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ファイナルブラスター - (2020/04/19 (日) 05:20:53) の編集履歴(バックアップ)
ファイナルブラスター
【ふぁいなるぶらすたー】
ジャンル
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シューティング
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対応機種
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PCエンジン
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発売元
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ナムコ
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開発元
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NHシステム、ノバ、アイシステム東京
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発売日
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1990年9月28日
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定価
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6,800円
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プレイ人数
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1人
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セーブデータ
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なし
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レーティング
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CERO:A(全年齢対象) ※バーチャルコンソール版より付加
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配信
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バーチャルコンソール 【Wii】2008年9月9日/617Wiiポイント(2019年1月27日配信終了)
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判定
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なし
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ポイント
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ボスコニアンシリーズ最終作 ゲームの完成度は高いが不備もあり
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ボスコニアンシリーズ ボスコニアン / ブラストオフ / ファイナルブラスター
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UGSFシリーズリンク
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概要
1981年にアーケードからリリースされた『ボスコニアン』、1989年のアーケードリリース『ブラストオフ』に次ぐシリーズ3作目。
ボスコニアンシリーズ3部作の最終作であり、PCエンジンソフトとして開発されたオリジナルの縦スクロールシューティングゲームでもある。
前作『ブラストオフ』に次いでNHシステムが開発を担当していたが、開発中にNHシステムが倒産してしまったため同じナムコの下請けメーカーであったノバに開発が引き継がれた。
人類の叡智を集結した最新鋭戦闘機「フェニックス」を操り、因縁の敵「ボスコニアン軍」をの最終決戦へと挑むというストーリー設定。
前作『ブラストオフ』と同じ縦スクロールシューティングだが、ゲームシステムは大きく異なる。
1人プレイ専用。全7ステージ構成。
ゲームルール
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操作体系
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十字キーにてフェニックス(以下:自機)の移動。使用するボタンは各自、ショットボタンとボムボタンに使用し、SELECTボタンも使用対象に含まれる。
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十字キーで8方向移動操作。強制スクロールとは別で自機の移動に沿う形である程度上下にスクロールする仕様となる。
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ショットボタンでショットを撃つ。後述の操作の関係上、連射パッドの使用はあまり推奨できない。
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ショットボタンを押しっぱなしにして自機が炎に包まれた頃合いにボタンを離すと、超攻撃力と貫通性能を誇る「フェニックスブラスター」(以下溜め撃ち)を撃つ。
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オプションレベル1以上の状態にてボムボタンで、オプションの1レベルダウンと引き換えに画面全体にダメージをあたえる「オプションボム」が放てる。
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SELECTボタンで自機の移動速度を4段階まで調整できる。溜め撃ちの溜め時間と移動速度は反比例する性質がある。
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カプセルと自機の強化について
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本作におけるメインとなるアイテムは「赤カプセル」と「青カプセル」の2種類のみ。
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アイテムキャリアーを破壊するとカプセルが出現する。カプセルは時間経過で色が切り替わるので、取得のタイミングを調整しなければならない。
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赤・青カプセルの取得状況によって、様々な性能へと自機を強化できる。
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赤カプセルを取得すれば自機及びオプションのパワーアップ(ショット強化)となる。最大で3レベルまでのパワーアップが可能。
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青カプセルを取得すれば自機を援護してくれる「オプション」が付く。こちらも最大3レベル(3つ)までのオプションが付けられる。
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オプションは先述のオプションボムを使用する他に、オプションに被弾などのダメージが蓄積されるとレベルが1段階下がってしまう。
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オプションレベルは単にオプション数が増えるだけというものではなく、性能そのものが大きく異なる。
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よって、単純に青カプセルを多く取ればいいとも限らない。下位レベルのオプションの方が戦況的に有利となる場合も多々ある。
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溜め撃ちの性能に関してはパワーアップ及びオプションレベルの影響を受けない。
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ステージによっては溜め撃ちでしかダメージをあたえられない敵もあり、自機の強化依存だけで難関を乗り越えらえる保証はない。
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以下レベルに応じたオプションレベルの性能を表記する。
+
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オプションレベル性能一覧
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オプション レベル0
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青カプセルを取得しておらず、オプションを全く付けていない状態。 前方向に連射の効くノーマルショットを撃つ。パワーアップすれば前方6方向まで撃てる。 ノーマルショットの威力はごく平凡で、攻撃範囲に乏しい低パワーアップレベル状態では厳しい戦いを強いられやすい。 しかし、パワーアップレベルが高くなるにつれ前方攻撃範囲が広くなり、上位のオプションレベルに負けるとも劣らない攻撃が行える。
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オプション レベル1
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オプションを1つ付けた状態。自機前方にヘッドオプションを付ける。 自機のノーマルショットに加えパワーアップすれば前斜めと後ろに当たり判定の強いリングショットが撃て、さらに高威力のホーミングミサイルも撃てる。 攻撃範囲重視である反面、発射される各ショットの間隔が広いためにを集中攻撃を行うにはあまり向いていない。
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オプション レベル2
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オプションを2つ付けた状態。自機左右にサイドオプションを付ける。オプションは不動だが、360度方向でのショットの方向調整が可能。 自機・オプション共にノーマルショットがメインで、パワーアップすればオプション側が前後攻撃となり、ホーミングミサイルも撃てる。 オプションの扱い方次第では多方面での攻撃が行える上に連射性能も高いため性能が安定している。
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オプション レベル3
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オプションを3つ付けた状態。パワーアップレベル2まではトレースオプションが付き、レベル3はローリングオプションに変化する。 自機のノーマルショットに加えオプションから攻撃性能に優れたレーザーが撃てる。パワーアップすればレーザーの性能がさらに上がる。 非常に優れた火力を誇り軽い雑魚敵程度ならば簡単に撃破できるが、オプションレベル2に比べると攻撃範囲の多様性では劣る。
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ランクシステムについて
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本作では次のステージに進む度に、難易度が変動するランクシステムを採用している。
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ランクは前ステージクリア時における「自機のパワーアップ及びオプションレベル」が高いほど、「ミスした回数」が少ないほどに高くなる。
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ステージ2は2段階、ステージ3は3段階、それ以降のステージは4段階までのランク分けがされている。なお、ステージ中における難易度変動の要因はない。
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ミス条件について
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残機制を採用しており、残機がすべてなくなるとゲームオーバーとなる。ミス後は途中復活となる。
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自機がいかなる状態であろうと敵・敵弾・壁に触れると一撃ミスとなる。
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ミスすると自機の破壊後から「緑カプセル」が出現し、復活後にすかさず取得するとミス前のパワーアップ及びオプションレベルの状態で再開できる。
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コンティニューは5回まで可能で、該当ステージ最初からの再開となる。また、コンティニューはそれまでに到達したステージセレクトの機能も兼ねる。
評価点
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硬派ながらも完成度の高いシューティング
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シューティングとしては「パターンをあらかじめ覚えて攻略していく」タイプのもの。
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前半ステージ位ならば比較的アドリブが効きやすいが、中~後半ステージは初見殺し率も多く存在してくるため死んで覚える攻略は必須といえる。
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問題点の件もあるものの、過剰な長期戦や運が絡む要因は皆無なので、やり込んでいくうちに先への道が通じる硬派で骨太な作りとなっている。
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純粋にシューティングとしても作り込まれた内容で、大きなやりがいがある。
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パワーアップ及びオプションレベルを上げて戦力を強くしていく一方で、要所では溜め撃ちも駆使しなければならない場面もあるため、プレイが単調になりにくい。
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各ステージは「トリッキーな動きの敵に対する対処」「狭い地形を避ける」などの特色のある構造となっており、それに合った攻略が必要不可欠となる。
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1ステージあたりの構造は丁度良い長さで、無駄な間延びはほぼない。オールクリアまでのプレイ時間は30分前後と推測される。
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グラフィック・BGM周りの評価も高い
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PCEオリジナルゲームでありながら、グラフィックの書き込みはアーケードに近いレベルといっていい。
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前半ステージはメカニックな無機質デザイン、後半ステージになるとバイオニックな生物的デザインを中心に描かれているが、全編通して見所にある外観となっている。
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むしろ、外観が殺風景気味だった『ブラストオフ』よりも書き込みが洗練されている程で、シリーズの中でもグラフィックが華やかといえる。
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BGMのクオリティも申し分なし。
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前半ステージは爽やかでかっこいい楽曲、後半ステージはおどおどしい楽曲がメインとなっている。ボス戦BGMは緊張感溢れる楽曲で強敵と戦っている感が漂う。
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エンディングでは長き戦いが終わり平和が訪れた安堵感が心地いい楽曲が流される。なお、この楽曲は『ブラストオフ』のメインテーマのアレンジでもある。
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裏技ではあるがサウンドテストも可能。
問題点
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ミス後の立て直しが困難
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ミスすると自機のパワーアップ及びオプションランクがすべて失われてしまい、復活が極めて困難となる。
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それに対する救済処置として緑アイテムが出現するのだが、自機のミスした場所によっては、すでにカプセルが画面から消えているという状況が多い。
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本作におけるアイテムキャリアーは出現回数が少なめで、それに伴い赤・青カプセルの取得機会も多くない。後半ステージだとさらに出現回数が減ってくる。
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後半ステージではそれまでに比べてかなり難易度が上がっており、何もない状態の自機で立て直しを行うのはいばらの道状態。ましてやランクが上位に達しているとなると…。
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一応はランクを落とすプレイで進めれば立て直しが若干楽になるが…。
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ランクを落とすには赤・青カプセルを極力取らないか、わざとミスしなければならず、下手にランクを落とそうとすれば逆に自身の首を絞めかねない可能性もある。
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上下スクロールの障害
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自機の位置によって上下スクロールする影響で表示が画面に入りきらない仕様となっているが、これのために事の状況が把握し辛くなっている。
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実例としては画面外から視覚に入っていない流れ弾や敵が襲い掛かるという状況が頻繁に起きやすい。まさに一寸先は闇状態である。
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残念ながら一画面に収まるようにするゲームオプションや裏技は存在しないので、こればかりは慣れるしか対処のしようがない。
総評
その難易度故に初心者には多少敷地が高い節があるものの、シューティングとして完成度は上々で普通に遊べるゲーム。
シリーズの最終作であるのは名残惜しいが、ボスコニアン3部作の締めとしてはふさわしい出来といえるのではないだろうか。