「クラッシュ・バンディクー5 え~っ クラッシュとコルテックスの野望?!?」の編集履歴(バックアップ)一覧に戻る
クラッシュ・バンディクー5 え~っ クラッシュとコルテックスの野望?!?」を以下のとおり復元します。
*クラッシュ・バンディクー5 え~っ クラッシュとコルテックスの野望?!?
【くらっしゅ ばんでぃくーふぁいぶ えーっ くらっしゅとこるてっくすのやぼう】
|ジャンル|アクションアドベンチャー|&amazon(B00030GM68)|
|対応機種|プレイステーション2|~|
|メディア|DVD-ROM|~|
|発売元|Vivendi Universal Games Japan|~|
|開発元|Travellers Tales|~|
|発売日|2004年12月9日|~|
|定価|7,140円|~|
|プレイ人数|1人|~|
|レーティング|CERO:全年齢対象|~|
|判定|BGCOLOR(khaki):''シリーズファンから不評''|~|
|ポイント|似非オープンフィールド&br()虚弱体質のクラッシュ&br()多すぎるバグ&br()繰り返すロードとムービー&br()''雑誌で堂々と黒歴史扱いされる''|~|
|>|>|CENTER:''[[クラッシュ・バンディクーシリーズ]]''|
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#contents(fromhere)
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**概要
『クラッシュ・バンディクー』シリーズのナンバリング第5作。開発は[[前作>クラッシュ・バンディクー4 さくれつ!魔神パワー]]から引き続きTravellers Talesが担当。~
本作から発売元はコナミからビベンディユニバーサルゲームズへと移っている。~
同社はかつての版権元であるユニバーサル・インタラクティブ・スタジオがフランスのビベンディグループの傘下となったもの、つまりは自社発売にあたる。

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**ストーリー
悪の科学者ネオ・コルテックスはいつものようにクラッシュを倒す計画を練るが、またしても失敗してしまう。~
そんな2人の前に謎のオウムの双子エビル・ツインズが現れる。~
エビル・ツインズはコルテックスに深い恨みを持ち、復讐と同時に世界征服を企もうとしていた。~
クラッシュとコルテックスは協力してエビル・ツインズを倒すことになった。~

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**特徴
-オープンワールド
--これまでのステージ選択式からエリア方式になった。4つのエリアに4つのステージがある構成。エリア名にもなっているステージは箱庭ステージとなっている。
--それに伴い今作ではシリーズ初のカメラ操作が導入された。
---これによりフィールドを見回すことが出来るようになった。ただし一部のステージでは固定カメラになる。
--しかし、広大なフィールドを冒険できるようになったと思いきや…(後述)

-ダイヤ
--ステージ中の箱を全て破壊する事で入手できるパーフェクトダイヤが廃止。各ステージに6種類ずつ隠されている。
---入手したダイヤに応じてポーズ画面から閲覧できる設定資料が解放される。

-プレイヤーキャラ
--主人公のクラッシュに加えクラッシュのライバル・コルテックス、新キャラクターでコルテックスの姪のニーナがプレイヤーキャラとして登場。
--クラッシュは基本的には従来のアクションと同じ。最初からダブルジャンプが可能で、ボディプレスも波紋が出る。一方でそれら以外のパワーアップアクションは存在しない。
---しゃがみからのハイジャンプは廃止。スライディングジャンプは従来とは挙動が異なる。
---新アクションとして、ボールを転がすことができるようになった。スライディングで浮かせることもできる。
--コルテックスはおなじみの光線銃を駆使した遠距離攻撃が可能。銃には弾数制限があり弾薬箱を壊して弾を補充する。スライディングは頭から滑る。
--ニーナは伸縮可能な鉄の義手がメインのアクション、パンチで攻撃し壁のフックに掴まって移動する。
---コルテックスとニーナを操作している時は彼らを守るキャラクターがウカウカになる。
---ちなみに、DUALSHOCK2の機能である感圧式の十字ボタンにより、歩く時のスピードを調整できる。

-タッグアクション
--クラッシュがコルテックスをパワークリスタル(これまでのパワーストーン)ごと引っ張りながら行うアクション。
--スピンの範囲が増えるほか、コルテックスを投げて遠くの敵を倒してもらったり仕掛けを起動してもらいながらステージを攻略していく。
--コルテックスは投げられてからクラッシュの元に戻ってくるまでは無敵となり、穴に落とそうがニトロ箱にぶつけようが死ぬことはない。

-コンビアクション
--タッグアクションと同様にクラッシュとコルテックスが協力(とは言いがいたいものばかりだが…)して行う。
--ゴロゴロファイト
---クラッシュとコルテックスが取っ組み合いの喧嘩をしながら転がって移動する。前作のCRカプセルに近い。
---待機モーションも四種類ある辺り、無駄に凝っている。
--人間スノボ
---名前の通りコルテックスをボードにしたスノーボードアクション。本作では唯一の乗り物(?)である。
--クレイジーコルテックス
---一目散に走り出しているコルテックスを死なせないために、クラッシュが障害物を排除しながら進む。
---クラッシュ操作時にコルテックスだけが死んだ場合は残機が減らない。これはタッグアクションも同様。

-箱の仕様。
--爆弾箱は下から叩くと即爆発する。
--一部のニトロ箱は赤いスイッチ箱を作動させることで爆破させることができる。
---初期設定では過去作と同じく『緑!ブロック』で壊す予定だったのか、1ヶ所だけ過去作同様『緑!ブロック』で壊す箇所が存在する((厳密には同じ場所に2個『緑!ブロック』がある。))。
--↑箱はリンゴを出さなくなった。
--上に積まれた箱は、下の方を壊して落とすと壊れるようになった。
--爆弾箱、ニトロ箱でアイテム入りの箱を壊してもアイテムが出てくるようになった。

-画面下に操作方法やヒントが表示される。口調からアクアクがしゃべっている設定。
--また、『[[アドバンス2>クラッシュ・バンディクー アドバンス2 ぐるぐるさいみん大パニック!?]]』同様に最初はチュートリアルステージとなっている。

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**問題点
-なんちゃってオープンワールド
--広大なフィールドを探索できるようになったと思いきや、実際は''ステージ選択を取っ払っただけの一本道''。
---ほとんどのステージが一方通行でちょっとでも進むと帰り道が塞がれており((ドアに鍵がかかったり、足場が沈んだり、パイプから触れるとダメージを受ける緑の煙が吹き出たりと露骨に逆走が制限されている。))、やり直す場合は一度ステージを全部クリアしてからまたステージの最初まで戻らないといけない。
--ストーリーを進めるとショートカットが追加されていくのだがそれでも面倒な箇所が存在する。
---「メチャクチャクラスルーム」と「あくのパーティーだいハッスル」の2ステージは繋がっており、「あくのパーティー」をもう一度遊ぶには「クラスルーム」から攻略しないといけない。
---クラッシュの家がある最初のエリアに戻るには、進行方向とは真逆の位置にある小さな横穴を通らなければならないが、かなりわかりづらくリンゴなどの誘導も無い。
---最終エリアに一度入ると、ラスボスを倒すまで元のエリアに戻れない。
--''カメラアングルが非常に悪い''。障害物で画面が埋まったり、極端にズームしたり、意図しないアングルに勝手に変わったりとストレスが溜まりやすい。
---まるで[[スーパーマリオ64]]のジュゲムのようなカメラマンでもいるかのように、カメラアングルそのものが障害物に引っかかって回せない箇所も存在する。
--なお、開発中はこれまで通りのステージ選択制だった模様。何故今のような仕様にしてしまったのか。
---確かに一々ステージ選択画面を挟めば広大なフィールドを冒険している感覚は削がれたかも知れないが、一般的な箱庭ゲーのようなファストトラベル機能も付けようと思えば出来たはずである。
--オープンワールド風にゲームを作り込んだ結果、下記に示すように多数のバグを発生させてしまっている。

-死亡しやすい。
--ある程度の高さから落ちると、''画面がスクロールせずに死亡''。
--''盾として御馴染みのアクアク(及びウカウカ)がいても、2枚持ってようが問答無用で爆弾箱やニトロ箱でも当たったら一発死。''辛うじて雑魚敵の攻撃を防ぐしか機能していない。
---無敵でもニトロ箱やトラップで死亡するなど''無敵が機能していない。''無敵の問題点は他にもあり、体当たり攻撃が全くできず、専用のBGMが流れないのでいつ切れるのかもさっぱり分からない。全く爽快感が無い。
---アクアクを使えばゴリ押しでダイヤを取得出来る場所があり弱体化は仕方ない部分もあるが、旧作において行き詰った時のある種最終手段だったのもあり意地の悪さは否めない。
--チキモンという巨大トーテムポールと戦うボス戦があるのだが、何と''倒して完全に動かなくなったチキモンに触れると即死する''。作り込みの甘さが見て取れるシーンの1つと言える。
---なぜかは知らないが、''敵ではないニーナにもダメージ判定がある''箇所まで存在する。ひょうざんラボにおいて十次元への道が解禁され、コルテックスのそばに立っているニーナに近づくと起きる現象で、作り込みの甘さ以前に意味不明な設定になっている。
--本作にはボーナスステージが存在しないため残機を稼ぎにくい。ダイヤを入手するには1度もミスが許されない高難度のテクニックを要求される箇所が多いので、ゲームオーバーになりやすい。

-テンポが悪い。
--ムービーの問題点
---プリレンダリングムービーはスキップ可能な上に2回目以降はギャラリーでの視聴((エンディングムービーは例外でギャラリーを介さず見れる。))となるのだが、リアルレンダリングムービーはスキップ不可。一度見たものでも飛ばすことができず1ミスするたびに同じムービーを見させられるのでストレスがたまる。''2周目でも飛ばすことができない。''
---多くのボス戦でチェックポイントと戦闘開始の間にムービーが入る。
---無理に飛ばすとバグが発生する可能性もあるのでこうなったのかもしれない。事実、通常プレイでもたまにバグが発生することがある。
---''マップ上にイベントフラグが設置されているので、その場所に近づくだけでまた同じムービーが流れることがある''。最初のステージのアクアクによる解説がそれに該当し、探索していたらまた同じ話を聞かされる事態が起きやすい。
--ロードが長い。
---死亡場所とC箱の場所のステージが違うとロードが入る。アンバリー戦ではC箱が前のステージにあるため、一回死亡するとロードが入り、飛ばせないムービーが2つ入ったりとすぐに再戦できない。

-足元の判定が雑。
--箱に対する判定が緩く、隣接しているニトロ箱を踏んでしまう事故が起こりやすい。
--床のスイッチを押している時、少し動くと押しっぱなしでもなぜかOFFになることがある。
--ボディプレスで敵を潰すことが必須のステージがあるが、この判定が緩く、かわされてそのまま敵の攻撃を食らってしまうこともある。

-ステージの設計・仕様が悪い所が多い。
--視認性の悪いエリアが多い。下からドリルが迫ってくるステージは足場が非常に見づらい。樽を投げてくる敵のいる場所では、樽の色が暗いため背景に紛れてどこを転がっているか分かりにくい。落ちる足場を渡るステージも、落とし穴と足場の区別がつきにくい。
--敵の見張りに気づかれないように隠れて進むというステージがあるが、その判定がシビア。
---水草の陰やボートに隠れたと思っても見つかることがある。
---もう1ステージ隠れて進むステージがあるが、こちらは隠れ場所に印があるので簡単。ただし、一部の場所はしゃがまないと見つかる。
--スノボステージは問題点が多い。
---スイッチを起動させないとジャンプ台が現れないという仕掛けがあるが、これについてゲーム内で説明はない。1ヶ所、スイッチを起動し損ねるとミスが確定となる場所がある。
---強制スクロールで逆走できないので、ダイヤを取り損ねてしまったらわざとミスするしかない。しかし、ダイヤとC箱の間にミスができないところもあり、その場合はステージに入り直すしかない。
---地形の使い回しが多い。入り口に爆弾箱・ニトロ箱が詰まれた横穴を強引に飛び越して入る、というところが何ヶ所かある。普通に攻略するなスルー可能だがいくつかの横穴にはダイヤがあり必ずしもこれを超えなければならない。そのうちの1ヶ所は入り口の8~9割くらいが爆弾箱で埋まっており、ほぼ運ゲーに近い。
--シリーズ恒例の追いかけられステージもあるのだが、あるステージではこれまでザコ敵として登場していた原住民達に追われる。
---ムービーが挟まれるが説明もなく唐突に追いかけられステージに突入するため、初見では倒そうとしても倒せずに逆にクラッシュがやられてしまうということも。
---本作では追いかけてくる敵の速度がやたら速い。従来はどちらかというと手前に現れる障害物の方が厄介だったのだが、本作はかなりギリギリのところまで攻めてくる。

-やりこみ要素の不足
--ステージクリア型ではなくなった関係でパーフェクトダイヤ、タイムアタックといったシリーズお馴染みのやりこみ要素が削除された。ノーミスで進むころで挑めるドクロコースも本作には存在しない。
--代わりにダイヤ探しが追加されており、数も多いのだが物によって入手難易度がバラバラ。
---死角に隠されているだけで、ちょっとカメラの向きを変えただけで簡単に発見できるものや上記の横穴の中にあるものも。中にはダイヤのすぐ近くにまた別のダイヤがあるなんてこともある。ステージ進行箇所にそのままダイヤが設置されているという手抜きも存在する。
--ダイヤの種類こそ多いが、前作までにあったカラーダイヤコースは一切存在しない。
--隠しステージやクリア後限定で遊べるステージも無い。

-コルテックスとニーナを操作出来るステージが少ない。
--ステージ毎にキャラ変更等も出来ず固定されており、ニーナは初登場のステージとラスボス戦の2ヶ所のみ。
--コルテックスはタッグアクションがあるものの、どちらかと言えばクラッシュが主体となっている。単独操作できるのは、飛行船内と「メチャクチャクラスルーム」の後半部分(長さは1ステージ相当)とその後のボス戦、ラスボスの4か所となっていてニーナとあまり変わらない。
---劣化クラッシュでしかなかった前作のココと比べ、ちゃんと2人ともアクションが差別化されている((クラッシュと比較してコルテックスは遠距離攻撃が出来るがジャンプ力が無い、ニーナはパンチでニトロ箱を壊せるがダブルジャンプが出来ないというメリット・デメリットがある。))。だが前述の一本道のマップも相まって、この手の複数主人公アクションでよくある「一度クリアしたマップを別のキャラで再訪すると新しいギミックが解除出来る」なんて事も無い。もう少し生かし方はなかったのか。
---特に新キャラクターのニーナは無口ながらも常時スキップ移動するギャップや、クラッシュとコルテックスを差し置きラスボス戦では先鋒を務める等、常にクールで余裕に満ちた性格がキャラ立ちしていたのもあり、勿体無さが否めない。

-死亡パターンが少ない。
--せいぜいその場で倒れる・昇天・爆死・溺死・焼(感電)死ぐらいしか無い。『旧4』以降の作品に共通して言える問題点ではあるが、本作は『旧4』よりも少ない。

-セーブについての問題点
--セーブ方法は「セーブポイント箱でのオートセーブ」と「ポーズ画面からセーブ」の2つがあるのだが、後者はほぼ死に機能と化している。
---この選択を使う場面は、オフにしたオートセーブ機能をオンにしたいときのみだが、そもそもオートセーブをオフにする必要は殆ど無い。
---また、オートセーブ機能をオフにした状態でセーブすると、強制的にオートセーブ機能がオンになる。なんのためのオフ機能なのだろうか。
--セーブポイントのバランスも悪く、セーブポイント箱の配置場所が妙に偏っている。
---何個もあるステージもあれば、ステージの入口付近からボスを倒すまで1個も出ないところも。
---後述の1UPが再配置されない問題と重なり、ゲームオーバーになると少ない残機で挑むことになるため、次のセーブポイントまでが遠いと何度やっても辿りつけなくなることも。ステージ選択性にしなかった弊害である。

-100%クリアの特典が微妙。
--通常クリアで話に決着がついたため真のエンディングがなく、白い背景でクラッシュがただアクションをするという内容のムービーが解放されるだけである。
---ちなみに100%クリア特典の映像は国ごとに違っており、上記の映像は日本版のみとなっている。
---海外版では、クラッシュとコルテックスがどこかの部屋にいて、ナレーターと思われる声の主の話を聞いてコルテックスがクラッシュに話している(謝罪?)が、クラッシュは途中なぜか転がってきたリンゴに夢中になり、コルテックスはクラッシュにもたれかかろうとでもしたのか勢い余って倒れるという内容。

-不便になった点
--1UPが一部の場所を除き再配置されない。
---ちなみに箱を壊して中身を取らなくても再配置されない。
---本作は死亡しやすいバランスであるため、1UPができないのはより難易度を上げてしまっている要因となっている。
--しゃがみが○ボタンのみとなり、従来のR1ボタンでしゃがみアクションができなくなった。
---その影響でスライディングジャンプもやりにくくなったが、そもそもスライディングジャンプを行う場面がなく、挙動も扱いづらいものとなっている。
--''箱の上にクラッシュの影が表示されない''ため、距離感が掴みにくい。
---そのくせ空中にある木箱や↑ブロックで渡っていく場面が多く、ミスを連発しやすい。ご丁寧に↑ブロックに触れる直前にスピンアタックをすると跳ぶこと無くブロックの上に乗れる仕様も削除されている。
---デモ版では影がきちんと表示されていたのだが、何故削除したのだろうか。
--ある程度の高さから落下すると着地失敗となり、クラッシュが仰向けに倒れ込んでは起き上がる動作が挟まれる。従来でも高いところから落ちると俯せに倒れたりはしたが、それとは違い起き上がるまでの動作が長く、テンポの悪化に繋がっている。

-翻訳ミス
--オープニングが''唐突に「3ねんまえ」という字幕と共に海辺を氷漬けのコルテックスとウカウカが流れていきタイトル画面になる。''
---このシーンは前作のエンディングと繋がっているのだが、前作をプレイしていないと意味が分からないシーンとなってしまっている。
---英語版では「3 years ago」であり、翻訳としては「3ねんまえ」ではなく「あれから3ねん」の方が近いが、あらすじが無い時点で何が何だか分からない。
--エヌ・トロピー戦では、宝の場所を問い詰める際にクラッシュが何も喋っていないにもかかわらず「静かに!拷問するしかない」と言う意味不明な台詞がある((恐らく「黙っているようなら拷問をするしかない」の誤訳と思われる。ちなみに海外版では「Silent!」と言っている。))。
--本作では画面下部に字幕付きで操作方法の解説が書かれているのだが、日本語版ではそれがアクアクの口調になっている。しかし、序盤の操作説明はコルテックスがやっているはずであり、コルテックスかニーナを操作する時は傍にウカウカしかいないので、いずれもアクアクの口調になのは不自然である。
--スノボステージでは「ゴロゴロいわをゴー!」というステージ名なのに、岩らしき物がどこにも見当たらないため「ゴロゴロいわ」が何を表しているのかが不明。
---英語では"Rock-Slide Rumble"というステージ名で、"Rumble"が「ゴロゴロ鳴る」という翻訳があるので、そのまま「ゴロゴロ」にしたのだと思われる。スノボで滑る時の効果音か、スノボステージの慌ただしさを表すスラングの意味合いで使われていると推測される。前者の"Rock-Slide"はステージ構成である岩山を滑ることを意味しているのであって、岩そのものを指しているわけではない。
---「いわをゴー!」では日本語として不自然な点や、過去作に大岩が存在したこともあってか、このタイトルでは「ゴロゴロいわ」という固有名詞と勘違いしやすい((余談だがスーパーマリオ64では実際に「ゴロゴロいわ」が存在するので、両者を知っていると余計勘違いしやすい。))。せめて「ゴロゴロ いわ''やま''をゴー!」的な書き方であればまだ伝わったかもしれないが。
--「ニセバンディクーを追え!」というステージがあるが、どう見てもコルテックスがニセバンディクーに追いかけられている内容である。
---このステージに入る直前までは、確かにニセバンディクーの後を追うことになるのだが…。
---ちなみにコルテックスはこのニセバンディクーを「悪のクラッシュ(Evil Crash)」と呼んでおり、呼称に統一性が無い。
--「ありンコキリキリまいった!」「バチバチありンコじごく」というステージ名がぱっと見よく分からない。
---ありンコ→Antということでおそらく両ステージ共に敵キャラクターのエビル・アンツを表していると思われるが、もっといい訳は無かったのか。
--パワーストーンが本作では「パワークリスタル」だったり、ボディープレスが「ボディースラム」だったり、リンゴの木が「ワンパの木」だったりなど、誤訳ではないがシリーズファンには違和感のある訳も存在する。

-過去キャラの扱い
--コルテックス戦における顔見せの中に、なぜこいつがいるのかと思ってしまうようなキャラクターが居る。
---クラッシュの仲間であるはずのポーラが当たり前のように混ざっており、バットを構えてクラッシュを睨んでいる。このことについてゲーム内で理由が明かされない。後のインタビューで『2』でクラッシュに馬乗りされて乗り回されたことを根に持っていて、復讐の機会をうかがっていたことが明らかになった((「恨んでいる設定がジョークとして面白かったので取り入れた。」とのこと。))。ただ、『3』や『レーシング』では味方キャラクターとされていたこともあってか、この唐突な上に採用理由も強引すぎるこの後付け設定に違和感を覚える人も多い。
---同じくこのシーンでは前作でクラッシュの仲間になったクランチと、そもそもコルテックスの仲間でないエヌ・オキサイドまでいる。クランチはコルテックスの「今日はクラッシュのパーティー(という名のお別れ会)だ」というセリフを真に受けており、ケーキを持参している。オキサイドに至っては何故いるのかが全く分からない。
--エヌ・トロピーはルー語ではなく普通の丁寧口調にされてしまった。
---ボス戦ではまさかの音叉を使って叩く物理攻撃しかしなくなっている。リーチが短いので離れていれば全く当たらない。
--ニトラス・ブリオが出て来るが、異常なまでに顔が色黒になっている。
---本作ではエヌ・トロピーとコンビを組んでくるが、旧作では特に接点のない2人だっただけに意味不明な組み合わせである。
--ゲーム中で閲覧できるコンセプトアートにはコモドジョーやエヌ・トランスがいるのが確認できるが、彼らの登場シーンは存在せず『カーニバル』に登場したリラ・ルーに至ってはアートすらも無い。
--ココの扱いもかなり悪く、登場シーンはたったの3回なのだがそのうち2回はビームに打たれて気絶してしまうという雑な扱いを受けている。
---行動を共にしているクラッシュとコルテックスを見ただけで「お兄ちゃんを放して!((コルテックスの研究所の中なので勘違いしたと思われるが、別にクラッシュが捕まっているわけではない。))」と言ってコルテックスに攻撃したりと知的なキャラではなくなっている。
--クラッシュの元カノであるタウナらしき人物が、ステージ中に登場する風俗店の看板になっている。あくまでも看板だけである、おそらく…。
--ウカウカの声が前作以上にくぐもっていて非常に聞き取りづらい。わざわざ音声を加工する必要は無いと思うのだが……。
---本作ではコルテックスとニーナを操作時にアクアクのように護ってくれるのだが、その時の各音声がアクアクの使い回し。キャラの雰囲気が全く違うだけに違和感が強い。

-ストーリーに整合性が取れていない。
--ストーリーはタスマニア島から始まり、島から出るシーンが無いのだが、''なぜか水平線上に南極大陸が見える''。オーストラリアから南極まではおよそ2000㎞の距離があるのだが、本作ではボートで気軽に行ける距離になっている。
---ゲームの世界と現実世界とは違う舞台という設定だったとしても、南国風の島のすぐ傍に氷の大陸があるのは違和感が強い。
--先述の通りコルテックスとウカウカは南極で氷漬けになって海上を漂っていたのだが、なぜかウカウカだけが氷漬けにされたまま南極内部に取り残されている。コルテックス自身もなぜこの状態になっているのか心当たりのない表情をしており、前後のシナリオが想像しにくい。
--クラッシュを単体で操作するエリアの場合、コルテックスはワープの様な機能を使ってクラッシュよりも先に進む。協力プレイ時もワープ機能が使えるのだが、その割には敵に追いかけられているシーンなどではその機能を使うことが無い。
---クラッシュのみを操作させるステージを用意する際の違和感を払拭させているつもりなのだろうが、却って不自然な場面を生むことになっている。
--コルテックスとペンギンのやり取りが意味不明。口論しているペンギンに魚を見せるのだが、それがいつの間にか銃に変わっており、ペンギンを撃ち殺すというもの((ペンギンがコルテックスに給料未払いで文句言ってるというシーンであるらしいが、そもそもコルテックスとペンギンとの関係性が分からない。))。
--コルテックスがエヌ・ジンの戦闘艇に向かおうとした理由は、船を使って海に出るつもりだったからだと思われる。しかし、エヌ・トロピー戦の後ラボに戻されるとなぜかコルテックスがおり、その話はいつの間に無かったことになっている。
--ディンゴダイル戦やアンバリー戦における直前の会話とボス戦の入り方が不自然。
---前者はコルテックスに宝の場所を聞くが、コルテックスは答えられなかった((そもそもコルテックスは「どんなお宝でもこの屈辱(クラッシュにスノーボードにされたこと)を晴らすことができない」と言ったのに、「コルテックスは凄いお宝を持っている」とディンゴが勘違いしたことが原因。))ので追い払った後、クラッシュに襲い掛かるというもの。もっと言えばクラッシュとコルテックスが同行している理由も知らないのに、彼らが一旦目的地から外れ迷い込んだ場所に更に先回りしている展開もかなり無理がある。
---後者はコルテックスが現在何をしているか聞いた後に襲い掛かってくるというもの。遊んでるつもりなのだろうか?「悪の学校の校長」という肩書からある程度考察は可能ではあるが、あまりにもムービーの終わり方が不自然すぎる。
--クラッシュシリーズはストーリーはあってないようなものと捉えるファンもいるのだが、本作はストーリー性を重視している上にムービーも多い為、違和感が過去作以上に目立ってしまっている。

-複数のバグが存在。
--国内版特有の問題として、ウォーラスやエビルクラッシュが途中から追いかけてこなくなる。
---前者は旧作の大岩と同等の後ろから追いかけられるアクションステージだけに、重大な欠陥である。
--他にクラッシュが何の前触れもなく転倒したり((背景のロードが追い付かなくなると起こる模様。))、タッグアクション時にただ走っているだけでコルテックスがダメージを受けてミスになったり((コルテックスが段差の間にある狭いスペースに入るようにすると起こる。))、パイプにはまったコルテックスが壁にはまってしまうバグが存在する。
--最終ステージ入り口の横のワープを使うとラボに戻ることができるのだが、エンディングを見る前に使うとフリーズするという致命的なバグが存在する。
--特定のエリアで復活するとBGMが消失する不具合や、本来流れるステージのBGMではなく過去ステージのBGMが流れる不具合がある。
--キャラクターの増殖も発生し、ひょうざんラボではコルテックスが2体に増殖したりする。
--ムービーが終わった後にクラッシュを動かすと、足を全く動かさない状態で滑るように移動するバグがある(一部ではセグウェイと称されるバグで、3Dゲームにおいて操作キャラを動かすゲームでしばしばみられる現象である)。

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**賛否両論点
-BGMが全編を通してボイスパーカッション入りのコミカルなアカペラ調。4までの音楽と比べても明らかに浮いており、人によってはコレジャナイ感が漂う。
--ただスノボステージやラスボスのエビル・ツインズ戦等評価が高い曲も多いので好みの問題ともいえる。
--一部ステージは聞き覚えのあるクラシック音楽のアレンジとなっている。

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**評価点
-ゲーム性
--ステージの構成やアクションは新しいものが多い。
--総ステージ数は減ったもののその分一つ一つのボリュームはかなり増えている。
---各ステージは箱庭的な広さがあり、広大な世界を探索しているような気持ちになれる。ダイヤ収集もあって各ステージを探索する楽しみもある。
---大きな部屋内を上下左右に移動して攻略していくなど、従来では見られなかったステージもある。
--ステージの構成は大きく変わったものの殆どのステージが従来通りの一本道の奥スクロールであり、またアクションもスピン・ジャンプ・しゃがみ(とその派生アクション)とそのままでありゲーム性が大きく変化したというわけでもない。
--追いかけられるステージは従来よりも多く、本作では新しく下から迫ってくるものから上へ逃げるステージも登場する。
--途中から構成が大きく変わるステージも存在する。
---コルテックスを助けながら進むも原住民に囚われてしまい、救出のために原住民の村を目指す「ブンブンだいこうげき」と前半はクラッシュで進み、後半はコルテックスで進む「メチャクチャクラスルーム」の2つ。
--ステージの種類も地下洞窟、エヌ・ジンの戦艦内部、真夜中の学校とその地下に存在するボイラー室、サイバーパンク調のラストステージなど旧作にはなかったものが多い。
--コルテックスと手を組むというシナリオのおかげで、タッグアクションやコンボアクション、コルテックスやニーナの操作という新しい要素が加わった。
---「爆弾箱を作動させ木を倒し橋を架ける」「倒した時に吹っ飛ぶかその場で消えるだけだった敵にもやられ様が用意されている」等ギミックやアクションの幅も広がっている。

-コルテックスが仲間になったことで深い掘り下げが行われた。
--元々「憎めない悪役」としてファンも多かったが、生い立ちや彼なりの悪の美学、実は弱虫だが自分の命よりニーナを大事に思っているような人物像のおかげで更に愛着の沸くキャラとなった。
--仕様上『[[カーニバル>クラッシュ・バンディクー カーニバル]]』では近接攻撃だった光線銃も遠距離攻撃になり、コルテックスファンにとっては嬉しい要素が満載。
--コルテックスもクラッシュ同様のやられモーションを持つ。爆死すると入れ歯が残り、カタカタ動く。
--飛ばせないムービーも質が悪い訳では無く、「手伝ってくれたらパワーストーンをあげる」というキャラに問答無用で光線銃を撃ち、「これはゲームじゃない」と言いながらパワーストーンを奪うというなんともシュールなムービーもあり、キャラの個性がしっかりと出ている。

-過去作の小ネタが豊富
--前作において一部のボスキャラが''ステージ中のギミック扱い''だった事への批判を受けて、本作では従来通りコルテックスの手下がボスとして登場する。
---また顔見せ程度になってしまっているが序盤のコルテックス戦前のムービーでは歴代の洗脳動物軍団がほぼ勢ぞろいしている。この中には久しぶりの登場となるキャラクターもいる。
--『3』で初登場したクラッシュ達の住居が『[[1>クラッシュ・バンディクー]]』のジャングルの島にある事が明確に示され、地理等も考察の余地が広がりファンには嬉しい。
---原住民、スカンク、人食い花等の雑魚敵のデザインも『1』を踏襲しており原住民の村には、かつてパプパプと戦った部屋も存在する。
--『2』でコルテックスがクラッシュとの戦闘で洞窟に落ちた末パワークリスタル(ストーン)を拾う展開や『3』でウカウカが復活する際「自由だ!!」と雄叫びを上げるシーン等もオマージュされている。
--シリーズにおけるクラッシュとコルテックスの因縁の始まりとも言える『1』においてコルテックスが配下の動物軍団を組織する際に用いた進化光線「エヴォルヴォレイ」のルーツも回収されており、ストーリーの根幹に関わっている。

-前作からの改善点
--操作時のもっさり感が無くなっている。
---『4』はスライディング後に硬直があったが、今作はスライディング中にジャンプで幅跳びが可能になった。この際、スピードは落ちないためシリーズ屈指のスピードが出せる。
--プレイアブルキャラも3人になり、それぞれで個性的なアクションがそろっている。

-グラフィックの良さ
--PS2発売から時間が経ったことによる開発技術の成熟からか、前作から更に画質や表現力が向上。
--自然み溢れるマップでは鳥が飛んでいるなど、演出面もパワーアップした。
---テクスチャなどもしっかりしており、『4』ほどで洋ゲー感も無い。
--PS2の性能的に遠景が見える場所などでは処理落ちする場面もあるが、難しい操作を要求される場面などではほとんど処理落ちしない。カメラ固定の擬似横スクロールのような場面では、PS1と変わらない快適さがある。

-設定資料がゲーム内で閲覧できる。
--今でこそクリア特典などで設定画が解放されるゲームは珍しくはないが、PS2にしてはそれなりの量が収録されている

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**総評
シリーズ復活のきっかけとして作られた本作は大きく路線変更を施したものになった。コルテックスとのアクションなど新しい要素や過去作の小ネタといったファンサービスなど評価できるポイントは多い。~
最大の特徴である箱庭オープンワールドは元々3Dグラフィックのアクションゲームだったこともあり好意的な意見も存在する。しかしその弊害によるシステムの変化、アクアクの弱体化をはじめとする難易度の上昇ややりこみ要素の減少といった手軽ながらもやりごたえのあるゲーム性が失われてしまった。~
ゲームとしての完成度は低くなく、目新しい要素も多いもののそれらが本作で失われた従来の良さを補えるほどのものではなく細かい粗や練りこみ不足も目立つ。結果的に従来のファンを裏切った形となってしまい黒歴史扱いを受けることになった。~

余談にある通り海外のファンの間では評価は高く、また国内でも旧クラッシュ最後のアクションゲームだったこともあってオールスター的作品として評価する声もある。もう少し完成度が高ければより多くのクラッシュファンから受け入れられる作品となっていた可能性はあったと思われる惜しい作品だろう。

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**余談
-ゲーマガの編集者コラムでも''黒歴史''として紹介されていた。

-海外版について
--原題は『Crash Twinsanity』で、「Twin(双子)」と「Insanity(狂気)」をかけたもの。
--海外版のみXb版も発売された。
--海外では『旧4』以降の作品の中では高評価の部類だったりする。

-携帯アプリ版も出ており、一時期日本でも配信されたが、ステージは横スクロールのみの計6ステージとこちらも残念な出来。

-エリア飛ばしの裏技が妙に多い。
--判定の低い壁や柵が多く、コルテックスを踏み台にしたりダブルジャンプやボディプレスを駆使して凸凹面をよじ登ってりすることによって、裏世界を経由した大幅なショートカットやエリア1つを丸々飛ばしたり出来る。
---飛ばしたからと言ってストーリーが進まなくなることは無い。これらを利用したRTA等も盛んではある。%%ちゃんとデバッグを行ったのか疑いたくなる%%。
---これにより、上記で挙げた「なんちゃってオープンワールド」がまるで本当のオープンワールドのようになると言えなくもないが、もちろん本来の仕様の想定外である。
--そこから派生して、本来とは別のキャラでステージに挑むことも可能。コルテックス戦にコルテックスを連れていくことも可能。
--これを応用すればコルテックスが使っているエアボードにも乗ることができる。
---没ネタの資料にはこれに乗って攻略するステージのコンセプトイラストが掲載されており、それの残骸と思われる。

-2019年までは日本で発売された最後のナンバリングタイトルである。
--EDでは「次回作をお楽しみに」と書かれているが、据置機における次作『[[がっちゃんこワールド>クラッシュ・バンディクー がっちゃんこワールド]]』はメインはレースゲームであり、その後海外のみで発売された「Crash of the Titans(2007年)」「Crash:Mind over Mutant(2008年)」はキャラデザインもゲーム性も過去作とはかけ離れ賛否両論。
--2020年にようやく日本では次回作と言える『[[クラッシュ・バンディクー4 とんでもマルチバース]]』が発売。海外では『2』以来ひさしぶりにナンバリングが付けられたのだが、日本語版ではタイトルの整合性が取れなくなり、ややこしいことになってしまった。

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