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ファンタシースターポータブル2 インフィニティ - (2015/08/04 (火) 07:50:59) の編集履歴(バックアップ)


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ファンタシースターポータブル2 インフィニティ

【ふぁんたしーすたーぽーたぶるつー いんふぃにてぃ】

ジャンル RPG
対応機種 プレイステーション・ポータブル
発売元 セガ
開発元 アルファ・システム
発売日 2011年2月24日
定価 5,040円(税込)
分類 ゲームバランスが不安定
ポイント プレイヤー間の格差拡大
ファンタシースターシリーズ


概要

ファンタシースターポータブル2』のアップデート版。第5の種族「デューマン」の追加、新ストーリーEP2、新武器・敵・衣装・ボス・ステージ・チャージショット・テクニックの追加、武器・種族間バランスの調整、共有倉庫の拡大、無限に遊べる「インフィニティミッション」、フレンドサーチ機能、スクリーンショット撮影機能、ビジュアルロビー追加などと、超進化といわれた前作からさらに進化している。コンセプトは「無限に遊べるRPG」。

基本的に前作とシステムは同じだが、上記の新要素が賛否両論。特に難易度の上昇がライト層プレイヤーから批判を受けている。

特徴

インフィニティミッション
ミッションをクリアし、それにより手に入る合成ポイントが一定値まで溜まると、ミッション同士を組み合わせて新たなミッションを作成できるシステム。インフィニティミッション自体をクリアすることで「ミッションディスク」というアイテムが手に入り、これを使用することで新たなミッションを生み出し、それをクリア……とまさに無限に新たなミッションを続けられる。ミッションには「経験値増加」などの付加効果が付いていることがあり、これを組み合わせていくことで簡単で稼ぎやすいミッションを作るなどのことが可能。
転生
レベルを1に戻し、その際に得られるボーナスポイントで能力値の強化が可能なシステム。
転生時のレベルが高いほど、得られるボーナスも大きくなる。
新種族「デューマン」
本作から登場する新たな種族。防御面の能力は低く打たれ弱いが、攻撃面の能力が総じて高い。
強力な必殺技である「インフィニティブラスト」を使用できる。

評価点

  • 前作のセーブデータをそのまま引き継げる。
  • バランスの調整
    • ニューマンのPP回復量上昇、ナノブラスト無敵化等によるブラスト技の強化、ヒューマンのブラスト強化など、前作で指摘されていた点が調整されている。特に前作不遇とされていたヒューマン、ニューマンは非常に強い種族となった。
    • 新テクニック(いわゆる魔法)による法撃武器の強化。新チャージショットによる射撃武器の強化。テクニック、バレットのPP消費の減少により、打撃武器が頭一つ抜けて強かった前作よりも武器種のバランスが調整された。
    • 新アクションの追加。一部のテクニックがステップしながらでも撃てるようになった。テクニックを得意とする戦闘タイプ以外でも使われるため、全体的にアクション要素が上がった。
    • 前作では不遇だったソード、アックス、ロングボウ、レーザーカノン、片手武器全般が軒並み強化された。他の強武器とされていた武器とも十分渡り合える性能になり、武器選択の幅が広がった。
    • 極端に強かったPA(必殺技)のダメージも見直され、PA選択の幅も広がった。
  • 新アビリティ追加
    • 特に、HPが減ると自動で回復アイテムを使用する「自動回復薬ハーフライン / デッドライン」、復活アイテム「スケープドール」を1個多く持てるようになる「エスケープマスター」の影響は大きい。低レベルからでも扱えるため、アクションゲーム初心者でも遊び易くなった。
  • 新ストーリー
    • EP2が追加され、新キャラクター「ナギサ」をヒロインに据えられて展開される。
      • 追加キャラクターの人気が高く。特に新キャラ「ワイナール」の人気は高い。ヒロインである「ナギサ」の人気も中々のもの*1
    • どんな種族、性別、年齢のキャラクターでも矛盾が起きないような内容のストーリーになっており、性別や種族に合わせて一部の会話が変化する。
  • 新たなパートナーキャラ追加と調整
    • 本作の新キャラを始め、旧作で登場したヒューガやタイラー・前作ではモブキャラ扱いだったバスク・クノーと言った面々がパートナーキャラとして連れていけるようになった。
    • ミッション中に出せる指示「フォローシフト」を出すことでチェインを切らなくなったり、ダメージトラップで受けるダメージが大幅に減った。チェインをより稼ぎやすくなり、トラップに引っかかって自滅することも少なくなった。
    • さらに本作では自分や他人のプレイヤーが育てたキャラクターをパートナーとしてミッションに連れて行ける。多少の制限はあるものの、攻撃特化・チェイン特化・回復支援特化など自分のプレイスタイルに合ったパートナーを作りやすくなった。
    • 前作ではマルチ及びインフラ時において攻撃を一段目しか出せない・ボス戦で装備武器が初期化され、著しく弱くなっていた不具合も修正された。これにより、マルチ・インフラでも気兼ねなく連れて行けるようになった。
  • 「共有倉庫」の容量が1000個から2000個に増加。
    • 前作の要望や新アイテムの追加から更に倉庫が拡張された。しかしそれでも足りないというプレイヤーの声は多い。
      • 倉庫から直接アイテムを売却出来るようにもなったので、倉庫整理は前作に比べるとだいぶ楽になった。
  • 相変わらずのキャラクタークリエイトの多彩さ
    • コラボレーション武器や衣装に力が入っている他、同じくセガが関わっているミクシリーズのキャラクターのそっくりさんを作る事も可能となっている。
  • インフラストラクチャーモードを利用したマルチプレイ
    • PSPのインフラストラクチャーモードを利用してオンラインプレイが出来る。こういうものには大抵通信料が掛かるが、なんと無料で出来る。正規購入者で環境さえあれば誰でも利用することが出来る。
  • 前述のコラボレーション武器をはじめとする、充実したダウンロードアイテム。本作の発売によって、前作のダウンロードアイテムの価格が全て割引になった。
    • 武器や衣装は有料のものが多い。しかし、武器などの性能は控えめとなっているため課金者と非課金者の格差はほとんど無い。
    • 因みに、配信インフィニティミッションは全て無料。
  • その他、システムの改良点
    • 文字入力のインターフェース改善。スクリーンショット機能の追加。オートワードがストーリーモードでも表示されるようになった。などと言った細かい改良点も多数存在する。

賛否両論点

言うなれば、 オンラインゲーム基準*2で携帯ゲームを作ってしまった ようなバランス調整がなされている。
コンシューマ向けでは個人によってこの仕様の好き嫌いが激しく、賛否が分かれる。

  • 「転生」システム
    • 「高Lvプレイヤーと、低Lvプレイヤーとの接点を増やすため」のシステム*3なのだが、装備レベル制限・及びミッション受託下限Lvはそのままである。そのため、高レベルのミッションが一時的に受けられなくなってしまうため高性能な武器の収集がストップしてしまう。レベル制限にひっかかからないように弱い装備でも収集する意味が生まれたが、最終的にはやはり装備しなくなってしまうのでメリットとしては薄い。
    • レベル上げはオフラインのミッション「マガシ抹殺計画」で最も効率良くできる。そのため、高レベルの敵の落とすレアアイテムを掘りたい高Lv層のプレイヤーは結局転生後オフラインに暫くの間ひきこもってしまうことが多い。特に、何度転生を繰り返してもLvアップに必要な経験値は変化しないため、転生による強化を繰り返すことによって経験値収集効率が加速度的に上がってゆくために、ヘビー層とライト層の格差がより開いてしまった*4
    • 新ランクである∞ランクは「転生」システム前提なほど難易度が高い。
      • 敵のパラメータ強化率・計算式が200LV以降では1~199LVまでと異なる。LV200の敵は、攻撃力だけとってもLV199に比べ、600もプラスされている。具体的な推移は敵199→200間で基本ステータスの変動が1.3倍。知らずにレベル差だけで判断してLv200以上のミッションに向かうと大変なことになる、ただし200LV以降のステータス上昇は前作と同じ。
    • 後にマルチプレイが可能で経験値が大量にもらえるDLミッションの配信により緩和された。
      • ヘビー層には単純なボリューム増加であるため長く遊べると受け入れられたが、ライト層は膨大な経験値稼ぎについてゆくことが出来なかった。当初の目的である高Lvプレイヤーと、低Lvプレイヤーとの接点の増加に貢献したとは言い難い。低ランクの武器を収集するメリットが少なく、高Lvプレイヤーが一方的に譲歩しなければならない形に問題があると思われる。
  • 新種族「デューマン」の性能。
    • 防御面に優れたヒューマンと対極の性能を持ち、攻撃力・命中力・法撃力全てにおいて全種族中2位だが防御面は軒並み最低。また、PPの回復が最も遅い。PP面が弱いため武器(打撃武器)や防御手段(ガード)が限られ、選択肢が極めて少なく非常に上級者向けの性能である。*5
    • ブラスト技「インフィニティブラスト」が他種族のものに比べて、強さを実感するまでに非常に時間がかかる。
      • 他種族のブラスト技は効果時間中無敵だが、デューマンにはない。発動中はアイテム使用不可で回復手段も限られるため、使いどころが限られる。タイプレベルを上げればHP吸収効果もつき威力も上がるためそれらの弱点も補われるが、敷居が高い。
    • 男性デューマンだけが青年~壮年にかけてのキャラしか作れない点において自由度が低く批判が多い。
  • 回避率の計算の変更により、前作で通用した「自動回避」の発動条件が非常に厳しくなった。
    • とは言え、前作は自動回避性能の高さ故に真正面からでも敵の攻撃を無視して攻撃できたため、アクション性の低下に繋がっているという指摘や、その恩恵を最も受けているブレイバーが強すぎる等の指摘もあったため、それを考慮した上であえて回避力を下方修正したと考えられる。
    • 尚、ブレイバーは回避以外にもEXトラップという強みがあったが、そちらも弱体化している。新アビリティ「イグナイトアーツ」は非常に強力なアビリティではあるものの、習得に膨大な時間が掛かりコスト枠が大きくアビリティ選択が難しい。得意武器である片手武器が全体的に強化されブレイバー用と思しきテクニックも追加されたのだが、やはり前作に比べるとかなり厳しくなってしまった。
  • ファミ通とのコラボ武器「ファミ通デンドウブレード」(パスワードを入力するだけで入手可能)がゲーム内で最強のソードとなっている点。
    • 簡単に強力な武器が入手できる救済策とも言えるが、ゲーム内で通常入手できる最上級の両手剣より1、2回りほど強くなってしまっており、ソード系武器発掘の楽しみが薄れてしまっている。
    • そもそもコラボ武器が最強という数値設定がいかがなものであろうか。

問題点

  • 前作から指摘されている、マルチモードの敵のHPの多さは変わらなかった。
    • 一応Aランク以下までは前作より耐久力が下がっているのだが、S及び∞ランクは上記の通り相変わらず2.5倍のまま。
  • 「インフィニティミッション」の仕様が非常に複雑。
    • 合成結果は合成元による規則性はあるが、事前に予測が表示されず、経験則位しか判断材料が無い。
      エリア、モンスターなどは簡単に調整できるのだが、付加効果がすぐに変化してしまう。
      付加効果まで含めて目的のミッションを作ろうとすると相当の周回を繰り返さないといけない。
      • ただしこのミッションでしか手に入らない武器はミッションの付加効果に関係なくドロップ率は一律なので、収集目的なら付加効果はあまり気にされない。
      • 素直に、ポイントを貯めて自由にミッションが作れる仕様でよかったのではないだろうか?
  • オンラインで一部の設置型テクニックを複数発動すると処理が重くなる。その結果、発動した射撃やテクニックのエフェクトが消失する弊害が生じてしまい、オンラインではそれらがタイムラグ・武器切り替え時の読み込み遅延にも繋がってしまう。
  • 一部の武器性能の格差が大きい。
    • 攻撃速度が大幅に上がったソードと通常攻撃のヒット数が上がったアックスなど、大幅に強化された武器に比べ、グレネードの性能の著しく低い。未調整の部分と調整された部分の格差が大きい。
      • 左手用武器では、右手武器と異なりシールドやシャドーグといった補助武器が装備できないため、一部不遇となっている。
  • 新要素である「属性値の強化」がイマイチ。
    • フュージョンコードというアイテムを利用することにより、武器の属性値を合成、強化できるシステム。上限は50%。
    • 拾えるアイテムの属性値の幅は0~60%であるため、頑張って50%まで強化した物よりも、拾ったものの方が結局属性値が高くなってしまう。
      もっと上限が高くても良かったのではないか。
    • ちなみに武器だけでなく防具にも属性値が存在するが、そちらは合成できない。
  • 一部のミッションのエリア内で敵及び設置物から一切アイテムドロップが出ないというバグが存在する。
    • 上記のうち一部のミッションが様々なボーナス補正を付けた状態で期間限定配信されたが、その際にも修正パッチはおろか、公式アナウンスさえも最後までなかった。
  • 今作から追加されたモンスター、ボスが軒並み凶悪。
    • 「サーファー」「リリー」に代表される新エネミーの多くが今作で追加されたアビリティやPAを前提とした性能を持っており、序盤ではかなり苦戦を強いられる。
  • セーブデータの個数が前作と同じ8個のまま。
    • 前作までは4種族であったため、各種族の男女を揃えられたが、本作ではデューマンが追加されて5種族となったため、いずれかの種族あるいは性別を諦めなければならなくなった。
  • チート使用者がオンラインで多い。どんなプレイヤーでも気軽にオンラインが利用可能ということは、それだけ悪質プレイヤーも入り込みやすいということでもある。当然ながら違反行為なので、 オンでは絶対にチートを使わない事 *6

総評

転生システムは人を選ぶ上、「低レベルプレイヤーと高レベルプレイヤーの接点を増やす」という目的は達成されなかった。
インフィニティミッションや武器合成は調整不足な部分が目立ち、上記の要因も重なり初心者お断りな雰囲気を生み出してしまった事には批判が多い。
しかし、アップデート版であるが故に前作の良い点はほぼ全て引き継がれている。
職や種族のバランス調整や新アクションの追加など評価できる点もあり、アクション面も前作より上がった。

ちなみに、プレイヤーキャラの能力値自体は強化されているため、前作の部分であるEP1をクリアする為の難易度は下がっている。