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ニンテンドウオールスター! 大乱闘スマッシュブラザーズ - (2020/06/25 (木) 13:52:07) の編集履歴(バックアップ)


ニンテンドウオールスター! 大乱闘スマッシュブラザーズ

【にんてんどうおーるすたー だいらんとうすまっしゅぶらざーず】

ジャンル 対戦アクションゲーム
対応機種 ニンテンドウ64
メディア 128MbitROMカートリッジ
発売元 任天堂
開発元 ハル研究所
発売日 1999年1月21日
定価 5,800円(税別)
レーティング CERO:A(全年齢対象)
※バーチャルコンソール版より付加
配信 バーチャルコンソール
【Wii】2009年1月20日/1,200Wiiポイント
判定 良作
ポイント 任天堂の豪華キャラが夢の共演
敵を「ふっとばす」爽快感とオリジナリティ
操作はお手軽だが奥はとても深い
大乱闘スマッシュブラザーズシリーズリンク


概要

ニンテンドウ64で発売された、歴代任天堂キャラクターが一堂に会し、それぞれの作品を出典元とする様々なステージで大乱闘を繰り広げる、自社作品クロスオーバー対戦アクションゲーム。

当初は「マリオやカービィが殴り合う」という異様な内容から任天堂社内でも不評で、「あまり売れないだろう」と思われていた。
しかし、口コミによって徐々に人気を博していき大ヒット。今では任天堂の看板シリーズの一つにまで上り詰めた。


プレイヤーキャラ

使用可能なキャラクターは隠しキャラクターも含め12名。

+ 最初から使用可能な8名
  • マリオ(スーパーマリオブラザーズ
    • もはや知らない人はいないであろうMr.テレビゲーム。
    • 飛び道具、対空ジャンプアッパー、その場回転技と必殺ワザのセットは偶然にも三種の神器を揃えている。
      長所らしい長所もないが、短所らしい短所もないスタンダードなキャラ。強いて偏った点を挙げるならワザの出が総じて早めな分、直後の隙が大きく、リーチもやや短いところ。
  • ドンキーコング(スーパードンキーコング
    • マリオの宿敵だった「初代」ではなく、ジャングルに住みワニ軍団と戦う「二代目」が登場。
    • 見ての通りのヘヴィーパワーキャラ。全キャラ中最も体格と重量が大きいため、乱戦で的になりやすいが、同じダメージ量でも一番吹っ飛びにくい。
      相手を背負って移動でき、そのまま落下による道連れを狙えるつかみ前投げ「リフティング」、最強のタメ打撃ワザ「ジャイアントパンチ」と攻撃力の理論値が高いが、
      横への復帰力が最高な代わりに縦方向への復帰力が最低…という一長一短の性能を持つ。
  • リンク(ゼルダの伝説 時のオカリナ
    • 幾度となくハイラルを救った緑の勇者。
    • 重量複合系のキャラ。接近戦では「下突き」「回転斬り」をはじめとした剣による高火力を持つ一方、「フックショット」による長いリーチの投げ、さらに「ブーメラン」「爆弾」と多様かつ強力な飛び道具も併せ持つ。
      だが重装備ゆえに機動性は相応に悪く、復帰力も攻撃速度も低い。
    • 姿こそ「時のオカリナ」の大人仕様だが、設定はそれ以前の作品のリンクを基にしているため、本来大人リンクが使えないブーメランを使える。これはそもそも本作が「時のオカリナ」と並行して作られていたため。
      • ステージ曲が「神トラ」準拠なのもその影響。
  • サムス(スーパーメトロイド
    • パワードスーツを纏い宇宙を駆ける賞金稼ぎ。実は今作の紅一点。
    • 長射程の特殊技を立ち回りの肝としている飛び道具キャラ。
      横は長射程高火力なタメ技「チャージショット」、下に「ボム」、投げも「グラップリングビーム」と揃っている。対空は「スクリューアタック」。
      • 見た目の割に機動性も悪くないが、ふわふわとした独特の挙動や緊急回避の遅さなどで、近距離戦は微妙なところ。飛び道具で相手をけん制し間合いを保つのが戦い方の基礎となる。
  • ヨッシー(ヨッシーストーリー
    • 時にはマリオの相棒、時に単独で冒険するスーパードラゴン。
    • 他のキャラとは色々と異彩を放つトリッキーキャラ。初期キャラで唯一上必殺ワザが復帰に使えないという致命的な弱点を持つが、代わりに空中ジャンプの移動力がずば抜けて高い。軌道を自由にコントロールできる飛び道具「たまご投げ」や、相手を少しの間だけ拘束し、あわよくばそのままリングアウトの「たまご産み」などの必殺技を持つ。
      地上での動きは鈍く、頼みの綱の空中ジャンプも妨害された時点で落下確定など、とてもピーキーな仕様。
  • カービィ(星のカービィ
    • はるかぜと共に現れたピンクの丸いあいつ。上必殺「ファイナルカッター」はSDXの「カッターめったぎり」の最終段のみを放つオリジナル技。
    • 原作同様に初心者向けのキャラ。どの攻撃も技の出が総じて早く潰されにくいため使いやすく、5段ジャンプの「ホバリング」+癖はあるが上必殺の「ファイナルカッター」も合わせれば、復帰力は最高クラス。
      投げ以外にはほぼ無敵な高威力技「ストーン」や、飲み込んだ相手の通常必殺ワザをコピーして使える「すいこみ」といったアクセントもある。コピー技のボイスが可愛いと評判(特にピカチュウとファルコンコピー時)。
      だが体重が軽くリーチも短いため、必殺技を避けられるプレイヤー相手だと立ち回りに強みを依存しやすいのが欠点か。
  • フォックス(スターフォックス64
    • 戦闘機(時に戦車など)を駆る雇われ遊撃チームのリーダーが生身で参戦。当時の時点では肉弾戦の描写は存在しなかったため、オリジナルの必殺技を引っ提げて戦う。後述する必殺ワザはチームのメカニック(スリッピー)が手がけた武装という設定。
    • 機動力と手数で攻めるスピードキャラ。射程無限の「ブラスター」、飛び道具反射の「リフレクター」など、機敏な動きと遠距離での牽制力を兼ね揃える。
      タイマンでもコンボの繋げやすさと上方への突出した吹っ飛ばし力を誇るが、落下速度が速いので不慮の事故が怖い。
      本作に限り、単発攻撃力が最低クラスな代わりに重量そのものは中程度。
    • 何故かアイテムを拾う効果音が彼のみ微妙に異なる。
  • ピカチュウ(ポケットモンスター?
    • ポケモンの顔役を務める黄色い人気者。
    • スピードと操作性を兼ね備えたキャラ。「でんげき」「かみなり」による遠距離戦と、「でんこうせっか」による復帰の強さなど、比較的万能性が高めだが、
      一見使いやすそうに見えて技のクセが強く、また見た目通り軽いので吹っ飛ばされやすい。カービィを一芸特化させた感覚。
+ 隠しキャラ4名

条件を満たすことで、さらに以下の4名のキャラクターを使用できる。

  • ルイージ(スーパーマリオブラザーズ2
    • 兄・マリオのモデル変えとして参戦した永遠の二番手(公式)。初出作にちなんでジャンプ力が高いが滑りやすいなど、マリオとは性能が異なる部分も多い。
    • 攻撃ワザも一風変わっており、離れて当てると情けない威力だが入力直後の一瞬だけ凄まじい威力の「ファイアジャンプパンチ」、“いじけながら地面を蹴る”情けないモーションに攻撃判定があるアピールなど、一発ネタ的な特徴がある。
    • 操作説明のデモや1人用のステージで「マリオブラザーズ」として登場するなど、隠しキャラなのに全く隠れていなかったりする。
  • キャプテン・ファルコン(F-ZERO X
    • SFレースゲームの主役パイロットが生身で参戦。SFC版同梱の漫画やサムス、フォックスとは違い、肉弾戦一筋で戦う。
    • ドンキーに次ぐパワーキャラだが、ダッシュ力はフォックスやピカチュウを置いて最速と、パワーとスピードを併せ持ったキャラ。しかし飛び道具は皆無。
    • 隙は大きいが高威力の「ファルコンパンチ*1」、対空つかみの「ファルコンダイブ」、判定もリーチも優れる通常技と、制動しにくいが高い性能を持つ。
    • 攻撃技は総じてハイスペックだが、復帰力の低さと背の低いキャラへの攻撃の当たりにくさが弱点か。
  • ネス(MOTHER2 ギーグの逆襲
    • バット片手に世界を救う超能力少年。今回は仲間の女の子(ポーラ)のPSIを必殺ワザとして使う。
      • ヨッシーよりもふんわりとした空中ジャンプの挙動や、特定の飛び道具を吸収して回復する「サイマグネット」、着弾点で連続ヒットする飛び道具の「PKファイヤー」など、変則的な性能を持つ技が多い。ヨッシー以上にトリッキーな上級者向けキャラ。
      • 特に上必殺ワザ「PKサンダー」はそれ自体には復帰力が存在せず、放った弾をスティックで操作し自分自身に当てることで発動する「PKサンダー体当たり*2」を落下中に素早く出さなくてはならない。この応用技はとっさに出すには難しく結構な練習が必要であり、隙も多く妨害されやすい。
  • プリン(ポケットモンスター?
    • 初期のアニメ『ポケモン』で準レギュラー扱いだったふうせんポケモンがカービィのモデル変え+αとしてまさかの参戦。
    • 地上では攻撃力もリーチも低い・上必殺ワザが復帰に使えない・天井のないところでシールドブレイクすると即アウト…と、公式サイトで長所が実質一つ*3と、「意図的な弱キャラ」として作られたファイター。
      • しかし、何の意味もないと思わせて下必殺の「ねむる」がなぜか密接した相手を豪快にブッ飛ばす他、空中機動力がバツグンで変則的な動きから攻撃を差し込めるなど、やりこむと尖った強さに転ずる懐刀を秘めている。
        横へ大きく移動しつつ敵のシールドを大きく削る通常必殺ワザ「はたく」、そして何よりカービィ以上の性能を誇る5段ジャンプ「ホバリング」はそのまま復帰力の高さにもつながっており、意外に勝ち点を拾っている可能性が相応に高められたキャラでもある。

特徴

基本ルール

  • キャラクターが多彩な技を使って殴り合うという格闘ゲーム的な内容*4だが、このゲームでは格ゲーで一般的な「体力制」を採用していない。
    • 攻撃を受けると「蓄積ダメージ」がカウントされていく。これ自体はいくら溜まってもKOにはならないが、蓄積量に比例して次の攻撃でふっとばされる距離が伸びていき、足場の外へ吹っ飛ばされた後にステージに戻れず画面外に落下・または一定距離以上をふっとばされてしまうとミスになる。
      つまり、相手をより多くリングアウトさせたプレイヤーが勝ちという一風変わったシステムであり、本作最大のオリジナリティになっている。任天堂の製品ページでは「 土俵から出たらまけの、お相撲みたいなもの 」と例えられている。
    • 最大4人での同時対戦(乱闘)が可能。
    • バトルのルールは「タイム制」と「ストック制」の2種類が存在する。
      • タイム制は一定の時間(デフォルトは2分)戦った後、「相手を倒した数-自分が落ちた回数」を得点として勝敗が決まる。同率1位が複数いる場合は「サドンデス」として蓄積ダメージ300%で始まる戦いで勝敗を決める。
      • ストック制は決まった数だけミスしたプレイヤーから脱落していき、最後に残ったプレイヤーが勝利となる。
      • その性質から、多人数プレイ時はタイム制、1対1の時はストック制が向いている*5と言われる。

基本操作

  • 基本操作はスティックによる移動と、Aボタンによる通常ワザ、Bボタンによる必殺ワザ、Zトリガーによるシールドという構成。
    • 基本的に攻撃技はすべて、一方向へのスティック入力と攻撃ボタンの組み合わせだけで出せる。一般的な格闘ゲームのような複雑なスティック・コマンド操作は不要。
      • Aを押すと弱攻撃。出は早いが威力・ふっ飛ばし力共に低い。マリオのように連打で技が派生するものや、ピカチュウのように同じ技をひたすら連発するものがある。
      • 横・上・下にスティックを倒しながらAで強攻撃。弱攻撃よりもやや威力とリーチがあるが、出は少し遅い。
      • そして横・上・下にスティックを弾き(勢い良く倒し)ながらAでスマッシュ攻撃が可能。威力とふっ飛ばし力が高いがスキはさらに大きい。
      • 空中でも通常攻撃を出せるが、ニュートラル・前・後・上・下の5種類の技があり、地上攻撃とはまた違った位置づけとなる。
    • Bボタンで出せる必殺ワザは、ニュートラル・上・下の3種類。飛び道具など特殊な性能を持った技が多い。
      • 特に上Bで出せる必殺技は上方向に大きく上昇できるものが多く、場外にふっとばされた際の復帰に必須である。
    • シールド中はキャラの周りを球体のバリアが守ってダメージを防いでくれる。
      • しかし攻撃を防ぐかシールドし続けるとシールドは小さくなっていき、ガードできる部分が減っていく。また完全にシールドが無くなっしまうと、シールドブレイクとしていわゆるピヨり状態になり大きな隙を晒してしまう。
      • またシールド中に左右にスティックを弾くと「緊急回避」になり、無敵状態のまま左右に少し移動できる。敵の後ろに回り込んだり、素早く距離を取ったりと使い道は多い。
      • なお、いわゆる格ゲーのガードと異なり、シールドを解除した時にも硬直が発生する。この硬直はシールドから直に出せる行動の場合は発生しない。
    • ジャンプはスティックを上に弾くか、Cボタンを押すことで行える*6。 一般的な格ゲーよりもかなり自由に動ける上に、全員共通で空中ジャンプ*7も可能なため、ルールと相まって空中戦の重要性は極めて高い。
    • Rボタン*8で「つかみ」を行い、近くにいる相手を投げることができる。投げは前と後ろの二種類。
      • つかみは当然ガード不可でシールド中の相手にも有効だが、他のどの攻撃にも潰されるようになっている。通常攻撃→投げ→シールド→通常攻撃…という3すくみである。

蓄積ダメージと吹っ飛ばし力

  • 攻撃を受けると、%で表された蓄積ダメージが増加し、その分だけキャラクターは吹っ飛ばされやすくなる。
    • 大雑把に仕様を解説すると「当たった攻撃の本来のふっとばし力×ダメージ率」になっていて、威力が強い攻撃でも相手のダメージが溜まっていなければ吹っ飛ばない。
      • なのでまずは相手の蓄積ダメージを稼ぐことが肝要となる。が、ドンキーのハンドスラップなど、例外的に「低いダメージ率でもふっ飛ばしやすいがダメージ率の影響が小さい(もしくは全く無い)」ワザも極一部にある。
    • ダメージが蓄積された状態の相手に「スマッシュ攻撃」などを当てると、相手を一気に画面外まで吹っ飛ばし、復帰する間もなくKOさせることができる。
      • 当然ながらどの位置でどの方向へ吹っ飛ばすかによって、画面外まで確定で吹っ飛ばすまでに必要な蓄積ダメージは変わっていく。 しかしこれによってスマッシュ攻撃に限らず、キャラによっては一部の強攻撃・空中攻撃や必殺ワザも、100%ほど溜まった相手をステージの端から外側の画面外に飛ばし切るだけの威力を持っていることがある。
    • 出の早い弱攻撃や半数ほどの必殺ワザは基本的にふっとばす能力はほぼない。相手を確実に仕留めるには、出が遅いか扱いの難しいフィニッシュブローをブチ当てなければならない。
      序盤は小技の差し合いで相手側の蓄積ダメージを稼ぎ、隙を見てスマッシュ攻撃を叩き込む、またはステージ端に追い詰めて強攻撃や空中攻撃で止めを刺す…というのが、本作における戦い方の基本である。

吹っ飛ばされた後の復帰

  • 足場からふっとばされても、ある程度の距離ならば上必殺技(一部のキャラのみ例外)や空中ジャンプを使用することで、ステージに戻ってそのまま戦いを続けられる。 たとえ足場の上に届かずとも、地形の左右両端に接近することでガケつかまりができる。
  • いくら攻撃されてダメージを受けても、理論上は致命的にふっとばされない限り負けないということである。
    しかし逆に言えば、ダメージを受けてない状態でも操作ミスなどでステージから転落すると即失点になるということでもあり、足場の外はそのままスリルと緊張感のある攻防の舞台となるだろう。
  • ある程度上達すれば、あえてガケに掴まって相手を牽制する*9、足場外の空中で相手を追撃したり、それをかいくぐって復帰したり、あわよくば追撃してきた相手を返り討ちにしたりといった、空中での高度な駆け引きが生まれてくる。

ステージ

  • 本作のステージは8個+隠しで1個の合計9個*10。いずれも任天堂作品(最初から使用できる8体が登場する作品)の世界観をモチーフにしたステージが選べる。
  • 本作のステージは広い足場に加えて空中に小さな「すり抜け床」が複数存在するのが基本となっており、移動・位置取りについては2Dジャンプアクションゲームと同様の高い自由度がある。すり抜け床は下にスティックを弾いて降りられる。
  • ただし、そのそれぞれにおいて足場の形やサイズは異なる。斜面があったり、ものによっては足場が動いたり、画面端判定まで地続きになっているものまで多種多様。
    • そればかりか、一部ステージにはキャラクターにダメージを与えてくるなど試合に直接干渉するギミック「やくもの」も存在する場合がある。

アイテム

  • ランダムで手持ち武器や相手に投げつける事のできるアイテムが出現する。ステージ同様、任天堂作品に出てきたキャラをモチーフにしたものが多い。先述するステージの「やくもの」とともに、対戦を盛り上げるスパイスである。
    ハンマーなどの強力なアイテムを先んじて拾えば一発逆転を狙えるだけでなく、ボム兵などの爆弾系のアイテムが乱戦の真ん中に出てきて全員吹っ飛ばされるといったアクシデントの発生にも一役買っている。
    • アイテムの出現率も一律ではなく、本作ではステージによってある程度変動する*11が、一定条件を満たすと出現アイテムの種別ごとの有無やアイテムの登場頻度を調節する「アイテムスイッチ」が解禁される。

対戦モード

  • 本作の真骨頂。最大で4人まで対戦が可能。チームバトルもオーソドックスな2対2だけでなく、1対3や1対1対2といった変則バトルも可能。
    友人たちとの大乱闘は否が応にも盛り上がるであろう。

1人用モード

  • 一般的な対戦ゲームなどのように勝ち抜いて行くモード。全11ステージ+ボーナス3種。
    ストック数1~5と5段階の難易度と制限時間の有無*12を自由に設定可能なので、あえてストック1で最高難易度に挑む事も出来る。
    普通のタイマンだけではなく、吹っ飛び易くなった大量のヨッシーや他キャラのコピー能力を持ったカービィとの軍団戦、マリオブラザーズとの2対2のタッグ戦、巨大化し強力になったジャイアントドンキーを3人で攻略するチーム戦、非常に重くふっとばしにくいメタルマリオとの1vs1など、一味違った対戦がてんこ盛り。
    • スコア要素もあり、単純に与えたダメージと残り時間の他、プレイヤーの行動によって更なるボーナスが加わる。
      • 例えば空中攻撃やスマッシュのみでクリア、特定のアイテムで倒す、チーム戦で味方が生き残る、軍団戦で敵を出てきた順番に倒す、ステージギミックを利用して倒す等種類豊富。一方で全く同じ技ばかり使うと少し減点される。

ミニゲーム

  • 1人用モードのボーナスステージ「ターゲットをこわせ!」と「台を乗りついでいけ!」を単独で遊ぶ事もできる。
    これのタイムアタックがなかなか熱い内容で、特に「ターゲットをこわせ!」はキャラの各技をうまく使いこなせるような緻密なステージ設計がされている。
    「台を乗りついでいけ!」も一見単純だが、キャラクターの滞空性能や復帰技などを理解し、上手に立ち回らなければクリアできない歯ごたえがある。

評価点

  • 練り込まれたゲームシステム
    • 本作では単に攻撃を当ててダメージを蓄積させるだけでは勝つことはできない。しかし蓄積ダメージで有利な状態であっても、撃墜を狙おうと大振りなスマッシュ攻撃を連発すると隙を突かれて攻撃を食らってしまい、結局ダメージで追いつかれたりあっさり逆転されたりということもままある。
    • 威力と隙の比例関係の他、後ろ空中攻撃は当てにくい分性能が良いものが多いなど、どの技にもリスクとリターンが存在している。 そして足場の外に飛び出せば撃墜を格段に狙いやすくなるが、自分もちょっとした反撃を食らって容易に落下する絶大なリスクを背負う。 逆に遠距離から飛び道具を撃ち続ければ安全にダメージを与えられるが、そこから撃墜に持ち込めるキャラは接近戦が苦手なタイプに限られる…と、 常にジレンマに悩まされる絶妙なゲームシステムとルールが構築されている。 この「駆け引き」は本シリーズの、ひいては以降の桜井氏のゲームにおける不文律となっている。
      • 3人以上のタイム制だと敵から逃げ回ってダメージが溜まった相手だけを狙う「ハイエナ」と呼ばれる戦法も可能だが、大抵の場合はそういうプレイをしていると他のプレイヤーのヘイトを買って集中的に狙われるようになるというように、ゲーム外での心理的な駆け引きもバランス向上の一因になりうる。
    • 本作は蓄積ダメージで負けていても、ふっ飛ばし力の高い大技を当てれば逆転のチャンスが芽生える可能性が後作よりも大きい。 さらに、場外の攻防で使うことになるメテオ技*13の動作が素早いものがとても多く、ダメージを蓄積していない状態からでも即撃墜が可能なため、常に緊張感がある戦いが展開され続ける。
  • 高いアドリブ性
    • 例えば同じ技を当てたとしても、相手のキャラや蓄積ダメージ、ステージの地形、敵のリアクション(回避するか迎撃するか)等によってその後の立ち回りは変わってくるため、適時状況を判断してコンボや追撃を決める必要がある。
    • また相手の戦術はもちろん、ステージの位置取りや、残りタイムやポイント差によっても取るべき行動は常に変動していく。その場その場で多彩な戦略を練り実行する必要があるため、プレイ中のアドリブ性はとても高い。 対戦において確定コンボと言える連携に至ってはかなり少なくなっている。
    • さらに多人数戦やステージのギミック、そしてアイテムのランダム性を考慮すると飛躍的に不確定要素が増えるため、プレイするごとに毎回違った展開になり、繰り返しプレイしても飽きにくい。
  • 初心者に易しい操作とゲーム性
    • 必殺ワザなどを含む全ての行動がどのキャラも一律「スティックを1方向へ倒す+ボタンを押す」のみで成立しているため、非常に単純明快でとっつき易い。格ゲーの複雑なコマンド入力は基本的に不要なので、練習したり暗記するのが苦手という人でもすぐに楽しめる。
    • 乱闘であれば、アイテムなどの運が向けば技の打ち合いに劣るプレイヤーでも得点の可能性を引き寄せられる。 ストイック化しがちな対戦格闘ゲームにおいて、幅広い層が楽しめるパーティーゲームの要素を色濃く持っているのは貴重。
  • 勝ち負けよりも楽しむことを重視してもらうための工夫が随所に見られる
    • 本作は格闘ゲームではほぼ当たり前である「ガチの殴り合い」という要素から来る殺伐さを極力控え、先述したようにあくまで「スポーツとしての戦い」的な雰囲気を演出している。誰かが吹っ飛ぶ度に歓声があがったり、試合中にある条件を満たせば声援が送られる事もある。
      • 対戦結果画面では1位のプレイヤーに他のキャラが拍手を送る。この「敗者が勝者の健闘を讃える」という演出は、他ではなかなか見られない要素である。
        初心者にとってハードルが高く殺伐とした雰囲気の漂う格闘ゲームに対するアンチテーゼ」との公式の言葉を端的に表す要素の一つとなっている。
    • SEは絶妙にリアリティさが抑えられた外連味のきいたものが多く、ワザを当てたりふっとばした際の爽快感を助長させてくれる。海外版だとヒット音が変更されており、続編との色合いの違いがより顕著。
    • スマッシュ攻撃の全力パンチや、ブリンスタの酸の海などで豪快に煙を残して吹っ飛んだり、 画面上端を超えると遥か彼方で星になったり、カメラの手前に向かって落ちていくことがあるなど、ギャグチックな演出もオーバーなリアクションをより引き立てる。
  • 斬新なゲームシステム
    • 「3人以上による同時対戦」「足場や画面の外に落とさないとポイントにならない」「ジャンプアクションゲームのようにステージを縦横無尽に動き回りながら戦う」「アイテムなどの豊富なランダム性」と言った要素はいずれも従来の格闘ゲームとは一線を画しており、オリジナリティが高い。
    • 本作のヒット後は、これらのゲーム性を模倣したフォロワー作品も数多く登場し、現在では対戦アクションにおける一つのサブジャンルを形成している。
  • オールスターゲームとしての要素
    • クロスオーバー性が徹底されており、オリジナル要素は一部アイテム以外は1人用モードへとほとんど集約されている。
    • ファイター・ステージはいずれも任天堂の有名な人気タイトルの主役と名所であり見た目からして豪華。とりあえず原作をプレイ済みで知ってるキャラを使ってみる、と取っ付きやすさにも一役買っている。
    • バトル開始時の登場演出はそれぞれ原作にちなんでおり、元ネタを知るファンには嬉しい。ステージBGMも各作品のメインテーマ曲であり、結果発表時のキャラの勝利ファンファーレも原作の印象的なジングルが使われている。
    • キャラの技や性能も、原作ゲームの要素がそれなりに反映されている。例えばマリオは上Bを使うと原作同様ジャンプ時のSEが鳴り、サムスは原作の独特のふんわりしたジャンプの挙動が再現されていたりといった具合である。
      • 一方、使用する技に関しては、キャラやプレイヤーによっては疑問視するものもあるが…。(後述)

賛否両論点

  • 後続の作品と比べて遊べるモードは1Pモードと対戦モードのみ。機能的にはシリーズで最も「対戦ツール」っぽい造りになっており、ややボリューム不足も感じられる。
  • ゲームバランスはとても大味。アップデート無しの家庭用限定対戦ゲームの例に漏れず、細かい所を突っついていくと良く言えば豪快な、悪く言えば粗い点がいくつも出てくる。
    • 喰らい後の操作不能時間が長すぎる、投げやメテオ技(下方向に敵を吹っ飛ばす)が強すぎる等々、攻撃に関する調整は特に顕著。
    • これらの特徴が相まって、極まったプレイヤーたちの手にかかると「何かワザが当たった瞬間コンボで100%近くのダメージを与えた挙げ句にKO」という鎧袖一触な世紀末コンボゲーと化すこともある。
      • もっとも初代作なので粗があるのもしかたなく、それも魅力の内と主張するユーザーもいるので最終的に好みの問題ともいえる。
+ キャラの強さについて

対戦要素のあるゲームではまず間違いなくキャラの強さが話題に上がることが多いが、スマブラシリーズはパーティーゲーム寄りの作風で作られており、2人以上の同時対戦やステージギミックなどの不確定要素も多いため、明確に各々のキャラの強さを格付けするのが困難になっている。
ゆえに下記の格付けはあくまでも参考程度のものであることを、最初に記しておく。

  • 総合的には、カービィが本作での最強キャラといわれる
    • コンボのしやすさに復帰のしやすさ、復帰妨害のしやすさ、相手を吸い込んで復帰できないところで吐き出し自分だけホバリング+ファイナルカッターでステージに戻れる(やりすぎるとリアルファイトになりかねないので注意)などから、直感的に操作するだけで充分戦えてしまう。カジュアルプレイヤー同士で対戦するとカービィだらけになってしまうということもしばしば。
      • このことは本作ディレクターの桜井政博による自社キャラへのエコヒイキであると揶揄され、その反動からか続編『DX』のカービィは「前作の半分以下の性能」と言われるほどの致命的な弱体化を喰らってしまった。後のシリーズでも『X』のメタナイトの壊れ性能、『for』のパルテナ勢の露骨な優遇という点で尾を引くことになる。
    • カービィや後のスターフォックス勢に限らず、ゲームシステムの都合上機動性が高く扱いやすいキャラの評価は高く安定する傾向にある。
    • 所謂ガチ対戦*14・参考上のキャラランク査定においてもカービィは上位に位置しているが、この場合の本作における最強キャラはピカチュウとされる。また、この2キャラの次点としてキャプテン・ファルコン、フォックスが続く。
      • 反対に操作性に癖があり、システムと噛み合っていないルイージや、機動力の低いドンキーコングは弱キャラとされることが多い。また、乱闘で強キャラと言われるネスがこの形式では下位に落ちたり、本来最弱キャラとして作られたはずのプリンは中堅に位置したりと、乱闘とは一味違うランク付けになっている。それでも、 1コンボによる撃墜や投げを使った凶悪なコンボは全てのキャラに存在する ので、「全てのキャラクターが壊れた性能」と言えなくもない。
      • ただし、この「ガチ対戦」はあくまで桜井氏が想定した遊び方の一つに過ぎないことにも注意が必要。
  • 「台を乗りついでいけ!」の難易度は見た目によらず意外とシビア。
    • 「やりがいがあっていい」……という意見もあるが、特にプリンのコースは必殺ワザ「はたく」の空中での特性に気づかない限り最後の台をクリアできない、「ターゲットをこわせ!」も一部に壁際めり込みの攻撃を前提とする配置があるなど、キャラをある程度使いこなさねば攻略に難儀するボーナスステージも少なくない。
    • 「ターゲットをこわせ!」と比べるとイマイチ人気がなかったためか、次回作以降では削除されてしまった。
  • キャラクターごとの原作要素に関して
    • 上記で「キャラクターには原作ゲームの要素がそれなりに反映されている」と触れたものの、スマッシュブラザーズは本来ならば、桜井政博氏の考案である「格闘ゲーム竜王」に任天堂キャラクターを当て嵌めただけの状態であることなどもあってか、原作を知っていると首をかしげる描写もそこそこ存在する。
      • 例を挙げれば、本来カービィは豊富なコピー能力を使って戦うキャラであるが、スマブラでは相手キャラの通常必殺をコピーできる程度で、必殺技は「ストーン」「カッター」、通常技は「ファイター」「スープレックス」らしき足技メインで構成されている*15。これは「カービィは本体ピンク、足が赤なので色合い的にキックの方が見やすかった」からとのこと。また、その割には原作の基本アクションであるスライディングキックが現行シリーズでも実装されていないなどちぐはぐな面も。
      • フォックスについては原作ではやや無鉄砲ながら仲間思いな熱血漢だったが、本作では勝利画面などで「へっ」と腕を組むなどキザなキャラに見える描写が多い。
      • キャラの項目で書いた通り、ネスの必殺技は全て原作ではポーラが使用する攻撃用PSIである。原作再現を何より重視するプレイヤーからは原作無視という批判の声が大きい。
        ただし、原作におけるネスのPSIは補助・回復系がメインであり、専用の攻撃PSIも無属性という性質上イメージが統一されていないため絵として作りにくい事を考えると、火・氷・雷というオーソドックスな属性を持つポーラのPSIのほうがアクションの技として成立させ易かったという事情は考えられるだろう。
      • その一方で挙動から技まで全くの本作オリジナル*16であるキャプテン・ファルコンは高い人気を博し、いくつかの要素が原作に逆輸入されたという例もある。
    • 以降のスマブラでも本作に登場するキャラについては、そのほとんどが本作をベースにした性能である事は変わっていない。
      「スマブラ」を形作る基盤部分としての役割を与えるという意味で変えていないと考察することもできるが、キャラゲーとしての役割を重視するプレイヤーからは大きな不満点となっている点でもある。
      • 特にマリオ、ピカチュウ、カービィあたりは新作が出続けてるのに64の頃から構成があまり変わっていないと不満が出やすい面もある。

問題点

  • 操作の難しさ
    • 前述の通り「基本は3ボタン」「どの操作も1方向+ボタンで出せる」シンプルな操作体系を採用しているが、その影響で使い分けにシビアな入力違いを要求されるアクションが存在する。
      代表的な物は「強攻撃とスマッシュ攻撃」「小ジャンプ」の二つ。
      • 強攻撃とスマッシュ攻撃はどちらも「1方向+Aボタン」という操作だが同じ方向でも3Dスティックの倒し具合で技が変わってしまう。操作に慣れても出そうとしてないほうが暴発しやすい。
        さらに上方向への攻撃となると、さらに上にスティックを弾くと出るジャンプが暴発しやすい。強攻撃&スマッシュ攻撃(&ジャンプ)の使い分けは初心者にとってシリーズ共通の課題となっている。
      • スマッシュ攻撃の反応がやや悪い。説明書では攻撃方向へ3Dスティックを弾く+Aボタンの同時操作だが、この方法で上スマッシュを出そうとするとジャンプや通常上攻撃が暴発しやすい。厳密には攻撃方向へ3Dスティックを素早く最大まで入れたままAボタンというニュアンスの方が出やすい。~上強攻撃の隙が大きいキャプテンファルコンやサムスは通常上攻撃暴発が元で一気に総崩れになる事さえある。
      • ワザを間違えただけで1人用モードの特別ボーナスにも影響しかねないため、とてもデリケートな問題であるが、上入力でのジャンプのオフ機能は『X』、弾き入力の感度調整は『SPECIAL』に至るまで導入されなかった。
    • 小ジャンプはCボタンを押してから3F以内にボタンを離すことで通常より低いジャンプが出るテクニック。全シリーズで上達には必須のテクニックだが、安定させるのは難しい。*17
    • 他にも使える方だけが明らかに有利な敷居を高くしてる操作テクニックも多い。特に着地キャンセルは「状況によって使えば有利」、ではなく「使える場面では必須(使わないと損をする)」な公式テクニックである。
      この手のテクニックはゲームの奥深さを作っている部分でもあるが、スマブラシリーズが格闘ゲームのアンチテーゼを謳い文句にしている割には同じような要素ともいえる。
  • 勝ちを狙うと消極的になりがちな3・4人乱闘
    • バトルロイヤルゲームの永遠の課題とも言える問題点。勝ち筋だけを考えると「飛び道具連発」「弱った相手のとどめだけを狙う」「ひたすら逃げ回る」といったやや弱腰な戦い方が優位になりやすい。
      • タイム制では「撃墜した時に最後に攻撃したプレイヤー」に得点が入るシステムのため、この点はより顕著になる。「ゲーム中最も多くのダメージを与えたプレイヤーに試合終了後にボーナス点」といった積極的な攻撃参加を推奨するような仕組みは、事実上『DX』の評価制のみ。
    • 公式側でもこういった戦い方が発生するのは把握の上であり、スマブラ拳では、「黒いヤツ」と断じつつも、「戦い方はすべて自由」「個々のあそび場でバランスを取ろう。」とユーザー同士のローカルルールに委ねる姿勢を見せている。
      • ある程度習熟しているプレイヤー同士なら、点数が多そうな首位プレイヤーに狙いが集中するだろう。しかしそれを見越してか試合中は撃墜点が表示されない仕組みになっており、可視化するには後作の隠しオプション登場まで待つしかない。
  • 自滅の仕様
    • タイム制バトルは本来相手を撃墜することで「撃墜すると+1ポイント、撃墜されると-1ポイント」であるため1vs1しかいないと2ポイントずつ差が開くシステムとなっている。しかし「相手の攻撃に当たらずに自分から場外に落ちる」自滅をした場合、+1ポイントが誰にも入らないのに撃墜された場合と同じ-1ポイントしか適用されないため、結果的に1ポイント差しかつかない。
      • このため、ダメージが蓄積して危ない状況になった場合、無理にそのまま戦って相手に撃墜されるより、自滅してダメージリセットしたほうが得な仕様になってしまっている。ストック制が好まれる一因にもなっている。
    • 実際、タイム制を採用した全国大会では決勝まで自滅が横行した。これを受けてか、『DX』は自滅点を-2ポイントに変更できるようになる・『X』からは撃墜者判定が無期限になり*18自滅判定そのものが稀になった、などの改善が見られた。
  • CPUのAIがおかしい。
    • 高レベルだとアイテムを積極的に取りに行くのだが、空中から着地してビームソードを取る際何故か着地寸前で空中ジャンプを出す、スターを何故か無視し逆に取られると挙動不審な行動を取り始める、ステージギミックを認識していないのでアイテムを取りに行く時や自ら巻き込まれに行く事がある、ボム兵を取る途中で動き出し自滅、モンスターボールだけ何故か少し間をあけて使う等。
    • 復帰ワザ使用後に妨害されると再度復帰ワザを使わず諦めてそのまま落ちたり、レベル9以外だと復帰ワザ自体を使用しない事すらある。
    • フォックスは上必殺ワザのファイアフォックスでよく自滅する。
      • 1人用モードの対フォックス戦において、ステージ端におびき寄せれば特別ボーナス「アンチウォー(敵に一度もダメージを与えないまま、敵が自滅する)」を狙いやすい利点にもなっているのだが。
    • タイマンの場合相手をふっ飛ばした後、アイテムが無い限りステージ端で待機しているだけなので相手の復帰ワザによく巻き込まれる。
    • チャージ系のワザは高レベルだと上手く使いこなせておらず、特にドンキーはチャージ→緊急回避の繰り返しで殆ど最大まで貯める事がない。
    • この事から、本作のCPUは後作と比べるとかなり弱い部類に入る。
  • 「アイテムスイッチ」(対戦中に出てくるアイテムの出現率を変更するオプション)出現の条件が対戦100回であるため、出現させるまでが少々面倒。
    • アイテム出現のせいで戦いにくい事が多い。敵のすぐそばに無敵スターが出現してそのまま無敵化、壁際付近での戦闘中にファイアフラワーが出現して壁ハメ多段ダメージ(フルセットで177%)、敵の目の前にハンマーを取られると絶対に逃げられないタイミング・位置で出現等々、致命傷になりやすい。
    • アイテム抜きのガチンコ対戦を好む層もおり、最初から出現オンオフ切替出来るようにすべきではとの声もある。後続作ではアイテムスイッチをデフォルトで利用可能に改められた。

総評

「体力によるKO制でなく、ふっとばしによるリングアウト制」「複雑化の一途を辿るシステムに対し、操作そのものの単純化」など、従来の格闘ゲームに対する強烈なアンチテーゼとして生み出された作品。

『星のカービィ』の桜井政博とHAL研究所製作らしく、誰にでも楽しめるハードルの低さと、戦略や読み合い、高いアクション性などの奥深さを併せ持った、万人が楽しめる一本である。

「ニンテンドウオールスター」の話題性と取っ付きやすさも相まって、「友人同士で遊ぶゲーム」の新たな定番タイトルとしての地位を確立した。


余談

開発状況など

  • 本作の企画は、HAL研究所内での社内コンペ用として桜井政博氏が試作していたタイトル『格闘ゲーム竜王』に端を発している。
    • 当初はコンペに負けて企画保留状態となっていたが、その時期開発していた『MOTHER3 豚王の最期』の遅滞(後に開発中止)により本格的に開発が開始された経緯がある。
    • 『格闘ゲーム竜王』はシステムの企画こそ完成していたが試作タイトルのためキャラは全て生ポリゴンの棒人間、ステージ背景はHAL研究所のある山梨県の風景であった。ちなみに竜王の名前もHAL研究所から窓から見える距離にある「竜王駅」から(参考リンク)。
      • 「竜王」のプログラミングをしていたのは後に任天堂社長となった故・岩田聡氏。
    • 製品として出すためにキャラクターを作る必要があったのだが、「一から作るよりも既に出来上がったキャラクターを使うほうがゲームの世界観が伝わりやすい」という判断により任天堂のキャラクターが使用される運びとなった。
  • 上述の制作経緯のため、後作と比べて極端に登場キャラが少ない。「オールスター」といっても代表戦に近い印象を受ける。
    • 例外はポケモン。モンスターボールで出現する種類やヤマブキシティでのやくものや背景として登場する種類を考えると、群を抜いて多い。
  • 開発当初は1人用モードも搭載する予定はなかった。
  • クッパ、デデデ大王、ミュウツーも参戦予定だった。クッパとミュウツーは『DX』で、デデデ大王は『X』で実現。

小ネタ

  • 「キャラがお互いに殴り合って戦う対戦アクションゲーム」というジャンルと多種多様な世界観の都合上、本作に登場するのは原作ゲームのキャラクター本人ではなく「キャラクターの人形たちが夢の中で戦う」という設定になっている。この設定は『DX』以降は「フィギュア」という形で継承されている。
    • 「大乱闘スマッシュブラザーズ」というタイトルや「人形が夢の中で戦う」という設定のアイデアを考案したのは糸井重里氏。
  • 隠し要素解禁時のメッセージ画面は、当時子供だったユーザーから「トラウマになった」という声が後を絶たない。
    • その内容は「バグのような文字や模様がちりばめられた青い背景」「警告マーク」「淡々としたフォント」「突然高音ではじまるBGM」で要素の出現をお知らせするもの。本来のメニュー画面の雰囲気からかけ離れたそれが唐突に出てくる事で、パソコンのブルースクリーンのような寒気に襲われたユーザーは数知れず。
      • 基本的に隠しキャラの乱入戦より後に見るメッセージなので、心の準備ができるだけマシ……と思いきや、「アイテムスイッチ」「いにしえの王国」といった、突然出現する隠し要素もあるため、そこで不意打ちを食らう人も。
      • そもそも隠しキャラの乱入演出からして真っ暗な背景とステージ開始BGM以外は上記と同じであるため、こちらも怖がっていたユーザーも少なくない。
  • 本作のみの特徴として、電撃属性の技を受けるとキャラのレントゲン(骨)モーションが表示されるといった小ネタがある。なおサムスのみはパワードスーツの中身が表示されるため、これでサムスの性別を知ったプレイヤーもいる。
  • 本作のアメコミ調のパッケージは印象的だが、桜井氏はこれがかなり不満だった模様。
    • 既存のキャラゲーのようなお祭り騒ぎのイメージが氏の想定に反していたらしく、公式ホームページでは再三批判を行なっていた。「もしバランス調整の含んだアッパーバージョンが発売できるなら、パッケージも一新したい」とも。
      • 実際に、本作が発売初期に過小評価されていた事も関係していると思われる。
    • 以降のスマブラではパッケージデザインに見直しを図っており、シリアスな雰囲気で統一されている。
      • 余談だが、これ以降カービィシリーズや『新・パルテナ』では日本と海外のイメージに合わせてパッケージを変更するなどの凝りようが見られる。これは氏の関わらないカービィ作品でも踏襲された。*19
  • キャラクター選択画面の画像は、ほぼ全て過去に使われた版権アートワークから流用している*20。ネットを通じて元ネタを探してみるのも一興。
  • 大本眞基子氏がカービィの声を担当した初の作品である。以降、カービィの声は世界共通で大本眞基子氏の声が使われている。
  • 本作は、HAL研究所のロゴマーク「犬たまご」が初めてお披露目となった作品でもある。
    • ゲームを起動すると飛ばす間も無く目に入るため、印象に残りやすい。『スマブラ』の発売直後、HAL研究所にはロゴマークの詳細を問い合わせる声が届いたという。(参考リンク)
  • ルイージを指し示す言葉でおそらく一番有名だと思われる「永遠の二番手」を最初に明言したゲームは本作である。
    • 流石にマズいと思われたか、次回作以降は「緑の人気者(緑の人気もの)」に差し替えられている。…が、米国版『for』の特設リングで表示されるリングネームは「The eternal understudy(永遠の二番手)」になっている。日本版と欧州版では「緑の人気もの」なのに。
  • 日本では『DX』から追加された要素のうち、海外版の本作にも1人用モードクリア後にキャラクターの一枚絵がある。
    • 公式ホームページに掲載されているので日本のユーザーへのフォローはある。気になる人は探してみるといいだろう。
  • プリンの設定や跳ねるトサキント、群れで襲ってくるスピアーや各ポケモンの鳴き声など、本作におけるポケモンのイメージはアニメ版の影響が大きい。
    • 後のシリーズ作品でも、ミュウツーやルカリオのCVや設定などでこうした傾向が見られるようになっている。
    • 逆にマリオとポケモン以外の任天堂の各シリーズには、本シリーズの存在が影響したと思しい展開が散見される。
  • 本作のスマブラを表すロゴは以降のシリーズにも継承されている。
  • 海外で放送されていたCMは、メルヘンチックな花畑で仲良く手を繋いでいた着ぐるみ達がいきなり乱闘を始めるという、かなりカオスな代物。
    • 遅れて大ヒットした国内では、発売から数か月以上経過してから新しいバージョンのCMが放送された。最後のカットでファルコンをアピールで蹴落とすルイージは有名。
  • テレビ番組「64マリオスタジアム」ではお笑いコンビのあさりどが子供と対戦をするコーナーが放送されていた。

評価の変動

  • 最初はバッシングを多く受けたこともあり、ファミ通の評価レビューは微妙、売り上げも低かった。このことに頭を悩ませた桜井氏は、ディレクター自身がゲームを解説するサイト、『スマブラ拳!!』を立ち上げ、シールド中のキャンセル仕様・着地キャンセル・ヒットストップずらし・ワンパターン相殺……等々と隠された奥深いシステム仕様やテクニックをどんどん公開していった。
  • 本作で再び日の目を見たシリーズも少なくなく、初代当時は完結作を打たれていた『メトロイドシリーズ』が復活し、MOTHERシリーズが3発売前に『MOTHER1+2』としてGBA移植されたのは本作のヒットによる影響も大きい。
    • キャプテン・ファルコンは元がレースゲーム故に技が全てオリジナル。その中でも必殺技「ファルコンパンチ」は絶大なインパクトを与えたことにより、アニメ版で逆輸入されたのは有名。
  • 2001年、ゲームキューブで続編『大乱闘スマッシュブラザーズDX』が発売。70年代末のアーケードゲームから当時まだ発売予定だったゲームまで幅広い作品を登場させ、以降の任天堂におけるクロスオーバー作品としての立ち位置を決定的なものとした。
    • ゲーム内容はマニア向けな仕様がシリーズでも非常に濃いと共に、シリーズ最高傑作との呼び声も高く、2018年の『for』、2019年の『SPECIAL』とともに、任天堂の対戦アクションを大いに盛り上げる存在になっている。
  • 後のどの作品はおろか、シリーズ続編とさえも似つかない独特のゲーム性から、発売から20年経った現在でも本作をやり続けているプレイヤーは国内外共に一定数存在する。
    • 近年ではスマブラ全体の競技としての活性化に伴い、特に2016年以降は海外でも大型スマブラ大会の種目に『DX』および最新作と共に本作が選出されることが多くなっている。
    • この他この作品ならではのやりこみとして、コンボコンテスト大会が定期的に催されている。他のタイトルでも同様の競技はあるが、コンボテクニックの出来栄えを競う場については本作が最も主流となっている。