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FARCRY 3」を以下のとおり復元します。
*ファークライ3(FARCRY3)
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【ふぁーくらいすりー】
|ジャンル|ファースト・パーソン・アドベンチャー(FPS)|&amazon(B00ASUXDHO)&amazon(B00H4PVWW4)|
|対応機種|プレイステーション3&br()Xbox360&br()Windows XP~8|~|
|メディア|【PS3】BD-ROM&br()【360/Win】DVD-ROM(枚数不明)|~|
|発売元|ユービーアイソフト|~|
|開発元|Ubisoft Montreal|~|
|発売日|2013年3月7日|~|
|定価|【PS3/360】7,770円|~|
|廉価版|【PS3】ユービーアイ・ザ・ベスト:2014年2月27日/3,218円|~|
|配信|【Win】&br()(日本語版)Amazon.co.jp:2013年4月03日/2,400円→1,200円&br()(海外版)Steamほか:2012年11月28日/2,400円&br() (同『Deluxe Edition』:不明/3.000円)&br()※どのバージョンもDRMとしてUplayを使用|~|
|プレイ人数|1~2人&br()(オンライン:2人~14人)|~|
|レーティング|CERO:Z(18歳以上のみ対象)|~|
|判定|なし|~|
|ポイント|大ボリュームのオープンワールドFPS&br()自然美と人の悪、血と幻想が混在するサバイバルアクション&br()野性怖いマジで|~|

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#center{&size(35){''WARNING!!!!!!!''}&br()&size(20){''本作はCEROからZ指定を受けている18歳以上のみ対象のゲームです。''}}
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**概要
ファークライシリーズ第3作。南国の島を舞台にしたオープンワールド制FPS。プレイヤーは主人公のジェイソンとなり、海賊バースの軍団に立ち向かう。広大な島を自由に冒険が出来るうえ、武器やアイテム、金銭の入手、スキル習得によるプレイヤーの個性付けも自由度が高い。サブクエストやミニゲームも数多く用意されている。

**ストーリー
アメリカ人青年ジェイソン・ブロディは兄弟や仲間達と共に、インド洋と太平洋の境目にある南国にバカンスに訪れた。ある日スカイダイビングを楽しんでいた彼らは誤って、残忍な海賊のバース一味が暴力で支配する孤島「ルークアイランド」に着陸してしまう。~
海賊に捕まってしまったジェイソンは、優秀な予備役軍人である兄グラントの先導で牢を抜け出すが、他の仲間との合流は叶わず、グラントも追ってきたバースの銃弾に倒れてしまう。悲痛な叫びを上げるジェイソンに、バースはなぶり殺すための僅かな猶予を与え、「逃げてみろ」と嘲笑する。ジェイソンは銃弾の飛び交う夜のジャングルを逃げ惑い、やがて突然途切れた道から谷川へ転落し、意識を失う。~
目覚めたジェイソンは、見知らぬ男の介抱を受けていた。男は治療だけでなく、ジェイソンの左腕に古風な文様のタトゥーを施していた。デニスと名乗った男は、タトゥーは島に伝わる戦士の証であり、ジェイソンに力を授けるだろうと言う。バース一味と対立する部族ラクヤットの一員であるデニスは、ジェイソンの手助けをする替わりに、戦士として力を貸して欲しいと請うのだった。軍も警察も存在しない絶海の孤島で、海賊から仲間を救い出すには、デニスと部族の助けを借りるしかない。戦士の証を腕に、ジェイソンの戦いが始まった。~
徐々に明かされていく孤島の真実。そして過酷な戦闘とサバイバルの先にジェイソンを待ち受けるものは…?

**特徴
-オープンワールド+フリーローミング制
--自然に溢れ、人の集落や遺跡が点在する巨大な島の中を隅々まで探索できる。マップはシームレス。
--メインクエストを達成することによりストーリーが進み、徐々に遠方まで足を運ぶことになるが、初めから移動範囲に制限はない。

-様々な兵器と一本のナイフによる戦闘
--銃器や弓矢といったカスタマイズも可能な飛び道具をメインに、手榴弾や火炎瓶、地雷やC4リモート爆弾といった戦略武器も駆使して行う。また、最初に習得するスキル「テイクダウン」とその派生スキルが戦闘のもう一方の主役であり、格闘戦も大きな価値を持っている。
---テイクダウンは、近距離にいてこちらを発見していない敵をナイフで奇襲し、一撃で仕留める暗殺術。無音攻撃であり、目撃されなければ他の敵には気付かれない。派生スキルを取得することで、敵の頭上や足元から襲い掛かったり、連続で仕留めたり、2人同時に仕留めたりといったことも可能になる。
---敵である海賊兵士はこちらを発見すると包囲攻撃や増援要請を行うため、いかに物陰などへ誘い込みテイクダウンで仕留めるかが戦闘の醍醐味の一つになっている。また、テイクダウンとその派生スキルで敵を倒すと、獲得経験値に大きな倍率がかかる。

-成長システムあり
--RPGのようにクエスト達成や敵の討伐で経験値が得られる。経験値を消費してスキルを習得し、主人公を強化することが出来る。スキルシステムにはツリー制を採用しており、ミッション進行によって高度なスキルが解放される。「通過儀礼」として特定の条件を達成することが解放条件になっているスキルもある。
---スキルを習得していくと主人公の左腕の入れ墨が増えていく。最初は一部分だったものが最終的には前腕部に及ぶ。
--主人公の耐久力はライフ制。ライフは数ブロックに分かれており、これもスキル取得でブロックが増加する。回復手段には採取した薬草から作る回復薬(市販もあり)やスキル「ファストエイド」がある。また、1ブロック未満のダメージは時間経過でも回復する。
---体力面のパラメータはライフのみ。ダッシュや水中でのクロールといった高速移動が可能だが、それらの持続を制限するスタミナの設定はない。ただし潜水時間にはさすがに限界があり、息継ぎせずに潜り続けていると溺死する。

-狩りと採集、クラフト要素あり
--バックパックやホルスター等のアイテム所持に関連する装備品は、狩りで得られる動物の皮から作成する。回復薬を初めとした様々な薬品も、植物から採集するリーフを調合して作り出すことになる。
--登場する動物は多種多様だが、ブタやヤギ、シカといった基本的には無害な動物と、狂犬、トラ、ヒョウ、クマ等の攻撃的な動物に大別できる。アイテムを作るためには危険な猛獣の皮が必要になることも多く、良質な装備品を求めて、対人戦闘とはまた異なるスリリングな戦いを繰り広げることになる。
---本作における捕食動物は、おおむねどれも俊敏で攻撃力が高く、並の海賊などより遥かに大きな脅威。大型の捕食動物は特に危険で、スピードと体格に物を言わせて組み付いてくることがあり、振りほどきに失敗すると&bold(){喰い殺される}。トラに追われて飛び込んだ川でワニに喰われるといった悲喜劇も起こりうる。
--採取した動物の皮や植物(各色リーフ)は、要らなければ売却することも可能。これら以外の売却専用アイテムも数多くある。

-探索範囲を徐々に広げる「電波塔修復」と「拠点解放」
--電波塔は島のあちこちに点在する施設。海賊に破壊された塔頂上の電気機器を修復することで、周囲のマップに詳細が表示される、クエストやアイテムがアンロックされるなど、様々な恩恵がある。同社の[[ASSASSIN'S CREED]]のシンクロシステムに似ている。
---電波塔は足場が破損していたりすることが多く、頂上までの道のりはなかなか険しい。頂上からは大抵ジップラインで一気に下りられる。
--島の各地には海賊の武装拠点があり、それらを解放してラクヤットの民の手に返す事も大きな比重を占めている。解放すると報酬が獲得できるほか、ラクヤットの兵が駐留し、周囲から敵が消えて安全地帯となる。
---解放条件は拠点の敵兵の全滅。最初は難度が低いが、次第に敵配置に死角が少なくなり、スナイパーや重装兵、番犬が配備されるなどシビアになってゆく。警報装置がある拠点では、敵に発見されると増援を呼ばれてしまうが、警報装置の設置数も徐々に増える。
---敵に気付かれないまま全滅させれば多量の経験値ボーナス、増援を呼ばれずに全滅させれば少量の経験値ボーナスが入る。テイクダウンや消音武器を駆使して密かに葬ってゆく潜入戦が経験値の点で有利ではあるが、たまには重火器や爆発物で大戦争を仕掛けてみるのも面白い。
--修復した電波塔と解放した拠点は、ファストトラベル先と死亡時のリスタート地点になるため、スムーズなゲーム進行にはある程度これらを消化しておく必要がある。なお、電波塔や拠点を一切無視しても、ゲーム進行自体は可能。

-移動をサポートする多様な乗り物
--車、バギー、ボート、ジェットスキー、ハンググライダー等で、島の陸海空を駆け巡れる。
--乗り物に所有者の設定などはなく、敵地であろうと置いてあるものを自由に利用できる。島の随所に惜しげもなく置かれており、大破させても乗り捨てても費用は発生せず、ロードするごとに完全な状態で初期位置に戻る。使い捨てろと言わんばかりの仕様だが、実際オフロードだらけの島なのにオフロードに弱い車などは、しょっちゅう岩に乗り上げたり水没したりして乗り捨てることになる。
--起伏や入り組んだ地形の多い島内の移動手段としては身一つが最も柔軟なのだが、乗り物にもスピードや移動時の安全性、&bold(){敵を轢ける}といったメリットがある。

-マルチプレイに対応
--最大14人までの対戦モードのほか、最大4人のCOOPがある。COOPではシングルプレイの外伝ストーリーが楽しめる。海賊に奴隷として売却されるところを危うく逃れた4人の男女の復讐戦を描く。また本編と違って完全な一本道システム+ステージ制。
--対戦・COOP共通の武器は、戦闘後の報酬で得たアイテムを「解析」することにより入手。解析には実時間で30分から最高8時間かかることもあるが、プレイヤーのログイン状況には関係なく進むので、他の事をやっていても構わない。
--経験値の獲得により、周囲の仲間をサポートするマルチプレイ専用スキル「バトルクライ」などを習得する。

**評価点
-グラフィック
--南国の島の自然と風景が、昼夜や天候の変化を含めて美しく色彩的に描かれる。青く澄んだ海、風にざわめく草地や自由に動き回る生き物達、草生した寺院遺跡や旧日本軍の戦跡。海中へダイビングすれば魚群が泳ぎまわっている。各地の洞窟や火山口跡を探検することも可能。
--さらに車やモーターボート、ハンググライダーといった乗り物の豊富さが加わり、手軽にトロピカルバカンス気分が味わえる。視界のよいバギーやジェットスキー、島の大地を見渡せるハンググライダーでのトリップは、目的なく移動するだけでも楽しい。
--反面、暴力で支配された地域には血と埃の入り混じる荒廃した光景が広がり、神秘的な島の儀式の光景や、麻薬中毒者であるバースに関連するシーンなど、幻想と狂気が入り混じる描写も。イベントを終えた幕間にはルイス・キャロルの『不思議の国のアリス』『鏡の国のアリス』の一節が挿入されて雰囲気を盛り上げる。
--戦闘描写も迫力がある。物陰、頭上、水中などあらゆる場所からのテイクダウンによる奇襲は見どころの一つ。炎の描写も優れており、火炎瓶などで着火した炎が、建物や草原に次々と延焼していく様は見もの。

-NPCの挙動
--人間NPCや野生動物にもそれぞれの生活、生態があり、プレイヤーが関与せずともパトロールや狩りなどを行ってゲームに動きを与える。人間NPCは獣を狩り、肉食獣は人間や草食獣を狩り、時にはラクヤット、海賊、獣が入り乱れた乱戦が繰り広げられることも。
--ラクヤットはしばしば道端で車を故障させて助けを求めていることがある。装備品「リペアツール」があれば手助けしてやれる。
--野生動物には、クラフト素材を取れるもの以外にも、極楽鳥やウミガメなど様々なものがいる。時には彼らをじっくり眺めてみるのもいい。~
普通にプレイしていてはまず出会えないような希少な生物もおり、「川魚」「珊瑚礁の魚」「ウツボ」などを発見しハンドブックに記録できたプレイヤーはどれほどいるだろうか。

-親切なシステム
--ファストトラベル機能が用意されており、制圧した拠点や友好的な街には一瞬で移動が可能。
--乗り物もあちこちに配置されており、移動にストレスを感じることはほぼない。特に車は、島に自生しているのかというほど随所に置いてある。
--ゲーム中に発見したものや出会ったNPCが記録される発見物リスト搭載。人物や武器はおろか、乗り物、動植物も網羅。しかも全てに皮肉の効いた解説やコメント付き。
--電波塔解放と地図購入で、マップにはあらゆるアイテムのありかが表示される。コレクションコンプを楽しめるプレイヤーには親切な設計。表示が煩わしければ消すこともできる。
--スキルツリーは最終的に全種の習得が可能となっており、選び方を失敗してしまっても取り戻せる。

-戦闘の自由度の高さ
--銃器は近距離用から遠距離用まで一通り揃い、スナイパーライフルでの狙撃戦もロケットランチャーでの制圧戦も可能。もちろん弓矢やナイフでの潜入戦もできる。
--警報装置が設置された拠点の制圧では、装置の無効化と敵の排除をどういった手順で行うかという詰め将棋的な楽しみもある。火をかけたり猛獣を誘い込んだりして混乱させ、強引に潜入するような戦術も取れる。

-マルチプレイ
--対戦マップのエディットシステムも実装されており、アップロードされたオリジナルのマップは他のプレイヤー達と遊ぶこともできる。細かく作り込むことができ、他のプレイヤーから高評価を受けたマップは人気になったりする。
--マルチプレイの対戦では、勝った側のトッププレイヤーが敵側に戦後処理を課する演出があるが、非常に多くの種類があり(心なごむ和解から、開放すると見せかけて後ろから射殺するという極悪なものも)、なおかつ任意で選ぶことができる。
--COOPは別ゲームと言って良いほどのボリューム(全6章)を備える。また全ての章で、プレイヤー同士が武器や運転の腕を競うミニゲームを実装。難易度も4段階から選択可能で、初心者から上級者まで楽しめる。

**賛否両論点・不評点
-ストーリー・演出
--狂気の海賊バース(パッケージのモヒカン男)に捕らわれた仲間の救出と、彼との対決を主軸に据えたリアルなサスペンス路線ではあるが、主人公が本来知りようもない人物の存在を幻覚作用のある薬酒によって知るなど、魔術的な要素、幻想的な要素もある。開幕から戦士のタトゥーで超自然要素が提示されているとは言え、ストーリー展開としてはやや強引でご都合主義とも取れる点があるため、評価が分かれている。
--重要な出来事が幻覚にまぎれて進行するシーンも多いため、結局何が起きたのか分かりづらいという意見もある。また、悪党や腹に一物ある人間に弱みを握られて働かされるという展開が多い。
--そもそも大筋自体「おバカな若者が事件に巻き込まれて復讐しに行く」でしかないので面白みは薄い。主人公を「おバカ」と評したが実際不可解な行動がちらほらある。宿敵(?)となるバースとのイベントも「何も考えずに突っ込んで返り討ちにあうもとりあえず生き残る」の繰り返しでもどかしさが半端ない。
--主人公ジェイソンは、享楽的で無力な都会の青年から、戦闘や破壊に酔いしれる獰猛な戦士へと急速に変貌してゆく。その展開の早さも評価が分かれている。
--「過酷な事件に巻き込まれた未熟な若者が、周囲に利用され戦いに手を汚す中で、戸惑いながらも急激に変化してゆく物語」と理解はできるが、魔術要素や主人公の直情的な行動がストーリーを浅く感じさせる嫌いはある。
--CERO:Zなだけあって過激な暴力やグロ描写、麻薬関連のネタや下ネタ多し。ただし通常の戦闘での身体欠損描写はなく、敵を車で轢こうが火だるまにしようがC4で吹っ飛ばそうが死体は無傷。動物の皮剥ぎを行っても同様。主人公の仲間にまでヤク中(のボンボン)がいるような世界観に抵抗を覚えるプレイヤーもいる一方、配慮されたゴア表現は物足りないというプレイヤーもいる。
--人物の容姿はリアル。新人女優という設定である主人公の恋人リザや、スラム街の娼婦といった綺麗どころが期待されるNPCも、あくまで現実的な容姿をしている。島の住民は東南アジア系であり、年齢構成もリアルで、小太りのオッサンやオバサンもワラワラ登場する。
---島の戦士の長であり神秘的な力を持つ女性シトラは、例外的に気合いの入ったセクシー&ワイルドな容姿になっている。
--ボス戦は基本的にQTE。いささかストーリーや演出重視の感がする。
--常に一人称視点であり、段差を越えるなどの動作に合わせてかなり大きい画面揺れが起きる。臨場感はあるが3D酔いを誘うレベルでもある。
//--ストーリーは、ゲームに対する皮肉が題材ではないかという考察がなされている。
//---ある人物の「狂気とは同じことを何度も繰り返しながら、次こそ変化があると期待することである」という旨のセリフがある。これは後述の同じようなコンテンツに対する皮肉なのではという考察がある。


-コンテンツ
--電波塔修復と拠点制圧がメインコンテンツとも言え、どこまで進めても変わり映えしないと言えばしない。~
島は広大なのだが、どこへ行ってもいかにも南国という風景が広がるだけでほとんど変化がない。飽きる人は本当にすぐに飽きるが、南国好きの人ならば風景に飽きる事はないだろう。
--サイドミッションの数は多いが、バリエーションには乏しい。ユニークミッションはたいてい近距離の簡単なお使い。~
依頼されたアイテムを集め終わった時点でクリアになる(依頼人に報告する手順がない)などの、投げっぱなしのようなミッションも多い。
--そのほか各地で共通のミッションとして、指定NPCのナイフキル、指定武器でのユニーク動物狩り、指定時間内での荷物運搬があるが、これらも基本的にやることは同じ。
--クラフトの材料は野生動物の皮だけで、ゲーム序盤から行動範囲の制限が無いため、狩りがスムーズに済めば最上級品以外は序盤でも簡単に揃えられてしまう。
--シリンジという注射薬はライフ回復薬とそれ以外(動植物の識別や移動速度アップなど様々)に分かれているのだが、どれも同じシリンジキットに入れての携行しかできない。~
シリンジキットに入れられる薬の数は少なく、ゲーム進行には回復薬がほぼ必須である以上、それ以外のシリンジを持ち歩ける数はかなり限定されてしまう。~
回復薬以外のシリンジは10種類以上と豊富なのだが、この仕様のせいで存在意義が薄くなってしまっている。
---この点は次作『ファークライ4』では改善され、シリンジを種類ごとに分けて持てるようになった。(ただし、シリンジの種類は半数以下に減ってしまった)
--コレクションアイテムも膨大(「レリック」「メモリーカード」「届かなかった手紙」の3種で総数140)にあるが、報酬は経験値が入る以外には島の裏情報やショートストーリーが判明する程度。~
「レリック」には裏情報もショートストーリーも無いが、一定数集めるごとに強力なシリンジレシピと武器がアンロックされる。全120個のうち40個収集ですべてアンロックされるため、残り80個は収集家向けと言える。~
「届かなかった手紙」は太平洋戦争中に島に駐留していた旧日本軍兵士のもの。元は海外製でそれを翻訳しただけなので仕方がないのだが、戦時中の日本人の手紙なのに思い切り現代文で書かれている。

-戦闘
--人間相手の場合、経験値や安全性を考えると、テイクダウン、弓矢、スナイパーライフルといった「気付かれずに一撃で仕留められる手段」が突出して有利。一対多が基本のゲームであるため仕方ない点ではあるのだが、サブマシンガンやアサルトライフルで撃ちまくり倒しまくる機会は、本編ではあまりない。
---UBI製のゲームでは隠密行動前提という仕様は珍しくなく、撃ちまくって倒しまくる爽快感を求めるのはお門違いという意見もある。
--敵兵は仲間の死体を発見すると警戒を始めるが、死体を移動させて隠す手段が「テイクダウンで倒して派生スキルで運ぶ」しかない。上記のテイクダウン有利を後押ししている。
--敵兵のAIは鋭さと間抜けさが同居しており、不自然な挙動も多い。
---遠距離からの狙撃で倒すと、こちらを発見してもいないのに、残った敵兵は狙撃地点へ正確に押し寄せてくる。ここまでは他のゲームでもままあることだが、本作の場合発砲後に狙撃地点から逃げてもなんと退避先を調べに来る。
---間抜けな点は笑えるほど間抜け。石を投げて注意を引くことができるが、初回は必ず「石の落ちた場所」を確認しに行くため、敵の正面の草むらから石を投げても、石の出所ではなく落ちた先を探しに行く。視認についても独特で、こちらが何らかの物陰で屈んでさえいれば、表示上は丸見えの位置であろうとも気付かないことが多い。

-野生動物・島民
--島にはリアルに野生動物が生息しているのだが、その習性まで再現できているとは言えない。~
肉食動物が草食動物や島民を襲ったりはするのだが、せっかく獲物を仕留めてもそれにあり付こうとせず、またどこかへ去って行ってしまう。~
野生動物特有の臆病さも草食動物では再現されているのだが、肉食動物は不自然なまでに好戦的で全く臆病さが無い。獰猛であろうと全ての動物は少なからず臆病さを持っているはずなのだが。
--動物をじっと観察していると突然消えてしまったりするので興ざめしてしまう。~
島全域をロード無しで探索可能な上にカメラによるマーキング機能まで備わっているので、ある程度は仕方がないのだが、それほど遠くない距離にいる動物まで不自然に消滅する。~
海中にいるオオメジロザメが特に顕著で、しばらく泳ぎ続けたら消滅する→リスポーンして泳ぎ始めるの繰り返しと、何とも味気ない。
--動物だけでなく島の人間も同じで、道路を島民やラクヤットの乗った車が走っていたりはするのだが、付いて行ってみると同じ道をただ延々と回っているだけだったり、意味もなく行き止まりまで行っては引き返したり。~
少し離れただけで消えてしまうのも同様で、通りかかった車に気まぐれに付いていこうとしても、別の車に乗り込んで追いかけた頃にはもう前方に何も走っていなかったりする。~
島には普通に生活を営んでいる人々もいるというこの描写のお陰で、独りきりの探索でも心細さを感じないが、もう少しリアルに作られていれば尚良かっただろう。

-バランス
--プレイヤー有利のバランスである弊害で、後半になると金や経験値、狩猟素材の大半が余る。金余りは特に顕著で、主な投資先である武器は種類ごとに性能の幅が少なく、進めていくと勝手に入手できたり無料で販売されたりもするので、そもそもあまり金を使う必要がない。
--使い勝手の悪い、または活躍の機会が少ない死にスキルがある。獲得金銭が増えるスキルは、おまけのようにツリーの最奥にあったりする。このスキルに手が届く頃には金の使い道は無くなっている。

-マルチプレイ
--ホストが抜けると解散になるが、ホスト以外はステージを選べない。またホストになるかどうかはロビーの状況で自動で決まってしまう。
--トロフィー・実績にはCOOP各ステージクリアが条件の物がある。上記の理由で任意のステージ選択が困難のため、コレクションには根気がいる。
--経験値獲得はステージクリア時に行われるので、逆に言えばいくらゲーム内で活躍しようがクリアしない限り入手不可。
--本編とは逆に、よほど他プレイヤーとの連携がとれる状況でないかぎり、隠密戦より乱射と突撃による無双ゲーになりがち。本編との差別化は図られていると言えるが。
//--怪我を(ファストエイドスキルを用いて)素手で治してしまうほどタフな主人公の割には、低いところから落ちてもダメージを受ける。

-その他
--地図を開こうとしても地図画面が出るまでが遅い。ゲームシステム上頻繁に地図を開く事になるため、地味に痛い。~
また、地図には等高線などが入っていないため高低差が分からず、少々読みにくい。
--フリーズなどのバグが多い。リリース後に改善はされたが、まだストアでの売買時のフリーズ等が残っている。
//--スタッフロールがいくらなんでも長すぎる。
//--多くのスタッフが関わってるのはわかるが、スタッフロールは1行で流れる速度も遅く、また、背景は1枚絵で動いたりしない。
//--スキップは可能。

**総評
美しいグラフィックで隅々まで造りこまれた広大な環境、そこを舞台にした膨大なボリューム、ストレスの少ない親切なゲームデザインは評価すべき点だが、できることのバリエーションの少なさから飽きが早い、作業感が強いといった点はマイナス。マルチプレイの不備やフリーズバグなどの粗もある。~
全体には丁寧に作られており、漫然と探索を楽しむ箱庭ゲーとしても高いクオリティを持っている。現在はベスト版やPC版で安く手に入るので、興味があるならばプレイしてみてはいかがだろうか。

**余談
-回復のモーションは、「傷だらけの腕に包帯を巻く」「腕に刺さった弾丸をこじって取る」「骨折して変な方向になった親指や手首をひねって戻す」というものである。最初は痛々しく見えるが、FPSで腕しか表示されない故に仕方無いとはいえ、「腕ばかり怪我するし骨折しすぎ」とツッコまずにはいられないだろう。

-暴力が支配する犯罪島でありながら自然バンザイの猛獣天国、同時に&bold(){自動車大国}とも呼べる大盤振る舞いの環境設計も、ツッコミつつ愛しうるデザインではないだろうか。

-次作『ファークライ4』が2015年1月29日に発売された。

復元してよろしいですか?