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スーパーストリートファイターII」を以下のとおり復元します。
-無印は[[ストリートファイターII]]、「ダッシュ」「TURBO」は[[ストリートファイターII']]の項目を参照。

*スーパーストリートファイターII
【すーぱーすとりーとふぁいたーつー】
|ジャンル|対戦格闘アクション|
|対応機種|アーケード(CPシステムII)|
|販売・開発元|カプコン|
|稼働開始日|1993年9月|
|判定|なし|
|ポイント|音源、グラフィックの大幅進化&br()しかし、ゲーム性が…|
//新キャラクターがどうなのかはポイントに挙げるほどのことでもない。
|>|CENTER:''[[ストリートファイターシリーズリンク>ストリートファイターシリーズ]]''|
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#contents(fromhere)
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**概要
ストIIのニューバージョンかつ、カプコンのCPシステムの後継基板である「CPシステムII」のデビュー作。~
開発はSFC版ストIIが発売された1992年から始まり、[[TURBO>ストリートファイターII']]と並行して行われ、1年以上の開発期間が取られた。~
前作の12人に4人の新キャラクターを加えた16人から1人を選択し、四天王以外から8人と四天王4人を倒す事が目的。

**システム
-基本的なシステムは[[ストリートファイターII]]の頁を参照。

-TURBO発売前に作っていた関係上ゲームスピードがダッシュ以前に戻った。
--TURBOの速さで慣れた分、非常にモッサリに感じた人が多い。

-4人の新規キャラクターが追加された。

-最初の一撃・連続攻撃(コンボ)・リバーサル((起き上がりやガード中などの「操作不能な状態」から動けるようになった瞬間に必殺技を出すこと。ただし「スーパー」では空中やられの着地時のみリバーサルは出ない(ケンのみ特殊な操作で可能)。))・気絶から攻撃を受けずに復帰できた時にスコアボーナスが入る様になった。
--さらに各ボーナス対象の行動時に画面外からメッセージが流れて来てアナウンスされる。
--ちなみにファイナルラウンドではこれらのボーナス点だけが入る。
--現在格ゲーではごく普通に使われる「コンボ」という表現は元々海外でのものだったのが、この連続攻撃ボーナスで「◯ HIT COMBO!」というメッセージが表示されることにより国内でも一般的になった。

-ガードが解けた瞬間の投げ返し不可能時間がなくなった。
--これにより、当て投げが問題視されなくなった。

-気絶状態の種類が4種類に増えた(天使・星・ヒヨコ・死神)。回復にかかる時間は天使が一番短く、死神が一番長い。
--また、ダメージを受けて吹っ飛んだ時から気絶したことがわかるようになった。

-全キャラクターとの総当たり戦で行われていたCPU戦は、キャラクター増加につきランダムに選択された8人(同キャラ対戦含む)+四天王の計12名という形式に変更。

-専用基板4枚を接続してプレイ可能なトーナメント対戦モードが導入された。
--全員が1回戦・準決勝(敗者同士のものを含む)・決勝戦及びそれぞれの順位決定戦の計3試合を行うスイスドロー方式。また1ラウンド設定の試合がその中に含まれているため、最大で5ラウンドとなる。
--試合ごとに各プレイヤーが指定された席に移動する。

**キャラクター
全般的に、TURBOでのファンサービス要素の強かった新必殺技が削除ないし変更され、四天王には通常技が大幅に追加された。

#region(12人のプレイヤーキャラクターたちの変更点+4人の追加キャラクターたち)
''リュウ''
-空中竜巻旋風脚の軌道が変わり、キャンセルをかけないと通常技の後に出せなくなった。
-地上版竜巻旋風脚の下降中の無敵時間が削除され、上昇中の無敵時間も短くなった。
-これまでお遊び要素で超低確率で出現していた「赤い波動拳」が、ヨガフレイムコマンドで出せる新技「ファイヤー波動拳」として独自の性能で採用された。近くで当てると相手が倒れるので重宝する。
-波動拳のグラフィックが変更され、強さに従って攻撃判定が横に伸びるようになった。
-TURBOで得た最強の座は譲ることになったものの、それに準じる地位をキープしている。

''ケン''
-空中竜巻旋風脚の軌道が変わり、キャンセルをかけないと通常技の後に出せなくなった。
-強昇龍は拳が炎に包まれ、当たると敵が燃え、最大で三段にまでなるものの、あまり斜めに跳ばなくなった。
-連続技で昇龍拳が入り辛くなった為、意表を突いた奇襲で事故勝ちということはまず望めなくなった。ゲームスピードが落ちたのも災いし、対戦では中位にランクダウン。

''エドモンド本田''
-スーパー百貫落としが一段目で倒れる様になり、下段ガードが不可能になった。また、コマンドの最後が真上から上要素に変更され、後ろ溜めを維持しながら出せるようになった。
-フライングスモウプレスは特殊技に変更。
-高性能な飛び道具を有する春麗やディージェイが新たな天敵になったこともあり、対戦ランクは落ちることになった。

''春麗''
-気功拳がタメ系になり射程に制限がついたが、隙が軽減し、連続技にも組み込める有用な飛び道具になった。これにより本田戦やバイソン戦の相性が一変。またポーズなどのグラフィックスが変更された。
-通常技の判定が強くなり、投げ間合いもリュウ・ケンの投げ間合いの外から投げられる程広くなった。
-スピニングバードキックの出掛かりを当てると相手が倒れるようになった。
-スーパーで大幅に強化されたキャラクターであり、対戦でも初代以来久々の上位キャラになった。

''ブランカ''
-後方に下がってからローリングアタックを出す新必殺技「バックステップローリング」が使えるようになったが、イマイチ使いづらく用途は不明。一応、至近距離で当たれば3HITし更に別の技が繋がるが状況があまりにも限定的。
-ローリングのスキが大きくなり、多くのキャラクター相手にガードされると反撃確定、一部キャラにはヒットしても反撃される。
-バーチカルは下りに攻撃判定がなくなったが、強版が高速化したため相手が技を出す前に当てやすくなった。
-ザンギエフと最弱を争うまでに落ち込んだ。ローリングを連打するお手軽戦術は成立しなくなり、使用人口は激減。

''ザンギエフ''
-各種投げ、つかみ技のボタンが変わり、コマンドは同じだが相手の位置によって技の内容が変化する「フライングパワーボム」「アトミックスープレックス」が使えるようになった。他に空中投げができるようになり、投げのスペシャリストとしての地位を確立。
-従来のより1回転だけ少ない「クイックダブルラリアット」が使えるようになり、ハイスピードダブルラリアットは削除された。ハイスピードとは違い足元の無敵判定がなくなり、従来のダブルラリアットも弱体化し起き攻め対策に使いづらくなった。
-スクリュー系の技に失敗すると、つかみ損ねポーズで硬直してしまう様になった。
-従来とは異なる技などで華麗な変身を遂げたように見えるが、総合的に見るとかなりの弱体化であり、再び最弱の定位置に逆戻りしてしまった。ただしバイソンに対しては突進技を安定して返せるため有利が付いている。

''ガイル''
-ソニックブーム、サマーソルトキックの隙がダッシュに近いぐらいに戻され、ソニックの硬直は手を交差させた形になった。
-サマーソルトキックは若干後方にも攻撃判定が付き、強版が単発ヒットになった。
-他にはマイナーチェンジしかないものの、今回弱体化した旧キャラが多い中、相対的にTURBOで落ちた対戦ランクを戻している。

''ダルシム''
-弱ヨガファイヤーで相手が倒れなくなり、連続技に組み込める様になったのが最も大きな変更点であり強化点。
-スピードダウンも追い風になり、サガットに次ぐ強キャラに躍進した。サガットとの直接対決でも相性が良く、かなり有利を付けることが出来る。

''M・バイソン''
-ターンパンチの無敵時間が削除され、代わりにジャンプ頭突きで上を攻撃する無敵技「バッファローヘッドバット」が使えるようになった。
-弱ダッシュストレートがヒットすると相手が倒れる様になった。
-が、ジャンプ強パンチが昇りでしゃがんでいる相手に当たらなくなったり、ダッシュアッパーの溜め時間が長くなったため気絶~気絶の連続技ができなくなったりと弱体化した部分も多く、あまり地位は向上していない。
-ダッシュストレート・ダッシュアッパーの時に叫び声をあげるようになりそれが印象的だったため、バルログの「ヒョー」・サガットの「アイガー((「タイガー」の空耳。当時のドラマCDでタイガーショットを撃つ場面で本当に「アイガー」と叫ぶほど有名だった。))」と共にバイソンの「オアー」が親しまれるようになった。

''バルログ''
-金網が落ちて来る演出があるスペインステージでも、バルセロナが金網に行かずに三角跳びになるように。
-壁から水平に飛ぶ新技「スカイハイクロー」が使える様になったのに加え、壁を蹴るまでのジャンプが低く速くなり、バルセロナが当たると倒れる様になった。いわゆるヒョーバルが非常に強くなり、嫌われ役としての地位を確立。
-もう一つの新技「ショートバックスラッシュ」はバックスラッシュの後半部分を省略したような技で、動作が短いぶん隙も少ない。
-新たに追加された通常技も使い勝手が良いものが多く、相対的な機動力はダッシュの水準に戻されており、対戦ではトップグループに入るまでに返り咲いた。
--特に立ち状態の通常技が追加された点はリーチの点でも有利になった。

''サガット''
-タイガーショットの硬直がダッシュ並みに戻り、下タイガーが立ちガード出来なくなった。
-タイガークラッシュの名称が「タイガーニークラッシュ」に変更。1段目が屈んでいる相手に当たるようになり、ヒット時に相手を立ち状態にする効果が付いた。
-タイガーアッパーカットのリバーサル時のガード不能が修正された。
-立ち中・強キックの1段目にキャンセルが掛かるようになり、連続技の威力が向上した。
-対戦では独り勝ちであり、ダッシュやTURBOの頃もそう言われながら実現しなかった「サガット最強伝説」がついに現実のものとなった。

''ベガ''
-ヘッドプレスの擬似技としてパンチを出す「デビルリバース」が使えるようになった。
-通常技も膝蹴りなど新モーションの技が増え、キャンセルが掛かる技も少し増えた。
-ダブルニーの2段目で相手が倒れる様になり、ヘッドプレスやスカルダイバーで削れるようになった一方、サイコの足部分から攻撃判定が消えて「サイコテイル」が出来なくなった。
-対戦ではTURBOよりは僅かに改善したものの、相変わらず弱い。
-余談だがベガのみ、勝利した際の台詞が全て新しいものに変更された。『TURBO』以前より現在のイメージに近い悪人らしい台詞が増え((以前は「俺より強い奴はもう居ないのか…」など武人らしさと哀愁を感じさせるものがあった。))、女性(春麗・キャミィ)相手のものもある((なぜかT.ホーク相手にも言ってしまうというバグがあり、当時「ホーク女性説」が流れた。))。

''本作からの追加キャラクター''~

''T(サンダー)・ホーク''
-ネイティブアメリカンの戦士。開発時はアメリカ出身だったが、ケンにガイルにバイソンとアメリカ代表者が多いためメキシコ出身と言う設定になった。身長はサガットより高く、体重はザンギエフを上回り、両腕を水平に構える独特のファイティングポーズを取る。「ベガに一族を滅ぼされた」という主要キャラクターっぽい設定があるが、この点が注目される事は少ない。
-相手を掴んで振り回して叩きつける、レバー1回転投げの「メキシカンタイフーン」と対空技の「トマホークバスター」、空中から奇襲できる「コンドルダイブ」を持ち、「昇龍拳を使えるザンギエフ」と評されている。
--右から反時計回りに右下までレバーを回転させて1回転と623を同時に入力する事で、投げが成立するならメキシカンタイフーンに、成立しなかったらトマホークバスターが出る「タイフーンバスター」という戦術が非常に強い。
-反面、全体を俯瞰すると通常技性能は低め。但し本作では屈弱Pの連打がバリアになること、近・遠立強Kの判定が大きい上にしゃがんだ相手にも当たる等、一部強力な技が存在する。

''キャミィ''
-英国の特殊部隊「デルタレッド」隊員の少女で、過去の記憶を失っている。金髪で頬に傷があり、赤いベレー帽を被り、ハイレグタイプのレオタードを着ている。エンディングでは実はシャドルーの一員だったことが判明する。春麗とはまた違った魅力で人気を得た。
-地面スレスレを回転突進する「スパイラルアロー」と裏拳を繰り出す飛び道具抜けに使えそうで使えない「アクセルスピンナックル」、対空の蹴り技「キャノンスパイク」を持つ。
-小柄で当たり判定が小さい割にリーチに優れ、前後の移動も速いものの、密着時以外の攻撃力に欠け、めくられ易く、ジャンプのスピードが遅めで迎撃されやすく、跳んで攻めるのも苦手と欠点も多く、サガットやガイルが天敵になっている。

''フェイロン''
-香港のスーパースター。顔、性格、風貌、掛け声等どれをとっても明らかにどこかの映画俳優を意識しているが決して突っ込んではいけない。ついでに[[他社の中国拳法家>ワールドヒーローズ]]にも似てる点にも突っ込むのは禁止。
-コマンドを繰り返し入力する事で2回追加発動できる移動兼攻撃技の「烈火拳」と、当たると相手を燃やす対空技の「熾炎脚」を持つ。
-高い攻撃力と機動力を持つがリーチが短めで、ジャンプも低くゆったり。一瞬の隙をついて懐に潜り込み、威力の高い連続技を叩き込んで相手をねじ伏せるスピードタイプ。

''ディージェイ''
-ジャマイカのカリスマキックボクサーにして人気ミュージシャン。勝利ポーズではマラカスを振ることもある。
-ガイルと同じく全ての技がタメ技で、飛び道具「エアスラッシャー」と回転蹴りの「ダブルローリングソバット」、特徴的な連打技「マシンガンアッパー」を持ち、通常技の性能にも優れている。
-ガイルに比べると通常技のリーチが短い反面、ジャンプスピードがガイルより速かったり、マシンガンアッパーは連続技にも組み込めて全段ヒットするため、めくりからのコンボが強烈と独自の長所があり、「守りのガイル、攻めのディージェイ」とも。反面、飛び道具を持っていながら隙が若干大き目なため、鳥篭に弱い。
-言動や勝利メッセージが派手な割に、印象は地味で顔も濃い不人気キャラであるが、密かに新キャラの中では一番強かったりする。
-余談だが、彼のズボンには「MAXIMUM」と書かれており、左右の向きを変えてもそのままで俗にいう「左右反転の矛盾」((本シリーズであれば向きが変わるとバルログの爪の持ち手やサガットの眼帯が変わるという矛盾がある。(反転させずに正しく作画する手間の省略の他、正しく作画することで却って戦闘動作の描写に不都合が生じるためあえてそうなっている。)上述の「MAXIMUM」が左右のどちらでも反転しないのは、文字自体が左右対称で構成されているからである)。))が起きないようになっている。

#endregion

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**特徴・評価点
''音楽・効果音''
-全面的にPCM音源((CPシステムではFM音源+MSM6295の4chADPCM音源のハイブリット音源だったが、CPシステム2では今で言うバーチャルサラウンド技術の1つである「QSound」を搭載したDSPで最大16ch同時発声可能。「QSound」に代表されるようにPCM音源は開発した会社によって呼称が違うが、これは各社が開発したチップセットや、サンプルの圧縮方法、ひいてはサンプルされた元の音の違い、フィルターの有無等を明示する為の商業用の商標ともいうべきものである。))に生まれ変わり全曲アレンジ。全体として非常にクリアで良く聴こえる様になった。
--新BGMは別の作曲者によるものだが、キャミィステージは従来のものに負けない屈指の名曲として評価が高い。
--従来のBGMについても、キーを変えるなどしてアレンジが図られている。特にケンステージやガイルステージのBGMは非常に格好良くアレンジされた。
--またラウンド1ではBGMが早くならず、終了時も途切れずにラウンド2の決着直前まで通しで演奏されるようになった。

-効果音やアナウンスが全面的に変更された。また、いくつかの必殺技には新たに効果音が追加された。
//各飛び道具の発射音やヨガテレポートの効果音が追加。サガットの必殺技(アッパーカットを除く)には咆哮のようなSEが付けられた。

-キャラクターの声も声優が当てるようになった。
--リュウやダルシムなどは旧作の意匠を残したまま若干甲高くしただけである一方、春麗、ガイル、バルログなどは完全に別物になっている。
--その他もリュウとダルシムの一部が共有している以外は各キャラ毎に固有のボイスが割り当てられた。デザインに合わせてか、リュウとケンの声も初めて区別された((具体的に言うと、リュウが「ハドォ~ケン!!」と伸ばして発音するのに対し、ケンは「ハドウケンッ」と爽やかな印象のボイスになっている。))。
--バイソンの「オアー!」を筆頭として、投げなどで無言だったキャラクターの多くの動作にボイスが設けられた。
--ちなみに、誰がどのキャラクターの声を演じたのかは開発陣曰く、「記録が無くわからない」とのこと。

''グラフィック''
-キャラクターのカラーバリエーションが8色(弱~強のパンチとキック、ボタン押しっぱなし、スタートボタン)に増加した。ダッシュ色(中P)・ターボ色(強P)も残っている。
--トーナメントモードでのカラーの重複を防ぐための措置だが、これを切っ掛けとしてキャラクターカラーが3色以上用意された格闘ゲームが作られるようになった。
--のちの格ゲーシーンでは、プレイヤーの個性としてプレイスタイルのほかに「使用カラー」が注目されていくことになる。

-キャラクターの一枚絵等のグラフィックはほぼ全て一新された。やたらエグかった敗北時のイラストも比較的マイルドになった。
--基本的にはどのキャラも美麗になっているが、異様にイケメンになったブランカやサガットや(肖像権の影響で)脳筋に見えるようになったバイソンなど、それまでのイメージとの乖離が激しいキャラもいる。

-ステージのグラフィックは描き直されつつも元の作りを再現しているが、ケンステージの船が漁船からクルーザーに変更されたり、ベガステージで像を壊すと怒る人が女性から老齢の男性になるなど、一部は変更されている。

-試合中のドット絵自体はほぼ従来のものを踏襲しているが、四天王の新通常技が大量に追加されたほか、既存のグラフィックにも描き直された箇所が多い。
//--春麗は頭部のグラフィックや気功拳のモーションが描き直された。
//--ガイルは全体的に描き直されている。
//--リュウの波動拳や気功拳の弾のグラフィックが一新された。
//--二つある勝利ポーズが似通っていたガイルとバルログは、一つが新しいモーションに変更された。
//--リーチの長い技を出した時に顕著だった影のずれが修正された。
//細かすぎて特筆性に欠けるように思う

-四天王のエンディングは個別のグラフィックが用意された。
--特にバイソンとサガットは本人の個性をより強調した物になり、展開自体も変わっている。例えばサガットは新キャラクターの登場によりCPU戦で必ずリュウと戦うわけではなくなったので、どちらとも取れるように表現が変更されている。
--また、春麗のエンディングには選択肢が追加された。選択次第で後半の台詞以外は「春麗の服装」と「春麗の後ろにいる男の立場」が変化する。

-これまでタイトル画面は登場キャラクターと全く関連の無い人物が描かれていたが、初めて登場キャラクターを露出させた。

**問題点
新基板を投入したにもかかわらず本作が凡作として見られてしまった原因としては、主に以下の2点が挙げられる。
-''ゲーム性の退化''
--TURBOでの高速化やバランス調整に慣れたプレイヤーとしては、ダッシュ以前のプレイ感覚に戻ってしまい、相当な不満を残すことになった。
--対戦バランスもサガットが大差を付けて最強であり、以下リュウ、ダルシム、バルログが続き、最弱は「やはりお前か」のザンギエフであった。TURBOの見事な調整がここにきて崩れてしまった。
---ただしプレイヤーの腕によるリカバリーが全くできない訳ではなく、例として札幌で行われた全国大会予選では、''ザンギエフとバイソンによる決勝戦が行われ、1勝1敗で第3ラウンドまで決着が持ち越された果てに僅差でバイソンが勝利した''という記録が残っている((両者共に最弱争いをしていたキャラであったことと、対戦ダイヤグラム的にはバイソンが圧倒的不利であった。当然ながら会場は大喝采が起きたという。))。
--ザンギエフの上位互換扱いで稼動直後は上位だったホークも対策されるにつれ次第に順位を下げていった。
--また、本作はTURBOと比べて全体的に性能が弱体化したキャラが多い。これは必然的に今まで使えていた技や戦術が減るということでもあり、前述のスピード低下と相まって純粋に爽快感の減少に繋がってしまった。

-''微妙な新キャラ要素''
--旧キャラを使い続けるプレイヤーが圧倒的に多く、新キャラの使用は少数であった。
--人気の面で見ても、当時のゲーメスト増刊における人気投票ではキャミィ以外軒並み低く、嫌いなキャラクターに関してはディージェイを筆頭に上位4位全て新キャラが占めてしまった。
--見た目が普通に格好良く見えるが故に個性が薄く、性能的にも既存キャラクターと似通った要素が強く、総じて目新しさが無かったのが新キャラ4人の人気が伸びなかった要因と思われる。

***その他の問題点
-CPU戦の形式変更
--キャラクターの増加に伴うプレー時間の調整が目的で形式が変更されたCPU戦は、その性質上苦手なキャラクターとの戦闘を避ける事が出来る様になった反面、1クレで全キャラと戦えない事からオールクリアに対する達成感が低下したという意見も少なくは無い。
--もっとも、当時における同形式は本作と『[[ワールドヒーローズ2]]』でしか採用されていなかった為か馴染みが薄く、本作の失敗や同期に稼働した『[[餓狼伝説スペシャル]]』のヒットによって、総当たり形式を継続採用する作品が増加する事になった。

-トーナメント対戦は場所を取る上に、5ラウンドしか対戦出来ない為、ほとんどプレイされなかった。

**賛否両論点
-新キャラクターの紅一点「キャミィ」
--ハイレグレオタードというキャラデザインから、春麗とは違った魅力で人気を得たが、その一方で「ウケを狙ったキャラデザイン」と否定意見を持つ人もいた。
--しかもイギリス代表という設定なのに『I』に登場した「バーディー」や「イーグル」とは無関係かつ立場もバウンサーでなく軍人なのもガイルの二番煎じになってしまった((春麗は通常技の大キックが『I』の「元」と関係ある描写がある中国拳法家なのが『I』を知ってるシリーズのファンからも受け入れられた。))。

-従来からのキャラ性能の変化
--初代ストIIからダッシュを経てターボまでにあったキャラそのものの調整及びバグ修正が行われたことも人気減少の一因としてあった。
例としてリュウ、ケンに存在した小足アッパーといったバグ技の削除、ザンギエフのスクリューパイルドライバーに失敗(スカリ)モーションがつくといったプレイヤーが前バージョンまでに当たり前としていた概念が覆されたことが当時のプレイヤー達の中ではかなり不評であった。
勿論ゲームバランスを整えるという意味では必要なことであるが、プレイヤー自身の爽快感を奪いかねないといった意見も見受けられる。

-ラウンド2以降のBGMの変化について
--前述のとおり、今作ではラウンド2の決着直前になるとBGMが変化するのだが、前作のように十分な音質が確保できなかった時代では遊び要素として好評を博したが、音質の向上した今作においてもこのようなギミックを採用することに対し、ラウンド1から2まで通しで演奏されるようになったのだから最後までそれを貫徹して欲しい、という声もあった。これについてはX以降も変化することはなかった。

**総評
新基板であるCPシステムIIの恩恵をうけて音源やグラフィックが進化したのは良かったが、ゲーム性の退化や新キャラ導入の意味合いの薄さが評価を下げてしまった。

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**家庭用への移植
|ジャンル|対戦格闘アクション|CENTER:&amazon(B000068HM3)|
|対応機種|スーパーファミコン&br()メガドライブ|~|
|メディア|【SFC】32MbitROMカートリッジ&br()【MD】40MbitROMカートリッジ|~|
|販売・開発元|カプコン|~|
|発売日|1994年6月25日|~|
|定価|10,900円(税別)|~|
|レーティング|【VC】CERO:B(12歳以上対象)|~|
|配信|バーチャルコンソール【SFC】&br()【Wii】2007年12月18日/800Wiiポイント&br()【WiiU】2014年6月25日/823円&br;【New3DS】2016年6月7日/823円(税8%込)&br()バーチャルコンソール【MD】&br()【Wii】2011年11月8日/600Wiiポイント|~|
|判定|なし|~|

//&amazon(B000148692)

**概要(SFC/MD)
-SFC版はゲームスピードを4段階から選択可能で、チーム戦モード・専用基板のトーナメント戦を再現するモード・CPUの相手をどれだけ早く倒せるか競うモードなどの追加要素がある。
--やはり容量の都合だろうが、「ROUND○ FIGHT!」のボイスが消され(「YOU WIN/LOSE」の方はある)、ラウンド毎にBGMが途切れる仕様に戻り((早くなるタイミングはアーケード版同様、ラウンド2以降の決着直前。))、ボイスが従来以上にこもって聞こえる。~
ステージ曲のアレンジもされているが、今までの移植版と同様にキーや音色が変わっているものもあり、好みが分かれる。
---北米SNES版のBGMは日本版や欧州SNES版とは異なるアレンジになっている。
--T・ホークの中P投げ後の硬直が短くなった(後述のMD版も同様)、一部のコンボが繋がらなくなった((フェイロンが近立強Pキャンセル強熾炎脚と繋げた場合、キャラによっては熾炎脚の2段目が入らなくなった。))など、ゲーム性がアーケード版と異なる部分がある。
--ケンステージは何故か「緑色の海と青緑色の空」と認識するほど緑成分が強くなっており不自然である(後述のMD版ではさらに緑成分が強い)。また、本田ステージも緑がかっている。
--春麗の頭部など、アーケード版でのドット絵の変更点が反映されておらず『TURBO』以前のものになっている部分がある。

-MD版はSFC版の要素に加えて、ゲームスピードが5段階になり、新たにスコアを競うモードと独自オプションのスーパーモードが追加されている。
--スーパーモードをエキスパートに設定した場合、CPU戦のボーナスゲームが省略され16人全員と戦う、ラウンド毎にBGMが途切れないなど様々な違いがある。
--ハード性能が異なるため、SFC版よりもBGMや色数が劣り、効果音が減ったりダッシュプラス同様しゃがれ声だったりするが、一方でSFC版で削除された一部の音声やグラフィックが残っている部分もある。

-モデムアダプタ「XBAND」に対応しており、通信対戦で遊ぶことも出来た。ただし、MD版は海外のみの対応。
--MD版はバーチャルコンソールでの配信にあたり、オンライン対戦機能が実装されていた。

-両国国技館での大会も本作が最後となっている。~
前々回優勝者のダルシム使い、前回優勝者のサガット使いはいずれも同じキャラを使い、群馬テレビの記者が密着取材を行ったが、両者とも簡単に敗退してしまった。~
「来年はリベンジを果たしたい」と意気込みを語ったが、叶うことはなかった。~
なお今回はリュウ使い((サガットやダルシムも並行して使用していた。))がバルログ使いとの同点プレーオフを制し優勝している。

-2022年『ストリートファイター』シリーズ35周年を記念して、SFC版とMD版の音源をカップリングした[[2枚組サウンドトラックが発売された。>https://www.amazon.co.jp/dp/B0B3MWQNVX/]]


**その他の移植
-X68kとFM TOWNSにも移植された。
--TOWNS版は背景の再現こそ残念だが全楽曲がアレンジされているのが特徴。なお、TOWNS版のアレンジ曲群は後に様々なストIIの移植作品で使用されているのだが、移植ハードがハード故に非常にマイナーな為、殆どのプレイヤーから「3DO版初出のアレンジが多くの機種に移植されている」と大きく勘違いされがちなのが玉に瑕。
--X68000版は当時は唯一であったAC版の「トーナメントモード」も移植されており、X68030以降の上位機種ではソフト起動時に多重PCMドライバが別途読み込まれる。但し、音源の違いからかQサウンド特有の音声効果要素は削除されている((多重PCMドライバについてはX68000版「ストⅡ’」でも同じ仕様となっている。))。

-SS・PSの『ストリートファイターコレクション』に収録されている。

-2018年発売の『[[ストリートファイター 30th アニバーサリーコレクション インターナショナル]]』では、Switch版限定特典として幻のトーナメントモードが収録される事になった。
--実機と同様本体を4台で繋がり、プレイヤーの立場を交代する仕組みになっている。
--これまでのトーナメントモードも含んだアーケード準拠の移植はX68000版しか無く高価格に跳ね上がった為、2018年になってようやく手軽に遊べるようになった。

**その後の展開
-本作でリニューアルされたグラフィックと登場キャラクターをベースに、さらにグレードアップした作品として以下が登場している。
--[[スーパーストリートファイターIIX]]
--[[ハイパーストリートファイターII]]
---初代から『X』までの5つのキャラクター性能が選択可能。当初は家庭用のみだったが、後にアーケード版も稼働した。
--[[ウルトラストリートファイターII]]
---この作品のみアーケード版は稼働していない。

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