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マリオパーティ8 - (2016/03/13 (日) 12:05:17) の編集履歴(バックアップ)



マリオパーティ8

【まりおぱーてぃえいと】

ジャンル パーティゲーム
対応機種 Wii
発売元 任天堂
開発元 ハドソン
シーエイプロダクション
ウィル
発売日 2007年7月26日
価格 5,800円(税5%込)
プレイ人数 1~4人
レーティング CERO:A(全年齢対象)
判定 黒歴史
ポイント Wiiリモコン機能をつかったミニゲーム
操作性やテンポが悪い
マリオシリーズ・関連作品リンク


概要

  • マリオパーティシリーズ8作目。Wiiでは初のマリオパーティシリーズで、新要素も盛り込まれているが、基本的なゲーム内容・システムは過去作とほぼ同様。
  • 今作は、基本的な操作からミニゲームもふくめて、Wiiリモコンを積極的に使うようなゲームデザインとなっており、それに合わせて従来より「パーティゲーム」としての要素がより強化されたゲームとなっている。

評価点

ボードゲームに関して

  • ボードゲームでは、前作までと同様に、マップによってスターの手に入れ方が異なっている。また、新しく追加されたマスやイベントが強力なものが多く、スリリングな対戦が楽しめるようになった。
    • 「ラッキーマス」が追加。止まると「ラッキールート」に進むことができ、大量のコインやスターを入手できる等のラッキーなイベントが起こる。
    • 「ドンキーマス」「クッパマス」の効果が、各マップ専用のイベントが発生するマスになった。マップによっては、発生するイベントが強力なものもあり、勝負の行方に影響することもある。なお、前作までの「ドンキーミニゲーム」「クッパミニゲーム」は廃止された。
  • 前作までの「カプセル」は廃止され、「キャンディ」という新しい種類のアイテムが登場。
    • つかうとサイコロブロックを複数叩いて移動できたり、いろいろな姿に変身して移動中にすれちがったライバルに攻撃をすることなどができる。ルーレットで選んだライバルやすれちがったライバルのコインを半減させる、スターを奪うといった強力なものも。

グラフィック・演出面の向上

  • ハード性能が向上したことにより、キャラのグラフィックなどが全体的に綺麗になった。
  • 『マリオパーティ』シリーズではめずらしい、リアル風な画面に描写されている。
    • 黎明期のタイトルながら、Wiiトップレベルのグラフィックといえる。任天堂のゲームでは定評がある水の質感はもちろん、建物の質感もよりリアリティのあるものとなっている。
  • 演出面もそれに合わせて向上。スター入手時などエフェクトや演出がより派手になった。また、コイン等のアイテムを入手した時のエフェクトが追加され、どんなものが、どれだけ手に入ったか、直感的に分かるようになっている。

キャラクター

  • 「ハンマーブロス」や「ゲッソー」と風変わりなキャラクターが追加され、使用できるプレイヤーキャラは過去最多となった。

その他

  • マリオパーティ6』から登場した「マイクミニゲーム」は廃止された。
    • ゲームキューブマイクの反応が周囲の雑音を拾ってしまうほどよすぎるため、ひとりで使用するぶんには問題はないが、多人数で盛り上がっているときに誤動作することがあった。ファンから見れば『6・7』は暗黒期だったとの見解も一部ある。
  • ある条件を満たすことで、ゲームをあそぶともらえる「カーニバルカード」と交換で、まだボードゲームでプレイしたことのない(「ミニゲームブース」の「フリープレイ」モードで解禁されていない)ミニゲームを入手可能となる。

問題点・賛否両論点

インターフェイスに関して

  • 今作では前述の通り、Wiiリモコンの機能を積極的に使用したインターフェイスとなっている。しかしながら今作のそれは完全にゴリ押しの域であり、過去作で完成されていたインターフェースを改悪している部分が目立つ。
    • メニューの選択やマップ上の操作など、リモコンで画面をポイントして選択肢を決定する場面がとても多い。このほか、マップの分岐点で進む方向を選択するときやミニゲームのルール説明画面など、ポインターをつかう必要性があまり無い場面でも、この操作を強要される。
  • この操作性の中で最も問題視されたのが、ボタンだけの操作ができないという点である。
    • サイコロを叩く行動ひとつをとっても、ただAボタンを押すだけで叩けた従来のそれと違い、今作ではリモコンを振らないと叩けない。しかも振っても反応してくれないことがあるため、大幅に快適性が損なわれている。
    • 中でも「リモコンで画面をポイントする」という行動を多用していることが特に問題で、これはただボタンを押すだけの行動に比べて遥かに神経を使う行動であるため、数回程度ならともかくこれをゲーム内で頻繁にやらされるというのは相当なストレス要因である。
      • 上記のような「進行方向の選択」や「ミニゲームの説明画面」でも、過去作では十字キーで簡単に操作出来るように作られていた。WiiリモコンにもAボタンや十字キーが搭載されているのに、あえてこのような操作を強要される点も不満を増大させていると言える。
  • 初期の作品の為仕方がない面もあるが、レスポンスも反応もあまりよいとは言えない。
    • サイコロを叩く行動で思うようにサイコロを叩けずイライラが募る他、Wiiリモコンの操作を用いるミニゲームで理不尽な負け方をする要因にもなってしまっている。
  • ミニゲーム終了時には敗者が酷い目に合う1シーンが流れ、そのままリザルト(ミニゲームの結果画面)に移行する。
    • ミニゲームによるが、このムービーが長く、ミニゲーム自体はゲーム中に頻繁にプレイすることになることもあってかテンポが悪く感じてしまう。ちなみに、スキップはできない。
    • そもそもこのショートムービーを頻繁にプレイすることになるミニゲームに導入する意義が薄く、確かに1回2回なら盛り上がれるのだが、何回も見るうちにただストレスがたまるだけの要素に変わってしまう点も問題である。
  • ボードマップ上での演出が増えたうえにスキップができないため、ボードゲームの進行のテンポが過去作にくらべて悪化している。
    • 一人用の「スターバトルブース」では短時間で決着がつくルールでボードマップをクリアしていくのだが、こちらも上記の点により、ストレスを感じやすい。
  • プレイヤーのスター、コインを表示するインターフェイスが変更。多少見づらくなった。

ボードゲームのバランスに関して

  • 初期はミニゲームの実力重視で勝敗が左右されるシリーズだったが、シリーズ中期の頃から、あまり実力のない人でも1位が取れるように様々な逆転要素が用意されるようになった。
    • パーティゲームとしては間違った方向性ではないが、裏を返せば駆け引きする戦略性が乏しいということでもある。
  • 過去作に登場した、指定したライバルからコインやスターを横取りしてくれる役割のキャラクターは今作では登場しない。ただし、それとは異なる形式で、ライバルからコインやスターを横取りできるイベントやアイテムは存在している。
  • 今作では「カプセル」が「キャンディ」に変更された。「カプセル」はマスに仕掛けて相手のジャマができるワナを作れるといった使い方ができたが、今作の「キャンディ」はマスにしかけることはできないため、アイテムに関しての戦略性はやや薄くなっている。
  • ボードマップでは、自分以外のプレイヤーのターンのときに、Wiiリモコンを「振る」ことによって「オジャマボイス」が流れるという機能がある。いわゆるブーイングにつかえるおまけ機能であるが、簡単に反応してしまうのでうるさい。ちなみに、過去作でも「オジャマボイス」は搭載されている。

ミニゲームに関して

  • Wiiリモコンを「振る」「ポイントする」必要のあるミニゲームが多く用意されているが、ミニゲームによっては振ってもうまく反応しないことがある。似たような操作のミニゲームも一部あり、やや水増し感がある。
  • クッパミニゲームおよびドンキーミニゲームが無くなった。
  • 「4にんようミニゲーム」「2vs2ミニゲーム」「バトルミニゲーム」の一部のミニゲームが「デュエルミニゲーム」で流用されている。
    • それぞれ1対1で対戦するミニゲームとして流用されている。

キャラクターの人選

  • プレイヤーキャラクターは過去最多だが、操作キャラは14+αキャラで、動物キャラが8キャラ(隠しキャラを含む)。前作以上に動物キャラに偏っている。もっとも、マリオシリーズは人間のキャラは少ないが…。

その他

  • キャラクターの動きが妙に固い。特に目立つのがゲーム終了時の動きで、例えるなら「素人の下手な演技に近い動き」になっている。
    • 某所では「棒人形」と揶揄された。また、前作まではキャラクター選択時にボイスや動きなどが用意されていたが、今回では廃止された。
    • ただしキャラアイコンに表情が付いたのは嬉しいところ。反面マリオとハンマーブロスの2人には表情に笑みが無く、浮いてしまっているのが悔やまれる。
    • マリオパーティ7』からモーションの大部分が流用されているキャサリンとカロンの2人は非常になめらか。それはそれで悲しいものがあるが…
  • Miiは、ボイスはなく、また「エクストラモード」以外では使用できない。
    • ただし、Miiに関しては使用に関するルールが任天堂内で厳格に決められているようで、扱い方が難しい面があると思われる。
  • ゲームキューブ以降の『マリオパーティ』シリーズは、フレームレートが常に「60fps」の滑らかな動きを実現していたが、本作では、ボードマップや一部のモードで動きが30fpsになってしまっている場面がある。
  • 恒例のラスト5ターンルールに、「マイナスマスに5コイン、それ以外のマスに1コイン配置」という固定イベントが追加された。当然ながら行動する順番が早いプレイヤーほどコインを取りやすくなるため、最初に行動できるプレイヤーは他の3人より圧倒的に有利。

総評

  • ハードをWiiに移した今作は、そのWiiの特徴を生かすためにWiiリモコンを積極的に活用するゲームデザインになっており、従来よりも「パーティゲームであること」に重点を置かれたつくりになった。
    • しかし、Wiiリモコンをあまりにも「活用しすぎた」そのインターフェースは逆に多くのユーザーから不評を買ってしまう結果となった。
    • ミニゲーム終了時に流れるムービーなど、パーティゲームとして場を盛り上げるはずの新要素が理由でテンポが悪化したことも見逃せない。パーティゲームにおいて「長くて気軽に遊べない」「大したことない部分でストレスが溜まる」というのは致命的なことである。
  • だが、Wiiの性能を活かしたインターフェイス自体には確かな新しさがあり、ミニゲームにはこれまでのシリーズにはない臨場感が産まれた。シリーズ作品としては最低水準と言っていいかもしれないが、光る部分がないわけではない。
    • ゲームのルール自体は完成されているため、せめて操作性さえ良ければ…もしくはテンポさえ良ければ…などと言われる、アイデアは良いのに調整不足が理由で評価を大きく下げた、何とも残念な点の目立つ作品になってしまった。
  • ちなみに、本作の売り上げ本数はGC時代から大幅に向上しており、据え置き機種では過去最多の売り上げとなっている。

その後

  • その後、据え置き機の『マリオパーティ』の新作は長い間発表されなかったが、2012年の4月にWiiで『マリオパーティ9』が発売された。
    • 『8』から、というかこれまでの作品全部と比較して大幅なルール変更がされている。しかし今作で特に問題視された操作性やゲームのテンポなどに徹底的ともいえる改善が施されており概ね好評。
    • ただし本作にプレイヤーとして参戦していたキャラのうち、テレサ、キノピコ、カロン、ゲッソー、ハンマーブロスと、突如5名もプレイヤーから離脱したことについては批判されることも多い。特にキノピコは敵サイドのキャラクターではない上に他の4人とは違い『9』にて一切出番が無いため、一時は「存在自体が無かったことにされたのでは?」という在らぬ疑い*1をかけられてしまったこともある。
      • 同作『10』では、プレイヤーとして無事復帰している。