「スパルタンX」の編集履歴(バックアップ)一覧に戻る
スパルタンX」を以下のとおり復元します。
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*スパルタンX
【すぱるたんえっくす】
|ジャンル|アクション|~|
|対応機種|アーケード|~|
|発売・開発元|アイレム|~|
|発売日|1984年|~|
|判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|

**概要
ジャッキー・チェン主演のカンフー映画「スパルタンX」を題材としたアクションゲーム。~
しかし共通点はタイトルとキャラクターの名前ぐらいで、映画とはほぼ関係ない内容になっている。

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**特徴
「主人公のトーマスが恋人のシルビアを謎の男ミスターXの手から取り戻すため5階建ての塔を登る」というストーリー。~
雑魚敵をなぎ倒しつつ先に進み、各階を守るボスを倒して階段を昇るとステージクリア。最上階にはミスターXが待ち受けており、彼を倒すとシルビアを救出して1周クリア。

-操作は格闘ゲーム風になっており、2つある各ボタンでパンチ、キックを出せる。レバー上でジャンプし、下でしゃがむ。パンチはリーチが短い代わりに雑魚敵撃破時にキックの倍の得点が得られる。キックはその逆。
--ジャンプ中およびしゃがみ中でも技は出せる。当然ながら使いこなせなければ先へは進めない。
---AC版はある程度歩いてから斜め上を入力しないと、斜めジャンプが出ない仕様になっている。
--道中には様々な敵やトラップが待ち受けている。奇数階は左スクロールで、偶数階は右スクロールになっている。
--2周目以降は一度に出現する雑魚敵の数が増え、動きも速くなって難易度が上昇する。
#region(敵一覧)

''ザコ敵
''~
-つかみ男
--トーマスに向かって一直線に突進し、組みかかって体力を奪う。組み付かれたらレバガチャで振り払える。
-ナイフ投げ
--トーマスと距離を置くように動き、ナイフを投げて攻撃してくる。攻撃を二回当てないと倒せず、後半になるとナイフのスピードや威力が上がり、さらに2人組で挟み打ちを仕掛けてくる難敵。
-トムトム
--つかみ男と同様の動きだが、稀にトーマスの技の射程外からジャンプアタックを仕掛けてくる。ただし、このジャンプアタックは立つかジャンプするとノーダメージで迎撃が可能。また、背が低いためにしゃがんで攻撃しないと倒せない。
-2階のトラップ
--落下後に毒蛇が出てくる「蛇壺」、同じく落下後に龍が出てきて火を吹く「龍の球」、宙にしばらく浮いた後炸裂する「くす玉」の3つ。いずれも特定のタイミングで攻撃を加えれば発動を阻止可能、かつ得点が入る。
-毒蛾
--4階に出現する。突進攻撃を仕掛けてくるが、フワフワ浮いているため攻撃を当てづらい。

''ボス敵''~
-棒術使い
--1階のボス。手にした棒で撃ちかかってくるためリーチが長いが、懐が無防備。
-ブーメラン使い
--2階のボス。ブーメランを最大2つまで投げてくる。やはり懐は無防備なので、いかにブーメランをかい潜りつつ近づくかがカギ。
-怪力男
--3階のボス。動きは非常に鈍いが、その代わり攻撃力が凄まじく高く、一撃で体力半分~8割近く持っていかれる。
-妖術使い
--4階のボス。火の弾を投げて攻撃してくる。他にも「頭を攻撃すると首が取れる(ただしノーダメージ。少し経つと復活)」、「分身して挟み打ちを仕掛けてくる」など多彩な技を持つ。しゃがみパンチ以外は効かないので注意。
-ミスターX
--最上階のボス。トーマスと同様にパンチとキックで攻撃するが、トーマスの攻撃を受け流す性能が非常に高い強敵。
#endregion
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**評価点
-とにかく雑魚敵をなぎ倒すのが気持ちいい。
--雑魚敵は一度に多く襲いかかる代わりに一撃で倒せるためとにかくテンポがよく、爽快感もバツグン。敵キャラクターも個性豊かで、各ステージでそれぞれボスが異なるというのも当時ではまだ珍しかった。

-コミカルな演出。
--主人公のトーマスを含めた全てのキャラクターは倒されると、専用の仰け反りポーズを取って落下する。トーマスがやられたり、各階のボスを倒すと「ボゥーン~」という音とともに落下するなど、そのポーズが妙に味がある。

-BGMは曲数こそ少ないがカンフーらしい雰囲気で、口ずさみたくなる独特の中毒性を持っている。

-当時としては珍しい豊富な合成音声。
--トーマスは攻撃する度に「ホッ」「アチョー」「オリャー」と叫び、さらにボスキャラクターに倒されると「ウワッハッハッハ」と笑われるなど非常に印象的で、声真似をするユーザーも多かった。

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**問題点
-最初は簡単だが、1周目の4面以降からかなり難しくなる。
--敵が段々と早くトリッキーな動きをするようになって強化されるのに対し、主人公の性能は全く変化しないため。その上に時間制限もあるのでゆっくりしてはいられない。

-内容が映画の『スパルタンX』と全く関係ない。
--主人公がトーマス、ヒロインがシルビアという以外は全く設定が一致していないし、ストーリーの内容も全く違う。各階の敵を倒して最上階を目指すという内容はどちらかというとブルース・リーの『死亡遊戯』である。しかしイラストはどう見てもジャッキー。
--これはAC版製作時に、映画の内容を把握せずに先行してゲームを作ったため。また、香港映画は脚本をきっちり作らずアドリブで内容を変えていくため、初期設定とかけはなれた可能性も指摘される。

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**総評
シンプルな内容ながら、パンチのみクリア、ノーダメージクリアやハイスコアチャレンジなどのやりこみ要素も適度に含まれており、それなりの熱中度で楽しめる良作である。

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*ファミコン版
|ジャンル|アクション|#image(suparutanX.jpg,width=200)|
|対応機種|ファミリーコンピュータ|~|
|メディア|320KbitROMカートリッジ|~|
|発売・開発元|任天堂|~|
|発売日|1985年6月21日|~|
|定価|4,900円(税抜)|~|
|判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|

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**概要(FC)
オリジナルはアイレムがリリースしたアーケードゲームであったが、諸般の事情によりFC版は任天堂が開発・販売を担当した。~
業務用基板とFCではハード性能が違いすぎるためグラフィック面などでは劣化しているが、そこは操作性の改善などのアレンジが効いている。

**評価点(FC)
-操作感がAC版より軽くなり、斜めジャンプが助走なしで出せるようになるなどAC版よりも軽快になった。

-『[[スーパーマリオブラザーズ]]』の各種BGMで知られる近藤浩治氏がBGMアレンジを担当。FCながらAC版に忠実なアレンジに仕上がり、合成音声も再現。
--ヒット音が軽快な上にアクションに応じてアチョーといった声を発するので連続して敵を倒す爽快感はかなりのもの。
---当時のFCソフトとしては合成音声の種類や使用頻度が圧倒的に多くゲームの爽快感につながっている。ボスの笑い声等、思わずマネしたくなるような中毒性も秘めている。
--しかもAC版はボスの笑い声が全て一緒だったが、3面ボスは他のキャラクターよりも低いトーンに、4面ボスは他のキャラクターよりも高いトーンになるなどより個性豊かになっている。

-12の倍数でつかみ男をジャンプキックで倒すと5000点が入るなどFC版独自の要素もある。

-最終ボスのミスターXはAC版ではパターンを掴まないと厄介な強敵だったが、FC版はしゃがみキック連打で簡単に勝てるようになり弱体化した。
//なぜラスボスをハメられるのが評価点なのか理由がわからん

**総評(FC)
当時のFCブームも手伝って、売り上げは約142万本という大ヒットを記録。本家であるAC版を上回る人気と知名度を獲得したといっても過言ではないだろう。~
版権作品という事もあり、バーチャルコンソールでの配信が難しいであろうことが惜しまれる

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**余談
-漫画『ファミコンロッキー』にて、「24周するとシルビアが襲い掛かってくる((実際に「救出対象が襲い掛かってくる」という要素を搭載しているゲームにPC版『カラテカ』が挙げられる。))」というイベントが掲載され広まったことでも有名。実際にはこれはデマなのだが、24周クリアは非常に難しいため当時の子供たちはなかなか達成できず、気づかない者も多かった。
--なお24周である理由は「X」がアルファベットの24番目なため。

-MSXでも1985年にアスキーから発売されたが『聖拳アチョー』に改題されている。これはMSXでは既に『スパルタンX』の名を冠したゲームがポニーキャニオンから出ていたため((正式タイトルは『ジャッキー・チェンのスパルタンX』。実はこっちの方が原作に忠実。面白さは別として。))、権利関係の都合で変更されたため。

-本作は国外では『KUNG-FU』と改題されて発売されている。
--日本でもファミコン後期にこのタイトルで再販されたが、改題版はファミコン屈指のプレミアソフトとなっている。

-発売当初はCMは存在せず、およそ3ヵ月後にして[[スーパーマリオブラザーズ]]との同時CMを組まれている。

-当時のFCでは珍しかった笑い声による演出はプレイヤーにも印象的だったようで、例えば2000年出版の岩波ジュニア新書『将棋とチェスの話』でも「あのいやらしい嘲笑の侮辱にかっとなり、異様なファイトを燃やして怪老人(引用者註:1階ボスの棒術使い)成敗に挑んだ挑戦者も少なくないはずです。」などと言及されている。

-バラエティー番組『ウチのガヤがすみません!』(2017年 9月19日の放送)にて自作ゲームをリリースしている、お笑いコンビマヂカルラブリーの野田クリスタルにより佐藤健が主人公の本作にソックリなゲーム、『''タケルタンX''』が登場した。

-このゲームの開発に関わった現株式会社ディンプス社長である西山隆志氏曰く「この頃からストリートファイターの想いがあり、最後のボスとの一対一がストリートファイターの原型ですかね」とのこと。

**その他の移植版
-アーケード版の完全移植は1996年4月にPSとSSで発売した『[[アイレムアーケードクラシックス]]』に収録されている。
--PS版は2010年10月からゲームアーカイブスで配信されたが、版権物故か翌2011年8月に配信終了している。

**続編
-GBでも1990年に発売されているが(こちらはアイレム制作)、内容はさらに映画からかけ離れ「主人公トーマスを操作して謎の富豪ザップ・モーガンの野望を阻止する」というもの。ステージはすべて右スクロールで、前半のステージは屋外。敵の種類は増加しアイテムも追加され、ファミコン版とは全く別物のゲームとなっている。

-1991年にはアイレムからファミコンで『スパルタンX2』が発売されている。主人公は捜査官の「ジョニー・スパルタン」で、敵は麻薬シンジケートと、&bold(){もはや設定どころか主人公の名前すら映画とは全く関係ない}作品になっている。オリジナル作品に関する版権表記が一切なく、正式な続編であるかも怪しい。こちらもVCになるのは絶望的だろう。
--最終ステージ突入時の会話で別名を名乗っている前作の主人公と判明する。

-1988年に稼働したアイレムのアーケードゲーム『[[ビジランテ]]』は本作の操作体系やアクションをもとに作られている。

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