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サンダーフォースVI - (2020/02/09 (日) 13:08:46) の編集履歴(バックアップ)


サンダーフォース VI

【さんだーふぉーす しっくす】

ジャンル シューティング

※グロ画像注意!
対応機種 プレイステーション2
発売元 セガ
開発元 不明
発売日 2008年10月30日
定価 6,090円(税込)
レーティング CERO:A(全年齢対象)
判定 クソゲー
シリーズファンから不評
ポイント プロデューサーによる完全私物化
伝説崩壊、『サンダーフォース』は今(ゾルゲに)滅ぼされた。
CERO判定詐称、無断使用など数々の疑惑
シリーズファンにとってはクソゲー以下の何か
「期待外れだったゲーム」堂々のトップ
後のシリーズ特集で完全スルー
サンダーフォースシリーズリンク

概要

かつてテクノソフト*1が開発・発売し、メガドライブやセガサターンで人気を馳せたシューティングゲーム『サンダーフォース』(以下「TF」と略記)シリーズの最新作。開発・販売は権利所有者より版権の使用許諾を得たセガが行った。
名作シリーズの11年ぶりの新作ということでファンからの期待は大いに盛り上がっていたのだが、肝心の内容が原作を原作たらしめている要素をことごとく無視した原作レイプの極みというべき惨憺たる出来栄えであったため、凄まじいバッシングに発展する事となってしまった。

なお、2016年9月にセガがテクノソフトの全ソフトに関する権利を取得した事を発表しているが、本作の開発当時はあくまでも許諾を得ただけで版権そのものを取得していた訳では無い。また、本家本元のテクノソフトスタッフは本作の開発には一切関与していない。


ストーリー

人工知能「ガーディアン」の暴走から10年。
ようやく復興を遂げ、再び繁栄を迎えようとしていた地球圏は、
突如出現した「オーン・ファウスト」と名乗る勢力によって今や滅亡の危機に瀕していた。
かつて人工知能「ガーディアン」を生み出し、地下深く厳重に封印されていた地球外文明の残骸「Vasteel」の発する警報を解析したところ、
「彼等に対抗するためには、はるか外宇宙の連邦本星に救援の手を求めるしかない」という。

「オーン・ファウスト」の猛攻の最中、封印を解かれた「Vasteel」を組み込まれ、
新たな武装強化をされた新型機「RVR-00 "PHOENIX"(フィニックス)」は、
「Vasteel」の記憶素子に残された四つの宇宙座標のみを頼りに、
地球人類にとって未だその実在すら定かではない、「銀河連邦」の本星を目指して飛び立った。
(Wikipediaより抜粋)


システム

基本は『V』と同様だが、一部の仕様は変更されている。

  • 全6面構成で、ステージ1~3は攻略順を任意に選択可能。難易度はKIDS・EASY・NORMAL・HARD・MANIAの5段階。
  • 武器を強化する「オーバーウェポン」が継承されているが、仕様は大幅に変更された。
    • 補助装備クローの耐久力を消費(ボタンを押している間だけ発動、離すと解除)する形から、専用のゲージを消費(ゲージが空になるまで発動し続ける)する様になった。
      • ゲージは敵を倒すと出現する緑のエネルギーを取ると回復し、最大6本までストックが可能。
    • 使用中は敵の通常弾を掻き消せるようになるが、自機のスピードが最低で固定される。また、使用中に更にボタンを押す事でゲージを複数消費(最高3本まで)し、威力を強化する「重ね撃ち」が可能。
  • 自機のスピード調整が、『III』『IV』と同様の25%・50%・75%・100%の4段階調整に戻った。また、ボタン押しっぱなしでの1%ずつの微調整機能は廃止された。
  • ゲームを進めていくと自機の種類が増えていき、ゲーム開始時に機体の選択が出来る様になった。機体は以下の三種類。
    • RVR-00 PHOENIX(フィニックス)
      • 最初から使用可能。従来と異なり、最初から5種類の武器全てとクローを装備している。
        + 武器一覧
      • TWINSHOT(ツインショット) : 前方2連ショット。オーバーウェポンはレーザー照射。
      • BACK SHOT(バックショット) : 前方と後方へのショット。オーバーウェポンは多方向へのレーザー照射(『V』に登場した強化ユニット「ブリガンディ」のバックショット)。
      • WAVE(ウェーブ) : 前方へウェーブ弾を発射。『III』の同名武器とほぼ同じだが、地形貫通はしない。オーバーウェポンは大型のウェーブ弾高速連射。
      • FREE RANGE(フリーレンジ) : 360度回転可能な照準を展開し、照準内の敵をレーザーで攻撃する。前作で猛威を振るった武器だが、威力は弱体化した。オーバーウェポンは照準内に電撃を発生させる。
      • HUNTER(ハンター) : 敵を自動追尾する高速弾。オーバーウェポンは大型化したハンターを高速連射。
    • RYNEX-R(ライネックス改)
      • PHOENIXでクリアすると使用可能。最初はメイン武器2種類しかないが、アイテムを取得する事で武器が増えていく…という従来通りのスタイル。
        + 武器一覧
      • TWINSHOT(ツインショット) : 前方2連ショット、初期装備。オーバーウェポンは前方へ剣状の電撃を放射(『IV』のサンダーソード)。
      • BACK SHOT(バックショット) : 前方と後方へのショット、初期装備。オーバーウェポンは前方と後方へレーザーを連射(『IV』のレールガン)。
      • BLADE(ブレイド) : 前方へ大型の刃状弾を発射。オーバーウェポンは多方向へブレード連射(『II』のメガフラッシュ)。
      • FREE RANGE(フリーレンジ) : フィニックス版と異なり、照準の射程が短い代わりに360度全方位をカバー可能。オーバーウェポンは前方へ5連のウェーブ弾を連射(『II』のファイブウェーブ)。
      • HUNTER(ハンター) : フィニックス版とほぼ同性能。
    • SYRINX(シュリンクス)
      • PHOENIX使用時、最終面で乗り換える機体。難易度NORMAL以上で上述の二機でゲームクリアすると最初から使用可能になる。こちらもPHOENIX同様、最初からフル装備。
        + 武器一覧
      • TWINSHOT(ツインショット) : 前方2連ショット。オーバーウェポンは火炎放射。
      • BACK SHOT(バックショット) : フィニックス版と同じ。
      • WAVE(ウェーブ) : 前方へ敵にダメージを与え続けるレーザーを照射。オーバーウェポンは攻撃範囲と威力の強化されたウェーブ照射。
      • FREE RANGE(フリーレンジ) : 照準の射程が伸びた以外はフィニックス版と同じ。
      • HUNTER(ハンター) : 弾速が向上し、グラフィックが違う以外はフィニックス版と同じ。

問題点

本作の問題点は様々な要因が重なってのものだが、プロデューサー・ゾルゲール哲(本名・岡野哲。以下「ゾルゲ」と略記)のメディアでの各発言に絡む要因が極めて大きく、これがプロデューサーへの根深い「シリーズの改竄・私物化」というバッシングへと繋がっている。
これらは概して言えば「原作の雰囲気や世界設定などの(ゾルゲ氏の自己解釈と著作物のねじ込みによる)破壊」「ゲーム自体の出来」の二つに分けられる。

原作破壊

  • ゲーム内言語が英語から変更され、銀河連邦は西夏語、オーン帝国(今作ではオーン・ファウスト)はモンゴル語(モンゴル文字使用)に。
    • この件に関してプロデューサーは、「ストーリーに深く関わっている部分であり、その理由は最後までやれば解る」と発言し、モンゴル語についてはその道のプロに声優を依頼したとしている。
      • しかし、言うまでもなく一般的な日本人にとって英語以外の外国語は極めて馴染みが薄い。把握し難いイントネーションの言葉が強烈な異物感を生み出してしまっている。
      • ストーリーに関しては、ゲームをクリアすると開放されるレポートとグッドエンディングを複合して判断するに、「銀河連邦の人間であるIVの主人公たちがIVのファウストとの戦闘後、時空転移に巻き込まれ古代の地球に漂流、そこで西夏王朝を建国、西夏語が誕生した」という、超常設定になってしまう。
      • 『IV』の主人公たちはそもそも前作で生存しており、時空転移で行方不明になどなっていないし、オーン帝国とモンゴル語の関係性についても説明がない。結局西夏語である必要もない。
      • 人名や機体名はこれまで通りイギリス風であり、1UPを取った時のボイスも「ワナップ!」と普通に英語である。
    • 余談だが、PV第一弾公開時には新篆体*2の使用も確認されていたが、これは「評判が悪かったから」という事であっさり消えている。同様に評判の悪かった西夏語やモンゴル語は何故かゴリ押されて、そのまま批判された。
  • それまでのシリーズの世界観に到底そぐわない響きの言葉が飛び交う有様。日本人にとっては普段から耳に馴染みないだけに、様々な空耳がネタとして飛び交っているほどである。
    • 文字の書き方が変。西夏語は日本語と同じ方向に改行する縦書き、モンゴル語は(当作品で使われているモンゴル文字の場合)日本語とは逆の方向に改行する縦書きなのだが、本作では西夏語は横書き、モンゴル語は日本語と同じ方向に改行する縦書きにされている*3
  • シリーズにはない宗教要素の追加。
    • 今回の敵勢力「オーン・ファウスト」は、『IV』までの敵であるオーン帝国とファウストが合体した存在という設定だが、ゲーム中では「宇宙のあらゆる生命を吸収し、自己と同一化することで永遠の庇護と安寧を与えることを目的とした、殺戮と慈悲の守護者」などと説明されている。
      またバッドエンディングでは、ラスボスがアジアンなBGMに載せて「人類は自分達に滅ぼされた方が幸せ」といったことを語る。設定資料ではラスボスが光背を背負っており、「幼児イエスがごとく虹色の光背を背負ってあれこれと攻撃してくる」と説明。
    • これについてゾルゲはトークショーで「オーンのマントラ*4とオーン帝国を結びつけた」「オーンのマントラって知ってるかな? オウム真理教のオームだな」と発言している。
      • 現実の陰惨な事件に結び付く単語を絡めてトークショーで用いた事も問題だが、そもそもオーン帝国の綴りはorn、オーンのマントラの綴りはaumと全く違う*5
  • 自分の著作物内のキャラクターを無関係な他社製品に無理やり捻じ込んでいる。
    • 「私物化」と非難される理由の一つで、本作のラスボスにプロデューサー個人の漫画作品からグロ胎児を引用(←苦手な人は注意! 元ネタとの比較はこちら)。同じく漫画に出ていた赤い戦闘機も出演させている。また、ゾルゲがプロデューサーを務めた『セガガガ』から、クール部長戦のBGMやSTGパートのボス戦の演出を雰囲気が全く合っていないにも関わらず流用している。
      • ラスボスは『III』のラスボスでもあるオーン皇帝という事になっている。オーン皇帝(カウ・ス)は本来バイオコンピュータであって、グロい胎児ではない。
      • また、デザインに関してはCERO:CかDでもおかしくないレベルだが、評価はなぜかA。また、設定資料に「TFVとの関連性と、CERO対策としてポリゴンむき出しのバーチャルっぽいギラギラとした胎児。」と書かれていることから、審査用にラスボスを差し替えた疑惑もある。
  • 過去作との矛盾点。
    • 公式発表では「『IV』以前と『V』を繋げる」との事だったが、本作は前述の通り設定変更や改竄が多く、全体としても過去作との矛盾が目立つ。
    • 初代~『IV』は宇宙の何処かにある銀河連邦、『V』は地球を舞台にしている。初代~『IV』と『V』には厳密な繋がりはない*6はずだが、『VI』は最初のデモのみ地球側で、ゲーム自体は銀河連邦方面に出向いている。
    • III』で壊滅させたオーン帝国が脈絡もなく存在している。
      • 『IV』では全10面中前半5面でオーンの残党と戦い、その残党すら5面でファウストの手により消滅するが、本作の敵はオーン帝国とファウストが合体した組織という設定になっている。
    • 『V』のストーリーの核であり、『IV』の自機でもあるRynex(Vasteel)は前作でボスとして登場し跡形もなく破壊されたのだが、『VI』では「封印されていた」という扱いを受けている。
      • 恐らく、『V』のエンディングでラスボスが伝えてきた「最後のVasteelに封印を」という文面を誤解したものと思われる。ここでの『Vasteel』はオリジナルのRynexではなく、そのテクノロジーが用いられた最後の機体である『V』の自機Vambraceであることは、エンディングの文章に記載されていたことである。
    • 地球のことなど知らないはずのオーン・ファウストが『V』で出てきた地球製のメカをコピーしており、中ボスや大ボスとして出現する。
    • 『V』のラスボスである人工知能ガーディアンは、人類が超技術『Vasteel-Technology』を手に入れたことで破滅の道を歩むことを危惧し、『Vasteel-Technology』を全て破棄するために反乱した…という設定だったはずなのだが、何故か本作では「人類の数を管理統制しようとして暴走した」という全く異なる設定になっている。
  • ゾルゲがプロデューサーを務めた『セガガガ』にも登場した、自機の内の一つ「SYRINX」。元々はある人が二次創作小説で創った機体だったりする。
    • しかし、本作のクレジットでは作者の名前が逆読みになっていたり*7、作者が自身のBlogにて「そうですね…Syrinx、、登場してますね…。」(原文ママ)という微妙なコメントを残していることからこちらも無断使用疑惑が浮上している。

ゲーム自体の出来

ここまでの問題点だけであれば「ファンの顰蹙を買ってしまった」で済んだ可能性はある*8が、肝心のゲーム自体の出来にも問題がある。

  • 武器から演出に至るまで、あらゆる部分でオリジナリティが不足している。
    --一応、ゾルゲ自身は「本作は過去作のオマージュだ」と発言してはいるのだが、全体的に演出や設定などがかみ合っていない*9ので、取り入れられた要素のほとんど全てが過去作や他作品の劣化コピーになっている。
    • ザコ敵、ボス、自機の武装、ステージ構成など全編に渡って『III』~『V』からの焼き直しに終始しており、本作独自と呼べるものがほとんどない。かといって過去の要素をより美麗にリメイクといった程の物でもなく、全体的に目新しさに欠ける。
  • 大味で単調な構成・難易度
    • 基本的にほとんどの敵は出てきて単純な弾道の弾をばら撒くだけの単調な構成。配置も練られたものとは言い難い。
      • 従来のシリーズでは、難易度を変更することで敵の出現数も変化していたのだが、本作で変わるのは敵弾の数だけ。
    • ボスは行動パターンが少ない上、動作もほとんどない。部位破壊も無しで爽快感皆無。
    • オーバーウェポンがやたらと強く、特にゲージを複数本消費する「重ね撃ち」は大抵のボスを簡単に瞬殺してしまう。
      • 『V』でも武装の1つ「フリーレンジ」に対して似たような批判が存在するが、あちらは敵に接近するというそれ相応のリスクを背負わなければならなかった。
        一方、本作のオーバーウェポンはただボタンを押すだけで超威力というお手軽さ。「自機の速度が遅くなるのがデメリット」とされているが、オーバーウェポン発動中はほとんどの敵弾を消せる上、体当たりするような敵もほとんどいない(いたとしても大抵は突っ込んでくる前に倒せる)ので、殆どの場面でノーリスクに近い。
    • 最初から機体がフル装備
      • やられても失う装備はない。アイテムで武器追加・やられると武器がなくなるという従来通りの仕様の機体もあるのだが、そちらは隠し扱い。
      • 常時フル装備のシューティングは本作以外にも存在するが、それらはフル装備前提のゲームバランス調整がなされているのであって、本作のようなヌル仕様という訳ではない。
  • ゲーム中にカメラアングルが頻繁に変わるのだが、これのせいで遠近感が非常に取りづらく、迫力が出るどころか完全にプレイを阻害している。
    • 自機が画面外にはみ出してしまったり、見えない壁にぶつかったりする事まである。場面によってはそんな悪環境の中で弾避けをしなければならなかったりする。
      • 特に最終面、カメラが微妙に傾いた状態で突然画面が下にスクロールし、ギッチリと敷き詰められたコンテナ地帯に突っ込んでいく箇所は、操作のし難さも手伝って無駄に事故りやすい。もはや悪意すら感じるレベル。
    • 尚、ゾルゲはPVを見たユーザーが送った不満を述べるメールへの返信の中で、「弾避けの最中とかにカメラは動かさない」という事実とは真逆の事を書いていた。騙して売り逃げする気満々と言われてもやむなしだろう。
  • 全体的にグラフィックが粗く、とても2008年の作品とは思えない。
    • 一番目立っているのが弾のペラペラっぷり。無駄に視点を動かしまくるので嫌でも目に付く。
    • 背景も「書き割り」という表現がピッタリな程に立体感が無い。序盤3ステージは特にそれが顕著。
    • 処理落ちが頻繁に起きる自機がオブジェクトの奥にいてもショットは常に手前に表示されるなどの点からも、制作技術の未熟さが伺える。
  • 過去作と比べSEが全体的に軽い。
    • 例としてはシールド被弾音が「茶碗をハシで叩いたような音」などと言われるほど軽く、迫力に欠ける。
    • 担当したのは佐藤豪氏。セイブ開発時代から『雷電シリーズ』を中心にBGMと共にSEも手掛けており、ノウハウは十分にある筈なのだが、それを感じさせないほど出来が悪い。
    • PVが公開された時点でファンからは改善を要望されており、それについてゾルゲは「製品版ではちゃんと鳴ってる」と改善した旨の発言をしていたが、結局修正されることはなかった。『雷電III』で使用されているSEの劣化使いまわし疑惑もある。
    • これに加えて音飛びが激しく、音声が途中で止まることがある。
  • 「(旧作と比較して)勝ってるくらいのところまで来てる」とまで豪語していたBGMは、過去作からの世界観やステージの雰囲気と全く合ってない曲が多く、全体的に低評価。
    • 単曲として出来が破綻している訳ではないのだが、いかんせん(シリーズの)雰囲気に合わない曲が多い事と、作曲家毎の作風がバラバラで統一感に欠ける事は致命的で、BGMも売りの一つだったシリーズであるだけに過去作からの落差が巨大な影を落としている。
      • 作曲家ごとに見ると、TAMAYO氏の作曲したBGM(ほとんどの道中曲を担当)は単曲での評価はそこそこ良いのだが、シックで穏やかな雰囲気のBGM群はTFシリーズに合っているとは言えない。
        また、最終面BGMに至っては何故かオスマン・トルコ軍楽(メフテル)調。過去作はおろか本作のBGMとも毛色が違う曲調であり、今作の楽曲の中でも特に浮いている。
      • 金子剛氏はオリジナルの楽曲はそこそこの評価を得ているものの、過去作のアレンジBGMは劣化アレンジと評判が悪い。また、ステージ5や最終面のボス戦で流れる『セガガガ』からの流用BGMも、TFシリーズの雰囲気に合ってない事もありジュリアナ調と揶揄される等、こちらも評判が良いとは言えない。
      • 古川もとあき氏は古川氏が発売した著作権フリー素材CD(4,000円)の楽曲をステージBGMに使用しただけ。TFであることを抜きにしても、音質が明らかに他の曲と違い浮いている。
        ゾルゲは雑誌インタビューにて「古川もとあき氏に熱い曲をお願いした」と発言しており、この言い方なら新曲を依頼したと思うのが普通だが……。
      • 佐藤氏の作曲したBGM(主にボス戦BGMを担当)はハードロック調の曲が多く、比較的シリーズの方向性に合っていた為、全体的に評価は高い。
    • 楽曲全体のマスタリングが行われていないのか、ステージごとにBGMの音量が違う、隠し機体を使用した際にステージBGMが別曲に変わるものの、TAMAYO氏の担当分がループ処理されていない等、総じて仕事がなっていない。楽曲も売りの一つだったシリーズとは思えない惨状である。
    • 根本的な質の面で言えば作曲や音響を担当した各人にも責任があるのは確かだが、楽曲の発注・採用といった音楽制作面の根本を取り仕切るのは当然ながら制作陣側である。
      このため、TAMAYO氏や古川氏らを哀れむ声が根強く、全体の整合性やシリーズの雰囲気に合わせる気ゼロで起用した側に問題があるとする意見が大半である。
  • マルチエンディング仕様なのだが、これもことごとく不評。
    • 難易度EASY以下で流れるバッドエンディングは、オーン皇帝からプレイヤーに向けて発せられたメッセージ。背景は例のグロい胎児の顔を模したものに間違ったモンゴル語と絵面が悪く、物々しいBGMと共に威圧的な態度で主張してくる皇帝、という内容である。宗教的要素はともかく、ただ単に「バッドエンド」として見るならそれほど問題があるものでもない。
      • だが問題なのは、このエンディングは『V』のグッドエンディング「Last Letter」の文章・構成を流用し、宗教的要素を加えることで意図を捻じ曲げたものであるということ(通称・オーンレター)。このためただ単に出来が悪いというだけの話ではなく「『V』の感動まで破壊した改悪」として認識されている。
    • 隠し機体であるRYNEX-RとSYRINXを使い、難易度HARDでクリアするとグッドエンディングとなるが、RYNEX-Rでクリアした場合は日本語字幕なしで西夏語のみが流れるため、全く内容が理解出来ない。SYRINXだと日本語字幕が表示されるが、プレイ時間を引き延ばすために字幕の有無でムービーを水増ししたとしか思えない。
  • 隠しモードとして、敵弾に色が付き、その色に対応した武器で弾が消せる様になる『ネオスタイル』が存在している。ゾルゲ曰く「開発スタッフが独自に提案してくれた部分」で、「斬新なシステム」「奥が深い」とベタ誉めしていた。
    • 「アイディア自体は悪くない」という意見はあったものの、そもそも根本的なゲーム性は変わっておらず、また難易度を上げないと(=弾を増やさないと)通常と殆ど違いが無い、結局オーバーウェポンを使えば色に関係なく全弾消せてしまう、ステージ5でスコア永久稼ぎパターンがある等の問題点も見られ、奥深さの感じられないモードでしかなかった。
    • 公式ブログでは「『斑鳩』と『ヘルファイヤー?』をミックスしたような」などと表現していたが、海外インタビューで「トレジャーゲーにしたくなかったからトレジャーは使わなかった」等と矛盾した発言をしている*10
  • 『V』で好評だったダイレクトモード*11が廃止された。あの『BROKEN THUNDER』(後述)ですらダイレクトマップは搭載されていたので、さらに手抜きが目立つことに。

数々のバグの存在

  • たまにテクスチャのアサインズレによる、化け化けの画面が拝める。クローや弾が当たり判定ごと消えることも。
  • タイムアタックのとき、スタートボタン連打でタイムが短縮される。タイムアタックの存在意義自体がなくなっている。
  • フリーズバグもある。特定の場所でスタートを押すことで確実にフリーズする
  • 自機が消失するバグが存在する。
  • メモリーカードチェックで空き容量が無い場合、進行不能になる(メモカ確認項目で永久ループ)。
  • なお、セガは本作のバグ対応には一切応じていない

評価点

  • 以上のように問題点だらけの本作だが、STGの体裁自体は特に崩れてはおらず、世界観やバグさえ我慢すれば辛うじて遊べる程度の出来ではある。
    • そのためか、TFシリーズに対して特に思い入れの無いユーザーからは「名作シリーズにしては大したことのない出来」「普通につまらない」程度の評価で落ち着いている。
      • ファンからすればそのような見方をされること自体、たまったものではないが。
  • 問題点で述べた通り、一部のBGMは評価されている。
  • 前作で問題視されたフリーレンジは火力が下方修正されるなど調整されており、一応、フリーレンジ一強だった前作と比べて武器バランスが改善されている。
    • それだけに、上記の仕様のせいで「死んでも無くならない武器」というアドバンテージが失われたツインショット及びバックショットの存在意義が薄い等、新たな問題点が発生してしまっているのが残念なところだが。

総評

名作シリーズの最新作として満を持して発売されながら、シリーズのファンにとっては上述の通りこれまでTFシリーズが築き上げてきた世界観やシナリオ、ゲーム性を木っ端微塵にぶっ壊した存在に他ならず、そのあまりの内容に発売直後から強烈な罵詈雑言が容赦なく浴びせられるなど、凄絶なバッシングを受ける事になった。

同シリーズには、全作品においてそれぞれに賛否意見が飛び交うほど熱心なファンが存在し、その議論は熾烈なものがある。
それらのファンたちが「『VI』など存在しなかった」と口を揃える異例の状況は、本作に対するシリーズファンの感情を最も端的に示したものと言えよう。

本作品があまりにも不評だったことは現在権利を所有しているセガ側も理解しているのか、サンダーフォースIIIが3DS*12サンダーフォースIVがSwitchに復刻されてもTFVIのことは全然話題にしておらず、メーカー側も黒歴史扱いしているようである。


余談

初回特典の設定資料集について

  • ゲームの内容とは少々話がずれるのでこちらに書くが、初回特典として付属した設定資料集の内容が別の意味で酷い
    • 何故かステージ構成やボスキャラクターの演出についての指示が記載されている。
      • 上でいくつか触れているが、それらのステージ構成やボスキャラクターの演出については曖昧な指示が非常に多く、ほとんどスタッフに丸投げしているものまである。
      • あまりにも無茶ぶりが過ぎた結果再現できていない表現や実装できていない仕様も多い。
    • 表紙にプレイヤー機ではなく特定のEDにしか出番のない機体を使っている。当然ながら殆どのプレイヤーは困惑を禁じ得なかった事だろう。ちなみにこの機体の名前は「ゾルゲ号」。どこまでも自己顕示欲丸出しである。
    • 「TF4そのままで」など、過去作の構成をそのまま流用する指示だけでなく、「『セガガガ』の歴代ハード合体シーンそのまま」「ダライアス外伝のイカ参照」のように、TFと全く関係ない(それどころか他社の)作品の構成や演出の参考・流用を促す指示まである。
      • おまけに、自身が手掛けた作品であるはずの『セガガガ』の合体シーンについては「YOUTUBEとかに動画ありますので参考にしてください」と記述している
    • スタッフへの過去作の説明として、『V』を「地球に漂着した4の自機の残骸(バスティール)が暴走してバトルになったという話」と誤って説明している
    • 後述のように「スタッフは全員TFマニア」ならそもそもこんな誤説をする必要もない。
      前述の「CERO対策」の記述なども含め、スタッフ(というよりゾルゲ)がいかに倫理観と作品への熱意を欠いているかを示す動かぬ証拠と成り果てている。
      • このような問題だらけの特典に関してもゾルゲをはじめとするスタッフやセガに対して批判が噴出した。

発売後の評価に関する話

  • 発売当日に中古屋に売ろうとするユーザーが続出したが、買取拒否をする店も多かった模様。
    • 流通している数は決して多くないはずだが、中古品が1コインで投げ売られていた事もあるくらい希少価値は全くなかった。
    • しかし、2016年ごろからなぜか中古価格が上昇し3000円程度になっている。
  • 余りの出来の悪さゆえに『ゲーマガ』の最新ゲームソフト満足度ランキングではほぼ1年*13連続(対象期間中全て)最下位。ワースト2位に平均評価点でダブルスコアを付けられる圧倒的最下位を記録し続けた。
    • また、同誌2010年8月号にて組まれた「歴代ゲーマガ名誉名作ランキング」では、上記の記録を残した本作を「不名誉名作」として紹介している。掲載された読者コメントも「作者が悪趣味過ぎる」「もはやギャグ」と惨憺たるものだった。
  • 前年に発売されたが評価の芳しくなかった二次創作同人ゲーム『BROKEN THUNDER』の後に、大企業がシリーズナンバリングタイトルを作ってこの体たらくだったので、ファンの心とモラルは完全にブロークンされた。そのため本作は『BROKEN THUNDER2』と揶揄されることもある(「世界観や音楽はTFらしい『BROKEN THUNDER』のほうがまだマシ」という意見も多い。作品成立の経緯をみればどっこいどっこいだが)。
    • これ以外にもシリーズファンからは 『岡野6』『犯6』『産廃6』 と呼ばれることも多い。以上全てはシリーズ作として認めたくない心理の表れである。
    • ニコニコ大百科の『サンダーフォース』の記事でも本作はほぼなかったことにされており、『BROKEN THUNDER』の記事の方に書かれている。
    • そして「サンダーフォース完結作」のタグと記事は『サンダーフォースV』に関するものとされる。本作の出来の悪さが、皮肉にもそれまで賛否両論だった『V』を再評価させる契機になった。
  • KOTY2008ではスレッドのルールに準じた選評の未提出で「ガッカリゲー」という評価にとどまったこともあって選外以下だったが、現在のクソゲー観点で(作品私物化という面を除外して)評価した場合でも、看板足り得る印象的なクソ要素に欠けるきらいがあった。無論「普通のゲームなら」このような評価ですら凄まじく不名誉なのだが…。
    • 四八ショック?以前は、(端的に言えば)ゲームの期待度と実際の出来(クソ度)との比較で評価されていたため、その時にこのゲームが出ていればKOTY大賞になれていた可能性はなくもなかった。事実、騒ぎの大きさだけなら大賞級であり、その意味ではこのゲームは幸運だったかもしれないが、逆に言えばメーカーとしては進歩が全く見られないといえる。
      事実、ファンタシースターユニバースも作品の持ち得たポテンシャルを潰した出来で大勢のユーザー・シリーズファンを阿鼻叫喚の坩堝に叩き込み、そして制作側も過去作に対する不理解を自ら仄めかしていた。
    • 丁度この時期のKOTYでは本作を遥かに上回るクソゲーが立て続けに出ていたため、実際のところは一部のファンが発売前に名前を挙げたのみで選評も届かず、議論にすら至らなかったようである。ただ、仮に四八ショック以前の基準でKOTY2008を考えるにしても、やはりメジャーWii パーフェクトクローザー?には歯が立たなかっただろうが…。
  • 横スクロールSTGの御三家と呼ばれる『グラディウス』『ダライアス』『R-TYPE』の影響の大きさで影にかすみがちだった『サンダーフォース』シリーズの知名度が騒動の影響で広がり、シリーズ未プレイの人達にシリーズへの興味を抱かせるきっかけにはなった。この点に関して(皮肉込みで)評価するプレイヤーも存在しないでもない。
    • 無論、ゲームそのものの評価点などではないのは言うまでもなく、以前からのシリーズファンも「こんな形で知名度が広がっても嬉しくない」というのが心情だろうが。
  • 休刊したゲームサイドがリニューアルする形で誕生したシューティングゲーム専門誌『シューティングゲームサイド』のVol.5でサンダーフォースシリーズの特集記事が組まれたのだが、VIに関しては全く触れられなかった。まさかの公式「VIなんて無かった」である。
    • ゲームサイド編集部とゾルゲは前身雑誌の『ユーズド・ゲームズ』時代から付き合いがあり、ゲームサイド休刊まで長年「ゾルゲ市蔵」名義で漫画や記事を執筆したり、本作発売前には提灯な特集記事やインタビューを掲載する等、ズブズブな関係だった。そんな経緯もあり、ゲームサイド編集部がVIをどう扱うかが発売前からかなり注目されていた。
    • 結果的に一切触れられることはなかったが、これは版権元の掲載許可が出なかったためであり、版権元のこの対応は読者から概ね好意的に受け止められている。
      • 一方で、「どんな出来であってもシリーズの名を冠する以上は取り扱うべきだった」という声も存在している。
    • 尚、理由は不明だが、電子版「Vol.5」は「サンダーフォース特集」そのものが収録されない縮小版として発売される、という事態も発生している。
  • 本作は「プロジェクトSTG第1弾」という触れ込みで発売されており、ゾルゲはインタビューで「既に第2弾以降も計画中」と発言していた(海外では『ファンタジーゾーン』や『スペースハリアー』の名前を挙げていた)。
    • しかし、こんな名作レイプをそう二度も続けられるわけがなく、2019年現在に至っても第2弾以降の音沙汰は全くない。そしてゾルゲ自身も既にセガを退社している為、このプロジェクトが復活する事は最早ないだろう。

開発者の態度の問題や開発事情に纏わる黒い噂の数々

  • ゾルゲは発売前からTFファンへの挑発的な言動、旧シリーズや他作品への敬意を欠いた発言を繰り返していた。
    • 元々このような不遜な言動を芸風として売りにしていた人物ではあったのだが、結果的にファンの怒りの火へ無用に油を注ぐ事となり、後の大炎上へと発展していった。
    • インタビューにて「(TFシリーズの)歴史には敬意を払う」と発言していたが、本作を手がける理由について「新作を1から作りたくはないし、ある程度(名前だけで)売れるゲームの続編商法がやりたかったから」という旨の見解を述べた事があり、また過去作BGMを貶める発言もしている。つまり、最初からTFに興味も愛も持ち合わせてはいなかったということである。
    • 西夏語/モンゴル語使用の件に関して、「異星文明同士の接触を描くのにお互い英語を喋るのはおかしい」と言いつつ「急ごしらえの架空言語や英語表記等を避けた上で、我々の言葉から遠い実在の言語を使った」として地球由来の言語を使う矛盾した姿勢*14を取ったり、マクロスやボトムズ、『ゼビウス』を例に上げて「よくある架空言語は英語をちょっと弄っただけでSF的に全然駄目」等と他作品を中傷していた。
  • 「開発はシューティングに実績のある会社に頼んだ」「スタッフは全員TFマニア」と発言しているが、これらの問題点を見る限り到底本当だとは思えないだろう。
    • 本作のユーザーまとめwikiでは、イベントやネットラジオでの岡野氏の発言を根拠に「ガルチ」では無いのか? としているが、ガルチの代表取締役である茶谷修氏はガルチは製作に関わっていないと発言している。
    • そもそもスタッフロールには開発元が明記されていないので、ユーザー側からは確かめる術が全くないのが現状である。
  • ゾルゲはその後セガのゲーム開発に携わる事はほとんど見られず、いつの間にかセガを退社。その後、株式会社ヒューガ*15を設立し、2014年にスマートフォンアプリゲーム『群馬県から来た少女』をリリースしている。
    • 2016年にパワーアップ版である『群馬県から来た少女・改』の配信を予告したが、現在でも発売未定状態となっている。
    • なお、小説版及び漫画『ファイナルリクエスト』の作者である日下一郎氏はゾルゲの変名である可能性がある。