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サイキックフォース - (2019/03/02 (土) 20:14:22) の編集履歴(バックアップ)
サイキックフォース
【さいきっくふぉーす】
ジャンル
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対戦アクション
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対応機種
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アーケード(FX-1A)
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販売・開発元
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タイトー
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稼働開始日
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1996年
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判定
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良作
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概要
キャラクターを「飛行能力を持つ超能力者」と設定し、格闘ゲームから「重力」の概念を取り払った斬新な対戦アクションゲームである。
その独創的なシステムは、従来の対戦格闘とは全く仕組みの異なる駆け引きのルールと高い完成度を持ち、実質2作で終わったこと、亜流作品の発生にはほとんど繋がらなかったことが惜しまれる。
美形キャラクターと悲劇的なストーリー設定も魅力で、当時の格闘ゲームとしては珍しく女性プレイヤーを多く獲得していた。
ルール
他のゲームには見られない、非常に独特なシステムである。
フィールド
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ゲームの舞台は四方を「結界(以下「壁」)」と呼ばれる正方形の壁に囲まれたエリアで、この中をプレイヤーは重力の制限なく360°自由に飛び回りながら相手を攻撃する。
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相手の攻撃ではね飛ばされたキャラは壁に叩き付けられることがあり、叩き付けられたキャラはダメージを受け、一瞬無防備に硬直する。この状態からさらに壁にぶつかるとダウン状態になり落下する。落下中は無敵である。
超能力技
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格闘ゲームにおける必殺技のようにコマンド入力で発生するが、入力方向に対する縛りがなく、例えば「←→→」というコマンドであれば「↓↑↑」でも「→←←」でも発生するし、「レバー一回転」という入力であれば、始点がどこであろうと一回転さえさせれば発生する。
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技ごとに「サイコゲージ」というゲージを一定量消費し、サイコゲージの回復には時間がかかるため無制限に連発することは出来ない。
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一部の技は発動後に特定のコマンドを入力することによって性質を変化させることが出来る。
操作方法
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レバー+弱攻撃(以下「弱」)、強攻撃(以下「強」)、ガード(以下「ガ」)の三ボタン制。
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弱、強ボタンは接近戦中は打撃攻撃に、距離が離れるとノーマルショット攻撃になる。
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ノーマルショットは発生が早いが後述するクイックダッシュにはじかれ、真正面にしか撃てない。
打撃
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打撃攻撃は一定のボタン組み合わせでコンボとなる。コンボは全キャラ共通で「コンボクイック(弱、弱、弱、弱)」「コンボロング(弱、弱、弱、強)」「コンボショート(弱、強)」「コンボミドル(弱、弱、強)」の四種類。
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後者2つは、締めの強攻撃をキャンセルし超能力技を繰り出す「コンボスペシャル」に派生可能。これを利用し、打撃コンボで壁に叩き付けてから超能力技を当てる、という行動を習得するのがダメージ効率を高める第一歩である。
ダッシュ
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クイックダッシュ
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弱+強で発動。相手に向かって一直線に突進する。ノーマルショットをはじける他、打撃、超能力技、投げで任意のタイミングで停止できる。隙をついた接近手段として強力だが、クイックダッシュ中に攻撃を受けると常時カウンター扱いとなるため、リスクも高い。
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ノーマルダッシュ
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弱+強+任意のレバー方向で、入力方向に向かってダッシュする。クイックダッシュよりも遅いが通常移動よりは遙かに速い。主に相手の攻撃を回避するのに使用する。ただし、途中で止まることが出来ず、そこが相手にとって絶好の攻撃チャンスとなる。
ガード
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ノーマルガード
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ガードボタン単独押しで発動。普通の格ゲーのガードとほぼ同じ性能で、背中が無防備であるほか超能力技を受けると半分のダメージを食らって吹き飛ぶ。
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バリアガード
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ガードボタンを押しながらレバー一回転で発動。自機の周囲をボール状のバリアで包み、全ての方向からの攻撃を完全にガードする。バリアを崩す方法は基本的に存在せず、完全に無敵。ただしサイコゲージを急速に消費する。もちろん、サイコゲージがなければバリアを発動することができない。
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触れた相手をはじくこともでき、はじいた側が先に動ける。バリアで一度はじいてから攻めに行く、という戦術も有効。
その他
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弱+ガで投げ技。ノーマルガードを無視して投げられる他、判定が自機を中心とした円形であるため、相手が自分の背後にいても投げることが出来る。
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弱+強+ガでサイコチャージ。サイコゲージを急速に回復する。ボタンを放せば直ちに操作可能になるためスキこそ無いが、空っぽからフルチャージには数秒かかるため回復させるタイミングは吟味する必要がある。
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また、このゲームはタイムアップや相討ちした場合、対戦時には強制的に「サドンデス」へ突入する。体力の多いほうが勝ちとなるのはCPU戦のみ。
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サドンデス時は結界が狭まり、体力・サイコゲージが0という状態で再スタート。わずか10秒間のカウントの中、先に攻撃を決めたほうがラウンドを取ることになる。緊迫感あふれる勝負であり、「このまま逃げ切りで勝ちだな」という安直なことはできない。
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「どれだけ体力差があろうがサドンデスでワンパン食らって負け」という可能性があるので、タイムアップが近づくと体力勝ちしているほうこそ積極的に攻めて相手を仕留めないと安心できない。逆に負けている側は「逃げ切ってサドンデスに賭ける」か「攻めにくる相手を返り討ちにする」かの判断が重要になる。
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このため、本作の対戦では「勝っているほうが追いかける」「負けているほうが逃げる」という真逆の光景がたびたび見られる。
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サドンデスでもタイムアップになった場合、または相討ちになった場合は両者ともにラウンドを取った扱いになる。このため、先にラウンドを取得していたプレイヤーが絶対有利。
サイキックフォースEX
ジャンル
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対戦アクション
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対応機種
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アーケード(FX-1A)
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販売・開発元
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タイトー
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稼働開始日
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1996年7月
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判定
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良作
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様々なバランス調整を施したアッパーバージョン。大きな変更点は、回避バリアを実装したこと、ラスボスであるキースを最初から使用可能なことである。
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回避バリアは吹き飛ばされ中に←→+ガで発動。普通のバリアガードよりも早く展開し、相手の追い打ちを防ぐ。ただし展開する時間に関わらず、サイコゲージを一定量消費し、足りなければ発動しない。そのため、常に回避バリアを展開できるだけのサイコゲージを残す立ち回りが要求されるようになった。
長所
独特の駆け引き
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「フィールドはぶつかると無防備になる壁に囲まれている」「キャラクターは攻撃を避けやすい360°移動」「超能力技は出す前も出した後もスキが非常に大きい」「攻撃を完全に防ぐバリアガードの存在」
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これらを考慮に入れるなら、プレイヤーがとるべき行動は一つしかない。即ち、「相手を壁に叩きつけて、追加ダメージを狙う」である。
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そこで多用されるのが、クイックダッシュからの打撃コンボである。ボタン連打で容易に出すことが出来、一気に相手を壁まで運ぶ。組み合わせによっては超能力技に繋げることも可能。普通ならこのコンボは回避バリアに防がれてしまうが、壁にぶつかる距離であれば、回避バリアも間に合わない。
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従って、このゲームは壁を背負った側が圧倒的に不利である。当然、背負った側はダッシュで逃げようとするが、方向の自由が利くノーマルダッシュは中断することが出来ない。すなわちノーマルダッシュはそれ自体がスキであるが、通常移動では逃げることなど不可能である。しかし、逃げる側は無理に壁から離れなくても相手のクイックダッシュ一回分の距離さえとれればそれでいいわけで……。
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このように、壁や相手との距離を常に意識した、「間合い・位置の奪い合い」が本作の駆け引きのキモである。「壁に連続でぶつかると気絶し、無敵状態になる」という仕様のおかげで常に攻守は入れ替わり、一方的に叩きのめされるという状況も少ない。プレイヤーは自キャラの有利な間合いを保てるよう、常に移動し続けなければならず、その移動が時として決定的なスキとなる。壁と自機との距離を正確につかめないとそもそもコンボがつながらないキャラもおり、的確な距離認識が要求される。
多彩な技
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上下の区別無く360°自由に動ける平面空間、というフィールド構成を最大限に生かした多様な超能力技が存在する。
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特に、設置型キャラの存在感の強さが特徴的。接触するとダメージを受ける機雷、うまく配置すればお手玉のように連続ヒットする光線を反射させるビットなど。光を操るキャラ「エミリオ」は性能的にも人気的にもこのゲームを象徴するキャラの一人である。
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他にも、重力場や風を起こして相手の移動を制限する、任意の方向に一直線に炸裂する等の技を駆使し、プレイヤーは自分の戦術を自在に編み出すことが可能。
差し合い・読みあい重視の面白さ
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前述の通り、追い打ちを防ぐ回避バリア、気絶状態では無敵という仕様の存在により、コンボはどこかのタイミングで必ず途切れ、ハメ技はシステム上絶対に存在しない。
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実は『無印』のみ、背面からバリアで相手を弾くことによって非常に危険なコンボができたが、『EX』からはきっちりと修正されている。
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また、このゲームはコンボによるマイナスのダメージ補正が非常に大きい。打撃コンボは攻撃ボタン連打で容易に出せるが、あくまで超能力技を確実に当てるための補助でしかない。超能力技は"生で当てる"…コンボを介さず直に当てる方がダメージ効率は良いのだが、超能力技の隙は全体的に大きく、大技ほどその方向は顕著になる。
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そのためには1フレーム単位での技やモーションの研究が必須であり、かつ相手がスキを見せるよう誘導する技術・試合状況を絡めた心理面の駆け引きなど、様々な要因を考慮しなければならない。リスクを背負いつつも高い壁を乗り越え、威力の高い超能力技を生でたたき込んだときの快感は何物にも代え難い。
魅力的なキャラ
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「迫害される超能力者」という暗い舞台設定を背景に、90年代のタイトーらしい悲劇的なストーリーが展開される。倒した相手は殺したものとするなど、その路線は徹底されている。
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登場するキャラはアニメ的な美男美女であるが、特に主人公バーンとその親友にしてラスボスのキースの、「かつての親友同士が道を違えて対立する」という設定や、エミリオの「悲劇的な過去を背負ったショタ系美少年」という設定が、王道ながらも特に婦女子の心を直撃した。
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結果、このゲームは当時の格闘ゲームとしては異例なほどの女性人気を獲得し、女性プレイヤーも多く見られた。
短所
独特すぎてハードルの高いシステム
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とにかくこのゲームはシステムを理解するまでの壁が高い。それは上記の説明を読んでいる内に納得させられるだろう。
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インストカードの限られた情報では「そもそも何をすればいいか」など分かるはずもなく、レバガチャでは相手に攻撃を当てること自体が困難。「遠くから弾をぺしぺし撃つだけのゲーム」と誤解したプレイヤーの多くが即座に席を立った。
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ある雑誌のレビューでは、「シューティング的な対戦ゲーム。格ゲーマーには合わない」「大味で駆け引きが感じられない」と、見事に全く理解されなかった。
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実際には接近戦主体で、突き詰めると駆け引き、読み合いが9割のゲームである。その点を理解して紹介していた雑誌は、かの「ゲーメスト」をはじめごく少数であった。
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とりあえずコンボと「とにかく壁に叩きつけろ」を理解したプレイヤーに対しても、「駆け引きの内容が地味で分かりづらい」というシステム自体の欠点が足を引っ張った。他のプレイヤーを手本にしようとしても、プレイヤーたちが必死に有利な位置を確保しようと移動を繰り返す様は、「フラフラと無駄に動き回っている」としか理解されなかったのである……。
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下記のキャラクター人気の弊害も少々含まれるが、PS互換基盤で勝利時の顔面アップは「FIST」程ではないにしろかなり違和感がある。特にアップ度の大きいウエンディは引いてしまう程の破壊力。
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当時はあまり対戦ツールとしては認識も薄かったので新製品はプロジェクター仕様の50インチに入れられる事も多く、ドアップの荒さが際立つ場合も。
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当時の3D格闘の「物語やエンディングは多く語らない」風潮があったが、その中でもサイキックフォースはアッサリ具合が頭二つ飛び抜けている。
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バーチャファイターや鉄拳等は物語が語れていなくとも「格闘技の大会」と割り切れる為に割と受け入れられるが、サイキックフォースは武道会では無い命を取るか取られるかの世界観の為にエンディングまで行ってももやもや感が残る。
キャラクター人気を押し出した故の弊害
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前述の通りこのゲームは女性プレイヤーを多く獲得した、が、同時に「キャラだけが目当てで実際のゲームをプレイしないファン」も数多く発生してしまった。とある目撃証言によると、「サイキックフォースは好きで同人活動やってますがゲームの方はプレイしてません。だってクソゲーじゃないですか」と堂々と語るファンもいたそうである。
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その結果、続編の『2012』はロケテストした店舗が導入を控えるなど商業的に失敗、また導入した店舗においても、乱入禁止のストーリーモードを搭載したことや、新設計された基板の壊れやすさが仇となりインカムも低迷。シリーズは三作で打ち切られることとなった。
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この「キャラだけが目当てで実際のゲームをプレイしないファン」問題については、後の『式神の城』シリーズでも再発してしまった。
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まだまだ萌えが市民権を得ていなかった当時、アニメ絵のキャラクターデザインは格ゲーマーにそっぽを向かれ、女性はなかなかプレイヤーになってくれず、システムも解りづらい。結局このゲームの魅力は「解る人にだけ解る」代物になってしまったのであった。
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アニメ色が強く、外連味が効きすぎているキャラクターデザインは現在でもネタにされる時があるが、当時はなおさら風当たりが強かったのである。
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キースは聖悠紀の「超人ロック」と見た目が思い切りかぶっている。とあるインタビューで、聖悠紀がサイキックフォースとの関係を聞かれ(質問者の意図は不明だが)「何も関係は無い」と否定する始末であった。
移植
サイキックフォース
対応機種
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プレイステーション
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発売日
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1996年10月4日
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定価
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6,090円
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判定
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良作
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PS版はタイトルこそ『無印』準拠だが、ゲーム内容は『EX』をベースにアレンジしており、家庭用オリジナル要素として新規にOPとED、ストーリーモードを追加した作品になっている。
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AC版は元々PS互換基板なので遜色のない移植になっている。『EX』からの新システム・新技もきちんと収録。
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OPは主題歌付きのアニメとなっているが、歌詞に盗作が発覚しCD収録時に差し替えられてしまった。
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キャラクター性、ストーリー性を前面に押し出したゲームにもかかわらず、ストーリーモードのテキストは今見ると全体的に稚拙。
サイキックフォース COMPLETE
対応機種
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プレイステーション2
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発売日
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2005年12月29日
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定価
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7,140円
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判定
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劣化ゲー
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PS2対応。PS版サイキックフォース、DC版『サイキックフォース2012』およびその調整版『2012EX』をまとめて収録した完全版。
……という触れ込みだったが、実際には不具合だらけの劣化移植である。
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特に致命的なのが、『初代』において基本中の基本であるコンボスペシャルが使用できなくなっている、という点である。
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タイトーに苦情を申し入れる者、署名運動を起こす者も現れたが、タイトー側の返事は、「マニュアルの間違いであり仕様である」とのことであった。他の格ゲーで言えば、「ジャンプ飛び込みから攻撃を出せません」と言っているようなものなのだが、どうしろと?
仮にその返答通り意図的に仕様変更したのだとしても、オリジナルから戦略を大幅に変えてしまう行為であり、「完全版」を謳う作品なのにどういう意図で変更したのか説明がつかない。
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スクエニによる子会社化直前で色々な意味で末期だった当時のタイトーを象徴する移植であった。
総評
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システムの解りづらさ、当時のゲーマーの価値観とのずれといったハンデを背負いながらも、このゲームの独自性は今なお色褪せることがない。
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特に、システムを引き継いだ続編『サイキックフォース2012』は対戦の盛んな店舗では少なくとも2001年頃まで大会が度々開かれ、長期に渡って支持されるゲームとなった。勿論、続編が出なかったことも理由の一つではあるのだろうが、元のゲームの完成度が高くなければこれほど長い期間の研究に堪えることなどできなかっただろう。
その後の展開
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『2012』以降、シリーズ展開は完全に打ち切られており、システムを流用した版権ゲームがいくつか出ているだけである。PS3で三作目の企画もあったそうだが、タイトーのスクエニ吸収に伴って消滅してしまったようである。
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システム上アニメとの相性が良く、CLAMPの『X』、PEACH-PITの『ローゼンメイデン』のキャラゲーがテレビアニメと並行して発売されている。が、出来はお察しといったところである。
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派生作品として『
サイキックフォース パズル大戦
』が出ている。ゲーム内容は『パズルボブル』そのままで、それをサイキックフォースのキャラに置き換えたもの。
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ストーリーは本編の陰鬱さとは真逆の和やかなものにパロディアレンジされており、イラストなども多く収録されたファンディスク的な作品。
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さらに本作限定の隠しキャラとして、本編では没となった設定を再利用した「鈴木正人(仮)」というキャラが登場している。ただしオマケであるため彼にストーリーは無く、クリアすると没案イラストの設定資料が解禁される。
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前述の女性向けを意識してか、OVAもリリースされた。ストーリーは本作の数年前を舞台にしたもの。
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亜流作品にも後継作にも同人のクローンゲームにも、対戦動画にすら恵まれない不幸なゲームである。もはや完全に忘れられつつあるが、このまま消滅させるには実に惜しい作品である。今ならばゲームアーカイブスで移植版が遊べるので、一度経験してみてはいかがだろうか。ツボにさえはまればグイグイ引き込まれていくはずである。問題は、対戦相手が見つかる可能性が著しく低いことであるが……。
余談
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360度レンジでは無いが、サイキックフォースの先駆けの様なゲームとして、かのコブラチームの「バスタード」がある。こちらはサイキックフォースがよく「遠距離でペチペチ」と誤解されている物そのもののクソゲーであるが…。
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盗作疑惑のあるPS版の主題歌の他に、ソニアステージのテーマに歌詞を乗せた楽曲がある。70年代アニメ風の歌詞でソニアの立場を巧く取り入れているが、いかんせんダサい。
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なお、この曲はDAMで配信されているのでカラオケでも歌える。
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この歌詞のダサさは後のマイトステージのテーマに歌詞を乗せた楽曲にも通じる。
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バーチャファイター等の格闘ゲームは最初からそうなのだが横方向からの視点であまり目立たない所で、サイキックフォースは常に相手をロックオンしているシステム。プレイヤーが自発的では無いが、「ゼルダの伝説」のZ注目の「見えない鎖で繋がっている」考え方を先取りしている。