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シムシティ4 デラックス - (2017/07/02 (日) 18:55:52) の編集履歴(バックアップ)


シムシティ4 デラックス

【しむしてぃふぉー でらっくす】

ジャンル シミュレーション
対応機種 Windows 98~XP、Mac OS X
発売元 エレクトロニック・アーツ
開発元 マクシス
発売日 2003年9月25日
定価 6,279円(パッケージ版・日本語)
1,980円(Steam・英語)
判定 良作
シムシティシリーズリンク


概要

  • シムシティシリーズの第4作、シムシティ4は緻密なグラフィックとそれまでになかったスケール感で好評を博したものの、2003年当時のPCでは通常の市販品で小都市をつくるのが精々、最高クラスのハイスペックPCをもってしても、大都市を造ると処理が重すぎて動作不良に陥るというバケモノゲームであった。
  • 拡張版として発売された『ラッシュアワー』とシムシティ4本体と同梱の『デラックス』は、『シムシティ4』にシステム上の改善点と、交通関連の大幅なアップデートが加わっている。

評価点

より緻密になった描写

  • 従来のシムシティーのように一つの都市だけを発展させるのではなく、広大なエリアから区分けされた多くの都市を同時に運営出来るようになった。
    • これによって、100万人都市からひなびた農村、高圧線と道路だけが存在する山地、大都市にくっついたベッドタウン他、いろいろな性格の町を同時に造ることができる。
    • 発電・水道・ゴミ処理等のライフラインを都市同士で相互補完することも可能。
    • 地図画像を取り込んで開発エリアとして使うことができる。
  • 神モードによって自由自在な地形造成が可能。非常にリアルな地形が作り出せる。
  • 建物や自然のグラフィックは非常に緻密で、発売から7年経った現在でも見劣りしない。周辺の環境に応じた描写の変化も非常に細かい。
    • 交通渋滞の激しいところでは事故が頻繁に起こったり、治安の悪い場所では落書きが散乱し、殺人事件が発生したりする。
  • BGMのクオリティはとても高く、長時間プレイしていても苦にならない。

多数の要素が加わった経営システム

  • 所得に応じて住民の行動パターンが異なる。よって今までのように地価や環境を高めて区画を設定すればそれで良いというものではない。
    • 低・中所得者は好んで鉄道やバスを利用するが、高所得者は自家用車を好んで利用し渋滞の発生源となるので、区画毎にどんな住民を住まわせたいのかも考慮する必要がある。
    • 特に高密度区画を設定すると、都市の需要を一気に吸い上げ公共サービスの許容量を埋め尽くしてしまうので、慎重な整備が必要になる。
  • 交通機関が非常に充実している。特に船舶輸送の追加で孤島マップでも開発がしやすくなった。
    • 職場までの通勤と帰宅が、いかにスムーズにできるかが重要な要素になっている。
    • 今までのセオリーだった碁盤目状の区画造成は渋滞を引き起こしやすいため、必ずしも有効ではなくなった。
    • 近隣都市の開発や交通網の見直しといった要素が加わったことで、都市経営が軌道に乗ってもただの作業になりにくくなっている。
  • シナリオモードがなくなった代わりに、ドライブミッションと呼ばれるミニゲームが加わり、臨時収入や特別建造物の報酬を受ける事ができる。
    • 難易度は3段階に調節可能。自然災害は自動で起こらなくなったので、じっくりと都市開発に集中できる。
    • 難易度を高くすれば、序盤は節約に節約を重ね、都市が成長してからも一つの失敗で財政が傾く、歯ごたえのある経営が楽しめる。

BATとLOTを楽しむ

  • 自分の手でオリジナルの建物を創りだす「LOT」と「BAT」が使用可能。ただし、導入には海外のファンサイトから専用プログラムをダウンロードする必要がある。
    • 導入手順はシムシティフォースというサイトにて詳しく説明されているので、示されている手順通りに行えば英語がわからなくても大丈夫。
    • 既存の建物のパーツを利用するのが「LOT」、一から建物をデザインするのが「BAT」である。システム拡張のための特殊なものも存在する。日本人ユーザーによるレベルの高い作品も多数公開されている。
    • 通常の状態だとアメリカを参考にした都市となるが、これらを導入すれば完全に日本風の町を再現する事も可能になる。
  • 施設の機能がデフォルトの物よりも格段に低コストでハイリターンな物が多いので気になる人は導入には注意しよう。

短所

  • システムが複雑で、開発を進めていく上で考慮しなければならない要素が非常に多いため、初心者はややとっつきにくい。
  • 地形の造成ツールはかなり大雑把であり、斜面や海岸線を直線に揃える等の人工的な造成は難易度が高い。また、水域の設定は自由度が低め。
  • 日本語訳の出来は良いとはいえず、誤訳や不自然な言い回しが散見される。
    • 日本向けローカライズの一環として道路が左側通行になっているが、信号や標識が右側通行仕様から修正されておらず、よく見ると不自然。

総評

  • 「つくりたい都市がつくれる」というシリーズ最高の自由度が、最大の長所。
    • 具体的な目標は一切提示されずプレイヤーを縛る物は何もない。
  • 長期間プレイしてても都市開発がただの作業にならないように配慮されており、まさに都市経営ゲームと決定版といえる作品である。

余談

  • 発売後4年経過したLOTやBAT制作による人気も落ち着いてきた頃に、ニコニコ動画に投稿された初心者講座から人気が再燃、ニコニコ市場での売上が大きく上昇した。
    • 発売後10年以上経た今もBAT/LOTは作られ続けており、現在もプレイ実況動画や他の作品とのコラボによる二次創作が多数投稿されていて、人気は衰えていない。


余談

  • Windows版はXPまでしか対応していないため、Vistaや7の場合動作保証がない。
    • 問題なく動作するという報告が大多数だが、PCによっては起動不能になったという事例も存在する。
    • マルチコアにも最適化されておらず、現行のPCでも数十万規模の大都市になると動作や処理が重くなる事が多い。
      • Windows側で、Simcity4に「1CPU」しか割り当てないように明示的に設定することで、動作が安定するという噂。
    • 2011年3月17日に発売されたEA BEST HITS版では、動作環境にVISTAと7が追加された。