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ティップタップ - (2015/09/07 (月) 10:48:09) の編集履歴(バックアップ)


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ティップタップ

【てぃっぷたっぷ】

ジャンル アクション
対応機種 アーケード
発売元 セガ・エンタープライゼス
開発元 セガ・エンタープライゼス
池上通信機
稼働開始日 1983年
判定 なし
ポイント セガ版ドンキーコング
キャラの位置把握が困難なクォータービュー


概要

1983年にてセガ・エンタープライゼス(現:セガ)からアーケードにリリースしたアクションゲーム。海外版のタイトルは『Congo Bongo』(コンゴボンゴ)である。
当時としては珍しい、クォータービューの固定画面アクションとなっている。セガにとってクォータービューを採用したACゲームは1982年にリリースしたシューティング『ザクソン』に次いで本作が2作目となる。ちなみに『ザクソン』の開発も池上通信機である。

「キャンプ中に寝ているところをいたずらゴリラに放火され、自身も燃やされて怒り心頭な探検家を操り、ジャングルにて余裕しゃくしゃくでくつろいでいるゴリラに復讐する」という、やたら殺伐としたストーリー設定となっている。

一人~二人交互プレイ可能、全4ステージ構成のループ制。

ゲーム概要

操作

  • レバー+1ボタン操作。レバーにて探検家の四方向移動、ボタンでジャンプを行う。
    • このゲームは上記の通りクォータービューとなっている影響で、直感的に探検家の操作がし辛い仕様となっており、それを踏まえた移動のさせ方が重要となる。
    • ジャンプは突進する敵を回避したり、落とし穴や川辺を飛び越えたりする動作となる。これまたクォータービュー故にジャンプの位置が分かり辛いので注意。
    • なお、このゲームには敵を倒す手段は一切なく、迫る敵などに対しては回避するしかない。

ステージ構成

  • ステージ内にはいくらかの仕掛けがあり、クリアするにはそれを利用する必要がある。下記詳細。
    • 各ステージにて存在する崖の近くでその方向のレバーを入れるとそこによじ登って上の地形に進める。但し、よじ登り中は若干の隙が生じてしまう。
    • ステージ1にてたむろする猿に触れると探検家の移動速度が低下し、猿3匹に一斉に触れられると谷底に捨てられてミスしてしまう。猿に触れられた状態でボタンを3回押せば猿を振り切る事が可能。
    • ステージ3限定で存在する隠れ穴(落とし穴ではない)に入ると、突進してくる敵に触れても隠れている扱いとなりミスを免れる。但し、穴の中にモグラが潜んでいる場合があり、穴の上に押し出される事もある(モグラそのものは触れてもミスにならず)。
    • ステージ2~4にて川辺内を移動する動物がおり、ジャンプにてタイミングよくそいつに乗る事ができる。いわば動く地形的な役割であり、そいつ自身はミス対象ではない。もちろん着地のタイミングを誤ると川辺に落っこちてミスとなってしまう。

クリア条件

  • 探検家を操作して画面奥にいるゴリラの元へたどり着けばステージクリアとなる。ゴリラまでの道のりにて獰猛な敵や落とし穴に遭遇するので、それをかわしながら進む必要あり。
  • ステージ4の倍数をクリアすればゴリラに復讐を果たしてエンディングとなり、周回にて少し難易度の上がったステージ1からのループ再開となる。

ミス条件

  • 残機制の戻り復活ですべてなくなるとゲームオーバー。ゲームの登場時代の関係上、コンティニューは搭載されていない。
    • ミス条件は以下の通り。
      • 探検家が獰猛な動物や落下石に触れる(ミス対象ではない動物もいる)。
      • ステージ1の猿3匹すべてに触れる(2匹以下では移動速度が低下するだけでミスにはならない)。
      • ジャンプをし損ねて落とし穴や川辺に転落する。もしくは段差の高い崖から下に転落する。
      • 画面上部に表示された制限時間が0になる。

評価点

  • 1983年のゲームとしてはグラフィックが非常に華やかで、ジャングルらしさが繊細に描かれている。
    • ちなみに探検家とゴリラは何故か赤鼻で妙に間抜け面であり、ストーリー設定の物騒さに反してあまり緊張感がないシュールな外見となっている。
  • BGMに関しては、ステージのメイン楽曲はコンガを多用した原始的な雰囲気を醸し出し、ステージクリア時の楽曲はノリのいい明るい楽曲が流される。
    • ステージ4クリアにてゴリラに放火した時の楽曲は無駄に爽やかで別の意味で恐怖である。とりあえず、放火はダメ、絶対

問題点

  • 探検家は一切の攻撃手段を持ち合わせていない上に、クォータービューであるが故に視覚的な面で難易度が高い傾向にあり、クリアするには地形などの状況を把握できる位の馴れが必要かもしれない。
    • とはいえ、各ステージの道のりは非常に短く、慣れてしまえば驚く程に淡々とクリア可能であり、熟練を要した場合の一周あたりのクリア時間は3分もかからないと思われる。当時の時代的に仕方がないとはいえやはりボリューム不足感は否めないところか。

家庭用移植

  • SG-1000版(1983年発売、セガ・エンタープライゼス)
    • ゲームタイトルが『コンゴボンゴ』に変更された移植。上記概要の通り、コンゴボンゴとはAC版の海外タイトルである。
    • ハードスペックの関係上、クォータービューではなくトップビューに近いものとなり、視覚的にプレイしやすくなっている。
    • また、ゲームそのものもかなりの変更があり、よりドンキーコングに近い内容となっている。
  • オムニバスソフト
    • SEGA AGES 2500シリーズ Vol.23 セガメモリアルセレクション(プレイステーション2、2005年12月22日発売、セガ)
      • 『ヘッドオン』『トランキライザーガン』『ボーダーライン』『どきどきペンギンランド』とのカップリングで、各作品のオリジナル移植版とエイジス専用のアレンジ版の計10作品が収録されている。
      • なお、オリジナル移植はAC基準であるもののゲームタイトルはティップタップではなく『コンゴボンゴ』としての収録となっている。これはセガ自らが「知名度的にコンゴボンゴの方がふさわしい」と判断した為の変更となった。

余談

  • 主人公がおっさん容姿の探検家でボスが巨大ゴリラ、それでいてステージのクリア条件が「奥に潜むゴリラの元までたどり着く」という目的なところから、本作はセガ版ドンキーコングと例えられやすい。
    それもそのはず、開発元は『ドンキーコング』と同じ池上通信機である。それ故、画面の所々に池上通信機っぽさ…というか、ドンキーコング臭が漂っている。
    ゲーム性もドンキー同様、固定画面にて「奥にいる目標まで達成する」という類似点があり、おそらくは製作者側もあちらを意識して作ったといわれているが、同じ池上通信機なので意識してのことなのだろう(ドンキーに似すぎないようにという線引きまで含めて)。
    --一方で、ストーリー内容自体は前述の通り似て非なるものであり「よくも俺に火付けやがったな放火ゴリラめが! 次は貴様が炎に焼かれる番だ!」(意訳)と自分自身の復讐という凄まじく生々しい設定となっている。
    --実際、ステージ4クリア後のエンディングは、「探検家が寝ているゴリラに火を放ち、苦しみもがくゴリラの前で喜びの笑みを浮かべる」というサスペンスドラマ並みのカオスな結末となっている。
    確かに復讐したくなる気持ちはわからなくもないが、わざわざ獰猛な動物をかわして死と隣り合わせな足場の不安定な地形を掻い潜ってまでゴリラに復讐する執念はある意味狂気であるように思えるのだが…。
    • ちなみに、池上通信機は任天堂によるドンキーコング基板の複製に対する無許可の契約不履行を理由とした著作権侵害の賠償請求を巡って裁判沙汰を起こして*1おり、一連のトラブルによって任天堂から離れたという経緯がある。(その後セガと組んで作られたのが本作である)
      そのことを踏まえると、「任天堂への復讐をプレイヤーに代行させている」という見方もできなくはない、か・・・。