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ときめきメモリアル」を以下のとおり復元します。
*ときめきメモリアル
【ときめきめもりある】
|ジャンル|恋愛シミュレーション|CENTER:&amazon(B0000ZPSY8)&amazon(B00005QBKK)|
|対応機種|PCエンジン スーパーCD-ROM2&br()プレイステーション&br()スーパーファミコン&br()セガサターン&br()プレイステーション・ポータブル|~|
|発売・開発元|コナミ|~|
|発売日|【PCE】1994年5月27日&br()【PS】1995年10月13日&br()【SFC】1996年2月7日&br【SS】1996年7月19日&br()【PSP】2006年3月9日|~|
|定価|【PCE】8,800円(税抜)&br()【PS/SS・DX版】6,800円(税抜)&br【SFC】9,980円(税抜)&br()【SS・SP版】9,800円(税抜)&br()【PSP】4,980円(税抜)|~|
|書換|【SFC】ニンテンドウパワー&br()1997年9月30日/1,000円/F×8・B×4|~|
|判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|
|>|>|CENTER:''[[ときめきメモリアルシリーズ]]''|
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#center{※''画像はPCE/PS版です。また、本稿は主にその両方についての記述です。''}
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#contents(fromhere)
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**概要
恋愛シミュレーションのパイオニアであり、金字塔。ときめきメモリアルシリーズの第1作。~
ギャルゲーファンならずともその名を知る人は数多い、同ジャンルの代名詞的存在といえる。

もともと、アーケードの冷え込みによるSTGの不調や家庭用作品の質低下、不法コピーの横行で劣勢に追い込まれていた当時のコナミが、「PCEだったら売れなくても…」という諦めムードで作ったイロモノ的ゲームであった。~
当然低予算だったため、当時の水準でもグラフィックの質はそう高くなく、ファミ通クロスレビューでも低得点((ファミコン通信(当時)は異常なほどPCEを嫌悪しており、クロスレビューでも常に飛び抜けて低得点を付けていた。))。他メディアでも騒がれるほどの作品ではなかった。~
いくらPCエンジンとは言え、良質のアクションやシューティングで名を馳せていたコナミから突然ベタなギャルゲーが発売されたために「コナミご乱心」とまで評する人もいた。~
だが電撃PCエンジン(現・電撃G's magazine)の''「悪魔のゲーム」''とまで表現した程の強烈なプッシュ、当時勃興したパソコン通信での口コミ等からジワジワと売れ出したという経緯がある((当時のネットの狂いっぷりについて「超クソゲー」(大田出版)に、当事者からのドキュメントが載っている。))。

作り込みは凄まじく、当時としては異例のフルボイス収録など、その斬新さ、面白さはそれ以上のものだった。~
後続のギャルゲーの見本となり、また本作で初めてギャルゲーに触れたプレイヤーへ与えた影響は計り知れない。

//7776の27点でしたが、1994年基準では低いのでしょうか。
//[[ときメモ会議室>http://www.netcity.or.jp/OTAKU/univ/kyoshitsu/tokimemo/tokimemo.html]])。

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**ゲーム内容
***基本的な流れ
-主人公はきらめき高校の生徒として、憧れの幼馴染、藤崎詩織から卒業式の日に告白されることを目標に、3年間自己研鑽をしていく。基本的には、日曜日の夜にその週の予定を決め、休日は平日同様コマンドを実行したり電話をしたりして、また次の週へ……という繰り返しとなる。

-女の子の電話番号を知っていれば、休日に電話をかけ、デートの約束をすることができる。デートでは三択の選択肢が表示され、それによって女の子の好感度を上げていく。
--女の子の電話番号は友人の早乙女好雄から電話で聞き出すことができ、またその際好感度のチェックもできる。

-EDは、イベント消化率やデート回数、パラメータに関わらず、卒業式の時点でときめき度(好感度)が最高のヒロインに決まる。フラグなどは気にする必要はない。
--とはいえ、イベントを全て見たいならそれなりのプレイが必要となる。

-登場するヒロインには一人につき参照パラメータが設定されており、その値によって登場したり好感度に影響したりする。要するに、「女の子の好きなタイプに合わせる」ので、パラメータが攻略に深く関わってくる。そもそも、参照パラメータが一定値に達していないと、そのキャラのEDを迎えられない。
--また、後述の爆弾システムの特性上、ヒロインの登場を抑えることが重要になり得るので、登場条件を満たさないようなパラメータ調整も求められる。
---ただしメインヒロインの藤崎詩織は全パラメーターを要求する為、嫌でも他のヒロインが登場する。出現させない方法もあるにはあるが、ほぼ裏技の部類である((多くのヒロインは登場条件が「参照能力が一定以上の時に特定のコマンドを平日に(言い換えれば学校で)行った場合」なので、平日は常に「休息」や同じクラブのヒロイン以外は登場しない「部活」を選び、休日に能力を上げるようにすれば、ヒロイン11名(隠しキャラを除く)の内7名を登場させない事ができる(8名を登場させないことも出来るが、非常に面倒なプレイになる)。また3年目になれば(美樹原愛を除き)ヒロインは増えなくなるので完全に自由になる。))。
--その他、一部のデート選択肢は関連パラメータによってヒロインに与える印象が変わる。
---特に「容姿」(身だしなみ)は一定以上無いと((ただし、そんなに高い数値ではない。))デートで顔をあわせた瞬間に顔を顰められて帰られてしまう。

-ヒロイン候補は「藤崎詩織」「如月未緒」「紐緒結奈」「片桐彩子」「虹野沙希」「古式ゆかり」「清川望」「鏡魅羅」「朝日奈夕子」「美樹原愛」「早乙女優美」の11人((プレイヤーキャラは幼馴染の「詩織」と兄の好雄と区別する必要のある「優美ちゃん」以外は「苗字+さん」と呼ぶ。))。詩織と優美は強制的に登場する。それ以外のヒロインは特定の条件を満たすことで出会うことができる。他に特殊な条件で登場する隠しキャラの「館林見晴」がいる。
--所属部活候補が1つしかない、古式と清川は詩織と部活が被ると存在自体が消滅する((詩織の誕生日と血液型はプレイヤーが設定し、誕生日によって所属部活が決まる。))((SFC版では電脳部が存在しないため詩織が科学部に入ると紐緒さんが消滅する。))。逆に登場ヒロインを減らす為(爆弾防止の為)に態と消滅させるプレイヤーも居たが…。
--また、主人公のライバル的存在である「伊集院レイ」は典型的なキザでナルシシストキャラだが、ある条件を満たすと…?

***爆弾システム
-本作最大の特徴である。このシステムは、ヒロインの傷心度が高くなると好感度チェックの名前に爆弾が付き、さらに一定値まで上がると爆発。爆発した女の子ばかりかそれ以外の女の子全員の好感度が激減するというもの。一度爆発すると他キャラにも爆弾が付き、さらに爆発するとまた他キャラへと連鎖反応を起こす事もあり、攻略が困難になることもある。
--定期的にデートを申し込んでいれば爆弾の発生は遠のく。爆弾爆発を阻止するためのデートを特に''爆弾処理''と呼んだりする。
--爆弾が発生してなお放置されると、そのヒロインが怒りの形相で現れる警告イベントが発生するが、このイベントが発生する前に処理するくらいでなければ爆発を防げない。
--ヒロインに対し冷たい態度を取れば当然相手は傷つくが、別のヒロインと仲良くしても傷つく。残念ながら誰も傷つけず本命まっしぐら、は不可能である((理論上、知り合っているヒロインが1名だけなら問題ないはずだが、詩織と優美は強制的に知り合ってしまうので実際は不可能。))。
--その為、如何にヒロインの登場を抑えるか、ヒロインに爆弾を付かせずにプレイするか、という戦略が重要である。
--ちなみに隠しキャラは爆弾の影響を受けない。と言うか爆弾自体が存在しない。
--PS版とPS版ベースの移植であるWindows版のみ、「ラスト2ヶ月は爆弾が発生しても爆発しない」という一種の難易度緩和措置が取られている。これを逆手に取り、最後の追い込みとして本命以外の子とのデートをすっぽかしまくるという外道なプレイも可能。他のプラットフォームではこの仕様はないので注意。&br()またPS版以降は爆弾発生から警告までの時間が短くなり、結果として警告から爆発までに若干余裕が出来た。
--爆弾発生の速さはヒロインによって異なり、[(速い)鏡>優美>紐緒>清川>如月>美樹原>朝日奈>詩織>片桐>虹野>古式(遅い)]の順となっている。活発で感情起伏の激しめなヒロインほど速めに、おっとりのんびりとしたヒロインほど遅めに設定されている傾向があるが、中には性格とのギャップがあるヒロインも存在して、このあたりは中々興味深く面白い。
---なお、爆弾の条件には性格以外に「そのヒロインがどれだけ主人公が好きか?」も絡むので、最初からこれの高い(そして上がりやすい)美樹原などは性格補正が中庸付近でも爆弾が発生しやすい。

***その他
-所々でイベントが発生するだけで実質ストーリーは皆無に近いが、その分自由度が高く、様々な縛りプレイも可能。また、それにより「プレイする毎に違う高校生活」という効果も生み出している。

-電脳部の文化祭の出品物として遊べるミニゲームに『フォースギア』というオリジナルの横STGが収録。このクオリティが異常に高く、アーケードで名を馳せたコナミの技術を窺うことができる。あくまでミニゲームの為1ステージしかないが。
--別の年には『ツインビーりたーんず』というそのまんまなゲームが遊べる。原作では英語で男性の声で入っていたボイスが日本語で詩織の声になっている。「''遂にスパイス大王よ!''」
---2020年に発売されたPCエンジン miniではこのミニゲームSTG2本を最初から単独でプレイ可能となっている。((本作が収録されていない海外版でも代わりに収録されている『沙羅曼蛇』からプレイ可能。))

-メインヒロインの藤崎詩織は一見受けの良さそうな「幼馴染み」であるが、主人公の能力値によって接する態度を大きく変えるために非難されることがある。
--「''一緒に帰って友達に噂とかされると恥ずかしいし……''」の迷言((前述のゲームシステム的に考えると、爆弾システムの説明(なぜ特定の女の子にばかりかまうとまずいのか?)になっている可能性もあり。))はあまりにも有名([[参考動画>http://dic.nicovideo.jp/v/sm278835]])。ちなみに家は隣同士である。別に嫌われていなくてもこんな言葉で下校の誘いをかわされる。
&br()だが、こっちの能力が上がってくればむしろ詩織からついてくる。別に詩織に限ったことでもないのだが、顔合わせの機会が多いため態度の違いがいやでも目立つ。
---なお爆弾連爆などの事故か、デートの約束をわざとブッチしまくるくらいやらないと、参考動画レベルで嫌われるのは難しい。
--それでも人気投票で常に上位なのは、やはりメインヒロインゆえの為せる業か((ただし、シリーズ作品では『3』や『4』のようにメインヒロインの人気が低かったり他のヒロインに喰われたりして立場がなくなっているものもあるが。もっとも、『3』『4』のヒロインは「影が薄い」のが問題だったのに対し、詩織は(たとえ悪女扱いが理由だろうと)「濃いキャラ」と言う違いがある。))。
---ちなみに1,2位は「頑張っている人を応援するのが好きな」虹野沙希と「主人公に一途な恋をしている」館林見晴で争っていた。3位を詩織と「ちょっと変人だけど気さくな芸術家」片桐彩子が争っており、3本の『[[ときめきメモリアルドラマシリーズ]]』では1巻が沙希、2巻が彩子、3巻は見晴と詩織がメインヒロインに選ばれている。

-セガサターン版には「卒業の日に主人公から女の子に告白する」という他機種版にない独自要素がある。
--もっとも「女の子から告白される」のを目的にしないとゲーム性が変わってしまうが((特に好感度を抜かれやすい詩織。))。
--登場済のヒロインなら誰でも告白できるが、好感度が低い相手にあえて告白したときの反応はどれもヒドイものばかりなので、ある意味必見。詩織ならば「[[あなたとは幼馴染みってだけでも嫌なのに……>http://dic.nicovideo.jp/v/sm272173]]」と言ってくる。
--詩織を演じた金月真美氏もかなり印象に残ったようで、2019年に発売25周年企画として行われた対談記事では、自分が演じて好きだったセリフとして、よりによってこのセリフを挙げている(「[[一緒に帰って友達に噂とかされると恥ずかしいし……>https://www.famitsu.com/news/201908/15180990.html]]」も挙げている。
---念のため補足するが、別にキツイのは詩織限定ではなく、反応も好感度によって複数パターン存在し、普通にプレイすればたとえ駄目でももう少しやんわりと断られるので誤解無きよう。
--告白に成功しても「男から告白したのでは伝説の木の加護が無いから心配」(要約)と主人公に言われてしまう。エンディングの曲と演出も違う物になる。
---ただし、「逆告白するヒロイン=机の中に手紙を入れたヒロイン」であった場合は、探し回る途中で「もしやさっきの手紙…」と発し、従来の「伝説の木の下での告白」に切り換わる。

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**評価点
-いわゆるギャルゲーブームを引き起こした、恋愛シミュレーションの原点にして傑作。
--個性豊かな女の子との関係を作っていったり、パラメータを上げて学校生活を楽しむと言うゲームを確固たる一ジャンルに築いた点だけでも評価に値する。

-全キャラフルボイス。CD-ROM中心の後期PCEソフトはボイス有りのものは多いが、フルボイスは珍しい。
--ただし、前述のように低予算ゆえ((コナミ側の話では「イメージの付いていない人を選んだ」としている。))新人や当時はあまり売れていなかった声優を起用。演技レベルは高くない。
---移植の度に新録している為、都度演技が上達しており「昔のぎこちない方が良かった」と言う声もある。
---声優に対する追っ駆けまで現れ、実態を理解していない報道機関が「人気声優を集めて大ヒット」と報道した事がある。正しくは「ときメモの大ヒットで人気声優になった」である。
---ちなみに、モブキャラである男子生徒や不良などのボイスは主にスタッフが担当しており、いずれも凄まじい棒読みである。

//ボイス周りがしっかりしているのは評価点に値すると考え、こちらに移行しました。

-バラエティ豊かなBGM。
--本作のBGMは登場人物一人ひとりのテーマ曲に加え、季節、デートスポット、行事やイベントといった場面にそれぞれ専用のBGMが用意されている。演奏時間は30秒から1分程度でループする曲がほとんどであるが、ゲームのテンポに合った長さであり、短いと感じることはないだろう。

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**賛否両論点
-恋愛SLGというシステムは多くのユーザーには「新しいもの」として受け入れられたが、“能力値で恋愛をする”というシステムに「打算的」という声や、育成ゲームに付きまとう冗長さに対する批判もあった。
--もっとも、後に主流となるADVも「プレイヤーの実力を反映しにくくゲームとしての遊び応えがない」((選択肢が多く、ルートを模索することを楽しみに据えたゲームも勿論あるが。))という批判があるため、この辺りは個人の価値観に左右されやすい。

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**問題点
-発売当初から突っ込まれていたことだが、グラフィックの出来がギャルゲーなのにあまり良くない。特にキャラクターに顕著。
--94年当時でも古臭さを感じさせるキャラグラフィック。一枚絵はそこそこ綺麗なのだが、彩色も人によってはどぎつい印象を受けるかも知れない。キャラデザインを手がけた小倉雅史氏は決して下手というわけではないのだが…((元々は背景画などの担当だったらしく『ときめきメモリアル プライベートコレクション』にて人物画をほとんど描いたことがなかったと答えている。))。いずれにせよ、人によって好みの分かれるグラフィックと言えそうである。
--後のPS版もグラフィックに関してはほぼ同クオリティ((OPムービーを高解像度で見る裏技があるのだが、そのクオリティでやってくれれば…。))。改善はSS版を待たねばならず、[[総入れ替えがおこなわれたのは96年のSFC版である。>https://img.atwikiimg.com/www26.atwiki.jp/gcmatome/attach/3813/1957/PS_SFC_hikaku.jpg]]
---続編の『[[ときめきメモリアル2]]』ではキャラデザインを一新。大いに歓迎されたが、一部の初代ファンの不興を買い、未だに『2』を認めないというファンも存在する。

-自由度が高いのはいいが、それゆえ最初は迷いやすく、適当にパラメータを上げて手のつけられない状態に陥ることが多い。
--プロローグでは主人公が「詩織を攻略するのが目的」という趣旨の発言をしており、最初から詩織の電話番号を知っているが、むしろメインヒロインの詩織は''「ラスボス」''と言われるほど難易度が高い。最終目標としては間違ってないかもしれないが…
--しかも当初売れるとは思われていなかった為、攻略本はPS移植を待たなければならなかった。

//((「都合の良い女」が多すぎて「ご都合主義」だと批判されたり。))
//↑シナリオ構成やキャラクター造形の問題であって、ジャンル自体の問題ではない。

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**総評
非パソコンユーザーには無縁だった「恋愛シミュレーション」という新しいジャンルを紹介、なお且つ確立した。さらに、本作自体も高いゲーム性を持った良質な作品であることから、本作をギャルゲー最高傑作に推す声も少なくない。~

PCゲームで好評を博していた『同級生』や『プリンセスメーカー』『[[卒業 ~Graduation~]]』から、前者からは恋愛要素、後者2作からは育成要素についての影響を色濃く受けている。故に本作の独自性はゲーム業界全体として見れば低い((あの模倣などに異様に厳しいコナミが、後に乱発された類似作に対して訴えていない点からも、自覚している模様。))。~
だが、本作が画期的だった所は、それらを一つにそつなくまとめ上げたという点と、PCエロゲ・ギャルゲーのヒット作を家庭用機に持ち込んだ点(余談にて記述)にある。~
自分で自分のパラメータを上げ、女の子から告白''される''ように努力するというシステムは当時としては画期的であり、また当シリーズが後続のギャルゲーとも一線を画すものとなった理由でもある。

ギャルゲーファンのみならず是非とも触って頂きたい作品であるが、今ならゲームアーカイブスで続編ともども配信中である。~
また、家庭用ならば特に理由がない限りセガサターン版が良い。インターフェースの強化や追加要素など、まさに完全版と呼ぶに相応しい内容となっている。

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**移植版
PCエンジン版が出た翌年、PSへの移植『''ときめきメモリアル ~Forever with you~''』が発売された。

-オリジナルの評価が高く、さらに前評判と相まって、ギャルゲー史上稀に見る大ヒットを記録する(その記録は未だに破られていない)。~
そのヒットから、このPS版は後の移植やリメイク、ひいてはシリーズの礎となった。単純に『ときメモ』というと、PS版以降を指すことが多い。

-PS/SSの他、SFC/Wind95/98/AC/GBC/携帯アプリ/PSP(UMD・ゲームアーカイブス)と数多くの機種に移植されている。
--SFC版は立ち絵が描き直されているほか、映画とコンサートの演目及び一部テキストがPCEと同一である。また入学式は新規のデモが使われているが、エンディングのグラフィックはPCエンジン版準拠となっている。
--GBC版『ときめきメモリアルPOCKET』は、当時流行りの[[ポケットモンスターシリーズ]]の如く、『カルチャー編 〜木漏れ日のメロディ〜』と『スポーツ編 〜校庭のフォトグラフ〜』の2バージョンに分割。カルチャー編には文化系クラブとその関連ヒロイン、スポーツ編には運動系クラブとその関連ヒロインが登場し、部活動もそれぞれ限定されるが、代わりに新たなヒロインや藤崎詩織に関するイベントが追加されている。
---両作共通で登場:藤崎詩織・館林見晴・伊集院レイ・早乙女好雄~
カルチャー編のみ登場:如月未緒・紐緒結奈・片桐彩子・鏡魅羅・朝日奈夕子・早乙女優美・''和泉恭子''~
スポーツ編のみ登場:虹野沙希・古式ゆかり・清川望・美樹原愛・''宗像尚美''・''パトリシア・マクグラス''
---また、おまけとして発売を控えた『[[beatmania GB]]』をモチーフにしたミニゲームが入っており、同作から収録の2曲+文化祭イベント限定の1曲を遊ぶことができる。BGAもときメモキャラ。
--PSP(UMD)版はほとんどPS版のベタ移植で、追加要素は皆無に等しい。中古でも価格が高めで、おとなしくゲームアーカイブス版を購入した方が安上がりである。
---ただし、『[[ときめきメモリアル4]]』でとあるアイテムを入手したい場合はUMD版のセーブデータが必要になる。
//---ちなみに、ファミ通のクロスレビューは32点。音源の強化、難易度緩和措置、インターフェイスの向上こそ図られたものの根本のゲームシステムは変わっていない。にもかかわらず殿堂入りしたあたりファミ通の手のひら返しと言わざるを得ない。
//--もっとも当時(PCE版ヒット前)の風潮ではギャルゲーと言うだけで低く見られていた為ファミ通に限った話ではない。多数のコナミファンも「あのコナミが」と(悪い意味で)言っていたのだから((『ワンダーモモ』発売時のナムコにも似た様な話があった。))。つまり電撃PCEに先見の明があったと言う方が正しいだろう((CD-ROM2によりキャラゲーが多かったPCEの専門誌と言う点もあったろうが。))。なお電撃PCEの後継誌である電撃Gsは完全に(コンシューマー用の)ギャルゲー専門誌である。

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**その他
-PS版の大ヒットをきっかけにゲーム市場は俄かにギャルゲーブームに沸き、さまざまな影響の下で多くの作品が生まれる。こうして、PCゲームの一ジャンルに過ぎなかったギャルゲーは、広く認知されていった。『[[サクラ大戦シリーズ]]』等と共に当時のギャルゲーを代表する作品とされている。
--本作のヒットで、育成シミュレーション型のギャルゲーが濫造されることとなった。これらの形態のゲームは、ブーム終息後シナリオ型のギャルゲー(主にアダルトゲームからの移植)に取って代わられる事になる。
--ブーム中には''藤崎詩織バーチャルアイドル計画''、''ギャルゲー初の実写映画化''等の企画が次々と打ち出され、ゲーム原作のメディアミックス展開としては、当時最大規模を誇っていた。
--詩織バーチャルアイドル化計画のデビューシングル「教えてMr.Sky」は作曲に財津和夫、作詞に森雪之丞、B面は尾崎亜美が手がけるなど、凄まじいバックアップで為された。結果収録されたアルバムは''ゲームのキャラソンで初めてオリコン10位以内に入る(最高9位)快挙を遂げている。''
--1997年公開の実写映画は「藤崎詩織という名前の女の子」が出るだけのゲームとは全く関係ない作品になってしまった。出来も芳しくない。後に「ちゅらさん」などで知られる脚本家・岡田惠和がシナリオを担当していたり、広瀬香美が音楽を担当していたりと、スタッフは恵まれていたのだが…。
---また、当時全く無名だった''吹石一恵が詩織役でデビューを果たした''のは、案外知られていない。

-スピンオフのアドベンチャーゲーム『[[ときめきメモリアルドラマシリーズ]]』を''小島組(現・小島プロダクション)が製作''している。

-同社パズルゲーム『対戦ぱずるだま』及び『対戦とっかえだま』のキャラをときメモキャラに変えたスピンオフ作も登場。本編でもラスボスと揄揶されていた詩織が、詩織以外のキャラでプレイした場合、本当の意味でラスボスとして登場する。

-『実況パワフルプロ野球』のサクセスモード導入当時のコンセプトが「野球版『ときメモ』」だったり、『[[みつめてナイト]]』など、同社の他ゲームにも影響を与えている。
--[[パワプロクンポケットシリーズ]]は、完全にギャルゲー扱いされている。
--その後も同社がACでリリースした3D格闘ゲーム『FIGHTING武術(ウーシュ) 2nd』では、あるキャラクターにきらめき高校の制服が導入された他、『[[ラブプラス]]』などにも小ネタとして登場したりする。

-アーケードには『[[ときめきメモリアル ~おしえてYour heart~]]』が登場。プレイヤーのときめき度を測る為の脈拍センサーを搭載しデート中の1シーンを実際にプリントしてくれる。後にWindowsにも移植された。

**余談
-限定版と通常版に分けて発売するいわゆる「限定版商法」や、ファン向けのCDなどのグッズを大量に売り出す「キャラクターグッズ商法」で、全体的に割高で、ファン以外にはハードルの高いものになってしまった。
--限定版商法自体は昔から存在したが、本作のPS版が(悪い意味で)画期的だったのは「通常版限定特典(限定版には封入されていない特典)」を創った事であろう。
---PS限定版は売り切れ後にプレミア価格で取引されるといった事も見られた。

-実は初期開発段階では、複数のヒロイン候補からプレイヤーが選んで攻略するのではなく、純粋に藤崎詩織だけを攻略する作品で他のヒロインはお邪魔キャラだった((スタッフも、詩織以外はお邪魔キャラと呼んでいたと発言している。))。参考にされた『同級生』が「50人いたヒロインを減らし、ストーリー性をつけた」のと対照的である。
--実際に詩織の攻略時には大抵のキャラが攻略のお邪魔キャラとなってしまう。

-総評の「PCエロゲ・ギャルゲーのヒット作を家庭用機に持ち込んだ点」について
--今でこそパソコンからのエロゲやギャルゲーのコンシューマへの移植が盛んだが、当時は一般ゲーム以外の移植はほぼ全く無く、大きな壁があった。情報的にもそれぞれの専門誌はあったが、インターネットも総合的な情報誌もなかったため隔絶していた。よって本ゲームは、コンシューマ機だけ持っている人や当時18歳以下の人には革新だったが、パソコン・コンシューマ両方を持っていたユーザーから見れば斬新ではない。

-1994年(PS版は1995年)が舞台にしては、異常に時代遅れな(おおよそ1980年代的な)設定、ファッションセンス、言葉遣い、アイドル歌謡チックなOP・EDは、よく批判やネタにされる。
--スタッフによると、これは80年代に高校時代を過ごした(当時20代の)人をメインターゲットとしている為。あくまで青春時代を懐かしむ(やり直したいと思う)オッサン向けゲームであり、現役高校生がやるゲームでは無いとのこと。%%制服のスカート丈だけは2000年代だけど((1980年代以前は膝下、1990年代も膝下だが放課後に(駅のトイレとかで)スカートを折り込んで膝上にまで詰めるのがブーム、2000年代に入ると学校指定の時点で膝上な制服が増える。まぁエロゲーなら昔からマイクロミニスカ制服だし…。))。%%
--本作を中心とした当時のギャルゲーブームの作品はこの路線までも模倣されており、どこか時代錯誤的なものが多い。%%でもスカートは短い。%%
--舞台年は機種ごとに異なっており、『2』のスピンオフ作品では99年に入学した『2』キャラと同い年という設定になっている。ただ、後に『4』で『1』の年代設定がPCE版準拠とされてしまったため、いくつかの矛盾が生じている。

-その知名度の高さ、付随するネタ性から、ギャルゲーの中でもパロディにされることが多い。特に『こちら葛飾区亀有公園前派出所』に登場した『どきどきメモリアル』は、恐らく最も有名な本作のパロディだろう((『突撃パッパラ隊』でも同じく『どきどきメモリアル』と言う名のゲームが登場している。))。
--ちなみに、アニメ版『こち亀』の『どきメモ』メインヒロイン早乙女沙織((登場人物の「早乙女」優美と虹野「沙」希、藤崎詩「織」が元ネタ。))の声は、本作の館林見晴と同じだったりする。
ただしアニメの作画に関してはデザイナーから「元ネタには絶対に似せないでください」という注意書きがされている。
また、『2』で実装されるEVSを予言していたりと、中々に興味深い。

-PCE版が発売された同日にはPCEのライバルともいえるMDのキラーソフト『[[ソニック・ザ・ヘッジホッグ3]]』が出ていたため話題性を奪われてしまった。

-本作と同時期にPCEにおいて徳間書店から、本作と似たような恋愛シミュレーションである『初恋物語』が発売され、出来も決して悪くは無かったのだが、本作の出来があまりにも突出し過ぎていた為に、話題を完全に持っていかれてしまうという不運に遭ってしまった。当事の電撃PCエンジンのレビューにおいても「及第点だが、どうしてもときめきメモリアルと比較すると見劣りしてしまう」「発売時期が悪過ぎた」と同情的な評価がなされていた((『初恋物語』自体、元々がPC9801で「ときメモ」より1年早く1993年に発売されたゲームの移植という事もある。当時はPCを所持している層が少なく、また一部18禁な内容もあったがマイナーであった。))。

-本作にはRPG風に戦うバトルイベントがあり、以下のような相手がいる。主人公はパラメータがHP・攻撃力・防御力に反映される他、同じクラブの夏合宿に3年間参加するとクラブに応じて奥義を習得できる。帰宅部を3年続けていた場合も演出などはないがいつの間にか奥義を習得している。
--鹿・グレート、キラー・ヒグマ、ハブ・ロード((SFC版では不良パンダ、クロコダイル)):修学旅行で発生。行き先に応じて変わる。本作では自力で勝つことが出来ず、お助けキャラの力を借りて勝利する(絶対に負けないようになっている)。
--不良:同じデートスポットで3回連続でデートをした場合に登場する。条件が厳しいので知らずに登場することはほとんどない。登場してしまうとデートは不成立となり、下がるはずだった傷心度が下がらなくなってしまうという弊害もある。番長の前座としても登場するが、この場合は普通に遭遇する時より少し弱い。
--番長:不良を倒しているかクラブで奥義を習得している場合、3年目の9月にデートをすると登場。奥義を習得しているかどうかで強さが変化する。習得しているときの方が強い。
--他に特定キャラクターのイベントでのみ登場する相手もいる。

-ヒロインの一人、美樹原愛の色々な点での不遇ぶり。
--お邪魔キャラとして。彼女の登場条件は「ときめき度が一定以上になると特定のイベントの際に登場」というものなので、主人公が試験や体育祭などで活躍していると高確率で登場する。厄介なのが詩織攻略時で、他のヒロインが進め方を工夫すれば登場を抑制することが出来る中、彼女は詩織を攻略可能なほどパラメータを上げると必ずと言っていいほど登場してしまう。彼女自身が非常に攻略の容易なキャラということもあり、詩織狙いのプレイで彼女に告白されてしまい涙を飲んだプレイヤーも非常に多かった。
---詩織自身が親友の美樹原を主人公に紹介する((主人公・詩織・美樹原は全員同じ中学校のはずだが、なぜか主人公は出会った時点で美樹原に見覚えがない。中学時代の美樹原が相当地味な子だったのだろうか…))ため、美樹原自身を恨めないのもつらい。
--髪型について。''ある意味彼女をネタキャラにしている最大の要因である''。彼女の髪型はいわゆる「ぱっつん」「姫カット」と呼ばれる前髪が切り揃えられたスタイルなのだが、ゲーム中での質感がやけに硬質で異様にボリュームがあるため「ヘルメット」と形容されることになってしまった。
---帽子をかぶったグラフィックは髪が隠れるため可愛いと好評なのだが、その場合の姿は「ノーヘル」などと呼ばれることも。
---デザインを手掛けたこくら氏も、「原案では可愛くできたのですが、ドット絵では表現できなかったので個性的な前髪に」と書いている((2023年、美樹原愛誕生日祝い描き下ろしイラストにて。))。
--その他。上記の通り彼女の登場条件は少々特殊であり、最速でも一年目のクリスマスまで登場しない。そのため、後輩の優美を除けば唯一一年目に誕生日プレゼントを渡せないキャラになっている。
--彼女が飼っている犬の「ムク」も『[[ときめきメモリアル 対戦ぱずるだま>ときめきメモリアル 対戦ぱずるだまシリーズ]]』での狂犬ぶりから「ケルベロス」と呼ばれたり度々ネタにされる。

-ヒロインの制服立ち絵には、極一部のイベントでしか見られない「悲しみ」の表情差分が存在する。
--その条件は甲子園やインターハイで決勝敗退すること。応援にやって来たヒロインが、主人公を慰めたり、悲しみのあまり泣き出したりするという内容である。ゲームに慣れたプレイヤーなら容易に優勝させることができるので、一度も見たことがないという人も多いだろう。
--この表情は、『ときめきメモリアル プライベートコレクション』のギャラリーでも見ることができる。

-1996年に本作の改造セーブデータを入れたメモリーカードを販売していた業者がコナミに訴えられ、2001年にコナミに賠償金を支払う判決が確定した。その後、これ以降のシリーズではパラメーターを上げる裏技は実装されなくなった。(通称「ときメモ事件」)
--この事件以降、コナミは著作権遵守の姿勢を厳格に打ち出して二次創作に対して高圧的な態度で規制を振りかざすようになり、大きな批判を浴びるようになっていった。~
皮肉なことに、この姿勢が後年の『[[ときめきメモリアル ONLINE]]』において、スクリーンショット利用規約の厳格すぎる規定によるゲームの盛り上がりの沈静化を招き、その他の様々な問題も相まって、わずか1年4ヶ月足らずでのサービスの早期終了という顛末で、公式自らが墓穴を掘る格好となってしまった。
--この頃の業界の風潮としてCD-ROMの普及によるコピーの増加に伴い中古販売や個人的な譲渡も含め禁止するという中古取引をメーカーにとって不倶戴天の敵とみなしたといっても過言ではないレベルの過激な状態に陥っていた。コナミは主導するメーカーの一つではあるが、業界全体の動きでもあった面もある。
---そのためこの頃に販売された大半のソフトの裏面には「NO RESALEマーク」という中古販売を許さない、禁止するという強い姿勢を示したマークがよく見られた。過激なものだといかなる理由でも個人的な無償譲渡も禁止((例えば自分は使わなくなったから友人や家族にあげる、というこそすら許さないということである))する条項があるソフトまで見られた時代だった。

-1997年に本作の18禁同人誌アンソロジーがコナミに抗議されて絶版となった。また、1998年には本作の藤崎詩織をモチーフとした同人18禁OVAをコナミが訴え、ビデオ業者側が賠償金を支払う事件が起こっている((ただしこれは「OPムービーのラストシーンを作中で無断使用した」という理由が大きく、二次創作行為自体を訴えたわけではない。))。この影響でときメモ関連の同人誌が急速に姿を消し、人気に水を刺す結果になってしまった。
--ヒロインの清純なイメージを守るためという理由、そして版権ものの同人誌自体がグレーゾーンであることを考えれば企業としては当然の対応ではあるが、上述のときメモ事件の翌年でコナミが著作権に過剰なまでに固執しだすようになった時期でもあったため、対応に関して否定的意見も見られた。
--実際は以上のように二次創作そのもの狙い撃ちするものではなかったものの、この裁判が「コナミは二次創作、特に18禁作品は見つかり次第実力行使=訴訟に出てくる」というイメージを強く残してしまう結果となった((このことは軽い脱衣がある自社作のボンバーガールに詩織が出てくるさい、番外編的な漫画とはいえ公式でも軽くネタにされた程。))。このイメージは時が経つごとに薄れてきているし、実際は上記のようなことはないとはいえ作品が盛り上がってもその割に二次創作界隈が発展しない傾向があるなど、長く尾を引いている。

-ゲームラボ2014年3月号に特集が載っていたがPSP版がスルーされていたそうな。%%ベタ移植だから省いたのかもしれないが%%

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