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ぷよぷよ通 - (2013/09/18 (水) 01:43:57) の編集履歴(バックアップ)


ぷよぷよ通

【ぷよぷよつう】

ジャンル 落ち物パズルゲーム
対応機種 (多数機種にて発売)*1
開発元 コンパイル
稼働開始日 1994年9月下旬
プレイ人数 1~2人(機種によっては1~4人)
分類 良作
魔導物語・ぷよぷよシリーズ関連作品リンク

概要

  • 落ちものパズルとして一世を風靡した前作『ぷよぷよ』の続編。
    • 前作の悪い点を改善し、登場キャラクターが3倍近くに増えたり、新システムの追加などあらゆる面でパワーアップした作品で、現在でもこの作品を最高傑作に挙げる人も多い。基本的なルールは前作と全く変わらないが、いくつかの新システムやルールが追加されている。
    • 「ひとりでぷよぷよ」では、塔を登っていき、同一階での対戦で得た経験値が規定点に到達すればレベルアップして、次の階に進める。上の階を目指して対戦で勝利するという流れ。
    • 「ふたりでぷよぷよ」では前作と同様に通常のルールの他、「固ぷよ」「得点ぷよ」といった特殊なおじゃまぷよ(後述)が出現するルールなどもある。

新システム

相殺(そうさい)

  • 相手が連鎖をして自分のフィールドにおじゃまぷよを送り、その「予告ぷよ」が発生している時に自分もぷよを消すと、こちらが送った数と同じ数だけ予告ぷよの量を減らすことができる。もし、自分の送った量が上回った場合、その余った分が相手のフィールドに送られる。これを「相殺」と呼ぶ。「 そうさつ 」と読むのは間違い。
  • この相殺こそがこのゲームの肝であり、「致死量連鎖(おじゃまぷよ72個以上)」を先に決めた者勝ちだった、前作までの対戦プレイの幅を大きく広げた。たとえ、100個以上の予告ぷよが発生しても、「相殺」によって生存・逆転の可能性を残せるという、シーソーゲームの様相を呈するようになった。
    • 例えば、同じスピードで5連鎖を作り、相手がそれを先に打ってきても、相手の連鎖が終わる間にこちらが連鎖を6に伸ばせば、相手から送られてきたおじゃまぷよをすべて相殺した上で、相手に大量のおじゃまぷよを送ることができる。したがって、「先手必勝」ではなく「後打ち有利」となり、いかに早く「致死連鎖」を作るかではなく、いかに相手より大きな連鎖を作るかに重点が置かれるようになった。

全消し(ぜんけし)

  • フィールドに積まれたぷよ(おじゃまぷよ含む)を1つ残らず全て消すと「全消し」となる。この状態で次にぷよを消すと、ボーナスとして相手に普通より多くおじゃまぷよを送ることができる。ちなみに、おじゃまぷよは得点により発生する数が計算されるが、全消しすると、そのボーナス分の得点も加算されている。

クイックターン

  • 縦向きの1個分の隙間にぷよが入った時にボタンを素早く2回押すと、上下が入れ替わるようになった。
  • ぷよの入れ間違えを修正できるようになり、また時間稼ぎもできるようになった。

NEXT2ぷよ

  • 画面には次の組ぷよが表示されているが、その次の組ぷよも少しだけ見えるようになった。

色ぷよ、予告ぷよ、おじゃまぷよの進化

  • 普通の色ぷよが積まれた後にそのぷよの表情が変化したりと、アニメーションするようになった。
  • 予告ぷよには、前作の小(1個)、大(6個)、岩(30個)に加え、きのこ(200個)、星(300個)、王冠(400個)が追加された。
  • おじゃまぷよの種類で新たに「固ぷよ(かたぷよ)」と「得点ぷよ」が追加された。
    • 「固ぷよ」は隣のぷよが1回消えただけでは消せず、普通のおじゃまぷよに変化する。消すのに手間がかかるため、少ない量でも結構なダメージになる。なお、ぷよを消す際に2か所で隣り合っていれば1発で消え、その際は目玉が天に昇っていく演出が起こる。
    • 「得点ぷよ」は普通のおじゃまぷよと同様に消せるが、消すとより多く得点が入る。もし、大量に降った後でも、一気に消すことで相手に強力な反撃も可能。

連鎖ボイスの増加

  • ぷよを消したときに発生する「連鎖ボイス」が、1P・2P側とも前作の4種から7種に増えた。具体的には、1連鎖目のボイスが追加され、前作の5連鎖のボイスが7連鎖ボイスとなり、5連鎖と6連鎖のボイスは新しいものになっている。
    • ただし、1連鎖目のボイス(えいっ/いてっ)は機種によっては「ひとりでぷよぷよ」では再生されない仕様。
    • PCエンジン版のみ前作同様2・3・4・5連鎖目の4種類だが、代わりに全敵キャラクターそれぞれに豪華声優陣による個別の連鎖ボイスが設定されており、前作と同じく対戦時にキャラクターセレクトが可能。

問題点・賛否両論点

インターフェイスは前作とほぼ変わらない

  • 本作は前作の続編ではあるが、見た目としてはキャラやぷよぷよ、フィールドのグラフィックが刷新されたくらいで、前作とほぼ一緒。
    • 「ひとりでぷよぷよ」は前作と同じく中央に敵キャラが表示される形式で、対戦背景もごくシンプルなもの。連鎖ボイスも1P側がアルルの魔法ボイス、2P側がやられ声という形式を引き継いだ。悪く言えば地味である。
    • これは「前作とほぼ同じ感覚で違和感なくプレイできる」利点であるが、同時に「前作からあまり代わり映えしない」欠点とも言えた。
    • 細かい部分では色々改善されているのだが、基本的なシステムは前作の時点でほぼ完成されており、実質的にはバージョンアップ版や改良版という位置づけに近い。
  • 後の『ぷよぷよSUN』以降ではこの点が大きく進化し、派手なフィールド背景や個別連鎖ボイス・連鎖アクションなど、画面の見た目や演出が大きく変わっている。
    • ただしその反面、続編以降でスッキリとしたシンプルさが失われたのも事実であり、本作のような簡素なインターフェイスの方が好まれることもある。

ひとりでぷよぷよの延長戦キャラが非常に出しにくい

  • 「ひとりでぷよぷよ」ではスコアとは別に「経験値」という概念があり、得点した分だけ経験値に加算される。最上階以外の各階に規定点が設定されていて、それまでの獲得経験値の合計が規定点に達することで次の階に進むのだが、その階の全ての敵を倒しても規定点に届かない場合に発生するのが「延長戦」。敵がもう一人登場し、これに勝って規定点をクリアすればレベルアップ、勝ってもまだ足りなければゲームオーバーになってしまう*2
    • しかし、普通にプレイしていると規定点自体が低く、負けてもその戦いの点数が経験値に加算されるため*3*4簡単にクリアしてしまう事が多く、狙って延長戦に持ち込むのはなかなか難しい。
    • 上の階の経験値はそれまでの階の合計点の上に積み重ねられるが、上の階ほど(結果として)規定値の縛りが緩くなっている。敵数の少なくなる4階(4体)や5階(2体)はともかく、3連鎖ですら点の取りすぎになってしまう低階層の方が出現させるのが難儀なのである。
    • 特に、アーケード版や初期の移植では階層クリア時にレベルアップボーナスも足されてしまうため、さらに難しくなっている。
    • 1階の規定点15,000点は、ぷよぷよ通の唯一の失敗として挙げられることも多い。1階のデフォルトの敵キャラ数は8体(このせいか、移植版の一部では規定点が25,000点もしくは30,000点に引き上げられている)。
  • このため延長戦キャラは半ば「隠しレアキャラ」のような扱いとなってしまった。
    • 後の移植版の一部では全敵キャラクターと戦える「通モード」を搭載し、そこではこれらの敵とも普通に戦えるようになっている。

「漫才デモ」の廃止

  • AC版、MD版等では対戦開始前に敵キャラクターの紹介が表示されるが、前作にあった「漫才デモ」(キャラクター同士の会話デモ)が廃止されている。
    • 元々は搭載される予定であり、アーケード版のロケテストでは漫才デモが搭載されていたが、納期の関係でキャラクターのアニメーションが間に合わず、製品版では動きを合わせる必要のないキャラクター紹介文に変更されてしまった。
    • 余談だが、AC版ではトリオ・ザ・バンシーの紹介の際に「こいつらのおかげで八部衆は11名になった」*5と表記されている。
  • 後のSS版やSFC版など、一部機種への移植版では上記の没になった漫才デモがリメイクされて追加されている。
  • SS版・PS版では「豪華コンパイル社員」と銘打ち、漫才デモがテキストではなくフルボイスで、当時のコンパイル社員が声優を担当していた。社員が声を担当していたのは前作や『魔導物語』でも同様だったのだが、長い台詞での大量収録は今回が初である。ただし、敵キャラの声の演技はあくまで素人であるため、キャラによっては演技があっていなかったりすることもある。
    • SFC版では前作同様にテキストの吹き出し形式になっている。
    • PCE版では一周目はキャラ解説文だがキートン山田によるボイス付きで、さらに二周目以降に出現する隠しモードでは豪華声優陣による独自の漫才デモになっている。
    • PS2版では全て新録されテキストの吹き出しも表示される形式。ただしボイス担当は本職の声優ではなくやはり素人である。

エンディングが簡素で分かりづらい

  • 前作でも「深い意味などまったくないぷよぷよ地獄」というオチで終わったのだが、今作のアーケード版では台詞もなく塔がいきなりロケットのように発射されて爆発、アルルがパラシュートで脱出しサタンが落下する、というもの。漫才デモが無かったこともあり、経緯が前作以上に分かりづらい。
    • ただし、本作のストーリーは単に「アルルが謎の塔を登る」というだけのものであり、元々ほとんどあってないようなもののため、あまり気にされることはなかった。
  • 後のSS版以降は漫才デモやエンディング会話デモ、エンディングムービーが追加され、「サタンがアルルとの星空のハネムーンを企んでおり、二人を乗せた塔がロケットのように発射されたが途中で爆発した」という経緯が分かるようになった。
    • さらに、隠しボス・マスクドサタン*6の出現ヒントが提示されるようになり、マスクドサタンを倒した場合は彼の正体が分かる新規のエンディングへ分岐するようになった。
    • しかし、SS版・PS版におけるエンディングアニメムービーは、作画崩壊と言われる程、かなり独特なものであった。
    • SFC版ではムービーがないためドットキャラによるエンディングに置き換えられたが、こちらはイメージを壊さない出来だったため、逆に前述のムービーより好評という結果に。
    • GB版以降の携帯機版はさらにストーリーが変わり、サタンとの対戦後にアルルが塔から投げ出され、負けたショックでカーバンクル型のロケットがサタン一人を載せて発射し、月に激突するというものに変えられている。こちらも分かりづらかったのか、後にNGP版で追加メッセージが補完された。
  • ただし、アーケード版・メガドライブ版のエンディングは非常にテンポよく流れた後にプレイレコード表示へ移行するため、純粋にゲームとして見た場合は、長々としたスタッフロールのある後期移植よりも、演出が簡素なアーケード版の方が良いという意見もある。
    • 『ALL ABOUT ぷよぷよ通』では、「長々としたスタッフロールを嫌い、敢えて簡素にしたがわかりづらくなった」という旨のインタビューがある)。

機種ごとのルール、モード

今作は様々な機種に移植されていて、以下のような、機種によってあったりなかったりするシステムやルールがある。

乱入

  • アーケードや初期の移植では格闘ゲームよろしく「ひとりでぷよぷよ」中に「乱入」できる。
  • 対戦して勝った方が「ひとりでぷよぷよ」のプレイを引き継ぐ。

追加ルールとエディットルール

  • 家庭用移植では対戦モードにルールが増えており、追加ルールは2個消しと6個消しというぷよぷよの概念そのものを覆すルール。
  • エディットはぷよの消える数、おじゃまぷよ1個降らせるのに必要な点数、連鎖の際のおじゃまぷよの増える倍率、おじゃまぷよの得点などいろいろなルールを自分で設定して対戦できる。

れんしゅうモード

  • 「ひとりでぷよぷよ」のやさしいモードで、3~7人と順番に対戦する。
    • SS版やPS版では、このモード用に追加された新たな敵キャラもいる。
    • SFC版では敵が使い回しだが、代わりに新たな漫才デモが搭載されている。

通モード

  • 「ひとりでぷよぷよ」と同様だが、ゲームランクが最高難易度に固定された状態で全キャラと順番に対戦していく、長い長いモード。機種によってはセーブができたり、クリア後にキャラセレクトが可能になる。
  • 並び順は機種によって違っていて、先述のマスクドサタンが出てくる機種もある。

みんなでぷよぷよ

  • 最大4人(機種によってはCPUも入れられる)で同時対戦できるモード。
  • アーケード版では通信対戦専用の二台並んだ専用筐体が存在した(片方の台の状況は画面中央に小さく表示)。
  • SFC版などでは一人一人の画面は小さくなるものの多人数での対戦で盛り上がれる。

とことんぷよぷよ

  • 前作からある一人用エンドレスモードだが、今作では一部の機種にしかない。
    • 新しく、一定時間毎にお邪魔ぷよが降ってくるようになった(設定で無しにもできる)。連鎖などで多くの得点を稼ぐと降るのをしばらく防ぐことができる。
  • 一部の機種では、連鎖のパターンを見ることができる「おてほん」モードが追加されているものもある。

総評

総じて問題点は少なく、最高傑作の評価に恥じない名作であるといえる。ちなみに、今作で搭載された新システムは後のシリーズにも引き継がれている。