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マッドワールド」を以下のとおり復元します。
*マッドワールド
【まっどわーるど】
|ジャンル|アクション|CENTER:&amazon(B002PK0KJO)|
|対応機種|Wii|~|
|発売元|スパイク(日本) / セガ(海外)|~|
|開発元|プラチナゲームズ|~|
|発売日|2010年2月10日|~|
|定価|7,140円(税込)|~|
|レーティング|BGCOLOR(crimson):''&font(#ffffff){CERO:Z(18才以上のみ対象)}''|~|
|~|アイコン:暴力|~|
|判定|BGCOLOR(MistyRose):''バカゲー''|~|
|ポイント|''国内Wiiソフトで唯一のCOLOR(red){CERO:Z}指定作品''&br()遠慮容赦一切なしのゴア表現&br()残虐アクションは爽快感抜群&br()一方でボリュームは不足気味|~|
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#contents(fromhere)
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**概要
ファミリー向けハードのイメージの強いWiiとしては異色のCOLOR(red){''CERO:Z''}(18歳以上のみ対象)指定作品。~
元はセガから海外向けに発売された作品であり、''残虐''すぎる表現の数々からとてもではないが国内での発売は困難だと言われていた。~
しかし、%%世界の変態企業%%スパイクが監修することで一部の設定変更はあるものの、ほぼ完全な形での国内販売が実現したのである。

ちなみに、Wiiの黒パッケージソフト第一号であり、''Wiiで唯一のCOLOR(red){CERO:Z}指定作品''でもある。

**ストーリー
 巨大都市ヴァラガン・シティ―ジェファーソン島に作られたこの街に繋がるあらゆる橋や高速道路が爆破され遮断されるところから物語は始まる。
 ジェファーソン島はあらゆるライフラインを絶たれ、電波もジャミングされ、完全に外部から孤立する。
 政府は即座に非常事態宣言を発令、テロと判断し海兵隊を始めとする軍隊を投入し事態の収拾を図るが、「デス・ウォッチ」と名乗るテロリストはこれらをことごとく撃退する。
 彼らの要求はただ1つ―クリスマスまでの5日間、島からの市民の脱出及び外部からの侵入の禁止。彼らは大量破壊兵器の所持も宣言し、ルールが守られなければこれらを即時使用することを表明した。
 
 一方外部から隔離されたヴァラガン・シティの市民にはゲームの開始が告げられた。
 「―24時間以内に諸君らの隣人を殺し、ゲームに参加せよ。さもなくばウィルスにより死亡する」
 今、史上最凶のサバイバル・ゲームが幕を開けた―。
 
 ゲーム開始から3日後、外部から遮断されたはずのジェファーソン島に一人の男が姿を現す。
 彼の名はジャック。右腕のチェーンソーを鈍く輝かせゆっくりと恐怖の支配する街へと足を踏み入れる―。

**システム
-プレイヤーは主人公ジャックを操り、恐怖の殺人ゲーム「デス・ウォッチ」をクリアすることになる。デス・ウォッチの流れは以下の通り。
--マップからプレイするエリアを選ぶ。1つのステージが3つのエリアに分かれており(最終ステージのみ2エリア)、ステージごとにテーマが決まっている。全5ステージ。
--エリアに入ったら、雑魚を撃破していく。雑魚は倒し方によりポイントが加算されていく。
---例えばただ倒すだけだと15,500ポイントだが、敵にタイヤを被せる(6,000)→標識を突き刺す(20,000)→ゴミ箱に投げ込む(30,000)といった倒し方のコンボを決めると、56,000ポイントも加算される。
--ポイントが一定値になる度にエリア内で様々なギミックが稼働。ギミックはアイテムが手に入ったり、中ボスが追加されたり、ブラッドバス・チャレンジというミニゲームが始まったりと様々。
---各エリアに定められた規定値のポイントを溜めるとエリアボスであるランカーとの対戦が出来るようになる。ランカー撃破でエリアクリア、次のエリアが選べるようになる。

-ジャックの基本攻撃は素手での殴りと右手の義手に装着されたチェーンソーが主になる。チェーンソーは雑魚なら一撃で倒せるほど強力だが、ボーナススコアが少なく体力ゲージ下のチェーンソーゲージが尽きると一定時間使えなくなるデメリットがある。
--これ以外にもエリア内に配置された様々なオブジェクトを投げたりすることが出来る。また敵も持ち上げて投げられる。
--装備アイテムが手に入ると、これを使った攻撃も出来る。装備アイテムは消耗品であり、一定回数攻撃すると消滅する。
--敵を気絶させると「フィニッシングオフ」というトドメのアクションが使える。この際はリモコン振りなどの操作が要求される。
--ライフ*クレジット制で、体力がゼロになるとクレジットを消費して復活できる。クレジットは「ジャックバルーン」というジャックの顔が描かれた風船を取ると増やせる。エリアクリア後に残ったクレジットはスコアに換算される。

**評価点
-COLOR(red){''CERO:Z''}にふさわしく、ゴア表現に遠慮は一切ない。Wiiの作品としてはトップクラスに残虐なアクションは爽快感抜群。
--チェーンソーでの撃破だけでも胴体両断、頂点から真っ二つ、フィニッシングオフで''チェーンソーを差し込んで背骨と頭蓋骨を引きずり出す''、''心臓をえぐり取って握りつぶす''などやりたい放題。
---ギミックも活かすとその攻撃の幅は大きく広がる。壁の棘に叩き込んでみたり、プレス機や回転鋸に巻き込んでみたり、ピラニアの水槽に餌として入れてみたり…もちろんどれでも血飛沫がバンバン吹き上がって死にまくる。
--ギミックを活用することで点数を大きく稼げるので、その意味でも重要である。
--見た目危なそうな物は例外なく敵を倒すのに用いることが出来る。このギミックではどういう風に敵が死ぬのか、と探りながらスコアを稼ぐのはなかなか楽しい。
--作中登場するジョークもお下劣なものが多い。詳しくはここには載せられないが、Wiiということを考えるとかなり強烈な言い回し。

-非常に独特なモノトーンで表現された世界。灰色すらほとんど用いられないという類を見ないグラフィックで、そこに鮮烈な血飛沫の赤が加わることで、極めてインパクトの強いグラフィックに仕上がっている(ちなみに白黒赤以外に使われる色は一部メッセージの黄色とエイリアン系の敵の血液の緑色のみ)。
--グラフィックレベル自体はWiiということもあってそこまで高くはないのだが、あえて登場人物も背景も全てを白黒で描くことで印象づけることに成功している。本来なら吐き気を催すような死に様が極端に戯画化されたグラフィックでむしろ滑稽なものになっているのも見逃せない。
--主人公ジャックは40代の筋骨隆々の親父という主人公としては特異な外見。そこに、彼を演じるスティーブン・ブルームの非情に渋いボイスが合わさり、ハードボイルドで魅力あるキャラクターに仕上がっている。

-全体にバカっぽいギミックの数々。特にミニゲームのブラッドバス・チャレンジは「人間を殴り飛ばしてダーツをする」「ジェットエンジンに敵を投げ込んだ数を競う」などグロテスクにかっ飛んだモノばかり。
--このミニゲームの解説役を務める「ブラックバロン」はミニゲームの内容を「身をもって」実践してくれる。ちなみに何度やられても次の解説時には平然と復活する。
--敵ボスであるランカーも曲者揃い。ショウグンだとかヨコズナだとかの勘違いした変なジャパニーズだとか吸血鬼にフランケンシュタインだとか「%%理%%磁力と共にある」暗黒卿親子だとか。終盤には''巨大ロボットに乗り込んだエイリアン''が普通に出てくる。
--敵の殺し方も、「コーラのボトルを突っ込んで吹き飛ばす」「巨大天ぷら鍋でカリッと揚げる((この天ぷらを客(?)に提供するとボーナスポイントが入る。))」「''UFOにキャトルミューティレーションさせる''」などやたら回りくどくて変なものが多い。

-BGMはヒップホップやラップミュージック。世界観にも良く合っており、BGM自体の完成度も高い。

**問題点
-深刻なボリューム不足。
--ステージは1つ10分程度。しかもボス戦のみのステージが3つとバイクステージが2つ含まれるので、本当に自由に動かせるステージは半分強ほどしかない。''一周にかかる時間はたったの3~4時間ほどである。''
--隠し要素などはほとんどない。完全クリア後に難易度HARDと追加武器が解放されるがその程度。
---一応、ハイスコアを更新するのが目標になるが、はイスコ更新による特典などもない為、自己満足にしかならない。スコアの稼ぎ方も敵を効率よく倒してブラッドバス・チャレンジでハイスコアを出して死なないようにしてクレジットを温存し…と単調なため、再プレイのモチベーションが上がりにくい。

-シナリオは『[[タクティクスオウガ]]』『[[ファイナルファンタジータクティクス]]』で有名な松野泰己氏が担当している。~
しかし、重厚なゲームデザインを得意とする松野氏の作風とバカゲー臭いこのゲームのデザインが噛み合っていない。
--「戦うことの意味」「権力者に踊らされて殺し合う人々」などテーマ自体は重いのだが、正直ゾンビが平然と沸いて出たりエイリアンが跳梁跋扈する世界観でそんなこと言われても「WHAT THE F**K?」という感じである。
---オチも尻切れトンボもいいところで、ろくに解説も行われずデスウォッチの主催者を殺して終わり。
--一応、ジャックと主催者の言動は最初から最後までほぼぶれずに真面目ではある(多少皮肉げなジョークを交える程度)。ステージの中身が馬鹿すぎるだけで、世界観や台詞回しはかなりハードで松野氏の味はキチンと出ている。

-アクションとしては、最初から終わりまでできることは増えないのであまりバリエーションがない。「斬る」「殴る」「投げる」の基本アクションだけで最後まで行ってしまう。
--またリモコン振りを多用するため、右手にかなり負荷がかかる。左利きには辛い(左右持ち替えのオプションはない)。
--視点操作やターゲット機能の使い勝手が悪い。ターゲットはCボタンを長押ししたときに画面内の敵を自動でサーチするだけで切り替え機能が無く、視点操作はそもそも不可能で勝手にカメラが動いてしまう。

-翻訳が中途半端で、ステージ中の実況が訳されていない。非常にテンション高くバリエーション豊かに解説してくれるので、これを字幕でもいいので翻訳しておいて欲しかったところ。

**総評
バカっぽい演出と残酷ながらも爽快なアクションに振り切った一作。
一方で、世界観と噛み合わないハードなシナリオ、ボリュームの薄さ、アクションのバリエーションの少なさなど、手放しに名作とは言い切れない問題点も少なくない~
敵撃破時の演出は他作品の追随を許さない程の爽快感なので、ゴア表現に耐性があるならプレイする価値はあるだろう。

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**余談
-ジャックはプラチナゲームズの看板キャラクターのような扱いになったのか、後に本作のキャラクター達と共に『[[MAX ANARCHY]]』の主人公として登場している。ただし、一部キャラの設定が異なるので本作のジャックと同一人物なのか単なるスターシステムなのかは不明。
-キャラの必殺技の一つに漫画『キン肉マン』に登場する必殺技「キン肉バスター」にしか見えないものがあるとして話題を読んだ。なお、この事について『キン肉マン』の作者であるゆでたまご氏はTwitterで不快感を顕にした。

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