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ショックトルーパーズ - (2012/12/22 (土) 06:20:35) の編集履歴(バックアップ)


ショックトルーパーズ

【しょっくとるーぱーず】

ジャンル アクションシューティング
対応機種 アーケード
メディア MVS
発売・開発元 ザウルス
稼動開始日 1997年
ポイント 縦スクロール版メタルスラッグ
使い回し感の目立つステージ
配信 【Wii】バーチャルコンソール:2012年5月12日/900Wiiポイント
【PS3/PSP】ネオジオステーション:2011年8月25日/900円(PS3)・700円(PSP)

概要

  • 1997年にてザウルスからリリースされたMVS(業務用ネオジオ)作品。ジャンル的にはトップビュー視線*1の縦スクロールアクションシューティングに該当する。
  • 戦場の狼』を彷彿とさせる懐かしいアクションシューティングである一方で、(当時的には)今風のシステムも取り入れている。
  • 前年に同じMVSでリリースされた『メタルスラッグ』と本作は、戦場が舞台のアクションシューティングといった共通点があり、両者は比較されやすい傾向にある。
  • 二人同時プレイ可能。全6~7ステージ構成。

ストーリー

199X年×月×日未明。バージニア州、リッチモンド郊外にて。
数週間前から失踪中となっている脳医学の権威、ジョージ・ダイアモンドの孫娘であるセシリア・ダイアモンドが何物かによって誘拐された。

事件の捜査を担当するFBIは、セシリア誘拐の犯人が悪の組織「ブラッディスコーピオン」の仕業である事を突き止める。
ブラッディスコーピオンはセシリアを人質に、幽閉したジョージに生物兵器の開発を強要していた。
事態を重く見た米国政府は、8名の傭兵「バルカンチーム」を集め、ブラッディスコーピオン壊滅、及びセシリアとジョージの救出を目的とした「デルダストーム作戦」を立案した。

登場人物

  • 主要登場キャラについて。
    • バルカンチームの8人。
      • 「ジャッカル」…アメリカ人男性。バルカンチームのリーダー格で、どんな任務であっても命をかけるタフガイ。セシリアとは恋人関係にある。
      • 「ロキ」…中国人男性。銃器使用はもちろんの事、格闘戦に関しては右に出るものがいないといわれる程の実力の持ち主。
      • 「ミルキー」…アメリカ人女性。バルカンチームの中では唯一の志願兵。チーム中で最も若い年齢だが、凶悪テロリストを壊滅した大きな実績を持つ。
      • 「サザンクロス」…南アメリカ人男性。怒りっぽい性格を直す(?)為に軍人となった経歴を持つ。
      • 「マリー・ビー」…ドイツ人女性。CIA在籍の諜報部員で、潜入などの作戦も得意としている。
      • 「マル」…イギリス人男性。肥満体の食いしん坊だが、天才的頭脳を持つハッカーだった過去があり、その実力を買われCIAにスカウトされた。
      • 「リオ」…国籍不明男性。過去の記憶がなく、いつの間にか軍人となっていた謎多き人物。
      • 「ビッグ・ママ」…中央アメリア人女性。女性でありながら最強の怪力の持ち主。普段は麻薬取締官を勤める。
  • 他の主要人物。
    • 「セシリア・ダイアモンド」…アメリカ人女性。ジョージの孫娘であり、ジャッカルの恋人でもある。ブラッディスコーピオンに人質として捕らわれている。
    • 「ジョージ・ダイアモンド」…アメリカ人男性。脳医学の権威。セシリアを人質に研究所へ幽閉されている。
    • 「ブラッディスコーピオン首領」…国籍不明男性。本作最大の黒幕。"魔王"と言葉がぴったりといっていい程のごつい体格をしており、その戦闘力もかなり高い。

主なルール

  • プレイヤーキャラセレクトについて。
    • まずはバルカンチーム8人から使用したいキャラを選ぶのだが、その前に「ロンリーウルフ」か「チームバトル」かの選択ができる。
      • ロンリーウルフを選んだ場合、選べる使用キャラは1人だけとなる。ゲーム中はその1人だけで攻略しなければならない。
      • チームバトルを選んだ場合、使用キャラを3人選ぶ事ができる。ゲーム中において、キャラをチェンジして使い分ける攻略となる。
      • 二人同時プレイ時にて同じキャラを選択する事が可能。チームバトルにて同じキャラを2人以上選ぶのは不可。
    • 本作はライフ制だが、ロンリーウルフかチームバトルのどちらかによってライフの事情は変わる。
      • ロンリーウルフを選んだ場合、個人のライフが0になると即ゲームオーバーとなってしまう。
        但し、個人のライフ値がチームバトルのそれと比べると大幅に高いというメリットがある。
      • チームバトルを選んだ場合、各キャラ毎にライフが設定されている。使用中キャラのライフが0になるとそのキャラは戦死(退場)し、3人すべてが戦死してしまうとゲームオーバーとなる。
        3人分のライフ値がある反面、個人のライフ値はロンリーウルフのそれよりも三分割されてしまうデメリットがある。
      • 基盤設定によっては、上記のライフ制に加え残機制も付加されたバージョンも存在する。このバージョンは許容ミス回数が増えている反面、最大ライフ値が従来よりも減少している。
    • 使用キャラの性能に関して。
      • 各使用キャラには「メインショットの攻撃力・移動スピード・ライフ値・特殊武器の効果、及びストック数」の性能化が図られている。
      • さらには各使用キャラにはステージの相性が設定されており、使用キャラとステージとの相性が良いと「ライフ値上昇」「移動スピード上昇」などのボーナスも得られる。
  • ステージ構造について。
    • 本作はルート選択によるステージ分岐制を採用している。
      • ステージ1開始前に「山岳」「ジャングル」「渓流」の3ルートからの選択ができ、ステージ1~3がそのルート専属のステージとなる。
      • 各ルートのステージ3をクリアすると、再び上記3ルートから好きなルートを再選択できる。
      • 初回選択と再選択が違うルート*2だった場合、ルート迂回として「ステージEX*3」という特別ステージが挟まれる。
        初回選択と再選択が同じルート*4だった場合、そのままのルート進行と判断されステージEXは免除される。
      • ステージEXをクリア(免除)すると、ステージ4~5がそのルート専属のステージとなる。
      • 各ルートのステージ5もクリアするとラストであるステージ6へ突入する。なお、ルートをどの様に選択しようが、最終ステージは1種類のみでステージ内容が変化する事はない。
    • 各ステージの道のりを表に示すと以下の通りとなる。
山岳ルート ジャングルルート 渓流ルート
stage 1 山岳ステージ
前半戦
ジャングルステージ
前半戦
渓流ステージ
前半戦
stage 2
stage 3
stage EX ルート迂回ステージ
stage 4 山岳ステージ
後半戦
ジャングルステージ
後半戦
渓流ステージ
後半戦
stage 5
stage 6 最終決戦ステージ
  • 操作系統。
    • 本作はレバーと4ボタン(A・B・C・D)を使用する。
      • レバーで使用キャラの八方向移動、兼キャラの向き方向の位置調整。
      • Aボタンでキャラが向いている方向へメインショットを放つ。
      • Aボタンを押しっぱなしながらレバーを入れると、キャラの向きを固定した状態で移動しながらのメインショットを放てる。
      • 人型の敵に接近してAボタンで接近攻撃が出せる。
      • レバーとBボタンの組み合わせで前転を行う。前転中は一切の攻撃ができないが、完全無敵の回避行動となる。但し、前転を終えると若干の隙が発生してしまう。
        ステージによっては前転ではなく、ジャンプや伏せ行動になる場面もあるが、回避行動である事には変わりはない。
      • Cボタンでキャラが向いている方向へ特殊武器を放つ。特殊武器は使用回数に限りがあり、ストックが尽きると出せなくなる。
      • プレイヤーキャラセレクトにてチームバトルを選んだ場合、Dボタンで使用キャラのチェンジができる。但し、キャラチェンジ中は若干の隙を伴う。
  • 特殊なボーナスについて。
    • 本作は以下の行動を起こす事で、特殊なボーナス(スコアアップなど)が入る仕組みとなっている。
    • 「追い討ちボーナス」
      • 人型の敵をメインショットで撃ち込むと、すでに倒した状態であっても追い討ちができ、完全に事切れるまで撃ち込みスコアボーナスが入る。
      • また、追い討ち中に撃ち込みながら人型敵に接近し、接近攻撃でとどめを刺すというテクニックも可能。
    • 「接近攻撃ボーナス」
      • 人型の敵を接近攻撃で倒すとほぼ必ずアイテムを落とす。敵に接近しなければならない危険を伴うが、これを利用すればスコアアップやライフ回復のチャンスを図れる。
      • ステージによっては人型のボス敵が待ち構えているが、やつを接近攻撃で倒すと確実に救急箱アイテムを落とす。
  • アイテムについて。
    • 「放置されている木箱を攻撃する」「人型敵を接近攻撃で倒す」などで、様々なアイテムを入手できる。
      • 「銃アイテム」を取得すると、特殊な性能を持つメインショットを一定弾数だけ放つ事ができる。弾数が尽きると通常のメインショットに戻る。
    • 主なアイテムは以下の通り。
  • 銃アイテム系。
    • 「ヘビーマシンガン」「バルカン」…連射可能なショットが放てる。バルカンはより強力な性能となっている。
    • 「火炎放射機」…敵を焼き尽くすバーナー型ショットが放てる。
    • 「3WAY」…3WAYショットが放てる。
    • 「タンク・バスター」…弾数が少ないが、貫通性能を持つ超強力なショットを放てる。
    • 「ハイパー・ブラスター」…低弾数・短射程距離だが、貫通性能と超絶級の威力を誇るショットを放てる。
  • その他のアイテム。
    • 「ライフ回復系アイテム」…「バナナ」「肉」「ドリンク」「救急箱」があり、使用キャラのライフを回復してくれる効果。救急箱アイテムはライフが大回復する。
    • 「ダイアモンド(青)」…スコアアップボーナス効果。
    • 「ダイアモンド(赤)」…画面内の敵を焼き尽くす効果。
    • 「ダイアモンド(黄)」…一定時間使用キャラが無敵になる効果。
    • 「Sアイテム」…使用キャラの移動スピードが上がる効果。
    • 「ボムアップ」…特殊武器のストックが増える効果。
  • ミス条件について。
    • 詳細は上記のプレイヤーキャラセレクトの項を参照にして欲しい。
    • コンティニュー後は途中復活での再開となる。

批評点

  • 懐かしさと新しさが同居するゲームシステム。
    • 既に対戦格闘ゲームの新作が大半を占めていた当時のネオジオにおいて、本作は格ゲーとは無縁の新作リリースであった。
      • 「八方向に移動し、様々な角度から襲ってくる敵共を破壊する」というトップビュー視線のアクションシューティングは、ネオジオ全般からして見ても極めて稀な存在である。
      • 敵の登場率が多めで「撃ちまくる楽しみ」が思う存分堪能でき、敵を追い討ちで撃ち込む様が残酷ながらもストレス解消に最適である。
    • 今風のシステムも積極的に取り入れている。
      • プレイヤーキャラセレクトにおけるチームバトルは、おそらく『ザ・キング・オブ・ファイターズシリーズ?』のそれを意識しているものと思われる。
      • 「追い討ちボーナス」や「接近攻撃ボーナス」といったスコアラー心を掻き立てる要素もあり、ゲームを単調に感じさせにくくさせる工夫も見られる。
      • 「性能差のある8人のキャラが選択できる」「3ルートのステージ構造が別々のものが用意されている」といった、複数回のプレイでも新鮮な気持ちでプレイできる点も評価に値するだろう。
  • 低めの難易度で遊びやすい。
    • 比較的アドリブ攻略が効くタイプのゲームバランスで、ちょっとやり込めば1コインクリアもさほど難しくない難易度である。
      • この手のジャンルに慣れているプレイヤーならば即効で入り込める敷地の低さであり、そうでないプレイヤーも操作をマスターするのにあまり時間は要さないだろう。
      • 敵の攻撃に関しても「見極めればそこまで凶悪なものではない」ものがほとんどで、特にゲームバランスがおかしい点は見受けられない。
      • しかし、決してぬるい難易度ではなく、「回避性能を持つが隙もある前転を駆使し、使用キャラの向きを的確に変えていかないと袋小路に追い込まれやすい」といったシビアな面もある。
  • 素材の使い回しが多い。
    • 総計で17のステージ舞台が用意されている本作だが、各ステージにおける素材の流用が目立つ。
      • ステージ数の多さに反して敵の種類が少なく、別のステージなのに以前プレイしたステージとあまり代わり映えがないという場面に遭遇しやすい。
      • 各ルートのボスに関しても「ちょっと攻撃パターンを変えただけの流用ボス」による使い回しがあり、「このルートならではのボスの個性」というものが薄い。
      • もちろん、ステージによってそれなりに変化を付けた作りにはなっているが、残念ながらステージクリアする度に既出感を覚えてしまう面は否めない。
  • どうも空回り気味なシステム周り。
    • プレイヤーセレクトに関して。
      • チームバトルを選ぶメリットが薄い。チームバトルを選ぶ位なら「ロンリーウルフで強いキャラを選べばクリア安定」という結論となるのが理由である
      • チームバトルは3人のキャラが選べるが、その分ライフ値も三等分に分割されてしまうので、大したプラス要因にはなっていない
        むしろ、使いにくいキャラが混じっているとマイナス要因になってしまう
      • また、各使用キャラの使いやすさにもばらつきがある。攻撃力が高いキャラ*5は短期戦で済みやすく、危険な目に遭遇する機会が少ない。
        高攻撃力のキャラは移動スピードが遅い弱点を持つが、本作においてはシステムの関係上、スピードに関係なく前転を使いこなせば戦況に困る場面は皆無である。
        よって、高攻撃力キャラ一色で使用すれば、他の低攻撃力キャラは蚊帳の外にされがちである。
      • とはいえ、各キャラ毎に(かなり簡易な内容ではあるが)専属の会話シーンやエンディングが用意されているので、それ目的でキャラを使う楽しみはある。
        チームバトルでクリアすれば生存したキャラ分のエンディングが拝め、ちょっとだけお得感がある。
    • ルート選択制に関して。
      • どのルートで進もうが最終ステージの内容は同一なので、『ダライアスシリーズ』の様な「最終戦が変化する」といった楽しみはない。
      • プレイのし方によってエンディングが変化するというギミックもなく、結局は「どの様なルートで進んでも最後は一本道」というプレイ結果となってしまう。
  • グラフィック・BGM周りの評価は高い。
    • グラフィックの書き込みは非常に凝っていて見所がある。
      • メタスラ並みの職人的神ドットという程ではないが、同期の他のネオジオ作品と比べてもグラフィックの描き方は繊細な部類に属する。
    • 地味に演出が細かい。
      • 各使用キャラの動きには専属のモーションが用意されている。この辺はメタスラ以上の細かさといえる。
      • ネオジオ作品は何故かグロテスクな描写のゲームが多いが、本作もそれが当てはまっている。
        人型敵を攻撃すると豪快に出血しながら死ぬ描写がわんさかある。死に方も多彩で「血まみれ状態で死ぬ」「手がもげる」「体内爆発する」とグロさのバリエーションに富んでいる。
    • 某コマンドーばりに熱いロック楽曲メインのBGMの評価も高く、ゲーム内の雰囲気を盛り上げてくれる。
  • ストーリー描写が薄い。
    • 明確なストーリー設定を持ち、ゲーム内でもストーリーイベントが発生するが…。
      • イベント発生箇所は「特定ステージクリア後」「最終ステージ途中」「エンディング」位で、どのイベントもさっぱり気味で済まされる。
      • 8人の使用キャラがいる割には、彼らが戦場で交わす会話のやり取りがほぼ皆無で、各キャラの性格がいまいち見えにくいのも物足りない。
      • 使用キャラにジャッカルが含まれていると、ちょっとだけイベント内容が増すサプライズはある。
  • 謎の棒読みボイス。
    • イベントシーンや各使用キャラによるボイス演出があるが、どれも棒読みすぎる上にボイス量も非常に少ない。
      • 特にとあるイベントで起きるセシリアとジョージのボイス演出は相当な脱力もの。「おじーちゃーん↓」「せしりあー↓」
  • 首領の存在感が強すぎる。
    • 本作における登場キャラで一番目立っているのはバルカンチーム8人でもセシリア達でもなく、ブラッディスコーピオン首領その人である
      • ごつすぎる体格と目立つコスチューム」「濃すぎる髭の量といかつい顔つき」「一目で分かる凶悪な悪人オーラ」と、作中内で恐ろしい威圧感を魅せる。
      • もう「ファンタジーRPGのラスボスに出演しても違和感まるでなし」といわんばかりの風貌であり、ただの一悪人で済ましているのが勿体無い気も…。

総評

  • ゲームとしては無難に遊べ、ジャンル的にも様々なツボを抑えた出来といえる半面、使い回し素材の多さによるマンネリ感も早く覚えてしまうのは残念なところではある。
  • 本作の翌年に続編『ショックトルーパーズ セカンドスカッド』がリリースされている。こちらはボリューム感が少しオミットされてはいるが、作り込みという面では本作以上の出来となっている。
  • 本作はリアルタイムの家庭用ネオジオには移植されなかったが、下記の『SNKアーケードクラシックス』に移植されたのを皮切りに、現在は様々な媒体でプレイが可能となっている。

家庭用移植

  • オムニバスソフト
    • SNKアーケードクラシックス Vol.1(2009年5月21日発売、SNKプレイモア)
      • PSPで発売されたネオジオのタイトルを16タイトルをカップリング収録したソフトで、その中に本作が収録されている。
      • 本作はそれまでの家庭用移殖が全くされていない為、何気にこれが初移植である。
      • 移殖度自体はまずまずだが、ゲーム中頻繁にロードや処理落ちが入るなどの不備がある。とはいえ、流石にネオジオCD並みの酷さではないが…。
      • 同タイトルの他の作品とは異なり、セーブ機能に対応していないのでプレイの際には注意されたし。
  • その他の移植について。
    • 本作は家庭用ネオジオには移植されていなかったが、上記PSPソフトの収録の他に配信ソフトとしての移殖がされている。
      • バーチャルコンソールやネオジオステーションなどの配信サービスにて家庭用ネオジオのタイトルが移植される中、本作も『メタルスラッグ』同様に様々な媒体で配信されている。
      • しかし、リアルタイムでは家庭用に移植されず終いだった本作が今頃になって、家庭用ネオジオの作品として扱われて配信されているのは何故だろうか…?