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クラッシュ・バンディクー5 え~っ クラッシュとコルテックスの野望?!?
【くらっしゅ・ばんでぃくーふぁいぶ え~っ くらっしゅとこるてっくすのやぼう】
ジャンル
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アクションアドベンチャー
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対応機種
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プレイステーション2
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発売元
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ビベンディ・ユニバーサル・ゲームズ・ジャパン
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開発元
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Travellers Tales (トラベラーズテイルズ)
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発売日
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2004年12月9日
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定価
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7,140円
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判定
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クソゲー
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ポイント
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似非オープンフィールド 虚弱体質のクラッシュ 無敵なのに死んだ 繰り返すロード 雑誌で堂々と黒歴史扱いされる
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クラッシュ・バンディクーシリーズリンク
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概要
『クラッシュ・バンディクー』のナンバリング続編第5弾。開発は『クラッシュ・バンディクー4』から引き続きトラベラーズテイルズが担当した。
発売元もコナミからビベンディユニバーサルへと移っている。
開発のトラベラーズテイルズは「クラッシュ復活のきっかけ」を目指しており、前作『4』の評判があまりよろしくなかったことから、本作に期待するユーザーは多かったが…
ストーリー
悪の科学者ネオ・コルテックスはいつものようにクラッシュを倒す計画を練るが、またしても失敗してしまう。
その2人の前に謎のオウムの双子エビル・ツインズが現れる。
エビル・ツインズはコルテックスに深い恨みを持ち、復讐と同時に世界征服を企もうとしていた。
クラッシュとコルテックスは協力してエビル・ツインズを倒すことになった。
特徴
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ジャンルがアクションアドベンチャーになったためか、前作からかなり変わった部分がある。
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オープンワールド
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これまでのステージ選択式からエリア方式になった。ステージは4エリア4ステージ構成でエリア名にもなっているステージは箱庭ステージとなっている
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しかし、広大なフィールドを冒険できるようになったと思いきや…(後述)
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今作ではシリーズ初のカメラ操作が導入された。
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これによりフィールドを見回すことが出来るようになった。ただし一部のステージでは固定カメラになる。
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ダイヤは各ステージに6個ずつ置かれてあり、高度なアクションが必要だったり、謎を解いたりして入手する。
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入手するとポーズ画面から設定資料が閲覧できるようになる。
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プレイヤーキャラ
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主人公のクラッシュに加えクラッシュのライバル・コルテックス、新キャラクターでコルテックスの姪ニーナがプレイヤーキャラとして登場。
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アクション
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クラッシュは基本的には従来のアクションと同じだが最初からダブルジャンプが可能、ただしダブルジャンプ以外のパワーアップアクションは存在しない。また新たにボールを転がすことができるようになった。
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コルテックスは光線銃がメインのアクション、銃には弾数制限があり弾薬箱を壊して弾を補充する。
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ニーナは伸縮可能な鉄の義手がメインのアクション、壁のフックに掴まって移動する。
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コルテックスとニーナ操作時はアクアクがウカウカになる。
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さらに、クラッシュとコルテックスの2人が協力して行うタッグアクションというのも。クラッシュがコルテックスをパワークリスタル(これまでのパワーストーン)ごと引っ張りながら行うアクションで、スピンの範囲が増えるほか、コルテックスを投げて先の敵を倒してもらったりスイッチを押してもらう。
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前作のCRカプセルはゴロゴロファイトというものになり、クラッシュとコルテックスが取っ組み合いの喧嘩をしながら転がって移動する。
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乗り物アクションも健在だがなんと、コルテックスをボードにした人間スノボというものである。
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『アドバンス2』同様にチュートリアルステージがある、また画面下に操作方法やヒントが表示される
問題点
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オープニングからして唐突に「3ねんまえ」という字幕と共に海辺を氷漬けのコルテックスが流れていきタイトル画面になる。初っ端からまるで意味が分からない。
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英語版では「3 years ago」。翻訳としては「3ねんまえ」ではなく「あれから3ねん」の方が近いが、あらすじが無い時点で何が何だか分からない。
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上述の「3ねんまえ」の他にも明らかにおかしい翻訳ミスがある。
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エヌ・トロピー戦では、宝の場所を問い詰める際にクラッシュが何も喋っていないにも関わらず「静かに!拷問するしかない」と言う意味不明な台詞がある(恐らく「黙っているようなら拷問をするしかない」の誤訳と思われる。ちなみに海外版では「Silent!」と言っている。)。
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パワーストーンが本作ではパワークリスタルだったりなど。
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「広大なフィールドを探索できるようになった今までにない自由度の高いゲーム」ではなく……
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大ウソで、実際はステージ選択を取っ払っただけの一本道。
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ちょっとでも進むと帰り道が塞がれており、やり直す場合は一度ステージを全部クリアしてからもう一度ステージの最初まで戻らないといけなくなりかなり面倒。
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一部のエリアに戻るには気づきにくい横穴を通らなければならない。
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最終エリアに一度入るとラスボスを倒すまで元のエリアに戻れない。
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なお、開発中はこれまで通りのステージ選択制だった模様。なぜ今のような仕様にしてしまったのか。
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ありえない死亡例
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縦構成の場所では、ある程度の高さから落ちると、画面がスクロールせずに死亡。
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そんなに高くない場所から地面にキレイに着地しても死亡。
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盾として御馴染みのアクアク(今回はウカウカも)がいても死亡。(2枚持ってようが問答無用)爆弾箱やニトロ箱でも当たったら一発死。
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無敵状態でも雑魚の攻撃で死亡。同じく無敵なのにトラップで死亡etc・・・つまり無敵が機能していない。
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コルテックスの逃げゲーパートが実は運ゲー。
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動きに特に変化を加えず普通にプレイしていても間に合わない時とそうでない時がある。何らかの法則があるのかもしれないが、よくわからない。
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クラッシュといえば無駄に豊富な死亡パターンが魅力の一つだったが今回は豊富なパターンなどほぼ皆無。
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せいぜいその場で倒れる・昇天・爆死・溺死・焼死ぐらいしか無い。
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一部のムービーが飛ばせない、1ミスするたびに同じムービーを見させられるのでストレスがたまる。
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ロードが長い。しかも意味不明なタイミングで読み込みが入ったりする。
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ゲームオーバー→ロード→(何故か)再びロード→タイトル→ロード(難易度が高く、1UPが使い切りなので何度も体験。)
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死亡場所とチャックポイントの場所のステージが違うとロードが入るようで、あるボスではチェックポイントが遠く一回死亡するとロード、飛ばせないムービーが2つ入ったりとすぐに再戦できない。
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前作におけるボスキャラ達の悲惨な扱い(ステージ中のギミック扱い)だった事への批判を受けてか、今回は挽回といわんばかりに登場する。具体的には、ニトラス・ブリオ、エヌ・ジン、エヌ・トロピー、ディンゴ・ダイルの四人。特にエヌ・ジンとは2回戦う機会がある。
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と、ここまでは評価できるのだが、彼ら以外のコルテックスの手下らのほとんどは序盤に顔見せで登場する程度で以降出番無し、ボスとしての活躍は一切無い。というか、その中で実際に戦うのはディンゴ・ダイルだけである。
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そもそも、過去シリーズのボス勢はそのほとんどが既にそれぞれの人生を歩んでおり、なんで今更わざわざ敵対しに戻ってきているのか?そこからして謎である。
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クラッシュとコルテックスの最後の戦いを見に来たということが開発者インタビューで明らかになった。
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何故か味方のはずのポーラまで当たり前のようにこの中に混ざっているが…?
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このことについてゲーム内で理由が明かされいままである。こちらもインタビューで「2」でクラッシュに馬乗りされて乗り回されたことを根に持っていて、復讐の機会を伺っていたことが明らかになった。
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同じくこのシーンでは4でクラッシュの仲間になったクランチとそもそもコルテックスの仲間でないエヌ・オキサイドまでいる。
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クランチはコルテックスの「今日はクラッシュのパーティー(という名のお別れ会)だ」というセリフを間に受けており、ケーキを持参している。
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ゲーム中で閲覧できるコンセプトアートにはコモドジョーやエヌ・トランスがいるのが確認できるが、彼らに関しては登場シーンすら存在しない。
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ボスキャラではないがココも登場するたびにビームに打たれて気絶してしまうという雑な扱いを受けている。
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行動を共にしているクラッシュとコルテックスを見ただけで「お兄ちゃんを放して!」と言ってコルテックスに攻撃したりと知的なキャラではなくなっている。
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敵の見張りに気づかずに隠れて進むというステージがあるのだがその判定がシビア。
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水草の陰に隠れろと指示があるのだが隠れても見つかることがある。
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もう1ステージ隠れて進むステージがあるがこちらはロッカーなどの隠れやすいものに隠れるので簡単。
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スノボステージではスイッチを起動させないとジャンプ台が現れないという仕掛けがあるのだが、これについてゲーム内で説明はなくさらに起動しそこねると一部の仕掛けを除きミス確定。
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また、ダイヤの入手が非常に難易度が高く、逆走できないので取り損ねるとわざとミスするかステージを入り直さなければならない。しかし、ダイヤとC箱の間にミスする方法が存在しないところも...。
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一部ダイヤの取得方法に仕掛けの使いまわしがある。
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縦に積み重ねてあるニトロ箱とその一番上がジャンプ箱のタワーを近くにあるボールを使ってニトロ箱を壊しジャンプ箱に乗ればダイヤを入手するという仕掛けがあるのだが、これが近くに2つもある。
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しゃがみが○ボタンのみとなり従来のR1ボタンでしゃがみアクションができなくなった
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スライディングジャンプもやりにくくなったがそもそもスライディングジャンプを行う場面がなく、挙動も扱いづらいものとなっている。
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箱の上にクラッシュの影が表示されないため、距離感が掴みにくい。
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ストーリーに整合性がとれていない。
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コルテックスとペンギンのやり取りが意味不明。
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ディンゴ・ダイル戦やマダム・アンバリー戦における直前の会話とボス戦の入り方が不自然。
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前者はコルテックスに宝の場所を聞くが、コルテックスは答えられなかったので追い払った後、クラッシュに襲い掛かるというもの。後者はコルテックスが現在何をしているか聞いた後に襲い掛かってくるというもの。
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サブタイトルに「野望」と書かれているものの2人の野望について言及するシーンもなければ、それを暗示するシーンも無い。なぜ日本版がこのようなタイトルになったのかがわからない。
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クラッシュシリーズはストーリーはあってないようなものと捉えるファンもいるのだが、本作はストーリー性を重視している上にムービーも多いためストーリーのおかしな部分が過去作以上に目立ってしまう。
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国内版特有の問題として複数のバグが存在。
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ウォーラスやエビルクラッシュが途中から追いかけてこなくなる等。
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上で触れた「着地死」「コルテックスパートの判定」などの不可思議現象もバグの可能性がある。できれば仕様だとは思いたくない。
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国内版特有かは不明だが、タッグアクション時に突然コルテックスがダメージを受けてミスになったり、パイプにはまったコルテックスが変な所へ行ってしまうバグが存在する。
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100%クリアの特典がお粗末
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新たなエンディングを見ることができるわけではなく、白い背景でクラッシュがアクションをするのを見るだけのムービーである。
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ちなみに100%クリア特典の映像は国ごとに違っており、上記の映像は日本版のみとなっている。
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セーブについての問題点
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セーブ方法は「セーブポイント箱でのオートセーブ」と「ポーズ画面からセーブ」の2つがあるのだが後者はほぼ死に機能と化している。
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使う場面はオフにしたオートセーブ機能をオンにしたいときのみだが、そもそもオートセーブをオフにする必要は殆ど無い。
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セーブポイントのバランスも悪く、セーブポイント箱の配置場所が妙に偏っている。
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何個もあるステージもあれば、ステージの入口付近からボスを倒すまで1個も出ないところも。
賛否両論点
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BGMが全編を通してボイスパーカッション入りのコミカルなアカペラ調。4までの音楽と比べても明らかに浮いており、人によってはコレジャナイ感が漂う。
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ただ、評価が高い曲も多いので好みの問題ともいえる。
評価点
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PS2発売から時間が経ったことによる開発技術の成熟からか、前作からさらに画質が向上。
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コルテックスが仲間になったことで深い掘り下げが行われた。
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元々「憎めない悪役」としてファンも多かったが、「実は弱虫」という人物像のおかげでさらに愛着の沸くキャラとなった。
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仕様上『カーニバル』では近接攻撃だった光線銃も遠距離攻撃になり、コルテックスファンにとっては嬉しい要素が満載。
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設定資料がゲーム内で閲覧できる。
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それなりの量が収録されており、没ネタの資料もある。
総評
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シリーズ復活のきっかけとして作られた本作は大きく路線変更を施したものになったが従来のシリーズファンの期待を裏切り、「4」以上の駄作を発売したことでシリーズの評判を落ちるところまで落としてしまった。
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『カーニバル』以降、シリーズは凋落の一途を辿っていたが、本作はそれを象徴する作品であるといえる。
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ファンサービスとして登場した過去作の小ネタも評価はできるが一部のキャラの扱いに疑問が残る。
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ゲーマガの編集者コラムでも黒歴史として紹介されていた。
余談
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原題は『Crash Twinsanity』。クラッシュシリーズは海外ではナンバリングがされてない。
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本作ではエリア飛ばしの裏技が妙に多い。
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壁の判定や柵の高さが低く、ダブルジャンプやボディプレスを駆使して他のエリアに行くことができる。
ちゃんとデバッグを行ったのか疑いたくなる程この技が可能な場所が多く飛ばしたからと言ってストーリーが進まなくなることは無い。
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そこから派生して、本来とは別のキャラでステージに挑むことも可能。コルテックス戦にコルテックスを連れていくことも可能。
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携帯アプリ版も出ており、一時期日本でも配信されたが、こちらも残念な出来。
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EDでは「次回作をお楽しみに」と書かれているが、続編は海外のみ出ている。こちらはそこそこ好評。
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ちなみにPVだけは見た事あるという国内ファンも多いのだが、もはや何なのかわからないくらいデザインが変わり果てていて(特にアクアクはかなり奇怪なアレンジになっている)ビジュアル面ではボロクソに叩かれていた。
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2010年に発売されたiPhoneアプリ『Crash Bandicoot Nitro Kart 2』では再び従来のデザインに戻った。
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2016年現在、日本で発売された最後のナンバリングタイトルとなっている。海外では「Crash of the Titans」「Crash:Mind over Mutant」の2タイトルが後に発売されているが、最新作のMind Over Mutantが発売されたのも2008年で、長らくナンバリングの続編は開発されていない。