OverBloodに戻す - ゲームカタログ@Wiki ～名作からクソゲーまで～

*OverBlood
【おーばーぶらっど】
|ジャンル|アクティブアドベンチャー|CENTER:&amazon(B000069T48)|
|対応機種|プレイステーション|~|
|発売・開発元|リバーヒルソフト|~|
|発売日|1996年8月2日 |~|
|定価|5,040円（税込)|~|
|レーティング|CERO:B(12歳以上対象)※ゲームアーカイブス版で追加されたレーティング|~|
|配信|ゲームアーカイブス:2011年2月23日/600円|~|
|分類|BGCOLOR(lightsteelblue):''賛否両論''|~|
|ポイント|劣化バイオ?&br()遊べることは遊べるが、色々微妙すぎる…|~|

**概要
名作『[[BIOHAZARD]]』の大ヒット後、雨後の筍の様に沸きだしたバイオ模倣ゲーの一つ。~
見てもらえれば分かるが、よほど慌てて作ったのかなんと本家の''4ヶ月後''とかなりのスピードで発売されている。~
…が、その開発期間の短さが色々影響したのか、できあがったのはあまりにバイオと似通った、なんとも評価しがたい珍妙な代物であった。

**ストーリー
西暦2095年、一人の男がとある研究所の地下で目覚めた。~
長いコールドスリープから目覚めたばかりの男は、自らの名前を含めた全ての記憶を失っていた。~
なんとか極寒のコールドスリープ室からの脱出を図る男はそこで自らの名を知る。~
男の名は「ラズ・カーシ」。果たして彼はこの研究所の謎を解き明かし、地上に脱出できるのであろうか…?

**システム
-''まんまバイオ''。以上。
--…これで終わっても構わないほどに操作はバイオに似通っている。バイオ最大の特徴であるラジコン操作も忠実に再現されている。
---アイテム取得の是非までしっかり問われる。別にそこまで真似なくとも、本作に所持アイテム数制限はないのだが…。
-あえて違うところを探すならば時々使うジャンプ、しゃがみ、キャラクターチェンジ、それに戦闘システムぐらいだろうか。
--戦闘はどちらかというとRPG的であり、エンカウントするとバトル状態になる。攻撃はこの間にしかできない。
---HPは戦闘中以外表示されない。回復ポイントはないが、戦闘終了後に全回復するので問題なし。

**評価点
-視点の種類の多さ。少なくともこれだけは本家に勝っている。
--通常の固定視点の他、キャラクターの移動に合わせて追従するタイプの視点、主観視点も用意されている。
---ただ、キャラクターの視点に合わせた追従が出来るならなぜわざわざラジコン操作を採用したのか、という疑問が沸くが…。
---そもそもラジコン操作は「視点変更不可能な固定フィールド上を自キャラが動く」という、バイオ独自のシステムに合わせて考案されたスタイルである((初期の『バイオ』では、画面を切り替えた途端にカメラアングルまで大きく変わってしまうことが頻繁にあった。そんな時でも同じ方向キーを押し続けているだけで前進ができる、これが『バイオ』におけるラジコン操作のメリットであった。))。融通の効くカメラ追従が可能なら、採用するメリットはかなり薄い。
-ストーリー、謎解き共に結構本格的。この辺りを合わせて「大人向けバイオ」と見る向きもある。
--謎解きは「なぜそこでそのような行動が必要になるのか」と言った疑問をあまり感じさせないようになっている。バイオ1が「ピアノを弾いて扉を開ける」「宝石をはめて仕掛け解除」などどこかファンタジー的な物があったのに比べると、かなり現実的な仕掛けになっている。
--ストーリーは短いながらもしっかりハードSFしているもの。短さの中にどんでん返しを仕込む構成もなかなか。

**問題点
-ボリューム極薄。3時間ほどでクリアできてしまう。
-基本的に銃、回復アイテムの雑魚戦での使用は''厳禁''。
--理由はラスボスが''異常に強い''ため。これらの消耗品をフルに使ってようやく倒せるレベル。さらに制限時間付き。
-即死要素多数。基本的に戦闘以外でHPが存在しないこともあり、トラップ解除失敗=''死''というケースが非常に多いため。
--特に序盤の石像から反重力装置を回収しようとして押しつぶされるのは、誰もが通る道。
---余談だがこの際のラズの台詞が「うわー」という感じで妙にシュール。死にまくることを含めて本作をバカゲーとして評価する人もいる。
--幸いセーブ回数に制限はなく、どこでもセーブ可能なのでこまめなセーブ推奨。
---ただし、メインメニューのカーソルのデフォルトの位置が「START(最初から)」なのでゲームオーバーになった後、ボタン連打していると長ったらしいOPムービーを見せられるハメになる、という余計なトラップがある。
-操作性劣悪。当たり判定が曖昧な上ダッシュと物を押すボタンが同じ(×)なので、ダッシュしようとして頻繁に物を押す動作になってしまう。
--しかも、カメラワークも操作性も今一つなのに、マリオのごとくジャンプして足場を渡る場面がある。もちろん落ちれば''即死''である。
-売りの一つのキャラクターチェンジは使う場所があまり多くなく、活かし切れているとはとても言えない。
-キャラクターのモデリングの出来も今一つ。
--グラフィックレベル自体は時代を考えれば十分及第点なのだが、とにかくデザインが微妙。ダンディなヒゲ親父のはずのラズがあまりダンディに見えず、ヒロインも可愛くない。

**賛否両論点
-謎解きの難易度は非常に高い。
--基本的に最初から最後までほぼノーヒントなので、手に入った手がかりを元に自力で解答にたどり着く必要がある。
--というか始めた時点でいきなり''極寒の部屋で体力を削られる''という時間制限ありの仕様。幸いここからの脱出方法は説明書に記載されている。
--アイテムが落ちている場所も、光っているなどのヒントがなく怪しいと感じた場所を虱潰しに当たる必要がある。
--これらの仕様を「歯ごたえがある」と感じるか、「理不尽だ」と感じるかで本作の評価は大きく変わるだろう。
---ただ、本気で「わかるかぁ!」と叫びたくなるような代物はない。一応推理で解答を導き出せる範疇である。

**総評
問題点は多いが、とりあえず致命的な物は少なくクソゲーと断じるほどではない。~
一方で色々な意味で人を選ぶ要素が多く、「ハードSF好きのコアゲーマー」なら世界観も難易度もやり応えとして楽しめるだろうが、ライトユーザーにオススメできるものでは到底ない。~
とりあえず、ゲームアーカイブスから購入するなら同じ値段のバイオとどちらを選ぶかはよく考えよう。

**その後
-誰が予測したか続編も出ている。
--こちらは特徴的なシステムが面白いと概ね好評。

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