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ましろ色シンフォニー ~Love is pure white~ - (2016/08/20 (土) 22:04:48) の編集履歴(バックアップ)


注意:このページでは『ましろ色シンフォニー ~Love is pure white~』と、移植版『ましろ色シンフォニー *mutsu-no-hana』を併せて紹介する。判定はいずれもなし。



ましろ色シンフォニー ~Love is pure white~

【ましろいろしんふぉにー らぶいずぴゅあほわいと】

ジャンル アドベンチャー
対応機種 WindowsXP/Vista
メディア DVD-ROM 1枚
発売元 ぱれっと
発売日 2009年10月30日
定価 8,800円(税別)
セーブデータ 110箇所
判定 なし
レーティング ソフ倫: 18歳未満禁止
ポイント イチャイチャ展開が多い
ストーリーもシナリオも分かりやすいのでエロゲ初心者向け

―恋の色はしろいいろ。 "二人の色"で染めてゆける、無垢で、純真な、しろいいろ。


WARNING!!!!!!!

Win版は18歳以上のみ対象のアダルトゲームです。


概要

アダルトゲームブランド「ぱれっと(株式会社クリアレーヴ)」による9作目。同ブランドの作品としては珍しく外部スタッフが中心となって制作された。
原画はフリーの和泉つばす(代表作はfengの『青空の見える丘』『あかね色に染まる坂』)、シナリオは同じくフリーの保住圭、北川晴、おるごぅるの3名が担当した。

略称は『ましフォニ』など。

ストーリー

いたって普通の学生である瓜生新吾(うりゅう しんご)の通う学校が、近隣の名門で共学化を検討していた女子学校と統合実験を行うことになった。
新吾は仮統合組のメンバーの一人としてその名門校に通うこととなったが、向こう側の女生徒たちの多数は統合に懐疑的で特に男子について拒否反応を示していた。
試験クラスの雰囲気は当然のように最悪で、そんな空気に堪えられない性分の新吾は何とかしようと考えるのだった。

主要登場人物

  • 瓜生新吾(うりゅう しんご)
    • 主人公。周囲の雰囲気が悪いのに堪えられず、何かと苦労を背負い込みやすい人物。統合実験のメンバーとしてお嬢様学校に仮編入される。
  • 瀬名愛理(せな あいり)
    • 新吾達が統合実験で通うことになった名門女子校の2年生で、学園長、蘭華(らんか)の一人娘。しかし母親の進める共学化には猛反対している。
    • 成績優秀、容姿端麗で面倒見もいいのだが、外様の新吾に対してはもとより他の人に対しても変に一線を引いている部分がある。
  • 瓜生桜乃(うりゅう さくの)
    • 新吾の一つ下の妹で、兄と同じく共学校から仮編入される。
    • 女子にしては背が高いのを多少コンプレックスに感じている。無口かつスローテンポな口調だが言うことは的確。
  • アンジェリーナ=菜夏=シーウェル(あんじぇりーな・ななつ・しーうぇる)
    • 女子校側の2年生で日英ハーフ。何故かメイド服着用で学内の実務にも通じている、自称「野良メイド」。
    • 底抜けに明るく騒がしいが一言多い。さらに神出鬼没で学内のどこからでも現れる。
  • 天羽みう(あまは みう)
    • 女子校側の3年生だが統合には関わっていない。謎の生き物「ぱんにゃ」といつも一緒にいる。
    • 非常に穏和で癒し系の性格。怪我をした野生動物を保護し、山に還す活動、通称「ぬこ部」を学内で行っている。
  • 乾紗凪(いぬいさな)
    • 女子校側の2年生で最初は面倒見が良いのだが、実際は猫を被っており男嫌い。新吾に対しても「クズムシ」と呼ぶ。「ぬこ部」の一員であり、みうの事を慕っている。
    • 攻略できないキャラにもかかわらず人気投票で1位を獲得し、後述の移植版では新規ヒロインに昇格した。新規シナリオにおいては動物や年の離れた弟に対しての面倒見の良い部分などが描かれている。

特徴

  • ライター3人体制のためヒロインごとにシナリオの性質がかなり異なる。
    • 愛理及びアンジェのシナリオは保住圭が担当。そのために個別シナリオでは日常、エロシーンともに派手なイチャイチャを繰り広げる。
      • 愛理は愛理で、一見ツンデレ風だがツン要素は個別の入り口辺りでほとんど消えてしまい、自覚なき初恋に振り回されたり、少しトラブルになると泣いてしまったりするダメ子ぶりをだだもれにしてしまう。
      • 殊更アンジェはメイドという立場によって公然と同棲状態に突入し、自宅においてもラブムードを振りまく。
    • 桜乃のシナリオは北川担当。公式に「連れ子同士」という設定があるにもかかわらず、近親相姦タブーを匂わせる描写が非常に多い。
      • ただし、一口に言えば暗くギスギスしており、他のシナリオがどちらかと言えば平和であるために雰囲気のギャップが大きい。
      • 妹系になると「義理だからいーじゃない」な能天気ムードになりやすい風潮がある中、敢えての挑戦とも取れる。
    • みうのシナリオはおるごぅるが担当。どちらかと言えば泣かせ寄り。ただブランド過去作『もしも明日が晴れならば』のようなあからさまなお涙頂戴ではない。
      • しかしみうと新吾の1対1の描写においてはラブコメ寄り。またおるごぅるは変態的なエロ描写に定評があり今作でもそれは発揮されている。
  • サブも含めてキャラ立ちはきっちりしており、個別シナリオ外で空気化するようなことはまずない。
    • ただ桜乃と愛理は個別とそれ以外とでのギャップが著しく(桜乃は後述、愛理は脇役としては頼れる同級生なのに個別だと上記のダメな子)、困惑の声も。
  • 分岐は単純。愛理以外のヒロインに関する二択×3、愛理を除いたヒロイン三択の計四つのみ。
    • ただし愛理に分岐したい場合、他ヒロイン3人に選択を偏らせないよう注意。
  • イベントCGはあまり多くないが、代わりに拡大縮小機能や後ろ向きのグラフィックなどを用いた立ち絵での見せ方は優れている。
  • ライターの違いもあるが、ぱれっと過去作品に比べて主人公は普通。少なくとも意図的に不快に見せられている(キレやすい、優柔不断など)訳では無い。
    • ただし何かにつけて周り優先で、自己主張の少ない点を批判的に見られることもある。

評価点

  • 個性溢れるキャラクター達の日常シナリオは、見ていて楽しい。
  • どのルートのシナリオもシンプルで理解しやすい。分かりにくい点はほぼない。
  • 選択肢が少なくルート分岐も分かりやすいため、全ルートを回るのが安易。
    • このような点から、エロゲー未プレイ及び初心者にもおすすめできる。

問題点

  • 愛理以外のシナリオで学園統合の話が脇におかれる。
    • 特にみうのシナリオでは、話の軸がみうの行っている活動へ移動してしまうため、学校云々はほぼ無関係となる。
    • 肝心の愛理のシナリオでも、結局愛理個人の話に流れてしまっているが。
    • もっとも共通部分の時点で雰囲気が緩和される上に、一番反対していた愛理の態度が軟化している為、基本的にあえて取り上げる必要がなかったりする。
  • 紗凪の扱い。
    • 他シナリオにおいては悪友ポジションの域を出ない(ただし桜乃のシナリオにおいては下世話な面が過剰に描写されがちな点がある)が、みうのシナリオにおいては準ヒロインというべき立ち位置を与えられている。
      • 心理描写の点においては途中までは紗凪>みうの比率であると言っても過言ではなく、それにも関わらずあくまでサブキャラであり攻略不能になっている。
      • しかもその内容は 新吾に恋するも全く異性と意識されず失恋、しかも新吾がみうと結ばれた時点と並行でそのシーンが描かれたために悲劇性が強調される (反転)というもので紗凪ファンから嘆きの声が上がった。
      • 上の紗凪に限らず、みうのシナリオではみうの母である結子(冗談交じりに娘の彼氏を誘惑)や謎生物のぱんにゃが目立っている。ただ、扱いがおざなりという訳ではなく、他ヒロインと違ってみうとの関係に障害等は無い*1のもあって、一番素直でかなり甘々なシナリオが楽しめる。キャラ的にはともかく、本作のシナリオ上の高評価な部分はほぼみうルートが占めている。
      • みう自身もかなり強烈なキャラになっていて人気があり、あるイベントと主人公の夢のせいで蛇口先輩と言う異名で親しまれている。
  • 愛理及びアンジェのシナリオでは、前半部分は2人の関係のあり方について悩んだり試行錯誤したりする程度しかないシーンが多く、後半は後半でほとんどノロケ日記であるため起伏がなく、更に話そのものもイチャイチャありきでディテールが詰められていないのであまり評価が良くない。
    • 他にもこの二人の設定は「愛理が母親と反り合わない理由や統合に猛反対していた理由を端的に言うとただのワガママ」「アンジェがカチューシャを取られると錯乱するのは無茶設定過ぎる」など、突っ込めばキリがない。
    • 特にアンジェは登場人物*2が比較的現実的に描写されている中、一人だけやたら現実離れした設定になっており、またキャラ設定は各シナリオでもブレず一貫性は保っているものの浮いてしまっている。
  • 桜乃とはガチ近親的なムードは強いがあくまで雰囲気程度のものになっていて迷走している。また、悪い意味でのちゃぶ台返しが存在するために、こちらも評価が否寄りで割れている。
    • 雰囲気程度とは言え、上述のムードが非常に強いせいで他キャラと違って甘々な感じはかなり薄い。
    • 妹キャラ、サブキャラとしてのスペックは高いのにシナリオで台無しにされたという意見も。みうシナリオでの方が可愛いとも言われてしまう。

総評

元lightメンバー合流後のぱれっととしては異色となった作品。
NYAON(『もしも明日が晴れならば』など)のような泣きゲーよりの作品を期待すると肩透かしを食らう。
初心者向けという評価をされていることが多い作品だが、確かに難解なシナリオでもなくもちろんグロではなく、二転三転のドタバタ劇でもない。
間口は広いがライターの個性も出されており中身が案外ヘンというところである。
これを機に変態淑女や血涙モノのラブラブに目覚めるのもありかもしれない。 なお、近年の北川は尾之上咲太(『プリンセスラバー!』など)やサイトウケンジ(『祝福のカンパネラ』など)と並んで地雷ライターの代表のような言われ方をしている。
ちなみにいずれも筆が速いらしく、微妙な評判のわりに頻繁に名前を見ることが多い。
またおるごぅるは後述した本作の移植を最後に執筆業から引退した。

アニメ版について

2011年10月から12月にかけてUHF放送局で放映された。全12話。
前半部は原作の共通ルート部分に忠実だが、後半では「愛理とアンジェシナリオの要素を拾いつつ最終的にみうシナリオに収束」という形式を取っている。桜乃は最初から最後まで脇役だった。
アニメに関する話題は、ヒロイン的ポジションだった愛理がいつの間にか脇におかれる現象と、原作通りの目に遭う紗凪に集中していた模様。
放映時期が微妙であったものの、PSP版の販促としての効果はまずまずだったと言える。
『滑り台行き』のネタを生み出したり批判も多かったりするが、
贔屓目で見ても質が良いとは言えない、愛理シナリオを原作再現してしまうよりは良かっただろう…多分。
尚、PSP版はアニメ化の影響からか現在も中古価格が安定した高値をキープしている。

余談

  • 昨今のエロゲーでは通例のシステムボイス(データの読み込みやコンフィグ等を選択するとヒロインが喋るというもの)だが、ヒロインズ及び紗凪に混じって何故かぱんにゃがいる。
  • ぱんにゃは「うりゅ~」という謎の鳴き声を発する生物だが、それが音量テストで唄う(ぱんにゃ語で)、「この物語はフィクションで」をぱんにゃ語で読み上げる、などやりたい放題。
  • 公式サイトでのジャンルはWin版が『AVG』だがPSP版は『恋愛ADV』になっている。

ましろ色シンフォニー *mutsu-no-hana

【ましろいろしんふぉにー むつのはな】

ジャンル アドベンチャー


対応機種 プレイステーション・ポータブル
メディア UMD 1枚
発売元 COMFORT
開発元 ヒューネックス
発売日 2011年6月30日
定価 初回限定特別同梱版:7,800円
通常版:5,800円(共に税別)
セーブデータ 64箇所
レーティング CERO:C(15才以上対象)
判定 なし
ポイント 紗凪がヒロインに昇格
新ヒロイン結月追加

概要

2011年6月30日にPSPにて発売された移植版。発売元はCOMFORT(クオリティコンフィデンス株式会社*3)。
みうシナリオを担当したおるごぅるが自ら書き下ろす形で紗凪がヒロインに昇格し、PSPオリジナルヒロインとして小野宮結月(おのみや ゆつき)が追加された。
移植にあたり露骨に性的な表現は減っている(例えば「ちゃんとエッチできるのか(要約)」というセリフがキスに置き換え)のだが、一部シナリオではいかがわしい方面で増えている。

評価点

  • Win版で人気投票1位を獲得した紗凪がヒロインに昇格した点。多くのファンを喜ばせた。
  • 紗凪シナリオ及び新ヒロインの結月ルートは他のヒロインに劣らない出来。
    • ヒロインが4人から6人に増えたのでボリュームがアップした。

問題点

  • 追加された2ルートでも相変わらず統合の件は脇に置かれたまま。

総評

新規ルートの追加はあるが、Win版スタッフの参加及び完全監修の甲斐もあってか、基本的にはオリジナルの良さを損ねるには至っていない。
故に、Win版が好きだった人にもこちらを面白いと感じられるだろう。