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シティコネクション - (2020/11/05 (木) 00:26:26) の編集履歴(バックアップ)


シティコネクション

【してぃこねくしょん】

ジャンル アクション

:※画像はファミコン移植版
対応機種 アーケード
発売・開発元 ジャレコ
稼動開始日 1985年
レーティング CERO:A(全年齢対象)*1
配信 アーケードアーカイブス
【PS4】:2014年10月2日/823円(税込)
【Switch】:2018年7月19日/823円(税込)
判定 なし
ポイント 車道系ドットイート
非常にクセのある操作性


概要

1985年にジャレコがアーケードにリリースしたサイドビューのアクションゲーム。ジャンル的にはドットイートに該当する。

15歳のスピード狂少女・クラリスの駆る愛車クラリスカーを操作し、理想の男性を求めて行く先々の国でパトカーに追われつつハイウェイを爆走する。
二人交互プレイ可能、全12ステージ構成、周回ループ制。

ゲーム内容

  • ドットイートの亜流作の一つであり、車を走らせて目標(ドットイート)を達成していくという独特な要素が組み込まれた作品。
  • 真横視点のフィールドで各ステージには4つの段差で構造された車道が設置されており、クラリスの乗車する車(以下、自機)が道路を通過すると、その部分が塗りつぶされる。すべての段差を塗りつぶす事がこのゲームのステージクリア条件。
    • 自機は左右に走らせると絶えずスクロールするが、一定区間を走らせると車道の繋ぎ目がループし、エンドレスでスクロールし続ける。
  • 残機制で、全ての残機を失うとゲームオーバー。
    • ミス条件は「自機が直進中のパトカー、猫、タケノコに触れる」となっている。
    • また、ミス後の復活においては、敵は初期状態に戻っているが、塗りつぶされた道路はそのまま維持される。
  • 各ステージのBGMはチャイコフスキー作曲の「ピアノ協奏曲第1番変ロ短調第1楽章」のアレンジが使用されている。
    • メインとなる第1ステージのBGMを基に、各ステージ毎に異なる曲調にアレンジされたものが流れる。
    • 猫に触れる(というか轢く)と「ねこふんじゃった」の楽曲が流れる。笑顔のまま斜め上に吹っ飛ぶ猫の様子も相まって妙に印象深いものとなっている。

操作方法

  • レバーで自機の左右もしくはジャンプ中の制御操作、ボタン2つは各自ジャンプボタンとオイルボタンに使用する。
    • ドットイートゲームであるため、自機は一切の停止行動ができない。また、走っている方向と逆にレバーを入れると、特有の慣性と共にウィリー*2がかかり一時的な隙ができる。
    • ジャンプボタンで上の段差車道にジャンプする。ジャンプ中にレバー左右を入れると自車の制御が可能な他、レバー上とジャンプボタンを押せば、通常よりも高く跳ぶハイジャンプも可能。
      • このジャンプにも特有のクセがあり、言葉で言い表すならば「ふわっと跳ぶ」といった感じ。よってジャンプのタイミングに慣れないと、まともにジャンプする事すらおぼつかない。
      • また、ウィリー中は一切のジャンプができない為、必ず自機を走らせている状態でジャンプボタンを押す必要がある。
    • オイルボタンを押すと自機前方にオイル缶を投げる。それをパトカーに当てればスピンさせられる。
      スピン状態のパトカーに自機が触れると吹き飛ばせるのと同時にスコアボーナスが貰える他、スピンさせた2台以上のパトカーを同時に吹き飛ばせばさらにスコアが増える。
      • スタート時は5個持っているが、ステージ内に設置されたオイル缶を取ればストックが増える。

このゲームに出現する敵は主に3種類存在し、どれも各ステージ内に無限に湧く。

  • 「パトカー」
    • 本作のメインの敵で、複数で走り回っている。ステージによってパトカーの形が違うが、性能差はない。
      但し、ゲーム開始直後から数えて通算通過距離が一定以上になると、自機の真正面に猛スピードで突っ込んでくるパトカーが現れる。(通称:カミカゼパトカー)
      オイルを当てるとスピンするのは先述の通り。
  • 「オジャマ猫」
    • なぜかチェッカーフラッグを持って笑顔のままその場に佇んでいる。オイル缶は効かない。
  • 「タケノコ」
    • 自機が同じ段差の車道に長時間留まっていると出現する。猫同様、その場からは動かずオイル缶も効かない。

各敵は姿が見えなくなるまで画面をスクロールさせると、その場から消えるという特性があり、倒す手段のない猫とタケノコは、この方法で消す事が可能。

アイテム

本作のアイテムはオイル缶のほかに風船がある。風船を3つ集めるとそのステージは強制クリアとなり、ランダムで先のステージへとワープする。出現数は少ない。

評価点

  • 他のドットイート作品同様、ルール自体は「単に道を塗りつぶせばクリア」という至ってわかりやすいものとなっている。
  • 世界各国の名所が舞台となっており、各ステージごとに旅情感溢れる景色が楽しめる。
    • 例えば、ステージ1のアメリカでは自由の女神、ステージ8の北京では天安門広場、ステージ9の日本では富士山といった背景が存在し、「まさに世界を旅(というか暴走)している」実感を得られる。
  • 自機や敵などのコミカルな動きが可愛らしい。そののほほんとした雰囲気もまた本作の魅力と言えるだろう。

問題点

  • ルール自体はわかりやすい一方で、ゲームの自機の操作感覚がかなり独特。
    • 「左右の向きを変えるだけでウィリーの隙が発生し、直感的に操作し辛い」「ジャンプがふわっとし、上車道に上がるのも一苦労」などのクセを持っている。よって、ただ道を全部塗りつぶせば…と軽い気持ちでプレイすると、最初のステージすらもクリアできるかどうか怪しい程の難易度に仕上がっている。
    • とはいえ、このクセのある操作性もゲームバランスの一環であり、むしろ操作に慣れると他の同時期のゲームでは味わえない面白さが堪能できる。そういう意味ではスルメゲーの一面を持っていると言えるだろう。
  • 敵やアイテムの種類が少なく、真横視点の多段フィールドというステージデザイン上、自機が走行するフィールドの配置も変化に乏しいゆえに、ステージのバリエーションが豊富とは言えない。

総評

クセの強い操作性により、若干とっつきにくい内容になってはいるが、慣れてしまえばなかなか面白いのが本作の侮れないところ。特別出来がいいものでもないが、暇潰し感覚でプレイするのもまた一興。


家庭用移植

家庭用移植には割と恵まれている方で、特にファミコン版はVCでお手軽にプレイできるので、ぜひ旅情感溢れるカーチェイスを楽しんでみてほしい。

  • シティコネクション(FC版 1985年9月27日発売、ジャレコ)
    • グラフィックが幾分か簡略化され、ステージ数がAC版の半分である全6ステージに削られているが、ゲームとしては普通に遊べる出来。BGMは2種類のみになり、奇数・偶数で交互に変わるようになっている。
    • AC版では道の塗りつぶしが1ドット単位だがFC版は1ブロック(8ドット)単位なので、塗り残しの把握がしやすい。
      • NES版では、クラリスが男性に差し替えられている。
  • シティコネクション(MSX版1986年発売、ジャレコ)
    • FC版同様6ステージ構成となっている。ハードウェアスクロール機能のないMSXでは仕方のないことではあるが、ゲームとしてみてもFC版よりも移植度が低い。
  • シティコネクション(バーチャルコンソール版/F 配信開始日-2008年3月11日 要500Wiiポイント)
    • FC版を配信。
  • ジャレココレクション Vol.1(プレイステーション、2003年10月23日発売、PCCWJ)

続編

  • シティコネクション ロケット(携帯アプリ 2004[i][S] / 2006年9月[BREW])
    • AC版の後日談的なストーリーが追加されており、AC版にて、カーチェイスの後に警察の説得を受けて投降し、紆余曲折を経て国連のエージェントとなったクラリスが、秘密結社に奪われた「超機密書類」の奪還のため再びクラリスカーを駆って爆走するという設定になっている。
    • クラリスカーは(魔)改造が施されて攻撃力が強化されており、新たに搭載されたロケットエンジンによる高速飛行&体当たりの他、オイル缶はホーミング機能付きのオイルミサイルとなっている。

余談

  • イギリスステージの画面手前側に描かれた柵のところに、『うる星やつら』のラムと思しき人物が佇んている。
  • ジャレコ作品の全IPを保有する企業である「株式会社シティコネクション」の社名は、本作が由来となっている*3
    • また、同社が運営しているゲームミュージック専門レーベルの「クラリスディスク」の名も、本作の主人公であるクラリスにちなんで名付けられている。
  • ジャレコキャラが大分アレンジされて一堂に会するシューティングゲーム『ゲーム天国』では、プレイステーションリメイク版『GUNばれ!ゲーム天国』にてクラリス(CV:吉田小南美)がクラリスカー共々出演している。
    • しかしその姿は怪しい日本語と英語を話す金髪ショートカットの巨乳少女という、原作とは似ても似つかないキャラになっている。
      • というのも、本来であれば後から原作準拠の「真のクラリス」を登場させる予定であり、このクラリスはそのネタの前フリだったのだが、同作のシリーズ展開が頓挫した為に真のクラリスの登場はお蔵入りになってしまったという経緯がある。
    • その後、同作が『ゲーム天国 CruisinMix』(PS4、Steam、Nintendo Switch)として復活した際、約20年もの時を経て「クラリス(真)」(CV:丹下桜)の参戦が果たされる事になった*4。作中でもPS版のクラリスを偽物扱いするなど、しっかりネタを拾っている。