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記事下書き3 - (2024/03/24 (日) 18:31:49) の編集履歴(バックアップ)


記事下書き3

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    • 記事が完成したと判断したら、好きなタイミングで記事を作成して構いません。新規記事作成は管理者とメンバーのみ行えるため、ログインIDを持っていない人は、記事にする際に「記事作成依頼所」で依頼してください。
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  • 発売直後のゲームの記事を執筆したい場合、発売日から3か月経過していることが条件となります(3か月ルール)。
    • 移植版や、海外で先行発売された後に国内で発売された作品も、その発売日から3か月の経過を待つ必要があります。
+ 下書き用テンプレート。書き方の詳細はテンプレのページを参照

contentsプラグイン(19行目)は必ずコメントアウト状態で記載してください(記事作成時にコメントを外す)。全下書き項目の見出しが目次化されてしまいます。

#contents(fromhere)

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初稿投稿日: yyyy/mm/dd 追記修正歓迎
//#areaedit
*タイトル
【読み】
|ジャンル||~|
|対応機種||~|
|発売元||~|
|開発元||~|
|発売日| 年 月 日|~|
|定価|, 円|~|
|プレイ人数|1人|~|
|レーティング|CERO: ()|~|
|廉価版| : 年 月 日/, 円|~|
|配信| : 年 月 日/ |~|
|備考| |~|
|判定| |~|
|ポイント| |~|
//#contents(fromhere)
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**概要
**評価点
**賛否両論点

**総評
**余談
//#areaedit(end)

一般的な編集の練習などは「サンドボックス」へどうぞ。



初稿投稿日: 2024/3/8 追記修正歓迎

桃太郎電鉄7

【ももたろうでんてつせぶん】

ジャンル ボードゲーム
対応機種 プレイステーション
発売元 ハドソン
開発元 ハドソン
発売日 1997年12月23日
定価 5,800円(税別)
プレイ人数 1~4人
廉価版 PlayStation the Best for Family:2000年2月24日/2,800円
PS one Books:2003年3月27日/1,800円
判定
ポイント 凶悪なギーガボンビーの登場
分類化で便利になったカード
「さくま」初登場
以後のシリーズの土台となった
桃太郎シリーズ

概要

ハードをプレイステーションに移した、桃太郎電鉄(桃太郎)シリーズの一つ。
タイトルの『7』は、初代『桃太郎電鉄』から数えて7作品目ということでつけられており、ゲーム内でのみ「ギーガボンビー誕生の巻」というサブタイトルが付けられている。

基本的なルールなどはシリーズ共通として変わらないが、大きな変化として新ボンビーやカードの分類化が導入されている。

新要素・変更点

  • ゲストボンビー『ギーガボンビー』
    • 『キングボンビーの体内に巣くう凶悪な宇宙生物』という設定で、キングボンビーが悪事(ボンビラス星に連れていく以外)を働くたびに頭上の10の数字が1つずつ減っていき、0になることで出現する。
      • 出現直後にお金・カードを全て食べつくしてしまい、各プレイヤーの独占している都市を1つを消し去ってから姿を消す。以後、誰かが目的地に着くまでは貧乏神が出現しないようになる。
    • カウントの途中で貧乏神に戻っても数字は元には戻らず次の変身時に持ち越されてしまうが、プレイヤーの内の誰か1人がマップ内のどこかにある「ハサン仙人」の住むマスに止まればカウントダウンをリセットできる。
      • ただし、リセット直後に悪行を行ってくるため、カウント1回分はマイナスとなる。
    • ちなみにギーガボンビーは桃太郎電鉄シリーズのゲストボンビーの元祖的存在*2であり、桃鉄シリーズの数多くのボンビーの中でも数少ないキングボンビーの上位存在として描かれているボンビーでもある*3
  • カードの分類化
    • 今まで同じ手持ちにまとまっていたカードが「進行系」「便利系」の2つに分かれるようになり、カードを各5枚ずつ最大10枚持てるようになった。
      • 「進行系」は「急行カード」や「リニアカード」など、サイコロ・移動数を増やすものが該当し、それ以外は全て「便利系」に入る。
      • 「ダビングカード」「ウイルスカード」はどちらかにランダムに入り、入った方にしか効果を発揮しない。「エンジェルカード」「デビルカード」もランダムに入る。
    • この仕様は後発の作品で「便利系」の所持上限の増加などが行われつつ継続されることになり、『2017』まではスタンダートの仕様となった。
  • 従来の「えんま」を超える強さのCPUとして、さくらあきらをモデルにした「さくま」が初登場。
    • 運要素に強く、並のプレイヤーだと苦戦する強さとなっている。「えんま」でも物足りなかったプレイヤーも安心。
    • 本作以降も登場し、作中最強のCPUの座を維持している。
  • モモトラマンカードの仕様変更
    • モモスラ退治役の「金太郎」がBPSニュースのリポート役に回されたため、怪獣退治は一律、モモトラマンカードで対応するようになった。
    • モモトラマンを出動させるには予め使用してスタンバイ状態にする必要がある。
      • これ自体はSFC版『DX』時点での仕様変更で、勝てばスタンバイ状態が継続するが、怪獣退治に失敗するとスタンバイ状態が解除される(=カードが消滅)
    • 使用してスタンバイ状態にする事になったためカード枠を圧迫することがなくなったが、持っているだけでは意味がない。
  • カードの種類が削減された
    • 前述の「金太郎カード」を始め、「福袋カード」や「「も」~「き」カード」などといった、様々なカードが廃止された。
    • スリの銀二の被害を防ぐ「パトカード」も廃止された代わりに、「損害保険カード」で保険金が下りる形に変更になった。
      • 流石に同額の損害保険が降りるのはおかしいと思ったのか、後の作品では「パトカード」が復活している。
  • 借金を背負った時のBGMが「泣き落としのバラード」に変更になった。
    • 元々『III』で使われていた曲。以後のシリーズでもこの曲が使われ続けることとなり、お馴染みのBGMとして定着した。
  • 物件駅を独占すると、その物件駅の屋根の色がプレイヤーの汽車と同じ色に変化してわかりやすくなった。

評価点

  • ハードを移したことによる表現力の変化
    • オープニングや月ごとの切り替えイラストがアニメーションするようになった。月ごとのイラストも画面いっぱいに大きく表示される。
    • 恒例となっている女湯の1枚絵のクオリティもアップしている。
    • 貧乏神が変身するシーンでもアニメーション演出が導入され、CGで描かれた貧乏神の顔がモーフィングでグニグニと変化しながら変身形態が決まるようになった。
      • キングボンビーと思わせてミニボンビーに、あるいはその逆、という風にフェイントもかけてくるようになった。
    • プラス(マイナス)駅やカード駅で発生するルーレットがリール式に変更された。
    • キングボンビーとメカボンビー達の対決も演出面がパワーアップし、派手な効果音や演出が付くようになった。
      • 演出は長くなったものの、腕で気力を溜めて放つキングボンビーの「ボンビーム」、体を半回転して撃ち出すメカボンビーRXの「ヒップバズーカ」など見てて楽しいものとなった。
  • カードが2種類に分類されたことにより、カードの管理がしやすくなった。
    • すべて同じ手持ちでまとめられていた過去作では、手持ちのカード内容次第では有利なカードばかりで取捨選択に悩まされる、という事態も多かったがその点が解消された。
      • 特に進行形カードが別枠となったことで価値がこれまで以上に高まり、「急行カードや特急カードをいかに常備しておくか」が後続シリーズに渡る攻略の基本となった。

賛否両論点

  • 防御系カードの価値が高まった
    • 本作では妨害系カードを防ぐブロックカードの効果が変更され、1回効果を発動した時点で必ず消滅するようになった代わりに妨害カードの効果を必ず防ぐようになった。
    • 店で売られているため補充は容易であり、進行形と便利系の区分けによりカードの上限を気にせずに常備できるようになったことと、所持数に制限がないことで価値が高まっている。
      • その分、妨害系カードが空気と言っていいレベルで使い辛くなっている。

問題点

  • ギーガボンビーの被害が防ぎ辛い
    • キングボンビーは変身してから元に戻るまでに数回は悪行を行うのが常であるためカウントダウンの進行が早く、うかうかしているとあっという間にリミットが来てしまう。
      • カウントをリセットしてくれる上述のハサン仙人はマップ上の特定のマスにいるのだが、たったの一ヶ所でしか会えない上に、位置的にたどり着きにくい場所にある。
      • また、会えるマスの正確な位置についてはゲーム内ではヒントがもらえず、説明書掲載のヒント画像を見なければならないのだが、よくよく見ないと分かり難い。
    • ギーガボンビーの悪行自体は変身した時点で強制的に行われる上に悪行全体を防ぐ手立ては存在しないため、「物件はあえて独占しない」「貴重なカードは惜しまず使う」「現金はできるだけバンバン使っておく」などの受け身な対策しか取ることができない。
      • 「ゴッドカード」があれば現金の被害だけは軽減できる*4が、「入手法が限られる」「売値が高額であるため気軽には買えない」という問題もある。
    • 損害系カードや借金も一律消滅するため逆転要素の一環でもあるが、いちいちリセットしに戻る手間がかかる(位置次第ではまず間に合わない)、それまでの駆け引きが無駄になる、場所が分からないと短いスパンで繰り返し資産を0にされてしまうなどの点から、問題視するユーザーも多い。
  • ディスクメディアになったことの弊害
    • 月の切り替え時にロードが発生するため、前作までよりテンポが悪くなった。
      • マップBGMもこの月の切り替え時のロードの際に最初から戻ってしまう。
    • ロードが頻繁にかかる影響もあり、毎月セーブが廃止され、年ごとのセーブのみとなってしまった。これについてはゲーム中の説明でも「ディスクアクセスに時間がかかるために毎月セーブを廃止した」と説明される。
      • とはいえ、月替わりのイラストのロードでBGMが戻ることや、毎年のオートセーブは後のシリーズでもシステム化されていたりする。
  • 「女湯カード」の存在
    • 本作の新しいカードとして「女湯カード」が登場し、使用すると女湯が見れるかも…とされている。
    • が、そんなことはなく、何度使用しても女湯がのぞけないというハズレカードとなっている。
      • この「女湯カード」は20億(ダイヤ改正後は40億)と、当時のシリーズとしては高額のカードとなっており、実際に使用して泣きを見るプレイヤーも多かった。

総評

『HAPPY』で終わる所だった、前作から新要素が追加されシリーズ継続に繋がった作品である。
カードの分類や「さくま」の登場など、本作で登場して今でもお馴染みとなった要素も多く、今後のシリーズの基礎を築いた一作となった。

余談

  • 本作をベースとしてGBに移植した『桃太郎電鉄jr. ~全国ラーメンめぐりの巻~』が発売されている。
    • こちらではサブタイトル通り、ラーメンで有名な地域を巡るモードなど、特別ルールで遊べるモードが追加されている。
    • また、携帯機かつロムカセットになったため、毎月セーブが復活している。その代わり、月替わりのイラストのアニメーションが廃止され、女湯が1種類のみに削減された。GBながらもギーガボンビーも再現されている。
  • 今作で初登場したギーガボンビーも『桃太郎電鉄15 五大ボンビー登場!の巻』で再登場することとなる。
    • こちらでもキングの上位存在を維持しており、カウントが減った時の秘書の反応や登場までの演出も『7』当初とほぼ同じの物が再現されている。もちろん、3D化されてより巨大に描かれている。
      • ただし、今作では最後に行う悪事が変更されており、「とりかえしカード」を8枚押し付ける物とプレイヤー全体に確実に被害が及ぶものになっている。
    • なお、同作のオープニングでは他のボンビー同様、単体で行動していたり、キングボンビーに合体していた。どこからやってきたのだろうか。
  • 長らくはキングボンビーの上位存在を維持していたギーガボンビーだが、『桃太郎電鉄 ~昭和 平成 令和も定番!~』でデストロイ号が登場したことにより唯一ではなくなった。
    • キングボンビーから直接変化するパターンとしてはギーガボンビーが唯一である。

初稿投稿日: 2024/3/8 追記修正歓迎

桃太郎電鉄ワールド~地球は希望でまわってる!~

【ももたろうでんてつわーるど~ちきゅうはきぼうでまわってる!~】

ジャンル ボードゲーム
対応機種 Nintendo Switch
発売元 コナミデジタルエンタテインメント
開発元 ロケットスタジオ
発売日 2023年11月16日
定価 6,930円
プレイ人数 1~4人
判定
ポイント 舞台は『WORLD』以来の世界単位
ベースは『令和』
日本ではないということが良くも悪くも特徴
桃太郎シリーズ

概要

桃太郎電鉄シリーズ』の第24弾であり、前作『桃太郎電鉄 ~昭和 平成 令和も定番!~』(以下『前作』)以来3年ぶりの新作。
『前作』と異なり舞台は地球規模の世界を舞台としており、海外(の特定の国)を舞台にした作品で言えば『桃太郎電鉄USA』以来、世界各国を舞台とした作品としては、DS版『桃太郎電鉄WORLD』以来となる。

2023年2月9日の「Nintendo Direct 2023.2.9」で開発が発表された。
本作では舞台を地球単位としているためか、マップが平面ではなく球体を意識したものになっているのが特徴的である。

新要素・変更点

本作はシリーズ作品であるため、基本的なルールは省略し、『前作』からの新要素・変更点を解説する。

舞台が世界規模になった

  • 『前作』をはじめとした本シリーズの基本的な舞台は日本列島であるが、本作では舞台が地球全体に拡張された。
    • 1国につき1駅しか物件駅がないケースも存在するものの、主要な国についてはほぼ網羅されている。
    • マップが広くなっているため、空路が増えている。
      • 明らかに空路の移動を妨害するカードも追加されており、空路を活かすことがポイントとなる。
    • 『WORLD』では本体スペックの問題もあってメルカトル図法での擬似的な再現だった世界地図が、球体マップとなり現実世界をほぼ完全再現。スケール感も現実世界とほぼ一致している。
      • 航路や空路は一気に進める距離が増えていたり、いわゆる過疎地は便利系マスが多かったりと変化が付けられている。
      • 北極点付近は環状交差点方式を採用することで進行方向の混乱を避けている。

新しい特殊ボンビー
本作では「世界旅行ボンビー」と「ばらまきボンビー」の2種類が特殊ボンビーとして登場する。

  • 「世界旅行ボンビー」は取り憑かれたプレイヤーの手番終了時にランダムな物件駅まで移動し、移動マスに応じた金額を旅費として奪ってくる。
    • 移動先として目的地周辺が選ばれることもあるのでライバルを出し抜いてゴールできる場合もあるが、次のターンにはまた違う場所に移動させられてしまうため、カードがあるかどうかによっても脅威度が変わってくる。
      • 『2010』のエアプレンボンビーと似たような能力だが、こちらは地球上を走行するためダッシュする方向で移動先の判別が可能、移動先に到着してもさらに別の場所に移動することがある(その移動した分も合わせてお金が取られる)という違いがある。宇宙では動けないのは同じ。
      • 前作のビッグボンビーと同様、お金以外は被害をもたらさないため、カードがあれば対処しやすいが、カードがないと文字通り引っ張り回されてしまうだけになるため、対処が難しい特殊ボンビーといえる。
  • 「ばらまきボンビー」は取り憑かれたプレイヤーのお金やカード、物件をいくつか周囲のマスにばらまく効果を持つ。物件は権利書という形でばら撒く。
    • ばらまかれたお金などは次にそのマスに到達(通過でも可)したプレイヤーが取得できるが、誰も取得しないまま一定ターン経過すると消滅する。
      • ばらまかれたお金などを狙いに近づいてきたプレイヤーにボンビーをなすりつけるかどうかという駆け引きが生まれる。
      • 他者に利益をもたらすという点では『16』のハピネスボンビーと似ているが、こちらではとりついたプレイヤーがばら撒かれたものを取り戻せる余地がある。
    • ちなみにその言動や見た目はカルト教団の信者を思わせるような、いわば偽天使といった感じになっており、「神さまのお手伝いでボランティア枠で参加している」と称し、エンジェルが出現している状態で取りつかれるとエンジェルが具合の悪そうな顔をする。
      • ミカエルが出現している場合は天罰を落として貧乏神に戻してくれる。
  • 前作で登場した「キングボンビーJr.(ポコン)」と「デストロイ号」は続投したが、ビッグボンビーはリストラされた。
    • 「ポコン」の性質は基本的に前作と同じだが、不評も多かった「デストロイ号」については基本的な仕様こそ前作と共通であるが、以下の違いがある。
      • 前作では周囲の被害をなるべく多くするように移動していたが、本作では取り憑かれたプレイヤーの保有する最高額物件を破壊するように移動するため、結果的に取り憑かれたプレイヤーの被害の割合が多くなる(もちろん、その道程にある物件が根こそぎ破壊されるのは変わらないが)。
      • 前作では一度出現した後の再出現間隔は最短で5年だったが、本作では12年となっている。また、32年目以降登場しないのは前作と同じだが、結果的に4回まで出現できた前作に対して本作は最大でも2回しか出現しなくなっている。
  • なお、通常の貧乏神も世界がテーマということで旅行するような格好に変更されている。

歴代ヒーローとお祭り精霊

  • 旧作同様歴代ヒーローが登場する。
    • 当然と言えば当然だが、登場する歴代ヒーローについても世界の偉人となっている。
  • また旧作の「名産怪物」については「お祭り精霊」として登場する。
    • 大抵のお祭り精霊は周辺物件に利益か被害のいずれかをもたらすものだが、中には四択クイズを出してきて、正解するとご褒美がもらえるが、不正解だとデビル系カードを押しつけられるタイプのものも。
      • 日本のお祭り精霊はあの「ナマハーゲン」、しかも今作では「ナマハーゲンカード」が追加され、いつでも呼べるようになってしまった。

大型イベントの導入

  • 通常ゲーム中に一定条件を満たすと3種類の大型イベントが挿入される。
    • 期間が長く、当該イベント発生中は特別なルールが適用されるため、意識した立ち回りが求められる。
    • なお、メインモードを50年以上プレイすると、ヒストリーモードが登場し、大型イベントのみを遊ぶことも可能。
      • 10年制限(延長不可)で各イベントごとに最高総資産額等のプレイ記録が独立して残るようになっている。旧作の10年トライアルと近い性格を持っているが、あちらは1人専用でやり直し不可だったのに対しこちらは通常モードと同じく複数人プレイも可能である。
+ イベント内容
  • 「伝染病に打ちかて!」
    • 世界的に発生した伝染病を抑えるためのワクチンを開発することが目標となるイベント。
      • 各地にある製薬会社の物件を取得することでワクチンの開発が進んでいく。特定数のワクチンが納品されるか、10年経過するとイベントが終了する。
      • 製薬会社ごとに毎月納品されるワクチン数が決まっており、納品したワクチンの数に応じた臨時収入がイベント終了まで入手できる。
      • また、イベント終了時に納品した合計ワクチンが最も多かったプレイヤーには高額の賞金が出る。
    • イベント発生中は食品物件と観光物件の収益率が0%になってしまうデメリットもある。
  • 「救援物資をとどけろ!」
    • 紛争地である目的地に救援物資を届けることが目標となるイベント。
      • ……といいつつやることは、通常のプレイと同様で目的地に到達すればそれでいい。イベント発生後全員合わせて8回目的地に到達するか、10年経過するとイベントが終了する。
      • イベント発生中は安全確保という名目で目的地周囲の一部ルートがバリケードで封鎖され、移動できるルートが限られてしまう。また、バリケードはターン経過で配置が変わることもある。
      • この性質上、目的地への到達が通常よりも難しくなる。なお、到達した際の賞金などは通常と同様だが、イベント終了時にイベント中に目的地に最も多く到達したプレイヤーに賞金が出る。
  • 「IT長者をめざせ!」
    • IT物件の価格と収益率がランダムで上昇するイベント。10年経過した時点でIT物件のみでの総資産額が最も多いプレイヤーに賞金が出る。
      • イベント中のランダムなタイミングでIT物件の収益率が-10%から+1%に変化すると共に、物件の価格が2倍~15倍と大幅に増額される。どの物件がどの程度増えるかはランダム。
      • 入手した物件の価格が大幅に増えると収益率も相まって一気に資産増加が狙えるが、収益率の変動が遅れると赤字を抱えるリスクもある博打要素の強いイベントとなる。

総資産レベル

  • 旧作ではインフレ度合いやイベントの解禁は年数によって決まっていたが、本作では毎年4月の全員の総資産に応じて全16段階の総資産レベルが設定される仕様となった。
    • 全員の資産が増えると、早い段階でインフレしたり、大型イベントが始まったりするため、慣れたプレイヤー同士でプレイすればゲーム進行が早くなるようになっている。
      • カード価格が倍になる運賃改正も総資産レベルが上がると早い段階で発生するが、総資産レベルが低くても一定年数経過すると上がるようになっている。

新規カード・変更点
新規のカードは主に以下の通り。 なお、タンク系カードについては詳細は後述。

カード名 タンク 再行動 効果
プロペラカード × 上から順にそれぞれ急行周遊カード、特急周遊カード、新幹線周遊カード、のぞみ周遊カード、ロイヤルEXカードに対応する新規カード。
なお、上述の通り、周遊ではない1回使い切りの移動系カードは後述のライトニングカードを除き存在しない。
双発プロペラカード
ジェットカード
音速カード
超音速カード
ライトニングカード × × リニアカードに対応するカードで1回使い切り。
なお、リニア周遊カードに対応するカードは存在しない
東へ!カード × × 現在地点より東側(西側)の 緯度が近い駅 にランダムで移動する。
旧作に特定方角へ移動するカードとして北へ!カードがあったが、あちらは今いる場所より北なら全ての物件駅に判定があった。
西へ!カード
エリア飛びカード × 選択したエリア(ヨーロッパ、中東、アジア、アフリカ、オセアニア、北米、中南米)のいずれかの駅にランダムで移動する。
空港飛びカード × 空港の中からランダムで選ばれた4つから1つの空港を選択し移動する。
熱気球カード × × 現在地から見える範囲(赤道付近で縦横3マス分程度)で任意の駅に直接移動できる。
通常のサイコロ移動と同じように移動先のマス効果は発動し、買い物可能な駅なら買い物もできる。
進路妨害(バリケードやうんちなど)があっても無視して移動することができるほか、距離の算出基準はあくまで画面内にあるかどうかなので移動距離が遠方であっても移動可能。
例外的にココ島の外からココ島の駅には移動できない。また、空路上では「熱気球を飛ばすのは危険」ということで使用できない。
落下傘カード × × 空路で利用すると、近くの陸路または海路のマスにランダムで移動する。低確率でやや離れたマスに移動することも。
海老で鯛をカード × 指定したプレイヤーの持っているカード1枚を選択して、海老で鯛をカードと交換する。
2~4回使うと海老で鯛をカードは消滅する。
消滅した場合を除き、カードはあくまで交換なので、当然そのまま持ち続けていればすぐに奪い返されてしまうこともある。
緊急着陸カード × × 空路にいるプレイヤーを強制的に近くの空港に移動させ1回休みにする。
地球の裏側カード × × 自分か指定したプレイヤーを現在地点から見て地球の裏側(の近く)にあるマスに移動させる。
裏側に相当する周辺にマスがない場合は使用できない。地球の7割は海なので使いこなすためにはある程度地理の把握が重要になる。
偏西風カード × × 他のプレイヤーを東方向にランダムで移動させる。
虎に翼×2カード × × 目的地に着いた際に得られる援助金が4倍になる。
なお、前作の「虎に翼カード」は本作も続投なので、単純上位互換のカード。
100億円カード × 利用するとそれぞれ100億円、1000億円が即座に手に入る。
ヒストリーモードでのみ登場し通常プレイでは出現しない。
1000億円カード
満タンカード × 1枚のタンク系カードを選択し、利用回数を最大まで回復する。
途中下車カード × × 使用後にサイコロを振った際、その出目で通過できる駅ならどこでも「途中下車」してその駅で移動を終えることができる。
通常のサイコロはもちろん、サイコロを使用する各種進行系カードと併用することもできる。
場所混ぜカード × × 自身を含めた全てのプレイヤーの現在地点を入れ替える。
秘境探検カード × × 指定したプレイヤーを秘境(ヌーク、ノリリスク、バルダイ、ジェームズタウン、アバルア、イースター、マオナス、プエルトモント)のいずれかに移動させ、1回休みにする。
順番変更カード × × 各月のプレイ順がランダムで変更される。
ナマハーゲンカード × × 強制的にナマハーゲンを登場させる。
ボンバーマンカード × × 現在のマスに爆弾を置く。2ヶ月後に爆発して縦横7マスの範囲に爆風が届き、爆風に命中したプレイヤー全員の所持金が減る。
爆風がうんちに命中した場合はうんちを消滅させる。爆風範囲内に別の爆弾があった場合は誘爆する。
めざましカード × × 冬眠カードなどによる移動不可効果を受けた際に消費し、移動可能となる。
秘境探検カードの1回休みなどのように効果が出ないものもある。
  • 旧作で複数回利用可能だった「周遊カード」については全て廃止され、代わりに「タンク系カード」が実装された。
    • タンク系カードはカードの横に燃料のようなマークが3つ書かれており、1回利用することに燃料マークが1つずつ減っていく。燃料が1の状態で使用するとカードが消滅する仕組み。
      • 周遊カードと異なり、利用回数は一律で3だが、新登場の満タンカードを利用したり、マップ内に少数存在している給油駅(後述)に到着したりすることで利用回数を回復することが可能。
      • 旧作の急行カードに代わるプロペラカードなど、サイコロを増やすカードは最上位のライトニングカード(及び、うんち系カードに該当するもれちゃうぞカード)を除き、全てタンク系カードとなっており、1回しか利用できないタイプはそもそも存在しなくなっている。
      • サイコロ系のカードに限らず、ぶっとびカードや☆飛びカードなど、旧作で周遊系が存在した各種カードも全てタンク系カードに統一されている。
      • 相手のタンク系カードの利用回数を1にする「ガス欠カード」などタンク系カードを意識した妨害カードももちろん新登場している。
  • その他のカードの主な変更点については以下の通り。
    • 『令和』の10年トライアルで横行していた諸問題の是正に伴い、以下のカードが調整された。
      • ダビングカードの仕様が『令和』10年トライアル調整後に倣う形(使用後はターン終了、基準の販売価格が8億円に値上げ)で統一された。
      • シルバーカード、ゴールドカード、シンデレラカードはそのときの総資産レベルによって使用できる物件の上限額が制限されるようになった。
        総資産レベルが低いうちは低額の物件しか対象とすることができないため、特にシンデレラカードを用いて序盤で数千億円の物件を入手する、といったことはできなくなっている。
    • あっちいけカードがキングボンビーとデストロイ号を除く全ての変身ボンビーに対しても有効になった。
    • 武器よさらばカードの攻撃対象が「自分以外」となり、自身の攻撃系カードに対しては危害を加えなくなった。

新たな特殊駅「精霊教会駅」「給油駅」

  • 精霊教会駅
    • デビル系カードなどのプレイヤーに不利益をもたらすカード(赤字表記されるカード)を持っている状態で訪れると無料で全て駆除してくれる。
      • 性能としては従来までの「茶畑怪獣チャカテキーン*5」のマス版といった感じで、様々なカードを消す。
    • 上記とは別に手持ちのカード1枚を有料でダビングしてもらうこともできる。旧作のダビング駅に近いが、強カードのダビングが前作で横行しすぎた影響かこちらは弱体化された。
      • ダビング料金は概ねカード売り場での販売価格と同額で取り扱うが、強力なカードは総じて販売価格より大幅に高額になっている。
      • ちなみにタンク系カードをダビングした場合はその残量に関係なく未使用の状態でもう1枚手に入れることができる。
  • 「給油駅」
    • 持っている全てのタンク系カードを無料で満タンまで回復してくれる。
      • 残量が1のカードを使って給油駅に向かうと給油する前にそのカードが消滅してしまうため、1のまま残して辿り着く必要がある点は注意しなければならない。

その他の変更点

  • 地球規模の世界が舞台となったことに合わせ、旧作の移動系カードの名称が汽車系(急行カードなど)から飛行機系(プロペラカード等)に置き換えられた。電鉄といいつつ、大抵の移動は航空機となる。
  • 100年プレイをすることで、通常とはちょっと違う特別マップを遊べるようになった。
    • とはいえ、空路が追加されるのとスタート地点が異なること以外は細かいマスの差し替えに留まり、基本構造に大きな変化はない。
      • 追加されるマスは玄人好みのものが多い。上級者向けマップとも言える。
  • スリの銀次がお金を奪うのは同様だが、本作では絶滅危惧種のために然るべき団体に寄付するという流れでお金を取られるようになった。
    • 単純に奪われるだけよりは多少マシ……かもしれない。もっとも寄付したからといって感謝されるわけでもないため、やられていることは何ら変わらないが。
    • また、『令和』では初回イベント発生時は全額確定という凶悪な設定だったのに対し、今作は初回は4分の1固定と多少は情けのある仕様になった。

評価点

高い再現度を誇るマップ

  • 舞台が世界となっているが、特徴でも述べたとおり地形の再現度は非常に高い。
    • かといって、だだっ広い海をひたすら巡るバランスにはなっておらず、太平洋など大型の海は空路で一気に進むことができるなど、マスの密度はしっかりと調整されている。
  • コロナ禍まっただ中であり現地取材が難しかった事情の中でも本作の魅力である各駅の物件はしっかり吟味されている。
    • 途中から、旅行ガイドブックである「地球の歩き方」の監修を受けて、物件の情報の正確さを上げたことが述べられている。
    • 国家のイメージは日本人の考えるテンプレ描写からはあえて外されている部分も大きく、アフリカや南米などの新興国にIT関連の企業が多数存在するなど、最新の国家情勢を可能な限り反映している。もちろん、レストランや観光地などについては比較的有名なものを多く取り上げている。
  • 国境線についても「日本旗章学協会」の協力を得るなど、様々な専門家の力を借りて精査したとのことである。
  • 世界が舞台なので、「夏は青マスの収益が多い」という伝統に沿うと北半球と南半球で収益が真逆になりややこしくなってしまうためか、一律で「6〜8月は青マスの収益が増えて、12〜2月は赤マスの被害が増える」で統一されている。
    • 効果が増大しているマスはわかりやすいエフェクトが発生し、サイコロを振る前にも現在の状況が表示されるため、初心者でも理解しやすい。
    • また、よく見ると青、黄、赤マスにそれぞれ異なる模様が表示されるようになった。色覚異常の人にもプレイしやすくなっている。
  • 「差別や戦争が存在しないすべての国が繋がった平和な世界」が舞台であることが強調されており、政治的に微妙な国も一通り何かしらの形では登場している。
    • 北朝鮮やウクライナなどの国も公平に登場しており、前述の紛争イベントを除き国家間の戦争などを思わせる描写は極力廃されている。
    • エルサレムや台湾などは国旗が表示されず、どこの国扱いなのかは曖昧にされている。
  • これだけ精査して作られていることもあって、旧作同様教育素材としても優秀。プレイしているだけでどんどん世界の地理に詳しくなれるだろう。
    • 貧乏神やクエスニャンのクイズでは、本作外の世界の地理クイズなども出されるため、ゲームを有利に進めるために世界の地理を学ぶ動機付けとしても機能している。
    • 目的地に到着するとその国の挨拶が表示されて歓迎される、次の目的地を決めた際に地球儀でどの辺にあるのか教えてくれるといった要素も。

比較的完成度の高い赤鬼AI

  • 今までのシリーズでは最弱〜ブービー扱いだった赤鬼だが、本作では最弱のマメ鬼のワンランク上という扱いは変わらないものの、「桃鉄初心者〜中級者と概ね同じような動きをし、人間と同じ絶好調状態になる」という対人の代替AIとしての役割が強くなった。
    • 慣れたプレイヤーには物足りない強さなのは変わらないが、「弱すぎてどうしようもない」というほどのヌルさは無くなった。初心者への接待用ならマメ鬼を使えばいいため、この程度の強さなのは妥当と言える。

総資産レベルによるゲームテンポの調整

  • 旧作と異なり、インフレの調整が総資産レベルになったため、プレイヤー同士の腕前に応じてゲームの進行が穏やかにも急激にもなり得る。
    • 上級者であればすぐにインフレが進んでいくため、序盤の展開を一気にすっ飛ばしていくことができる。
    • 逆に初心者同士であれば展開が進むのが遅くまったりとプレイすることもできる。

賛否両論点

舞台が世界となった

  • 本作ではフィールドが日本列島から地球全土となったが、この点は賛否両論である。
    • 慣れ親しんだ日本列島と異なり、舞台が世界であるため、世界の地理に詳しくないプレイヤーにとってはほとんど分からない地名が並ぶことになる。
      地理の勉強にも活かせるシリーズとして有名なことを考えればこの作品が世界の地理を学ぶきっかけにもなるとはいえ、物件の特色を把握していなければ親しみも湧きにくい。
      • 目的地までのマス数は分かるが、エリア飛びカードなどを使う際にどのエリアが近いかなどは分かりづらい。
      • 最短となるルートを表示してくれる機能こそあるが、空路が多いこともあり、自分がどのように向かっているかもあまり分からず、結果的にリスクが高い通り道を選んでしまうこともある。
  • 世界各国を舞台にするという要素はDS版『WORLD』*6が先んじているが、本作は一部の都市ならず地球全土を舞台にするというスケールの大きさに合わせ、様々な新機軸となる要素も追加された、いわば実験作とも言える内容になっている。そうした作品の常として、やはり賛否両論の声が大きい。
    • 実際に「新鮮な体験ができて楽しい」という意見も多いが、「あくまで日本全土を舞台にしたこれまで通りの桃鉄をプレイしたいのであってこういうのは求めていない」という意見もある。
    • 改善されている点はあるとはいえ、ベースとなるシステムは『前作』と大きく変わっていないため、『前作』の大きな違いは「舞台となるフィールドのみ」といってしまってもよく、本作が発売後においてお『前作』の方が好きというプレイヤーも少なくない。

前作以上の超攻め寄りのバランス

  • サイコロが6個に増加しなおかつ3回使用できる「超音速カード」についても普通に購入できる上、ある程度 総資産レベルが上がれば通常のカード駅からもゴロゴロ出てくるバランスであるため、全てのプレイヤーが平気で2,3ターンもあれば世界半周ができることもザラで、目的地の到達ペースは過去トップクラスといっていい。
    • 同一ターンであるプレイヤーがゴールした直後に次のプレイヤーが移動系カードを使ってゴール、そしてまた次のプレイヤーが……ということも普通に起こりうる。
      • これほどまでに世界中を巡るペースが速いゆえか、キングボンビーの悪行が更に凶悪化しており、トップから最下位まで一瞬で転落させられてしまうことも珍しくない。
    • 地球規模の世界が舞台となっているためゲーム進行のテンポ面を考慮すれば配慮の一環とも言え、逆転要素が増えたという評価もできるが、前作の時点で速かったゲームテンポが更に加速してしまうためついていけなくなる人も増えてしまった。
      • シリーズ自体が初心者から上級者まで幅広いプレイ層が楽しめるゲームとして打ち出されていることを考えると、上級者向けに尖ってしまった感も否めなくなっている。

10年トライアルがなくなった

  • 『前作』の1人用プレイである10年トライアルが消滅したため、ソロのやり込み要素が減少してしまった。
    • このオミットは当該モードが数々のバランスブレイク要素が横行し後のアップデートで対策した結果ゲームバランスの悪化、という流れを繰り返していたこともあり問題点を多く抱えていたことにも一因はある。
  • 「10年固定」で「個別に記録が残る」という点では今作のヒストリーモードが似た性格を持っており、こちらに集約されたという見方もできる。
    • ただし、こちらはルールや前提条件が通常モードをベースとしていた10年トライアルとは一部異なる点や解禁自体に50年以上のプレイと少なくない時間がかかる点など、旧来のものを完全に代替できているわけではない。

問題点

バリエーションが薄いお祭り精霊

  • お祭り精霊の数はある程度多いのだが、多くの精霊が精霊ごとの対象エリアとなっている物件を持っているプレイヤーのいずれか(全員の場合もある)に臨時収入を与えるか、損害を与える系であり、使い回し感がある。

一部「桃鉄3年決戦!」に最適化されていないCOMプレイヤーの思考ルーチン

  • 上位のCOMはいずれも持ち金の余裕がある時はカード売り場に寄ってしっかりカードを買い込むという手堅い行動を取りがちだが、手番が残り少なくなってもその傾向が変わらないため、終盤にあたっては総資産を減らすだけのボーナス行動になってしまう。

総評

余談

  • 元々、『前作』が50万本売れたら次回作(本作)を開発しようと考えられていたが、予約だけで50万本売れたことから前作発売後すぐに本作の開発準備が始まったとのこと。
    • なお、本作についても発売後1ヶ月で100万本以上売れている。
  • ある意味シリーズのお約束とはいえ、『前作』と本作のパッケージデザインが似ていること、どちらが前作でどちらが今作かがタイトルからは判断しづらいことなどが相まって本作を購入しようとして、誤って前作を購入してしまったという話も聞かれた。
    • 実際、家電量販店などでは、前作と本作がほぼ近くで売られているケースも散見されている。

初稿投稿日: 2024/3/16 追記修正歓迎

超探偵事件簿 レインコード

【ちょうたんていじけんぼ れいんこーど】

ジャンル ダークファンタジー推理アクション(推理アドベンチャー)
対応機種 Nintendo Switch
発売元 スパイク・チュンソフト
トゥーキョーゲームス
発売日 2023年6月30日
定価 6,345円
プレイ人数 1人
判定 良作
ポイント ダンガンロンパ』制作陣による新感覚推理ゲーム
独特の世界観と魅力的な登場人物
「正義」と「真実」を問う秀逸なシナリオ
ゲームシステムは新鮮だが粗が目立つ

概要

スパイク・チュンソフトによる新規タイトルの推理ADV。 『ダンガンロンパシリーズ』を手掛けた主要メンバーが独立して立ち上げたトゥーキョーゲームスが制作に関わっており、実質的に同シリーズの後続作品となっている。
また、『ニューダンガンロンパV3 みんなのコロシアイ新学期』にてトリック監修に携わり、「ダンガンロンパ」のスピンオフ小説である「ダンガンロンパ霧切」を執筆したミステリー作家の北山猛邦氏もメインシナリオ及びトリック監修を引き続き担当している。


あらすじ


内容

本作は主に3つのパートに分かれており、


評価点

ユーザーを引き込んでいくストーリー

  • 作品のストーリーでは、カナイ区にて起こる事件を通して主人公、ユーマ・ココヘッドの葛藤と成長を細やかに描いていく。
    • 物語の中でユーマは自らの正義と哀しみを背負って犯行を実行する者から、身勝手かつ自分本位な動機で様々なものを犠牲にした外道まで、まさに千差万別な犯人達と謎迷宮で対峙する。
    • 「外に出て真実を明らかにするためには、犯人の命を奪わなくてはならない」という謎迷宮のルールがユーマの成長物語に深みを与えており、「犯人を犠牲にしてまで真実を暴く必要があるのか」という問いにユーマは苦悩していく。
    • その物語の果てに彼が選んだ『解決』には説得力があり、ユーザーとしても感慨深いものがあるようになっている。
  • また、最後の謎迷宮で対立する人物も、『ダンガンロンパ』シリーズのラスボスとは一線を画している。
    + 本作及びダンガンロンパシリーズの一部ネタバレ注意 本作のラスボスは本人なりの信念や正義を持っており、「倒すべき絶望」として描かれてきた『ダンガンロンパ』シリーズのラスボスとはまた違った魅力がある。
    • ラスボスはある事情でかなり追い詰められており、犯してきた罪も「こうするしかなかった」と作中で言われているため、プレイヤーにも一部同情できるようなものとなっている。

賛否両論点

  • キャラクター描写の不足

  • 大味なトリック
    • 「もう少しどうにかならなかったのか?」と首を傾げたくなる
  • 作中での謎迷宮の意義

問題点


総評


余談


初稿投稿日: 2024/03/24 追記修正歓迎

ガーディック外伝

【がーでぃっくがいでん】

ジャンル アクションシューティングRPG
対応機種 ファミリーコンピュータ
発売元 アイレム
開発元 コンパイル
発売日 1988年2月15日
定価 5,500円
プレイ人数 1人
判定 良作
ポイント S(スーパー)H(ハイスピード)S(シューティング)
見かけによらないタフネスさでガンガン撃墜する爽快感
時代を先取りしたビキニアーマーメカ娘
シューターに対しては難しめな謎解き
コンパイルSTGシリーズ


概要

MSX用シューティングゲーム『ガーディック』の外伝的作品。まさにそのまんまなタイトル。
本作ではアクションとの複合だがアクションステージでもシューティング要素が強い。また特定アイテムでパワーアップするRPG要素も兼ね備えている。

主人公「システムD.P」こと「ミリア」は設定上は機械ではあるが『夢幻戦士 ヴァリス』のようなビキニアーマーの女の子のような人型形態にもなる。
現実では21世紀にトレンドの1つとなる「ビキニアーマー風メカ少女」の先駆者的存在である。


ストーリー

銀河の彼方から巨大な落とし物とも言うべき謎の物体が近づきつつあった。
「ナジュ」と名付けられたこの物体は、遥過去に人類とは別の存在が落とした巨大カプセルだったのだ。
そして長い年月の間凶悪生命体が内部で増殖し続けた。しかしこのような事態に備えカプセルの奥深くにある10個の安全装置を起爆させることによる、自爆機構がついていた。
なすすべない地球に、ある日地球外のノウハウで創られた最強戦士「システムD.P.」が、ガーディックを生み出した者より送り込まれてきた。
それこそが人類最後の希望だった。


内容

  • ダンジョン内にある10個の安全装置を起爆させ「惑星ナジュ」を破壊することが目的。
  • 全体的にはシューティングがメインになっており、主人公ミリアはラビリンスステージでは人型、コリドール(ダンジョン)ステージでは戦闘機形態になる。
    • スタート直後は戦闘機形態からスタートする。まずは「惑星ナジュ」を目指すところから始まる。
    • その後は「ナジュ」の中を探索し「コリドール」を探し、キーを入手して行動範囲を広げ、最終的にその中にある10の安全装置を起爆して、惑星ナジュ破壊を目指す。

ラビリンスステージ

  • 「惑星ナジュ」の外枠にあたる部分で本体コリドールへの入り口が随所に点在している。
    • ここでメッセージなどを頼りに、21のコリドールを捜し出し、その全てを破壊することが目的。
    • このステージ自身もいくつもの区画に区切られており、何もない状態では行けない部分がある。
      • それらは後述のコリドール攻略でキーを手に入れることによって、入れるようになり行動範囲にを広げていき、また新しいコリドールを見つけていく。
    • 道中には小ボスのような敵が出現することがあり、その時は警報のような音が鳴り響き、今いる区画が破壊不能な壁に閉ざされる。
      • 閉ざされた後は、その小ボスを破壊しない限り進むことはできないが、閉ざされる前に突っ切ればパスも可能。

コリドール(ダンジョン)ステージ

  • ラビリンス内に全部で21の入り口がある。このステージでは戦闘機形態で戦うことになり、最初に変形のアクションが入る。
    • 全部で21あり、ボスを倒すことで安全装置を破壊したりラビリンスで新しい区画に行けるキーを手に入れることができる。
    • 一度攻略したコリドールは破壊され、二度と入ることはできない。
    • 本作の代名詞「S(スーパー)H(ハイスピード)S(シューティング)」とは基本的にこれのことである。
  • ゲームスタート時も戦闘機形態からスタートし、同じようなスタイルのシューティングで始まるが、それはコリドールではない。

アイテム関連

  • オプション
    弾数有限性の武器で、強力な特殊弾。敵のドロップやブロックに隠れているものもある。全部で12種類。
    • 全方位弾
      プレイヤーの向いている方向に弾がとぶ。
    • バック・サイド
      プレイヤーの両斜めバックに弾がとぶ。
    • ウェーブ
      プレイヤー前方にウェーブ発射。コリドールでは左右にゆらすこともできる。
    • 回転弾
      プレイヤーの周囲を弾が回る。
    • 手榴弾
      投げた後、爆発して敵をまきこむ。
    • ファイヤ・ボール
      貫通弾。飛びながら進路上のものを焼き払う。
    • エリア・ブラスト
      画面上の敵に向って貫通しながらとんでいく。
    • リピール
      プレイヤーの向く方向に回転しながらとんでいく。
    • レーザー
      強力なレーザー光線(歩行時には使えない)
    • サーベル
      プレイヤーの向く方向に出現する棒状の武器。
    • カッター
      サーベルがミリアの両サイドから出る。
    • エネミー・イレーサー
      フラッシュし、画面中の敵を一撃する。
  • アイテム
    チップ(お金)やライフを回復させるもの。
    • タンク
      ライフを最大まで回復させる。
    • 青ランダー
      ライフのMAX、残量を上げる。
    • 赤ランダー
      チップのMAX値を上げる(実質的なレベルアップ)。

    • 攻撃力をレベルアップさせる。

    • 防御力をレベルアップさせる。
    • 連射
      通常弾がパワーアップする。
    • パワー
      ライフを一定量回復させる。
    • 青チップ
      チップが20増える。
    • 赤チップ
      チップが500増える。

評価点

  • 敵の攻撃は激しいが自機のタフさから、ちょっとやそっとの攻撃にはビクともせず積極的に攻撃して撃墜する爽快感が味わえる。
    • 連射パッドがなくても、1段階パワーアップしただけで、強力なオート連射ができる。
    • 更に回復アイテムの出現頻度も高い。
      • このため単にタフというだけでなく倒すことによって回復アイテムがドロップされる頻度も高くライフを戦いながら回復できるため、より積極的にガンガン攻めていける。
  • 時代を先取りした奇抜な主人公のキャラデザイン。
    • 機械ながら見た目はビキニアーマー美女の「システムD.P.」ことミリアは当日限りなくオンリーワンに近く、その見た目のインパクトは大きいものだった。
    • 人型形態から戦闘機形態に回転しながら変形していく描写も粗いドット絵ながら、その様子が容易に伝わるほど描き込まれている。
      • エンディングでは彼女のアップの顔が描かれておりそんな彼女の美少女っぷりがよくわかる。
  • 細部まで描き込まれたグラフィックの数々。
    • またボスをはじめ巨大な敵キャラも、俊敏な動きで襲ってくる迫力も抜群で、旧来のシューティングとは一線を隔している。
    • シューティング特有の破壊する爽快感に加えてスピード感も抜群。
      • トップビューながら背景がビュンビュン流れ、それに乗って怒涛のような攻撃で破壊してくことで、その相乗効果を生み出している。
    • 背景の高速スクロールも、おかしな処理落ちなどもなく、その高速で走る背景をバックに撃ちまくる爽快感とスピード感の両立が高次元でしっかり成り立っている。
    • 上記のミリア自身の変形やエンディングでの美少女ぶりにも、ついつい見とれてしまうレベル。
  • 多彩なアイテムとパワーアップ要素。
    • 様々な性能を持った武器はいずれも個性を持っているためムダなものがない。
      • デフォルトのビームでは破壊が難解な敵もこれらを駆使することで破壊効率を上げることができるので、それらを掴むことでより爽快感を高めていける。
    • また主人公のミリア自身もチップ最大値を増やしていくことでデフォルトのビームがグングンパワーアップするためパワーアップシューティングの醍醐味も味わえる。
  • 敵キャラはコリドール、ラビリンスとも非常に豊富でボスだけでなくザコもバラエティに富んでいる。
    • それぞれが、見た目だけでなくちゃんと固有の特徴を持っているため手抜き間は一切ない。
    • コリドールのボスに至っては特にその特徴が際立つものばかり。

問題点

  • メッセージの見方や送り方が少々不便。
    • メッセージを見ながらミリア自身も動いてしまったりなど、双方の操作が分離していないため少々煩わしく感じられる。
    • かといってメッセージを見ている間、いちいち足止めされるのも不便なので仕方ない一面もあるが。
  • シューティングの爽快感は素晴らしい出来だが謎解きが少々難しいのもある。
    • そのため、謎が解けるまで人型形態でウロウロすることもしばしば。

総評

シューティングの醍醐味である「撃ちまくって破壊する爽快感」は文句なしで更にミリアのタフさや、その回復頻度も高いことも相まって少々のダメージを気にすることなく積極的に攻めていけるので、その爽快感を存分に体感できる。
また戦闘機化したコリドールステージでは敵の動きは速いのが多いが、上記のタフさのおかげでスピードの爽快感も伴い、まさにS(スーパー)H(ハイスピード)S(シューティング)にの名にふさわしいものになっている。
同時にマップでも、ちゃんと行くべき先が見えるので迷いにくく、連射パッド級のオート連射ができたりと様々なアイテムも豊富でそれぞれ特性があり、とことんシューティングの醍醐味を味わえる仕様。
豊富なアイテムはしっかり特性を把握して使いこなす必要があったり、更に謎解きの要素もあるなど一筋縄ではいかない点も多いが、やりごたえは十分すぎるものがある。
現在でも語り継がれる存在になったのはミリア自身のキャラクターによるところもあるだろうが、決してそれだけではなくシューティングとしてのクオリティの高さも確かなものだったことは間違いない。


余談

  • 本作の前身にあたる『ガーディック』はMSXでのソフトであり、MSXそのものの普及率はさほど高くなかったので「のっけから外伝をプレイした」という人も珍しくないだろう。
  • 徳間書店の『わんぱっくコミック』1988年1月号~2月号で本作の漫画が掲載された(作:愛沢ひろし)。
    • この作品は単行本にカットされなかったため、現在では月刊誌を入手するしかないため、現在で読む障壁が高い。
  • ミリアは現在ではメカながらビキニアーマーヒロインの一角として名が挙がるクラスのネームバリューがある。
    • だが残念ながら当時は「やっぱり機械だから」という抵抗もあり『夢幻戦士 ヴァリス』の優子や『ドラゴンクエストIII そして伝説へ…』の女戦士といったビキニアーマーや『アテナ』のようなビキニ王女のような生粋な人間であり主に剣などで戦うファンタジーキャラに比べると安定して好まれなかった。
    • しかし21世紀に入り「戦記絶唱シンフォギア」のような「ビキニアーマー風メカ少女」が確固たる人気を得ていることからしてもわかる通り、長い目で見れば目の付け所は間違っていなかったと言えるだろう。
  • 日本物産のアーケード麻雀ゲーム『麻雀殺人事件』(1988年10月から稼働開始)に登場する容疑者の1人「葉子」が本作のミリアそっくりなコスプレをしている。