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infinity - (2014/10/03 (金) 12:47:37) の編集履歴(バックアップ)


注意:このページでは、『Infinity』(改善)と『INFINITY cure.』(分類なし)及び、『Never7 -the end of infinty-』(良作)を扱っています。



Infinity

【いんふぃにてぃー】

ジャンル 恋愛アドベンチャー
対応機種 プレイステーション
発売・開発元 KID
発売日 2000年3月23日
価格 7,140円
分類 改善
ポイント 最終シナリオ進行不可能バグ
最終シナリオの酷いオチのせいで
それまでの展開が全部台無し
infinityシリーズリンク

シナリオ概要

大学のゼミの合宿に参加することになった主人公・石原誠は、目の前で大切な女性が死ぬという悪夢で目覚める。
その直後、合宿班長の川島優夏が部屋に飛び込んでくるが、誠の姿を確認するとすぐに出て行った。
そんな事があった翌日、「地震が来る」と思った直後に本当に地震が起こってしまう。
誠は自分に予知能力があるのではないか?と考えるが…。

評価点

  • 最終シナリオを除くキャラ別シナリオ
    • 「特定のヒロインを選択してそのヒロインとの物語を描く」という、いわゆるギャルゲー形式をとっているが、SF要素を絡める事で本作独自の雰囲気を上手く出している。
      • 後述するが、他ヒロインのEDを見た後に解放される最終シナリオには難があるものの、それまでのキャラ別のシナリオに関してはよくできている。
        + 以下ネタバレあり
      • 本作はいわゆる「ループ物」の一つであり、基本的には1週目はヒロインを助けられずに終わってしまう。
        • 2週目ではその悲劇を回避するために行動し、その末にハッピーエンドを迎えるという形をとっている。
          • 一度悲劇を迎える事でより強く「ヒロインを助けたい」と思わせ、それを経験してのハッピーエンドは非常に達成感がある。
  • 豊富な立ち絵
    • 本作は発売時期としては珍しく、顔だけの表情差分ではなく表情ごとに立ち絵も変化する。
      • 後に原画家の影崎夕那が同人誌で出した原画集によると「スタッフは表情差分のつもりで依頼を出したが、勘違いして全身描いてしまった。」との事。結果としてゲームのクオリティは上がったが、プレイヤーとしては嬉しい勘違いである。

問題点

  • 初期ロット版のバグ
    • 肝心要の最終シナリオ「いづみシナリオ」にバグの為に入る事が出来なかった。
      • セーブデータのバグ修正や初期ロット版と修正版CD-ROMの無償交換で対応が行われた。
  • その最終シナリオの内容
    • そこまでのシナリオを全否定するようなシナリオになっており、拍子抜けするか、呆れるかで最後の最後で非常に盛り下がる。
      + 以下ネタバレあり
    • 「実は自分以外のみんながグルになって自分を騙していたお芝居でした」という、他のキャラクター編におけるそれまでの積み重ねを全部台無しにするオチ。
      • 単純に「オチとしてそれはどうなんだ」という事もあるが、それでは説明のつかない矛盾点や、他のキャラクターのシナリオで実際に発生していた現象の正体も不明なまま等、色々と問題のある終わり方だった。

総評

はた目には粗製乱造されたギャルゲーの一つにしか見えないゲームだが、SF要素を絡めた各シナリオはよくできている。
とはいえ、最後に明かされる謎が残念な出来だった事で、今一つ盛り上がらずに終わりを迎えてしまうのが非常に残念である。
後に補完シナリオが発表され、それを同梱した「Never7」が発表された。
補完シナリオの評価が高い事もあり、今となっては本作をプレイする意義は薄いだろう。

その後の展開

2000年11月に補完シナリオ(優夏キュア、いづみキュア)のみを収録したネオジオポケット用ソフト「INFINITY cure.」が発売。
さらに、同年12月にはネオジオポケット版のシナリオを盛り込んだ完全版『Never7』がドリームキャストで発売された(後にPS2、Windows、PSPにも移植)。

追加されたいづみキュアシナリオはタイムスリップ現象の正体解明をテーマとした真の完結編シナリオである(Never7にはPS版のいづみシナリオも「いづみノーマル」として収録されている)。よって、今から購入するのであれば不完全版であるPS版ではなくNever7の購入をお勧めする。

  • Never7のいづみキュアシナリオはプレイヤーから高い評価を受け、その後の『Ever17』、『Remember11』へと繋がるKIDのSFアドベンチャーゲーム路線を確立することになる。

INFINITY cure.

【いんふぃにてぃー きゅあ】

ジャンル 恋愛アドベンチャー
対応機種 ネオジオポケットカラー
発売・開発元 KID
発売日 2000年11月23日
ポイント 真の最終シナリオを収録
infinityシリーズリンク

概要(cure.)

infinityの優夏シナリオを優夏の視点から描いた「優夏cure.」と、最終シナリオをリメイクした「いづみcure.」の2つの新シナリオのみを収録した携帯機用ソフト。
ネオポケでの発売である為、音声は収録されていない。

評価点(cure.)

  • 後のInfinityシリーズの高評価に繋がる「いづみcure.」シナリオ。
    • 原作において最後の謎解きが拍子抜けする残念なシナリオだったが、それを元に作り直された本シナリオの評価は非常に高い。

問題点(cure.)

  • ボリューム
    • 携帯機である以上容量の問題で仕方ないが、シナリオが二つのみ、音声なし、と、ADVとして非常に物足りない。

総評(cure.)

原作での最大の問題点、「残念な最終シナリオ」をリメイクして非常に読み応えのあるシナリオにしている。
ただし携帯機ゆえに容量の問題から二つのシナリオのみの収録となっているのは残念である。
翌月にはこれらも同梱された「Never7」が発売される事もあり、実質的に先行限定収録、といった方が正しいだろう。


Never7 -the end of infinty-

【ねばーせぶん じ えんど おぶ いんふぃにてぃー】

ジャンル 恋愛アドベンチャー
対応機種 ドリームキャスト
Windows 98/Me/2000
プレイステーション2
プレイステーションポータブル
発売・開発元 KID
発売日 DC:2000年12月21日
WIN:2001年10月26日
PS2:2003年6月26日
PS2廉価版:2004年9月2日
WIN(4作同梱):2008年4月4日
PS2(同上):2008年10月9日
PSP:2009年3月12日
PSP(4作同梱):2009年8月13日
分類 良作
ポイント infinityの集大成
infinityシリーズリンク

概要(Never7)

infinityにINFINITY cure.の2シナリオなどを加えた完全版。
一般公募のアペンドストーリーも収録されている。

評価点(Never7)

  • ようやく完成したシナリオ
    • infinity及びINFINITY cure.の全シナリオが収録されており、ようやく一つのソフトとして完成した。

総評(Never7)

最初に発売された「infinity」は各シナリオこそ出来はいいものの、物語を締めくくる最終シナリオがそれまでの話を締めるには問題のあるシナリオだった。
本作の直前に発売された「INFINITY cure.」で作られた新シナリオでもって締めるにふさわしいシナリオが搭載されたが、携帯機ゆえにシナリオ構成は変更。
そして本作でもってようやく全シナリオが収録された「Never7」として完成した。
他のシリーズ作品に比べるとギャルゲー色が強い辺りは少々人を選ぶかもしれないが、後に「infinityシリーズ」として展開されていく基礎は本作の時点で出来上がっていると言っていいだろう。