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クラッシュ・バンディクー3 ブッとび!世界一周 - (2014/07/05 (土) 15:12:29) の編集履歴(バックアップ)


クラッシュ・バンディクー3 ブッとび!世界一周

【くらっしゅ・ばんでぃくーすりー ぶっとび!せかいいっしゅう】 

ジャンル アクション
対応機種 プレイステーション
発売元 ソニー・コンピュータエンタテインメント
開発元 Naughty Dog(ノーティドッグ)
発売日 1998年12月17日
定価 5,040円
配信 ゲームアーカイブス:2007年9月27日/600円
分類 良作
クラッシュ・バンディクーシリーズリンク


概要

人気アクションゲームであるクラッシュ・バンディクーシリーズの3作目。
本作は世界中を駆け回り、時空さえも超えてしまうという、副題の通りブッとんだ内容となっている。


ストーリー

パワーストーンを守り、ニトラス・ブリオのビーム砲でコルテックスの宇宙要塞を破壊し、世界を救ったクラッシュ。
だが、平和な日々は長くは続かなかった。悪運だけは強いコルテックスはまたも生きていたのだ。
世界征服の夢を捨てきれないコルテックスは新しい参謀、エヌ・トロピーの発明で時代をさかのぼり、パワーストーンを手に入れようとしていた。
このままパワーストーンを奪われたら世界はコルテックスのものになってしまう。

そんなある日、突然タスマニア島に不気味な笑いが轟く。アクアクはその笑いで何かを察する。
「また冒険の旅に出なければならないようじゃ」時空を超えての世界の旅はこうして始まった。


評価点

  • アクションが強化された。
    • ボスを倒すごとに、「スーパーボディープレス」「ダブルジャンプ」「たつまきスピンアタック」「リンゴバズーカ」「スピードシューズ」が使えるようになる。
      • これにより、今までは無報酬だったボス戦がよりフロア*1の節目としての機能を果たすようになった。
    • 特に「ダブルジャンプ」と「たつまきスピンアタック」、「リンゴバズーカ」は強力。滞空時間を延ばすことで落ちやすい穴を確実に渡ったり、一定時間スピンを維持することで今まで対処しにくかった「連続して襲ってくる敵」を容易に処理したりできるようになった。
      • これによって基本的な部分の難易度は下がった。ただしパーフェクトクリアのためにはスライディング→ダブルジャンプ→たつまきスピンアタックを連続で、タイミングよく行うことを求められるなど、部分的に難易度が上がった箇所もある。
      • またシリーズ特有の、前後左右に容赦なく落ちる不安定な足場や倒し方に工夫がいる敵などは健在のため、難易度がガタガタに下がっているということはない。旧作のファンでも十分に楽しめる。
  • 一度クリアしたステージで、タイムアタックモードを遊べるようになった。
    • ただステージを駆け抜ければいいというものではなく、ステージの随所にある「時間を止めてくれる箱」を壊していくことが重要である。1秒箱から3秒箱まであり、プレイヤーの間では某漫画にちなんで「ザ・ワールド箱」とか呼ばれたり…
    • 規定タイムを上回るとトロフィーが獲得できる。サファイア・ゴールド・プラチナの3種類が用意されている。
      • ゴールドの規定タイムを見るためにはサファイア獲得、プラチナの規定タイムについてはゴールド獲得+ラスボス撃破という条件があるが、タイムが表示されていない上位トロフィーでも規定タイムを上回れば獲得できる。
      • トロフィーの獲得が隠しステージ出現の条件であり、タイムアタックという性質も相まって抜群のやりこみ甲斐。
      • 規定タイムの設定は絶妙で、最高位のプラチナは「事前の入念な研究・練習」と「ステージを通して僅かなロスも生まないゲームの腕」の両方の要素を持っていても殆ど余裕のないやりこみの極致。ゴールドは前述の要素のうちどちらかがあればよく、アクションが苦手な人のやりこみ要素に最適。サファイアは余裕があるので、焦らずステージクリアを優先しても間に合うレベル。
      • 隠しステージの出現はサファイアトロフィーでよいため、練習量に違いは出るだろうが、ゲームの腕のせいで隠しステージを遊べないという人はまずいないだろう。
      • 前述の「スピードシューズ」は文字通りクラッシュがダッシュできる様になるシロモノ。しかし実は取らなくてもさらに速い走法がある為、プラチナを取るのにこれが必要と言う訳ではまったくない。
    • 余談だが、このタイムアタックモードの仕組みはほぼそのまま『クラッシュ・バンディクー レーシング』に受け継がれる*2。規定タイムの絶妙さもそのままであり、スタッフが自分たちのゲームについてよく把握できていることを窺わせる。
  • ステージの種類が大幅に増加した。
    • 構成自体は既存のものに近くとも、ギミックや背景が変更されておりマンネリ感は全く感じない。
    • ステージに合わせ、敵の種類も増加。前作と同じく、なぜか多くの敵が作業員、研究員という眼鏡面だが。
    • それに加え、アトランティスの水中ステージ・カリブの海上ステージ・アメリカ西部のレース・世界大戦時代のシューティングなど、様々なステージが追加された。特に後者2つはただゴールを目指すのではなく、「1位になる」「体力が尽きる前に大型敵機を全て撃墜する」という一風変わったもの。
      • これに伴い、プレイヤーが乗る乗り物の種類も増えた。
  • 3種類のステージでココ*3を使えるようになった。
    • ただし本人のアクションはなく、虎のプーラ、水上ボート、戦闘機など何かしらの乗り物に乗る。
    • 戦闘機によるボスステージも1つ割り当てられており、従来作とはうって変わって物語の中心人物の一人となった。
      • ただし倒したのはココなのになぜか敵の敗北ボイスではココではなくクラッシュの名前しか出ない。
  • 仕様変更により便利になった部分がある。文にすると小さなことのようだが、以下はいずれもゲーム中に数え切れないほど行う基本的な部分であり、ゲームのテンポは非常に良くなっている。
    • シマ箱で1回跳ねるごとに出てくるリンゴが1個から2個になった。
    • △ボタンを押したときやボーナスステージの中で壊した箱の数を確認できる*4のだが、本作では今まで壊した箱の数に加えてステージ中の箱の総数も確認できるようになった。
    • 全てのワープルームが1枚のマップに収められたため、フロア間の移動が格段に快適になった。
  • やられアクションが豊富
    • アクションゲームの中でも独特なのが、前作と同じく敵にやられた時のクラッシュのリアクションが豊富で面白いという点である。
    • 中にはグロテスクなやられ方もあるが、クラッシュが巨人に殴られカメラ画面までぶっ飛ばされる、針が刺さって風船のようにしぼむ、野外でズボンを斬られてパンツ一丁にされるといった見てて笑えるようなものも多く、わざと敵にやられてリアクションを楽しむことさえできる。
      • パンツ一丁にされるシーンはわざわざ攻略本にまで取り上げられている。
  • ゲームを進める度におまけムービーが観られる。クラッシュ、ココ、コルテックス、アクアクの四種類があり、どれもユニークで面白い。特にアクアクのムービーは必見。
  • ポケットステーションの「どこでもクラッシュくん」も、音ゲー・アクション・パズルなどバリエーション豊富。アクアクのアドバイスを聞き返す事も出来る。

問題点

  • フロア4クリア時に手に入るリンゴバズーカが反則的な強さ。
    • 一切のリスクがない・射程はほぼ視界全体・クラッシュのアクションでは倒す方法に制約がある敵の大部分を問答無用で倒せるという性能。
    • ただしリンゴバズーカを実戦投入出来るフロア5は「リンゴバズーカを使う事を前提にしたギミック・バランス」が登場しており、ステージラストのニトロ爆破スイッチがなくなっている事もある(ニトロはバズーカで壊せという事だろう)など決して終盤ステージの難易度を下げている要素にはなっていない。
    • またダイヤ集めには抜群の性能を誇る。テクニックがなければ壊せないはずの箱を容易に壊したり、箱を壊すのを邪魔している敵やニトロ箱を事前に排除したりすることで、苦労しながらやっとの思いでクリアしたステージでも容易に再クリア・ダイヤ回収ができる。
    • 一番のやりこみ要素であるタイムアタックではロスが大きすぎて使いものにならない。タイムアタックを始めるための時計アイテムは先へ進み過ぎると消滅するため先にステージを進めてバズーカで敵を排除してからスタートという事も出来ない。せいぜい開幕時に少し前の所からリンゴバズーカを放って始めるくらい。このため上級者のやりこみへの意欲を削ぐようなことにはならない。
    • ちなみに攻略本のインタビュー曰く、「手こずったモンスターを簡単に倒せる快感をユーザーに味わってもらいたかったので。こういうアレンジ、すばらしいことなんじゃないでしょうか」らしい。
  • ステージの種類は増えたものの、ステージの数自体は前作と殆ど変わらないため、結果的にボリュームが少なく感じてしまう。
    • もっとも前述のとおりタイムアタックがあるので、一本のソフトとしての寿命は前作の数倍に伸びている。
  • ステージを始めるには、ステージに対応するボタンを踏んで出現するワープゾーンに飛び込む必要があるのだが、ボタン同士の間隔がきわめて短いので、意図しないステージを出現させてしまう場合がある。
  • 一部の隠しステージの入り方がほぼノーヒント。アクアクが教えてくれることもあるが、一回きりのため聞き逃すと大変。
  • 真EDが投げっぱなし。
    • 従来通り、ダイヤなどもコンプリートした状態でラスボスを倒すと真EDが見られるのだが、その内容が投げっぱなし。人によっては「意味不明」との意見も。
+ 具体的に
  • クラッシュ&アクアクに敗北したウカウカが封印される事を恐れ、タイムネジネシマシンを暴走させて空間を飲み込む。
    • その後クラッシュ家にてアクアクがクラッシュとココに解説する。「タイムネジネジマシンは自分の中に飲み込まれてしまったようじゃな」とのこと。更に「危なかったのぅ」「そういえばあの連中はどうなったんじゃのぅ?ゲートの中でどうなってるかワシには想像もつかんわい」という実に投げっぱなしっぷり。
    • ウカウカは赤ん坊になった(?)コルテックスとエヌ・トロピーに奪い合われ引っ張りまわされるというよくわからないもの。よこちぇ!これちゃえあれば、世界をまた征服できるんちゃぁあ!!
  • ゲーム内要素にはあまり影響しないが、攻略率を最大にするにはポケットステーションが必要。
    • ゲームアーカイブスでは長らく再現不可能だったが、2013年12月にPSVita上でポケットステーションを再現する事が可能となり本作も対応している。しかしPSPのゲームアーカイブスではポケステを使えないのは変わらない。

総評

僅か一年でアクション・ステージ・UIの全てを進化させて帰ってきたクラッシュバンディクーシリーズ。
全ての新要素が初心者・上級者の双方にとってプラスとなっており、誰でも奥深いアクションを楽しめるゲームとなっている。
人を選びがちなアクションというジャンルにおいては、このような作品はほんの一握りである。

名目上はまだシリーズ半ばの作品なのだが、実質的にはシリーズの集大成にして最高傑作と呼べる作品である。
前作の大ヒットもあったため、累計販売本数91万本とシリーズ最高の売り上げを記録した。
現在ではゲームアーカイブスで簡単に購入できるので、興味がある方には是非プレイしてもらいたい。