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*ネクスザール 【ねくすざーる】 *サマーカーニバル'93 ネクスザールスペシャル 【さまーかーにばるきゅうじゅうさん ねくすざーるすぺしゃる】 |ジャンル|シューティング|~| |対応機種|PCエンジン スーパーCD-ROM2|~| |メディア|CD-ROM 1枚|~| |発売元|ナグザット|~| |開発元|金子製作所、インターステイト|~| |発売日|初版:1992年12月11日&br()SP:1993年7月23日|~| |定価|初版:7,400円&br()SP:4,980円|~| |ポイント|初期版のみの豪華声優陣起用のビジュアルムービー&br()SPはサマーカーニバル最終章、そしてナグザット最後のPCEシュー&br()カネコキャラバンシューと比べると少々物足りない|~| |>|CENTER:&color(black){サマーカーニバルシリーズ}&br()[[精霊戦士スプリガン]]/[[烈火>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/479.html]]/[[アルザディック>サマーカーニバル'92 アルザディック]]/''&color(black){ネクスザールSP}''|~| **概要 -ナグザット(現加賀テック)発売、金子製作所(後のカネコ)及びインターステイトが開発したオリジナル縦シューティング。 -『ネクスザール(初版)』はサマーカーニバルとは無関係。初版にサマーカーニバルの要素を付け加えた『サマーカーニバル'93 ネクスザールスペシャル』がリリースされたという経緯を持つ。 --すなわち、本作は元々サマーカーニバルシリーズとして製作された訳ではなく、シリーズの中でも異色の経緯を持つ存在であった。 -金子製作所、インターステイトといえば、過去にハドソンのキャラバンシューティングである『スーパースターソルジャー』『スターパロジャー』の開発を担当したメーカーであった。 --キャラバンシューに関与しているカネココンビが、同じ路線を持つサマーカーニバルにも関わっているのが実に興味深い。 --ちなみに初代サマーカーニバル公式認定ソフトである『精霊戦士スプリガン』開発のコンパイルも、かつてはキャラバンシューの一作である『ガンヘッド』を開発していた過去がある。 -一人プレイ専用。メインモードは全7ステージ構成。ソフトによる違いは下記にて。 **初版とSPとの相違点 -SPは初版より価格がリーズナブルとなっている。 -初版ではバックストーリーを描いたビジュアルシーンがオープニングデモにて流されるが、SPではそれが丸々カットされている。 -SPには新たに「カーニバルモード」が追加され、二種類のルールによるステージがプレイ可能となった。 -初版のメインモードではオプション項目にて難易度調整を三段階が可能だが、SPはそれに加え隠しとして難易度が一つ追加されている。 --なお、各版共にイージーに該当する難易度はなく、カーニバルモードでは一切の難易度調整は反映されない。 **主なルール -操作系統。 --主な操作方法は、十字キーにて自機の八方向移動操作、ボタンは各自、ショットボタンのみに使用する。 ---ショットボタンにてメインショットとサブショットを同時に放つ。ボタン押しっぱなしのオートで放出可能。 ---ショットボタンはIボタンとIIボタンの両方共に対応しているが、効果はどっちのボタンでも全く同じである。 ---すなわち、''本作は自機移動とショット以外の操作は全く存在しない''。 -アイテムについて。 --時折支援機が現れ、アイテムを落とす場合がある(SPのカーニバルモードでは、特定敵を倒すとアイテム出現)。 ---アイテムの効果は主に、自機のショット強化が重心となる。 ---メインショットは始めから自機が放てるショットだが、アイテムを取得する事でより強力な性能となる。 ---サブショットは初期の自機には搭載されておらず、アイテムを取得する事によって放てる様になる。 ---本作には重ねパワーアップという概念はない。いずれかのメインかサブショット関係のアイテムを取得した時点で最強装備である。 --アイテムの効果を以下に示す。なお、アイテム効果ではないが初期装備のメインショットも表記する。 --メインショット関係(赤) ---(初期ショット)…自機初期状態のメインショット。攻撃範囲が狭く、連射性能もあまり優れているとはいえない。 ---「ラピッドショット」…攻撃範囲は狭いが、一度に8連射が可能な攻撃力の高いショット。 ---「ワイドショット」…直進と左右斜めの三方向に攻撃が可能だが、一度に3連射しか発射できない攻撃範囲重視ショット。 --サブショット関係(緑) ---「クラウルミサイル」…自機の限りなく横に近い斜め方向に、敵に当たると爆風を巻き起こすミサイルを左右二発発射する。壁に触れると、それに沿って前方に進む特徴がある。 ---「ガイデッドファイヤー」…自機後方に二発、すべての敵や壁を貫通する性能を持つホーミングレーザーを発射する。 ---「ファンネル」…敵を発見するとそれに体当たりをしながら攻撃を放つ、攻撃型オプションを二つ付ける。 ---「レーザー」…自機斜め方向に左右二発、すべての敵や壁を貫通する性能を持つレーザーを放つ。 --その他のアイテム ---「シールド」(青)…敵からのダメージを一回だけ防ぐシールドを自機に付ける。重ね取りによるシールドストックは不可。 ---「スコア」(紫)…SPのタイムアタック限定で出現。スコアアップの効果。 -ミス条件について。 --敵・敵弾・地形に触れる事による一撃ミス(シールド効力時は除く)の残機制。ミス後は戻り復活となっている。 ---ミスすると取得していたアイテムの効果は消失し、初期状態に戻ってしまう。 --コンティニューは無制限で可能だが、そのステージの最初から挑まなければならない。 -カーニバルモードについて。 --SP限定のカーニバルモードについてのルールは下記の2種類が存在する。 ---「スコアアタック」…2分間でどれだけのスコアを稼げるかを競う。 ---「タイムアタック」…スコアが100万点に達するまでのタイムを競う。5分を越えてしまうとリタイアとなってしまう。 **評価点 -気合の入ったオープニングのビジュアルシーン(初版)。 --初版限定のオープニングビジュアルシーンがなかなか頑張っている。ちょっとした有名SFロボットアニメのプロローグを彷彿とさせる。 ---主人公のパイロット役にアニメ「機動戦士ガンダム」のアムロ・レイ役などで有名な古谷徹氏を起用。 ---ビジュアルシーンでは「戦闘中に相方のヒロインを強敵によって亡き者とされ敗戦に追い込まれた主人公が、単独で惑星奪還と彼女の弔い合戦を目的に敵軍に挑む」といったストーリーが描かれている。 ---悲壮的なストーリー設定や、「ヒロインを葬った強敵が''素早い動きの赤いロボット''」という点からして、どことなく雰囲気がガンダムっぽい。 -シューティングゲームとしては純粋に良作。 --カネココンビ開発だけあって、シューティングとしての完成度は普通に高い。 ---撃つ楽しさを避ける楽しさを両立させた面白さは本作でも健在。敵配置もしっかり練られており、至って丁寧に作られた印象。 ---攻撃方法が1ボタンショットのみというPCEシューティング全般からみてもシンプルすぎる操作だが、それ故に「単純明快に派手なショットを撃ちまくる爽快感」を強調している。 ---これといった荒さもクセも少なく、サマーカーニバル製の中でもそつなくまとまったシューティングというべきだろうか。 --カーニバルモードも普通に完成度が高い(SP)。 ---絶妙に敵配置が組み込まれたステージ構造となっており、何度でもトライしたくなる魅力を持つ。サマーカーニバルシリーズ最高と称される程の出来栄え。 -極めて優秀なグラフィック、BGM周りのクオリティ。 --ひたすらに書き込まれたグラフィックデザインは一見の価値あり。 ---きっちりとSF調の世界観が緻密に描け、自機と敵の双方共にデザインセンスはハイレベルである、 --神曲だらけのBGM。 ---BGM関連も良曲揃いで聞き応えのある楽曲が用意されている。CD音源の恩威もあり、プレイを盛り上げる事は必至である。 ---オプション項目にてサウンドテストも可能(但し、SPではカーニバルモードのBGMが何故か聴けない)。 --ショットや敵を豪快に破壊する効果音はCD音源を使用しており、当時のアーケードゲームに匹敵する位にかっこいい音が大きく響き渡る。 //工事中。問題点より以下の文章位置変更も近日行う予定 **問題点、及び賛否が分かれそうな点 -初版はカーニバルモードが存在せず、SPはビジュアルシーンがない。すなわち双方とも、「完全版」という存在とはいい難い。 --また、ビジュアルシーン自体の長さはあまりないので、純粋にビジュアルシーン重心で楽しみたいプレイヤーからしてみれば、あまり魅力のある存在とはいえないだろう。 --SPにはビジュアルシーンが(もちろん声優陣の演技も)ないにも関わらず、何故かスタッフロールに声のキャストなどのクレジットが表記されている(修正ミス?)。 -メインステージが若干ボリューム不足。全7ステージ中、ステージ2の構造が他ステージより短く、ステージ7はボス戦オンリーな為、意外と短時間でクリアできてしまう。 --カネココンビのキャラバンシュー二作は、共に8ステージ構成で全ステージ共にまとまったボリュームを持っていた故に、経験者からすれば本作のボリュームの短さが目に付いてしまうのだ。 --但し、キャラバンシュー二作は構造が長くてやや間延びを感じるという意見もあるので、本作位のボリュームの方が遊びやすいという声もあるし、決して極端なボリューム不足ではないという事も付け加えておく。 -ショットのみというシンプルな操作法でボンバーのような救済行動もないので、必然的に難易度は高くなっている。また、ミス後は初期状態からの戻り復活であるが故に、復活が困難な場面も多い(特に最高難易度の「ひで~ぜ」はかなりきつい)。 -アイテムのグラフィックがぱっと見で判別し辛く、激戦区では何のアイテムが落ちているのかが見極めにくい。 -SFな世界観故に背景が黒である事が多く、外見的に若干地味である。良くいえば硬派、悪くいえば新鮮味が薄いというべきか。 -BGMの曲数も同時期のPCエンジンシューティングの中でも少なめな方。キャラバンシュー二作よりかは、明らかに曲が少ない。 --カーニバルモードのBGMは2ステージ共にほぼ同じ曲((正確にいえばタイムアタック曲はスコアアタック曲のロングバージョンというべき存在))である。SSSはキャラバンステージにより2つの専用楽曲があり、スタパロに至っては4つの専用楽曲が用意される大盤振る舞いだった。 **総評 -シューティングとしての完成度は普通に高く、そういう意味では良作レベルに指定してもおかしくはない出来である反面、ボリューム面としてはもうちょっと頑張れたのではと思える物足りなさは感じてしまうところ。SPはカーニバルモードの追加により、その辺はある程度強化されている。 -ビジュアルシーンは単独では力が入っているものの、所詮はおまけ程度の存在でしかなく、「これを入れる位ならゲーム本編のボリュームを強化した方が良かったのでは?」という声もあった模様。しかし、SPではそのビジュアルがなくなってしまい、それはそれで批判があったのだが。 -残念ながら、SPがナグザットがPCEにてリリースした最後のシューティングとなってしまった。また、サマーカーニバルも翌年の予告があったにも関わらず([[参照>http://web.archive.org/web/20080202233652/http://www33.ocn.ne.jp/~gimmeshelter/Contents_Blue-Room/BlueRoom.html]])((移転先はhttps://sites.google.com/site/paintity/homeだがサマーカーニバルの記事は現在移転されていない))本作で終焉を迎えた。93年以降はかつて繁栄を極めた、PCEシューティングの新作リリースが激減する運命となる…。