー・ぜろ】
|ジャンル|インタラクティブ・ムービー|&image(http://www.suruga-ya.jp/database/pics/game/141000510.jpg,height=160)|&image(http://livedoor.blogimg.jp/all_neogeo/imgs/b/6/b6bf438e.JPG,height=160)|&amazon(B000092P5Q)|
|対応機種|セガサターン|~|~|~|
|発売・開発元|ワープ|~|~|~|
|発売日|1996年12月13日|~|~|~|
|判定|BGCOLOR(khaki):''ゲームバランスが不安定''|~|~|~|
|ポイント|''ガチで生きるか死ぬかの高難易度''&br()限りなくクロに近い名作のパクリ疑惑&br()シナリオには疑問符&br()飯野''「プレデターもエイリアンも知らなかった」''|~|~|~|

**ストーリー
-貨物宇宙船ヴィークル・ジ・アキの女性乗組員ローラが主人公。ローラの乗る宇宙船は地球への帰途にあり、航海は長年に渡るため乗組員はコールドスリープされていたが、宇宙船に非常事態が発生し、ローラは目覚める。非常事態の原因は、生物兵器として利用するために乗組員にも知らされず輸送されていた「エネミー」と呼ばれる宇宙生物が、檻から脱走したためであった。次々とエネミーに殺されてゆく乗組員たち。プレイヤーは、透明で目に見えない「エネミー」と戦いながら宇宙船内を探索し、脱出するのが目的。
--エネミー・ゼロのテーマとして「デジタルの悲しみ」という宣伝文句が連発されていたが、実はこれ自体がある重要な設定のネタバレとも言える。

**インタラクティブ・ムービー
-当時ゲームにムービーを挿入することは一般的になっていたが、エネミーゼロでは『Dの食卓』を踏襲し、室内を探索するシーンを全て3DCGのムービーで構成している。一歩歩く度にムービー再生。物を取ったり調べる度にまたムービー再生という具合。ある意味進化したLDゲームみたいなもの。
--実質的にはアクションアドベンチャーゲーム。しらみつぶしに探索する必要があるにも関わらず、かなりだるい。
-移動・戦闘は3DRPGの迷宮とFPSの動きを合わせたような感覚。

**高い難易度
-前述の通り、エネミーは透明で目に見えない。生体反応を感知し音で知らせるVPSによって、プレイヤーは音でエネミーの前後左右の位置、距離を探知する。エネミーが複数いる場合はそれぞれ同時に音が出るので聞き分けることが必要。
-プレイヤーの武器はエネルギー銃。構えた後にボタン長押しで貯めて、離すと撃つ。
--…だが、このエネルギー銃は極端に射程が短く、エネミーをギリギリまで真正面に引きつけて撃つ必要がある。その上溜めが長すぎても短すぎても不発になるので溜め始めるタイミングも見計らう必要がある。
--成功すれば一撃でエネミーを倒すことができるが、こちらもエネミーに攻撃されれば即死する。一度外してしまえば2発目を撃つか逃げることは初心者には難しい。まさに「生きるか死ぬか」のやりとりである。死亡すればゲームオーバー。
-初期のエネルギー銃は撃つたびにエネルギーを消費し、エネルギーが無くなると特定の場所にあるガン・チャージャーで充電する必要がある。
--その上、難易度ノーマルにおいてはエネルギー銃の弾数は最多でも5と心もとなく、ハードモードだとさらに''入手時は残弾ゼロ、さらに全ての銃の最大弾数が少なくなると、高難易度に追い討ちをかける''。
--生き残るためには必然的にしょっちゅう充電に戻ることになるのだが、このチャージャーの設置場所はあまり多いとはいえず、シナリオの進行具合によっては充電のためだけに長い距離をエネミーに怯えながら進んだり戻ったりしなければならない。
---その「装弾数5発の銃」は最初期に手に入るのだが、序盤のイベントでなんと''敵の襲撃で落としてしまう。''幸いストーリーを進めていけばすぐに次の銃が手に入るのだが、その次の銃は''最初の銃から最大弾数が減っており、最大3発しか装填できない。''ハードでは泣く子も黙る''装弾数1。''とことんシビアである。
--エネミーはマップを切り替えるたびに無限に出現するので、いちいち倒しているとすぐ切れる。敵を倒すだけでなく、戦闘を回避するスキルも求められる。
--ゲーム後半では、「見えるエネミー」が登場。見えるエネミーは小さなイモムシのような姿をしており、姿が見える上に銃をさほどチャージしていなくても殺せる。しかし、こいつらは''逆に数で押してくる。''当然、VPSにも反応する。
--そのため、後半はVPSはほとんど''耳元で鳴り止まない。''それに加えて、今までの通常エネミーの数も増える。発狂モノの難易度である。見えないエネミー、あるいは見えるエネミーしかいない階層はまだいいものの、混在する階層では常に緊張と集中を強いられる。
---さらに厄介なことに、後半はマップの大半が細い通路で構成されており、ほぼ''「戦闘を回避できなくなる」。''そのためか、救済措置として終盤にはチャージの必要がない弾数無限の銃が手に入る。それでもキツい。
-セーブはボイスレコーダーにローラが録音するという設定で行われるのだが、セーブまたはロードするたびにバッテリーを消費し(ちなみにセーブで4、ロードで2消耗)、バッテリーが尽きるとセーブもロードもできなくなる。ゲームオーバーまたはリセットしてロードするだけでも消費するので、何度もやり直すということはできない。
--このようにプレイヤーをさんざんバッテリー切れの恐怖に怯えさせた上で、ストーリー上終盤で命綱のVPSのバッテリーが尽き、絶望することに…という演出もある。
--もちろん、このボイスレコーダーのバッテリーも難易度によって初期残量が全然違う。ハードモードだとなんと''16''しかない。
-難易度が高すぎるため、ストーリーの核心を見ることができなかったプレイヤーにクソゲーの烙印を押されることに。
-サタコレ版、PC版では難易度を下げたモードもある。

**良い点
-戦闘の緊張感。たった一体の敵と戦うだけでプレイヤーがこれほど心臓バクバクさせるゲームは他に無い。
--日常生活でも「耳元で電子音が聞こえてくる」という重病プレイヤーも出た。
-戦闘だけではなく音にはこだわっていて、室内のノイズまで再現している。基本的にゲーム中のBGMはないが、マイケル・ナイマンのピアノがイベント要所を盛り上げてくれる。
-「[[エヴァンゲリオン>新世紀エヴァンゲリオンシリーズ]]のように世界観を作り込みたかった」という細かい設定。ゲーム内の端末に表示される情報などかなり作りこまれている。
--それだけに要所要所の作り込みのあらは惜しまれる。
-ナイマンのBGMは素晴らしく、要所要所でゲームの雰囲気を引き立ててくれる。

**悪い点
-一部の微妙な演出。
--イベント(特に悲観的なシーン)がいちいちくどいので、見ていてウンザリしてしまう。
--終盤の自分も寄生されていたことが発覚するシーンがいろいろ不自然(前述したくどいシーンの一つでもある)。
--ムービーのテンポが一部悪いところがある。
--ラストの小型艇で脱出するムービー。カタパルトを疾走するわけだが、やたら長い上に曲がりくねっていてあまりに不自然。ジェットコースターじゃあるまいし。
---しかも船の外観からして、あのクソ長く蛇行ばかりの通路が収まりきれるわけがない。

-室内では移動、調べる、全ての行為がムービーとなり、スキップする事は出来ない。テンポが悪く、イライラを感じる場面も少なくない。
--前述したガン・チャージャーによる銃のエネルギーチャージにもムービーがいちいち挿入される。銃のチャージは頻繁に行う必要があるので、かなりイライラ。
-やや超展開な場面もある。
--主人公が無口でキャラが掴みにくく感情移入もしにくい(一応、無口なのには設定上の理由があるのだが)ため、理解に手間取る。
-走るとやたらと視界が上下に揺れる。酔うこと必死。

-しかしこのゲーム最大の問題は、''あまりにも既存の作品に酷似している部分があるところであろう。''
--「謎の生物を捕獲し地球に持ち帰ろうとするものの、生物は恐ろしい力で乗組員たちに牙を剥き、乗組員と謎の生物の戦いが始まる…」~
これだけのあらすじからもわかるように、ストーリーの骨子はかの有名なリドリー・スコットの『エイリアン』もろそのままである。
---あらすじのみならず、導入部の1シーンにおいて宇宙服のヘルメットにコンソールパネルの光が映り込む等、『エイリアン』そのままの演出まで用いられている。
--ネタバレになるが、乗組員の中に混じった人型のアンドロイド、船を自爆させ脱出艇で生還など、無印エイリアンとの類似点は多い。
--「ステルスを用いるエイリアン」という設定は『プレデター』『禁断の惑星』を思い起こさせる。もっともエネミーは狩猟民族でも誰かの妄念の具現でもないが。

**その他
-作品の良し悪しよりワープ社長・飯野賢治氏の言動で有名になってしまった。
--当時、PSソフトの出荷はSCEが完全に管理していたのだが、PS版『Dの食卓』では当初ワープに約束した出荷本数を大幅に下回る本数しか出荷しなかった。3DOからの移植と言う事で需要を大きく見誤ったのと、増産の速度を過信したためであったが、結果として年末商戦で売り切れが続出、販売機会を大きく損失してしまう。これによりワープはSCEへ強い不信感を持つ事となった。
---この意趣返しとして、当初はプレイステーションで発売する予定だった本作は、プラットフォームをセガサターンに変更する事となったのだが……なんとそれを&bold(){SCE主催の「プレイステーションエキスポ」で}PSのマークがSSのそれにモーフィングする挑発的演出で発表してしまった。
--飯野氏もコラムを書いていた「ゲーム批評」の誌上で本作が酷評され、飯野氏は連載を取りやめた。
--また、飯野氏は本作のパクリ疑惑に対し、「パクリではない」「『エイリアン』や『プレデター』を知らなかった」という稚拙な弁解をした。
--これらの飯野の言動により、それまで飯野側についていたファンの多くを失う結果となってしまった。

-1997年7月18日には映像の無い音だけの作品『リアルサウンド ~風のリグレット~』を発売したが、「10点満点か評価不能か」発言とともにさらに物議をかもすことに。
-ムービーのキャラの口ぱくがアヒル口に見えるのがネタにされる。
-余談だが、飯野はナイマンをホテルの一室で約6時間かけて口説き、このゲームのサウンドを担当させたらしい。
-クリーチャーデザインは「牙狼-GARO-」「仮面ライダー電王」で有名な韮沢靖…''ナイマンといい、無駄に豪華スタッフ。'' エネミーの全体像なんてちょっとしか見る機会がないのに…。
-宇宙船の外観は人間の心臓をイメージした独特のものであり、血管などをあしらった四つのタワーに宇宙船の機能が分散しているという設定は劇中でも生きている。
-一部で有名ではあるが、この作品には''『20万円限定版BOX』''という恐らく業界No.1の値段を誇る限定版が存在する。注文は電話のみ、20個限定で値段はもちろん''20万6000円''(消費税3%込み)
--限定版に関しては''飯野賢治氏が直接購入者の自宅に出向いて手渡し''と言う物で、2tトラックの荷台に飯野氏とスタッフの皆さんと限定版を載せて各地の購入者の家を回っていたとの事。
--こちらのブログで''"購入時の様子、中身の一部、限定BOXの外観"''を確認することが出来る。[[『20万円限定版』>http://blog.livedoor.jp/all_neogeo/archives/51101620.html]]

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